(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008451
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
G01N35/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021112021
(22)【出願日】2021-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 五郎
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CC11
2G058CD11
2G058GA01
(57)【要約】
【課題】検査装置において、検査が終了した検体を収容した容器を人が容器に手を触れずに廃棄できるようにすることである。
【解決手段】検体が収容された容器(容器7)を挿入する挿入部(挿入部5)と、検査が終了した検体を挿入部(挿入部5)から脱落させる脱落部(脱落部8)と、脱落部(脱落部8)により脱落させられた容器(容器7)を回収する回収部(回収部4)とを、検査装置(検査装置1)が備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に収容された検体を検査する検査装置であって、
前記検体が収容された容器を挿入する挿入部と、
検査が終了した前記検体が収容された前記容器を前記挿入部から脱落させる脱落部と、
前記脱落部により脱落させられた前記容器を回収する回収部とを備える、検査装置。
【請求項2】
前記容器を装着する装着部材をさらに備え、
前記挿入部は、前記装着部材が挿入される装着部材挿入領域を含み、
前記脱落部は、前記装着部材挿入領域に挿入された前記装着部材が取り出される場合に、前記装着部材に装着された前記容器について、前記装着部材の移動に伴う前記容器の移動を制限することにより、前記装着部材から前記容器を脱落させる、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記装着部材は、前記容器を複数装着し、
前記脱落部は、前記装着部材挿入領域に挿入された前記装着部材が取り出される場合に、前記装着部材に装着されたすべての前記容器について、前記装着部材の移動に伴う前記容器の移動を制限することにより、前記装着部材から前記容器を脱落させる、請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記挿入部は、前記容器が挿入される容器挿入領域を含み、
前記脱落部は、
前記容器挿入領域に挿入された前記容器を前記容器挿入領域の下部で載置することにより保持する保持部材と、
前記保持部材を動作させる駆動部とを含み、
前記脱落部は、前記容器挿入領域に挿入された前記容器について、前記保持部材による前記容器の載置を解除するように、前記駆動部が前記保持部材を動作させることにより、前記容器挿入領域から前記容器を脱落させる、請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記挿入部は、前記容器挿入領域を複数備え、
複数の前記容器挿入領域に挿入されたすべての前記容器は、前記保持部材によって載置されることにより複数の前記容器挿入領域において保持され、
前記脱落部は、複数の前記容器挿入領域に挿入されたすべての前記容器について、前記保持部材による前記容器の載置を解除するように前記駆動部が前記保持部材を動作させることにより、前記保持部材により保持されたすべての前記容器を脱落させる、請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記挿入部において検査が終了した前記検体を含む前記容器を殺菌する殺菌部をさらに備え、
前記脱落部は、前記殺菌部により殺菌された前記検体を含む前記容器を脱落させる、請求項1~5のいずれかに記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば感染症の抗体検査のように、生体等から採取した体液等の検体について検査を行う検査装置が従来から用いられている。
【0003】
従来の検査装置の一例としては、容器内に収容された体液等の検体を検査する検査装置がある(非特許文献1)。このような検査装置では、検体が収容された容器を、人が持って検査装置内に装填して検査を実行し、検査が終了した検体が収容された容器を人が持って取り出すことが行われていた。このような容器の装填、検査、および、取り出しは、1個単位で行われていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Quantum Dot Immunofluorescence Analyzer Quantum Dot Immunofluorescence Analyzer Mokosensor-Q100 Instructions for Use[online]. Mei Ning Kang Cheng China Biotechnology R&D Center INC. [retrieved on 2020-11-16].Retrieved from the Internet<URL: https://563f9237-025b-4834-92d0-51d8b5bd215b.filesusr.com/ugd/27a18f_9b263b44612942048d86fc5b3f43ad1d.pdf>.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、たとえば、非特許文献1のような従来の検査装置では、検査が終了した検体を収容した容器を廃棄するためには、人が容器に手を触れて検査装置から容器を取り外す必要があった。このように検査が終了した検体を収容した容器を取り出すときに人が容器に手を触れなければならない場合には、検査に関わる人の手に検体が付着する可能性がある機会が増えるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、検査装置において、検査が終了した検体を収容した容器を人が容器に手を触れずに廃棄できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、検査装置は、容器内に収容された検体を検査する検査装置であって、検体が収容された容器を挿入する挿入部と、検査が終了した検体が収容された容器を挿入部から脱落させる脱落部と、脱落部により脱落させられた容器を回収する回収部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のある局面に従うと、検査が終了した検体が収容された容器が脱落部により挿入部から脱落させられ、脱落部により脱落させられた容器が回収部により回収されるので、検査が終了した検体を収容した容器を廃棄する場合に人が容器に手で触れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の検査装置1の構成を示す図である。
