(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085732
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】ガスバリアフィルムおよび積層体
(51)【国際特許分類】
B32B 9/00 20060101AFI20230614BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20230614BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
B32B9/00 A
B32B27/32
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199930
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大沢 健太
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AB02
3E086AC07
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4F100YY00C
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(57)【要約】
【課題】基材とガスバリア層との密着性が高く、環境負荷も抑制されたガスバリアフィルムを提供する。
【解決手段】ガスバリアフィルム1は、ポリエチレンを主な樹脂成分とする基材10と、基材10の第一面10aに形成されたガスバリア層20とを備える。第一面の赤外吸収スペクトルにおける730cm
-1/720cm
-1のピーク強度比は0.770以下であり、ガスバリアフィルム全体に占めるポリエチレンの割合は90質量%以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンを主な樹脂成分とする基材と、
前記基材の第一面側に形成されたガスバリア層と、
を備え、
前記第一面の赤外吸収スペクトルにおける730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.770以下であり、
全体に占める前記ポリエチレンの割合が90質量%以上である、
ガスバリアフィルム。
【請求項2】
前記基材が、コア層と、前記コア層上に形成され、前記第一面を構成するスキン層とを有し、
前記コア層の赤外吸収スペクトルの730cm-1/720cm-1のピーク強度比の値が前記スキン層よりも高い、
請求項1に記載のガスバリアフィルム。
【請求項3】
前記ガスバリア層は、酸化珪素、炭素を含む酸化珪素、窒化珪素、金属アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムのいずれかを主成分とする、
請求項1または2に記載のガスバリアフィルム。
【請求項4】
前記ガスバリア層上に設けられた第二ガスバリア層をさらに備え、
前記第二ガスバリア層は、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物、水溶性高分子、ポリカルボン酸系重合体、多価金属化合物、ポリカルボン酸系重合体と多価金属化合物との反応生成物であるカルボン酸の多価金属塩のいずれかを含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載のガスバリアフィルム。
【請求項5】
前記基材において、前記第一面と反対側の第二面のぬれ張力が21mN/m以上である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のガスバリアフィルムと、
ポリエチレンを主な樹脂成分とし、前記基材の前記第一面側に設けられたヒートシール層と、
を備え、
全体に占める前記ポリエチレンの割合が90質量%以上である、
積層体。
【請求項7】
前記ガスバリアフィルムと前記ヒートシール層とが接着層により接合されている、
請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
前記接着層がガスバリア性接着剤からなる、
請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
ポリエチレンを主な樹脂成分とし、前記基材において、前記第一面と反対側の第二面側に設けられた第二基材をさらに備える、
請求項6から8のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項10】
JIS K 6854-2、またはJIS K 6854-3に準拠して測定した前記基材と前記ヒートシール層との剥離強度が1N/15mm以上である、
請求項6から9のいずれか一項に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリアフィルム、より詳しくは、食品、医薬品、精密電子部品等の包装に適したガスバリアフィルムに関する。このガスバリアフィルムを用いた積層体についても言及する。
【背景技術】
【0002】
食品、非食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料において、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持する観点から、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性が求められている。ガスバリア性を有する包装材料として、温度、湿度などの影響が少ないアルミ等の金属箔をガスバリア層として用いたガスバリアフィルムが知られている。
