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特開2023-82996操作機器、視聴補助具、視聴機器、駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023082996
(43)【公開日】2023-06-15
(54)【発明の名称】操作機器、視聴補助具、視聴機器、駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20230608BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20230608BHJP
【FI】
G06F3/01 510
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197061
(22)【出願日】2021-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】仁瓶 広誉
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA11
5E555AA76
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB40
5E555BC01
5E555CA05
5E555CA11
5E555CA17
5E555CB02
5E555CB09
5E555CB20
5E555DA01
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】視聴補助具を頭部から外すことなく、基本的な操作を行うことができる操作機器、視聴補助具、視聴機器及び駆動方法を提供する。
【解決手段】コンテンツを表示する携帯端末を収容し、視聴者の頭部に装着可能な視聴補助具に対して取り付け可能な操作ユニットUであって、操作部と、携帯端末20と非接触通信を行うアンテナ部、非接触通信を行う際に携帯端末から放射される電波を受けて起電力を発生し、電力を供給する電力供給部及び電力供給部から供給される電力によって駆動し、操作部から入力される操作内容を、アンテナ部によって携帯端末に送信する制御部を有するRFIC機能部14aと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表示する端末装置を収容し視聴者の頭部に装着可能な視聴補助具に対して取り付け可能な操作機器であって、
前記端末装置と非接触通信を行う通信部と、
前記非接触通信を行う際に前記端末装置から放射される電波を受けて起電力を発生させ、電力を供給する電力供給部と、
操作部と、
前記電力供給部から供給される電力によって駆動し、前記操作部から入力される操作内容を前記通信部によって前記端末装置に送信する制御部と、
を有する操作機器。
【請求項2】
前記操作部は、撓むことが可能なケーブルを介して前記制御部に接続されるとともに、前記視聴補助具の外周面側から操作可能な位置に取り付けられる
請求項1に記載の操作機器。
【請求項3】
前記電力供給部から供給される電力を受けて発光する発光部
を有する請求項1または請求項2に記載の操作機器。
【請求項4】
前記操作機器は、前記端末装置の主面に沿って前記視聴補助具に設けられる基板に対して、前記端末装置と非接触通信が可能な位置に取り付けられる
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の操作機器。
【請求項5】
前記操作機器は、前記基板に対してピンによって固定される
請求項4に記載の操作機器。
【請求項6】
前記操作機器は、前記視聴補助具に設けられる外装部の内周面と前記端末装置との間に挟まれ押しつけられること、または、貼り付けられることで取り付け位置が定める
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の操作機器。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の操作機器を収容可能な視聴補助具。
【請求項8】
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の操作機器を収容可能な視聴補助具であり、
前記端末装置の表示面とは反対側の面と、前記視聴補助具の外装部との間に操作機器を収容可能であり、
外装部のうち前記操作機器に対向する面に、当該操作機器を前記端末装置側に押しつける押し付け部材が設けられる
