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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085692
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 13/00 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
B60C13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199873
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 耕平
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB03
3D131BC47
3D131GA01
3D131GA04
(57)【要約】
【課題】タイヤ成形時にサイドウォールの外表面に生ずる凹凸を目立ち難くするとともに、サイドウォールにおける美観性を高めることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、タイヤ径方向に延びるサイドウォールを備え、サイドウォールは、その外表面にタイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾領域を備え、装飾領域は、複数種類のV字状模様領域を有しており、それぞれのV字状模様領域は、V字状模様領域ごとに異なるV字状基準線を輪郭に含む多角形領域であって、当該多角形領域内にV字状基準線から互いに間隔を空けて並列された複数のV字状リッジを備え、複数種類のV字状模様領域は、互いに部分的に重なる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ径方向に延びるサイドウォールを備え、
前記サイドウォールは、その外表面にタイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾領域を備え、
前記装飾領域は、複数種類のV字状模様領域を有しており、
それぞれの前記V字状模様領域は、V字状模様領域ごとに異なるV字状基準線を輪郭に含む多角形領域であって、当該多角形領域内に前記V字状基準線から互いに間隔を空けて並列された複数のV字状リッジを備え、
前記複数種類のV字状模様領域は、互いに部分的に重なる、空気入りタイヤ。
【請求項2】
各V字状模様領域の前記V字状基準線は、V字の角度が60~120°である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
複数種類の前記V字状模様領域の前記V字状基準線は、V字の角度がすべて同じである、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記装飾領域は、4種類以上の前記V字状模様領域を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記V字状模様領域は、前記装飾領域の内周縁又は外周縁に接する、請求項1~4の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは、様々な帯状タイヤ構成部材を成形ドラムの外周面に巻回した後にトロイダル状に膨張させてグリーンタイヤを形成し、これを加硫成形することで形成される。加硫成形後のタイヤのサイドウォールの外表面には、帯状タイヤ構成部材の巻き始め端と巻き終わり端との接合部分が、局部的に凹凸となって現れやすく、この凹凸がタイヤの外観品質を低下させる原因となっていた。
【0003】
従来、このような局部的な凹凸を目立ち難くするために、サイドウォールの外表面に装飾領域を設けることが知られている。例えば、下記特許文献1には、それぞれ径方向に延びる複数のリッジからなる第1リッジ群と、第1リッジ群と同一仕様のリッジからなる第2リッジ群と、互いに同心円状に並ぶように配置された複数のリッジからなる第3リッジ群と、第3リッジ群と同一仕様のリッジからなる第4リッジ群とを重ね合わせることで装飾領域が形成された空気入りタイヤが開示されている。
【0004】
特許文献1の装飾領域は、サイドウォールの外表面に生ずる凹凸を目立ち難くすることを主な目的としており、装飾領域の構成によりサイドウォールにおける美観性を高める点でさらに改良する余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-37387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、タイヤ成形時にサイドウォールの外表面に生ずる凹凸を目立ち難くするとともに、サイドウォールにおける美観性を高めることができる空気入りタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の空気入りタイヤは、タイヤ径方向に延びるサイドウォールを備え、
前記サイドウォールは、その外表面にタイヤ周方向に沿って延びる帯状の装飾領域を備え、
前記装飾領域は、複数種類のV字状模様領域を有しており、
それぞれの前記V字状模様領域は、V字状模様領域ごとに異なるV字状基準線を輪郭に含む多角形領域であって、当該多角形領域内に前記V字状基準線から互いに間隔を空けて並列された複数のV字状リッジを備え、