【0003】
ガスバリアフィルムの他の構成として、高分子材料で形成された基材フィルム上に、真空蒸着やスパッタ等により酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成したフィルムが知られている。これらのガスバリアフィルムは、酸素、水蒸気等のガス遮断性とともに、透明性を有する。
【0004】
近年、環境への負荷を抑制する観点から、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)製の基材フィルムを使用したガスバリアフィルムの要請が高まっている。特許文献1にもリサイクル性に優れた積層体が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者が検討したところ、特許文献1に記載の積層体は、基材とガスバリア層との密着性に改善の余地があることが分かった。密着性が不十分であると、積層体にデラミネーションを生じたり、積層体で形成した包装材料が破れたりしたりする可能性がある。
発明者は、良好なリサイクル性を保持しつつ、この問題を解決した。
【0007】
上記事情を踏まえ、本発明は、基材とガスバリア層との密着性が高く、環境負荷も抑制されたガスバリアフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、ポリエチレンを主な樹脂成分とする基材と、基材の第一面側に形成されたガスバリア層とを備えるガスバリアフィルムである。
第一面の赤外吸収スペクトルにおける730cm-1/720cm-1のピーク強度比は0.770以下であり、ガスバリアフィルム全体に占めるポリエチレンの割合は90質量%以上である。
【0009】
本発明の第二の態様は、第一の態様に係るガスバリアフィルムと、ポリエチレンを主な樹脂成分とし、基材の第一面側に設けられたヒートシール層とを備える積層体である。
積層体全体に占めるポリエチレンの割合は90質量%以上である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るガスバリアフィルムは、基材とガスバリア層との密着性が高く、環境負荷も抑制されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るガスバリアフィルムの模式断面図である。
【
図2】本発明の第二実施形態に係る積層体の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の第一実施形態について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスバリアフィルム1の模式断面図である。ガスバリアフィルム1は、基材10と、基材10の第一面10aに形成されたガスバリア層20とを備えている。
【0013】
基材10は、ポリエチレンを主成分とする樹脂フィルムである。無延伸フィルム、延伸フィルムのいずれも、基材として使用できる。延伸フィルムを用いる場合、延伸倍率に特に制限はない。
【0014】
基材10の厚さに特に制限はない。ガスバリア層20形成する場合の加工性を考慮すると、基材10の厚さは、実用的には3~200μmの範囲が好ましく、特に6~80μmが好ましい。
【0015】
基材10は、単層フィルムであってもよいし、異なる性質のフィルムを積層した多層フィルムであってもよい。
基材10を多層とする場合、基材の表面を構成するスキン層の厚みは、第一面10a側、および第一面と反対側の第二面10b側のいずれにおいても、数十nm~数μm程度とできる。スキン層と接するコア層の厚さは、用途等を考慮して適宜設定できる。
基材10を多層とする場合、複数のスクリューを使用して材料を共押出するによっても形成できる。
【0016】
基材10に用いるポリエチレン樹脂は、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のいずれかもしくは複数から選択することができる。
ポリエチレンに対して0.1~数十%の割合でプロピレン、1-ブテンなどのαオレフィン系の樹脂または/およびエラストマーなどのゴム成分等を共重合したコポリマーや多量体としてもよい。また、重合に用いる触媒は特に限定されず、チーグラー触媒やメタロセン触媒など使用して重合したポリエチレンを使用できる。
【0017】
基材10は、樹脂成分でない添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の各種の添加剤から適宜選定できる。添加剤の例としては、アンチブロッキング剤(AB剤)、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料が挙げられる。AB剤は、有機、無機のいずれでもよい。これらの添加剤はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記のうち滑剤、スリップ剤は、加工適性の観点から好ましい。基材10における添加剤の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜調整できる。
【0018】
ガスバリア層20は、酸化珪素、炭素を含む酸化珪素、窒化珪素、金属アルミニウム、酸化アルミニウム、および酸化マグネシウムのいずれかを主成分とする層であり、酸素、水蒸気等の、所定の気体に対してバリア性を発揮する層である。ガスバリア層20は、透明でも、不透明でもいずれでもよい。
【0019】
