(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087416
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】通行処理システム、通行処理装置、通行処理方法、及び通行処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230616BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
G07B15/00 510
G07B15/00 M
G08G1/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201777
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】本間 克則
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA16
3E127CA13
3E127CA17
3E127CA20
3E127CA39
3E127DA11
3E127DA16
3E127EA03
3E127FA08
3E127FA20
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC04
5H181DD10
5H181EE07
5H181EE10
(57)【要約】
【課題】ETC専用料金所で係員を介さず非ETC車に対する処理を行うこと。
【解決手段】実施形態に係る通行処理システムであって、入口路側機と、入口路側機と通信可能な中央サーバと、を備え、入口路側機は、入口料金所に進入する車両の検知に基づき、車両の車載器に信号を送るETCアンテナと、信号に対する応答が有るかどうかを判定し、応答が無かった場合、車両の運転者の運転免許証情報を取得する入口路側機制御部と、運転免許証情報を中央サーバに送信し、送信に対する応答情報を受信する入口路側機通信部と、応答情報に基づいて車両の運転者に通行券を発行する入口処理機と、を備え、中央サーバは、不正通行データベースを記憶する記憶部と、運転免許証情報が不正通行データベースに含まれるかどうかを判定する中央サーバ制御部と、判定した結果を含む応答情報を送信する中央サーバ通信部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口料金所に設置された入口路側機と、
前記入口路側機と通信可能な中央サーバと、
を備え、前記入口路側機は、
前記入口料金所に進入する車両の検知に基づき、前記車両の車載器に信号を送るETCアンテナと、
前記信号に対する応答が有るかどうかを判定し、前記応答が無かった場合、前記車両の運転者の運転免許証情報を取得する入口路側機制御部と、
前記運転免許証情報を前記中央サーバに送信し、前記送信に対する応答情報を受信する入口路側機通信部と、
前記応答情報に基づいて前記車両の運転者に通行券を発行する入口処理機と、
を備え、
前記中央サーバは、
過去に不正通行した運転者についての情報を含む不正通行データベースを記憶する記憶部と、
前記運転免許証情報が前記記憶部に記憶された不正通行データベースに含まれるかどうかを判定する中央サーバ制御部と、
前記判定した結果を含む前記応答情報を送信する中央サーバ通信部と、
を備える、
通行処理システム。
【請求項2】
前記判定した結果が前記不正通行データベースに前記運転免許証情報を含んでいなかったことを示す場合、前記入口処理機は、前記車両の運転者に通行券を発行する、
請求項1に記載の通行処理システム。
【請求項3】
前記判定した結果が前記不正通行データベースに前記運転免許証情報を含んでいたことを示す場合、前記入口路側機制御部は、入口料金所の係員に対応させるための係員対応信号を出力する、請求項1に記載の通行処理システム。
【請求項4】
前記入口路側機は、前記車両のナンバープレート情報を取得する入口路側機ナンバープレート識別装置をさらに備え、
前記入口路側機通信部は、ナンバープレートデータベース取得要求を前記中央サーバに送信し、前記ナンバープレートデータベース取得要求の送信に応じてナンバープレートデータベースを受信し、
前記入口路側機制御部は、前記ナンバープレート情報を前記ナンバープレートデータベースと照合し、前記照合が一致する場合、係員対応信号を出力する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通行処理システム。
【請求項5】
前記入口処理機は、前記車両のナンバープレート情報を取得する入口路側機ナンバープレート識別装置をさらに備え、
前記入口路側機通信部は、前記ナンバープレート情報を前記中央サーバに送信し、前記送信に応じた照合結果を受信し、
前記照合結果が一致を示す場合、前記入口路側機制御部は、係員対応信号を出力し、
前記中央サーバ制御部は、前記ナンバープレート情報が前記不正通行データベースに含まれるナンバープレートに一致するかどうかを照合して前記照合結果を出力し、
前記中央サーバ通信部は、前記照合結果を入口路側機に送信する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通行処理システム。
【請求項6】
前記車載器からの応答が有った場合、前記ETCアンテナは、前記応答が通信エラーかどうか判定し、前記通信エラーであると判定した場合、車載器情報を取得する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通行処理システム。
【請求項7】
前記車載器情報は、前記車両の車高を含み、前記入口路側機制御部は、前記車高に基づいて前記通行券を発行する位置を前記入口処理機に指示する、請求項6に記載の通行処理システム。
【請求項8】
前記入口路側機は、前記車両のナンバープレート情報を取得する入口路側機ナンバープレート識別装置をさらに備え、
前記入口路側機通信部は、前記運転免許証情報、前記ナンバープレート情報、前記入口料金所を識別する入口料金所識別情報を含む入口料金所情報を前記中央サーバ4に送信し、
前記中央サーバ制御部は、前記入口料金所情報を前記記憶部に記憶させる、請求項1に記載の通行処理システム。
【請求項9】
出口料金所に設置された出口路側機をさらに備え、
前記出口路側機は、
前記車両のナンバープレート情報を取得する出口路側機ナンバープレート識別装置と、
前記出口路側機は、前記通行券によって通行料金を徴収するための料金自動収受機と、
前記通行料金を徴収した後、前記ナンバープレート情報を含む入口料金所情報削除要求を前記中央サーバに送信する出口路側機通信部と、
を備え、
前記中央サーバ制御部は、前記入口料金所情報削除要求に基づいて記憶部に記憶された前記入口料金所情報を削除する、請求項8に記載の通行処理システム。
【請求項10】
入口料金所に設置された通行処理装置であって、
前記入口料金所に進入する車両の検知に基づき、前記車両の車載器に信号を送るETCアンテナと、
前記信号に対する応答が有るかどうかを判定し、前記応答が無かった場合、前記車両の運転者の運転免許証情報を取得する入口路側機制御部と、
前記運転免許証情報を中央サーバに送信し、前記送信に対する応答情報を受信する入口路側機通信部と、
前記応答情報に基づいて前記車両の運転者に通行券を発行する入口処理機と、
を備える、通行処理装置。
【請求項11】
入口料金所に設置された通行処理装置が備えるプロセッサが実行する通行処理方法であって、
前記入口料金所に進入する車両の検知に基づき、前記車両の車載器に信号を送ることと、
前記信号に対する応答が有るかどうかを判定することと、
前記応答が無かった場合、前記車両の運転者の運転免許証情報を取得することと、
前記運転免許証情報を中央サーバに送信し、前記送信に対する応答情報を受信することと、
前記応答情報に基づいて前記車両の運転者に通行券を発行することと、
を備える、通行処理方法。
【請求項12】
入口料金所に設置された通行処理装置が備えるプロセッサが実行する通行処理プログラムであって、
前記入口料金所に進入する車両の検知に基づき、前記車両の車載器に信号を送る処理と、
前記信号に対する応答が有るかどうかを判定する処理と、
前記応答が無かった場合、前記車両の運転者の運転免許証情報を取得する処理と、
前記運転免許証情報を中央サーバに送信し、前記送信に対する応答情報を受信する処理と、
前記応答情報に基づいて前記車両の運転者に通行券を発行する処理と、
を備える、通行処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通行処理システム、通行処理装置、通行処理方法、及び通行処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、有料道路の料金所において、ETC(Electronic Toll Collection)専用車線と、ETC・一般(ETC車載器未搭載車用)車線が混在する。しかしながら、省人化等を目的として将来的にはETC専用車線のみの料金所にすることが考えられている。
【0003】
現在のシステムでETC専用車線のみにした場合、料金所にETC車載器未搭載車両又はETCカードが挿入されていない或いはETCカードが誤挿入されたETC車載器搭載車両(以下では、単に非ETC車と称する)は、通行ができない。そこで、非ETC車に対して料金所の係員によって何らかの対応が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-141589号公報
【特許文献2】特開2008-102878号公報
【特許文献3】特開2021-092850号公報
【特許文献4】特開2015-153170号公報
【特許文献5】特開2002-342800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ETC専用車線のみが設置された料金所(以下では、ETC専用料金所と称する)に非ETC車が進入してきた場合、処理が終了するまで後続の車両は、ETC専用車線を通過することができないという問題が有る。
