(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008361
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】切屑回収システムおよび切屑回収方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111879
(22)【出願日】2021-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】加藤 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】河口 悟史
(72)【発明者】
【氏名】小林 広紀
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC01
5E353GG01
5E353HH01
5E353HH30
5E353HH33
5E353HH34
5E353HH40
5E353HH71
5E353JJ21
5E353JJ42
5E353LL04
5E353LL06
5E353NN18
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】作業者によるテープ部材の切屑の回収作業の負担を軽減することができる切屑回収システムおよび切屑回収方法を提供する。
【解決手段】テープ部材を用いて部品を供給するテープフィーダから排出されるテープ部材の切屑Rを回収する切屑回収システム(部品装着システム1)は、テープフィーダから排出されたテープ部材の切屑Rを回収する回収路30と、回収路30の中に設けられた、切屑Rを押して搬送する移動体40と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ部材を用いて部品を供給するテープフィーダから排出される前記テープ部材の切屑を回収する切屑回収システムであって、
前記テープフィーダから排出された切屑を回収する回収路と、
前記回収路の中に設けられた、前記切屑を押して搬送する移動体と、を備える、切屑回収システム。
【請求項2】
前記移動体は自走式である、請求項1に記載の切屑回収システム。
【請求項3】
前記回収路は管路であり、
前記回収路は、前記テープフィーダから排出された切屑が進入する切屑進入開口を有する、請求項1または2に記載の切屑回収システム。
【請求項4】
前記回収路の一端は第1開口を有し、
前記移動体は、前記回収路の内部を移動して、前記第1開口から前記切屑を押し出す、請求項1から3のいずれか1項に記載の切屑回収システム。
【請求項5】
前記回収路の他端は第2開口を有し、
前記移動体は、前記回収路の内部を移動して、前記第1開口と前記第2開口とから前記切屑を押し出す、請求項4項に記載の切屑回収システム。
【請求項6】
前記第1開口から排出された切屑を収容する第1収容部を備えた、請求項4または5に記載の切屑回収システム。
【請求項7】
前記第1開口から排出された切屑を収容する第1収容部と、前記第2開口から排出された切屑を収容する第2収容部とを備えた、請求項5に記載の切屑回収システム。
【請求項8】
前記テープフィーダから排出される前記テープ部材の量を算出する算出部を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の切屑回収システム。
【請求項9】
前記移動体は、算出された前記テープ部材の量に基づいて、前記回収路内を移動する、請求項8に記載の切屑回収システム。
【請求項10】
前記移動体は、算出された前記テープ部材の量が所定値以上の場合に、前記回収路内において移動を開始する、請求項8に記載の切屑回収システム。
【請求項11】
算出された前記テープ部材の量が所定値を超えると、その旨を報知する報知部を更に備える、請求項8から10のいずれか1項に記載の切屑回収システム。
【請求項12】
テープフィーダから供給された部品を基板に装着する部品装着装置を備え、
前記部品装着装置は、切屑が通過するシュート部と、前記シュート部の内部に収容された切屑の落下を防止する開閉可能なシャッタとを有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の切屑回収システム。
【請求項13】
前記シャッタを駆動するシャッタ駆動部および前記シャッタ駆動部を制御する制御部を備える、請求項12に記載の切屑回収システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記移動体の位置情報を取得し、取得した前記位置情報に基づいて前記シャッタを駆動させる、請求項13に記載の切屑回収システム。
【請求項15】
前記回収路は、
所定の長さを有する複数の第1管路と、
隣接する2つの前記第1管路の間隔を所定の範囲で調整して連結することが可能な少なくとも1つの第2管路を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の切屑回収システム。
【請求項16】
前記第2管路は、蛇腹状の管路、またはスライド機構を有する管路である、請求項15に記載の切屑回収システム。
【請求項17】
前記第2管路は、前記複数の第1管路に対して脱着可能なように設けられている、請求項15または16に記載の切屑回収システム。
【請求項18】