ガスバリア層20の厚さは、用いられる成分の種類・構成・成膜方法により異なるが、一般的には3~300nmの範囲内で適宜設定できる。ガスバリア層20の厚さが3nm未満であると、均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア層としての機能を十分に発揮しない場合がある。ガスバリア層20の厚さが300nmを越えると、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、ガスバリア層20に亀裂を生じてバリア性を失う可能性がある。ガスバリア層20の厚さは、6~150nmの範囲内がより好ましい。
【0020】
発明者は、基材10とガスバリア層20との密着性を検討した結果、基材10表面の結晶性が影響すること、および結晶性の指標として、赤外吸収スペクトルの730cm-1/720cm-1のピーク強度の比が好適であることを見出した。赤外吸収スペクトルは、例えば日本分光社製 FT/IR-4600を用いて測定でき、基材となる樹脂フィルムに対して、透過、反射のいずれでも測定できる。730cm-1と720cm-1は、CH結合の横ゆれ振動を表し、非晶質状態の場合、720cm-1の幅広いバンドとなるが、結晶状態では隣接分子鎖間の相互作用のため730cm-1に分裂するものと考えられる。
【0021】
発明者の検討では、730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.770を超えると基材10とガスバリア層20との密着性が低下することが分かった。730cm-1は結晶性、720cm-1は非晶性を示しているため、両者の比率により、第一面の結晶性の度合いを評価することができる。
【0022】
これを踏まえ、本実施形態に係る基材10は、第一面10aにおける730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.770以下のフィルムを用いることにより、基材10とガスバリア層20との高い密着性を実現している。
また、基材10がポリエチレンを主成分とするため、ガスバリアフィルム1に占めるポリエチレンの割合を90質量%(wt%)以上とすることも容易である。その結果、リサイクル性を高め、環境負荷が抑制されたガスバリアフィルムとできる。
【0023】
730cm-1/720cm-1のピーク強度比の値は、樹脂フィルムが延伸されたものか未延伸であるかとはあまり相関しない。したがって同一の材料で形成した延伸フィルムと未延伸フィルムとは、概ね同一の値を示し、延伸加工によってこの値が変化することはない。
また、結晶性を示す他の指標として、XRD(X線回折法)を用いたものも知られているが、730cm-1/720cm-1のピーク強度比の値は、これとの相関も乏しい。この点について、XRD測定による結晶性は延伸の有無による分子の配向の違いを表しているのに対し、IR測定で測定する結晶性は、加熱や冷却過程によって生じるCH2結合状態の違いを示していると考えられ、見ているものが異なっていると考えられる。
【0024】
基材10が複数層からなる場合、断面を削り出した面をナノIRで測定することで各層のスペクトルが得られる。スキン層とコア層に異なる樹脂を使用した場合、上記の様に形成された基材10は、光学顕微鏡で観察すると各層の境界を確認できる。コア層の730cm-1/720cm-1のピーク強度比の値がスキン層のピーク強度比の値よりも高いと、耐熱性に優れ、好ましい。
【0025】
本発明の第二実施形態について、
図2を参照して説明する。この実施形態では、本発明に係る積層体について説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る積層体2の層構成を示す模式断面図である。積層体2は、第一面10a側に第二ガスバリア層30およびヒートシール層50を備えている。
基材10の第二面10b側には、ポリエチレンを主成分とする第二基材60が積層されている。基材10と第二基材60とは、接着層40により接合されている。すなわち、本実施形態に係る基材は、基材10および第二基材60の2つの樹脂層を有する。
【0027】
第二ガスバリア層30は、ガスバリア層20を保護するとともに、積層体2のバリア性をさらに高める。第二ガスバリア層30の材質として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、金属アルコキシド、水溶性高分子、ポリカルボン酸系重合体、多価金属化合物、ポリカルボン酸系重合体と多価金属化合物との反応生成物であるカルボン酸の多価金属塩等を例示できる。特に、酸素バリア性に優れる金属アルコキシドと水溶性高分子が好ましく、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いることで、このような組成の第二ガスバリア層30を形成できる。例えば、水溶性高分子を水系(水または水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合してコーティング剤を調製する。このコーティング剤をガスバリア層20上に塗布した後、乾燥することで、第二ガスバリア層30を形成できる。
【0028】
第二ガスバリア層30を形成するためのコーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。コーティング剤に用いられる水溶性高分子として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を例示できる。特に、PVAを用いると、優れたガスバリア性が得られるため好ましい。PVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化することで得られる。PVAとして、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVA、酢酸基が数%しか残存していない完全PVAのいずれも用いることができる。両者の中間のPVAを用いてもよい。