【0006】
また、非ETC車がETC専用料金所に進入してきた際、都度係員による対応が必要となり、省人化ができないという問題が有る。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、非ETC車がETC専用料金所に誤進入してきたとしても、係員を介さず非ETC車に対する処理を行う技術を提供することにある。また、非ETC車が過去に不正通行したことが有る場合に、料金所で停止させるための技術も提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る有料道路システムは、入口料金所に設置された入口路側機と、前記入口路側機と通信可能な中央サーバと、を備え、前記入口路側機は、前記入口料金所に進入する車両の検知に基づき、前記車両の車載器に信号を送るETCアンテナと、前記信号に対する応答が有るかどうかを判定し、前記応答が無かった場合、前記車両の運転者の運転免許証情報を取得する入口路側機制御部と、前記運転免許証情報を前記中央サーバに送信し、前記送信に対する応答情報を受信する入口路側機通信部と、前記応答情報に基づいて前記車両の運転者に通行券を発行する入口処理機と、を備え、前記中央サーバは、過去に不正通行した運転者についての情報を含む不正通行データベースを記憶する記憶部と、前記運転免許証情報が前記記憶部に記憶された不正通行データベースに含まれるかどうかを判定する中央サーバ制御部と、前記判定した結果を含む前記応答情報を送信する中央サーバ通信部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る通行処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る入口路側機の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、入口路側機が設置された車線の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、入口料金所の一例を示した図である。
【
図5】
図5は、出力部及び入力部の設置例を示した図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る出口路側機の構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、出口路側機が設置された車線の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、車線サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、中央サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、車載器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図11A】
図11Aは、
図1に示される通行処理システムにおける通行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図11B】
図11Bは、
図1に示される通行処理システムにおける通行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図12A】
図12Aは、
図1に示される通行処理システムにおける通行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図12B】
図12Bは、
図1に示される通行処理システムにおける通行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら通行処理システム、通行処理装置、通行処理方法、及び通行処理プログラムについて詳細に説明する。なお、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0011】
(構成)
図1は、実施形態に係る通行処理システムの概略構成の一例を示す図である。
通行処理システムは、入口路側機1と、出口路側機2と、入口車線サーバ3Aと、出口車線サーバ3Bと、中央サーバ4と、を備える。
【0012】
通行処理装置である入口路側機1は、有料道路の料金所の各車線に配置される。そして、入口路側機1は、入口車線サーバ3Aと接続され、各種情報を取得することが可能である。
【0013】
出口路側機2は、出口料金の複数の車線のうちの少なくとも1つに配置される。そして、出口路側機2は、出口車線サーバ3Bと接続され、各種情報を取得することが可能である。なお、図では示していないが、出口料金所の他の車線は、ETC専用車線であり、ETC専用車線用の路側機が設置されるものとする。
【0014】
入口車線サーバ3Aは、入口料金所を管理する管理室等に設置される。そして、入口車線サーバ3Aは、中央サーバ4と接続され、入口路側機1から受信した各種情報を中央サーバ4に送信する。
【0015】
出口車線サーバ3Bは、出口料金所を管理する管理室等に設置される。そして、出口車線サーバ3Bは、中央サーバ4と接続され、出口路側機2から受信した各種情報を中央サーバ4に送信する。
【0016】
ここで、料金所が入口及び出口料金所を有する場合、入口車線サーバ3A及び出口車線サーバ3Bは、単一の車線サーバであって良い。また、以下の説明において、入口車線サーバ3A及び出口車線サーバ3Bを区別する必要が無い場合、単に車線サーバ3と記載する。
【0017】
中央サーバ4は、有料道路を管理する事業者の管理室等の所定の場所に設置される。そして、中央サーバ4は、車線サーバ3を介して、各種情報を入口路側機1又は出口路側機2に送信することが可能である。
【0018】
図2は、実施形態に係る入口路側機1の構成例を示すブロック図である。
入口路側機1は、制御部11、記憶部12、入出力インタフェース13、通信インタフェース15、入口処理機131、車両検知器132、路側表示器133、ナンバープレート識別装置134、車線表示板135、信号灯136、ETCアンテナ137、リカバリーアンテナ138、監視カメラ139、及び発進制御機140等を備える。制御部11、記憶部12、入出力インタフェース13、及び通信インタフェース15は、バスを介して互いに接続可能に接続されている。また、入出力インタフェース13は、入口処理機131、車両検知器132、路側表示器133、ナンバープレート識別装置134、車線表示板135、信号灯136、ETCアンテナ137、リカバリーアンテナ138、監視カメラ139、及び発進制御機140と互いに通信可能に接続されている。
【0019】
制御部11は、記憶部12、入出力インタフェース13、通信インタフェース15、入口処理機131、車両検知器132、路側表示器133、ナンバープレート識別装置134、車線表示板135、信号灯136、ETCアンテナ137、リカバリーアンテナ138、監視カメラ139、及び発進制御機140の制御を司る制御ユニットである。
【0020】
入口路側機制御部である、制御部11は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)等のハードウェアプロッサを有する。CPUは、プログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、入出力インタフェース13等を介して入口路側機1を構成する各部に接続される。
【0021】
記憶部12は、記憶媒体である。記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部12は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OS(Operating System)やミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。例えば、記憶部12は、車線サーバ3を介して、中央サーバ4から送信された各種情報を記憶することが可能である。
【0022】
入出力インタフェース13は、入口処理機131、車両検知器132、路側表示器133、ナンバープレート識別装置134、車線表示板135、信号灯136、ETCアンテナ137、リカバリーアンテナ138、監視カメラ139、及び発進制御機140との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。例えば、入出力インタフェース13は、制御部11から出力された各種信号を各部に出力することが可能である。
【0023】
入口路側機通信部である、通信インタフェース15は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース15は、車線サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。また、通信インタフェース15は、中央サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含んでも良い。通信インタフェース15は、制御部11の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0024】
入口処理機131は、非ETC車の運転者が通行券を発行してもらう機器であり、車両50の高さに応じて発券位置を変えることができるように設計される。そして、入口処理機131は、上段カメラ1311A、上段モニタ1312A、上段免許証挿入口1313A、上段係員呼出し釦1314A、上段通行券発行口1315A、上段スピーカ1316A、下段カメラ1311B、下段モニタ1312B、下段免許証挿入口1313B、下段係員呼出し釦1314B、下段通行券発行口1315B、下段スピーカ1316Bを含む。これらの機器の詳細は後述する。