テープ部材を用いて部品を供給するテープフィーダから排出される前記テープ部材の切屑を回収する切屑回収方法であって、
前記テープフィーダから排出された切屑を回収路に回収し、
前記回収路の中の前記切屑を移動体によって押して搬送する、切屑回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープフィーダから排出されるテープ部材の切屑を回収する切屑回収システムおよび切屑回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を装着する部品装着装置の部品供給部には、部品を収納するテープ部材を用いて部品を供給するテープフィーダが複数装着される。部品を供給したテープ部材はテープフィーダから排出された後、カッタで切断されて切屑となって回収される(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の部品装着装置では、テープフィーダから排出された使用済みのテープ部材は、ガイド機構によって台車に設けられたテープ排出部に導かれ、テープ排出部のカッタで切断されて切屑となる。当該切屑は、台車に設けられた回収ボックスに収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、回収ボックスに収容された切屑を作業者が回収する必要があった。複数の部品装着装置が設けられている場合、部品装着装置に装着されている台車毎に作業者は回収ボックスに収容された切屑を回収しなければならず、作業者の負担が大きい。
【0005】
そこで本発明は、作業者によるテープ部材の切屑の回収作業の負担を軽減することができる切屑回収システムおよび切屑回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の切屑回収システムは、テープ部材を用いて部品を供給するテープフィーダから排出される前記テープ部材の切屑を回収する切屑回収システムであって、前記テープフィーダから排出された切屑を回収する回収路と、前記回収路の中に設けられた、前記切屑を押して搬送する移動体と、を備える。
【0007】
本発明の切屑回収方法は、テープ部材を用いて部品を供給するテープフィーダから排出される前記テープ部材の切屑を回収する切屑回収方法であって、前記テープフィーダから排出された切屑を回収路に回収し、前記回収路の中の前記切屑を移動体によって押して搬送する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者によるテープ部材の切屑の回収作業の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品装着システムの構成を示す説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品装着装置の要部の構成を示す平面図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品装着装置の要部の構成を示す側面図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品装着システムが備えるシュート部と回収路の構成を説明する(a)正面図(b)側面図
【
図5】(a)(b)本発明の一実施の形態の部品装着システムが備えるシュート部のシャッタの機能を説明する側面図
【
図6】本発明の一実施の形態の部品装着システムが備える移動体の構成を示す斜視図
【
図7】本発明の一実施の形態の部品装着システムが備える第1収容部の(a)構成を示す正面図(b)蓋が閉まった状態の平面図(c)蓋が開いた状態の平面図
【
図8】本発明の一実施の形態の部品装着システムが備える回収路が有する連結管路の構成を示す斜視図
【
図9】(a)(b)本発明の一実施の形態の部品装着システムが備える回収路が有する連結管路の他の実施例の構成を示す正面図
【
図10】(a)(b)(c)(d)本発明の一実施の形態の部品装着システムにおける移動体による切屑回収工程の説明図
【
図11】本発明の一実施の形態の部品装着システムの制御系の構成を示すブロック図
【
図12】本発明の一実施の形態の部品装着システムで使用される排出テープデータの一例の説明図
【
図13】本発明の一実施の形態の部品装着システムで使用される(a)シュート部収容量データの一例の説明図(b)収容部収容量データの一例の説明図
【
図14】本発明の一実施の形態の部品装着システムにおける切屑回収方法のフローを示す図
【
図15】本発明の一実施の形態の部品装着システムにおける切屑回収方法のフローを示す図
【
図16】(a)(b)(c)(d)本発明の一実施の形態の部品装着システムの他の実施例による切屑回収工程の説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品装着システム、部品装着装置、回収路、移動体の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1、および後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(
図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(
図1における左右方向)が示される。また、
図3、および後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(
