(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085596
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】画像読取システム及び画像読取方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199712
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丸藤 好恭
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA14
5C062AA31
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB10
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB32
5C062AB35
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC09
5C062AC11
5C062AC15
5C062AD04
5C062AE03
5C062AE15
5C062AF10
5C062AF11
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】スキャン設定などの設定値が類似するジョブを結合し、ジョブの総数を減らすことで利便性を向上する手段を提供する。
【解決手段】原稿の画像を読み取る画像読取手段70と、画像読取手段70による画像の読み取りに関する画像読取設定が設定されたジョブが登録された登録手段523と、登録手段523に登録されたジョブにおける画像読取設定の一部を変更する変更手段と、登録手段523に登録済みのジョブの中から画像読取設定の設定値が類似するジョブを検索する検索手段とを備え、登録手段523に登録済みのジョブを選択して画像読取を実行する際に、変更手段により前記画像読み取り設定の一部を変更して実行可能であることを特徴とする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段による画像の読み取りに関する画像読取設定が設定されたジョブが登録された登録手段と、
前記登録手段に登録されたジョブにおける前記画像読取設定の一部を変更する変更手段と、
前記登録手段に登録済みのジョブの中から画像読取設定の設定値が類似するジョブを検索する検索手段と
を備え、
前記登録手段に登録済みのジョブを選択して画像読取を実行する際に、前記変更手段により前記画像読取設定の一部を変更して実行可能であることを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段による画像の読み取りに関する画像読取設定が設定されたジョブが登録される登録手段と、
前記ジョブを結合する結合手段と
を備え、
前記登録手段に新規ジョブが登録される際に、前記登録手段に既に登録されているジョブと前記新規ジョブとの画像読取設定のうち、予め設定された閾値以下の数の設定項目のみ異なり、他の設定項目が一致する場合に、前記結合手段によってジョブを結合して登録されることを特徴とする画像読取システム。
【請求項3】
画像読取手段で原稿の画像を読み取るステップと、
前記画像読取手段による画像の読み取りに関する画像読取設定が設定されたジョブを登録手段に登録する登録ステップと、
前記登録手段に登録されたジョブにおける前記画像読取設定の一部を変更するステップと、
前記登録手段に登録済みのジョブを選択して画像読取を実行する際に、前記変更手段により前記画像読取設定の一部を変更するステップと
を備えることを特徴とする画像読取方法。
【請求項4】
画像読取手段で原稿の画像を読み取るステップと、
前記画像読取手段による画像の読み取りに関する画像読取設定が設定されたジョブを登録するステップと、
前記登録手段に新規ジョブが登録される際に、前記登録手段に既に登録されているジョブと前記新規ジョブとの画像読取設定がのうち、予め設定された閾値以下の数の設定項目のみ異なり、他の設定項目が一致する場合に、ジョブを結合して登録するステップと