【0025】
車両検知器132は、車両50が料金所に接近してきたことを検知する。例えば、車両検知器132は、制御部11の制御の下、光を照射し、車両50等の物体で遮られた箇所を検知する。また、車両検知器132は、例えば、ループ式の車両検知器132であっても良い。ループ式の車両検知器132は、可能な料金所の各車線に進入する前の道路等に埋め込まれたループコイルを備え、車両50がループコイル上を通り過ぎる際のインダクタンスの変化に基づいて車両50を検知する。
【0026】
路側表示器133は、制御部11の制御の下、料金所を通行する車両50に乗車する運転者に対して案内等を表示する。路側表示器133は、料金所を通行する車両50に向けて設置される。
【0027】
ナンバープレート識別装置134は、カメラ等を備える。ナンバープレート識別装置134は、制御部11の制御の下、車両50の前後を撮影し、車両50の前後に配置されたナンバープレートからナンバープレート情報を識別する。ここで、ナンバープレート情報は、ナンバープレートに記載された情報であって良い。また、ナンバープレート識別装置134は、撮影される画像から車両50の運転者を識別しても良い。
【0028】
車線表示板135は、入口路側機1が設置された車線がETC専用であることを表示する。なお、車線表示板135は、ETC専用の料金所である場合、設置していなくとも良い。
【0029】
信号灯136は、車両50が車線を通行可能かどうか示す。例えば、車両50が通行可能である場合、青色が点灯し、車両50が通行不可である場合、赤が点灯する。
【0030】
ETCアンテナ137は、車両50に搭載する車載器5と無線通信する通信インタフェースを含む。ETCアンテナ137は、入口路側機1を通行しようと(すなわち有料道路に入場しようと)する車両50に搭載された車載器5と無線通信する。ETCアンテナ137は、車載器5と無線通信することにより、車載器5に挿入されたETCカードのカード番号であるカードID及び有効期限を含むETCカード情報を取得しても良い。なお、ETCアンテナ137は、車載器5との通信により、車載器5の車載器ID、車両50の車種、車幅、車高、ナンバープレート情報等を含む車載器情報を取得しても良いのは勿論である。
【0031】
リカバリーアンテナ138は、ETCアンテナ137で車載器5と通信できなかった場合に車載器5と再度接続を試み、車載器5と通信するために用いられる。また、ETCアンテナ137で通信することができたとしても、車載器5からETCカード情報が取得できなかった場合にもリカバリーアンテナ138を用いて、ETCカード情報を取得するために車載器5と通信しても良い。
【0032】
監視カメラ139は、制御部11の制御の下、車線全体を撮影する。そして、監視カメラ139は、車線を通行する車両50を継続的に撮影することにより、車両50の挙動を検出しても良い。
【0033】
発進制御機140は、料金所からの車両50の有料道路への入場又は出場を制御する。発進制御機140は、料金所の車線に設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御機140は、車両50を一時停止させる場合或いは車両50の通行(入場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両50の通行を物理的に阻止する。また、発進制御機140は、車両50の通行(入場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両50の通過を許可する。
【0034】
図3は、入口路側機1が設置された車線の一例を示す図である。
車両50は、
図3の矢印で示される方向から入口料金所に進入してくる。車両検知器132は、
図3で示される例では、複数設置されて良い。また、車線表示板135、信号灯136、及びETCアンテナ137は、道路を横断するゲート状の支柱の上に設置される。
【0035】
ナンバープレート識別装置134は、車両50の前後に付されたナンバープレートを識別するために車両50の前後を撮影可能なように設置される。入口処理機131及び路側表示器133は、発進制御機140よりも前に設置される。なお、入口処理機131での処理が必要な車両50(すなわち非ETC車)が入口料金所を通行する場合、入口処理機131での処理が終わるまで発進制御機140はバーを閉じ、信号灯136は、赤信号を点灯して良い。
【0036】
リカバリーアンテナ138は、発進制御機140が設置された近傍に設置されて良く、支柱により道路の上空に設置されて良い。監視カメラ139は、入口料金所の車線全体が撮影できるように、入口料金所の後方に設置される。また、通信インタフェース15は、
図3で示される位置に設置される必要はないのは勿論である。
【0037】
図4は、入口料金所の一例を示した図である。
上段カメラ1311A及び下段カメラ1311Bは、非ETC車の運転者の全景又は顔を撮影可能なカメラであって良い。そして、上段カメラ1311A及び下段カメラ1311Bは、撮影された撮影データを制御部11に出力する。制御部11は、撮影データに基づいて顔認証等を行っても良い。
【0038】
上段モニタ1312A及び下段モニタ1312Bは、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスを含む。表示デバイスは、入出力インタフェース13から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。
【0039】
上段免許証挿入口1313A及び下段免許証挿入口1313Bは、運転者の免許証を挿入する挿入口を備える。そして、上段免許証挿入口1313A及び下段免許証挿入口1313Bは、制御部11の制御の下、挿入された免許証についての情報を取得することが可能である。
【0040】
上段係員呼出し釦1314A及び下段係員呼出し釦1314Bは、料金所に待機している、或いは、所定の場所に待機している係員に対する対応を望む場合に押す釦である。釦が押下された場合、上段係員呼出し釦1314A及び下段係員呼出し釦1314Bは、制御部11の制御の下、出力部16に釦が押されたことを示す信号を出力して良い。
【0041】
上段通行券発行口1315A及び下段通行券発行口1315Bは、非ETC車が入口料金所を通行する際に通行券を発行する。上段通行券発行口1315A及び下段通行券発行口1315Bは、制御部11から出力された通行券発行信号に基づいて通行券を発行する。
【0042】
上段スピーカ1316A及び下段スピーカ1316Bは、係員との対応の際に使用して良い。
【0043】
出力部16は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスを含んで良い。出力部16は、入出力インタフェース13から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。
【0044】
入力部17は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース13を介して、入口路側機1の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部11に出力する。例えば、出力部16及び入力部17は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部17は、タッチスクリーン上に表示された釦等に管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部11に出力しても良い。また、入力部17は、例えば、キーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0045】
また、出力部16及び入力部17は、車両50の運転者との音声によるやり取りのためのスピーカを含んでも良い。
【0046】
図5は、出力部16及び入力部17の設置例を示した図である。
図5(a)は、出力部16及び入力部17の設置された状態に対する正面図であり、
図5(b)は、出力部16及び入力部17の設置された状態に対する側面図である。
【0047】
出力部16及び入力部17は、タッチスクリーン161及びスピーカ171を含んで良い。
【0048】
タッチスクリーン161は、監視カメラ139、入口処理機131の上段カメラ1311A及び下段カメラ1311B等が撮影した画像を表示可能である。そして、入口路側機1の管理者は、各画像の一つのみをタッチスクリーン上に写すように変更可能であって良い。
【0049】
スピーカ171は、上段スピーカ1316A及び下段スピーカ1316Bと相互接続されている。スピーカ171は、管理者の音声が上段スピーカ1316A及び下段スピーカ1316Bで出力される。或いは、上段スピーカ1316A及び下段スピーカ1316Bに車両50の運転者の音声がスピーカ171に出力される。
【0050】
図6は、実施形態に係る出口路側機2の構成例を示すブロック図である。
出口路側機2は、制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、通信インタフェース25、料金自動収受機231、車両検知器232、路側表示器233、ナンバープレート識別装置234、車線表示板235、信号灯236、ETCアンテナ237、リカバリーアンテナ238、監視カメラ239、発進制御機240、車両検知器(車種判別用)241、車高検知器242、車長検知器243、及び踏板244等を備える。制御部21、記憶部22、入出力インタフェース23、及び通信インタフェース25は、バスを介して互いに接続可能に接続されている。また、入出力インタフェース23は、料金自動収受機231、車両検知器232、路側表示器233、ナンバープレート識別装置234、車線表示板235、信号灯236、ETCアンテナ237、リカバリーアンテナ238、監視カメラ239、発進制御機240、車両検知器(車種判別用)241、車高検知器242、車長検知器243、及び踏板244と互いに通信可能に接続されている。