視聴補助具。
【請求項9】
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の操作機器と、端末装置とが視聴補助具に収容された視聴機器。
【請求項10】
コンテンツを表示する端末装置を収容し視聴者の頭部に装着可能な視聴補助具に対して取り付け可能な操作機器の駆動方法であって、
前記端末装置と非接触通信を行うことが可能な位置に電力供給部が配置され、前記端末装置から放射される電波を受けて起電力を発生させ、電力を供給し、
制御部が、前記電力供給部から供給される電力によって駆動し、操作部から入力される操作内容を通信部によって前記端末装置に送信する
操作機器の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作機器、視聴補助具、視聴機器、駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の携帯端末を利用して、手軽に仮想現実を体験できるものがある。例えば、特許文献1には、視聴者の頭部に装着される補助具であって、スマートフォンをユーザの目の前方に保持する補助具が開示されている。このような補助具では、携帯端末を着脱可能に保持する。視聴者は、補助具を頭部に装着するとともに、この補助具に携帯端末を取り付け、コンテンツを再生することで、コンテンツを視聴することができる。コンテンツは、VR(Virtual Reality)を体験することができる画像や音が収録されている。
このような補助具は、入手しやすい素材を利用することができ、構成も簡単であり、安価に提供することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-21189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、コンテンツの一時停止や音量を上げるまたは下げる操作入力を行う場合、携帯端末に対する操作入力は、一般に、表示画面に設けられたタッチパネルを介して行わなければならない。この場合、スマートフォンを補助具から一度と取り出して操作入力をするか、補助具自体を頭部から取り外さなければならない。
そこで、このような補助具とは別に、コントローラ(例えばリモコン)を手に把持し、そのコントローラで操作することもできる。しかし、コントローラを用いる場合、携帯端末との間のデータ通信には、BlueTooth(登録商標)等の無線通信を用いられることが考えられるが、BlueTooth(登録商標)の無線通信では、ペアリング操作が必要である。そうすると、視聴者は、ペアリング操作を行うための知識が必要となり、ユーザに対する、コントローラを利用できようにするための負担が大きい。
また、このような無線通信を用いたコントローラには、電源を供給する必要があるため、コントローラにバッテリを搭載したり、そのバッテリを充電するための充電装置が必要になる。
【0005】
上述の課題を鑑み、本発明は、補助具または携帯端末を頭部から取り外すことなく、操作入力を簡単に行うことができる操作機器、視聴補助具、視聴機器、駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、コンテンツを表示する端末装置を収容し視聴者の頭部に装着可能な視聴補助具に対して取り付け可能な操作機器であって、前記端末装置と非接触通信を行う通信部と、前記非接触通信を行う際に前記端末装置から放射される電波を受けて起電力を発生させ、電力を供給する電力供給部と、操作部と、前記電力供給部から供給される電力によって駆動し、前記操作部から入力される操作内容を前記通信部によって前記端末装置に送信する制御部と、を有する操作機器である。
【0007】
また本発明の一態様は、上述の操作機器を収容可能な視聴補助具である。
【0008】
また本発明の一態様は、上述の操作機器と、端末装置とが視聴補助具に収容された視聴機器である。
【0009】
また本発明の一態様は、コンテンツを表示する端末装置を収容し視聴者の頭部に装着可能な視聴補助具に対して取り付け可能な操作機器の駆動方法であって、前記端末装置と非接触通信を行うことが可能な位置に電力供給部が配置され、前記端末装置から放射される電波を受けて起電力を発生させ、電力を供給し、制御部が、前記電力供給部から供給される電力によって駆動し、操作部から入力される操作内容を通信部によって前記端末装置に送信する操作機器の駆動方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、補助具または携帯端末を頭部から取り外すことなく、操作入力を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る視聴補助具の全体構成の説明に用いる斜視図である。
