(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023085919
(43)【公開日】2023-06-21
(54)【発明の名称】パウチ
(51)【国際特許分類】
B65D 30/22 20060101AFI20230614BHJP
【FI】
B65D30/22 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200239
(22)【出願日】2021-12-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩田 吏世
(72)【発明者】
【氏名】下野 貴裕
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064BA24
3E064BA36
3E064BB03
3E064EA12
3E064EA13
3E064FA04
3E064HM01
3E064HN06
3E064HP02
3E064HT05
(57)【要約】
【課題】内容物が手または周囲の物に付着しにくいパウチを提供する。
【解決手段】パウチ10はシート20、流出部40、および、シール部100を備える。流出部40は内容物Cを外部に流出させる流出口41を含む。シート20は収容室31、案内室32、および、連通路33を含む内部空間30を形成する。収容室31は内容物Cが収容される。案内室32は内容物Cを流出部40に案内する。連通路33は収容室31と案内室32とをつなげる。シール部100はシート20を接着する。シール部100は閉鎖シール部300および案内シール部400を含む。閉鎖シール部300は剥離予定部320を含む。剥離予定部320は連通路33を閉鎖し、圧力がかかることにより剥離するように構成される。案内シール部400は内容物Cに関する連通路33から流出口41に向かう直線的な流れを妨げるように連通路33と流出口41との間に設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を外部に流出させる流出口を含む流出部と、
前記内容物が収容される収容室、前記内容物を前記流出部に案内する案内室、および、前記収容室と前記案内室とをつなげる連通路を含む内部空間を形成するシートと、
前記シートを接着するシール部とを備え、
前記シール部は前記連通路を閉鎖し、圧力がかかることにより剥離するように構成される剥離予定部を含む閉鎖シール部と、前記内容物に関する前記連通路から前記流出口に向かう直線的な流れを妨げるように前記連通路と前記流出口との間に設けられる案内シール部とを含む
パウチ。
【請求項2】
前記シール部は前記シートにおける前記内部空間の周囲に対応する部分を接着する外周シール部を含み、
前記閉鎖シール部は前記収容室と前記案内室とを区画するように前記外周シール部につながる
請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
前記案内室は前記閉鎖シール部と前記案内シール部との間に設けられ、前記パウチの横方向に延長する横通路を含み、
前記連通路は前記横通路につながる
請求項2に記載のパウチ。
【請求項4】
前記案内室は前記外周シール部と前記案内シール部との間に設けられ、前記パウチの縦方向に延長する縦通路を含み、
前記縦通路は前記横通路を流通した前記内容物を前記流出部に案内する
請求項3に記載のパウチ。
【請求項5】
前記案内室は前記横通路と前記縦通路とをつなげる合流部を含み、
前記案内シール部は前記合流部に隣接する拡張部を含み、
前記拡張部は前記案内シール部の角に設けられる未シール部である
請求項4に記載のパウチ。
【請求項6】
前記剥離予定部のシール強度は前記外周シール部のシール強度よりも小さい
請求項2~5のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項7】
前記外周シール部は前記流出口を閉鎖する閉鎖部を含む
請求項2~6のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項8】
前記連通路は前記案内室につながる連通路出口を含み、
前記案内シール部は前記流出口と前記連通路出口との間に規定される仮想の直線通路に重なる部分を含むように構成される
請求項1~7のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項9】
前記剥離予定部は前記収容室に向けて突出する突出部を含む
請求項1~8のいずれか一項に記載のパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
一例では、パウチは内容物として液体を収容する。パウチから内容物を取り出す場合、切取線に沿ってパウチの一部が分離される。パウチの流出口が開放される。流出口から内容物を取り出すことができる。特許文献1には、従来のパウチの一例が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のパウチでは、内容物を取り出す場合に内容物が手または周囲の物に付着することがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関するパウチは内容物を外部に流出させる流出口を含む流出部と、前記内容物が収容される収容室、前記内容物を前記流出部に案内する案内室、および、前記収容室と前記案内室とをつなげる連通路を含む内部空間を形成するシートと、前記シートを接着するシール部とを備え、前記シール部は前記連通路を閉鎖し、圧力がかかることにより剥離するように構成される剥離予定部を含む閉鎖シール部と、前記内容物に関する前記連通路から前記流出口に向かう直線的な流れを妨げるように前記連通路と前記流出口との間に設けられる案内シール部とを含む。
【0006】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。パウチから内容物を取り出す場合、収容室に滞留する内容物が圧縮される。剥離予定部にかかる圧力の増加により剥離予定部が剥離し、収容室が開放される。収容室が開放された状態では、内容物は収容室から流出口に向けて移動し、流出口からパウチの外部に流出する。
【0007】
案内シール部が設けられるため、収容室から案内室に流出した内容物の勢いが弱められる。内容物が流出口から強い勢いで流出する状況が生じにくくなる。このため、内容物が手または周囲の物に付着しにくくなる。
【0008】
前記パウチの一例では、前記シール部は前記シートにおける前記内部空間の周囲に対応する部分を接着する外周シール部を含み、前記閉鎖シール部は前記収容室と前記案内室とを区画するように前記外周シール部につながる。
【0009】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。閉鎖シール部により収容室と案内室とが適切に区画される。
【0010】
前記パウチの一例では、前記案内室は前記閉鎖シール部と前記案内シール部との間に設けられ、前記パウチの横方向に延長する横通路を含み、前記連通路は前記横通路につながる。
【0011】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。収容室から案内室に流出した内容物が横通路を流通するため、案内室を流れる内容物の勢いが弱められる。
【0012】
前記パウチの一例では、前記案内室は前記外周シール部と前記案内シール部との間に設けられ、前記パウチの縦方向に延長する縦通路を含み、前記縦通路は前記横通路を流通した前記内容物を前記流出部に案内する。
【0013】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。内容物が横通路から縦通路に移動する過程において内容物の流れの方向が変化するため、案内室を流れる内容物の勢いが弱められる。
【0014】
前記パウチの一例では、前記案内室は前記横通路と前記縦通路とをつなげる合流部を含み、前記案内シール部は前記合流部に隣接する拡張部を含み、前記拡張部は前記案内シール部の角に設けられる未シール部である。
【0015】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。横通路を流通する内容物が拡張部を通過して縦通路に移動できるため、内容物に関する横通路から縦通路に向かうスムーズな流れが形成されやすくなる。
【0016】
前記パウチの一例では、前記剥離予定部のシール強度は前記外周シール部のシール強度よりも小さい。
【0017】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。内容物が圧縮された場合、剥離予定部が剥離しやすくなる。
【0018】
前記パウチの一例では、前記外周シール部は前記流出口を閉鎖する閉鎖部を含む。