【0051】
制御部21は、記憶部22、入出力インタフェース23、通信インタフェース25、料金自動収受機231、車両検知器232、路側表示器233、ナンバープレート識別装置234、車線表示板235、信号灯236、ETCアンテナ237、リカバリーアンテナ238、監視カメラ239、発進制御機240、車両検知器(車種判別用)241、車高検知器242、車長検知器243、及び踏板244の制御を司る制御ユニットである。
【0052】
出口路側機制御部である、制御部21は、CPU等のハードウェアプロセッサを有する。CPUは、プログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、入出力インタフェース23等を介して出口路側機2を構成する各部に接続される。
【0053】
記憶部22は、記憶媒体である。記憶部22は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部22は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。例えば、記憶部22は、車線サーバ3を介して、中央サーバ4から送信された各種情報を記憶することが可能である。
【0054】
入出力インタフェース23は、料金自動収受機231、車両検知器232、路側表示器233、ナンバープレート識別装置234、車線表示板235、信号灯236、ETCアンテナ237、リカバリーアンテナ238、監視カメラ239、発進制御機240、車両検知器(車種判別用)241、車高検知器242、車長検知器243、及び踏板244との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。例えば、入出力インタフェース23は、制御部21から出力された各種信号を各部に出力することが可能である。
【0055】
出口路側機通信部である、通信インタフェース25は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース25は、出口路側機通信部であり、車線サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。また、通信インタフェース25は、中央サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含んでも良い。通信インタフェース25は、制御部21の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0056】
料金自動収受機231は、入口路側機1で通行券が発行された車両50の運転者が通行料金を支払うための機器である。料金自動収受機231は、通行券を挿入する挿入口を備え、当該挿入口に通行券が挿入されると、通行券の情報を制御部21に出力する。制御部21は、通行券の情報に基づいて通行料金を算出し、料金自動収受機231に出力する。料金自動収受機231は、受信した通行料金を運転者に提示して支払いを行うように促す。そして、運転者が通行料金を支払った場合、通行料金の支払いが完了したことを示す信号を制御部21に出力する。
【0057】
車両検知器232は、車両50が料金所に接近してきたことを検知する。例えば、車両検知器232は、制御部21の制御の下、光を照射し、車両50等の物体で遮られた光の箇所を検知する。また、車両検知器232は、例えば、ループ式の車両検知器232であっても良い。ループ式の車両検知器232は、可能な料金所の各車線に進入する前の道路等に埋め込まれたループコイルを備え、車両50がループコイル上を通り過ぎる際のインダクタンスの変化に基づいて車両50を検知する。
【0058】
路側表示器233は、制御部21の制御の下、料金所を通行する車両50に乗車する運転者に対して案内等を表示する。路側表示器233は、料金所を通行する車両50に向けて設置される。
【0059】
ナンバープレート識別装置234は、カメラ等を備える。ナンバープレート識別装置234は、制御部21の制御の下、車両50の前後を撮影し、車両50の前後に配置されたナンバープレートからナンバープレート情報を識別する。ここで、ナンバープレート情報は、ナンバープレートに記載された情報であって良い。また、ナンバープレート識別装置234は、撮影される画像から車両50の運転者を識別しても良い。
【0060】
車線表示板235は、入口路側機1が設置された車線がETC専用であることを表示する。なお、車線表示板235は、ETC専用の料金所である場合、設置していなくとも良い。
【0061】
信号灯236は、車両50が車線を通行可能かどうか示す。例えば、車両50が通行可能である場合、青色が点灯し、車両50が通行不可である場合、赤が点灯する。
【0062】
ETCアンテナ237は、車両50に搭載する車載器5と無線通信する通信インタフェースを含む。ETCアンテナ237は、入口路側機1を通行しようと(すなわち有料道路から出場しようと)する車両50に搭載された車載器5と無線通信する。ETCアンテナ237は、車載器5と無線通信することにより、車載器5に挿入されたETCカードのカード番号であるカードID及び有効期限を含むETCカード情報を取得しても良い。なお、ETCアンテナ237は、車載器5との通信により、車載器5の車載器ID、車両50の車種、車幅、車高、ナンバープレート情報等を含む車載器情報を取得しても良いのは勿論である。
【0063】
リカバリーアンテナ238は、ETCアンテナ237で車載器5と通信できなかった場合に車載器5と再度接続を試み、車載器5と通信するために用いられる。また、ETCアンテナ237で通信することができたとしても、車載器5からETCカード情報が取得できなかった場合にもリカバリーアンテナ238を用いて、ETCカード情報を取得するために車載器5と通信しても良い。
【0064】
監視カメラ239は、制御部21の制御の下、車線全体を撮影する。そして、監視カメラ239は、車線を通行する車両50を継続的に撮影することにより、車両50の挙動を検出しても良い。
【0065】
発進制御機240は、料金所からの車両50の有料道路への入場又は出場を制御する。発進制御機240は、料金所の車線に設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御機240は、車両50を一時停止させる場合或いは車両50の通行(退場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両50の通行を物理的に阻止する。また、発進制御機240は、車両50の通行(退場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両50の通過を許可する。
【0066】
車両検知器(車種判別用)241は、後述する車高検知器242と、車長検知器243と、踏板244と連動し、車両50の車種を判別する。そして、車両検知器(車種判別用)241は、判別結果を制御部21に出力する。
【0067】
車高検知器242は、センサを備える。車高検知器242は、制御部21の制御の下、センサを用いて車両50の車高を検知し、検知した車高についての情報を制御部21に出力する。
車長検知器243は、カメラ又はセンサ等を備える。車長検知器243は、制御部21の制御の下、カメラ又はセンサ等を用いて車両50の車長を検知し、検知した車長についての情報を制御部21に出力する。
踏板244は、車両検知器(車種判別用)241と、車高検知器242、車長検知器243と組み合わせて使用され、車両の通過の際、車距(トレッド)、タイヤ幅等の計測を行う。
【0068】
出力部26は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスを含んで良い。出力部26は、入出力インタフェース23から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。
【0069】
入力部27は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース23を介して、ユーザのタッチ位置に対応した信号を制御部21に出力する。例えば、出力部26及び入力部27は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部27は、タッチスクリーン上に表示された釦等に出口路側機2の管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部21に出力しても良い。また、入力部27は、キーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0070】
図7は、出口路側機2が設置された車線の一例を示す図である。
車両50は、
図7の矢印で示される方向から出口料金所に進入してくる。車両検知器232は、
図7で示される例では、複数設置されて良い。また、車線表示板235、信号灯236、及びETCアンテナ237は、道路を横断するゲート状の支柱の上に設置される。
【0071】
ナンバープレート識別装置234は、車両50の前後に付されたナンバープレートを識別するために車両50の前後を撮影可能なように設置される。料金自動収受機231及び路側表示器233は、発進制御機240よりも前に設置される。なお、料金自動収受機231での処理が必要な車両50(すなわち非ETC車)が出口料金所を通行する場合、料金自動収受機231での処理が終わるまで発進制御機240はバーを閉じ、信号灯236は、赤信号を点灯して良い。
【0072】
リカバリーアンテナ238は、発進制御機240が設置された近傍に設置されて良く、支柱により道路の上空に設置されて良い。監視カメラ239は、出口料金所の車線全体が撮影できるように、出口料金所の後方に設置される。また、通信インタフェース25は、