前記複数種類のV字状模様領域は、互いに部分的に重なる。
【0008】
なお、本開示において、V字とは、単に2本の線分の端同士が接続された図形を意味し、2本の線分の長さは互いに同じであっても異なっていてもよく、また、2本の線分のなす角度も特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午面における要部断面図
図2】本実施形態に係る空気入りタイヤの正面図
図3図2のIII領域拡大図
図4図3のIV領域拡大図
図5A図3のIV領域拡大図(第1のV字状模様領域のみ示す)
図5B図3のIV領域拡大図(第2のV字状模様領域のみ示す)
図5C図3のIV領域拡大図(第3のV字状模様領域のみ示す)
図5D図3のIV領域拡大図(第4のV字状模様領域のみ示す)
図5E図3のIV領域拡大図(第5のV字状模様領域のみ示す)
図5F図3のIV領域拡大図(第6のV字状模様領域のみ示す)
図5G図3のIV領域拡大図(第7のV字状模様領域のみ示す)
図5H図3のIV領域拡大図(第8のV字状模様領域のみ示す)
図5I図3のIV領域拡大図(第9のV字状模様領域のみ示す)
図5J図3のIV領域拡大図(第10のV字状模様領域のみ示す)
図5K図3のIV領域拡大図(第11のV字状模様領域のみ示す)
図5L図3のIV領域拡大図(第12のV字状模様領域のみ示す)
図5M図3のIV領域拡大図(直線状模様領域のみ示す)
図6図5AのVI-VI線の要部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、図1図6を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ビードコア1aを有する一対のビード1b,1bと、各ビード1bからタイヤ径方向D2の外側に延びる一対のサイドウォール2,2とを備えている。また、空気入りタイヤ1は、一対のサイドウォール2,2のタイヤ径方向D2の外端に連接されるトレッド1cを備えている。図示を省略しているが、トレッド1cの外周面には、トレッドパターンを構成する周方向溝やラグ溝など様々な溝が設けられている。
【0012】
各図において、タイヤ軸方向D1とは、空気入りタイヤ1の回転中心であるタイヤ回転軸1d(図2を参照)と平行な方向であり、タイヤ径方向D2とは、空気入りタイヤ1の直径方向であり、タイヤ周方向D3とは、タイヤ回転軸1d周りの方向である。また、タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸1dに直交する面であって、空気入りタイヤ1のタイヤ軸方向D1の中心に位置する面のことであり、タイヤ子午面とは、タイヤ回転軸1dを含む面であり、タイヤ赤道面S1と直交する面である。
【0013】
なお、タイヤ軸方向D1において、内側とは、タイヤ赤道面S1に近い側のことであり、外側とは、タイヤ赤道面S1から遠い側のことである。また、タイヤ径方向D2において、内側とは、タイヤ回転軸1dに近い側のことであり、外側とは、タイヤ回転軸1dから遠い側のことである。
【0014】
空気入りタイヤ1は、一対のビードコア1a,1aの間に架け渡されるカーカス1eと、カーカス1eの内側に配置され、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れるインナーライナー1fとを備えている。カーカス1e及びインナーライナー1fは、ビード1b、サイドウォール2及びトレッド1cに亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
【0015】
サイドウォール2は、カーカス1eのタイヤ軸方向D1の外側に配置されるサイドウォールゴム2aを備えている。図2に示すように、サイドウォールゴム2aは、外表面2bの一部の領域に配置される装飾領域3を備えている。装飾領域3は、サイドウォール2の外表面2bであってタイヤ最大幅位置2cを含むタイヤ径方向D2の一定領域に形成されている。
【0016】
本実施形態においては、装飾領域3は、タイヤ周方向D3に沿って延びる円弧状をしている。装飾領域3は、タイヤ周方向D3に延びる内周縁3a及び外周縁3bと、内周縁3a及び外周縁3bの端同士を接続する第1側端縁3c及び第2側端縁3dとを備えている。なお、本実施形態では、第1側端縁3c及び第2側端縁3dが折れ線状となっているが、第1側端縁3c及び第2側端縁3dの形状は、特に限定されず、例えば、直線状でもよい。
【0017】
また、装飾領域3は、図2のようにサイドウォール2のタイヤ周方向D3の一部のみに形成されてもよく、サイドウォール2のタイヤ周方向D3の全周に亘って形成されてもよい。また、装飾領域3は、サイドウォール2のタイヤ周方向D3に沿って複数形成されてもよい。複数の装飾領域3を形成する場合、装飾領域3をタイヤ周方向D3に等間隔で配置するのが好ましい。
【0018】
装飾領域3は、複数の単位模様30がタイヤ周方向D3に所定の角度で等間隔に配置されて構成されている。複数の単位模様30は、タイヤ周方向D3に5~15°の角度で等間隔に配置されるのが好ましい。図3の例では、複数の単位模様30がタイヤ周方向D3に10度の角度で等間隔に配置されている。
【0019】