【0019】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。閉鎖部が流出口を閉鎖した状態では、剥離予定部が剥離しても内容物が流出口から流出しない。
【0020】
前記パウチの一例では、前記連通路は前記案内室につながる連通路出口を含み、前記案内シール部は前記流出口と前記連通路出口との間に規定される仮想の直線通路に重なる部分を含むように構成される。
【0021】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。内容物に関する連通路から流出口に向かう直線的な流れが適切に妨げられる。
【0022】
前記パウチの一例では、前記剥離予定部は前記収容室に向けて突出する突出部を含む。
【0023】
本パウチによれば、例えば次のような効果が得られる。内容物が圧縮された場合、剥離予定部が剥離しやすくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に関するパウチによれば、内容物が手または周囲の物に付着しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施形態に関する収容状態のパウチの正面図。
【
図12】第2実施形態のパウチの一部を示す正面図。
【
図13】第3実施形態のパウチの一部を示す正面図。
【
図14】第4実施形態のパウチの一部を示す正面図。
【
図15】第5実施形態のパウチの一部を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1実施形態)
図1~
図11には、本実施形態のパウチ10の一例が示される。パウチ10の構成は任意に選択できる。パウチ10の構成は例示される構成に限定されない。
【0027】
(パウチ)
図1および
図2を参照する。パウチ10は内容物Cを収容できるように構成される。パウチ10は例えば、シート20、内部空間30、および、流出部40を含む。パウチ10の形状は例えば、四角形である。パウチ10が取り得る状態には、例えば収容状態および収容前状態が含まれる。
図1には、収容状態のパウチ10の一例が示される。
図2には、収容前状態のパウチ10の一例が示される。
【0028】
内容物Cに関する物質の状態の例として、液体およびゲルが挙げられる。液体の例には、ゾルが含まれる。内容物Cは例えば、パウチ10の圧縮または重力の作用によりパウチ10の外部に流出する性質を有する。内容物Cの例として、液体の調味料が挙げられる。
【0029】
パウチ10に関する説明では、X1方向、X2方向、Y1方向、Y2方向、Z1方向、および、Z2方向が参照される。X1方向およびX2方向はX軸に平行である。X1方向はX2方向とは反対の方向である。Y1方向およびY2方向はY軸に平行である。Y1方向はY2方向とは反対の方向である。Z1方向およびZ2方向はZ軸に平行である。Z1方向はZ2方向とは反対の方向である。
【0030】
パウチ10の横方向はX1方向およびX2方向に平行である。X1方向に対応するパウチ10の横方向を「第1横方向」と称する。X2方向に対応するパウチ10の横方向を「第2横方向」と称する。
【0031】
パウチ10の縦方向はY1方向およびY2方向に平行である。Y1方向に対応するパウチ10の縦方向を「上方向」と称する。Y2方向に対応するパウチ10の縦方向を「下方向」と称する。
【0032】
パウチ10の厚さ方向はZ1方向およびZ2方向に平行である。Z1方向に対応するパウチ10の厚さ方向を「第1厚さ方向」と称する。Z2方向に対応するパウチ10の厚さ方向を「第2厚さ方向」と称する。
【0033】
横方向に関するパウチ10の端部を「側部10A」と称する。側部10Aは第1側部10A1および第2側部10A2を含む。第1側部10A1は第1横方向に関するパウチ10の端部である。第2側部10A2は第2横方向に関するパウチ10の端部である。上方向に関するパウチ10の端部を「上端部10B」と称する。下方向に関するパウチ10の端部を「下端部10C」と称する。
【0034】
(シート)
図1を参照する。シート20の構成は任意に選択できる。シート20の構成は例示される構成に限定されない。一例では、シート20は1枚のフィルム、または、複数枚のフィルムにより構成される。1枚のフィルムまたは複数枚のフィルムが接着されることによりパウチ10が構成される。フィルムを接着する方法は例えばヒートシールである。
【0035】
フィルムは例えば多層フィルムである。多層フィルムは例えば、外層、接着層、および、内層を含む。外層は例えばガスバリア層を含む。外層の素材は例えば、二軸延伸ナイロンフィルムである。内層は例えば多層シーラントフィルムを含む。
【0036】
多層シーラントフィルムはヒートシール時に加えられる温度(以下「シール温度」という)に応じてシール強度が異なるように構成される。例えば、シール温度が第1温度範囲に含まれる条件下において、多層シーラントフィルムがヒートシールされた場合、シール強度は第1シール強度範囲に含まれる。シール温度が第2温度範囲に含まれる条件下において、多層シーラントフィルムがヒートシールされた場合、シール強度は第2シール強度範囲に含まれる。第2温度範囲は第1温度範囲よりも高い範囲である。第2シール強度範囲は第1シール強度範囲よりも高い範囲である。
【0037】
多層シーラントフィルムは例えば、基材層およびシーラント層を含む。接着層は外層と基材層との間に設けられる。接着層は外層と基材層とを接着する。
【0038】
基材層の素材の例として、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂の例として、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、および、直鎖状エチレン-α-オレフィン共重合体が挙げられる。
【0039】
ポリプロピレン樹脂の例として、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、および、ブロックポリプロピレンが挙げられる。ポリエチレン樹脂の例として、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンが挙げられる。
【0040】
ナイロン樹脂の例として、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、および、ナイロン6,12が挙げられる。
【0041】
シーラント層の素材の例として、溶解パラメータが異なる少なくとも2種の重合体、および、造核剤を含む樹脂組成物が挙げられる。少なくとも2種の重合体は例えば、第1の重合体および第2の重合体を含む。
【0042】
第1の重合体の例として、ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂の例として、ポリプロピレン重合体が挙げられる。ポリプロピレン重合体の例として、ホモポリプロピレン、ポリプロピレンランダムコポリマー、および、ポリプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。
【0043】
第2の重合体の例として、エチレンメタクリル酸共重合体およびポリエチレン共重合体が挙げられる。
【0044】
造核剤の例として、脂肪酸金属塩、カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ロジン金属塩、タルク、マイカ、および、ソルビトール誘導体が挙げられる。
【0045】
シート20は例えば、第1シート要素21および第2シート要素22を含む。第1シート要素21および第2シート要素22は内部空間30が形成されるように重ね合わせられる。図示される例では、紙面上の手前に第1シート要素21が示され、紙面上の奥に第2シート要素22が示される。第1シート要素21は厚さ方向の中心に対して第1厚さ方向に位置する。第2シート要素22は厚さ方向の中心に対して第2厚さ方向に位置する。
【0046】
シート20が1枚のフィルムにより構成される例では、第1シート要素21および第2シート要素22は折り曲げられたシート20の一部である。シート20が複数のフィルムにより構成される例では、第1シート要素21および第2シート要素22は別のフィルムである。
【0047】
(内部空間)
図1を参照する。内部空間30の構成は任意に選択できる。内部空間30の構成は例示される構成に限定されない。内部空間30は第1シート要素21と第2シート要素22との間に形成される。内部空間30は例えば、収容室31、案内室32、および、連通路33を含む。
【0048】
収容室31は内容物Cを収容できるように構成される。案内室32は内容物Cを流出部40に案内できるように構成される。案内室32は流出部40につながる。案内室32は例えば、横通路32A、縦通路32B、および、合流部32Cを含む。
【0049】