【
図2】検査装置1における装着部材2の一部拡大図である。
【
図3】検査装置1における脱落部8の構成を示す図である。
【
図4】検査装置1における主な制御に関わる構成を示すブロック図である。
【
図5】第2実施形態の検査装置10の構成を示す図である。
【
図6】検査装置10における脱落部80の構成を示す図である。
【
図7】検査装置10における主な制御に関わる構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の検査装置1の構成を示す図である。
図2は、検査装置1における装着部材2の一部拡大図である。
図3は、検査装置1における脱落部8の構成を示す図である。
【0011】
図1においては、検査装置1の内部における主な構造が透視される態様で検査装置1の斜視図が示されている。
図2においては、検査装置1における装着部材2が、
図1に示す装着部材2とは反対側の方向から見た装着部材2の一部拡大図が示されている。
図3においては、
図1に示す検査装置1において脱落部8を側面視した拡大図が示されている。
【0012】
検査装置1は、装着部材2、検査部3、および、回収部4を含む。
図1に示す容器7は、イムノクロマト法による抗原抗体反応をさせるためのテストストリップを内部に備えた検査用の容器である。容器7は、樹脂によりスティック状に形成されている。容器7では、スポイトにより体液等の検体および試薬を滴下するための穴部である滴下部71が設けられている。滴下部71に滴下された検体は、容器7の内部のテストストリップに供給される。
【0013】
容器7では、テストストリップに供給された検体についての抗原抗体反応の結果がテストストリップ上に表示される。例えば、抗原抗体反応の結果は、テストストリップ上に線状で表示される。容器7では、テストストリップ上に表示される抗原抗体反応の反応結果を外部から監察可能とするために、反応結果が表示されるテストストリップの部分を容器7の外部から視認可能とする長孔状の表示窓部70が設けられている。
【0014】
図1および
図2に示すように、装着部材2は、複数の容器7を装着可能な樹脂製の部材である。たとえば、
図1では、5つの容器7を装着可能な装着部材2が示されている。装着部材2は、平板上の部材である。装着部材2においては、上部に穴22が形成された山型の取手部23が設けられている。
図1に示すように装着部材2の上部における横方向の両端部には、装着部材2を検査部3の内部に挿入する場合に装着部材2を係止するための係止部24,24が両端側に突出した態様で形成されている。
【0015】
図1に示すように、装着部材2には、縦方向に延在する長穴状の検査穴20が横方向に5つ並んで形成されている。各検査穴20は、装着部材2を貫通した穴である。装着部材2においては、5つの検査穴20の各々に対応して、容器7を装着するための装着部21が形成されている。
図1においては、装着部21の形状を確認しやすくするために、1つの検査穴20に対応する装着部21のみが破線で示されている。
図1において、装着部材2の手前側を表面側とした場合に、装着部材2の裏面側に装着部21が形成されている。
【0016】
図2に示すように、各装着部21は、容器7の縦方向および横方向の大きさと略同様の大きさの長方形の形状であり、深さが容器7の厚みよりも浅い装着穴である。各装着部21は、装着部材2を貫通していない。各装着部21の下端部は、下方に向いて開口している。
【0017】
図1に示すように、各装着部21には、1つの容器7を人が手で嵌め込むことにより装着可能である。各装着部21には、容器7が検査穴20に表示窓部70を向ける方向で装着される。各装着部21においては、下端部が下方に開口しているが、容器7が各装着部21の壁面との摩擦により保持される。これにより、容器7は、各装着部21に装着されると、下端部から下方に落下しない状態で保持される。
【0018】
各装着部21は、容器7を嵌め込んだ場合に、対応する検査穴20から容器7の表示窓部70が視認可能となるように、検査穴20と容器7の表示窓部70との位置が重複するような装着状態とする形状で装着部材2に形成されている。装着部21は、容器7を装着するために、検査穴20と比べて、深さが浅く、長さが短く、さらに、幅が広い形状で形成されている。
【0019】
図1に示すように、検査部3は、直方体の形状のケースの内部に、容器7に収容された検体を検査するための各種装置が設けられている。検査部3の上面側には、複数のインジケータ35が設けられている。検査部3の上面側および内部には、挿入部5が設けられている。検査部3の内部には、さらに、センサ部6、および、複数の紫外線LED9が設けられている。
【0020】
図1に示すように、挿入部5には、容器7が装着された装着部材2が人により上方から下方へ挿入される。挿入部5は、挿入口51が検査部3の上面側に開口しており、装着部材2が挿入されて保持される装着部材挿入領域52が検査部3の内部に形成されている。容器7が装着された装着部材2が装着部材挿入領域52内に挿入される場合は、人が装着部材2の取手部23を掴み、装着部材2を挿入部5の挿入口51から装着部材挿入領域52内に挿入する。装着部材挿入領域52内に挿入された装着部材2は、係止部24,24が検査部3の上面に当接することにより、取手部23が挿入口51から上方へ突出した態様で取手部23よりも下の部分が装着部材挿入領域52内に挿入されて保持される。
【0021】
5つのインジケータ35は、装着部材2が挿入部5に挿入された場合に、容器7が装着される5つの位置に対応する位置に設けられ、対応する位置において容器7が嵌め込まれている場合に点灯する発光手段である。各インジケータ35は、LEDよりなる。
【0022】