図2A】本発明の実施の形態に係る視聴補助具の構成の説明に用いる断面図である。
図2B】本発明の実施の形態に係る視聴補助具の構成の説明に用いる断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る視聴補助具の説明に用いるブロック図である。
図4】操作ユニットU1の接続状態を表す図である。
図5】本発明の第1の変形例を示す分解斜視図である。
図6】本発明の第2の変形例を示す分解斜視図である。
図7】第3実施形態における操作ユニットU2U1における接続状態を示す概略図である。
図8】操作ユニットU2と携帯端末20とが本体筐体10に収容された場合の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る視聴補助具1の全体構成を表す斜視図である。図2A及び図2Bは、本発明の実施の形態に係る視聴補助具1の構成の説明に用いる断面図である。視聴補助具1は、コンテンツを視聴する視聴者の頭部に装着可能である。視聴補助具1の全体形状は、ゴーグル状である。
【0013】
図1図2A及び図2Bにおいて、視聴補助具1は、本体筐体10にヘッドマウントベルト11が取り付けられている。本体筐体10は、本発明の実施形態に係る視聴補助具1の主要部を覆う筐体である。図2A及び図2Bに示すように、本体筐体10内には、端末装着部12、レンズ13a及び13b、NFC(Near Field Communication)通信部14が配設されている。
【0014】
ヘッドマウントベルト11は、ユーザの頭部に視聴補助具を固定するためのベルトである。ヘッドマウントベルト11の両端は、本体筐体10に固定されている。ヘッドマウントベルト11としては、例えば伸縮自在のゴム製のものが用いられる。また、ヘッドマウントベルト11は、伸縮しない素材であっても、長さ調節機構によって頭部の周囲の長さに応じて調整可能であってもよい。
【0015】
端末装着部12は、視聴補助具1に携帯端末20を装着する基台となる。この例では本体筐体10の最外装は、開閉自在の蓋体10aとなっている。携帯端末20は、最外装の蓋体10aを開き、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)ユニット14の基板14b及び携帯端末20を本体筐体10内に収納して装着することができる。携帯端末20の本体筐体10内への装着は、これに限らず、各種の方法が採り得る。携帯端末20は、レンズ13a及び13b側から本体筐体10内に収納しても良いし、本体筐体10の側面から本体筐体10内に携帯端末20を収納できるような機構を設けても良い。
【0016】
レンズ13a及び13bは、携帯端末20の表示画面に映し出される画像を拡大する接眼レンズである。レンズ13a及び13bは、レンズ取付部15により、本体筐体10内に取り付けられる。
【0017】
RFICユニット14は、RFIC機能部14aと基板14bから構成され、携帯端末20と非接触通信を行うものである。RFICユニット14は、本体筐体10の最外装の蓋体10aと端末装着部12との間に配置され、基板14bにより、本体筐体10内に取り付けられる。
【0018】
また、図1に示すように、本体筐体10には操作部30が設けられている。操作部30は、音量アップ/ダウン、再生、一時停止、早送り、早戻し等、視聴補助具1の基本的な操作を行うものである。図2A及び図2Bに示すように、操作部30は配線18を介してRFIC機能部14aに接続されている。なお、操作部30には、どのようなキーやボタンを配設しても良い。操作部30には、例えば、プラスキー及びマイナスキー、十字キー等、各種のキーを配設することが考えられる。また、操作部30には、トラックボールやタッチセンサを配設しても良い。
【0019】
図3は、本発明の実施形態に係る視聴補助具1の説明に用いるブロック図である。視聴補助具1は、操作ユニットUと、携帯端末20とを収容可能であり、視聴者の頭部に装着可能である。
携帯端末20は、制御部201と、移動体通信部202と、NFCリーダライタ部203と、ディスプレイ204と、タッチパネル205とを備えている。
