IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特開2023-84268注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型
<>
  • 特開-注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型 図1
  • 特開-注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型 図2
  • 特開-注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型 図3
  • 特開-注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型 図4
  • 特開-注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023084268
(43)【公開日】2023-06-19
(54)【発明の名称】注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/40 20060101AFI20230612BHJP
   B29C 33/42 20060101ALI20230612BHJP
   B29C 45/00 20060101ALI20230612BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20230612BHJP
   B29C 44/58 20060101ALI20230612BHJP
   B29K 105/04 20060101ALN20230612BHJP
【FI】
B29C33/40
B29C33/42
B29C45/00
B29C44/00 D
B29C44/58
B29K105:04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198335
(22)【出願日】2021-12-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】原田 拓治
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
4F214
【Fターム(参考)】
4F202AB02
4F202AG20
4F202AR03
4F202CA11
4F202CA23
4F202CB01
4F202CK52
4F206JA04
4F206JM05
4F206JN21
4F206JN26
4F214AB02
4F214AG20
4F214AR03
4F214UA08
4F214UB01
4F214UL21
4F214UM81
(57)【要約】
【課題】内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取って開封する際の開封性を向上した注出用部材を提供する。
【解決手段】キャップ部材1は、内側部分2と、内側部分2の外側に位置する外側部分3と、連結部4とを備える。連結部4は、内側部分2と外側部分3とを連結すると共に、内側部分2及び外側部分3の一方を他方から切り取る際の切取り予定領域を含む。連結部4の内部には、複数の独立気泡7が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側部分と、
前記内側部分の外側に位置する外側部分と、
前記内側部分と前記外側部分とを連結すると共に前記内側部分及び前記外側部分の一方を他方から切り取る際の切取り予定領域を含む連結部と、
を備え、
前記連結部の内部には、複数の独立気泡が形成されている、注出用部材。
【請求項2】
前記複数の独立気泡のそれぞれは、各気泡の重心を通る最も長い辺を気泡長さとした場合に、10μm以上400μm以下の気泡長さを有しており、
前記複数の独立気泡の単位体積当たりの気泡数は、0.3個/mm以上8.5個/mm以下である、
請求項1に記載の注出用部材。
【請求項3】
前記連結部の厚みは、0.2mm~0.4mmである、
請求項1又は2に記載の注出用部材。
【請求項4】
前記外側部分は、当該注出用部材を容器本体に取り付けるためのフランジ部を有し、
前記フランジ部の内部には、複数の独立気泡が形成されている、
請求項1~3の何れか一項に記載の注出用部材。
【請求項5】
内側部分、外側部分、及び、前記内側部分と前記外側部分とを連結する連結部を備える注出用部材を超臨界流体成形によって製造する方法であって、
(A)樹脂材料及び超臨界流体を含む溶融樹脂組成物を調整する工程と、
(B)前記溶融樹脂組成物を前記注出用部材に対応する金型のキャビティ内に射出する工程と、
(C)前記キャビティ内に射出された前記溶融樹脂組成物を保圧する工程と、
(D)前記金型のうち前記連結部に対応する可動型をコアバックする工程と、
を備える、注出用部材の製造方法。
【請求項6】