図1に示すように、センサ部6は、センサ60、センサ軸61、および、センサ移動溝62を含む。センサ部6は、第1駆動部63、および、第2駆動部(
図1では図示を省略し、
図4に第2駆動部64として示す)により駆動される。センサ60は、装着部材2に装着された各容器7の表示窓部70に示される検体の反応結果を、装着部材2の検査穴20を介して光学的に検出するセンサよりなる。
【0023】
センサ60は、装着部材挿入領域52よりも
図1の正面側において、検出面が装着部材挿入領域52に対向する態様で設けられる。より具体的に、センサ60は、装着部材挿入領域52に装着部材2が挿入された状態で、装着部材2の検査穴20に対応する態様で設けられる。これにより、センサ60は、各容器7の表示窓部70に示される検体の反応結果を検出することができる。
【0024】
センサ60は、検査部3において軸長方向が鉛直方向となるように設けられたセンサ軸61の端部に取り付けられている。検査部3の内部において、センサ60は、センサ軸61の上下方向の動作に応じて、
図1の矢印に示すように、センサ軸61の軸長方向における上下方向に移動可能に設けられている。
【0025】
センサ移動溝62は、検査部3の内部における底部に、装着部材挿入領域52の幅方向(図中の左右方向)に沿って設けられる。センサ移動溝62には、第1駆動部63の駆動力により、センサ軸61をセンサ移動溝62に沿って移動させる機構が設けられている。センサ60は、
図1の矢印に示すように、第1駆動部63の駆動力に基づいて、センサ軸61がセンサ移動溝62に沿って図中の左右方向に移動することにより、図中の左右方向に移動する。これにより、センサ60は、装着部材2に装着された複数の容器7の表示窓部70の位置に順次移動させられる。
【0026】
センサ軸61には、センサ60に付属する第2駆動部64の駆動力に基づいてセンサ60を軸長方向(図中の上下方向)に移動させる機構が設けられている。第2駆動部64は、センサ軸61に沿って移動する自走式の駆動部である。センサ60は、第2駆動部64によりセンサ軸61に沿って動作させられることに応じて上下方向に移動させられることにより、装着部材2に装着された各容器7の表示窓部70の上下方向の全体の状態を走査する態様で検体の反応結果を検出する。
【0027】
第1駆動部63は、前述したようなセンサ軸61をセンサ移動溝62に沿って動作させる機構と連動連結されたモータよりなり、モータが駆動されることにより、検査部3の内部において、センサ60を前述のように左右方向に移動させる。第2駆動部64は、前述したようなセンサ60をセンサ軸61に沿って動作させる機構と連動連結されたモータよりなり、モータが駆動されることにより、検査部3の内部において、センサ60を前述のようにセンサ軸61の軸長方向に移動させる。第1駆動部63および第2駆動部64は、予め設定された駆動パターンに従ってセンサ60を左右方向および上下方向に移動させることにより、装着部材2に装着されたすべての容器7の表示窓部70からセンサ60が検体の反応結果を検出することができるようにセンサ60を動作させる。このようにセンサ60が動作させられることにより、装着部材挿入領域52に挿入された装着部材2に装着されたすべての容器7に収容された検体の反応の結果をセンサ60により検出することができる。
【0028】
検査装置1では、装着部材挿入領域52に挿入された装着部材2に装着されたすべての容器7に収容された検体の反応の結果がセンサ60により検出されることに基づいて、各容器7に収容された検体の検査が実行されることとなる。
【0029】
図1に示すように、複数の紫外線LED9は、装着部材挿入領域52に対向する位置において、所定間隔で設けられている。複数の紫外線LED9は、装着部材挿入領域52を介して、センサ部6が設けられた側とは反対側に設けられている。なお、複数の紫外線LED9は、装着部材挿入領域52に対して、センサ部6が設けられた側と同じ側に設けられてもよい。
【0030】
複数の紫外線LED9は、図示を省略する制御基板上に設けられる。複数の紫外線LED9は、紫外線を発生させることにより、装着部材2、および、装着部材2に装着されたすべての容器7を含む検査部3の内部全体を紫外線で殺菌する。複数の紫外線LED9は、検査の終了後において検査部3の内部全体を紫外線で殺菌する。このような複数の紫外線LED9による殺菌は、装着部材2に装着されたすべての容器7に収容された検体の検査が終了した後に実行される。
【0031】
検査が終了し、複数の紫外線LED9による殺菌が終了した検体が収容された容器7は、人が装着部材2を上方に引き出すことにより、
図3に示すように、検査部3の内部に設けられた脱落部8によって装着部材2から脱落させられる。装着部材2から脱落させられた容器7は、検査部3の下部に取付けられた回収部4に落下する。回収部4は、検査部3から落下した容器7を回収するために、装着部材2から脱落させられた容器7を受けて、
図1に示すように貯めることが可能な袋状の部材である。
【0032】
回収部4は、検査部3の下部において着脱可能に設けられる。回収部4により回収された容器7は、回収部4が検査部3から取り外されることに応じて廃棄される。回収部4は、回収された容器7とともに廃棄することが可能である。
【0033】
図示を省略するが、検査部3の外側には、検査装置1の電源のオン/オフ時に操作するスイッチ、および、検査装置1による検査の実行開始時に操作するスイッチ等の各種スイッチ等の操作手段が設けられた操作部が設けられている。操作部には、検査装置1を制御する制御部(
図4の制御部100)が設けられている。操作部の近傍には、検査装置1の動作状態等の検査装置1に関する各種の情報を表示する表示領域が設けられている。
【0034】
図3においては、図中の右側が検査部3の正面側であり、図中の左側が検査部3の裏面側である。
図3には、検査部3の内部において、装着部材挿入領域52を構成する挿入領域部材520により形成される内部空間内に、容器7が装着された装着部材2が挿入された状態が示されている。
【0035】
図3に示すように、脱落部8は、検査が終了して殺菌された容器7を装着部材2から脱落させるためのものである。脱落部8は、装着部材挿入領域52を構成する挿入領域部材520により形成される内部空間において、検査部3の正面側に向かう方向に突出する態様で設けられている。脱落部8は、装着部材2が装着部材挿入領域52に挿入された状態で容器7が装着される側に対向する態様で設けられている。
