(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008778
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】窓保護パネル取り付け用金具
(51)【国際特許分類】
E06B 9/00 20060101AFI20230112BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20230112BHJP
E06B 3/267 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
E06B9/00 A
E06B5/00 B
E06B3/267
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011935
(22)【出願日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】P 2021111087
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】師岡 聖
(72)【発明者】
【氏名】田中 寿典
【テーマコード(参考)】
2E014
2E239
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BB07
2E239AB10
(57)【要約】
【課題】どのような窓でも、室外側に窓保護パネルを簡単に取り付けることができるようにすること。
【解決手段】窓の室外側に、窓を保護する窓保護パネルを取り付ける窓保護パネル取り付け用金具であって、窓の枠体の室外側の外縁部に取り付けられる窓取付部と、窓取付部の室外側に設けられ、窓保護パネルを取り付けるパネル取付部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓の室外側に、前記窓を保護する窓保護パネルを取り付ける窓保護パネル取り付け用金具であって、
前記窓の枠体の室外側の外縁部に取り付けられる窓取付部と、
前記窓取付部の室外側に設けられ、前記窓保護パネルを取り付けるパネル取付部と、を有する、窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項2】
前記窓取付部は、前記外縁部を室内外方向から挟着する一対の挟着片を有する、請求項1に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項3】
前記パネル取付部は、前記パネル取付部に取り付けられる前記窓保護パネルと前記窓との間に所定の離隔距離を形成する離隔部を有する、請求項1又は2に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項4】
前記パネル取付部は、前記窓保護パネルの端部を挿入する挿入部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項5】
前記挿入部は、前記窓取付部の位置に対して、前記窓の見付方向の外側に向けて凹んだ形状を有する、請求項4に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項6】
前記挿入部は、前記窓取付部の位置に対して、前記窓の見付方向の内側に配置され、
前記窓保護パネルは、前記挿入部に対して前記窓の室内側から固定される、請求項4に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項7】
前記挿入部は、前記窓保護パネルの端部の挿入位置を指示するパネル挿入位置指示部を有する、請求項4~6のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項8】
前記パネル取付部は、前記窓保護パネルの取り付け位置を規制する位置規制部を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項9】
前記パネル取付部は、前記窓保護パネルに喰い込んで保持する爪部を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項10】
前記パネル取付部は、前記窓取付部に対して位置調整可能に取り付けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項11】
前記窓取付部と前記パネル取付部とは一体に設けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項12】
前記パネル取付部は、前記窓保護パネルをねじ固定するためのねじ取付穴を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【請求項13】
前記パネル取付部は、前記窓保護パネルを押し付けて固定するための押し付け部材を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の窓保護パネル取り付け用金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窓保護パネル取り付け用金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓の室外側の網戸レールを利用して、上枠、下枠及び左右の縦枠からなる四周枠を取り付け、この四周枠内の全面に板等を張り渡すようにした冬囲い建具が知られている。さらに、引違い窓の場合、室外側にシャッターを取り付けることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、辷り出し窓のように室外側に向けて開く窓の場合、室外側に網戸レールがないために上記の冬囲いを施すことができず、室外側にシャッターを取り付けることもできない。そのため、窓を暴風や積雪等から保護するために、窓の室外側に窓保護パネルを簡単に後付けできるようにすることが要望されている。
【0005】
したがって、発明者は、どのような窓でも、室外側に窓保護パネルを簡単に取り付けることができるようにする、という課題を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、窓の室外側に、前記窓を保護する窓保護パネルを取り付ける窓保護パネル取り付け用金具であって、前記窓の枠体の室外側の外縁部に取り付けられる窓取付部と、前記窓取付部の室外側に設けられ、前記窓保護パネルを取り付けるパネル取付部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】窓の左右の窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルが取り付けられた窓を室外側から見た正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す分解斜視図である。
【
図3】窓の上部に取り付けられた第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を室外側から見た斜視図である。
【
図4】窓の下部に取り付けられた第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を室外側から見た斜視図である。
【
図5】窓保護パネル取り付け用金具の窓取付部を拡大して示す平面図である。
【
図6】第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具に窓保護パネルの端部を取り付ける様子を示す平面図である。
【