前記外側部分は、当該注出用部材を容器本体に取り付けるためのフランジ部を有し、
前記射出する工程(B)では、前記内側部分に対応する領域にあるゲートから前記溶融樹脂組成物を前記金型の前記キャビティ内に射出し、
当該注出用部材の製造方法は、
(E)前記フランジ部に対応する前記金型の可動型をコアバックする工程を更に備える、
請求項5に記載の注出用部材の製造方法。
【請求項7】
前記コアバックする工程(D)及び(E)の少なくとも何れか一方の工程では、コアバックされた後の前記連結部及び前記フランジ部のうち対応する部分の最終厚みに対して25%~35%となる距離をコアバックする、
請求項5又は6に記載の注出用部材の製造方法。
【請求項8】
請求項5~請求項7の何れか一項に記載の注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型であって、
固定型と、
コアバックする際に前記固定型に対して移動可能であり、前記連結部に対応する可動型と、を備える、成形用金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出用部材、注出用部材の製造方法、及び、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内側に位置する封鎖板、外側に位置する注出筒、及び、封鎖板と注出筒とを連結する周状の薄肉部を備えた口栓が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-189641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の口栓等の注出用部材では、内側部分(例えば封鎖板)と外側部分(例えば注出筒)とを連結する連結部は、内側部分を開封する際に切り取られる領域であることから薄肉に形成されており、開封性を向上させる観点からは、できるだけ薄いことが望ましい。一方、注出用部材を成形する際の成形性の観点からは、連結部の肉厚を薄くし過ぎる(例えば0.2mmよりも小さい)とショートショット等が生じ、連結部よりも成形下流側に位置する部分への溶融樹脂の流動性が落ちて成形不良となるおそれがあるため、連結部はある程度の厚みを有することが好ましい。また、連結部が薄すぎると、ピンホールが形成されてキャップ部材に漏れが生じたり、輸送時に破断してしまうおそれもある。そこで、注出用部材において、連結部の厚みを確保しつつ、開封性を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取って開封する際の開封性を向上することができる、注出用部材、注出用部材の製造方法、注出用部材の製造方法に用いられる成形用金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一側面として、注出用部材に関する。この注出用部材は、内側部分と、内側部分の外側に位置する外側部分と、内側部分と外側部分とを連結すると共に内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取る際の切取り予定領域を含む連結部と、を備える。この注出用部材では、連結部の内部には、複数の独立気泡が形成されている。
【0007】
この注出用部材では、内側部分と外側部分とを連結すると共に内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取る際の切取り予定領域を含む連結部の内部に、複数の独立気泡が形成されている。これにより、内側部分と外側部分とを連結する連結部の厚みは確保しつつ、複数の独立気泡を設けることで連結部の切り取り時に必要となる力を低下させて、内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取って開封する際の開封性を向上させることができる。また、連結部内に複数の独立気泡を設けるため、注出用部材の軽量化を図ることもできる。なお、この注出用部材では、連結部の厚みを確保していることから、成形不良を低減することができ、また、ピンホールの発生や輸送時の破断等を防止することが可能となる。
【0008】
上記の注出用部材において、複数の独立気泡のそれぞれは、各気泡の重心を通る最も長い辺を気泡長さとした場合に、10μm以上400μm以下の気泡長さを有しており、複数の独立気泡の単位体積当たりの気泡数は、0.3個/mm以上8.5個/mm以下であることが好ましい。この場合、連結部の厚みを確保しつつ連結部の切り取り時に必要となる力をより効率的に低下させて開封性を向上することができる。また、独立気泡が形成される連結部の厚みが十分に薄く(例えば0.5mm程度以下で)光を透過可能な場合は、単位面積当たりの気泡数で規定することもでき、この場合、10μm以上400μm以下の気泡長さを有する複数の独立気泡の単位面積当たりの気泡数は、0.1個/mm以上2.5個/mm以下であってもよい。一方、光を透過しない材料から形成される場合、連結部を含む領域を切断して切断面に存在する単位面積当たりの気泡数を数えてもよく、この場合、10μm以上400μm以下の気泡長さを有する複数の独立気泡の単位面積当たりの気泡数は、上記同様、0.1個/mm以上2.5個/mm以下であってもよい。なお、上述した気泡数の算出は、光学顕微鏡により測定されてもよく、得られた画像から直接算出してもよいし、得られた画像に二値化などの所定の画像処理などを施して算出してもよい。光学顕微鏡により観察を行う際は、連結部の厚さ方向に沿った断面画像を取得することが好ましいが、連結部の厚さ方向に垂直な方向の断面画像でもよい。また、光学顕微鏡により観察を行う際は、観察可能な程度に連結部を薄く切断することが好ましい。
