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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008256
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/10 20060101AFI20230112BHJP
   B65D 25/04 20060101ALI20230112BHJP
   B65D 25/28 20060101ALI20230112BHJP
   B43M 99/00 20100101ALI20230112BHJP
【FI】
B65D25/10
B65D25/04 B
B65D25/28 103B
B43M99/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111667
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】390039734
【氏名又は名称】株式会社サクラクレパス
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー リュウ
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062AB07
3E062AC02
3E062EA02
3E062EB05
3E062EC04
3E062FA02
3E062FB03
3E062HA03
3E062HB02
3E062HB10
3E062HC01
(57)【要約】
【課題】物品を収納可能な状態と畳んだ状態の間での移行が容易であり、且つ、物品を収納可能な状態で十分な強度を発揮することが可能な収納箱を提供する。
【解決手段】物品を収納する収納部11,12を有する収納箱1において、収納部11,12が物品を収納可能な使用状態から、使用状態よりも扁平に畳んだ非使用状態にすることを可能とする。また、収納部11,12を仕切る仕切板部30と、使用状態で収納部11,12の底部分を補強する補強板部を有するものとする。仕切板部30と補強板部が連結され、使用状態と非使用状態の一方から他方に移行させるとき、仕切板部30と補強板部を共に動かすことが可能であるものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する収納部を有する収納箱であって、
前記収納部は、前記物品を収納可能な使用状態から、前記使用状態よりも扁平に畳んだ非使用状態にすることが可能であり、
前記収納部を仕切る仕切板部と、前記使用状態で前記収納部の底部分を補強する補強板部とを有し、
前記仕切板部と前記補強板部が連結され、前記使用状態と前記非使用状態の一方から他方に移行させるとき、前記仕切板部と前記補強板部を共に動かすことが可能であることを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記非使用状態では、前記補強板部が起立した姿勢で前記仕切板部と重なるものであり、
前記使用状態に移行させるとき、前記仕切板部を移動させることで、前記補強板部が回動し、前記底部分の上側に重なる状態となることを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記底部分は、前記非使用状態において折り畳まれた状態となることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納箱。
【請求項4】
所定方向の中心となる位置に中心板部を有し、
前記中心板部の両側にそれぞれ別の前記収納部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の収納箱。
【請求項5】
使用者が把持可能な把持部を有し、
前記把持部は、前記使用状態と前記非使用状態のいずれでも把持可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を収納する収納箱に関するものであり、特に、描画材や文具等の用具を好適に収納可能な収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、授業で使用する物品を収納する収納箱が広く知られている。すなわち、学童は、クレヨン、オイルパステル、はさみ、定規等の物品を紛失しないように、これらを収納箱に収納するということを行っている。