を備えることを特徴とする画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取システム及び画像読取システムにおける画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PCに接続される画像読取装置で実行されるジョブを一覧表示する方法について、特許文献1には、PC画面の領域を分割し、ジョブの設定値(例えば送信先)に基づいてジョブアイコンを配置することでジョブを探しやすくする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザが似たような設定値のジョブをたくさん作成し、ジョブの総数が増えた場合には画面上にスクロールバーを配置しないとジョブを全て確認できなくなったり、ジョブアイコンを小さくして画面内に収める必要があったりしてジョブ実行時の利便性が低下してしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取システムは、
原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段による画像の読み取りに関する画像読取設定が設定されたジョブが登録された登録手段と、
前記登録手段に登録されたジョブにおける前記画像読取設定の一部を変更する変更手段と、
前記登録手段に登録済みのジョブの中から画像読取設定の設定値が類似するジョブを検索する検索手段と
を備え、
前記登録手段に登録済みのジョブを選択して画像読取を実行する際に、前記変更手段により前記画像読み取り設定の一部を変更して実行可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ジョブ実行時の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像読取システムの概略図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概略図。
【
図3】
図1の画像読取装置の制御ユニットのブロック図。
【
図4】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の正面図。
【
図5】本発明の一実施形態に係るPCの機能構成例を示すブロック図。
【
図6】本発明の一実施形態に係る汎用アプリケーションの画面を示す図。
【
図7】本発明の一実施形態に係るジョブ作成のフローチャート。
【
図8】本発明の一実施形態に係るジョブアプリケーションのメイン画面を示す図。
【
図9】本発明の一実施形態に係るジョブアプリケーションのジョブ編集画面を示す図。
【
図10】本発明の一実施形態に係るジョブ設定ファイルを示す図。
【
図11】本発明の一実施形態に係るジョブアプリケーションの確認画面を示す図。
【
図12】本発明の一実施形態に係るジョブ設定ファイルを示す図。
【
図13】本発明の一実施形態に係る画像読取装置のスキャンフロー。
【
図14】本発明の一実施形態に係るジョブアプリケーションのスキャン実行時の画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0009】
<画像読取システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取システムの概略構成図である。
【0010】
本実施形態の画像読取システムは、情報処理装置(以下、PC500)と、スキャナ装置DRが接続された構成である。
【0011】
また、
図1では、スキャナ装置DRはPC500とUSB接続されている状態を示しているが、ネットワーク接続する構成としてもよい。
【0012】
また、上記画像読取システムに組み込まれるスキャナ装置DRとしては、
図1では搬送媒体を搬送して画像を読み取るシートフィード型スキャナを一例として図示しているが、フラットベット型スキャナに置き換えてもよい。
【0013】
<画像読取装置の構成>
図2は、本実施形態に係る画像読取システムにおけるスキャナ装置DRとして、シートフィード型スキャナ(画像読取装置A)を採用する場合の概略図である。
【0014】
画像読取装置Aは、載置台1に積載された一又は複数の搬送媒体Sを1つずつ装置内に経路RTに沿って搬送してその画像を読み取り、排出トレイ2に排出する装置である。読み取る搬送媒体Sは、例えば、OA紙、チェック、小切手、名刺、カード類等のシートである。カード類は、例えば、保険証、免許証、クレジットカード等を挙げることができる。
【0015】
なお、搬送媒体Sには、上述した様々なシート類だけでなく、パスポート(旅券)などの冊子も含まれる。冊子を対象とする場合、ホルダを用いることができる。透明なホルダに見開き状態の冊子を収容して載置台1に載置することで、冊子がホルダと共に搬送され、その画像を読み取ることができる。
【0016】
<給紙>