図3における上下方向)が示される。
【0011】
まず
図1を参照して、部品装着システム1の構成を説明する。部品装着システム1は、2基の部品装着装置W1,W2が連結され、有線または無線による通信ネットワーク2によって管理コンピュータ3と接続されて管理される構成となっている。なお、部品装着システム1が備える部品装着装置W1,W2は2台に限定されることなく、1台でも、3台以上であってもよい。また、部品装着システム1は、部品装着装置W1,W2の上流に基板にクリームはんだを印刷する印刷装置などの部品実装用装置を連結してもよい(図示省略)。
【0012】
図1、
図2において、部品装着装置W1,W2の前側と後側で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル4が設置されている。タッチパネル4は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品装着装置W1,W2の操作を行う。部品装着装置W1,W2の前側と後側には、それぞれ部品供給部5が設けられている。部品供給部5には、複数のテープフィーダ6を上面に並べて装着した台車7が着脱自在に結合される。
【0013】
次に
図3を参照して、部品装着装置W1,W2の構成を説明する。部品装着装置W1,W2は、基板に部品を装着する機能を有している。基台8の上面に設けられた基板搬送機構9は、基板10をX軸に沿って搬送して位置決めして保持する。基板搬送機構9の上方には、図示省略するヘッド移動機構によって水平方向(X軸方向、Y軸方向)に移動する装着ヘッド11が設置されている。基板搬送機構9の側方において基台8に結合された台車7の上部には、複数のテープフィーダ6がX軸に沿って並んで取り付けられている。
【0014】
台車7の前側であってテープフィーダ6の下方には、部品装着装置W1,W2に供給される部品Pを収納するテープ部材12が巻回されたリール13を回転可能に支持するリール保持部14が設置されている。テープフィーダ6は、リール13に収納されているテープ部材12をテープ送り方向に搬送して装着ヘッド11による部品取り出し位置に部品Pを供給する。すなわち、テープフィーダ6は、テープ部材12を用いて部品Pを供給する。
【0015】
図3において、部品装着装置W1,W2は、基板搬送機構9、装着ヘッド11、ヘッド移動機構、および部品供給部5に設置されたテープフィーダ6を制御する装着制御装置15を備えている。装着制御装置15は、テープフィーダ6に部品Pの供給指令を送信し、テープ部材12をテープ送りさせて、部品Pを部品取り出し位置に供給させる。また、装着制御装置15は、装着ヘッド11、ヘッド移動機構を制御して、装着ヘッド11によってテープフィーダ6が部品取り出し位置に供給した部品Pを取り出し、基板搬送機構9に保持させた基板10の装着点に移送搭載する部品装着作業を実行させる。台車7の上方には、作業者が部品装着作業中の装着ヘッド11などの可動機構に触れないようにカバーする開閉自在の本体カバー16が設置されている。
【0016】
図2、
図3において、台車7の後側(基台8に結合される側)には、テープフィーダ6から排出された空のテープ部材12を下方に案内するシュート部17が設置されている。シュート部17には、空のテープ部材12を切断するカッタ18が設置されている。カッタ18は装着制御装置15により制御されており、いずれかのテープフィーダ6から排出された空のテープ部材12が所定の長さ(例えば10cm)になると、空のテープ部材12を一斉に切断する(
図4(a)も参照)。
【0017】
部品装着装置W1,W2の前側と後側には、部品供給部5に結合された台車7のシュート部17の下方に、シュート部17から排出される空のテープ部材12が切断された切屑Rを回収する回収路30が配置されている。回収路30は筒状の管路が連結されて構成されている。また、回収路30の管路の上面であってシュート部17の下方の開口17aに対応する位置には、開口17aから排出される切屑Rが侵入する切屑進入開口31が形成されている(
図2、
図4参照)。このように、回収路30は管路であり、回収路30は、テープフィーダ6から排出された切屑Rが進入する切屑進入開口31を有する。
【0018】
次に
図4、
図5を参照して、シュート部17と回収路30の詳細について説明する。シュート部17の下方の開口17aには、開口17aを開閉するシャッタ19が設置されている。シャッタ19は、モータを含むシャッタ駆動部20により開閉する。シャッタ駆動部20は、装着制御装置15により制御されている。すなわち、装着制御装置15は、シャッタ駆動部20を制御する制御部である。
【0019】
図5(a)において、シャッタ19が閉じた状態で、切屑Rはシュート部17の内部17bに堆積される。
図5(b)において、装着制御装置15(制御部)の制御によりシャッタ駆動部20がシャッタ19を開けると(矢印a)、シュート部17の内部17bに収容されていた切屑Rがシュート部17の開口17aから排出される(矢印b)。このように、切屑Rが通過するシュート部17には、シュート部17の内部17bに収容された切屑Rの落下を防止する開閉可能なシャッタ19とシャッタ19を駆動するシャッタ駆動部20が配置されている。
【0020】
図2、