このような収納箱として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3066497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、未就学児のような子供が使用する描画材、自由画帳、ノート、文房具等の物品は、子供の親が管理していることが多い。このような場合、例えば、それぞれの物品が異なる場所に管理されている等、必ずしも子供がそれぞれの物品を使い易く、片付け易いように管理されていないことがある。
このように、それぞれの物品が子供にとって使い易く管理されていないと、子供が物品を使いたいときに使えないことがある。このことは、物品を使った作業に対する子供の自発的な意欲が育たないといった問題、例えば、「絵を描きたい」といった心が育たないといった問題の発生に繋がることが考えられる。
【0005】
以上のことから、子供が複数の物品を使い易く、片付け易いように管理することが可能な収納箱が望まれていた。そこで、本発明者は、小さな子供が描画材や文房具のような複数の物品を使い易く、片付け易いように収納可能な収納箱を考えた。また、このような収納箱において、物品を収納可能な状態と畳んだ状態の間で移行可能なものとすることを考えた。しかし、収納箱を畳むことが可能な構造とすると、収納箱に十分な強度を発揮させることが困難となる。また、収納箱は、上記したように、子供が使用することを想定しており、物品を収納可能な使用状態と畳んだ状態との間で移行させるとき、この移行のための作業(操作)を容易化したいという欲求があった。
【0006】
そこで本発明は、物品を収納可能な状態と畳んだ状態の間での移行が容易であり、且つ、物品を収納可能な状態で十分な強度を発揮することが可能な収納箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、物品を収納する収納部を有する収納箱であって、前記収納部は、前記物品を収納可能な使用状態から、前記使用状態よりも扁平に畳んだ非使用状態にすることが可能であり、前記収納部を仕切る仕切板部と、前記使用状態で前記収納部の底部分を補強する補強板部とを有し、前記仕切板部と前記補強板部が連結され、前記使用状態と前記非使用状態の一方から他方に移行させるとき、前記仕切板部と前記補強板部を共に動かすことが可能であることを特徴とする収納箱である。
【0008】
本様相によると、使用状態と非使用状態の間で移行させるとき、仕切板部と補強板部を共に動かすことが可能であり、移行の作業が容易である。また、収納した物品の荷重がかかる底部分が補強板部によって補強されるので、使用状態で十分な強度の発揮が可能となる。
【0009】
上記した様相は、前記非使用状態では、前記補強板部が起立した姿勢で前記仕切板部と重なるものであり、前記使用状態に移行させるとき、前記仕切板部を移動させることで、前記補強板部が回動し、前記底部分の上側に重なる状態となることが好ましい。
【0010】
かかる様相によると、使用状態と非使用状態の間で移行させる作業がより容易となる。
【0011】
上記した様相は、前記底部分は、前記非使用状態において折り畳まれた状態となることが好ましい。
【0012】
かかる様相のように、底部分を折り畳まれる部分としても、補強板部によって補強されることで、使用状態での十分な強度の発揮が可能となる。
【0013】
上記した様相は、所定方向の中心となる位置に中心板部を有し、前記中心板部の両側にそれぞれ別の前記収納部が設けられていることが好ましい。
【0014】
かかる様相では、外観の美しい収納箱となる。
【0015】
上記した様相は、使用者が把持可能な把持部を有し、前記把持部は、前記使用状態と前記非使用状態のいずれでも把持可能であることが好ましい。
【0016】
かかる様相では、使用状態と非使用状態のいずれでも持ち運びが容易となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、物品を収納可能な状態と畳んだ状態の間での移行が容易であり、且つ、物品を収納可能な状態で十分な強度を発揮することが可能な収納箱を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態にかかる収納箱を示す斜視図であり、収納箱が使用時姿勢をとる状態を示す。
図2図1の収納箱が重畳姿勢をとる状態を示す斜視図である。
図3図1の収納箱を片側の側壁部を省略して模式的に示す側面図である。
図4図1の収納箱の一部を透過させて示す説明図であり、内側板部材を上方に引き上げる前の状態を示す。
図5図4に続いて、内側板部材を上方に引き上げる途中の状態を示す説明図である。
図6図5に続いて、内側板部材を上方に引き上げた状態を示す説明図である。
図7図6の収納箱を片側の側壁部を省略して模式的に示す側面図である。
図8図6図7に続いて収納箱を使用時姿勢から重畳姿勢に移行させる様子を示す説明図であり、外壁部を中心板部側に移動させている様子を示す。