図7で示される位置に設置される必要はないのは勿論である。
【0073】
図7では、車両検知器(車種判別用)241、車高検知器242及び踏板244は、車両検知器232より手前側(すなわち、車両50が最初に通過する側)に設置される例を示しているが、車両検知器232より奥側に設置しても良いのは勿論である。
図7では、車長検知器243は、車両検知器232より奥側に設置される例を示しているが、車両検知器232より手前側に設置しても良いのは勿論である。
【0074】
図8は、車線サーバ3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
車線サーバ3は、制御部31、記憶部32、入出力インタフェース33、通信インタフェース35、出力部36、及び入力部37を備える。制御部31、記憶部32、入出力インタフェース33、及び通信インタフェース35は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース33は、出力部36及び入力部37と互いに通信可能に接続されている。
【0075】
車線サーバ3の制御部31は、車線サーバ3を制御する。制御部31は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0076】
記憶部32は、記憶媒体である。記憶部32は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部32は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0077】
入出力インタフェース33は、出力部36及び入力部37との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース33は、通信インタフェース35の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース33は、出力部36及び入力部37と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0078】
通信インタフェース35は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース35は、入口路側機1、出口路側機2、又は中央サーバ4と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース35は、制御部31の制御の下、入口路側機1、出口路側機2、又は中央サーバ4との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0079】
出力部36は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース33から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。
【0080】
入力部37は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース33を介して、車線サーバ3の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部31に出力する。例えば、出力部36及び入力部37は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部37は、タッチスクリーン上に表示された釦等に管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部31に出力しても良い。また、入力部37は、キーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0081】
図9は、中央サーバ4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
中央サーバ4は、制御部41、記憶部42、入出力インタフェース43、通信インタフェース45、出力部46、及び入力部47を備える。制御部41、記憶部42、入出力インタフェース43、及び通信インタフェース45は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース43は、出力部46及び入力部47と互いに通信可能に接続されている。
【0082】
中央サーバ制御部である、制御部41は、中央サーバ4を制御する。制御部41は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0083】
記憶部42は、記憶媒体である。記憶部42は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部42は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0084】
また、記憶部42は、不正通行データベースを記憶していて良い。不正通行データベースは、過去に出口料金所等を不正に通行した車両のナンバープレート情報、運転者の運転免許証情報を記憶していて良い。
【0085】
入出力インタフェース43は、出力部46及び入力部47との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース43は、通信インタフェース45の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース43は、出力部46及び入力部47と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0086】
中央サーバ通信部である、通信インタフェース45は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース45は、入口路側機1、出口路側機2、又は車線サーバ3と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース45は、制御部41の制御の下、入口路側機1、出口路側機2、又は車線サーバ3との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0087】
出力部46は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース43から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。
【0088】
入力部47は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース43を介して、中央サーバ4の管理者のタッチ位置に対応した信号を制御部41に出力する。例えば、出力部46及び入力部47は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部47は、タッチスクリーン上に表示された釦等に管理者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部41に出力しても良い。また、入力部47は、キーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0089】
図10は、車載器5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
車載器5は、制御部51、記憶部52、入出力インタフェース53、通信インタフェース55、出力部56、及び入力部57を備える。制御部51、記憶部52、入出力インタフェース53、及び通信インタフェース55は、バスを介して互いに通信可能に接続されている。また、入出力インタフェース53は、出力部56及び入力部57日と互いに通信可能に接続されている。
【0090】
車載器5の制御部51は、車載器5を制御する。制御部51は、中央処理ユニット(CPU)などのハードウェアプロセッサを備える。
【0091】
記憶部52は、記憶媒体である。記憶部52は、例えばHDD又はSSD等の随時書込み及び読出し可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて構成される。記憶部52は、記憶領域に、プログラム記憶領域と、データ記憶領域とを備える。プログラム記憶領域は、OSやミドルウェアに加えて、各種処理を実行するために必要なアプリケーションプログラムを格納する。
【0092】
入出力インタフェース53は、出力部56及び入力部57との間で情報の送受信を可能にするインタフェースである。ここで、入出力インタフェース53は、通信インタフェース55の一部であっても良い。すなわち、入出力インタフェース53は、出力部56及び入力部57と有線又は無線で接続される通信モジュールを含んでも良い。
【0093】
通信インタフェース55は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む。例えば、通信インタフェース55は、入口路側機1又は出口路側機2と無線接続する通信モジュールを含む。通信インタフェース55は、制御部51の制御の下、入口路側機1又は出口路側機2との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0094】
出力部56は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース53から入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。
【0095】