図4において、シュート部17の開口17aの下方に位置する回収路30の切屑進入開口31の付近には、X軸の上流(紙面左側)から下流(紙面右側)に沿って第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23が配置されている。第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23は、それぞれ発光部と受光部から構成される光学センサである。第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23は、発光部から照射されて受光部で受光されていた光が、回収路30の内部を移動する後述する移動体によって遮光されることにより、移動体がシュート部17の開口17aの下方に位置することを検出する。検出結果は、装着制御装置15を介して管理コンピュータ3に送信される。なお、移動体を検出する検出部は3つである必要はなく、1つでも、2つでも、4つ以上であってもよい。
【0021】
図1において、X軸に沿って延びる回収路30は部品装着装置W1,W2の外部まで延出している。回収路30は、下流の一端に第1開口32を有し、上流の他端に第2開口33を有している。前側と後側の回収路30の中には、シュート部17の開口17aから排出された切屑Rを押して搬送する移動体40がそれぞれ配置されている。すなわち、部品装着システム1には、2つの移動体40が配置されている。
【0022】
回収路30の下流には、切屑Rを収容する第1収容部50が設置されている。移動体40は、回収路30の内部を移動して、第1開口32から切屑Rを押し出し、第1開口32から排出された切屑Rは第1収容部50に収容される(
図10(d)参照)。回収路30の上流には、移動体40に電気エネルギーを供給する給電場所34が設置されている。給電場所34に移動体40が停止すると、接触または非接触で移動体40に電気エネルギーが供給されて、内蔵された電池に電気エネルギーが蓄積される。移動体40は、切屑Rを回収していない待機時に給電場所34まで移動して、内蔵された電池に電気エネルギーを蓄積する。
【0023】
次に
図6、
図11を参照して、移動体40の詳細な構成について説明する。移動体40は、本体部41と、本体部41の両側面に配置された一対の無限軌道42と、本体部41に前面に配置されたブレード43を備えて構成される。本体部41の内部には、搬送制御装置44、走行装置45、無線通信部46、電池(図示省略)が配置されている。また、搬送制御装置44は、走行制御部47を備えている。走行装置45はモータなどを備えて構成されており、走行制御部47によって制御されている。
【0024】
走行制御部47は、走行装置45によって無限軌道42を駆動させ、移動体40を回収路30に沿って前後に移動させる。無線通信部46は、無線で管理コンピュータ3が備える無線管理通信部3aとの間でデータの送受信を行う。移動体40は、回収路30の所定の位置に設置されたマーク等をカメラやセンサ(図示省略)で検出することで自身の位置を認識する。これにより、移動体40は、管理コンピュータ3からの指令により回収路30の中を移動し、所定の位置で停止する。すなわち、移動体40は自走式である。なお、移動体40は無限軌道42を備える構成に限定されることはなく、タイヤを備える構成であってもよい。
【0025】
次に
図7、
図11を参照して、第1収容部50の詳細な構成について説明する。第1収容部50は、上部が開口して切屑Rを収容する収容箱51、収容箱51の開口を塞いで開閉する蓋52を備えて構成されている。第1収容部50の内部には、蓋駆動部53、収容制御装置54を備えている。蓋駆動部53はモータなどを備えて構成されており、収容制御装置54によって制御され、蓋52を開閉させる。収容制御装置54は、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3との間でデータの送受信を行う。これより、第1収容部50は、管理コンピュータ3からの指令により、蓋52を移動させて収容箱51を開放し(
図7(c))、また閉鎖する(
図7(b))。
【0026】
図2、
図8において、回収路30は、部品装着装置W1,W2の下方に位置し、所定の長さを有する第1管路35と、隣接する2つの第1管路35を連結する蛇腹状の蛇腹管路36を備えて構成される。蛇腹管路36は、部品装着装置W1と部品装着装置W2の間(
図2に楕円Aで示す位置)に配置される。蛇腹管路36は、回収路30から切屑Rが漏れ出ないように隣接する2つの第1管路35を連結する。さらに、蛇腹管路36は、自身の長さを変更することで隣接する2つの第1管路35の間隔(配置ずれ)を所定の範囲で調整することが可能である。すなわち、蛇腹管路36は、隣接する2つの第1管路35の間隔を所定の範囲で調整して連結することが可能な第2管路であり、複数の第1管路35に対して脱着可能なように設けられている。
【0027】
次に
図9を参照して、第2管路の他の実施例について説明する。
図9において、隣接する2つの第1管路35は、第1管路35の外径よりも内径が大きな筒状のスライド管路37によって連結されている。すなわち、隣接する2つの第1管路35の対向する端部がスライド管路37に挿入される。これにより、スライド管路37によって、回収路30から切屑Rが漏れ出ないように隣接する2つの第1管路35が連結される。また、スライド管路37の内部で第1管路35の位置をスライドさせることで、隣接する第1管路35の間隔を調整することが可能である。