【0009】
上記の注出用部材において、連結部の厚みは、0.2mm~0.4mmであることが好ましい。連結部の厚みが0.2mm以上であることにより、注出用部材を成形する際にショートショット等が生じて成形不良となることをより確実に防止することができ、寸法精度に優れた注出用部材を作製することが可能となる。また、連結部にピンホールが形成されてしまうことが抑制されるため、注出用部材に漏れを生じさせないようにすることができる。更に、輸送時の連結部の破断等もより確実に防止することができる。一方、連結部の厚みが0.4mm以下であることにより、連結部の切り取り時に必要となる力を高くしすぎないようにして、複数の独立気泡の存在と協働することで、開封性を更に向上することができる。なお、ここでいう「連結部の厚み」は、連結部における最も薄い部分の厚みを意味する。
【0010】
上記の注出用部材において、外側部分は、当該注出用部材を容器本体に取り付けるためのフランジ部を有し、フランジ部の内部には、複数の独立気泡が形成されていてもよい。この場合、薄肉部分と厚肉部分とが混在するフランジ部及びその周辺領域に成形の際に生じやすいヒケの発生を、フランジ部の内部に設けられた独立気泡により抑制することができる。これにより、寸法精度の高い成形品である注出用部材とすることができる。更に、この注出用部材によれば、フランジ部の寸法精度が高いことから、容器本体等の他部材に取り付ける際のヒートシール性を向上させることができる。
【0011】
本発明は、別側面として、内側部分、外側部分、及び、内側部分と外側部分とを連結する連結部を備える注出用部材を超臨界流体成形によって製造する方法に関する。この注出用部材の製造方法は、(A)樹脂材料及び超臨界流体を含む溶融樹脂組成物を調整する工程と、(B)溶融樹脂組成物を注出用部材に対応する金型のキャビティ内に射出する工程と、(C)キャビティ内に射出された溶融樹脂組成物を保圧する工程と、(D)金型のうち連結部に対応する第1可動型をコアバックする工程と、を備える。
【0012】
この注出用部材の製造方法では、連結部に対応する領域で第1可動型をコアバックして溶融樹脂組成物を部分的に圧力解放し、溶融樹脂組成物中の超臨界流体を微細発泡状態としていることから、注出用部材の特定箇所の1つである連結部内に複数の独立気泡を容易に形成することができる。即ち、この製造方法によれば、注出用部材の全体ではなく、独立気泡を形成したい箇所(本例では連結部)を狙って独立気泡を形成させることができる。これにより、所定の肉厚を有する連結部であって、内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取って開封する際の開封性を向上させた連結部を有する注出用部材を容易に製造することができる。また、超臨界流体成形による製造方法であることから、注出用部材の内側部分や外側部分を強度を確保しつつ薄肉で形成することができ、これにより、使用するプラスチック樹脂材料の量を低減することができる。
【0013】
上記の注出用部材の製造方法では、外側部分は、当該注出用部材を容器本体に取り付けるためのフランジ部を有してもよい。射出する工程(B)では、内側部分に対応する領域にあるゲートから溶融樹脂組成物を金型のキャビティ内に射出してもよい。このような注出用部材の製造方法は、(E)金型のうちフランジ部に対応する第2可動型をコアバックする工程を更に備えてもよい。この場合、第2可動型をコアバックすることによってフランジ部の内部に複数の独立気泡を容易に形成することができ、これにより、薄肉部分と厚肉部分とが混在するフランジ部の成形の際に生じやすいヒケの発生を抑制することができる。よって、この製造方法によれば、フランジ部の寸法精度の高い注出用部材を得ることができる。更に、この注出用部材の製造方法によれば、フランジ部の寸法精度を高めることができるため、容器本体等の他部材に注出用部材を取り付ける際のヒートシール性を向上させることもできる。
【0014】
上記の注出用部材の製造方法では、コアバックする工程(D)及び(E)の少なくとも何れか一方の工程では、コアバックされた後の連結部及びフランジ部のうち対応する部分の最終厚みに対して25%~35%となる距離をコアバックすることが好ましい。この場合、連結部やフランジ部等に所望の空隙率となる複数の独立気泡を容易に形成することが可能となる。なお、ここでいう「最終厚み」とは、上述した製造方法によって製造される注出用部材となった際の連結部やフランジ部の厚みを意味する。