横通路32Aは横方向に延長する。横通路32Aは連通路33につながる。縦通路32Bは縦方向に延長する。縦通路32Bは流出部40につながる。縦通路32Bは横通路32Aを流通した内容物Cを流出部40に案内する。合流部32Cは横通路32Aと縦通路32Bとの間に設けられる。合流部32Cは横通路32Aと縦通路32Bとをつなげる。
【0050】
連通路33は収容室31と案内室32との間に形成される。連通路33は収容室31と案内室32とをつなげるように構成される。連通路33は連通路入口33Aおよび連通路出口33Bを含む。連通路入口33Aは収容室31につながる。連通路出口33Bは案内室32につながる。連通路出口33Bは横通路32Aにつながる。
【0051】
連通路出口33Bは第1縁33B1および第2縁33B2を含む。第1縁33B1は横方向に関する連通路33の中心に対して第1横方向に位置する。第2縁33B2は横方向に関する連通路33の中心に対して第2横方向に位置する。
【0052】
収容状態のパウチ10では、収容室31に内容物Cが収容され、収容室31が閉鎖される。収容室31が閉鎖された状態では、収容室31に滞留する内容物Cは収容室31の外部に流出しない。収容前状態のパウチ10では、収容室31に内容物Cを供給できるように供給口10Sが開放される(
図2参照)。供給口10Sは例えば、下端部10Cに設けられる。
【0053】
(流出部)
図1を参照する。流出部40の構成は任意に選択できる。流出部40の構成は例示される構成に限定されない。流出部40は例えば、シート20の一部として構成される。流出部40は例えば、1または複数の流出口41を含む。
【0054】
図示される例では、流出部40は1つの流出口41を含む。流出口41は例えば、第1シート要素21と第2シート要素22との間に設けられる。流出口41は案内室32につながる。流出口41は縦通路32Bにつながる。
【0055】
(分離補助部)
図1および
図3を参照する。パウチ10は例えば、分離補助部50を含む。分離補助部50の構成は任意に選択できる。分離補助部50の構成は例示される構成に限定されない。分離補助部50は分離予定部12をパウチ10の主要部11から分離することを補助するように構成される。分離予定部12は上端部10Bを含むパウチ10の一部である。
【0056】
分離補助部50は例えば、切取線51を含む。切取線51は例えば、直線状に形成される複数のミシン目である。分離予定部12を含むパウチ10では、流出口41はシート20における切取線51に対応する部分に位置する。
【0057】
流出口41は第1縁41Aおよび第2縁41Bを含む。第1縁41Aは横方向に関する流出口41の中心に対して第1横方向に位置する。第2縁41Bは横方向に関する流出口41の中心に対して第2横方向に位置する。
【0058】
パウチ10が取り得る状態には、例えば開封状態が含まれる。
図3には、開封状態のパウチ10の一例が示される。開封状態のパウチ10では、主要部11と分離予定部12とが分離される。開封状態のパウチ10では、流出口41が開放される。流出口41により案内室32とパウチ10の外部とがつながる。
【0059】
(シール部)
図1を参照する。パウチ10は例えば、シール部100を含む。シール部100の構成は任意に選択できる。シール部100の構成は例示される構成に限定されない。シール部100はシート20の一部とシート20の他の一部とが接着された部分を含む。シール部100は例えば、第1シート要素21と第2シート要素22とが接着された部分を含む。
【0060】
シート20のうち、シール部100によりシールされていない部分を「未シール部」と称する場合がある。
図1等においてドットが記入された部分はシール部100を示す。内部空間30はシート20の未シール部に対応する第1シート要素21と第2シート要素22との間に形成される。
【0061】
(外周シール部)
図1を参照する。シール部100は例えば、外周シール部200を含む。外周シール部200の構成は任意に選択できる。外周シール部200の構成は例示される構成に限定されない。外周シール部200はシート20における内部空間30の周囲に対応する部分を接着する。
【0062】
外周シール部200は例えば、側部シール部210を含む。側部シール部210は縦方向に延長する。側部シール部210は側部10Aに設けられる。側部シール部210は例えば、第1側部シール部211および第2側部シール部212を含む。
【0063】
第1側部シール部211は第1側部10A1に設けられる。第1側部シール部211は第1側部10A1において第1シート要素21と第2シート要素22とが接着された部分を含む。
【0064】
第2側部シール部212は第2側部10A2に設けられる。第2側部シール部212は第2側部10A2において第1シート要素21と第2シート要素22とが接着された部分を含む。
【0065】
外周シール部200は例えば、上部シール部220を含む。上部シール部220は上端部10Bに設けられる。上部シール部220は横方向に延長する。上部シール部220は上端部10Bにおいて第1シート要素21と第2シート要素22とが接着された部分を含む。
【0066】
外周シール部200は例えば、下部シール部230を含む。下部シール部230は下端部10Cに設けられる。下部シール部230は横方向に延長する。下部シール部230は下端部10Cにおいて第1シート要素21と第2シート要素22とが接着された部分を含む。
【0067】
(閉鎖シール部)
図1を参照する。シール部100は例えば、閉鎖シール部300を含む。閉鎖シール部300の構成は任意に選択できる。閉鎖シール部300の構成は例示される構成に限定されない。閉鎖シール部300は収容室31を閉鎖するように構成される。
【0068】
閉鎖シール部300は例えば、内部空間30を収容室31と案内室32とに区画するように構成される。閉鎖シール部300は横方向に関して第1側部シール部211と第2側部シール部212との間に設けられる。閉鎖シール部300は第1側部シール部211および第2側部シール部212につながる。
【0069】
閉鎖シール部300は縦方向に関して上部シール部220と下部シール部230との間に設けられる。閉鎖シール部300は上部シール部220および下部シール部230から離れた箇所に設けられる。
【0070】
閉鎖シール部300は例えば、基礎閉鎖部310を含む。基礎閉鎖部310の構成は任意に選択できる。基礎閉鎖部310の構成は例示される構成に限定されない。基礎閉鎖部310は側部シール部210につながる。
【0071】
基礎閉鎖部310は例えば、第1基礎閉鎖部311および第2基礎閉鎖部312を含む。第1基礎閉鎖部311は第1側部シール部211につながる。第1基礎閉鎖部311は横方向に延長する。第2基礎閉鎖部312は第2側部シール部212につながる。第2基礎閉鎖部312は横方向に延長する。
【0072】
閉鎖シール部300は例えば、剥離予定部320を含む。剥離予定部320の構成は任意に選択できる。剥離予定部320の構成は例示される構成に限定されない。剥離予定部320は連通路33を閉鎖するように構成される。剥離予定部320は連通路33に重なる部分を含む。
【0073】
剥離予定部320は第1基礎閉鎖部311と第2基礎閉鎖部312との間に設けられる。剥離予定部320は第1基礎閉鎖部311および第2基礎閉鎖部312につながる。剥離予定部320は例えば、縦方向に関して流出部40と対向するように設けられる。
【0074】
剥離予定部320は例えば、収容室31に滞留する内容物Cが圧縮される場合、シール部100における他の部分よりも優先的に剥離するように構成される。剥離予定部320の剥離とは、剥離予定部320における第1シート要素21と第2シート要素22との接着部が剥離し、第1シート要素21と第2シート要素22との間に内部空間30が形成されることをいう。
【0075】
剥離予定部320は例えば、収容室31に滞留する内容物Cが閉鎖シール部300に向かうようにパウチ10が圧縮された場合に応力集中が生じるように構成される。剥離予定部320は例えば、基礎閉鎖部310よりも応力集中が生じやすくなるように構成される。剥離予定部320は例えば、突出部321を含む。突出部321は基礎閉鎖部310に対して収容室31に向けて突出する。
【0076】
閉鎖シール部300は例えば、落窪部330を含む。落窪部330は閉鎖シール部300の一部に設けられる未シール部である。落窪部330は剥離予定部320に対して上方向に隣接する。落窪部330は例えば、連通路33の一部を構成する。
【0077】
(連通路の状態)
図4および
図5を参照する。パウチ10が取り得る状態には、例えば非連通状態および連通状態が含まれる。
図4には、非連通状態のパウチ10の一部が示される。
図5には、連通状態のパウチ10の一部が示される。
図4および
図5に示される破線は内容物Cが移動する様子の一例を示す。
【0078】