図9図8に続いて収納箱を使用時姿勢から重畳姿勢に移行させる様子を示す説明図であり、第一収納部を非使用状態とした様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
本実施形態の収納箱1は、図1図2で示されるように、折り畳み式の収納箱1であり、文房具等の物品(図示しない)を収納可能な使用時姿勢(図1参照)と、扁平に折り畳んだ重畳姿勢(図2参照)の間で姿勢変更が可能なものである。
【0021】
収納箱1は、図1で示されるように、立板状の中心板部10と、第一収納部11(収納部)と第二収納部12(収納部)を有する。すなわち、本実施形態の収納箱1は、複数の収納部を有しており、詳細には、中心板部10の一方の主面側に設けられた第一収納部11と、他方の主面側に設けられた第二収納部12からなる2つの収納部を有する。
【0022】
2つの収納部のそれぞれは、内部に物品を収納可能な状態である使用状態(図1参照)と、扁平に畳んだ状態である非使用状態(図2参照)との間で移行可能である。すなわち、2つの収納部を使用状態とすることで、収納箱1が使用時姿勢となり、2つの収納部を非使用状態とすることで、収納箱1が重畳姿勢となる。
なお、本実施形態の収納箱1は、2つの収納部の一方のみを使用状態とし、他方を非使用状態としたまま使用してもよい。つまり、使用時姿勢は、2つ(複数)の収納部が使用状態となる上記した姿勢に限らず、2つの収納部の少なくとも一つが使用状態である姿勢であればよい。以下の説明では、特に断りのない限り、2つの収納部を使用状態とした姿勢を使用時姿勢として説明する。
【0023】
本実施形態の収納箱1は、図1で示されるように、使用時姿勢における奥行方向Xの長さ(厚さ方向の長さであり、マチ幅)が、幅方向Yの長さ(横方向の長さ)よりも短い。なお、奥行方向Xは、中心板部10の厚さ方向と同方向であり、奥行方向Xと幅方向Yは、平面視で互いに直交する方向である。
なお、収納箱1は、奥行方向Xで二分する仮想面(図示しない)を対称面とする鏡面対称性を有する。つまり、第二収納部12は、第一収納部11と同形である。したがって、以下の説明では、第一収納部11のみを詳細に説明し、第二収納部12の詳細な説明を省略する。
【0024】
中心板部10は、奥行方向Xを厚さ方向とする略四角形板状の部分である。この中心板部10は、収納箱1の奥行方向Xの中心周辺に配され、縦方向(上下方向であり、高さ方向)の長さが他の部分よりも長い。
なお、特に限定されるものではないが、中心板部10は、発泡ポリプロピレンシートによって形成された板状の部分としている。そして、周縁部分には、装飾及び補強のためのパイピングがなされている。すなわち、細長い帯状の革や生地といったパイピング材を、中心板部10の端面を覆うように巻き付けて縫い付けている。
【0025】
ここで、中心板部10には、上端よりもやや下方側となる位置であり、且つ、上記した幅方向Yで中心周辺となる位置に把持部形成孔15が設けられている。
把持部形成孔15は、中心板部10を厚さ方向に貫通する貫通孔であり、上記した幅方向Yに延びる長孔であって、使用者の指等を挿入可能な部分である。つまり、この把持部形成孔15の上側が、使用者が収納箱1を持ち運ぶ際の持ち手部分(把持部)となる。
【0026】
第一収納部11は、図1で示されるように、2つの側壁部20,21と、外壁部22と、底部23(底部分)を有している。また、図1図3で示されるように、内部空間に内側板部材24が配されている。
【0027】
側壁部20,21は、図1で示されるように、使用状態で側面視形状が略台形となる布状の部分である。特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリエステル製の生地を採用している。
側壁部20,21は、中心板部10と外壁部22をつなぐように延びている。そして、使用状態では、中心板部10と連続する部分から外壁部22と連続する部分までの間で、外壁部22側に向かうにつれて上下方向の長さが短くなっていく。
【0028】
外壁部22は、2つの側壁部20,21の外側端部同士の間で延びる立板状の部分である。この外壁部22は、奥行方向Xを視線方向とする平面視において、横長の略長方形状となる部分である。
【0029】
底部23は、使用状態の平面視形状が略長方形状となる布状の部分である。
【0030】
内側板部材24は、図3図4で示されるように、仕切板部30と補強板部31が一体となって形成された部材である。
【0031】
仕切板部30は、奥行方向Xを視線方向とする平面視で略長方形状となる立板状の部分である。
補強板部31は、使用状態において、底部23の上側を覆うように配される略長方形板状の部材である。