【0029】
コーティング剤に用いられる金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si、Alの金属、R:CH3、C2H5等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウムAl[OCH(CH3)2]3などを例示できる。シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するもの、トリス-(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどを例示できる。
【0030】
ポリカルボン酸系重合体は、分子内に2個以上のカルボキシ基を有する重合体である。ポリカルボン酸系重合体としては、たとえば、エチレン性不飽和カルボン酸の(共)重合体;エチレン性不飽和カルボン酸と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体;アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類が挙げられる。エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。前記エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルイタコネート類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのポリカルボン酸系重合体は1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
ガスバリア性の観点からは、上述した成分のうち、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸及びクロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位を含む重合体が好ましく、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位を含む重合体が特に好ましい。上記重合体において、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸及びイタコン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体から誘導される構成単位の割合は、80mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい(ただし重合体を構成する全構成単位の合計を100mol%とする)。この重合体は、単独重合体でも、共重合体でもよい。重合体が、上記構成単位以外の他の構成単位を含む共重合体である場合、他の構成単位としては、例えば前述のエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体から誘導される構成単位などが挙げられる。
【0032】
ポリカルボン酸系重合体の数平均分子量は、2,000~10,000,000の範囲内が好ましく、5,000~1,000,000がより好ましい。数平均分子量が2,000未満では、用途によってはガスバリアフィルムの耐水性が充分でなく、水分によってガスバリア性や透明性が悪化する場合や、白化の発生が起こる場合がある。他方、数平均分子量が10,000,000を超えると、コーティング剤の粘度が高くなり、塗工性が損なわれる場合がある。本発明において、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた、ポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0033】
ポリカルボン酸系重合体を主成分とするコーティング剤には各種添加剤を加えることができ、バリア性能を損なわない範囲で架橋剤、硬化剤、レベリング剤、消泡剤、アンチブロッキング剤、静電防止剤、分散剤、界面活性剤、柔軟剤、安定剤、膜形成剤、増粘剤などが挙げられる。
【0034】
ポリカルボン酸系重合体を主成分とするコーティング剤に用いる溶媒は水性媒体が好ましい。水性媒体としては、水、水溶性または親水性有機溶剤、またはこれらの混合物が挙げられる。水性媒体は通常、水または水を主成分として含むものである。水性媒体中の水の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
水溶性または親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、セロソルブ類、カルビトール類、アセトニトリル類の二トリル類等が挙げられる。
【0035】
多価金属化合物は、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基と反応してポリカルボン酸の多価金属塩を形成する化合物であれば特に限定されず、酸化亜鉛粒子、酸化マグネシウム粒子、マグネシウムメトキシド、酸化銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらを単独或いは複数を混合して用いてもよい。酸素バリア性皮膜の酸素バリア性の観点からは、上記のうち酸化亜鉛が好ましい。酸化亜鉛は紫外線吸収能を有する無機材料である。酸化亜鉛粒子の平均粒子径は特に限定されないが、ガスバリア性、透明性、コーティング適性の観点から、平均粒子径が5μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。