【0020】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、ビデオチップ等を含み、携帯端末20全体の制御を行っている。移動体通信部202は、LTE(Long Term Evolution)や5G(5th Generation Mobile Communication System)による移動体通信を行っている。
【0021】
NFCリーダライタ部203は、NFCによる非接触通信を行っている。ディスプレイ204は、液晶パネルや有機EL(Electronic Luminescent)パネルであり、各種の情報を表示する。タッチパネル205は、ディスプレイ204上に積層配置されており、ユーザのタッチを検出して、各種の入力を行う。
【0022】
携帯端末20は、この他、加速度センサやジャイロセンサ等の各種のセンサ、GPS(Global Positioning System)受信部、無線LAN(Local Area Network)通信部、Bluetooth(登録商標)通信部等を含んでいても良い。
【0023】
操作ユニット(操作機器)Uは、RFIC機能部14aと操作部30とが配線18を介して接続される。操作ユニットUは、視聴補助具に対して取り付け可能である。
RFIC機能部14aは、アンテナ部141と、制御部142と、受電部143と、入出力部144とを備え、携帯端末20と非接触通信を行う機能を有する。
【0024】
アンテナ部141は、相手方となる携帯端末20のNFCリーダライタ部203との間で、NFCによる非接触通信を行う。制御部142は、携帯端末20との通信に基づき、各種の処理を行う。
制御部142は、受電部143から供給される電力によって駆動し、操作部30から入力される操作内容をアンテナ部141を介して携帯端末20に送信する。受電部143は、NFCリーダライタ部203と非接触通信を行う際に、当該NFCリーダライタ部203から放射される電波をアンテナ部141によって受けて起電力を発生させ、電力を制御部142等の各部に供給する。入出力部144は、GPIO(General-purpose input/output)である。操作部30は、GPIOのいずれかの端子間に、配線18を介して接続されている。視聴者によって操作部30からオンオフ等の操作入力が行われたことに応じて、GPIOの端子間がオンまたはオフとなる。
【0025】
前述したように、本発明の実施形態に係る視聴補助具1は、携帯端末20を装着して使用される。図2Aは携帯端末20を外しているときの状態を示し、図2Bは携帯端末20を装着しているときの状態を示している。
【0026】
携帯端末20は、スマートフォンやタブレット端末等であり、図3に示したように、NFCリーダライタ部203を備えたものが用いられる。また、携帯端末20には、コンテンツを再生するアプリケーションプログラムがインストールされている。コンテンツは、少なくとも画像が含まれる。コンテンツは、画像と音の両方が含まれていてもよい。ここではコンテンツは、VR画像である場合について説明する。
【0027】
図2Aに示したように、本体筐体10内には、端末装着部12が設けられている。視聴補助具1の使用時には、ユーザは、図2Bに示すように、視聴補助具1の端末装着部12に携帯端末20を装着する。そして、ユーザは、VR再生のアプリケーションプログラムを立ち上げ、VR画像を表示させる。VR画像(バーチャルリアリティ画像)は、左右の目で視差を考慮した画像又は動画である。ユーザは、視聴補助具1を装着して、レンズ13a及び13bを介して、携帯端末20のVR画像を覗き込む。これにより、ユーザは、VR画像を楽しむことができる。
【0028】
また、図2Bに示すように、視聴補助具1の端末装着部12に携帯端末20を装着すると、携帯端末20の背面とRFICユニット14とは近接して対向する。これにより、図3における携帯端末20のNFCリーダライタ部203と、本体筐体10内のRFICユニット14との間でデータの送受信が可能となる。
携帯端末20の制御部201は、VR画像(コンテンツ)をディスプレイ204に表示させ、NFCリーダライタ部203の通信状態を監視しており、NFCリーダライタ部203によってRFIC機能部14aから出力される信号のステータスを検出する。監視を行う際に、NFCリーダライタ部203から電波が所定の時間が経過する毎に出力される。RFIC機能部14aは、この電波を受けることで起電力を発生させることができる。操作部30に対するいずれかのスイッチが押下されると、入出力部144におけるGPIOの端子間におけるオンオフ状態が変わり、GPIOにおけるステータスが変化する。