入力部57は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェース53を介して、車両50の運転者のタッチ位置に対応した信号を制御部51に出力する。例えば、出力部56及び入力部57は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部57は、タッチスクリーン上に表示された釦等に運転者がタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部51に出力しても良い。また、入力部57は、キーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0096】
(動作)
図11A及び
図11Bは、
図1に示される通行処理システムにおける通行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
入口路側機1の制御部11、出口路側機2の制御部21、車線サーバ3の制御部31、及び中央サーバ4の制御部41それぞれが記憶部12、記憶部22、記憶部32、及び記憶部42に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0097】
このフローチャートは、車両50が有料道路に進入しようとすることで開始する。
【0098】
ステップST11で車両検知器132は、車両50を検知する。車両50が入口料金所に接近すると、入口料金所に設置された入口路側機1の車両検知器132が車両50を検知する。車両検知器132は、検知したことを示す信号をETCアンテナ137に出力して良い。
【0099】
ステップST12で、ETCアンテナ137は、車載器5に信号を送信する。車両検知器132から車両50を検知したことを示す信号を受信したETCアンテナ137は、車両50の車載器5に向けて車載器5のETCカードのID等を含むETCカード情報を要求する信号を送信する。
【0100】
ステップST13で、制御部11は、車載器5から応答が有るかどうか判定する。ETCアンテナ137が信号を送信したことに応じて、制御部11は、車載器5からの応答をETCアンテナ137が受信したかどうかを判定する。応答が有った場合、すなわち車載器5からの応答を受信した場合、処理は、ステップST14に進み、応答が無かった場合、処理は、ステップST26に進む。
【0101】
ステップST14で、制御部11は、車載器5から送信された応答が通信エラーかどうかを判定する。ここで、通信エラーとは、車載器5から信号に対する応答が返ってくる、すなわち車載器5と通信可能であるが、車載器5にETCカードが未挿入、誤挿入であるためにETCカード情報が取得できない状態を指す。そのため、通信エラーの状態である場合、ETCアンテナ137は、車載器5から車載器情報のみを取得可能である。ここで、車載器情報は、車載器5の記憶部52が記憶している情報であり、例えば、車載器ID、車両50のナンバープレート情報、車両50の重量、車両50の車高、車両50の車幅等の情報を含む。また、通信エラーが無い場合とは、車載器5にETCカードが正常に挿入されており、ETCカード情報をETCアンテナ137が取得できた場合である。通信エラーが無いと判定された場合、処理は、ステップST15に進み、通信エラーが有ると判定された場合、処理は、ステップST20に進む。
【0102】
ステップST15で、ETCアンテナ137は、入口情報を車載器5に送信する。通信エラーが無い場合、通常のETC専用車線での入場となる。そこで、ETCアンテナ137は、ETCカード情報を車載器5から受信する。ここで、ETCカード情報は、車載器情報を含んで良い。さらに、ETCアンテナ137は、制御部11に受信したETCカード情報を出力して良い。そして、制御部11は、受信した車両情報を記憶部12に記憶させても良い。ETCアンテナ137は、車載器5に入口料金所の識別情報、入口料金所を通行した時刻等を含む入口情報を送信する。そして、入口情報を受信した車載器5の制御部51は、当該入口情報をETCカードに書き込む。
【0103】
また、ステップST15の後、リカバリーアンテナ138が車載器と通信を行っても良い。
【0104】
ステップST16で、制御部11は、通行許可情報を出力する。ETCカード情報を受信した制御部11は、路側表示器133に通行許可情報を出力する。通行許可情報を受信した路側表示器133は、例えば、車両50の運転者に向けて「通行OK」と表示しても良い。
【0105】
ステップST17で、制御部11は、バー開放指示を発進制御機140に出力する。バー開放指示を受信した発進制御機140は、バーを開放して車両50の通行を許可する。また、車両検知器132は、車両50がバーを通過したことを検知し、通過検知信号を制御部11に出力して良い。
【0106】
ステップST18で、制御部11は、バー閉鎖指示を出力する。通過検知信号を受信した制御部11は、バー閉鎖指示を発進制御機140に出力する。バー閉鎖指示を受信した発進制御機140は、バーを閉じる。
【0107】
ステップST19で、制御部11は、青信号情報を信号灯136に出力する。車両50が通行した後、すなわち、バー閉鎖指示を出力した後、制御部11は、青信号情報を信号灯136に出力する。信号灯136は、青信号を点灯していた場合、当該情報を破棄して良い。一方、信号灯136が赤信号であった場合、信号灯136は、信号を赤信号から青信号に変更する。
【0108】
ステップST20で、制御部11は、記憶部12に車載器情報を記憶させる。ステップST14で通信エラーであった場合、ETCアンテナ137は、車載器5から車載器情報のみを取得することになる。そこで、ETCアンテナ137は、取得した車載器情報を制御部11に出力する。制御部11は、受信した車載器情報を記憶部12に記憶させる。
【0109】
ステップST21で、制御部11は、リカバリーアンテナ138に通信エラー信号を出力する。車載器5からの信号が通信エラーであった場合、制御部11は、リカバリーアンテナ138に車載器5と再度通信を行わせるため、リカバリーアンテナ138に通信エラー信号を出力する。
【0110】
ステップST22で、リカバリーアンテナ138は、車載器5に信号を送信する。通信エラー信号を受信したリカバリーアンテナ138は、車両50の車載器5に向けてETCカード情報を要求する信号を送信する。
【0111】
ステップST23で、制御部11は、車載器5から応答が有るかどうか判定する。リカバリーアンテナ138が信号を送信したことに応じて、制御部11は、車載器5からの応答を受信したかどうかを判定する。応答が有った場合、すなわち車載器5からの応答を受信した場合、処理は、ステップST24に進み、応答が無かった場合、処理は、ステップST25に進む。
【0112】
ステップST24で、制御部11は、車載器5から送信された応答が通信エラーかどうかを判定する。通信エラーが無いと判定された場合、処理はステップST15に進み、通信エラーが有ると判定された場合、処理はステップST25に進む。
【0113】
ステップST25で、制御部11は、通行券発行信号を出力する。ステップST23で車載器5から応答が無い、又はステップST24で通信エラーの状態であると判定した場合、制御部11は、車載器情報に基づいて入口処理機131に通行券発行指示を出力する。例えば、当該通行券発行指示は、車載器情報に含まれる車両50の車高に基づいて上段通行券発行口1315A又は下段通行券発行口1315Bのいずれかから通行券を発行するかを指示する情報を含む。入口処理機131は、受信した通行券発行指示に基づいて上段通行券発行口1315A又は下段通行券発行口1315Bから通行券を発行する。また、入口処理機131は、上段モニタ1312A又は下段モニタ1312Bに「通信エラーです。通行券をお取りください。」と表示すると共に、上段スピーカ1316A又は下段スピーカ1316Bから「通信エラーです。通行券をお取りください。」とアナウンスをしても良い。
【0114】
また、制御部11は、信号灯136に赤信号情報を出力しても良い。ステップST23で車載器5から応答が無い、又はステップST24で通信エラーの状態であると判定した場合、制御部11は、赤信号情報を信号灯136に出力する。信号灯136は、青信号から赤信号に信号を変更し、入口路側機1が設置された車線に後続の車両50が進入しないようにする。
【0115】
なお、ステップST25は、ステップST20の後で行っても良い。すなわち、ETCアンテナ137で通信エラーであった場合に入口処理機131で発券処理を行っても良い。この場合、ステップST24で制御部が通信エラーで無いと判定した場合、入口処理機131は、通行券を回収することになる。
【0116】
ステップST26で、制御部11は、信号灯136に赤信号情報を出力する。ステップST13で車載器5から応答が無い、すなわち車両50が非ETC車であると判定した場合、制御部11は、赤信号情報を信号灯136に出力する。信号灯136は、青信号から赤信号に信号を変更し、入口路側機1が設置された車線に後続の車両50が進入しないようにする。
【0117】
ステップST27で、制御部11は、ナンバープレート識別装置134に非ETC車信号を出力する。車両50が非ETC車であると判定した場合、制御部11は、ナンバープレート識別装置134に非ETC車信号を出力する。また、制御部11は、路側表示器133にも非ETC車信号を出力して良い。路側表示器133は、当該信号に応じて例えば「本料金所は、ETC専用料金所です。しばらくお待ち下さい」と表示して良い。
【0118】
なお、ステップST26とステップST27は、順序を入れ替えても良いし、同時に処理しても良い。
【0119】
ステップST28で、ナンバープレート識別装置134は、車両50のナンバープレート情報を取得する。非ETC車信号を受信したナンバープレート情報識別情報は、カメラを用いて車両50の前後を撮影し、車両50の前後に配置されたナンバープレートからナンバープレート情報を識別する。ナンバープレート識別装置134は、取得したナンバープレート情報を制御部11に出力する。
【0120】