搬送路である経路RTに沿って搬送媒体Sを給送する給送機構(給送手段)としての第1搬送部10が設けられている。第1搬送部10は本実施形態の場合、送りローラ11と、送りローラ11に対向配置される分離ローラ12と、を備え、載置台1上の搬送媒体Sを搬送方向D1に一つずつ順次搬送する。
【0017】
送りローラ11には、モータ等の駆動部3から伝達部5を介して駆動力が伝達され、図中矢印方向(経路RTに沿って搬送媒体Sを搬送させる正方向)に回転駆動される。伝達部5は例えば電磁クラッチであり、駆動部3からの送りローラ11への駆動力を断続する。
【0018】
なお、図示しないが、本実施形態の給送機構では、例えば、複数の搬送媒体Sに対して分離ローラ12の分離負荷を作用させて搬送媒体Sを1枚ずつ分離する分離給送と、搬送媒体Sに対して分離ローラ12の分離負荷を作用させずに給送する非分離給送とを切り替え可能としてもよい。上記パスポートを袋状のホルダに収容して搬送する場合には、非分離給送へ切り替えておくことが好ましい。
【0019】
<駆動部>
駆動部3と送りローラ11とを接続する伝達部5は、例えば、本実施形態では、通常時において駆動力が伝達される状態とし、搬送媒体Sを逆送または停止する場合には駆動力を遮断する。送りローラ11は伝達部5により駆動力の伝達が遮断されると、自由回転可能な状態となる。なお、このような伝達部5は、送りローラ11を一方向のみに駆動させる場合には設けなくてもよい。
【0020】
<分離構造>
送りローラ11に対向配置される分離ローラ12は、搬送媒体Sを1枚ずつ分離するためのローラであり、送りローラ11に対して一定圧で圧接している。この圧接状態を確保するため、分離ローラ12は揺動可能に設けると共に送りローラ11へ付勢されるように構成される。分離ローラ12は、トルクリミッタ12aを介して駆動部3から駆動力が伝達され、実線矢印方向(送りローラ11の正方向とは逆方向)に回転駆動される。
【0021】
分離ローラ12はトルクリミッタ12aにより駆動力伝達が規制されるため、送りローラ11と当接している際は送りローラ11に連れ回りする方向(破線矢印方向)に回転する。これにより、複数の搬送媒体Sが送りローラ11と分離ローラ12との圧接部に搬送されてきた際には、一つを残して2つ以上の搬送媒体Sが下流に搬送されないようにせき止められる。
【0022】
なお、本実施形態では分離ローラ12と送りローラ11とで分離機構を構成したが、このような分離機構は、必ずしも設けなくてもよく、経路RTに搬送媒体Sを1つずつ順次給送する給送機構であればよい。また、分離機構を設ける場合においては、分離ローラ12のような構成の代わりに、搬送媒体Sに摩擦力を付与する分離パッドを送りローラ11に圧接させて、同様の分離作用を持たせるようにしてもよい。
【0023】
<搬送構造>
第1搬送部10の搬送方向下流側にある搬送機構(搬送手段)としての第2搬送部20は、駆動ローラ21と、駆動ローラ21に従動する従動ローラ22とを備え、第1搬送部10から搬送されてきた搬送媒体Sをその下流側へ搬送する。駆動ローラ21にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。
【0024】
従動ローラ22は駆動ローラ21に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ21に連れ回る。この従動ローラ22は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ21に対して付勢された構成としてもよい。
【0025】
このような第2搬送部20よりも搬送方向下流側にある第3搬送部30は、駆動ローラ31と、駆動ローラ31に従動する従動ローラ32とを備え、第2搬送部20から搬送されてきた搬送媒体Sを排出トレイ2へ搬送する。つまり、この第3搬送部30は排出機構として機能する。
【0026】
駆動ローラ31にはモータ等の駆動部4から駆動力が伝達され、図中矢印方向に回転駆動される。従動ローラ32は駆動ローラ31に対して一定圧で圧接し、駆動ローラ31に連れ回る。この従動ローラ32は、バネ等の付勢ユニット(不図示)によって駆動ローラ31に対して付勢された構成としてもよい。
【0027】
排出トレイ2は、画像読取装置Aに対して回動可能なように、画像読取装置Aの下方に設けられた第1ヒンジ101を介して軸支されている。また、第1ヒンジ101側の第1排出トレイ2aとその先端側に接続された第1延長トレイ2b、第2延長トレイ2c、第3延長トレイ2dとから構成されている。