【0029】
制御部201は、操作部30に対して操作入力された内容に応じたステータスを表す信号を、RFIC機能部14aを介して取得する。制御部201は、この取得された操作内容に応じてコンテンツの再生状態を制御する。再生状態の制御としては、例えば、コンテンツの一時停止、再生、早送り、早戻し、音量を上げる、音量を下げる、等がある。制御部201は、操作部30から操作内容に応じて、コンテンツの一時停止、再生、早送り、早戻し、音量を上げる、音量を下げる、等を行うことができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る視聴補助具1では、音量アップ/ダウン、再生、一時停止、早送り、早戻し等の操作を、視聴補助具1を頭部から外すことなく、本体筐体10に設けられた操作部30の操作により行うことができる。また、本実施形態に係る視聴補助具1では、NFCによる非接触通信を用いて携帯端末20のNFCリーダライタ部203とRFIC機能部14aとの間でデータの送受を行っている。NFCによる非接触通信では、アンテナ部141の起電力により、必要な電源を確保することができる。このため、視聴補助具1側では、バッテリを設ける必要がなく、また、バッテリを充電するための充電機能も不要となる。
【0031】
図4は、図3におけるRFIC機能部14aと操作部30とが配線18を介して接続された場合の一例を示す操作ユニットU1の接続状態を表す図である。
RFIC部14a1は、アンテナ部141に接続されるとともに、配線18を介してスイッチ30aに接続される。RFIC部14a1は、図3における制御部142、受電部143、入出力部144の機能を含む。スイッチ30aは、操作部30に対応している。ここで、RFIC部14a1は、1つのスイッチ30aと接続されているが、RFIC部14a1内のGPIOのピンの数が4つである場合、押下されるスイッチに応じて、4つのピンのオンオフ状態の組み合わせに応じたステータスが決まる。このステータス毎に機能が割り当てられており、例えば、決定、戻る、音量を上げる、音量を下げる、等の機能が割り当てられている。
【0032】
なお、携帯端末20内に内蔵されるNFCリーダライタ部203のアンテナ配置位置は、機種によって異なっている。携帯端末20を端末装着部12に装着したとき、RFIC機能部14aの配置位置と携帯端末20に内蔵されたNFCリーダライタ部203のアンテナ配置位置とが対向する位置に来ないと、良好な通信が行えないことがある。
【0033】
そこで、図5に示すように、RFIC機能部14aは、携帯端末20の主面に沿って視聴補助具1に設けられる基板14bに対して、携帯端末20のNFCリーダライタ部203と非接触通信が可能な位置に取り付けられる。RFIC機能部14aは、携帯端末20に内蔵されたNFCリーダライタ部203のアンテナ配置位置に応じて、基板14bの主面上においてRFIC機能部14aの配置位置を容易に変更可能である。
【0034】
すなわち、図5は、本発明の第1の変形例を示す分解斜視図である。携帯端末20にはNFCリーダライタ部203が内蔵されている。この携帯端末20に内蔵されるNFCリーダライタ部203のアンテナ配置位置は、機種によって異なる。
基板14bは、携帯端末20の主面に沿って視聴補助具1に設けられる。ここでいう携帯端末20の主面は、携帯端末20の表示画面が設けられる主面を表面とした場合、この表面とは反対側の主面(裏面)である。
基板14bは、携帯端末20と対向する面とは反対側の主面において、RFIC機能部14aを取り付けることが可能である。この基板14bは、孔171が基板14bの幅方向と長さ方向のそれぞれに沿って、複数設けられている。
【0035】
RFIC機能部14aのベース基板のそれぞれの頂部近傍には、孔が形成されている。基板14bの主面におけるRFIC機能部14aの位置を、携帯端末20に備えられたNFCリーダライタ部203に対向する位置となるようにし、RFIC機能部14aのベース基板に設けられた孔と、基板14bに設けられた孔171とを通るように、ピン172a~172dを差し込む。これにより、基板14bに対して、RFIC機能部14aの位置を固定することができる。このピン172a~172dは、金属製ではない素材(例えば、樹脂製)が用いられる。ピン172a~172dの素材として金属ではない素材を用いることで、NFC通信における電波に対する影響を低減することができる。