単位模様30は、複数種類のV字状模様領域31a~31lを有しており、複数種類のV字状模様領域31a~31lは、互いに部分的に重なる。このように異なる種類のV字状模様領域31a~31lを部分的に重ねることで、光の乱反射の程度が変わるため、ゴムの黒色に濃淡が生じる。これにより、図3及び図4に示すようにサイドウォール2の外表面2bには黒色の濃淡がついた装飾領域3が形成されるため、サイドウォール2の外表面2bの凹凸を目立ち難くするとともに、サイドウォール2における美観性を高めることができる。
【0020】
図5A図5Lは、説明の便宜のために、単位模様30のうち第1~第12のV字状模様領域31a~31lをそれぞれ単独で示したものである。
【0021】
図5Aに示すように、第1のV字状模様領域31aは、第1のV字状基準線32aを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第1のV字状模様領域31aは、第1のV字状基準線32aと、外周縁3bの一部と、第1辺35aと、第2辺36aとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Aで示す第1のV字状基準線32a、第1辺35a、及び第2辺36aは、第1のV字状模様領域31aを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0022】
なお、本実施形態において、実際には外周縁3bの一部は僅かに湾曲しているが、外周縁3bの一部も多角形を構成する一辺に含まれるものとする。同様に、内周縁3aの一部についても多角形を構成する一辺に含まれるものとする。
【0023】
第1のV字状基準線32aは、2本の線分33a,34aを接続したものである。線分33aの端331aからは、第1辺35aが延びている。また、線分34aの端341aは、外周縁3b上に位置する。
【0024】
第1のV字状模様領域31aは、多角形領域内に第1のV字状基準線32aから互いに間隔を空けて並列された複数の第1のV字状リッジ40aを備えている。なお、第1のV字状基準線32aに重なる第1のV字状リッジ40aが存在していてもよい。第1のV字状リッジ40aは、2本の突条41a,42aを接続したものである。突条41aは、線分33aと平行であり、突条42aは、線分34aと平行である。
【0025】
突条41aの端411aは、第1辺35a上に並べられる。また、突条42aの端421aは、外周縁3b上に並べられる。第2辺36aは、第1辺35a上に突条41aの端411aが並ぶように第1のV字状基準線32aから順に第1のV字状リッジ40aを配置したとき、第1のV字状基準線32aから最も離れた第1のV字状リッジ40aの突条42aと重なる線分である。なお、第1辺35aの角度や長さは適宜設定される。
【0026】
図5Bに示すように、第2のV字状模様領域31bは、第2のV字状基準線32bを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第2のV字状模様領域31bは、第2のV字状基準線32bと、外周縁3bの一部と、第1辺35bとで囲まれた領域である。なお、図5Bで示す第2のV字状基準線32b、及び第1辺35bは、第2のV字状模様領域31bを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0027】
第2のV字状基準線32bは、2本の線分33b,34bを接続したものである。線分33bの端331bからは、第1辺35bが延びている。また、線分34bの端341bは、外周縁3b上に位置する。
【0028】
第2のV字状模様領域31bは、多角形領域内に第2のV字状基準線32bから互いに間隔を空けて並列された複数の第2のV字状リッジ40bを備えている。なお、第2のV字状基準線32bに重なる第2のV字状リッジ40bが存在していてもよい。第2のV字状リッジ40bは、2本の突条41b,42bを接続したものである。突条41bは、線分33bと平行であり、突条42bは、線分34bと平行である。
【0029】
突条41bの端411bは、第1辺35b及び外周縁3b上に並べられる。また、突条42bの端421bは、外周縁3b上に並べられる。なお、第1辺35bの角度や長さは適宜設定される。
【0030】
図5Cに示すように、第3のV字状模様領域31cは、第3のV字状基準線32cを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第3のV字状模様領域31cは、第3のV字状基準線32cと、内周縁3aの一部と、外周縁3bの一部と、第1辺35cと、第2辺36cと、第3辺37cとで囲まれた領域である。なお、図5Cで示す第3のV字状基準線32c、第1辺35c、第2辺36c、及び第3辺37cは、第3のV字状模様領域31cを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0031】
第3のV字状基準線32cは、2本の線分33c,34cを接続したものである。線分33cの端331cは、内周縁3a上に位置する。また、線分34cの端341cは、外周縁3b上に位置する。
【0032】
第3のV字状模様領域31cは、多角形領域内に第3のV字状基準線32cから互いに間隔を空けて並列された複数の第3のV字状リッジ40cを備えている。なお、第3のV字状基準線32cに重なる第3のV字状リッジ40cが存在していてもよい。第3のV字状リッジ40cは、2本の突条41c,42cを接続したものである。突条41cは、線分33cと平行であり、突条42cは、線分34cと平行である。