仕切板部30と補強板部31は、発泡ポリプロピレンシートによって形成された板状の部分であり、いずれも周縁部分にパイピングがなされている。
【0032】
ここで、仕切板部30の一部に縫い付けられたパイピング材の一部が、補強板部31の一方の主面側に縫い付けられることで、仕切板部30と補強板部31が一体に連結された状態となっている(詳細な図示を省略する)。具体的には、使用状態における仕切板部30の中心板部10側の部分と、使用状態における補強板部31の上面とがパイピング材で連結される。その一方で、使用状態における仕切板部30の外壁部22側の部分と補強板部31とが連結されない構造としている。このため、仕切板部30に対して補強板部31が回動可能に連結される(詳しくは後述する)。
なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、仕切板部30、補強板部31の縁端をパイピングするパイピング材とは別のパイピング材を連結用のパイピング材とし、この連結用のパイピング材を介してこれらを連結している。なお、この連結用部材として機能するパイピング材は、仕切板部30の下側部分のうち、上記した幅方向Yに沿った全域に縫い付けても(幅方向Yの一端から他端までの間に取り付けても)よく、一部に縫い付けてもよい。なお、一部に縫い付ける場合、複数のパイピング材を複数個所に縫い付けてもよい。
同様に、この連結用のパイピング材は、補強板部31の上面のうち、上記した幅方向Yの全域(幅方向Yの一端から他端までの連続する部分)に縫い付けてもよく、一部のみに縫い付けてもよい。
【0033】
詳細に説明すると、使用状態では、仕切板部30の下面が、補強板部31の上面の上側に位置する。すなわち、補強板部31の上面のうち、奥行方向Xの中心及びその近傍の上方に、仕切板部30の下面が位置する状態となっている。したがって、使用状態では、内側板部材24(仕切板部30、補強板部31)は、横断面形状が天地逆とした略T字状で上記した幅方向Yに延びる部分となる。
【0034】
また、補強板部31のうち、中心板部10の下端部分に近接する部分(図4等参照)は、連結用の布部材を介して底部23に縫い付けられた状態となっている(詳細な図示を省略する)。すなわち、補強板部31のうち、中心板部10側で上記した幅方向Yに沿って延びる部分の一部が、底部23と一体に連結されている。その一方で、使用状態で外壁部22側に位置する逆側の端部が自由端となっている。このため、補強板部31は、底部23に対して回動可能となっている。
【0035】
より詳細に説明すると、本実施形態では、特に限定されるものではないが、連結用の布部材(平紐状の部材)を介して補強板部31と、中心板部10及び底部23を縫い付けている(連結させている)。すなわち、連結用部材となる布部材の一部を、補強板部31に縫い付け、この布部材の他の一部を中心板部10に縫い付け、さらに他の一部を底部23に縫い付けている。
なお、補強板部31は、このように中心板部10と底部23の双方と連結させる構造に限らず、これらのいずれか一方と連結させてもよい。すなわち、補強板部31が底部23に対して回動可能となればよく、底部23又は底部23と近接する部分(中心板部10)の少なくとも一方と連結されていればよい。
また、連結用の布部材は、補強板部31の中心板部10側の部分のうち、上記した幅方向Yの全域に布部材を縫い付け(取り付け)てもよく、一部のみに縫い付けてもよい。また、一部に縫い付ける場合、複数の布部材を複数個所に縫い付けてもよい。同様に、連結用の布部材は、中心板部10、底部23のうち、上記した幅方向Yの全域(幅方向Yの一端から他端までの連続する部分)に縫い付けてもよく、一部のみに縫い付けてもよい。
なお、本実施形態では、補強板部31の中心板部10側の部分のうち、使用状態で下面側となる部分であって、且つ、上記した幅方向Yで中心近傍に位置する一部分に布部材を縫い付けている。
【0036】
ここで、本実施形態の収納箱1は、図3図4等で示されるように、中心板部10と仕切板部30を連結する連結部材35を有する。連結部材35は、所定方向に延びる紐状の部材であり、本実施形態では平紐である。そして、連結部材35は、長手方向の一端側が中心板部10に固定され、他端側が仕切板部30に固定されている。また、連結部材35は、側壁部20,21の内側面と近接する位置で延びるように配される。
つまり、2つの連結部材35のそれぞれが、図4で示されるように、上記した幅方向Yで離れた二か所にそれぞれ配されている。そして、一方の連結部材35は、幅方向Yの一方端側で、中心板部10と、仕切板部30の上側部分の一方端側の部分同士を繋ぐように延びている。さらに、もう一方の連結部材35は、幅方向Yの他方端側で、中心板部10と、仕切板部30の上側部分の他方端側の部分同士を繋ぐように延びている。