図9(a)は隣接する第1管路35の間隔が小さい状態を、
図9(b)は間隔が大きい状態を示している。このように、スライド管路37は、スライド機構を有する第2管路である。
【0028】
次に
図10を参照して、部品装着システム1の移動体40による切屑回収工程(切屑回収方法)について説明する。
図10(a)において、移動体40は、切屑Rを回収していない時には、第2開口33の側に配置された給電場所34に移動して、内蔵された電池に電気エネルギーを充電しながら待機する。切屑Rを回収する時になると、シュート部17の開口17aに設置されたシャッタ19が開けられて、シュート部17の内部に収容されていたテープフィーダ6から排出された切屑Rが回収路30の内部に回収される(矢印c)。切屑Rのシュート部17から排出が完了したタイミングで、シャッタ19が閉じられる(
図10(b)参照)。
【0029】
図10(b)において、次いで下流にブレード43を向けて回収路30に配置されている移動体40が下流に向けて移動する。移動体40は、部品装着装置W1のシュート部17から排出された切屑Rをブレード43によって押しながら下流に移動する(矢印d1)。
図10(c)において、移動体40は、部品装着装置W2のシュート部17から排出された切屑Rも合わせてブレード43で押しながら、さらに下流に移動する(矢印d2)。また、所定のタイミングで、第1収容部50の蓋52が開けられる(矢印e)。
【0030】
図10(d)において、回収路30の内部を移動した移動体40は第1開口32から切屑Rを押し出して、第1収容部50の収容箱51に収容させる。その後、移動体40は給電場所34に移動し、第1収容部50の蓋52が閉じられる(図示省略)。このように、本実施の形態の切屑回収方法は、テープフィーダ6から排出されたテープ部材12の切屑Rを回収路30に回収し、回収路30の中の切屑Rを移動体40によって押して搬送し、第1収容部50に回収する。第1収容部50の収容箱51に回収された切屑Rが所定の量となると、作業者によって収容箱51から切屑Rが回収される。これにより、作業者は台車7毎にテープ部材12の切屑Rを回収する必要がなく、作業者によるテープ部材12の切屑Rの回収作業の負担を軽減することができる。
【0031】
なお、
図10(a)において、シュート部17のシャッタ19を開けて、シュート部17に収容されていた切屑Rを回収路30に排出させるタイミングは、移動体40が移動を開始して、シュート部17の下方に接近する時であってもよい。すなわち、上流に設置された第1検出部21が移動体40を検出すると移動体40を停止させ、その後、シャッタ19を開けるように搬送制御装置44と装着制御装置15が連携して制御するようにしてもよい。また、回収路30をシュート部17の下方からずらした位置に配置し、回収路30の側面に形成した切屑進入開口31からシュート部17に収容していた切屑Rを回収するようにしてもよい。
【0032】
次に
図11を参照して、
図1に示す部品装着システム1の制御系の構成について説明する。部品装着システム1は、管理コンピュータ3、部品装着装置W1,W2、2つの第1収容部50を、通信ネットワーク2を介して接続して構成されている。また、部品装着システム1は、2つの移動体40を備えている。なお、移動体40と第1収容部50の数は、部品装着システム1が備える回収路30の本数に応じて変更される。
【0033】
部品装着装置W1,W2は、装着制御装置15、タッチパネル4、基板搬送機構9、テープフィーダ6、装着ヘッド11、カッタ18、シャッタ駆動部20、第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23を備えている。装着制御装置15は、装着記憶部60、装着制御部61、カット量算出部62、カッタ制御部63、シャッタ制御部64、装着通信部65を備えている。
【0034】
図11において、装着通信部65は、通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3、他の部品装着装置W1,W2との間でデータの送受信を行う。装着記憶部60は記憶装置であり、装着データ60a、部品データ60b、排出テープデータ60cなどが記憶されている。装着データ60aには、実装基板の生産機種名(基板名)、基板10に装着される部品Pの種類(部品名)、装着位置(XY座標)、装着方向(θ方向)、装着順序、部品Pを供給するテープフィーダ6の位置(フィーダ位置)などの情報が含まれている。部品データ60bには、部品Pの種類(部品名)毎に、部品Pのサイズ、部品Pを供給するテープ部材12の幅、厚さ、種類、部品Pを供給する際にテープフィーダ6がテープ部材12をテープ送りする送り量などの情報が記憶されている。
【0035】
図11において、管理コンピュータ3は、管理処理装置70を備えている。管理処理装置70は、管理記憶部71、シュート部収容量算出部72、収容部収容量算出部73、回収管理部74、管理通信部75、無線管理通信部3aを備えている。管理記憶部71は記憶装置であり、生産データ71a、シュート部収容量データ71b、収容部収容量データ71cなどが記憶されている。
【0036】