非連通状態のパウチ10では、連通路33が閉鎖されるように剥離予定部320が接着している。連通状態のパウチ10では、連通路33が開放されるように剥離予定部320が剥離している。
【0079】
収容室31に滞留する内容物Cが剥離予定部320に向けて移動するように非連通状態のパウチ10が圧縮される場合(
図4参照)、剥離予定部320にかかる圧力が増加し、剥離予定部320が剥離する。パウチ10の状態が非連通状態から連通状態に移行する。
【0080】
収容室31に滞留する内容物Cが連通路33に向けて移動するように開封状態かつ連通状態のパウチ10が圧縮される場合(
図5参照)、内容物Cは連通路33および案内室32を移動し、流出口41からパウチ10の外部に流出する。
【0081】
案内室32に滞留する内容物Cが流出口41に向けて移動するように開封状態かつ連通状態のパウチ10が圧縮される場合、内容物Cは案内室32を移動し、流出口41からパウチ10の外部に流出する。
【0082】
(案内シール部)
図1を参照する。シール部100は例えば、案内シール部400を含む。案内シール部400の構成は任意に選択できる。案内シール部400の構成は例示される構成に限定されない。
【0083】
案内シール部400は横方向に関して第1側部シール部211と第2側部シール部212との間に設けられる。案内シール部400は縦方向に関して上部シール部220と閉鎖シール部300との間に設けられる。案内シール部400は案内室32を規定するように構成される。
【0084】
案内シール部400と外周シール部200との関係について例示する。第1例では、案内シール部400は外周シール部200とつながる。第2例では、案内シール部400は外周シール部200から離れて形成される。
図1には、第1例の案内シール部400の一例が示される。
【0085】
案内シール部400は例えば、基礎案内部410を含む。基礎案内部410の構成は任意に選択できる。基礎案内部410の構成は例示される構成に限定されない。基礎案内部410は縦方向に関して上部シール部220寄りに設けられる。
【0086】
基礎案内部410例えば、第1基礎案内部411、第2基礎案内部412、および、中間基礎案内部413のうちの1つまたは複数を含む。図示される例では、基礎案内部410は第1基礎案内部411、第2基礎案内部412、および、中間基礎案内部413を含む。
【0087】
第1基礎案内部411は縦方向に関して上部シール部220と第1基礎閉鎖部311との間に設けられる。第1基礎案内部411は上部シール部220につながる。第1基礎案内部411と第1基礎閉鎖部311との間には、横通路32Aが設けられる。
【0088】
第1基礎案内部411は横方向に関して第1側部シール部211寄りに設けられる。第1基礎案内部411は第1側部シール部211につながらない。第1基礎案内部411と第1側部シール部211との間には、縦通路32Bおよび流出口41が設けられる。
【0089】
第2基礎案内部412は縦方向に関して上部シール部220と第2基礎閉鎖部312との間に設けられる。第2基礎案内部412は上部シール部220につながる。第2基礎案内部412と第2基礎閉鎖部312との間には、横通路32Aが設けられる。
【0090】
第2基礎案内部412は横方向に関して第2側部シール部212寄りに設けられる。第2基礎案内部412は第2側部シール部212につながる。
【0091】
中間基礎案内部413は縦方向に関して上部シール部220と剥離予定部320との間に設けられる。中間基礎案内部413は上部シール部220につながる。中間基礎案内部413と剥離予定部320との間には、横通路32Aおよび連通路33が設けられる。
【0092】
中間基礎案内部413は横方向に関して第1基礎案内部411と第2基礎案内部412との間に設けられる。中間基礎案内部413は第1基礎案内部411および第2基礎案内部412にながる。
【0093】
案内シール部400は例えば、障害部420を含む。障害部420の構成は任意に選択できる。障害部420の構成は例示される構成に限定されない。障害部420は例えば、第1基礎案内部411の一部として構成される。
【0094】
障害部420は内容物Cに関する連通路33から流出口41に向かう直線的な流れを妨げるように連通路33と流出口41との間に設けられる。障害部420は案内室32に隣接する。
【0095】
案内シール部400は例えば、拡張部430を含む。拡張部430の構成は任意に選択できる。拡張部430の構成は例示される構成に限定されない。拡張部430は合流部32Cに隣接するように設けられる。拡張部430は横通路32Aから縦通路32Bに向けて内容物Cがスムーズに流れるように形成される。
【0096】
拡張部430は案内シール部400の角に設けられる未シール部である。拡張部430が設けられない状態の案内シール部400を「基準の案内シール部400」と称する。
図13には、基準の案内シール部400の一例が示される。基準の案内シール部400の形状は例えば、長方形または正方形である。
【0097】
基準の案内シール部400における合流部32Cに隣接する角を「基準の角」と称する。基準の角に対して円滑化処理が加えられた角を「処理後の角」と称する。円滑化処理は例えば、基準の角を隅切りする処理、または、曲率を持つように基準の角を丸める処理である。
図13に示される2点鎖線は処理後の角の縁を示し、
図1における第1基礎案内部411と拡張部430との境界に対応する。
【0098】
処理後の角を含む案内シール部400において、基準の角の縁と処理後の角の縁との間に位置する部分は拡張部430として構成される未シール部である。
図1に示される例では、第1基礎案内部411は処理後の角に相当する部分を含む。拡張部430は第1基礎案内部411における処理後の角に隣接する。
【0099】
(シール強度)
外周シール部200、閉鎖シール部300、および、案内シール部400のシール強度の関係について例示する。順位が2番のシール強度は1番のシール強度よりも小さい。順位が3番のシール強度は順位が2番のシール強度よりも小さい。順位が4番のシール強度は順位が3番のシール強度よりも小さい。
【0100】
各シール部のシール強度の関係として、関係Aおよび関係Bが挙げられる。関係Aでは、基礎閉鎖部310のシール強度および剥離予定部320のシール強度は等しい。関係Aは例えば、関係A1~A8を含む。関係Bでは、基礎閉鎖部310のシール強度のシール強度は剥離予定部320のシール強度よりも大きい。関係Bは例えば、関係B1~B16を含む。
【0101】
関係A1では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度、閉鎖シール部300のシール強度、および、案内シール部400のシール強度の順位は1番である。
【0102】
関係A2では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度および案内シール部400のシール強度の順位は1番である。閉鎖シール部300のシール強度の順位は2番である。
【0103】
関係A3では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度および閉鎖シール部300のシール強度の順位は1番である。案内シール部400のシール強度の順位は2番である。
【0104】
関係A4では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度の順位は1番である。閉鎖シール部300のシール強度および案内シール部400のシール強度の順位は2番である。
【0105】
関係A5では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度の順位は1番である。案内シール部400のシール強度の順位は2番である。閉鎖シール部300のシール強度の順位は3番である。
【0106】
関係A6では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度の順位は1番である。閉鎖シール部300のシール強度の順位は2番である。案内シール部400のシール強度の順位は3番である。
【0107】
関係A7では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。案内シール部400のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度および閉鎖シール部300のシール強度の順位は2番である。
【0108】
関係A8では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。案内シール部400のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度の順位は2番である。閉鎖シール部300のシール強度の順位は3番である。
【0109】