【0036】
図3に示すように、脱落部8は、板バネ81およびビス82よりなる。板バネ81およびビス82は、装着部材2に装着される複数の容器7の各々に対応するように、装着部材2が装着部材挿入領域52に挿入された状態で各装着部21が存在する位置に対応して、設けられている。
【0037】
図3には、脱落部8の構成として、1つの容器7に対応する板バネ81およびビス82等の構成が示されている。板バネ81は、ビス82により基部が挿入領域部材520に取付けられる態様で挿入領域部材520に取付けられている。板バネ81は、基部から図中下方向の先端部へ向かうに従って装着部材挿入領域52の内部空間に広がったような形状であり、かつ、ビス82が取り付けられた側の挿入領域部材520に向けて先端部が曲げられている。
【0038】
ビス82が取り付けられた側の挿入領域部材520においては、板バネ81の先端部に対向する位置に、貫通穴521の領域が形成されている。貫通穴521は、板バネ81が曲がった場合に、板バネ81の先端部が内部に入ることが可能となるような領域に設けられている。
【0039】
装着部材2が装着部材挿入領域52に挿入される場合に、装着部材2に装着された容器7は、板バネ81に当接しながら挿入されていく。装着部材2が装着部材挿入領域52に挿入されていくに従って、装着部材2に装着された容器7が板バネ81を曲げて貫通穴521側へ押し込みながら、装着部材2が装着部材挿入領域52内を下方に移動していく。このように板バネ81が曲がって貫通穴521側へ押し込まれることにより、装着部材2は、容器7が板バネ81によって下方への移動が阻止されることなく、係止部24,24により係止されるまで、装着部材挿入領域52内に挿入される。なお、挿入領域部材520においては、貫通穴521の代わりに、板バネ81が曲がった場合に板バネ81の先端部が内部に入ることが可能となるような深さの凹部を設けてもよい。その場合においては、装着部材2が装着部材挿入領域52に挿入されたときに板バネ81が最大限曲がった状態でも、挿入領域部材520の凹部の深さが、板バネ81が凹部に当接しないような深さであること、および、挿入領域部材520の厚さが、そのような凹部の深さを実現できる厚さであることが必要である。
【0040】
図3に示される状態は、装着部材挿入領域52内への装着部材2の挿入が完了した状態である。装着部材挿入領域52内への装着部材2の挿入が完了した状態では、装着部材2に装着された容器7の上端部が板バネ81の先端部を通過し、押し込まれていた板バネ81が弾性力により元の状態に戻る。このように押し込まれていた板バネ81が元の状態に戻ると、
図3に示すように、板バネ81の先端部が容器7の上端部の上方に位置することとなる。
【0041】
図3に示すような装着部材挿入領域52内への装着部材2の挿入が完了した状態では、容器7が装着された装着部材2を人が手で掴んで上方に取り出していくと、装着部材2に装着された容器7の上端部が、脱落部8の板バネ81の先端部に当たる。そして、装着部材2がさらに上方に取り出されていくと、容器7の上方への移動が板バネ81に阻止されることにより、容器7の上方への移動が抑制される。
【0042】
装着部材2に装着された各容器7は、装着部材2が上方に取り出されていくに従って、装着部材2の装着部21内で下方に滑る。これにより、装着部材2に装着された各容器7は、装着部21の下端の開口部から装着部21の下方の外部に移動していく。これにより、装着部材2が装着部材挿入領域52から上方に取り出されたときに、装着部材2に装着された各容器7は、装着部21内から脱落する。装着部21内から脱落した容器7は、落下していき、回収部4内に回収される。回収部4内に回収された容器7は、回収部4が取り外されて廃棄されることによって廃棄される。
【0043】
図4は、検査装置1における主な制御に関わる構成を示すブロック図である。
図4において、
図1~
図3で説明した構成については、同一番号が付されている。
【0044】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))とに加え、各種信号を入出力するための入出力バッファ(図示せず)等を含んで構成される。CPU102は、ROMに格納されているプログラムをRAM等に展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、制御部100の処理手順が記されたプログラムである。制御部100は、これらのプログラムに従って、検査装置1における各機器の制御を実行する。このような制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。制御部100は、前述したように、検査部3の外部の所定箇所に設けられる。
【0045】
第1駆動回路103は、第1駆動部63を駆動してセンサ60をセンサ移動溝62の延在方向に動作させることにより、センサ60が検出する位置を制御する回路である。第1駆動回路103は、制御部100から出力される制御信号に基づいて、センサ軸61を動作させる。第2駆動回路104は、第2駆動部64を駆動してセンサ60をセンサ軸61の軸長方向に動作させることにより、センサ60が検出する位置を制御する回路である。第2駆動回路104は、制御部100から出力される制御信号に基づいて、センサ60を上下方向に動作させる。
【0046】
制御部100では、装着部材2に装着されたすべての容器7について、表示窓部70に示される抗原抗体反応の反応結果を検出するためのセンサ60の位置制御データがメモリ102に記憶されている。制御部100では、CPU101が、メモリ102からセンサ60について、センサ移動溝62の延在方向の位置制御データを読み出し、その位置制御データに基づいて、第1駆動回路103にセンサ60の位置を制御するための制御信号を与える。このような制御信号に応じて、第1駆動回路103が第1駆動部63の駆動制御をすることにより、装着部材2に装着されたすべての容器7について抗原抗体反応の反応結果を検出するために、センサ移動溝62の延在方向におけるセンサ60の位置を制御する位置制御が実行される。
【0047】