【0033】
突条41cの端411cは、第3辺37c及び内周縁3a上に並べられる。また、突条42cの端421cは、第1辺35c及び外周縁3b上に並べられる。第2辺36cは、第1辺35c上に突条42cの端421cが並ぶように第3のV字状基準線32cから順に第3のV字状リッジ40cを配置したとき、第3のV字状基準線32cから最も離れた第3のV字状リッジ40cの突条41cと重なる線分である。なお、第1辺35c及び第3辺37cの角度や長さは適宜設定される。
【0034】
図5Dに示すように、第4のV字状模様領域31dは、第4のV字状基準線32dを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第4のV字状模様領域31dは、第4のV字状基準線32dと、第1辺35dと、第2辺36dと、第3辺37dとで囲まれた領域である。なお、図5Dで示す第4のV字状基準線32d、第1辺35d、第2辺36d、及び第3辺37dは、第4のV字状模様領域31dを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0035】
第4のV字状基準線32dは、2本の線分33d,34dを接続したものである。線分33dの端331dからは、第3辺37dが延びている。また、線分34dの端341dからは、第1辺35dが延びている。
【0036】
第4のV字状模様領域31dは、多角形領域内に第4のV字状基準線32dから互いに間隔を空けて並列された複数の第4のV字状リッジ40dを備えている。なお、第4のV字状基準線32dに重なる第4のV字状リッジ40dが存在していてもよい。第4のV字状リッジ40dは、2本の突条41d,42dを接続したものである。突条41dは、線分33dと平行であり、突条42dは、線分34dと平行である。
【0037】
突条41dの端411dは、第2辺36d及び第3辺37d上に並べられる。また、突条42dの端421dは、第1辺35d及び第2辺36d上に並べられる。なお、第1辺35d、第2辺36d、及び第3辺37dの角度や長さは適宜設定される。
【0038】
図5Eに示すように、第5のV字状模様領域31eは、第5のV字状基準線32eを輪郭に含む多角形領域である。前述のように、装飾領域3は、複数の単位模様30がタイヤ周方向D3に所定の角度で等間隔に配置されて構成されており、図5Eにおいて、左側の第5のV字状模様領域31eの左端と、右側の第5のV字状模様領域31eの右端とは繋がって一つの第5のV字状模様領域31eを構成する。具体的には、第5のV字状模様領域31eは、第5のV字状基準線32eと、内周縁3aの一部と、第1辺35eと、第2辺36eと、第3辺37eと、第4辺38eで囲まれた領域である。なお、図5Eで示す第5のV字状基準線32e、第1辺35e、第2辺36e、第3辺37e、及び第4辺38eは、第5のV字状模様領域31eを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0039】
第5のV字状基準線32eは、2本の線分33e,34eを接続したものである。線分33eの端331eは、内周縁3a上に位置する。また、線分34eの端341eからは、第1辺35eが延びている。
【0040】
第5のV字状模様領域31eは、多角形領域内に第5のV字状基準線32eから互いに間隔を空けて並列された複数の第5のV字状リッジ40eを備えている。なお、第5のV字状基準線32eに重なる第5のV字状リッジ40eが存在していてもよい。第5のV字状リッジ40eは、2本の突条41e,42eを接続したものである。突条41eは、線分33eと平行であり、突条42eは、線分34eと平行である。
【0041】
突条41eの端411eは、第4辺38e及び内周縁3a上に並べられる。また、突条42eの端421eは、第1辺35e上に並べられる。第2辺36e及び第3辺37eは、第1辺35e上に突条42eの端421eが並ぶように第5のV字状基準線32eから順に第5のV字状リッジ40eを配置したとき、第5のV字状基準線32eから最も離れた第5のV字状リッジ40eの突条42e及び突条41eと重なる線分である。なお、第1辺35e、及び第4辺38eの角度や長さは適宜設定される。
【0042】
図5Fに示すように、第6のV字状模様領域31fは、第6のV字状基準線32fを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第6のV字状模様領域31fは、第6のV字状基準線32fと、外周縁3bの一部と、第1辺35fとで囲まれた領域である。なお、図5Fで示す第6のV字状基準線32f、及び第1辺35fは、第6のV字状模様領域31fを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0043】
第6のV字状基準線32fは、2本の線分33f,34fを接続したものである。線分33fの端331fは、外周縁3b上に位置する。また、線分34fの端341fからは、第1辺35fが延びている。
【0044】
第6のV字状模様領域31fは、多角形領域内に第6のV字状基準線32fから互いに間隔を空けて並列された複数の第6のV字状リッジ40fを備えている。なお、第6のV字状基準線32fに重なる第6のV字状リッジ40fが存在していてもよい。第6のV字状リッジ40fは、2本の突条41f,42fを接続したものである。突条41fは、線分33fと平行であり、突条42fは、線分34fと平行である。