関係B1では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度、案内シール部400のシール強度、および、基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。剥離予定部320のシール強度の順位は2番である。
【0110】
関係B2では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度および案内シール部400のシール強度の順位は1番である。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は2番である。剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0111】
関係B3では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度および基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。案内シール部400のシール強度および剥離予定部320のシール強度の順位は2番である。
【0112】
関係B4では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度および基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。案内シール部400のシール強度の順位は2番である。剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0113】
関係B5では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度の順位は1番である。基礎閉鎖部310のシール強度および案内シール部400のシール強度の順位は2番である。剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0114】
関係B6では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度の順位は1番である。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は2番である。案内シール部400のシール強度の順位は3番である。剥離予定部320のシール強度の順位は4番である。
【0115】
関係B7では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度および基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。剥離予定部320のシール強度の順位は2番である。案内シール部400のシール強度の順位は3番である。
【0116】
関係B8では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。外周シール部200のシール強度の順位は1番である。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は2番である。案内シール部400のシール強度および剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0117】
関係B9では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。案内シール部400のシール強度および基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度および剥離予定部320のシール強度の順位は2番である。
【0118】
関係B10では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。案内シール部400のシール強度および基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度の順位は2番である。剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0119】
関係B11では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。案内シール部400のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度および基礎閉鎖部310のシール強度の順位は2番である。剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0120】
関係B12では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。案内シール部400のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度の順位は2番である。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は3番である。剥離予定部320のシール強度の順位は4番である。
【0121】
関係B13では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度、案内シール部400のシール強度、および、剥離予定部320のシール強度の順位は2番である。
【0122】
関係B14では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度および案内シール部400のシール強度の順位は2番である。剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0123】
関係B15では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度の順位は2番である。案内シール部400のシール強度および剥離予定部320のシール強度の順位は3番である。
【0124】
関係B16では、各シール部200、300、400のシール強度は次の関係を有する。基礎閉鎖部310のシール強度の順位は1番である。外周シール部200のシール強度の順位は2番である。案内シール部400のシール強度の順位は3番である。剥離予定部320のシール強度の順位は4番である。
【0125】
外周シール部200のシール強度は例えば、第1所定範囲から選択される。第1所定範囲について例示する。第1例では、第1所定範囲は1N/15mm~150N/15mmである。第2例では、第1所定範囲は2N/15mm~100N/15mmである。第3例では、第1所定範囲は5N/15mm~50N/15mmである。
【0126】
関係Aにおける閉鎖シール部300のシール強度は例えば、第2所定範囲から選択される。第2所定範囲について例示する。第1例では、第2所定範囲は1N/15mm~150N/15mmである。第2例では、第2所定範囲は2N/15mm~100N/15mmである。第3例では、第2所定範囲は5N/15mm~50N/15mmである。
【0127】
関係Bにおける基礎閉鎖部310のシール強度は例えば、第3所定範囲から選択される。第3所定範囲について例示する。第1例では、第3所定範囲は1N/15mm~150N/15mmである。第2例では、第3所定範囲は2N/15mm~100N/15mmである。第3例では、第3所定範囲は5N/15mm~50N/15mmである。
【0128】
関係Bにおける剥離予定部320のシール強度は例えば、第4所定範囲から選択される。第4所定範囲について例示する。第1例では、第4所定範囲は0.1N/15mm~100N/15mmである。第2例では、第4所定範囲は0.2N/15mm~50N/15mmである。第3例では、第4所定範囲は0.5N/15mm~5N/15mmである。
【0129】
案内シール部400のシール強度は例えば、第5所定範囲から選択される。第5所定範囲について例示する。第1例では、第5所定範囲は1N/15mm~150N/15mmである。第2例では、第5所定範囲は2N/15mm~100N/15mmである。第3例では、第5所定範囲は5N/15mm~50N/15mmである。
【0130】
(外縁および内縁)
図1および
図5を参照する。シール部100は例えば、外縁Pを含む。外縁Pはパウチ10の外部に面する。外縁Pは例えば、外周シール部200に設けられる外縁P20を含む。外縁P20は例えば、外縁P21~P24を含む。
【0131】
外縁P21は第1側部シール部211に設けられる。外縁P21は縦方向に延長する。外縁P22は第2側部シール部212に設けられる。外縁P22は縦方向に延長する。外縁P23は上部シール部220に設けられる。外縁P23は横方向に延長する。外縁P24は下部シール部230に設けられる。外縁P24は横方向に延長する。