ここでは、基板14bには、複数の孔171が設けられていることから、携帯端末20内のNFCリーダライタ部203のアンテナ配置位置に応じて、RFIC機能部14aの配置位置を任意かつ簡単に変更できる。
また、RFIC機能部14aに対して、配線18を介して操作部30のスイッチが接続されている。この配線18は、撓むことが可能なケーブルである。配線18としては、例えば、フレキシブルケーブルを用いることができる。
【0036】
操作部30は、蓋体10aに取り付けられている。このため、RFIC機能部14aの位置を基板14bの主面において任意に変更したとしても、操作部30とRFIC機能部14aとの間の接続は維持される。また、操作部30は、撓むことが可能な配線18を介してRFIC機能部14aに接続され、蓋体10aに対して固定されている。ここで操作部30は、視聴補助具1の外周面側から操作可能な位置に取り付けられる。そのため、RFIC機能部14aの位置を変更したとしても、その位置の変更に応じて配線18が撓むため、操作部30の位置は変更されることない。RFIC機能部14aの位置を調整したとしても操作部30が変更されないことから、視聴者は、蓋体10aにおける同じ位置において操作部30を操作することができ、操作性がよい。
【0037】
なお、この例においては、RFIC機能部14aに、発光部を設けるようにしてもよい。発光部は、受電部143から供給される電力を受けて発光する。発光部は、携帯端末20のNFCリーダライタ部203と通信を行った際に、受電部143から電力を受けて点灯する。これにより、携帯端末20のNFCリーダライタ部203の通信を行いつつ、基板14bにおけるいずれの位置にRFIC機能部14aをずらしながら、発光部が点灯した位置に、RFIC機能部14aをピン172a~172dによって基板14bに取り付けるようにしてもよい。これにより、RFIC機能部14aをどの位置に配置すればよいかを確認しつつ、配置位置を決定することができる。また、発光部は、RFIC機能部14aに設けられていてもよいが、配線18を介して接続され、操作部30の近傍に設けられるようにしてもよい。この場合、発光部が最外装に設けられるため、発光状態の確認がしやすい。
発光部は、例えばLED(発光ダイオード)であってもよい。
【0038】
また、この例においては、基板14bに予め孔171が設けられている場合について説明したが、予め孔171が設けられておらず、RFIC機能部14aの位置に応じてピン172a~172dを差し込むことにより、このピン172a~172dによって基板14bに孔が形成され、RFIC機能部14aが固定されてもよい。
【0039】
また、図6は、本発明の第2の変形例を示す分解斜視図である。この例では、本体筐体10の最外装の蓋体10aの裏側に、押し付け部材が設けられる。ここでは、押し付け部材が、ウレタン等の複数のクッション部材175である場合が例示されている。これらのクッション部材175は、長手方向が縦方向となるように並べられ、隣接するクッション部材175とは離間され、蓋体10aの裏側に粘着または接着される。この構成により、蓋体10aの裏側には、複数の凹凸が形成される。これにより、RFIC機能部14aは、基板14bと蓋体10aの裏側との間にクッション部材175によって押しつけられることで挟持される。これによりRFIC機能部14aの位置が固定される。
【0040】
つまり、RFIC機能部14aは、本体筐体10の最外装の蓋体10aと基板14bとの間に配置される。蓋体10aの上側の開口部を開き、RFIC機能部14aを開口部から基板14bと蓋体10aとの間にスライドさせるようにして挿入する。これにより、RFIC機能部14aは、基板14bと蓋体10aの裏側との間に挟持される。このように、操作ユニットU1は、視聴補助具1に設けられる外装部(例えば、蓋体10a)の内周面と携帯端末20との間に挟まれ押しつけられる。
ここでは、RFIC機能部14aはクッション部材175と当接して、クッション部材175の弾性と摩擦力により、RFIC機能部14aの位置が固定される。この例では、RFIC機能部14aは、基板14bと蓋体10aの裏側との間に挟持されて固定されるだけであるため、携帯端末20内でのNFCリーダライタ部203のアンテナ配置位置に応じて、RFIC機能部14aの配置位置を変更することは可能である。
【0041】