【0028】
第1延長トレイ2bは第1排出トレイ2aに対して摺動可能に支持されており、第2延長トレイ2cは第1延長トレイ2bに対して摺動可能に支持されており、第3延長トレイ2dは第2延長トレイ2cに対して摺動可能に支持されている。
【0029】
<画像読取構造、制御>
ここで、本実施形態の画像読取装置Aでは、第2搬送部20と第3搬送部30との間に配置される画像読取ユニット70によって画像の読み取りを行うため、第2搬送部20及び第3搬送部30は搬送媒体Sを定速搬送する。搬送速度は第1搬送部10の搬送速度以上とすることで、先行搬送媒体Sに後続搬送媒体Sが追いついてしまう事態を回避できる。例えば、本実施形態では、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度を、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度よりも速くなるように速度制御するようにした。
【0030】
なお、第2搬送部20及び第3搬送部30による搬送媒体Sの搬送速度と、第1搬送部10による搬送媒体Sの搬送速度とを同一条件とした場合でも、駆動部3を制御して後続搬送媒体Sの給送開始タイミングを間欠的にずらすことにより先行搬送媒体Sと後続搬送媒体Sとの間に最低限の間隔を形成することも可能である。
【0031】
<重送検出>
第1搬送部10と第2搬送部20との間に配置される重送検出センサ40は、静電気等で紙などの搬送媒体S同士が密着し、第1搬送部10を通過してきた場合(つまり重なって搬送される重送状態の場合)に、これを検出するための検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)の一例である。
【0032】
重送検出センサ40としては、種々のものが利用可能であるが本実施形態の場合には超音波センサであり、超音波の発信部41とその受信部42とを備え、紙等の搬送媒体Sが重送されている場合と1つずつ搬送されている場合とで、搬送媒体Sを通過する超音波の減衰量が異なることを原理として重送を検出する。
【0033】
<レジストセンサ>
このような重送検出センサ40よりも搬送方向下流側に配置される媒体検出センサ50は第2搬送部20よりも上流側で、第1搬送部10よりも下流側に配置された搬送路RT上流側の検出センサ(シートの挙動や状態を検出するセンサ)としての一例であり、第1搬送部10により搬送される搬送媒体Sの位置、詳細には、媒体検出センサ50の検出位置に搬送媒体Sの端部が到達又は通過したか否かを検出する。
【0034】
媒体検出センサ50としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合には光学センサであり、発光部51とその受光部52とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。
【0035】
本実施形態の場合、搬送媒体Sの先端が媒体検出センサ50で検出された時点で、搬送媒体Sが重送検出センサ40により重送を検出可能な位置に到達しているように、上記の媒体検出センサ50は重送検出センサ40の近傍においてその下流側に設けられている。
【0036】
なお、この媒体検出センサ50は、上記の光学センサに限定されず、例えば、搬送媒体Sの端部が検知できるセンサ(イメージセンサ等)を用いてもよいし、経路RTに突出したレバー型のセンサでもよい。
【0037】
媒体検出センサ50とは別の媒体検出センサ60が画像読取ユニット70よりも上流側に配置されている。第2搬送部20よりも下流側に配置された下流側の検出センサとしての一例であり、第2搬送部20により搬送される搬送媒体Sの位置を検出する。
【0038】
媒体検出センサ60としては、種々のものが利用可能であるが、本実施形態の場合、媒体検出センサ50と同様に光センサであり、発光部61と受光部62とを備え、搬送媒体Sの到達又は通過により受光強度(受光量)が変化することを原理として搬送媒体Sを検出する。なお、本実施形態では、第2搬送部20の搬送方向上流側と下流側のそれぞれに媒体検出センサ50、60を配置したが、何れか一方だけでもよい。
【0039】
<CISの配置>
媒体検出センサ60よりも下流側にある画像読取ユニット70は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読み取るコンタクトイメージセンサであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。