生産データ71aは、部品装着システム1における実装基板の生産に使用されるデータであり、部品装着装置W1,W2で使用される装着データ60aなどが含まれる。管理コンピュータ3は、部品装着システム1で生産する実装基板に応じて、各部品装着装置W1,W2に必要なデータを送信する。管理通信部75は、通信ネットワーク2を介して部品装着装置W1,W2、第1収容部50との間でデータの送受信を行う。無線管理通信部3aは、無線で移動体40の無線通信部46との間でデータの送受信を行う。
【0037】
図11において、装着制御部61は、基板搬送機構9、装着ヘッド11、テープフィーダ6を制御して、部品装着作業を実行させる。カッタ制御部63は台車7に取り付けられている複数のテープフィーダ6から排出された空のテープ部材12のいずれかが所定の長さになると、カッタ18を制御して空のテープ部材12を一斉に切断させる。テープフィーダ6から排出される空のテープ部材12の長さは、部品データ60bに含まれるテープ部材12の送り量に、テープフィーダ6がテープ送りした回数(供給した部品数)を乗じて算出される。
【0038】
装着制御装置15が備えるカット量算出部62は、部品装着装置W1,W2の部品供給部5に結合された台車7のカッタ18が切断した空のテープ部材12の長さを算出する。算出結果は、排出テープデータ60cとして装着記憶部60に記憶される。
【0039】
ここで
図12を参照して、排出テープデータ60cの例について説明する。排出テープデータ60cは、部品装着装置W1,W2の部品供給部5に結合された台車7毎に作成される。排出テープデータ60cには、台車7に設定されたフィーダ位置80毎に、フィーダ位置80に装着されたテープフィーダ6から供給される部品Pの部品名81、テープ部材の幅82w、テープ部材の厚さ82t、一回のテープ送りで排出されるテープ送り量83、カットテープ長さ84が記憶されている。
【0040】
カットテープ長さ84には、カッタ18が空のテープ部材12を切断する毎にテープフィーダ6から排出されていた空のテープ部材12の長さが算出されて記録される。具体的には、カット量算出部62は、フィーダ位置80に装着されたテープフィーダ6が切断後にテープ送りした回数(供給した部品数)にテープ送り量83を乗じて、テープフィーダ6から排出された空のテープ部材12の長さを算出する。また、シュート部17に収容されていた切屑Rが排出されると、テープ送り量83はゼロにリセットされる。
【0041】
図11において、管理処理装置70が備えるシュート部収容量算出部72は、排出テープデータ60cに基づいて、テープフィーダ6から排出されてカッタ18で切断された空のテープ部材12の量を積算したシュート部収容量を算出する。算出されたシュート部収容量は、シュート部収容量データ71bとして管理記憶部71に記憶される。具体的には、シュート部収容量算出部72は、カッタ18が空のテープ部材12を切断する度に、排出テープデータ60cに含まれるカットテープ長さ84とテープ部材の幅82wとテープ部材の厚さ82tを乗じてテープ部材12の体積を算出し、記憶されているシュート部収容量に加算する。
【0042】
シュート部収容量は、部品装着装置W1,W2の部品供給部5に結合された台車7毎に算出される。なお、シュート部収容量算出部72は、カットテープ長さ84にテープ部材12の種類を乗じる簡易的な方法で空のテープ部材12の量を算出するようにしてもよい。また、シュート部収容量算出部72は、カッタ18がテープ部材12を切断した回数に所定の定数(例えば、カットテープ長さ84の平均値または最大値)を乗じる簡易的な方法で空のテープ部材12の量を算出するようにしてもよい。このように、シュート部収容量算出部72は、テープフィーダ6が排出する空のテープ部材12の長さ(カットテープ長さ84)、テープ部材の幅82w、テープ部材の厚さ82tに基づいて、テープフィーダ6から排出される空のテープ部材12の量(体積など)を算出する。
【0043】
ここで、
図13(a)を参照して、シュート部収容量データ71bの例について説明する。シュート部収容量データ71bは、部品供給部5に結合された台車7を特定する台車位置85毎に、装着装置86、装着位置87、シュート部収容量88が記憶されている。装着装置86が「W1」は部品装着装置W1を、「W2」は部品装着装置W2を示している。装着位置87が「前」は前側の部品供給部5を、「後」は後側の部品供給部5を示している。
【0044】
図13(a)に示すシュート部収容量88は任意単位であり、シュート部17の内部17bに切屑Rがない状態を示す「0」から収容可能な上限である「100」までの数字が記録されている。なお、シュート部収容量88は、切屑Rの具体的な体積であってもよい。シュート部収容量88は、カッタ18が空のテープ部材12を切断した時に加算(積算)される。また、シュート部収容量88は、シュート部17から移動体40に切屑Rが排出された時にゼロに更新(リセット)される。このように、シュート部収容量算出部72は、テープフィーダ6から排出されるテープ部材12の量(シュート部収容量88)を算出する算出部である。
【0045】
図11において、管理処理装置70が備える回収管理部74は、シュート部収容量データ71bに基づいて、シュート部収容量88が所定の量になると、部品装着装置W1,W2にシャッタ19を開けてシュート部17から切屑Rを回収路30に排出させる旨の開放指令を送信させる。例えば、回収管理部74は、いずれかのシュート部収容量88が「95」となるか、一の回収路30に切屑Rを排出するシュート部17のシュート部収容量88の合計が、移動体40が押して搬送することができる切屑Rの量を越えない「150」となると、開放指令を送信させる。