ステップST29で、リカバリーアンテナ138は、車載器5に信号を送信する。ステップST13で、車載器5からの応答が無いと判定されているため、制御部11は、リカバリーアンテナ138から送信した信号に対する応答が車載器5から無いことを再度確認することになる。ここで、
図11では示していないが、車載器5から応答が有った場合、処理はステップST14又はステップST24に進んで良い。
【0121】
ステップST30で、制御部11は、ナンバープレートデータベース取得要求を送信する。制御部11は、ステップST28で車載器5からの応答が無いことを確認した後、通信インタフェース15を通じて、車線サーバ3にナンバープレートデータベース取得要求を送信する。車線サーバ3の制御部31は、通信インタフェース35を通じて、受信したナンバープレートデータベース取得要求を中央サーバ4に送信する。
【0122】
ステップST31で、制御部11は、ナンバープレートデータベース取得情報を受信する。ナンバープレートデータベース取得要求を受信した中央サーバ4の制御部41は、記憶部42に記憶されたナンバープレートデータベースを取得する。ここで、ナンバープレートデータベースは、過去に不正に料金所を通過した車両50のナンバープレート情報を含む。制御部41は、通信インタフェース45を通じて、ナンバープレートデータベースを車線サーバ3に送信する。車線サーバ3の制御部31は、通信インタフェース35を通じて、ナンバープレートデータベースを入口路側機1に送信する。
【0123】
ステップST32で制御部11は、サーバナンバープレート情報と車両50から取得したナンバープレートデータベースを照合一致するかどうか判定する。ナンバープレート情報がサーバナンバープレート情報に含まれる場合、制御部11は、照合が一致したと判定する一方、ナンバープレート情報がサーバナンバープレート情報に含まれない場合、制御部11は、照合が不一致であると判定する。照合が不一致である場合、処理は、ステップST33に進み、照合が一致した場合、処理は、ステップST38に進む。
【0124】
ここで、ステップST32の照合を中央サーバ4の制御部41が行っても良い。この場合、ステップST30で制御部11がナンバープレート情報を、車線サーバ3を介して中央サーバ4に送信すれば良い。そして、制御部41が車線サーバ3から受信したナンバープレート情報を記憶部42に記憶されたサーバナンバープレート情報と照合する。そして、制御部41は、その照合結果を、車線サーバ3を介して入口路側機1に送信すれば良い。
【0125】
ステップST33で、制御部11は、免許証挿入要求を入口処理機131に出力する。免許証挿入要求を受信した入口処理機は、上段モニタ1312A及び下段モニタ1312Bに例えば、「免許証を挿入して下さい。」と表示し、上段スピーカ1316A及び下段スピーカ1316Bから「免許証を挿入して下さい。」とアナウンスして良い。これにより、車両50の運転者は、免許証を上段免許証挿入口1313A又は下段免許証挿入口1313Bに挿入する。なお、一定時間内に車両50の運転者が免許証を挿入しない場合、処理は、ステップST38に進んで良い。
【0126】
ステップST34で、制御部11は、免許証情報を取得する。入口処理機131は、上段免許証挿入口1313A又は下段免許証挿入口1313Bに挿入された免許証から免許証に記載された識別番号等を含む免許証情報を取得し、取得した免許証情報を制御部11に出力する。
【0127】
ステップST35で、制御部11は、免許証情報、ナンバープレート情報、入口情報を含む入口料金所情報を送信する。制御部11は、通信インタフェース15を通じて、入口料金所情報を車線サーバ3に送信する。車線サーバ3の制御部31は、通信インタフェース35を通じて、受信した入口料金所情報を中央サーバ4に送信する。
【0128】
中央サーバ4の制御部41は、例えば、免許証情報が記憶部42に記憶された不正通行データベースに含まれるかどうか、すなわち、免許証情報に含まれる識別番号が不正通行データベースに含まれる識別番号と一致するかどうかを照合する。照合の結果、一致する場合、制御部41は、運転免許証情報が不正通行データベースに含まれていたことを示す照合一致情報を出力する。一方、照合不一致の場合、制御部41は、運転免許証情報が不正通行データベースに含まれていなかったことを示す照合不一致情報を出力する。そして、制御部41は、通信インタフェース45を通じて、照合一致情報又は照合不一致情報を含む応答情報を車線サーバ3に送信する。車線サーバ3の制御部31は、通信インタフェース35を通じて、受信した応答情報を入口路側機1に送信する。
【0129】
ステップST36で、制御部11は、照合一致情報を受信するかどうか判定する。車線サーバ3から受信した応答情報に照合一致情報が含まれると判定した場合、処理は、ステップST38に進む。一方、車線サーバ3から受信した応答情報に照合不一致情報が含まれると判定した場合、処理は、ステップST37に進む。
【0130】
ステップST37で、制御部11は、通行券発行信号を出力する。照合不一致情報を受信した、すなわち、車両50の運転者が以前に不正通行をしていない場合、制御部11は、入口処理機131に通行券発行指示を出力する。ここで、通行券発行指示は、運転免許証が挿入された位置に対応して良い。すなわち、運転免許証が上段免許証挿入口に挿入された場合、上段通行券発行口から通行券を発行する指示であって良い。入口処理機131は、受信した通行券発行指示に基づいて上段通行券発行口1315A又は下段通行券発行口1315Bから通行券を発行する。また、同時に運転免許証を運転者に返却して良い。そして、入口処理機131は、上段モニタ1312A又は下段モニタ1312Bに「通信エラーです。通行券をお取りください。」と表示すると共に、上段スピーカ1316A又は下段スピーカ1316Bから「通信エラーです。通行券をお取りください」とアナウンスをしても良い。
【0131】
ステップST38で、制御部11は、入口処理機131及び出力部16に係員対応信号を出力する。入口処理機131は、上段モニタ1312A又は下段モニタ1312Bに「係員が対応します、しばらくお待ち下さい。」と表示すると共に、上段スピーカ1316A又は下段スピーカ1316Bから「係員が対応します。しばらくお待ち下さい。」とアナウンスをしても良い。また、出力部16は、タッチスクリーン161に係員対応が必要ですという表示をする。そして、当該表示を見た係員が車両50の運転者に対して対応することになる。
【0132】
図12A及び
図12Bは、
図1に示される通行処理システムにおける通行処理手順の一例を示すシーケンス図である。
入口路側機1の制御部11、出口路側機2の制御部21、車線サーバ3の制御部31、及び中央サーバ4の制御部41それぞれが記憶部12、記憶部22、記憶部32、及び記憶部42に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0133】
このフローチャートは、車両50が有料道路から退出しようとすることで開始する。ここで、車両50は、非ETC車である場合、入口路側機1によって発行された通行券を取得しているものとする。
【0134】
ステップST41で車両検知器232は、車両50を検知する。車両50が出口料金所に接近すると、出口料金所に設置された出口路側機2の車両検知器232が車両50を検知する。車両検知器232は、検知したことを示す信号をナンバープレート識別装置234、車両検知器(車種判別用)241、車高検知器242、車長検知器243、及びETCアンテナ237に出力して良い。
【0135】
ステップST42で、制御部21は、ナンバープレート情報及び車両情報を取得する。ナンバープレート識別装置234は、車両50のナンバープレート情報を取得する。ここで、車両情報は、車両50の車種、車高、車長等の情報を含む。非ETC車信号を受信したナンバープレート情報識別情報は、カメラを用いて車両50の前後を撮影し、車両50の前後に配置されたナンバープレートからナンバープレート情報を識別する。ナンバープレート識別装置234は、取得したナンバープレート情報を制御部21に出力する。
【0136】
さらに、車両検知器(車種判別用)241は、車高検知器242と、車長検知器243と、踏板244と連動して車両50の車種を判別する。そして、車両検知器(車種判別用)241は、判別結果を制御部21に出力する。車高検知器242は、センサ等を用いて車両50の車高を検知する。
【0137】
ステップST43で、ETCアンテナ237は、車載器5に信号を送信する。車両検知器232から車両50を検知したことを示す信号を受信したETCアンテナ237は、車両50の車載器5に向けて車載器5のETCカードのID等を含む車載器情報を要求する信号を送信する。
【0138】
なお、ステップST42とステップST43は、順序を入れ替えても良いし、同時に処理しても良い。
【0139】
ステップST44で、制御部21は、車載器5から応答が有るかどうか判定する。ETCアンテナ237が信号を送信したことに応じて、制御部21は、車載器5からの応答をETCアンテナ237が受信したかどうかを判定する。応答が有った場合、すなわち車載器5からの応答を受信した場合、処理は、ステップST45に進み、応答が無かった場合、処理は、ステップST50に進む。
【0140】
ステップST45で、制御部21は、車載器5から送信された応答が通信エラーかどうかを判定する。通信エラーが無いと判定された場合、処理は、ステップST46に進み、通信エラーが有ると判定された場合、処理は、ステップST50に進む。
【0141】