【0045】
突条41fの端411fは、外周縁3b上に並べられる。また、突条42fの端421fは、第1辺35f上に並べられる。なお、第1辺35fの角度や長さは適宜設定される。
【0046】
図5Gに示すように、第7のV字状模様領域31gは、第7のV字状基準線32gを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第7のV字状模様領域31gは、第7のV字状基準線32gと、第1辺35gと、第2辺36gと、第3辺37gとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Gで示す第7のV字状基準線32g、第1辺35g、第2辺36g、及び第3辺37gは、第7のV字状模様領域31gを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0047】
第7のV字状基準線32gは、2本の線分33g,34gを接続したものである。線分33gの端331gからは、第1辺35gが延びている。また、線分34gの端341gからは、第3辺37gが延びている。
【0048】
第7のV字状模様領域31gは、多角形領域内に第7のV字状基準線32gから互いに間隔を空けて並列された複数の第7のV字状リッジ40gを備えている。なお、第7のV字状基準線32gに重なる第7のV字状リッジ40gが存在していてもよい。第7のV字状リッジ40gは、2本の突条41g,42gを接続したものである。突条41gは、線分33gと平行であり、突条42gは、線分34gと平行である。
【0049】
突条41gの端411gは、第1辺35g上に並べられる。また、突条42gの端421gは、第3辺37g上に並べられる。第2辺36gは、第1辺35g上に突条41gの端411gが並ぶように第7のV字状基準線32gから順に第7のV字状リッジ40gを配置したとき、第7のV字状基準線32gから最も離れた第7のV字状リッジ40gの突条42gと重なる線分である。なお、第1辺35g及び第3辺37gの角度や長さは適宜設定される。
【0050】
図5Hに示すように、第8のV字状模様領域31hは、第8のV字状基準線32hを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第8のV字状模様領域31hは、第8のV字状基準線32hと、内周縁3aの一部と、外周縁3bの一部と、第1辺35hと、第2辺36hとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Hで示す第8のV字状基準線32h、第1辺35h、及び第2辺36hは、第8のV字状模様領域31hを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0051】
第8のV字状基準線32hは、2本の線分33h,34hを接続したものである。線分33hの端331hは、内周縁3a上に位置する。また、線分34hの端341hは、外周縁3b上に位置する。
【0052】
第8のV字状模様領域31hは、多角形領域内に第8のV字状基準線32hから互いに間隔を空けて並列された複数の第8のV字状リッジ40hを備えている。なお、第8のV字状基準線32hに重なる第8のV字状リッジ40hが存在していてもよい。第8のV字状リッジ40hは、2本の突条41h,42hを接続したものである。突条41hは、線分33hと平行であり、突条42hは、線分34hと平行である。
【0053】
突条41hの端411hは、内周縁3a及び第1辺35h上に並べられる。また、突条42hの端421hは、外周縁3b及び第2辺36h上に並べられる。なお、第1辺35h及び第2辺36hの角度や長さは適宜設定される。
【0054】
図5Iに示すように、第9のV字状模様領域31iは、第9のV字状基準線32iを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第9のV字状模様領域31iは、第9のV字状基準線32iと、第1辺35iと、第2辺36iと、第3辺37iとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Iで示す第9のV字状基準線32i、第1辺35i、第2辺36i、及び第3辺37iは、第9のV字状模様領域31iを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0055】
第9のV字状基準線32iは、2本の線分33i,34iを接続したものである。線分33iの端331iからは、第1辺35iが延びている。また、線分34iの端341iからは、第3辺37iが延びている。
【0056】
第9のV字状模様領域31iは、多角形領域内に第9のV字状基準線32iから互いに間隔を空けて並列された複数の第9のV字状リッジ40iを備えている。なお、第9のV字状基準線32iに重なる第9のV字状リッジ40iが存在していてもよい。第9のV字状リッジ40iは、2本の突条41i,42iを接続したものである。突条41iは、線分33iと平行であり、突条42iは、線分34iと平行である。
【0057】