この例においては、複数のクッション部材175を縦方向に並べるようにしたが、RFIC機能部14aの位置を保持することができれば、他の構成を適用してもよい。例えば、蓋体10aの裏側に、空隙が形成された弾性体(例えばスポンジ)を設けるようにしてもよい。この弾性体は、面状(シート状)の形状であり、蓋体10aの裏側に取り付けられる。
また、蓋体10aの裏側に粘着性のあるシート部材を設けるようにしてもよい。これにより、粘着することでRFIC機能部14aの位置を固定することができる。この場合におけるシート部材からRFIC機能部14aを剥がし、位置を変更した後に再度粘着することができてもよい。これにより、異なる機種の携帯端末20を取り付ける場合であっても、その機種に応じて柔軟にRFIC機能部14aの位置を変更することができる。
【0042】
図7は、第3実施形態における操作ユニットU2U1
における接続状態を示す概略図である。
操作ユニットU2は、ベース基板140に対して、RFIC部14a2、アンテナ部141、スイッチ30a、スイッチ30bが搭載される。RFIC部14a2は、アンテナ部141が接続されるとともに、2つのスイッチ(スイッチ30a、スイッチ30b)がそれぞれ接続される。RFIC部14a2は、図3における制御部142、受電部143、入出力部144の機能を含む。
ここで、図5に示す第1の変形例では、RFIC機能部14aと操作部30とが別の部品として構成され、配線18によって接続されるが、この第3実施形態における操作ユニットU2は、1つのベース基板140に対して、スイッチ30a、スイッチ30bが搭載される点において異なる。
【0043】
図8は、操作ユニットU2と携帯端末20とが本体筐体10に収容された場合の外観を示す図である。
携帯端末20は、本体筐体10に対して、上方側から差し込まれる。ここでは、携帯端末20の一方の側面が本体筐体10の内部に差し込まれており、もう一方の側面が本体筐体10の外部に露出した状態で保持される。
操作ユニットU2は、そのスイッチが本体筐体10の外面に露出するように取り付けられている。この場合、操作ユニットU2は、本体筐体10に対して固定されるため、本体筐体10における位置は変更されない。ここでは、操作ユニットU2の位置は、携帯端末20が本体筐体10に対して取り付けられた際における、携帯端末20のNFCリーダライタ部203に対向する位置に設定されている。そのため、操作ユニットU2の位置は、装着する携帯端末20の機種に応じて設定されればよい。
【0044】
視聴者は、本体筐体10に携帯端末20を取り付けて頭部に装着し、コンテンツを視聴する。その際、操作ユニットU2のスイッチが本体筐体10の外部に露出しているため、コンテンツを視聴しながら、スイッチを操作することができる。この場合、スイッチの外面は、指で触れた際にスイッチであることが把握可能な形状となっている。例えば、スイッチの外面は、凹凸形状が設けられていてもよいし、粗面化されていてもよい。
【0045】
以上説明した実施形態において、携帯端末20は、RFIC機能部14aと通信を行う際に、RFID機能部14aに割り当てられた識別情報を取得することで、取り付けられた操作ユニットの機種を識別するようにしてもよい。そして、取り付けられた操作ユニットの機種のスイッチの配置に応じて、ディスプレイ204に、スイッチの位置と、スイッチに割り当てられた機能とをコンテンツとともに表示するようにしてもよい。これにより、コンテンツを視聴していたとしても、スイッチと機能との関係を簡単に把握できるため、操作性が向上する。
【0046】
また、上述した実施形態において、視聴補助具1は、本体筐体10にヘッドマウントベルト11が取り付けられ、視聴者の頭部される場合について説明したが、ヘッドマウントベルト11がなく、本体筐体10によって構成されてもよい。この場合、視聴者が、本体筐体10が目の前に当てるように手で把持することで装着し、コンテンツを視聴するようにしてもよい。
【0047】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1…視聴補助具、10…本体筐体、10a…蓋体、12…端末装着部、13a,13b…レンズ、14…RFICユニット、14a…RFIC機能部、14a1,14a2…RFIC部、18…配線、20…携帯端末、30…操作部、141…アンテナ部、142…制御部、143…受電部、203…NFCリーダライタ部、U,U1,U2…操作ユニット
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8