ステップST46で、ETCアンテナ237は、出口情報を車載器5に送信する。通信エラーが無い場合、通常のETC専用車線からの出場となる。そこで、ETCアンテナ237は、ETCカード情報及び入口情報を車載器5から受信する。ETCアンテナ237は、受信したETCカード情報及び入口情報を制御部21に出力して良い。制御部21は、入口情報に含まれる入口料金所の識別情報及び出口路側機2が設置された出口料金所から通行料金を算出し、当該通行料金を含む出口情報をETCアンテナ237に出力する。そして、ETCアンテナ237は、出口情報を車載器5に送信して良い。そして、出口情報を受信した車載器5は、受信した出口情報をETCカードに書き込む。また、制御部21は、通行料金、ETCカード情報等を、車線サーバ3を介して中央サーバ4に送信して良い。中央サーバ4の制御部41は、受信した情報に基づいて一般的な手法により決済処理を行って良い。
【0142】
ステップST47で、制御部21は、通行許可情報を出力する。ETCカード情報及び入口情報を受信した制御部21は、路側表示器233に通行許可情報を出力する。通行許可情報を受信した路側表示器233は、例えば、「通行OK」と表示しても良い。
【0143】
ステップST48で、制御部21は、バー開放指示を発進制御機240に出力する。バー開放指示を受信した発進制御機240は、バーを開放して車両50の通行を許可する。また、車両検知器232は、車両50がバーを通行したことを検知し、通過検知信号を制御部21に出力して良い。
【0144】
ステップST49で、制御部21は、バー閉鎖指示を出力する。通過検知信号を受信した制御部21は、バー閉鎖指示を発進制御機240に出力する。バー閉鎖指示を受信した発進制御機240は、バーを閉じる。
【0145】
また、制御部21は、青信号情報を信号灯236に出力しても良い。車両50が通行した後、すなわち、バー閉鎖指示を出力した後、制御部21は、青信号情報を信号灯236に出力する。信号灯236は、青信号を点灯していた場合、当該情報を破棄して良い。一方、信号灯236が赤信号であった場合、信号灯236は、信号を赤信号から青信号に変更する。
【0146】
ステップST50で、制御部21は、路側表示器233に停止情報を出力する。ステップST44で車載器5から応答が無い場合、又はステップST45で車載器5との通信が通信エラーである場合、車両50の運転者から通行料金を徴収するために車両50を料金自動収受機231の横で止める必要が有る。そこで、制御部21は、路側表示器233に停止情報を出力する。路側表示器233は、停止情報に基づいて、例えば、「料金精算のために料金自動収受機の横で停車して下さい」と運転者に向けて表示しても良い。また、制御部21は、信号灯236に赤信号情報を出力して良い。赤信号情報を受信した信号灯236は、赤信号を点灯するようにして良い。
【0147】
ステップST51で、制御部21は、車両50が料金自動収受機231を通過したかどうかを判定する。制御部21は、車両検知器232に車両50を検知するように指示する信号を出力する。車両検知器232は、車両50を検知し、検知信号を制御部21に出力する。制御部21は、当該検知信号に基づいて車両50が料金自動収受機231を通過したかどうかを判定する。車両50が料金自動収受機231に停車したと判定した場合、処理は、ステップST52に進み、車両50が料金自動収受機231を通過したと判定した場合、処理は、ステップST61に進む。
【0148】
ステップST52で、制御部21は、リカバリーアンテナ238に通信エラー信号を出力する。制御部21は、リカバリーアンテナ238に車載器5と再度通信を行わせるため、リカバリーアンテナ238に通信エラー信号を出力する。
【0149】
ステップST53で、リカバリーアンテナ238は、車載器5に信号を送信する。通信エラー信号を受信したリカバリーアンテナ238は、車両50の車載器5に向けてETCカード情報を要求する信号を送信する。
【0150】
ステップST54で、制御部21は、車載器5から応答が有るかどうか判定する。リカバリーアンテナ238が信号を送信したことに応じて、制御部21は、車載器5からの応答を受信したかどうかを判定する。応答が有った場合、すなわち車載器5からの応答を受信した場合、処理は、ステップST55に進み、応答が無かった場合、処理は、ステップST56に進む。
【0151】
ステップST55で、制御部21は、車載器5から送信された応答が通信エラーかどうかを判定する。通信エラーが無いと判定された場合、処理はステップST46に進み、通信エラーが有ると判定された場合、処理はステップST56に進む。
【0152】
ステップST56で、制御部21は、通行券情報を取得する。例えば、制御部21は、料金自動収受機231に通行券情報取得要求を出力する。料金自動収受機231は、通行券情報取得要求に基づいて、車両50の運転者に対して通行券を所定の挿入口に挿入するように促す。運転者は、所定の挿入口に通行券を挿入する。そして、料金自動収受機231は、挿入された通行券から入口料金所の識別情報、通行時刻等を含む通行券情報を取得し、制御部21に出力する。
【0153】
ステップST57で、制御部21は通行料金情報を出力する。制御部21は、通行券情報に基づいて通行料金を算出し、算出した通行料金を含む通行料金情報を料金自動収受機231に出力する。通行料金情報を受信した料金自動収受機231は、運転者に対して通行料金を提示して支払いを行うように促す。そして、運転者は、通行料金を支払う。通行料金の支払いが完了したことを示す信号を制御部21に出力する。
【0154】
ステップST58で、制御部21は、バー開放指示を出力する。制御部21は、発進制御機240にバー開放指示を出力する。バー開放指示を受信した発進制御機240は、バーを開放して車両50の通行を許可する。車両検知器232は、車両50がバーを通行したことを検知し、通過検知信号を制御部21に出力して良い。
【0155】
ステップST59で、制御部21は、バー閉鎖指示を出力する。通過検知信号を受信した制御部21は、バー閉鎖指示を発進制御機240に出力する。バー閉鎖指示を受信した発進制御機240は、バーを閉じる。
【0156】
ステップST60で、制御部21は、入口料金所の識別情報及びナンバープレート情報を含む入口料金所情報削除要求を送信する。車両50が出口料金所から出場したため、中央サーバ4が当該車両50のナンバープレート情報を含む入口料金所情報を保持しておく必要が無い。そこで、制御部21は、通信インタフェース25を通じて、入口料金所情報削除要求を車線サーバ3に送信する。
【0157】
車線サーバ3の制御部31は、通信インタフェース35を通じて、受信した入口料金所削除要求を中央サーバ4に送信する。中央サーバ4の制御部41は、入口料金所情報削除要求に含まれるナンバープレート情報に基づいて記憶部42に記憶された入口料金所情報を削除する。
【0158】
ステップST61で、制御部21は、出口料金所情報を生成する。ステップST51で車両50が料金自動収受機231を通過してしまった場合、すなわち、車両50が不正に出口料金所を通過してしまった場合、制御部21は、車両50のナンバープレート情報及び出口路側機情報を含む出口料金所情報を生成する。制御部21は、生成した出口料金所情報を記憶部22に記憶させても良い。
【0159】
ステップST62で、制御部21は、出口料金所情報を送信する。制御部21は、通信インタフェース25を通じて、出口料金所情報を車線サーバ3に送信する。ここで、出口路側機情報は、出口料金所の識別情報、車両50が出口路側機2を通過した時刻等の情報を含む。車線サーバ3の制御部31は、通信インタフェース35を通じて、受信した出口料金所情報を中央サーバ4に送信する。中央サーバ4の制御部41は、受信した出口料金所情報を記憶部42に記憶させる。
【0160】
(実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、非ETC車がETC専用料金所に誤進入したとしても、係員を介さず非ETC車に対する処理を行うことができる。さらに、非ETC車が過去に不正通行したことが有る場合、入口料金所で停止させることができる。
【0161】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、入口路側機1でナンバープレート情報の照合を行っているが、ナンバープレート情報の照合を行わずに免許証情報の照合のみ行っても良い。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0163】
1…入口路側機
2…出口路側機
3…車線サーバ
4…中央サーバ
5…車載器
11…制御部
12…記憶部
13…入出力インタフェース
131…入口処理機
1311A…上段カメラ
1311B…下段カメラ
1312A…上段モニタ
1312B…下段モニタ
1313…上段免許証挿入口
1313A…上段免許証挿入口
1313B…下段免許証挿入口
1314A…上段係員呼出し釦
1314B…下段係員呼出し釦
1315A…上段通行券発行口
1315B…下段通行券発行口
1316A…上段スピーカ
1316B…下段スピーカ
132…車両検知器
133…路側表示器
134…ナンバープレート識別装置
135…車線表示板
136…信号灯
137…ETCアンテナ
138…リカバリーアンテナ
139…監視カメラ
140…発進制御機
15…通信インタフェース
16…出力部
17…入力部
161…タッチスクリーン
171…スピーカ
21…制御部
22…記憶部
23…入出力インタフェース
231…料金自動収受機
232…車両検知器
233…路側表示器
234…ナンバープレート識別装置
235…車線表示板
236…信号灯
237…ETCアンテナ
238…リカバリーアンテナ
239…監視カメラ
240…発進制御機
241…車両検知器(車種判別用)
242…車高検知器
243…車長検知器
244…踏板
25…通信インタフェース
26…出力部
27…入力部
31…制御部
32…記憶部
33…入出力インタフェース
35…通信インタフェース
36…出力部
37…入力部
41…制御部
42…記憶部
43…入出力インタフェース
45…通信インタフェース
46…出力部
47…入力部
50…車両
51…制御部
52…記憶部
53…入出力インタフェース
55…通信インタフェース
56…出力部
57…入力部