【0132】
シール部100は例えば、内縁Qを含む。内縁Qはシール部100と内部空間30との境界を規定する。内縁Qは例えば、外周シール部200に設けられる内縁Q20を含む。内縁Q20は例えば、内縁Q21~Q24を含む。
【0133】
内縁Q21は第1側部シール部211に設けられる。内縁Q21は内部空間30と第1側部シール部211との境界を規定する。内縁Q21は縦方向に延長する。
【0134】
内縁Q22は第2側部シール部212に設けられる。内縁Q22は内部空間30と第2側部シール部212との境界を規定する。内縁Q22は縦方向に延長する。
【0135】
内縁Q23は上部シール部220に設けられる。内縁Q23は内部空間30と上部シール部220との境界を規定する。内縁Q23は横方向に延長する。
【0136】
内縁Q24は下部シール部230に設けられる。内縁Q24は内部空間30と下部シール部230との境界を規定する。内縁Q24は横方向に延長する。
【0137】
内縁Qは例えば、閉鎖シール部300に設けられる内縁Q30を含む。内縁Q30は例えば、内縁Q31~Q34を含む。
【0138】
内縁Q31は第1基礎閉鎖部311に設けられる。内縁Q31は横方向に延長する。内縁Q31は例えば、第1内縁Q31Aおよび第2内縁Q31Bを含む。第1内縁Q31Aは第1基礎閉鎖部311と収容室31との境界を規定する。第2内縁Q31Bは第1基礎閉鎖部311と案内室32との境界を規定する。
【0139】
内縁Q32は第2基礎閉鎖部312に設けられる。内縁Q32は横方向に延長する。内縁Q32は例えば、第1内縁Q32Aおよび第2内縁Q32Bを含む。第1内縁Q32Aは第2基礎閉鎖部312と収容室31との境界を規定する。第2内縁Q32Bは第2基礎閉鎖部312と案内室32との境界を規定する。
【0140】
内縁Q33は剥離予定部320に設けられる。内縁Q33は例えば、第1内縁Q33Aおよび第2内縁Q33Bを含む。第1内縁Q33Aは剥離予定部320と収容室31との境界を規定する。第2内縁Q32Bは剥離予定部320と案内室32または連通路33との境界を規定する。図示される例では、第2内縁Q32Bは剥離予定部320と連通路33との境界を規定する。
【0141】
剥離予定部320が剥離している場合、内縁Q30は例えば、内縁Q34を含む。内縁Q34は基礎閉鎖部310に設けられる。内縁Q34は例えば、第1内縁Q34Aおよび第2内縁Q34Bを含む。第1内縁Q34Aは第1基礎閉鎖部311と連通路33との境界を規定する。第2内縁Q34Bは第2基礎閉鎖部312と連通路33との境界を規定する。
【0142】
剥離予定部320が剥離している場合、内縁Q30は例えば、内縁Q35を含む。内縁Q35は基礎閉鎖部310に設けられる。内縁Q35は例えば、第1内縁Q35Aおよび第2内縁Q35Bを含む。
【0143】
第1内縁Q35Aは第1基礎閉鎖部311の第2内縁Q31Bと第1内縁Q34Aとの境界に相当する。第1内縁Q35Aは連通路出口33Bの第1縁33B1を規定する。第1内縁Q35Aは横方向に関する連通路33の中心に対して第1横方向に位置する。
【0144】
第2内縁Q35Bは第2基礎閉鎖部312の第2内縁Q32Bと第2内縁Q34Bとの境界に相当する。第2内縁Q35Bは連通路出口33Bの第2縁33B2を規定する。第2内縁Q35Bは横方向に関する連通路33の中心に対して第2横方向に位置する。
【0145】
内縁Qは例えば、案内シール部400に設けられる内縁Q40を含む。内縁Q40は例えば、内縁Q41~Q45を含む。
【0146】
内縁Q41は第1基礎案内部411に設けられる。内縁Q41は第1基礎案内部411、中間基礎案内部413、および、第2基礎案内部412と案内室32の横通路32Aとの境界を規定する。内縁Q41は横方向に平行である。
【0147】
内縁Q42は第1基礎案内部411と拡張部430との境界を規定する。内縁Q42は処理後の角の縁の一例に相当する。内縁Q42は第1横方向に進むにつれて閉鎖シール部300から離れるように横方向または縦方向に対して傾斜する。
図13に示される2点鎖線は内縁Q42に対応する。
【0148】
内縁Q43は第1基礎案内部411と案内室32の縦通路32Bとの境界を規定する。内縁Q43は縦方向に平行である。
【0149】
内縁Qは例えば、流出口41を規定する内縁Q50を含む。内縁Q50は例えば、第1内縁Q51および第2内縁Q52を含む。流出口41は第1内縁Q51と第2内縁Q52との間に位置する。
【0150】
第1内縁Q51は第1側部シール部211に設けられる。第1内縁Q51は内縁Q21の一部に相当する。第1内縁Q51は流出口41の第1縁41Aを規定する。第1内縁Q51は横方向に関する流出口41の中心に対して第1横方向に位置する。
【0151】
第2内縁Q52は第1基礎案内部411に設けられる。第2内縁Q52は内縁Q43の一部に相当する。第2内縁Q52は流出口41の第2縁41Bを規定する。第2内縁Q52は横方向に関する流出口41の中心に対して第2横方向に位置する。
【0152】
(障害部)
図6~
図11を参照する。障害部420は例えば、所定構成要件を満たすように構成される。所定構成要件が満たされる場合、内容物Cに関する連通路33から流出口41に向かう直線的な流れが障害部420により妨げられやすくなる。
【0153】
所定構成要件は例えば、流出口41と連通路出口33Bとの間に規定される少なくとも1つの仮想の直線通路(以下「仮想通路LP」という)に重なる部分を含むように障害部420が構成されることである。
【0154】
所定構成要件の例として、第1例~第6例が挙げられる。障害部420は第1例~第6例の所定構成要件のうちの少なくとも1つを満たすように構成される。一例では、障害部420は第1例~第6例の所定構成要件のうちの全部を満たすように構成される。
【0155】
図6を参照する。流出口41の第1縁41Aを規定する第1内縁Q51、および、連通路出口33Bの第1縁33B1を規定する第1内縁Q35Aを通過する直線を「基準直線L11」と称する。流出口41の第1縁41Aを規定する第1内縁Q51と、連通路出口33Bの第2縁33B2を規定する第2内縁Q35Bとを通過する直線を「基準直線L12」と称する。
【0156】
第1例の所定構成要件では、障害部420は複数の仮想通路LPと重なるように構成される。複数の仮想通路LPは第1の仮想通路LPおよび第2の仮想通路LPを含む。第1の仮想通路LPは基準直線L11である。第2の仮想通路LPは基準直線L12である。
【0157】
図7を参照する。流出口41の第2縁41Bを規定する第2内縁Q52、および、連通路出口33Bの第2縁33B2を規定する第2内縁Q35Bを通過する直線を「基準直線L21」と称する。流出口41の第2縁41Bを規定する第2内縁Q52と、連通路出口33Bの第1縁33B1を規定する第1内縁Q35Aとを通過する直線を「基準直線L22」と称する。
【0158】
第2例の所定構成要件では、障害部420は複数の仮想通路LPと重なるように構成される。複数の仮想通路LPは第3の仮想通路LPおよび第4の仮想通路LPを含む。第3の仮想通路LPは基準直線L21である。第4の仮想通路LPは基準直線L22である。
【0159】
図8を参照する。流出口41の第2縁41Bを規定する第2内縁Q52を通過し、基準直線L11に平行な直線を「関連直線L1PA」と称する。
【0160】
第3例の所定構成要件では、障害部420は1つの仮想通路LPと重なるように構成される。1つの仮想通路LPは基準直線L11と関連直線L1PAとの間の通路である。
【0161】
図9を参照する。流出口41の第1縁41Aを規定する第1内縁Q51を通過し、基準直線L21に平行な直線を「関連直線L2PA」と称する。
【0162】
第4例の所定構成要件では、障害部420は1つの仮想通路LPと重なるように構成される。1つの仮想通路LPは基準直線L21と関連直線L2PAとの間の通路である。
【0163】
図10を参照する。連通路出口33Bの第2縁33B2を規定する第2内縁Q35Bを通過し、基準直線L11に平行な直線を「関連直線L1PB」と称する。
【0164】
第5例の所定構成要件では、障害部420は1つの仮想通路LPと重なるように構成される。1つの仮想通路LPは基準直線L11と関連直線L1PBとの間の通路である。
【0165】
図11を参照する。連通路出口33Bの第1縁33B1を規定する第1内縁Q35Aを通過し、基準直線L21に平行な直線を「関連直線L2PB」と称する。
【0166】
第6例の所定構成要件では、障害部420は1つの仮想通路LPと重なるように構成される。1つの仮想通路LPは基準直線L21と関連直線L2PBとの間の通路である。
【0167】
(製造方法)
図1および