制御部100では、CPU101が、メモリ102からセンサ60について、センサ軸61の軸長方向の位置制御データを読み出し、その位置制御データに基づいて、第2駆動回路104にセンサ60のセンサ軸61の軸長方向における位置を制御するための制御信号を与える。このような制御信号に応じて、第2駆動回路104が第2駆動部64の駆動制御をすることにより、装着部材2に装着されたすべての容器7について抗原抗体反応の反応結果を検出するために、センサ軸61の軸長方向におけるセンサ60の位置を制御する位置制御が実行される。
【0048】
このように、制御部100から第1駆動回路103と第2駆動回路104とに与えられる制御信号に応じて、第1駆動回路103が第1駆動部63の駆動制御し、第2駆動回路104が第2駆動部64の駆動制御をすることにより、装着部材2に装着されたすべての容器7について抗原抗体反応の反応結果を検出するためのセンサ60の位置制御が実行される。
【0049】
制御部100には、センサ60により検出された抗原抗体反応の反応結果を示す検出信号が入力される。制御部100では、センサ60から入力された検出信号に基づいて、センサ60により検出された各容器7での検体の抗原抗体反応の反応結果を判定する検査を行う。これにより、制御部100では、各容器7に収容された検体の検査結果を得ることができる。
【0050】
紫外線LED回路105は、複数の紫外線LED9から紫外線を発生させるための回路である。紫外線LED回路105は、制御部100から出力される制御信号に基づいて、複数の紫外線LED9を発光させる。制御部100は、装着部材2に装着されたすべての容器7について、各容器7に収容された検体の検査が終了した後、紫外線LED回路105に、複数の紫外線LED9から紫外線を発生させるための制御信号を与える。紫外線LED回路105は、制御部100から受けた制御信号に基づいて、複数の紫外線LED9から紫外線を発生させる。これにより、検査が終了した検体を収容した容器7のすべてについて、紫外線による殺菌が行われる。
【0051】
図示を省略するが、検査部3の内部には、装着部材2が挿入部5に挿入された場合に、5つの装着部21の各々について、容器7が装着されているか否を光学的に検出するための容器センサが設けられており、各容器センサからの検出信号が制御部100に入力される。制御部100では、容器センサから容器7が装着されていることを検出した検出信号が入力された場合に、容器7が装着されていることを検出した装着部21に対応する位置のインジケータ35を点灯させる制御を実行する。これにより、インジケータ35の点灯状態に基づいて、装着部材2におけるどの装着部21に容器7が装着されているかを人が視認することができる。
【0052】
以上に説明したように、検査装置1では、検査が終了した検体が収容された容器7を脱落部8により挿入部5から脱落させ、脱落部8により脱落させられた容器7が回収部4により回収される。これにより、検査が終了した検体を収容した容器7を、人が容器7に手を触れずに廃棄できる。そして、検査装置1では、検査に関わる人の手に検体が付着する可能性がある機会を従来よりも減らすことができる。
【0053】
検査装置1では、装着部材2に容器7が装着され、検査部3の装着部材挿入領域52に挿入された容器7について、装着部材2の移動に伴う容器7の移動を制限することにより、装着部材2から容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を廃棄する場合に、装着部材2を掴んで移動させることにより、容器7に手を触れずに容器7を廃棄することができる。
【0054】
検査装置1では、装着部材2に複数の容器7が装着され、検査部3の装着部材挿入領域52に挿入されたすべての容器7について、装着部材2の移動に伴う容器7の移動を制限することにより、装着部材2からすべての容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を複数廃棄する場合に、一度装着部材2を掴んで移動させることにより、容器7に手を触れずにすべての容器7を廃棄することができる。
【0055】
検査装置1では、検査が終了した検体が収容された容器7が、紫外線LED9から発生する紫外線により殺菌された後に、検査部3から脱落させられる。これにより、殺菌された検体および容器7を廃棄することができる。
【0056】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態としては、検査部30に、容器7を挿入する挿入部50と、容器7を保持する保持部材83を動作させることにより挿入部50から容器を脱落させる脱落部80とを含む検査装置10を説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と共通の構成について、同一の参照番号を付して説明を適宜省略する。
【0057】
図5は、第2実施形態の検査装置10の構成を示す図である。
図6は、検査装置10における脱落部80の構成を示す図である。
【0058】
図5においては、検査装置10の内部における主な構造が透視される態様で検査装置10の斜視図が示されている。
図6においては、検査装置10における脱落部80の拡大図が示されている。
【0059】
図5に示すように、検査装置10は、検査部30、および、回収部4を含む。検査部30の内部には、さらに、
図1に示したようなセンサ部6、および、複数の紫外線LED9が同様に設けられているが、
図5においては、検査部30の内部構造の図面の複雑化を避けるために図示が省略されている。
【0060】
図5に示すように、挿入部50は、1つの容器7を挿入する挿入口53および容器挿入領域54が形成された容器挿入部を複数含む。容器挿入部は、例えば、5箇所設けられている。各容器挿入部は、挿入口53が検査部30の上面側に開口しており、検査部30の内部において、1つの容器7が挿入されて保持される容器挿入領域54が形成されている。
【0061】
挿入部50においては、各容器挿入領域54に1つの容器7が挿入される。容器7が容器挿入領域54に挿入される場合は、人が1つの容器7を掴んで挿入口53から容器挿入領域54内に1つの容器7を挿入する。挿入口53および容器挿入領域54の組合せは、検査部30の横方向に所定間隔で並ぶ態様で、5箇所設けられている。これにより、挿入部50においては、5つの容器7を挿入することが可能である。
【0062】
図5および
図6に示すように、検査部30の内部において、5箇所の容器挿入領域54の下側には、5箇所の容器挿入領域54が並ぶ方向に延在する態様で保持部材83が設けられている。保持部材83は、容器挿入領域54が並ぶ方向を長手方向とした平板状の部材である。保持部材83は、5箇所の容器挿入領域54が並ぶ方向に沿って延在する態様で設けられた回転軸84に取付けられている。