【0046】
図11において、装着制御装置15が備えるシャッタ制御部64は、管理コンピュータ3から受け取った指令情報、第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23による移動体40の検出結果に基づいて、シャッタ駆動部20を制御してシャッタ19を開閉させる制御部である。例えば、シャッタ制御部64は、管理コンピュータ3からシャッタ19の開放指令を受け取り、第2検出部22がシュート部17の開口17aの下方に移動体40が存在しないことを検出すると、シャッタ19を開けるようにシャッタ駆動部20を制御する。
【0047】
または、シャッタ制御部64は、管理コンピュータ3からシャッタ19の開放指令を受け取り、第1検出部21、または、第3検出部23が移動体40を検出した後、移動体40が停止した旨の情報を受け取ると、シャッタ19を開けるようにシャッタ駆動部20を制御する。すなわち、シャッタ制御部64(制御部)は、移動体40の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいてシャッタ駆動部20にシャッタ19を駆動させる。
【0048】
さらに、シャッタ制御部64は、シャッタ19を開けてからシュート部17の内部17bに収容していた切屑Rを排出するために必要な所定の時間が経過すると、シャッタ19を閉じるようにシャッタ駆動部20を制御する。また、シャッタ制御部64は、シャッタ19を閉じた旨の情報を管理コンピュータ3に送信する。移動体40は、回収管理部74から指令に基づいて回収路30を移動し、シュート部17から排出された切屑Rをブレード43で押して搬送し、第1収容部50の収容箱51に収容させる。このように、移動体40は、算出されたテープ部材12の量(シュート部収容量88)に基づいて、算出されたテープ部材12の量が所定値以上の場合に、移動を開始して回収路30内を移動する。
【0049】
図11において、管理処理装置70が備える収容部収容量算出部73は、シュート部17から回収路30に排出された切屑Rのシュート部収容量88を積算して、移動体40が第1収容部50に収容させた切屑Rの収容部収容量を算出する。算出された収容部収容量は、収容部収容量データ71cとして管理記憶部71に記憶される。収容部収容量は、部品実装システムが備える第1収容部50毎に計算される。
【0050】
ここで、
図13(b)を参照して、収容部収容量データ71cの例について説明する。収容部収容量データ71cには、第1収容部50を特定する収容部番号89毎に、収容部収容量90が記憶されている。収容部収容量90は任意単位であり、切屑収容部41aに切屑Rがない状態を示す「0」から収容可能な上限である、例えば「300」までの数字が記録されている。収容部収容量算出部73は、移動体40が第1収容部50に切屑Rを収容させると、該当するシュート部収容量88を収容部収容量90に加算(積算)する。また、収容部収容量算出部73は、作業者が第1収容部50の収容箱51から切屑Rを回収すると、収容部収容量90をゼロに更新(リセット)する。
【0051】
図11において、回収管理部74は、収容部収容量90が上限(300)を越えない所定値(例えば、270)になると、部品装着装置W1,W2のタッチパネル4に、その旨、および、第1収容部50から切屑Rを回収する旨の指示を表示させる。すなわち、タッチパネル4は、収容部収容量90(算出されたテープ部材12の量)が所定値を超えると、その旨を報知する報知部である。なお、部品装着システム1が備える報知部はタッチパネル4に限定されることはなく、管理コンピュータ3の表示装置(図示省略)であっても、作業者が携帯する情報端末(図示省略)であってもよい。
【0052】
ここで、
図14、
図15のフローに沿って、
図10を参照しながらテープ部材12を用いて部品Pを供給するテープフィーダ6から排出されるテープ部材12の切屑Rを回収する部品装着システム1における切屑回収方法の例について説明する。移動体40は、切屑回収のタイミングになるまで、上流の給電場所34で待機している(
図10(a))。回収管理部74は、シュート部17から切屑Rを回収するタイミングであるか否かを判断する(ST1)。シュート部収容量データ71bのシュート部収容量88が所定の量になると(ST1においてYes)、回収管理部74は回収対象の回収路30の移動体40に下流に移動するように移動開始指令を送信し、移動体40が下流への移動を開始する(ST2)。
【0053】
部品装着装置W1の第1検出部21が移動体40を検出すると(ST3においてYes)、回収管理部74は移動体40に停止指令を送信し、移動体40はシュート部17の手前で停止する(ST4)。次いで回収管理部74は部品装着装置W1にシャッタ19の開放指令を送信し、シャッタ制御部64(制御部)がシャッタ19を開放させる(ST5)。これにより、部品装着装置W1のシュート部17から切屑Rが回収路30に排出される。シャッタ制御部64は、シャッタ19を開放させてから所定時間を経過すると(ST6においてYes)、シャッタ19を閉じさせる(ST7)。
【0054】
図14、
図15において、下流に切屑Rを排出する部品装着装置W2がある場合(ST8)、移動体40は部品装着装置W1から排出された切屑Rを押しながら下流に移動する(