図2を参照する。パウチ10の製造方法は例えば、基礎工程、第1シール工程、第2シール工程、第3シール工程、供給工程、および、第4シール工程を含む。第1シール工程は基礎工程の次に実施される。第2シール工程は第1シール工程の次に実施される。第3シール工程は第2シール工程の次に実施される。供給工程は第3シール工程の次に実施される。第4シール工程は供給工程の次に実施される。
【0168】
基礎工程では、第1シート要素21および第2シート要素22が重ね合わせられる。
【0169】
第1シール工程では、ヒートシール装置により閉鎖シール部300が形成される。ヒートシール装置のシール温度は例えば、第1温度範囲に含まれる。
【0170】
第2シール工程では、ヒートシール装置により外周シール部200の第1側部シール部211、第2側部シール部212、および、上部シール部220が形成される。ヒートシール装置のシール温度は例えば、第2温度範囲に含まれる。
【0171】
第3シール工程では、ヒートシール装置により案内シール部400が形成される。ヒートシール装置のシール温度は例えば、第2温度範囲に含まれる。
【0172】
供給工程では、供給装置のノズルがパウチ10の供給口10Sに挿入される。ノズルから収容室31に所定量の内容物Cが供給される。供給された内容物Cは収容室31に滞留する。
【0173】
第4シール工程では、ヒートシール装置により外周シール部200の下部シール部230が形成される。ヒートシール装置のシール温度は例えば、第2温度範囲に含まれる。閉鎖工程により収容状態のパウチ10が製造される。
【0174】
加工工程では、ミシン目加工機によりパウチ10に分離補助部50の切取線51が形成される。
【0175】
(使用方法)
図3および
図4を参照する。パウチ10の使用方法は例えば、分離工程、剥離工程、および、押出工程を含む。剥離工程は分離工程の次に行われる。押出工程は剥離工程の次に行われる。
【0176】
分離工程では、切取線51に沿ってシート20が切断される。分離予定部12が主要部11から分離される。流出口41が開放される。
【0177】
剥離工程では、収容室31に滞留する内容物Cが手を用いて圧縮される。剥離予定部320にかかる圧力の増加により剥離予定部320の第1内縁Q33Aに剥離が生じる。
【0178】
剥離予定部320に生じた剥離が剥離予定部320の第2内縁Q33Bに向けて進行する。剥離予定部320の剥離が第2内縁Q33Bまで進行することにより、パウチ10の状態が連通状態に移行する。収容室31と案内室32とが連通路33によりつながる。
【0179】
押出工程では、収容室31または案内室32の内容物Cが流出口41からパウチ10の外部に流出するように手を用いて圧縮される。圧縮にともない内容物Cが流出口41からパウチ10の外部に流出する。
【0180】
(第2実施形態)
図12を参照する。本実施形態のパウチ10は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のパウチ10は前提の実施形態と共通する構成を含む。以下の説明には、本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10との主な相違点が示される。本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0181】
閉鎖部221および分離補助部50が省略される。流出口41はシート20の外縁に形成される。
【0182】
(第3実施形態)
図13を参照する。本実施形態のパウチ10は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のパウチ10は前提の実施形態と共通する構成を含む。以下の説明には、本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10との主な相違点が示される。本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0183】
シール部100は前提の実施形態に例示される基準の案内シール部400を含む。第1基礎案内部411および障害部420の範囲が拡張される。
【0184】
(第4実施形態)
図14を参照する。本実施形態のパウチ10は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のパウチ10は前提の実施形態と共通する構成を含む。以下の説明には、本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10との主な相違点が示される。本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0185】
案内シール部400は上部シール部220から離れて構成される。案内シール部400の内縁Q40は内縁Q44を含む。内縁Q44は基礎案内部410に設けられる。内縁Q44は上部シール部220に対向する。
【0186】
内縁Q44の位置について例示する。第1例では、内縁Q44は主要部11に設けられる。内縁Q44は切取線51に対して下方向に位置する。第2例では、内縁Q44は分離予定部12に設けられる。内縁Q44は切取線51に対して上方向に位置する。第3例では、内縁Q44は切取線51に重なるように主要部11または分離予定部12に設けられる。
図15には、第1例に対応する案内シール部400の一例が示される。
【0187】
(第5実施形態)
図15を参照する。本実施形態のパウチ10は第1実施形態を前提に構成される。本実施形態のパウチ10は前提の実施形態と共通する構成を含む。以下の説明には、本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10との主な相違点が示される。本実施形態のパウチ10における前提の実施形態のパウチ10と共通する構成に関する説明の一部または全部は省略される。
【0188】
案内シール部400は内縁Q40の形状に沿うように線状のシール部として構成される。案内シール部400と上部シール部220および第2側部シール部212との間には、未シール部が設けられる。
【0189】
(効果)
パウチ10により得られる効果を以下に例示する。
【0190】
一例では、パウチ10はシート20、流出部40、および、シール部100を備える。流出部40は内容物Cを外部に流出させる流出口41を含む。シート20は収容室31、案内室32、および、連通路33を含む内部空間30を形成する。収容室31は内容物Cが収容される。案内室32は内容物Cを流出部40に案内する。連通路33は収容室31と案内室32とをつなげる。シール部100はシート20を接着する。シール部100は閉鎖シール部300および案内シール部400を含む。閉鎖シール部300は剥離予定部320を含む。剥離予定部320は連通路33を閉鎖し、圧力がかかることにより剥離するように構成される。案内シール部400は内容物Cに関する連通路33から流出口41に向かう直線的な流れを妨げるように連通路33と流出口41との間に設けられる。
【0191】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。パウチ10から内容物Cを取り出す場合、収容室31に滞留する内容物Cが圧縮される。剥離予定部320にかかる圧力の増加により剥離予定部320が剥離し、収容室31が開放される。収容室31が開放された状態では、内容物Cは収容室31から流出口41に向けて移動し、流出口41からパウチ10の外部に流出する。
【0192】
案内シール部400が設けられるため、収容室31から案内室32に流出した内容物Cの勢いが弱められる。内容物Cが流出口41から強い勢いで流出する状況が生じにくくなる。このため、内容物Cが手または周囲の物に付着しにくくなる。なお、周囲の物の例として、机、椅子、床、および、食器等が挙げられる。
【0193】
一例では、シール部100は外周シール部200を含む。外周シール部200はシート20における内部空間30の周囲に対応する部分を接着する。閉鎖シール部300は収容室31と案内室32とを区画するように外周シール部200につながる。
【0194】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。閉鎖シール部300により収容室31と案内室32とが適切に区画される。
【0195】
一例では、案内室32は横通路32Aを含む。横通路32Aは閉鎖シール部300と案内シール部400との間に設けられ、パウチ10の横方向に延長する。連通路33は横通路32Aにつながる。
【0196】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。収容室31から案内室32に流出した内容物Cが横通路32Aを流通するため、案内室32を流れる内容物Cの勢いが弱められる。
【0197】
一例では、案内室32は縦通路32Bを含む。縦通路32Bは外周シール部200と案内シール部400との間に設けられ、パウチ10の縦方向に延長する。縦通路32Bは横通路32Aを流通した内容物Cを流出部40に案内する。