【0036】
多価金属化合物を主成分とするコーティング剤を塗布、乾燥して皮膜を形成する場合は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化亜鉛粒子のほかに、各種添加剤を含有してもよい。該添加剤としては、コーティング剤に用いる溶媒に可溶又は分散可能な樹脂、該溶媒に可溶又は分散可能な分散剤、界面活性剤、柔軟剤、安定剤、膜形成剤、増粘剤等を含有してもよい。上記の中でも、コーティング剤に用いる溶媒に可溶または分散可能な樹脂を含有することが好ましい。これにより、コーティング剤の塗工性、製膜性が向上する。このような樹脂としては、例えば、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂等が挙げられる。また、コーティング剤に用いる溶媒に可溶又は分散可能な分散剤を含有することが好ましい。これにより、多価金属化合物の分散性が向上する。該分散剤としては、アニオン系界面活性剤や、ノニオン系界面活性剤を用いることができる。該界面活性剤としては、(ポリ)カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルフォコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、芳香族リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アルキルアリル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ソルビタンアルキルエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の各種界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。多価金属化合物を主成分とするコーティング剤に添加剤が含まれている場合には、多価金属化合物と添加剤との質量比(多価金属化合物:添加剤)は、30:70~99:1の範囲内であることが好ましく、50:50~98:2の範囲内であることが好ましい。
【0037】
多価金属化合物を主成分とするコーティング剤に用いる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。また、これらの溶媒は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、塗工性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また製造性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
【0038】
ポリカルボン酸系重合体を主成分とするコーティング剤を塗布、乾燥して皮膜を形成した後に多価金属化合物の皮膜を形成する場合、ポリカルボン酸系重合体は、カルボキシ基の一部が予め塩基性化合物で中和されていてもよい。ポリカルボン酸系重合体の有するカルボキシ基の一部を予め中和することにより、ポリカルボン酸系重合体からなる皮膜の耐水性や耐熱性をさらに向上させることができる。塩基性化合物としては、上述した多価金属化合物、一価金属化合物およびアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種の塩基性化合物が好ましい。一価金属化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0039】
ポリカルボン酸系重合体と多価金属化合物を混合したコーティング剤を塗布、乾燥して皮膜を形成する場合には、ポリカルボン酸系重合体と、多価金属化合物と、水またはアルコール類を溶媒として、溶媒に溶解或いは分散可能な樹脂や分散剤、および必要に応じて添加剤を混合してコーティング剤を調整する。このようなコーティング剤を公知のコーティング方法にて塗布、乾燥することでも、第二ガスバリア層30を形成することができる。
【0040】
第二ガスバリア層30のコート法としては、例えばキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等が挙げられる。
【0041】
第二ガスバリア層30の厚さは、使用するコーティング剤の組成や塗工条件等によって異なり、特に制限はない。ただし、第二ガスバリア層30の乾燥後膜厚が0.01μm以下の場合は、均一な塗膜にならず十分なガスバリア性を得られない場合がある。乾燥後膜厚が50μmを超える場合は第二ガスバリア層30にクラックが生じ易くなる。したがって、第二ガスバリア層30の好適な厚さは、例えば0.01~50μmの範囲である。第二ガスバリア層30の最適な厚さは、例えば0.1~10μmの範囲である。
【0042】
ヒートシール層50は、ポリエチレンを主成分とする層である。ヒートシール層50の厚さは目的に応じて決められるが、例えば50~200μm程度とできる。本実施形態において、ヒートシール層50は、第二基材60と同様に、接着層40により第二ガスバリア層30に接合されているが、これは必須ではなく、流体状の樹脂を用いた押出ラミネーションにより接合されてもよい。
【0043】