突条41iの端411iは、第1辺35i上に並べられる。また、突条42iの端421iは、第3辺37i上に並べられる。第2辺36iは、第1辺35i上に突条41iの端411iが並ぶように第9のV字状基準線32iから順に第9のV字状リッジ40iを配置したとき、第9のV字状基準線32iから最も離れた第9のV字状リッジ40iの突条42iと重なる線分である。なお、第1辺35i及び第3辺37iの角度や長さは適宜設定される。
【0058】
なお、第9のV字状模様領域31iの外側には、線分33i,34iと平行に複数の突条43i,44iを並べても構わない。
【0059】
図5Jに示すように、第10のV字状模様領域31jは、第10のV字状基準線32jを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第10のV字状模様領域31jは、第10のV字状基準線32jと、第1辺35jと、第2辺36jと、第3辺37jと、第4辺38jとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Jで示す第10のV字状基準線32j、第1辺35j、第2辺36j、第3辺37j、及び第4辺38jは、第10のV字状模様領域31jを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0060】
第10のV字状基準線32jは、2本の線分33j,34jを接続したものである。線分33jの端331jからは、第1辺35jが延びている。また、線分34jの端341jからは、第4辺38iが延びている。
【0061】
第10のV字状模様領域31jは、多角形領域内に第10のV字状基準線32jから互いに間隔を空けて並列された複数の第10のV字状リッジ40jを備えている。なお、第10のV字状基準線32jに重なる第10のV字状リッジ40jが存在していてもよい。第10のV字状リッジ40jは、2本の突条41j,42jを接続したものである。突条41jは、線分33jと平行であり、突条42jは、線分34jと平行である。
【0062】
突条41jの端411jは、第1辺35j上に並べられる。また、突条42jの端421jは、第4辺38j上に並べられる。なお、第2辺36jと第4辺38jの間には突条42jのみが設けられている。そして、第3辺37jは、突条42jと平行な線分である。なお、第1辺35j、第2辺36j、及び第4辺38jの角度や長さは適宜設定される。
【0063】
なお、第10のV字状模様領域31jの外側には、線分33j,34jと平行に複数の突条43j,44jを並べても構わない。
【0064】
図5Kに示すように、第11のV字状模様領域31kは、第11のV字状基準線32kを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第11のV字状模様領域31kは、第11のV字状基準線32kと、外周縁3bの一部と、第1辺35kと、第2辺36kとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Kで示す第11のV字状基準線32k、第1辺35k、及び第2辺36kは、第11のV字状模様領域31kを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0065】
第11のV字状基準線32kは、2本の線分33k,34kを接続したものである。線分33kの端331kからは、第1辺35kが延びている。また、線分34kの端341kからは、第2辺36kが延びている。
【0066】
第11のV字状模様領域31kは、多角形領域内に第11のV字状基準線32kから互いに間隔を空けて並列された複数の第11のV字状リッジ40kを備えている。なお、第11のV字状基準線32kに重なる第11のV字状リッジ40kが存在していてもよい。第11のV字状リッジ40kは、2本の突条41k,42kを接続したものである。突条41kは、線分33kと平行であり、突条42kは、線分34kと平行である。
【0067】
突条41kの端411kは、外周縁3b及び第1辺35k上に並べられる。また、突条42kの端421kは、外周縁3b及び第2辺36k上に並べられる。なお、第1辺35k及び第2辺36kの角度や長さは適宜設定される。
【0068】
なお、第11のV字状模様領域31kの外側には、線分33k,34kと平行に複数の突条43k,44kを並べても構わない。
【0069】
図5Lに示すように、第12のV字状模様領域31lは、第12のV字状基準線32lを輪郭に含む多角形領域である。具体的には、第12のV字状模様領域31lは、第12のV字状基準線32lと、外周縁3bの一部と、第1辺35lと、第2辺36lとで囲まれた多角形領域である。なお、図5Lで示す第12のV字状基準線32l、第1辺35l、及び第2辺36lは、第12のV字状模様領域31lを画定するための仮想線であり、実際のタイヤにおいては現れない。
【0070】
第12のV字状基準線32lは、2本の線分33l,34lを接続したものである。線分33lの端331lからは、第1辺35lが延びている。また、線分34lの端341lは、外周縁3b上に位置する。
【0071】
第12のV字状模様領域31lは、多角形領域内に第12のV字状基準線32lから互いに間隔を空けて並列された複数の第12のV字状リッジ40lを備えている。なお、第12のV字状基準線32lに重なる第12のV字状リッジ40lが存在していてもよい。第12のV字状リッジ40lは、2本の突条41l,42lを接続したものである。突条41lは、線分33lと平行であり、突条42lは、線分34lと平行である。
【0072】