図6に示すように、回転軸84の端部には、歯車840が周設されている。歯車840は、モータ85により回転駆動される駆動歯車850と噛合されている。
【0063】
保持部材83は、検査装置10による検査が実行される前、および、検査が実行されるときには、
図6に示すように、5箇所の容器挿入領域54の下側において、挿入された容器7を保持する態様で底部材を構成する。検査装置10による検査が実行される前、および、検査が実行されるときには、容器挿入領域54に挿入された容器7のすべてが保持部材83上に載置されることにより、容器挿入領域54内で保持される。
【0064】
図1に示したような第1駆動部63は、予め設定された駆動パターンに従ってセンサ60を左右方向に移動させることにより、複数の容器挿入領域54内に挿入されたすべての容器7の表示窓部70からセンサ60が検体の反応結果を検出することができるようにセンサ60を動作させる。このようにセンサ60が動作させられることにより、複数の容器挿入領域54内に挿入されたすべての容器7に収容された検体の反応の結果をセンサ60により検出することができる。
【0065】
センサ60により各容器7内の検体について抗原抗体反応の反応結果が検出され、前述したようにすべての容器7内の検体について検査が終了すると、複数の紫外線LED9による殺菌が実行される。その後、検査および殺菌が終了した検体が収容された容器7は、次のように、容器挿入領域54から脱落させられる。
【0066】
挿入部50における複数の容器挿入領域54内に挿入されたすべての容器7について検査が終了した後は、モータ85が回転駆動される。これにより、駆動歯車850および歯車840が
図6に示す矢印の方向に回転することに応じて、回転軸84が
図6に示す矢印の方向に回転し、回転軸84の回転に応じて、保持部材83が
図6に示す矢印の方向に動作することにより、保持部材83が容器7を載置しない状態となるように動作する。そして、保持部材83により保持されていた容器7は、保持部材83により保持されなくなることにより、
図6の矢印に示すように、自重により容器挿入領域54から脱落して下方に落下する。
【0067】
装着部材2から脱落させられた容器7は、検査部30の下部に取付けられた回収部4に落下する。回収部4により回収された容器7は、回収部4が検査部3から取り外されることに応じて廃棄される。回収部4は、回収された容器7とともに廃棄することが可能である。
【0068】
図7は、検査装置10における主な制御に関わる構成を示すブロック図である。
図7の構成が、
図4の構成と異なるのは、保持部材駆動回路106およびモータ85が設けられていることである。
【0069】
制御部100では、挿入部5における複数の容器挿入領域54内に挿入されたすべての容器7に収容された検体の検査が終了した後、CPU101が、保持部材83を容器7が脱落する状態に動作させるために、保持部材駆動回路106に、モータ85を回転駆動させるための制御信号を与える。このような制御信号に応じて、保持部材駆動回路106がモータ85の駆動制御をすることにより、保持部材83がすべての容器7を脱落させる状態に動作させられ、挿入部5に挿入されたすべての容器7が挿入部50から脱落させられる。
【0070】
以上に説明したように、検査装置10では、検査が終了した検体が収容された容器7を脱落部80により挿入部5から脱落させ、脱落部80により脱落させられた容器7が回収部4により回収される。これにより、検査が終了した検体を収容した容器7を、人が容器7に手を触れずに廃棄できる。そして、検査装置10では、検査に関わる人の手に検体が付着する可能性がある機会を従来よりも減らすことができる。
【0071】
検査装置10では、検査部30の容器挿入領域54に挿入された容器7について、保持部材83による容器7の載置を解除するように、保持部材駆動回路106が保持部材83を動作させることにより、容器挿入領域54から容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を廃棄する場合に、容器7に手を触れずに容器7を廃棄することができる。
【0072】
検査装置10では、検査部30の容器挿入領域54に挿入された複数の容器7のすべてについて、保持部材83による容器7の載置を解除するように、保持部材駆動回路106が保持部材83を動作させることにより、容器挿入領域54からすべての容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を複数廃棄する場合に、容器7に手を触れずにすべての容器7を廃棄することができる。
【0073】
検査装置10では、検査が終了した検体が収容された容器7が、紫外線LED9から発生する紫外線により殺菌された後に、検査部30から脱落させられる。これにより、殺菌された検体および容器7を廃棄することができる。
【0074】
[実施の形態により得られる効果]
(1)
図1に示すように、検査装置1では、検査が終了した検体が収容された容器7を脱落部8により挿入部5から脱落させ、脱落部8により脱落させられた容器7が回収部4により回収される。これにより、検査が終了した検体を収容した容器7を、人が容器7に手を触れずに廃棄できる。そして、検査装置1では、検査に関わる人の手に検体が付着する可能性がある機会を従来よりも減らすことができる。また、
図5に示すように、検査装置10では、検査が終了した検体が収容された容器7を脱落部80により挿入部5から脱落させ、脱落部80により脱落させられた容器7が回収部4により回収される。これにより、検査が終了した検体を収容した容器7を、人が容器7に手を触れずに廃棄できる。そして、検査装置1では、検査に関わる人の手に検体が付着する可能性がある機会を従来よりも減らすことができる。
【0075】
(2)
図1に示すように、検査装置1では、装着部材2に容器7が装着され、検査部3の装着部材挿入領域52に挿入された容器7について、
図3に示すように、装着部材2の移動に伴う容器7の移動を制限することにより、装着部材2から容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を廃棄する場合に、装着部材2を掴んで移動させることにより、容器7に手を触れずに容器7を廃棄することができる。