【0040】
例えば、本実施形態の場合、画像読取ユニット70は経路RTの両側に一つずつ配置されており、搬送媒体Sの表裏面を読み取る。経路RTの片側にのみ一つ配置して、搬送媒体Sの片面のみを読み取る構成としてもよい。また、本実施形態では、画像読取ユニット70を経路RTの両側に対向配置した構造としているが、例えば、経路RTの方向に間隔をあけて配置してもよい。
【0041】
<ブロック図の説明(スキャナの制御部)>
図3を参照して制御部(制御手段)80について説明する。
図3は画像読取装置Aの制御部80のブロック図である。
【0042】
制御部80はCPU(Central Processing Unit)81、記憶部82、操作部83、通信部84及びインターフェース部85を備える。CPU81は記憶部82に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置A全体の制御を行う。記憶部82は例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。操作部83は、例えば、スイッチやタッチパネル等で構成され、操作者からの操作を受け付ける。
【0043】
通信部84は、外部装置との情報通信を行うインターフェースである。外部装置としてPC(PC)を想定した場合、通信部84としては、例えば、USBインターフェースやSCSIインターフェース、ネットワークインターフェースを挙げることができる。
【0044】
また、このような有線通信のインターフェースの他、通信部84は無線通信のインターフェースとしてもよく、有線通信、無線通信の双方のインターフェースを備えていてもよい。本実施形態では、通信部84として、画像読取装置AとネットワークアダプタNW/ADとを接続するUSBインターフェースを備えている。
【0045】
インターフェース部85はアクチュエータ86やセンサ87とのデータの入出力を行うI/Oインターフェースである。アクチュエータ86には、駆動部3、駆動部4、伝達部5等が含まれる。センサ87には、重送検出センサ40、媒体検出センサ50及び60、画像読取ユニット70等が含まれる。
【0046】
<PCからの開始指示受信による駆動>
画像読取装置Aの基本的な動作について説明する。制御部80は、例えば画像読取装置Aに接続されたPC500(外部PC)、あるいは自装置の操作部83等から画像読み取りの開始を行うと、第1乃至第3搬送部10乃至30の駆動を開始し、画像の読み取り処理を行う。
【0047】
すなわち、このような制御部80は、第1乃至第3搬送部10乃至30の駆動、画像読取ユニット70の駆動を開始又は停止する制御手段として機能する。これにより、載置台1に積載された搬送媒体Sはその最も下に位置する搬送媒体Sから1つずつ搬送されると、制御部80は、画像読取ユニット70を制御し、原稿の画像を読み取る、一連の画像読取処理(スキャン処理)を制御する。
【0048】
<重送時の制御>
搬送の途中で搬送媒体Sは重送検出センサ40により重送の有無が判定され、重送が無いと判定されると搬送が継続される。なお、重送があると判定された場合には、搬送を停止するか、第1搬送部10による後続搬送媒体Sの取り込みを停止して、重送状態にある搬送媒体Sをそのまま排出するようにしてもよい。
【0049】
<レジストセンサの出力に応じた読取開始>
制御部80は、媒体検出センサ60の検出結果に基づくタイミングで、第2搬送部20により搬送されてきた搬送媒体Sの、画像読取ユニット70による画像の読み取りを開始し、読み取った画像を一次記憶して順次外部PCへ送信する。画像が読み取られた搬送媒体Sは第3搬送部30により排出トレイ2に排出されてその搬送媒体Sの画像読取処理が終了する。
【0050】
<表示パネルの構成>
図4は本発明の一実施形態に係る画像読取装置Aの正面側に傾斜して設けられた正面パネル90に対して垂直な方向から見た図であり、装置を載置した状態における正面よりもやや上方から見た状態の図である。
【0051】
装置正面上部の正面パネル90には、画像読取装置Aの操作部83として、表示パネル93が設けられ、その内部には操作部83の一例としての操作キー群122が設けられている。操作キー群122には、例えば、本実施形態では、画像読取装置Aの動作を開始するためのスタートキー122a、ストップキー122bが設けられている。
【0052】
また、操作キー群122に隣接するようにしてLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部94が設けられ、画像読取装置Aの本体上部中央には電源ボタン122cが設けられている。