突条41lの端411lは、第1辺35l上に並べられる。また、突条42lの端421lは、外周縁3b上に並べられる。第2辺36lは、第1辺35l上に突条41lの端411lが並ぶように第12のV字状基準線32lから順に第12のV字状リッジ40lを配置したとき、第12のV字状基準線32lから最も離れた第12のV字状リッジ40lの突条42lと重なる線分である。なお、第1辺35lの角度や長さは適宜設定される。
【0073】
なお、第12のV字状模様領域31lの外側には、線分33l,34lと平行に複数の突条43l,44lを並べても構わない。
【0074】
装飾領域3は、V字状模様領域31a~31lの他、図5Mに示すような直線状模様領域50を有していてもよい。直線状模様領域50は、互いに間隔を空けて並列された複数の突条51を備えている。
【0075】
装飾領域3は、4種類以上のV字状模様領域31a~31lを有するのが好ましい。4種類以上のV字状模様領域31a~31lを設けることで、効果的に黒色の濃淡をつけることができる。
【0076】
装飾領域3は、少なくとも12類のV字状模様領域31a~31lが部分的に重なる領域を有するのが好ましい。少なくとも12種類のV字状模様領域31a~31lが重なる領域を設けることで、はっきりとした黒色の濃淡をつけることができる。
【0077】
第1~第12のV字状基準線32a~32lのV字の角度θ(例えば、図5Aに示す第1のV字状基準線32aであれば線分33aと線分34aのなす角度θ)は、60~120°であるのが好ましい。V字の角度θを60~120°とすることで、V字状模様領域31a~31lのV字状リッジ40a~40lが互いに重なりやすく、黒色の濃淡をつけやすい。より好ましくは、第1~第12のV字状基準線32a~32lのV字の角度θは90°である。
【0078】
また、第1~第12のV字状基準線32a~32lは、V字の角度θがすべて同じであるのが好ましい。V字の角度θをすべて同じとすることで、V字状模様領域31a~31lのV字状リッジ40a~40lが互いに重なりやすく、黒色の濃淡をつけやすい。
【0079】
図6は、図5Aに示す第1のV字状模様領域31aのVI-VI線断面図である。図6において、破線は、外表面2bの基準面S2(基準プロファイルとも称される)を示している。本実施形態において、外表面2bの基準面S2は、装飾領域3が形成されていない部分のサイドウォール2の外表面2bとタイヤ軸方向D1に同じ位置である。
【0080】
装飾領域3は、外表面2bの基準面S2から凹む凹み4を備えている。凹み4は、装飾領域3の全体に形成されている。凹み4の基準面S2からの深さは、例えば、0.3~1.5mmである。
【0081】
第1のV字状リッジ40aの突条41aは、凹み4の底から突出して形成されている。突条41aの突出端410aの位置は、外表面2bの基準面S2に対して同じ位置であっても、異なる位置であってもよい。図6は、突条41aの突出端410aの位置が、外表面2bの基準面S2から凹む位置である例を示す。
【0082】
突条41aは、断面略三角形状である。ただし、突条41aは、三角形の頂点が丸められた断面形状であってもよい。凹み4の底からの突条41aの突出高さH1は、例えば0.2mm以上である。また、突条41aの幅W1は、例えば0.1mm以上である。また、並列される突条41aの間隔P1は、例えば0.6~1.0mmである。
【0083】
第1のV字状リッジ40aの突条42aは、突条41aと同じ断面形状を有する。また、第2~第12のV字状リッジ40b~40lを構成する各突条も、突条41aと同じ断面形状を有する。さらに、図5Mに示した直線状模様領域50を構成する突条51も、突条41aと同じ断面形状を有する。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向D2に延びるサイドウォール2を備え、サイドウォール2は、その外表面2bにタイヤ周方向D3に沿って延びる帯状の装飾領域3を備え、装飾領域3は、複数種類のV字状模様領域31a~31lを有しており、それぞれのV字状模様領域31a~31lは、V字状模様領域31a~31lごとに異なるV字状基準線32a~32lを輪郭に含む多角形領域であって、当該多角形領域内にV字状基準線32a~32lから互いに間隔を空けて並列された複数のV字状リッジ40a~40lを備え、複数種類のV字状模様領域31a~31lは、互いに部分的に重なるものである。
【0085】
この空気入りタイヤ1によれば、複数種類のV字状模様領域31a~31lを部分的に重ねることで、光の乱反射の程度が変わるため、サイドウォール2の外表面2bには黒色の濃淡がついた装飾領域3が形成される。その結果、サイドウォール2の外表面2bの凹凸を目立ち難くするとともに、サイドウォール2における美観性を高めることができる。
【0086】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、各V字状模様領域31a~31lのV字状基準線32a~32lは、V字の角度が60~120°である、という構成である。
【0087】
この構成によれば、V字状リッジ40a~40lが互いに重なりやすく、黒色の濃淡をつけやすい。
【0088】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、複数種類のV字状模様領域31a~31lのV字状基準線32a~32lは、V字の角度がすべて同じである、という構成である。