接着層40には、公知のドライラミネート用接着剤を使用できる。具体例として、2液硬化型のエステル系接着剤やエーテル系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
硬化後にガスバリア性を発現するガスバリア性接着剤を用いて接着層40を形成することにより、接着層40にガスバリア性を付与して積層体2全体としてのガスバリア性を向上させることができる。ガスバリア性接着剤には、エポキシ系、ポリエステル・ポリウレタン系等があり、いずれも適用できる。ガスバリア性接着剤の具体例としては、三菱ガス化学社製の「マクシーブ」、DIC社製の「Paslim」等が挙げられる。
【0044】
ガスバリア性接着剤の酸素透過度は、150cc/m2・day・atm以下であることが好ましく、100cc/m2・day・atm以下であることがより好ましく、80cc/m2・day・atm以下であることが更に好ましく、50cc/m2・day・atm以下であることが特に好ましい。酸素透過度が上記範囲内であることで、積層体2のガスバリア性を十分に向上させることができるとともに、ガスバリア層20や第二ガスバリア層30に軽微な割れが生じた場合であっても、その隙間にガスバリア性接着剤が入り込むことによりガスバリア性の低下を抑制することができる。
【0045】
ガスバリア性接着剤からなる接着層40の厚さは、0.1~20μmであることが好ましく、0.5~10μmであることがより好ましく、1~5μmであることが更に好ましい。厚さが上記下限値以上であることで、ガスバリア層20の割れを十分に抑制することができる。厚さが上記下限値以上であることで、外部からの衝撃を緩和するクッション性を得ることができ、衝撃によりガスバリア層20が割れることを防ぐことができる。さらに、厚さが上記上限値以下であることで、積層体2の柔軟性を十分に保持できる傾向がある。
【0046】
接着層40を形成するための接着剤は、例えば、バーコート法、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等により塗布することができる。この接着剤を塗布してなる塗膜を乾燥させる際の温度は、例えば、30~200℃とすることができ、50~180℃とすることが好ましい。また、上記塗膜を硬化させる際の温度は、例えば、室温~70℃とすることができ、30~60℃とすることが好ましい。乾燥及び硬化時の温度を上記範囲内とすることで、ガスバリア層20や接着層40にクラックが発生することをより一層抑制でき、優れたガスバリア性を発現することができる。
【0047】
積層体2はヒートシール層50を備えるため、積層体2を1枚または複数枚準備し、ヒートシール層50どうしを対向させて周縁を熱融着すると、積層体2を用いた包装袋や、スタンディングパウチ等の各種包装材料を簡便に製造できる。
【0048】
本実施形態においては、第二基材60やヒートシール層50に印刷層を設けることができる。一般に、印刷層は内容物に関する情報の表示、内容物の識別、あるいは包装袋の意匠性向上を目的として、積層体2で形成される包装材料の外側から見える位置に設けられる。印刷層を形成する方法および使用するインキは特に制限されず、既知の印刷方法及び印刷インキの中からフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、食品容器としての安全性などを考慮して適宜選択できる。
印刷方法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。中でもグラビア印刷法は生産性や絵柄の高精細度の観点から、好ましく用いることができる。
印刷層を形成する層の表面にコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理や、易接着層などのコート層を設けることにより、印刷層の密着性を高めてもよい。上述した処理等により、JIS K6768に準拠して測定した第二面10bのぬれ張力を21mN/m以上とすると、密着が良好となる。
【0049】
本実施形態のガスバリアフィルムおよび積層体について、実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明は、実施例および比較例の具体的内容により、何ら限定されない。
【0050】
(実施例1)
基材として、第一面の赤外吸収スペクトルの730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.538のポリエチレンフィルム(厚み30μm)を用いた。このポリエチレンフィルムは、AB剤を含有していない。
真空装置内においてSiOを昇華させ、基材の第一面上に電子ビーム蒸着法により酸化珪素(SiOx)からなるガスバリア層(厚さ30nm)を形成した。
以上により、実施例1に係るガスバリアフィルムを得た。
【0051】
続いて、ガスバリア層上に、下記組成の塗液1を塗布してガスバリア性を有する接着層を形成した。
(塗液1)
酢酸エチルとメタノールとを質量比1:1で混合した溶媒 23質量部
ガスバリア性接着剤主剤(マクシーブM-100) 5質量部
ガスバリア性接着剤硬化剤(マクシーブC93T) 16質量部
接着層に、LLDPEフィルム(三井化学東セロ社製MC-S、厚み60μm)を貼り合わせ、ヒートシール層を形成した。
以上により、実施例1に係る積層体を作製した。
【0052】
(実施例2)
基材として、第一面の730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.638のポリエチレンフィルム(厚み30μm)を用いた点を除き、実施例1と同様の手順で実施例2に係るガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0053】