【0015】
本発明は、更に別の側面として、注出用部材の製造方法に用いられる金型に関する。この金型は、上述した何れかの注出用部材の製造方法に用いられる金型であって、固定型と、固定型に対してコアバックする際に移動可能であり、連結部に対応する可動型と、を備える。この場合、上記構成の金型を用いて注出用部材を成形する際に、連結部に所望の空隙率の複数の独立気泡を容易に設けることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、内側部分及び外側部分の一方を他方から切り取って開封する際の開封性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るキャップ部材の一例を示す断面図である。
図2図2は、図1に示すキャップ部材の連結部付近Sを拡大して示す断面図である。
図3図3は、図1に示すキャップ部材を超臨界流体成形で製造するための成形用金型の一部(下金型)と、成形されるキャップ部材とを示す断面図である。
図4図4は、図1に示すキャップ部材を超臨界流体成形で成形する際に、コアバックを行って連結部内に独立気泡を生じさせる方法を説明するための断面図であり、(a)は、コアバックを行う前の連結部の状態を示し、(b)はコアバックを行った後の連結部の状態を示す。
図5図5は、従来のキャップ部材における連結部の厚みを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るキャップ部材、キャップ部材の製造方法、及び、キャップ部材の製造方法に用いられる成形用金型について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るキャップ部材を示す断面図であり、より詳細には、プルリング付きスパウトを示す断面図である。キャップ部材1は、例えば、プルリング付きスパウトやプルリング付きキャップなどであり、所定の収容物(例えば調味料)を収容する容器本体(不図示)の開口部に取り付けられる注出用部材である。キャップ部材1は、打栓式又はスクリュー式のいずれであってもよく、またキャップ部材1が取り付けられる容器本体に収納される収容物は、食品、非食品、粉体、液体のいずれであってもよい。キャップ部材1は、蓋を有する構成であってもよいし、蓋を有しない構成であってもよい。
【0020】
図1に示すように、キャップ部材1は、内側部分2、外側部分3、及び、連結部4を備える。キャップ部材1では、外側部分3が容器本体の開口部にヒートシールによって取り付けられ、内側部分2は、輸送時又は運搬時に容器本体に収納された収容物を外に漏らさないよう閉鎖する蓋として機能する。内側部分2は、容器本体に収納された収容物を使用する際には連結部4を切り取り領域として外側部分3から切り取られる。これにより、キャップ部材1では、内側部分2が存在していた内側領域から収容物を取り出すことができるようになる。このようなキャップ部材1は、後述するように、樹脂成形によって一体的に製造することができる。
【0021】
内側部分2は、外側部分3の内側に配置される、底部を有する略円筒形状の部分であり、外側に位置する連結部4を介して外側部分3に連結されている。内側部分2は、連結部4以外では外側部分3には連結されていない。内側部分2は、例えば、プルリング等の部材であり、キャップ部材1が容器に取り付けられて運搬等に供される際は容器本体の開口部を塞ぐ機能を奏するものである。一方、内側部分2は、容器本体に収容された収容物を使用する際には、連結部4によって外側部分3から切り取られるように構成されている。内側部分2が外側部分3から切り取られることにより、キャップ部材1が取り付けられた容器本体の開口部が開放されることとなる。なお、内側部分2は、キャップ部材1に取り付けられる蓋部材(不図示)の天面から延びる部分と嵌合することで、使用者が手で直接引っ張らなくても蓋部材を外すのと同時に内側部分2が外側部分3から切り取られる構成(いわゆるワンタッチ開栓)であってもよい。
【0022】
外側部分3は、内側部分2の外側に位置する略円筒形状の部分であり、キャップ部材1を容器本体に取り付ける際の土台となる部分である。外側部分3は、キャップ部材1を容器本体に取り付けるためのフランジ部5を有している。外側部分3は、内周面上に設けられた連結部4により内側部分2に連結されて一体化されている。外側部分3は、内側部分2との間では、連結部4のみで連結されており、他の部分では連結されていない。なお、外側部分3は、不図示のキャップ等をキャップ部材1に取り付けるためネジ部6を外周面上に有していてもよい。また、外側部分3は、容器本体に取り付けるための構造として、フランジ部5の代わりに、容器本体の開口と嵌合する突起や爪部を有していてもよい。
【0023】