【0089】
この構成によれば、V字状リッジ40a~40lが互いに重なりやすく、黒色の濃淡をつけやすい。
【0090】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、装飾領域3は、4種類以上のV字状模様領域31a~31lを有する、という構成である。
【0091】
この構成によれば、効果的に黒色の濃淡をつけることができる。
【0092】
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、V字状模様領域31a,31b,31c,31e,31f,31h,31i,31k,31lは、装飾領域3の内周縁3a又は外周縁3bに接する、という構成である。
【0093】
この構成によれば、サイドウォール2の外表面2bの凹凸を効果的に目立ち難くすることができる。
【0094】
なお、上述した各寸法値、位置関係及び大小関係等は、空気入りタイヤ1を正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態で測定したものである。例えば、タイヤ最大幅位置2cは、空気入りタイヤ1を正規リムに装着し、正規内圧を充填した無負荷状態のときの、サイドウォール2の外表面2bから突出する模様や文字等の構造物を除いたタイヤ軸方向D1における寸法が最大となる位置のタイヤ径方向D2における位置である。正規リムは、空気入りタイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格が空気入りタイヤ1ごとに定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
【0095】
また、正規内圧とは、空気入りタイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格が空気入りタイヤ1ごとに定めている空気圧であり、トラックバス用タイヤ、ライトトラック用タイヤの場合は、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATIONPRESSURE」である。乗用車用タイヤの場合は通常180kPaとするが、タイヤに、Extra Load、又は、Reinforcedと記載されたタイヤの場合は220kPaとする。
【0096】
なお、空気入りタイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0097】
(1)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、各V字状模様領域31a~31lのV字状基準線32a~32lは、V字の角度が60~120°である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。V字の角度が60~120°以外であっても、V字状リッジ40a~40lを互いに重ねて黒色の濃淡をつけることは可能である。
【0098】
(2)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、複数種類のV字状模様領域31a~31lのV字状基準線32a~32lは、V字の角度がすべて同じである、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。例えば、V字状基準線32a~32lごとにV字の角度が異なっていても、V字状リッジ40a~40lを互いに重ねて黒色の濃淡をつけることは可能である。
【0099】
(3)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、装飾領域3は、4種類以上のV字状模様領域31a~31lを有する、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。装飾領域3が3種類以下のV字状模様領域31a~31lで構成される場合であっても、V字状リッジ40a~40lを互いに重ねて黒色の濃淡をつけることは可能である。
【0100】
(4)また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、V字状模様領域31a,31b,31c,31e,31f,31h,31i,31k,31lは、装飾領域3の内周縁3a又は外周縁3bに接する、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、かかる構成に限られない。V字状模様領域31d,31g,31jのように装飾領域3の内周縁3a及び外周縁3bから離れていてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…空気入りタイヤ、2…サイドウォール、2a…サイドウォールゴム、2b…外表面、2c…タイヤ最大幅位置、3…装飾領域、3a…内周縁、3b…外周縁、3c…第1側端縁、3d…第2側端縁、4…凹み、30…単位模様、31a~31l…第1~第12のV字状模様領域、32a~32l…第1~第12のV字状基準線、40a~40l…第1~第12のV字状リッジ、θ…V字の角度、D1…タイヤ軸方向、D2…タイヤ径方向、D3…タイヤ周方向、S2…外表面の基準面
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図5M
図6