【0076】
(3)
図1に示すように、検査装置1では、装着部材2に複数の容器7が装着され、検査部3の装着部材挿入領域52に挿入されたすべての容器7について、
図3に示すように、装着部材2の移動に伴う容器7の移動を制限することにより、装着部材2からすべての容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を複数廃棄する場合に、一度装着部材2を掴んで移動させることにより、容器7に手を触れずにすべての容器7を廃棄することができる。
【0077】
(4)
図6に示すように、検査装置10では、検査部30の容器挿入領域54に挿入された容器7について、保持部材83による容器7の載置を解除するように、保持部材駆動回路106が保持部材83を動作させることにより、容器挿入領域54から容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を廃棄する場合に、容器7に手を触れずに容器7を廃棄することができる。
【0078】
(5)
図6に示すように、検査装置10では、検査部30の容器挿入領域54に挿入された複数の容器7のすべてについて、保持部材83による容器7の載置を解除するように、保持部材駆動回路106が保持部材83を動作させることにより、容器挿入領域54からすべての容器7が脱落させられる。これにより、検査に関わる人は、検査が終了した検体が収容された容器7を複数廃棄する場合に、容器7に手を触れずにすべての容器7を廃棄することができる。
【0079】
(6)
図1、
図4、および、
図7に示すように、検査装置1および検査装置10では、検査が終了した検体が収容された容器7を殺菌する殺菌部としての紫外線LED9が設けられ、紫外線LED9から発生する紫外線により殺菌された容器7が脱落させられる。これにより、殺菌された検体および容器7を廃棄することができる。
【0080】
[実施の形態の変形例]
(1) 第1実施形態における検査部3および第2実施形態における検査部30のそれぞれの内部には、紫外線LED9が備えられてもよく、紫外線LED9が備えられなくてもよい。
【0081】
(2) 第1実施形態における回収部4および第2実施形態における回収部4のそれぞれは、検査部3の下部において着脱可能に設けられ、検査が終了した容器7を回収可能な部材であればよい。このような回収部4は、袋状のものであってもよく、箱状のものであってもよい。回収部4は、使い捨てのものであってもよく、再使用可能なものであってもよい。
【0082】
(3) 第1実施形態における回収部4および第2実施形態における回収部4のそれぞれは、専用の袋状の部材が用いられてもよく、汎用の袋状の部材が用いられてもよい。第1実施形態における検査装置1は、回収部4として汎用の袋状の部材が使用可能に構成される場合には装着部材2および検査部3が検査装置として製造されるようにしてもよい。第2実施形態における検査装置10は、回収部4として汎用の袋状の部材が使用可能に構成される場合には検査部30のみが検査装置として製造されるようにしてもよい。
【0083】
(4) 第1実施形態における制御部100および第2実施形態における制御部100のそれぞれは、検査部3の外部に設けられてもよく、検査部3の内部に設けられてもよい。
【0084】
(5) 第1実施形態の装着部材2は、5つの容器7を装着可能である例を示したが、2つ以上の複数の容器7を装着可能であればよい。
【0085】
(6) 第2実施形態の挿入部50は、5つの容器7を挿入可能な5箇所の容器挿入領域54を備えた例を示したが、容器挿入領域54は2つ以上の複数の容器7を装着可能な数の領域が設けられればよい。
【0086】
(7) 第1実施形態の検査部3、および、第2実施形態の検査部30のそれぞれは、外部から内部を視認不可能なものであってもよく、外部から内部を視認可能なものであってもよい。検査部3は、外部から内部を視認可能とする場合には、紫外線LED9から出力される紫外線が外部に漏れることを遮蔽可能なものにすればよい。
【0087】
(8) 第1実施形態および第2実施形態において検査部3の内部に備えられるセンサ部6は、センサ60とセンサ軸61とが固定されておらず、センサ軸61が動作せずセンサ60の方がセンサ軸61に沿って上下方向に移動するものであってもよい。第1実施形態および第2実施形態において検査部3の内部に備えられるセンサ部6は、センサ60とセンサ軸61とが固定されており、センサ軸61が上下方向に動作することにより、センサ60がセンサ軸61の軸長方向に沿って上下方向に移動するものであってもよい。
【0088】
(9) 第1実施形態の脱落部8は、板バネ81を上下方向に動作させる駆動部をさらに備え、制御部100の制御により、検査および殺菌の終了後に、板バネ81を下方向に動作させる制御を実行することにより、装着部材2に装着された容器7が自動的に装着部21内から脱落するように構成してもよい。
【0089】
(10) 第2実施形態の脱落部80は、モータ85の代わりに、回転軸84を回動させることが可能なレバーを設けてもよい。そのレバーは、検査部3の外側で人が操作可能となるように設けられればよい。このような構成においては、検査および殺菌の終了後に人がレバーを操作することに応じて回転軸84を回動させることにより、保持部材83により保持されていた容器7を容器挿入領域54から脱落させるようにすればよい。
【0090】
(11) 第1実施形態の脱落部8は、容器7の上方への移動を抑制する構成として、板バネ81を設ける例を示したが、これに限らず、板バネ81と同様に、容器7の下方への移動は許容するが、装着部材挿入領域52への装着部材2の挿入が完了した状態で容器7の下方への移動を制限する構成であれば、板バネ81以外の構成を用いてもよい。例えば、上端部から下端部に向けて、装着部材挿入領域52を構成する挿入領域部材520により形成される内部空間内への突出量が大きくなる金属製または樹脂製の第1部材にバネ等の弾性部材よりなる第2部材を取り付ける。第1部材は、装着部材2が内部に挿入されていくに従って、第2部材による弾性により押し込まれる。そして、装着部材挿入領域52内への装着部材2の挿入が完了した状態で、押し込まれていた第1部材が元の状態に戻り、第1部材の一部が容器7の上端部の上方に位置するようにすればよい。
【0091】