連結部4は、内側部分2と外側部分3とを連結すると共に内側部分2を外側部分3から切り取る際の切取り予定領域となる部分である。連結部4は、内側部分2と外側部分3との間において周方向に伸びるように薄肉状に形成された部分であり、例えば、肉厚Tが0.2mm~0.4mmとなっており、一例では0.3mmである(図2を参照)。連結部4の肉厚Tが0.3mmであることにより、キャップ部材1を取り付けた容器本体の輸送時の連結部4の破断を防止することができる。なお、連結部4の肉厚Tは、連結部4における最も薄い部分の厚みを意味する。
【0024】
また、連結部4の内部には、図2に示すように、複数の独立気泡7が形成されている。独立気泡7とは、個々に独立して存在する気泡をいい、隣接する気泡と繋がっていない限りにおいては隣接する気泡と接している気泡も含むものである。このような独立気泡7は、後述する超臨界流体成形により形成することができるが、連結部4の内部に空隙を設けることで、キャップ部材1では、ある程度の厚み(肉厚T)は維持しつつ、連結部4を切り取る際の力を低下させている。なお、内側部分2や外側部分3には、このような独立気泡が形成されておらず、連結部4以外の部分が切り取りの起点とならないように構成されている。
【0025】
連結部4内に形成される独立気泡7のそれぞれは、より具体的には、各気泡の重心を通る最も長い辺を気泡長さとした場合に、10μm以上400μm以下の気泡長さを有してもよく、10μm以上300μm以下の気泡長さを有してもよく、200μm以上300μm以下の気泡長さを有してもよい。そして、連結部4における複数の独立気泡7の単位体積当たりの気泡数は、例えば、0.3個/mm以上8.5個/mm以下であってもよい。また、独立気泡7が形成される連結部4の厚みが十分に薄く(例えば0.5mm程度で)光を透過可能な場合は、単位面積当たりの気泡数で規定することもでき、この場合、連結部4における複数の独立気泡7の単位面積当たりの気泡数は、0.1個/mm以上2.5個/mm以下であってもよい。
【0026】
一方、キャップ部材1が光を透過しない材料から形成される場合、連結部4を含む領域を切断して切断面に存在する単位面積当たりの気泡数を数えてもよく、この場合、連結部4における複数の独立気泡7の単位面積当たりの気泡数は、上記同様、0.1個/mm以上2.5個/mm以下であってもよい。上述した気泡数の算出は、例えば顕微鏡の拡大倍率を35倍として撮像した画像から直接算出してもよいし、得られた画像に所定の画像処理などを施して算出してもよい。なお、内側部分2や外側部分3において独立気泡が形成されていないとは、肉眼で確認できる独立した気泡が存在していない、又は、顕微鏡の拡大倍率を35倍とした場合において確認できる単位面積当たりの気泡数が0.01個/mm以下であることを意味する。一般的に、目視で確認できる気泡の気泡長さの下限値は200μmであるため、「肉眼で確認できる独立した気泡が存在していない」とは、200μmを超える気泡長さの気泡が存在しないことを意味する。また、独立気泡が形成されていないか否かを判断する点において、顕微鏡の拡大倍率を35倍とした場合に確認することができる気泡の気泡長さは200μmを超えていてもよい。すなわち、顕微鏡で観察した際に200μmを超える気泡が確認されても、単位面積当たりの気泡数が0.01個/mm以下であれば、独立気泡が形成されていないと判断される。
【0027】
キャップ部材1では、このような複数の独立気泡7が連結部4に内在することにより、連結部4の肉厚Tを所定の厚さ(例えば0.3mm)に維持しつつ、切り取る際の力を低下させて、内側部分2を外側部分3から切り取って開封する際の開封性を向上させている。また、連結部4内に空隙を設けていることから、キャップ部材1に用いるプラスチック材料を低減して、軽量化も図られている。更に、連結部4の表面にはスキン層が形成されるため、独立気泡7が表面に表れないようになっており、美感も維持されている。
【0028】
次に、図3図5を参照しつつ、キャップ部材1の製造方法について説明する。図3は、図1に示すキャップ部材を超臨界流体成形で製造するための成形用金型の一部(下金型)と、成形されるキャップ部材1とを示す断面図である。図4は、キャップ部材1を超臨界流体成形で成形する際に、コアバックを行って連結部4内に独立気泡7を生じさせる方法を説明するための断面図であり、(a)は、コアバックを行う前の連結部の状態を示し、(b)はコアバックを行った後の連結部4の状態を示す。図5は、従来のキャップ部材における連結部の厚みを説明するための図である。
【0029】
キャップ部材1は、以下の工程を経て製造される。
(A)樹脂材料と超臨界流体とを含む溶融樹脂組成物を調製する工程。
(B)溶融樹脂組成物を金型のキャビティ内に射出する工程。
(C)上記(B)工程後、キャビティを保圧するとともに冷却する工程。
(D)上記(C)工程の際に、金型のうち連結部に対応する可動型をコアバックする工程。
(E)容器を金型から回収する工程。
(A)工程から(E)工程の一連の工程は、例えば、MuCell射出成形機(「MuCell」はTrexel.Co.Ltdの登録商標)を使用して実施できる(例えば、特許第6085729号や特許第6430684号を参照)。