【0053】
<PCの構成>
図5は、PC500の機能構成を示すブロック図である。PC500のハード構成としては、様々な演算処理を行う中央演算処理部となるCPUと、ROMと、RAMと、HDD(Hard Disk Drive)と、操作部と、表示部と、インターフェースとを備えている。
【0054】
HDDには、画像読取装置Aを制御するための各種の制御プログラムがインストールされている。制御プログラムは、汎用アプリケーション525、ジョブアプリケーション523と、スキャナドライバ524等である。ユーザの操作、又は他のプログラムからの呼び出しによって、RAMに読み込まれ、これらプログラムをCPUが実行することにより、所定の機能が実現される。
【0055】
<スキャナ選択画面>
ユーザは、PC500を操作し、汎用アプリケーション525を起動する。汎用アプリケーション525が起動すると
図6に示すドライバ選択ダイアログが表示され、PC500に予めインストールされているスキャナドライバの一覧を表示する。画像読取装置A用ドライバが選択され、OKボタン400が押下されると、ジョブアプリケーション523が起動して
図8に示すメイン画面が表示され、汎用アプリケーション525は終了する。
【0056】
この時、PC500に接続されたスキャナ以外のドライバが選択された場合、選択されたドライバに対応するスキャナがPC500に接続されていない旨のメッセージを表示する。
【0057】
図8(a)はジョブアプリケーション523のメイン画面であり、ユーザによって既にジョブが追加されている状態を示した図である。
【0058】
図8(b)は
図8(a)の状態からさらに「カラー(2)」という名前のジョブを追加した状態を示す図である。
【0059】
図9(a)は、
図8に示す新規作成ボタン1001を押下すると開かれるジョブ編集画面である。各ジョブには、画像の読み取りにおける画像読取設定が含まれており、各画像読取設定の少なくとも一部をこのジョブ編集画面などで編集(変更)することができる。この画面ではカラーモード選択ボタン601(設定値:自動で検知する/スキャン時に決定する/24ビットカラー/グレースケール/白黒にする)、用紙サイズ選択ボタン602(設定値:原稿サイズに合わせる/A4/A5/A6/B5/B6/Legal/Letter)、解像度選択ボタン603(設定値:200dpi/300dpi/400dpi/600dpi)、読み取り面選択ボタン604(設定値:片面/両面)が設けられており、各項目の設定値を設定できるようになっている。それぞれの項目はプルダウンリストで設定値を設定できる。OKボタン606を押下するとジョブ作成画面は閉じられる。キャンセルボタン607を押下するとこの画面で設定した設定値を破棄して
図8の画面に戻る。
【0060】
<ジョブ作成(1)>
ジョブ作成の流れを、
図7のフローチャートを用いて説明する。ユーザが新規作成ボタン1001を押すと(S801)、
図9(a)に示すジョブ作成画面が開かれる。OKボタン606を押下しジョブ作成画面を閉じることでジョブが作成される。
【0061】
今回作成したジョブの名称は「カラー(2)」とする。「カラー(2)」が追加されるとき、ジョブアプリケーションは登録済みのジョブが「カラー(2)」の設定値と類似しているかを判定するための比較を行う(S802)。本実施形態においては、類似するジョブとは、設定項目の相違の数が閾値以下のものとする。閾値はユーザが任意に定めたものとする。例として登録済みジョブの中で類似しているジョブの名称は「カラー(1)」とする。なお、本実施形態における類似するジョブの判定(検索)方法は一例であり、他の方法でもよい。
【0062】
類似するジョブが見つかった場合(S803:Yes)、
図11に示すように「類似するジョブが見つかりました。登録済みのジョブと結合しますか?」という旨のメッセージを表示する(S804)。
【0063】
S804で「結合する」を選ぶと、メイン画面上に「カラー(2)」は追加されず、類似するジョブにおいて、相違があった設定項目が可変な状態に変更されたジョブが配置される。具体的には、本実施形態においては、各ジョブがXMLとして記述されており、この場合、相違があった項目がXML上で「Variable」と書き換えられたジョブが配置される(S805,S806)。このように、可変な状態に変更された設定項目(XML上で「Variable」と表記されるもの)は、GUI上では「スキャン時に決定する」と表記される。
【0064】