【0037】
このように、仕切板部30が中心板部10と2つの連結部材35によって連結された構造によると、仕切板部30の意図しない位置ずれを防止できる。例えば、使用時姿勢において、仕切板部30の上側部分が必要以上に外側(奥行方向Xで外側)にずれてしまうことを防止できる。さらに、側壁部20,21の内側面と近接する位置で連結部材35が延びる構造とすることで、第一収納部11に物品を収納する際に連結部材35が邪魔にならない。
【0038】
続いて、本実施形態の収納箱1を使用時姿勢から重畳姿勢に移行させる際の移行手順について説明する。
上記したように、2つの収納部(第一収納部11、第二収納部12)を使用状態から非使用状態とすることで、収納箱1が重畳姿勢に移行する。以下、第一収納部11を非使用状態とする際の手順を詳細に説明し、第二収納部12については同様の説明を省略する。
【0039】
第一収納部11を非使用状態とするには、図4図5図6で示されるように、仕切板部30を上方に引き上げると共に、中心板部10に近づく方向に移動(相対移動)させる。すなわち、中心板部10と仕切板部30の対向する主面同士を近接(又は接触)させた状態とする。この仕切板部30の移動に伴って、補強板部31が中心板部10側の端部を中心に回動し、水平に広がる姿勢から起立した姿勢に姿勢変更する。このように、仕切板部30を移動させることで、使用者が触れることなく補強板部31の姿勢変更がなされる。
【0040】
このとき、図6図7で示されるように、中心板部10、仕切板部30、補強板部31の厚さ方向が同じ方向(奥行方向X)となる。また、仕切板部30の下側部分と補強板部31の上側部分の主面同士が近接(又は接触)された状態となる。すなわち、仕切板部30の下側部分と補強板部31の上側部分が奥行方向Xで重なる状態となる。
また、仕切板部30の下端は、補強板部31の下端よりも上方であり、底部23から上方に離れた位置に配される。
【0041】
そして、図8図9で示されるように、外壁部22を中心板部10に近づく方向に相対移動させつつ、2つの側壁部20,21のそれぞれと底部23を折り畳む(底部23については詳細な図示を省略する)。
2つの側壁部20,21と底部23は、いずれも内側の空間に向かって凸となるように折り畳む。すなわち、使用状態で外側面となる部分の一部同士が向き合うように折り畳んだ状態とする。そして、折り畳まれた側壁部20,21と底部23は、仕切板部30及び補強板部31と外壁部22との間に配される。このことにより、第一収納部11が非使用状態となる。
【0042】
なお、本実施形態では、仕切板部30の移動前と移動後のそれぞれで、仕切板部30が把持部形成孔15と重ならない位置に配される。このため、使用時姿勢と重畳姿勢のそれぞれで、使用者が把持部形成孔15に指を挿入可能となる。
【0043】
なお、収納箱1を重畳姿勢から使用時姿勢に移行させる際に、収納部を非使用状態から使用状態とする際には、上記とは逆の手順で行う。すなわち、外壁部22を中心板部10から離れる方向に相対移動させつつ、2つの側壁部20,21と底部23を折り畳まれた状態から展開された状態とする。
そして、仕切板部30を下側に押し入れつつ、外壁部22に近づく方向に移動(相対移動)させる。このことにより、補強板部31が中心板部10側の端部を中心に回動し、起立した姿勢から、横倒して水平に広がる姿勢に姿勢変更する。すなわち、補強板部31と底部23が上下方向で重なり、補強板部31が底部23の上側から添え当てられた状態となる。なお、平面視において補強板部31と底部23は相似形(略相似形)であり、補強板部31が底部23よりもやや小さい。このとき、上記と同様に、使用者が触れることなく補強板部31の姿勢変更がなされる。
【0044】
上記した実施形態では、仕切板部30と補強板部31の間に介在してこれらを連結する連結用部材としてパイピング材を採用した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。連結用部材は、一部と他の一部をそれぞれ仕切板部30、補強板部31に固定できればよく、布(織物)、編物、革(本革)、合皮等の適宜な原料によって形成されていてもよい。また、帯状(ベルト状)のものに限らず、形は適宜変更してもよい。
補強板部31と、中心板部10や底部23を連結する連結する連結用部材も同様に、布部材(平紐状の部材)に限らず、これらを連結できる部材であればよい。
【符号の説明】
【0045】
1 収納箱
10 中心板部
11 第一収納部(収納部)
12 第二収納部(収納部)
15 把持部形成孔
23 底部(底部分)
30 仕切板部
31 補強板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9