【0030】
[(A)工程]
まず、樹脂材料と超臨界流体とを含む溶融樹脂組成物を調製する。樹脂材料として、熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体例はポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂である。熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、好ましくは15g/10分以上であり、より好ましくは20~40g/10分であり、更に好ましくは25~36g/10分である。この値が15g/10分以上であることで、ショートショットの発生を抑制できる傾向にあり、他方、40g/10分以下であることで、落下耐性に優れる容器を製造できる傾向にある。なお、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210-1:2014に記載の方法に準拠し、温度230℃及び荷重2.16kgの条件で測定された値を意味する。ショートショットは、キャビティの流動末端にまで樹脂材料が至らない現象を意味する。
【0031】
従来の射出成形で薄肉部分を有する部材を成形するには、ショートショット防止のために流動性の高い(MFRの値が大きい)樹脂を選定する必要があった。しかし、流動性の高い樹脂材料は分子量が比較的小さく、強度が低い傾向にあるため、優れた落下耐性の薄肉容器を製造しにくかった。これに対し、本実施形態においては、MFRの値が比較的小さい樹脂材料であっても、超臨界流体と併用することで、溶融樹脂組成部の流動性を高めることができる。これにより、ショートショットの抑制と優れた強度(例えば、座屈強度及び落下耐性)を両立することができる。
【0032】
超臨界流体として二酸化炭素を使用する場合、樹脂材料100質量部に対して1~4質量部、好ましくは2~3質量部の超臨界状態の二酸化炭素を添加して溶融樹脂組成物を調製する。二酸化炭素の量が2質量部以上であることで、成形ショット毎の充填圧のばらつきを小さくできるとともに、二酸化炭素の添加による溶融樹脂組成物の粘度低下により、ショートショットの発生を抑制することができる。これに加え、超臨界状態の二酸化炭素に起因する発泡を例えば流動末端部(例えば、外側部分3のフランジ部5)で促すことで成形体の一部の内部に空隙を形成することができる。他方、二酸化炭素の量が3質量部以下であることで、発泡性が損なわれてしまい、均一な気泡層を形成できずムラができてしまったり、または、十分な軽量化を実現することができない場合がある。
【0033】
超臨界流体として窒素を使用する場合、樹脂材料100質量部に対して0.5~1.5質量部の超臨界状態の窒素を添加して溶融樹脂組成物を調製する。窒素の量が0.5質量部以上であることで、成形ショット毎の充填圧のばらつきを小さくできるとともに、窒素の添加による溶融樹脂組成物の粘度低下により、ショートショットの発生を抑制することができる。これに加え、超臨界状態の窒素に起因する発泡を促すことで成形体の内部に空隙を形成することができる。他方、窒素の量が1.5質量部以下であることで、発泡性が損なわれてしまい、均一な気泡層を形成できずムラができてしまったり、または、十分な軽量化を実現することができない場合がある。
【0034】
溶融樹脂組成物の温度(スクリューシリンダ温度)は、樹脂材料の融点又はMFRに応じて設定すればよい。ポリプロピレン樹脂を使用する場合、この温度は210~250℃程度であることが好ましい。ポリエチレン樹脂を使用する場合、この温度は220~260℃程度であることが好ましい。この温度が下限値以上であることで、キャビティ内において樹脂が流動しやすく、他方、上限値以下であることで、樹脂の焦げ付きを抑制できる傾向にある。
【0035】
溶融樹脂組成物は、樹脂材料及び超臨界流体以外の成分を含んでもよい。すなわち、溶融樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、フィラー、着色剤、スリップ剤、帯電防止剤などを更に含んでもよい。
【0036】
[(B)工程]
(A)工程で調製した溶融樹脂組成物をキャップ部材1に対応する成形用金型MのゲートGを通じてキャビティ内に射出する。この際、図3に示すように、内側部分2に対応する側をゲートGとし、外側部分3のフランジ部5に対応する側を流動末端部として、射出成形を行う。成形用金型Mは、内側部分2に対応する固定型M1、連結部4に対応する可動型M2(第1可動型)、外側部分3に対応する固定型M3を備えている。可動型M2は、固定型M1,M3に対して、図示の矢印A方向に移動可能(後退可能)に構成されている。なお、図3では、上側の成形用金型の記載は省略している。上述した流動経路で溶融樹脂組成物を成形用金型Mのキャビティ内に導入すると、ゲートG側は所定の圧力を維持しやすい。一方、流動末端部となるフランジ部5では、後述する(C)工程で説明するように、圧力の低下が生じやすい。