例えば、解像度(DPI)とページサイズ(Page_size)の相違がある場合、
図12に示すように前記2項目は「Variable」として上書きされる。
【0065】
メイン画面上には上書きされた状態の「カラー(1)」のみ残る。このとき、ジョブ名を「カラー(結合)」など、結合したことが分かる別のジョブ名に変更しても良い。
【0066】
一方、S804で「結合しない」を選ぶと、「カラー(1)」はそのままに、
図8(b)に示すように「カラー(2)」がメイン画面に追加される(S807)。
【0067】
<登録済みジョブと新規ジョブの比較方法>
ここで登録済みジョブと新規ジョブの比較方法について説明する。
図10は結合を行う前の「カラー(1)」及び「カラー(2)」の設定を記録したXMLファイルである。
図12は結合後の「カラー(1)」を示すXMLファイルである。
【0068】
登録済みジョブはPC500の記憶部に、所定のフォーマットに基づいた形式で保存されている。本実施例ではXML形式で保存されているものとして説明するが、CSV形式やJSON形式などを用いても良い。
【0069】
ジョブ作成画面が閉じられて新規ジョブが登録される時に、登録済みジョブのXMLファイルを全て読み出す。そして、登録済みジョブと登録しようとしている新規ジョブのXMLファイルの中身を比較し、差分が見つかったキーの数をカウントする。差分が見つかったキーの数が閾値以下であった場合、ジョブ結合を促すメッセージを表示する。なお、これは一例であり、上述したとおり設定項目の数自体に置き換えた数をカウントして、それを閾値と比較しても良い。
【0070】
<ジョブ作成(2)>
図9(b)は、
図9(a)のジョブ編集画面のカラーモード選択ボタン601のプルダウンリストを示した図である。
【0071】
ユーザによってはジョブの結合時以外にも設定値を「スキャン時に決定する」としたい場合があると考えられる。ここで「スキャン時に決定する」を設定するとカラーモードの値は「Variable」としたジョブを作成することが出来る。
【0072】
<プルスキャン>
プルスキャンとは、
図1の構成において、PC500をユーザが操作し、PC500からスキャナ装置DRに対しスキャン指示を送信し、スキャンを実行した結果をPC500が取得するモードである。
【0073】
プルスキャンでスキャンを実行し、画像データを出力するまでの流れを
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
図8に示すメイン画面にジョブリストが表示された状態で(S1401)、いずれかのジョブをクリックし(S1402)、スキャン実行をクリックすると、基本的にはそのままスキャンが実行される(S1406)。ただし選択したジョブの設定項目の中に、「スキャン時に決定する」項目があった場合、スキャン実行前にその項目の設定値を選択する画面に遷移する。本実施例では
図12に示す結合済みの「カラー(1)」を例に挙げる。
【0075】
上述した例に従うと、解像度とページサイズが「スキャン時に決定する」に自動的に変更されているため、
図14(a)および(b)の画面を遷移してユーザが解像度とページサイズを指定した後に、
図14(b)のOKボタンを押すと(S1405:Yes)、スキャンが実行され(S1406)、給紙台にある原稿を全てスキャンしたかどうかを判定し(S1407)、給紙台にある原稿を全てスキャンした後(S1407でYes)、所定の出力先に画像データを出力する(S1408)。このとき、解像度とページサイズをユーザが指定して実行可能であることを換言すると、一時的に登録済みのジョブの画像読取設定の設定値を変更してジョブを実行可能であると言える。
【0076】
<他の実施形態(PC500と画像読取装置Aの接続方法)>
本実施例ではPC500と画像読取装置AはUSBケーブル等を用いた有線接続をしている構成となっているが、ネットワークを介した接続方法を取ってもよい。
【0077】
<他の実施形態(ジョブを結合するタイミングについて)>
本実施例ではジョブを新規作成する際に類似するジョブが既に登録されているかチェックし、結合する構成としている。しかし、不図示であるが
図8のジョブアプリケーションメイン画面に「類似するジョブを結合する」というボタンを配置し、ジョブを新規作成するとき以外にもジョブを結合できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
A 画像読取装置
70 画像読取ユニット
80 制御部
81 CPU
83 操作部
523 ジョブアプリケーション