(実施例3)
基材として、第一面の730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.362のポリエチレンフィルム(厚み30μm)を用いた点を除き、実施例1と同様の手順で実施例3に係るガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0054】
(実施例4)
ガスバリア層を形成する際に、同一真空槽内にて基材の第二面にプラズマ処理強度100W・sec/m2でArガスを用いたプラズマ処理を行った。
プラズマ処理強度は以下の式で算出した。
プラズマ処理強度=投入電力・処理時間/カソード面積
プラズマ処理後の第二面のぬれ張力をJIS K6768に準拠して測定したところ、33mN/mであった。
プラズマ処理後の第二面に下記組成の塗液2を塗布して接着層を形成した。
(塗液2)
タケラックA525(三井化学社製) 100質量部
タケネートA52(三井化学社製) 11質量部
酢酸エチル 84質量部
接着層に、印刷層を設けたポリエチレンフィルム(厚さ32μm)を貼り合わせて第二基材を設けた。
その他の点は実施例1と同様の手順で実施例4に係るガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0055】
(実施例5)
プラズマ処理を行わなかった点を除き、実施例4と同様の手順で実施例5に係るガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
第二面のぬれ張力をJIS K6768に準拠して測定したところ、20mN/mであった。
【0056】
(実施例6)
下記組成のA液とB液とを質量比6:4で混合したコーティング剤をグラビアコート法により塗布、乾燥し、ガスバリア層上に厚さ0.4μmの第二ガスバリア層を形成した。
A液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液
B液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比 90:10)
さらに、塗液2を塗布して接着層を形成し、実施例1と同様のLLDPEフィルムを貼り合わせてヒートシール層を形成した。
以上により、実施例6に係るガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0057】
(実施例7)
ガスバリア層をアルミナ(AlOx)で形成した点を除き、実施例1と同様の手順で実施例7に係るガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0058】
(実施例8)
基材として、コア層の両面にスキン層を備え、コア層の730cm-1/720cm-1のピーク強度比がスキン層よりも高いポリエチレンフィルム(厚み30μm)を用いた点を除き、実施例1と同様の手順で実施例8のガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0059】
(比較例1)
基材として、第一面の730cm-1/720cm-1のピーク強度比が0.774の二軸延伸ポリエチレンフィルム(厚み30μm)を用いた点を除き、実施例1と同様にして比較例1のガスバリアフィルムおよび積層体を作製した。
【0060】
実施例および比較例のガスバリアフィルムおよび積層体を用いて、以下の項目を評価した。
(ガスバリア性能評価)
酸素透過度(OTR)(単位:cc/m2・day・atm、測定条件:30℃-70%RH)、および水蒸気透過度(WVTR)(単位:g/m2・day、測定条件:40℃-90%RH)の2項目について評価した。
OTRはmocon社製OX-TRAN2/22を用いて、WVTRはmocon社製PERMATRAN-W3/34を用いて、それぞれ測定した。
【0061】
(各層の密着性評価)
JIS K 6854-2、およびJIS K 6854-3に準拠してヒートシール層を設けた各例の積層体から試験片を切り出し、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC-1250を用いて基材とヒートシール層との剥離強度を測定した(評価1)。測定は、T形剥離と180°剥離の2種類行った。
実施例4および5については、同様の手順で基材と第二基材との剥離強度も測定した(評価2)。
結果を表1に示す。
【0062】
【0063】
実施例に係るガスバリアフィルムおよび積層体は、いずれもポリエチレンの含有率が90wt%以上であり、モノマテリアルの条件を満たしていた。
すべての実施例において、評価1における剥離強度は、T形および180°のいずれにおいても3N/15mm以上であり、高いガスバリア性と密着性とが両立できていた。特に、730cm-1/720cm-1が0.370以下である実施例3は、非常に良好な密着性を示した。
実施例4と5の比較より、第二基材を設ける場合は、第二面のぬれ張力を21mN/m以上とすることが好ましいことが示された。
【0064】
一方、比較例1は、リサイクル性は良好であったものの密着性が十分でなく、用途等によってはデラミネーションや破袋などを生じてしまうことが懸念された。
【0065】
以上、本発明の各実施形態、および実施例について説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 ガスバリアフィルム
2 積層体
10 基材
10a 第一面
10b 第二面
20 ガスバリア層
30 第二ガスバリア層
40 接着層
50 ヒートシール層
60 第二基材