【0037】
(B)工程での溶融樹脂組成物の射出速度は、100~400mm/秒であることが好ましく、150~200mm/秒であることがより好ましい。射出速度が100mm/秒以上であることで、流動末端まで樹脂を到達させやすく、ショートショットの発生を抑制できる傾向がある。他方、射出速度が400mm/秒以下であることで、成形体にバリ不良が発生することを抑制できる傾向にある。なお、本実施形態に係るキャップ部材の製造方法では、射出速度を多段的に設定してもよく、射出速度の初速を250~350mm/秒とし、二段目速度を50~150mm/秒に減速してもよい。このように減速することで、金型の転写性を向上したり、成形途中での固化を防止したりすることができる。
【0038】
[(C)工程]
(C)工程では、上記(B)工程後、キャビティを保圧すると共に冷却する。射出後にかける保圧の条件としては、保圧力が20~50MPaであってもよく、一例として30MPaである。また、保圧時間は0.5~1.5秒であり、一例として1.0秒である。このような保圧により、ゲート部に近い、内側部分2、連結部4及び外側部分3(フランジ部5を除く)内では、超臨界流体である二酸化炭素や窒素等が発泡しない。一方、ゲート部から離れた流動末端部にあるフランジ部5では、保圧力の低下が生じやすく、超臨界流体である二酸化炭素や窒素等が発泡することがある。これにより、内側部分2や外側部分3(フランジ部5を除く)等には気泡が形成されない。なお、保圧力と保圧時間の長さによって、フランジ部5に発生する気泡の量や大きさを調整することができる。
【0039】
[(D)工程]
(D)工程では、(C)工程で保圧を行っている際に、成形用金型Mのうち可動型M2を、図3及び図4の(a)の矢印A方向にコアバックする。これにより、連結部4に対応する部分4Aが拡張されて、図4の(b)に示すように、内部に複数の独立気泡7が形成される。一方、コアバックを行う際、成形用金型Mの中央にある固定型M1は移動させないため、内側部分2に対応する部分には、複数の独立気泡が形成されない。また、コアバックを行う際、成形用金型Mの外側にある固定型M3も移動させないため、外側部分3に対応する部分も、フランジ部5に対応する領域を除いては、複数の独立気泡が形成されない。但し、固定型M3の内のフランジ部5に対応する部分を可動型(第2可動型)として分割して、フランジ部5に対応する領域で、連結部4と同様に、コアバックを行ってもよい。この場合、フランジ部5内により確実に複数の独立気泡を形成することができる。
【0040】
ここで、(D)工程でコアバックする量について説明する。図5には、従来のキャップ部材11を示す。図5に示すように、従来のキャップ部材11では、所定の肉厚Tの連結部14によって内側部分12と内側部分13とが連結されている。この肉厚Tは、運搬時に連結部14が破断しない程度の厚みとなっている。本実施形態ではコアバックにより連結部4を拡張するため、図4の(a)に示すように、射出直後の連結部4Aの肉厚tは、所定の肉厚Tよりも薄いものとなっている。その後、コアバックすることにより、連結部4Aが連結部4へと拡張されて、肉厚Tとなる。これにより、運搬時の破断等を防止できる厚さとなる。このようなコアバックの量としては、連結部4内に形成する独立気泡7の形状や数量に応じて適宜設定してもよいが、例えば、製造されるキャップ部材1の連結部4の肉厚T(最終厚み)の25%~35%であってもよい。一例としては、連結部4の厚さが0.2mm~0.3mmである場合に、コアバック量は0.1mm以下であってもよい。なお、コアバックした連結部の表層にはスキン層が形成されてもよい。
【0041】
[(E)工程]
(E)工程では、上記(C)工程及び(D)工程後、金型内の成形体の温度が30~60℃程度に下がった時点で、成形体(キャップ部材1)を成形用金型Mから回収する。これにより、所望のキャップ部材1を得ることができる。本実施形態においては、(C)工程で保圧を実施するため、キャップ部材1には目視で確認できるような大きな空隙があまり形成されない。但し、キャップ部材1の連結部4やフランジ部5に生じた気泡により外観の見栄えが悪くなる場合には、成形に用いる溶融樹脂組成物に着色剤を添加等することで対応することが可能である。
【0042】