図10(b)の矢印d1)(2回目のST2)。次いで2回目の(ST3)から(ST7)が実行されて、部品装着装置W2のシュート部17から切屑Rが回収路30に排出される。下流には切屑Rを排出する部品装着装置がないため(ST8においてNo)、次いで回収管理部74は、第1収容部50に蓋52の開放指令を送信し、収容制御装置54が蓋52を開放させる(
図10(c)の矢印e)(ST9)。次いで回収管理部74は、移動体40に第1収容部50に切屑Rを回収するように指令を送信する。
【0055】
移動体40は、部品装着装置W1,W2から排出された切屑Rを押しながら第1収容部50まで移動して停止し(
図10(c)の矢印d2)、切屑Rを第1収容部50の収容箱51に収容させる(
図10(d))(ST10)。次いで回収管理部74は、移動体40に給電場所34まで移動するように指令を送信する。これにより、移動体40は給電場所34まで移動して、次の切屑回収のタイミングまで待機する。次いで回収管理部74は、第1収容部50に蓋52に閉鎖命令を送信し、収容制御装置54が蓋を閉じさせる(ST12)。
【0056】
図14、
図15において、回収管理部74は、収容部収容量データ71cの収容部収容量90が所定の量になったか否かを判断する(ST13)。収容部収容量90が所定の量になると、すなわち、第1収容部50から切屑Rを回収するタイミングになると(ST13においてYes)、回収管理部74は、報知部(タッチパネル4)に切屑Rの回収指示を表示させる(ST14)。切屑Rの回収のタイミングでない場合は回収指示を表示させずに(ST13においてNo)、回収のタイミングの場合は回収指示を表示させた後(ST14)、(ST1)に戻って、次の切屑回収のタイミングまで待機する。これによって、作業者によるテープ部材12の切屑Rの回収作業の負担を軽減することができる。
【0057】
なお、上記はシュート部17がシャッタ19を備える構成で切屑回収方法を説明したが、部品装着装置W1,W2のシュート部17は、シャッタ19を備えない構成であってもよい。その場合、シュート部17のカッタ18が空のテープ部材12を切断すると、切屑Rは直ぐに回収路30に排出される。また、カッタ制御部63は、第1検出部21、第2検出部22、第3検出部23による検出結果から、シュート部17の開口17aの下に移動体40が存在しないことを確認してからカッタ18で空のテープ部材12を切断させる。
【0058】
上記説明したように、本実施の形態の部品装着システム1は、テープフィーダ6から排出されたテープ部材12の切屑Rを回収する回収路30と、回収路30の中に設けられた、切屑Rを押して搬送する移動体40と、を備えており、テープ部材12の切屑Rを回収する切屑回収システムである。これによって、作業者によるテープ部材12の切屑Rの回収作業の負担を軽減することができる。
【0059】
次に
図16を参照して、部品装着システム(切屑回収システム)の他の実施例(以下、「部品装着システム100」と称する)による切屑回収工程(切屑回収方法)について説明する。部品装着システム100は、給電場所34の上流に第2収容部55が配置されており、回収路30の中に設けられた移動体40Aが後側(上流側)にもブレード48を備えるところが、
図1に示す部品装着システム1とは異なる。以下、部品装着システム1と同じ部分には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0060】
図16(a)において、第2収容部55は、第1収容部50と同様の構成であり、切屑Rを収容する収容箱51と蓋52を備えている。すなわち、回収路30には、第1開口32から排出された切屑Rを収容する第1収容部50と、第2開口33から排出された切屑Rを収容する第2収容部55とを備えている。移動体40Aは、本体部41の前側にブレード43を、後側にブレード48を備えており、回収路30の内部を移動して、第1開口32と第2開口33とから切屑Rを押し出す。すなわち、移動体40Aは、下流に移動する際は、前側のブレード43で切屑Rを押しながら移動し(矢印f1)、第1収容部50の収容箱51に切屑Rを回収する(
図16(b))。
【0061】
図16(c)において、移動体40Aが上流側に移動する際は、回収管理部74は第2収容部55に蓋52の開放指令を送信し、第2収容部55の収容制御装置54が蓋駆動部53を制御して、蓋52を開放させる(矢印g)。そして、移動体40Aは、上流側に移動する際は、後側のブレード48で切屑Rを押しながら移動し(矢印f2)、第2収容部55の収容箱51に切屑Rを回収する(
図16(d))。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の切屑回収システムおよび切屑回収方法は、作業者によるテープ部材の切屑の回収作業の負担を軽減することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0063】
1、100 部品装着システム(切屑回収システム)
4 タッチパネル(報知部)
6 テープフィーダ
10 基板
12 テープ部材
15 装着制御装置(制御部)
17 シュート部
17b 内部
19 シャッタ
20 シャッタ駆動部
30 回収路
31 切屑進入開口
32 第1開口
33 第2開口
35 第1管路
36 蛇腹管路(第2管路)
37 スライド管路(第2管路)
40、40A 移動体
50 第1収容部
55 第2収容部
P 部品
R 切屑
W1、W2 部品装着装置