(12) 第1実施形態に示す脱落部8の構成、および、第2実施形態に示す脱落部80の構成は、イムノクロマト法による抗原抗体反応の反応結果を表示する容器7に限らず、検体に各種の反応をさせて反応結果を表示する容器であれば、どのような検査用の容器が挿入される検査部3,30に適用してもよい。
【0092】
(13) 第1実施形態および第2実施形態に示すような紫外線LED9を用いて検査が終了した容器7を殺菌する構成は、イムノクロマト法による抗原抗体反応を検査する検査装置に限らず、前述のような容器7を用いるその他の検査をする検査装置にも適用可能である。
【0093】
(14) 第1実施形態および第2実施形態で用いるセンサ60としては、容器7の、表示窓部70に示される反応結果を検出することができる検出手段であれば、どのようなものでもよく、例えば、表示窓部70に光を照射して反射光に基づいて反応結果を検出するセンサ、表示窓部70を撮像して撮像した画像を処理することに基づいて反応結果を検出するセンサ、または、テストストリップから放出される蛍光を測定することに基づいて反応結果を検出するセンサ等の各種センサを用いてもよい。
【0094】
[付記]
本開示の検査装置は、以下の特徴を備える。
【0095】
(1) 検査装置(検査装置1、検査装置10等)は、容器(容器7等)内に収容された検体を検査する検査装置であって、前記検体が収容された容器を挿入する挿入部(挿入部5、挿入部50等)と、検査が終了した前記検体が収容された前記容器を前記挿入部から脱落させる脱落部(脱落部8,脱落部80等)と、前記脱落部により脱落させられた前記容器を回収する回収部(回収部4等)とを備える。
【0096】
このような構成によれば、検査が終了した検体が収容された容器が脱落部により挿入部から脱落させられ、脱落部により脱落させられた容器が回収部により回収されるので、検査が終了した検体を収容した容器を廃棄する場合に人が容器に手で触れないようにすることができる。
【0097】
(2) 前記容器を装着する装着部材(装着部材2等)をさらに備え、前記挿入部は、前記装着部材が挿入される装着部材挿入領域(装着部材挿入領域52等)を含み、前記脱落部は、前記装着部材挿入領域に挿入された前記装着部材が取り出される場合に、前記装着部材に装着された前記容器について、前記装着部材の移動に伴う前記容器の移動を制限することにより、前記装着部材から前記容器を脱落させる(
図3のように板バネ81により上方への移動を制限することにより容器7を脱落させる等)。
【0098】
このような構成によれば、装着部材に装着され、検査部の装着部材挿入領域に挿入された容器について、装着部材の移動に伴う容器の移動を制限することにより、装着部材から容器が脱落させられる。これにより、検査に関わる人が、検査が終了した検体が収容された容器を廃棄する場合に、装着部材を掴んで移動させることにより、容器に手を触れずに容器を廃棄することができる。
【0099】
(3) 前記装着部材は、前記容器を複数装着し(
図1のように5箇所の装着部21内に5つの容器7を装着する等)、前記脱落部は、前記装着部材挿入領域に挿入された前記装着部材が取り出される場合に、前記装着部材に装着されたすべての前記容器について、前記装着部材の移動に伴う前記容器の移動を制限することにより、前記装着部材から前記容器を脱落させる(
図3等)。
【0100】
このような構成によれば、装着部材に複数装着され、検査部の装着部材挿入領域に挿入されたすべての容器について、装着部材の移動に伴う容器の移動を制限することにより、装着部材からすべての容器が脱落させられる。これにより、検査に関わる人が、検査が終了した検体が収容された容器を複数廃棄する場合に、一度装着部材を掴んで移動させることにより、容器に手を触れずにすべての容器を廃棄することができる。
【0101】
(4) 前記挿入部は、前記容器が挿入される容器挿入領域(容器挿入領域54等)を含み、前記脱落部は、前記容器挿入領域に挿入された前記容器を前記容器挿入領域の下部で載置することにより保持する保持部材(保持部材83等)と、前記保持部材を動作させる駆動部(モータ85等)とを含み、前記脱落部は、前記容器挿入領域に挿入された前記容器について、前記保持部材による前記容器の載置を解除するように、前記駆動部が前記保持部材を動作させることにより、前記容器挿入領域から前記容器を脱落させる(
図6等)。
【0102】
このような構成によれば、検査部の容器挿入領域に挿入された容器について、保持部材による容器の載置を解除するように、駆動部が保持部材を動作させることにより、容器挿入領域から容器が脱落させられる。これにより、検査に関わる人が、検査が終了した検体が収容された容器7を廃棄する場合に、容器に手を触れずに容器を廃棄することができる。
【0103】
(5) 前記挿入部は、前記容器挿入領域を複数備え(
図1のように5箇所の容器挿入領域54を備える等)、複数の前記容器挿入領域に挿入されたすべての前記容器は、前記保持部材によって載置されることにより複数の前記容器挿入領域において保持され(
図6等)、前記脱落部は、複数の前記容器挿入領域に挿入されたすべての前記容器について、前記保持部材による前記容器の載置を解除するように前記駆動部が前記保持部材を動作させることにより、前記保持部材により保持されたすべての前記容器を脱落させる(
図6等)。
【0104】
このような構成によれば、検査部の容器挿入領域に挿入された複数の容器のすべてについて、保持部材による容器の載置を解除するように、駆動部が保持部材を動作させることにより、容器挿入領域からすべての容器が脱落させられる。これにより、検査に関わる人が、検査が終了した検体が収容された容器を廃棄する場合に、容器に手を触れずに容器を廃棄することができる。
【0105】
(6) 前記挿入部において検査が終了した前記検体を含む前記容器を殺菌する殺菌部をさらに備え、前記脱落部は、前記殺菌部により殺菌された前記検体を含む前記容器を脱落させる。
【0106】
このような構成によれば、検査が終了した検体が収容された容器が殺菌部により殺菌され、殺菌部により殺菌された容器が脱落部により脱落させられる。これにより、殺菌された検体が収容された容器を廃棄することができる。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
1 検査装置、10 検査装置、7 容器、5,50 挿入部、8,80 脱落部、4 回収部、2 装着部材、52 装着部材挿入領域、83 保持部材、85 モータ、9 紫外線LED。