以上、本実施形態に係るキャップ部材1では、連結部4の内部に複数の独立気泡7が形成されている。これにより、内側部分2と外側部分3とを連結する連結部4の肉厚Tは所望の厚さを確保しつつ、複数の独立気泡7を設けることで連結部4の切り取り時に必要となる力を低下させて、内側部分2を外側部分3から切り取って開封する際の開封性を向上させることができる。また、連結部4内に複数の独立気泡7を設けるため、キャップ部材1の軽量化を図ることもできる。更に、キャップ部材1では、連結部4の肉厚Tを所望の厚さにできることから、成形不良を低減することができ、また、ピンホールの発生や輸送時の破断等を防止することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、複数の独立気泡7のそれぞれは、各気泡の重心を通る最も長い辺を気泡長さとした場合に、10μm以上400μm以下の気泡長さを有しており、複数の独立気泡7の単位体積当たりの気泡数は、0.3個/mm以上8.5個/mm以下であることが好ましい。この場合、連結部4の肉厚Tを所望の厚さとしつつ連結部4の切り取り時に必要となる力をより効率的に低下させて開封性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、連結部4の厚みTは、0.2mm~0.4mmであることが好ましい。連結部4の厚みが0.2mm以上であることにより、キャップ部材1を成形する際にショートショット等が生じて成形不良となることをより確実に防止することができ、寸法精度に優れたキャップ部材1を作製することが可能となる。また、連結部4にピンホールが形成されてしまうことが抑制されるため、キャップ部材1に漏れを生じさせないようにすることができる。更に、輸送時の連結部4の破断等もより確実に防止することができる。一方、連結部4の厚みが0.4mm以下であることにより、連結部4の切り取り時に必要となる力を高くしすぎないようにして、複数の独立気泡7の存在と協働することで、開封性を更に向上することができる。
【0045】
また、本実施形態では、外側部分3は、キャップ部材1を容器本体に取り付けるためのフランジ部5を有し、フランジ部5の内部には、複数の独立気泡が形成されていてもよい。この場合、薄肉部分と厚肉部分とが混在するフランジ部5及びその周辺領域に成形の際に生じやすいヒケの発生を、フランジ部5の内部に設けられた独立気泡により抑制することができる。これにより、寸法精度の高い成形品であるキャップ部材1とすることができる。更に、キャップ部材1によれば、フランジ部5の寸法精度が高いことから、容器本体等の他部材に取り付ける際のヒートシール性を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態に係るキャップ部材の製造方法では、連結部4に対応する領域で可動型M2をコアバックして溶融樹脂組成物を部分的に圧力解放し、溶融樹脂組成物中の超臨界流体を微細発泡状態としていることから、キャップ部材1の特定箇所の1つである連結部4内に複数の独立気泡7を容易に形成することができる。即ち、この製造方法によれば、キャップ部材1の全体ではなく、独立気泡7を形成したい箇所(本例では連結部4)を狙って独立気泡7を形成させることができる。これにより、所定の肉厚Tを有する連結部4であって、内側部分2から外側部分3を切り取って開封する際の開封性を向上させた連結部4を有するキャップ部材1を容易に製造することができる。また、超臨界流体成形による製造方法であることから、キャップ部材1の内側部分2や外側部分3を強度を確保しつつ薄肉で形成することができ、これにより、使用するプラスチック樹脂材料の量を低減することができる。
【0047】
また、本実施形態に係るキャップ部材の製造方法は、成形用金型Mのうちフランジ部5に対応する可動型をコアバックする工程を更に備えてもよい。この場合、この可動型をコアバックすることによってフランジ部5の内部に複数の独立気泡を容易に形成することができ、これにより、薄肉部分と厚肉部分とが混在するフランジ部の成形の際に生じやすいヒケの発生を抑制することができる。よって、この製造方法によれば、フランジ部5の寸法精度の高いキャップ部材1を得ることができる。更に、このキャップ部材の製造方法によれば、フランジ部5の寸法精度を高めることができるため、容器本体等の他部材にキャップ部材を取り付ける際のヒートシール性を向上させることもできる。
【0048】
また、本実施形態に係るキャップ部材の製造方法では、連結部4又はフランジ部5をコアバックする工程において、コアバックされた後の連結部4及びフランジ部5のうち対応する部分の最終厚みTに対して25%~35%となる距離をコアバックすることが好ましい。この場合、連結部4やフランジ部5等に所望の空隙率となる複数の独立気泡7を容易に形成することが可能となる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、内側部分2が外側部分3から切り取られる構成のキャップ部材1について説明したが、これに限定されず、外側部分3が内側部分2から連結部4により切り取られる構成であってもよい。即ち、本発明は、内側部分2及び外側部分3の一方を他方から切り取る構成であれば、適用可能である。また、上記実施形態においては、超臨界流体として二酸化炭素又は窒素を使用する場合を例示したが、これらのガスに代えて、例えば、アルゴン又はヘリウムを使用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…キャップ部材、2…内側部分、3…外側部分、4…連結部、5…フランジ部、7…独立気泡、M…成形用金型、M1,M3…固定型、M2…可動型(第1可動型)。
図1
図2
図3
図4
図5