【0198】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。内容物Cが横通路32Aから縦通路32Bに移動する過程において内容物Cの流れの方向が変化するため、案内室32を流れる内容物Cの勢いが弱められる。
【0199】
一例では、案内室32は横通路32Aと縦通路32Bとをつなげる合流部32Cを含む。案内シール部400は合流部32Cに隣接する拡張部430を含む。拡張部430は案内シール部400の角に設けられる未シール部である。
【0200】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。横通路32Aを流通する内容物Cが拡張部430を通過して縦通路32Bに移動できるため、内容物Cに関する横通路32Aから縦通路32Bに向かうスムーズな流れが形成されやすくなる。
【0201】
一例では、剥離予定部320のシール強度は外周シール部200のシール強度よりも小さい。
【0202】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。内容物Cが圧縮された場合、剥離予定部320が剥離しやすくなる。
【0203】
一例では、外周シール部200は流出口41を閉鎖する閉鎖部221を含む。
【0204】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。閉鎖部221が流出口41を閉鎖した状態では、剥離予定部320が剥離しても内容物Cが流出口41から流出しない。
【0205】
一例では、連通路33は案内室32につながる連通路出口33Bを含む。案内シール部400は流出口41と連通路出口33Bとの間に規定される仮想の直線通路に重なる部分を含むように構成される。
【0206】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。内容物Cに関する連通路33から流出口41に向かう直線的な流れが適切に妨げられる。
【0207】
一例では、剥離予定部320は収容室31に向けて突出する突出部321を含む。
【0208】
上記構成によれば、例えば次のような効果が得られる。内容物Cが圧縮された場合、剥離予定部320が剥離しやすくなる。
【0209】
(実施例)
図17を参照する。
図17には、パウチ10の特性を測定する測定試験の結果の一例が示される。測定試験では、9種類の試料が用いられた。第1~第4試料の構成は第1実施形態のパウチ10の構成に準じる。第5~第8試料の構成は第2実施形態のパウチ10の構成に準じる。
【0210】
図16には、第9試料の構成が示される。第9試料は比較例の試料である。第9試料について、各実施形態と共通する事項には同様の符号が付される。第9試料における外周シール部200の構成は第1実施形態の外周シール部200の構成に準じる。
【0211】
切取線51は横方向または縦方向に対して傾斜する。切取線51は第1側部シール部211の外縁P21から上部シール部220の外縁P23までの範囲に設けられる。
【0212】
各試料における内容物Cは調味料である。内容物Cの重量は例えば、1g~100gの範囲から選択される。選択された内容物Cの重量は20gである。
【0213】
横方向に関するパウチ10の寸法を「横長さ」と称する。一例として、横方向に関する外縁P21と外縁P22との距離を横長さとして規定した。横長さは例えば、20mm~150mmの範囲から選択される。選択された横長さは70mmである。
【0214】
縦方向に関するパウチ10の寸法を「縦長さ」と称する。一例として、縦方向に関する外縁P23と外縁P24との距離を縦長さとして規定した。縦長さは例えば、40mm~150mmの範囲から選択される。選択された縦長さは100mmである。
【0215】
パウチ10における閉鎖シール部300よりも上方向に位置する部分について、縦方向に関する寸法を「上部縦長さ」と称する。一例として、縦方向に関する第2内縁Q31Bと外縁P23との距離を上部縦長さとして規定した。上部縦長さは例えば、20mm~130mmの範囲から選択される。選択された上部縦長さは30mmである。
【0216】
試料のシート20は次のように構成される。シート20は外層、接着層、および、内層を含む。外層は2軸延伸ナイロンフィルムである。外層の厚さは例えば、5μm~100μmの範囲から選択される。選択された外層の厚さは15μmである。
【0217】
内層は多層ポリエチレンフィルムである(ユニクレスト、MS-615C;出光ユニテック株式会社)。内層の厚さは例えば、10μm~200μmの範囲から選択される。選択された内層の厚さは50μmである。
【0218】
試料に関する因子は4種類である。4種類の因子の内容は外周シール部200のシール強度、案内シール部400のシール強度、基礎閉鎖部310のシール強度、および、剥離予定部320のシール強度である。
【0219】
案内シール部400のシール強度は外周シール部200のシール強度と同じ強度に設定された。
図17の第1シール強度は外周シール部200のシール強度および案内シール部400のシール強度を示す。
図17の第2シール強度は基礎閉鎖部310のシール強度を示す。
図17の第3シール強度は剥離予定部320のシール強度を示す。
【0220】
外周シール部200のシール強度および案内シール部400のシール強度に関する水準は2水準である。2水準の内容は8.0N/15mm、2.5N/15mmである。
【0221】
基礎閉鎖部310のシール強度に関する水準は4水準である。2水準の内容は8.0N/15mm、6.0N/15mm、2.5N/15mm、0.5N/15mmである。
【0222】
剥離予定部320のシール強度に関する水準は3水準である。2水準の内容は6.0N/15mm、2.5N/15mm、0.5N/15mmである。
【0223】
シール強度8.0N/15mmに対応するシール条件は次のように設定される。シール温度は160℃である。ヒートシール時の圧力は0.2Mpaである。ヒートシールの時間は1秒である。
【0224】
シール強度6.0N/15mmに対応するシール条件は次のように設定される。シール温度は160℃である。ヒートシール時の圧力は0.2Mpaである。ヒートシールの時間は1秒である。
【0225】
シール強度2.5N/15mmに対応するシール条件は次のように設定される。シール温度は100℃である。ヒートシール時の圧力は0.2Mpaである。ヒートシールの時間は2秒である。
【0226】
シール強度0.5N/15mmに対応するシール条件は次のように設定される。シール温度は90℃である。ヒートシール時の圧力は0.2Mpaである。ヒートシールの時間は1秒である。
【0227】
測定試験における測定項目の評価方法は官能評価である。測定試験における測定項目は3種類である。3種類の内容は剥離性、初期不着性、および、押出安定性である。
【0228】
剥離性は剥離予定部320が剥離するようにパウチ10が圧縮された場合、剥離予定部320が容易に剥離したか否かを表す。剥離予定部320が容易に剥離した場合、評価は「A」である。剥離予定部320が容易に剥離しない場合、評価は「B」である。
【0229】
初期不着性はパウチ10から最初に流出した内容物Cが手または周囲の物に付着したか否かを表す。パウチ10から最初に流出した内容物Cが手または周囲の物に付着しない場合、評価は「A」である。パウチ10から最初に流出した内容物Cが手または周囲の物に付着した場合、評価は「B」である。
【0230】
押出安定性はパウチ10からの内容物Cの流出量が増加するようにパウチ10が圧縮された場合に、内容物Cが緩やかに流出したか否かを表す。パウチ10の圧縮にともない内容物Cが緩やかに流出する場合、評価は「A」である。パウチ10の圧縮にともない内容物Cが強い勢いで流出する場合、評価は「B」である。
【0231】
評価者の数は10人である。個々の測定項目について、評価者の全員により「A」と評価された場合、その測定項目に関する最終的な測定結果は「A」と評価される。個々の測定項目について、評価者の1人以上により「B」と評価された場合、その測定項目に関する最終的な測定結果は「B」と評価される。
【0232】
なお、本発明に関するパウチが取り得る形態は各実施形態に記載の説明に制限されない。本発明に関するパウチは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例として、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態が挙げられる。
【符号の説明】
【0233】
10 :パウチ
30 :内部空間
31 :収容室
32 :案内室
33 :連通路
40 :流出部
41 :流出口
200:外周シール部
300:閉鎖シール部
320:剥離予定部
400:案内シール部
C :内容物