図7】窓の上部に取り付けられた第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具に窓保護パネルの端部を固定する様子を室外側から見た斜視図である。
【
図8】窓の下部に取り付けられた第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具に窓保護パネルの端部を固定する様子を室外側から見た斜視図である。
【
図9】第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルが取り付けられた窓を示す拡大平面図である。
【
図10】室外側からの外力によって窓に取り付けられた窓保護パネルが撓んだ状態を示す平面図である。
【
図11】第2実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルが取り付けられた状態を示す拡大平面図である。
【
図12】第3実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具に窓保護パネルが取り付けられる様子を示す拡大平面図である。
【
図13】窓の上部に取り付けられた第4実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を室外側から見た斜視図である。
【
図14】第5実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す斜視図である。
【
図15】第5実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルを固定する様子を示す平面図である。
【
図16】第6実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す分解斜視図である。
【
図17】第6実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルを固定する様子を示す平面図である。
【
図18】第7実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す分解斜視図である。
【
図19】第7実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルを固定する様子を示す平面図である。
【
図20】第8実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す分解斜視図である。
【
図21】第9実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す斜視図である。
【
図22】第9実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す平面図である。
【
図23】第9実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す正面図である。
【
図24】第10実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具を示す斜視図である。
【
図25】第10実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルを固定した状態を示す正面図である。
【
図26】第10実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルを固定する様子を示す平面図である。
【
図27】窓の上下の窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルが取り付けられた窓を室外側から見た正面図である。
【
図28】窓の左右の窓保護パネル取り付け用金具によって窓保護パネルが取り付けられた窓を室外側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す窓1は、障子20が室外側に向けて開くように構成される辷り出し窓を示す。窓1は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14を矩形に枠組みすることによって構成されるアルミ製の枠体10の内側に、障子20が、図示しない回転軸を中心にして室内外方向に開閉可能に取り付けられる。
【0009】
ここで、図中の窓1の方向について次のとおり定義する。X1方向は、窓1の室外側の方向を示す。X2方向は、窓1の室内側の方向を示す。
図1に示す窓1の正面図において、上下方向及び左右方向が窓1の見付方向である。見付方向の外側は、窓1から外方に向けて離れる方向である。見付方向の内側は、窓1の中央部(障子20の中央部)に向かう方向である。
【0010】
窓1の室外側には、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bを介して、窓1を保護する窓保護パネル2が取り付けられる。
図1に示す窓1は、縦枠13,14の上部にそれぞれ取り付けられる窓保護パネル取り付け用金具3Aと、縦枠13,14の下部にそれぞれ取り付けられる窓保護パネル取り付け用金具3Bと、を有する。窓保護パネル2は、縦枠13の上下の窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと縦枠14の上下の窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bとの間に亘って取り付けられる。
【0011】
窓保護パネル2は、窓1の室外側から障子20の全体を覆い隠すことができる程度の大きさを有する矩形の板材である。窓保護パネル2は、軽量且つ安価である観点から、木質系の板材であることが望ましい。木質系の板材としては、例えば、強度に優れる構造用合板を用いることができる。
【0012】
次に、第1実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bについて、
図2~
図4を参照して説明する。
図2及び
図3は、窓1の縦枠14の上部に取り付けられる窓保護パネル取り付け用金具3Aを示す。
図4は、窓1の縦枠14の下部に取り付けられる窓保護パネル取り付け用金具3Bを示す。窓1の縦枠13に取り付けられる窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bは、
図2~
図4と左右対称に表される。
【0013】
窓保護パネル取り付け用金具3Aは、幅方向(図の左右方向)の寸法よりも長さ方向(
図1の上下方向)の寸法の方が大きい形状を有する。すなわち、窓保護パネル取り付け用金具3Aは、窓1の縦枠13,14に取り付けられた状態で、縦枠13,14の延び方向に長く形成される。窓保護パネル取り付け用金具3Aは、窓取付部4と、パネル取付部5と、を有する。本実施形態において、窓取付部4とパネル取付部5とは別体に形成され、2つのねじSC1によって一体に固定される。
【0014】
窓取付部4は、窓1の枠体10の室外側の外縁部に対して取り付けられる部位である。詳しくは、本実施形態の枠体10の縦枠13,14の室外側には、見付方向の外側(
図1における左右方向の外側)に向けて張り出すように設けられる外縁部131,141が設けられている。外縁部131,141の先端は、室内側に向けてL型に屈曲している。窓取付部4は、この外縁部131,141を室内外方向から挟着することによって縦枠13,14に取り付けられる。窓取付部4は、取付部本体41と、可動部材42と、によって構成される。
【0015】
取付部本体41は、窓取付部4が枠体10に取り付けられた際に、室外側に面して配置される基板411と、基板411から室内側に向けて延びる第1ガイド板412と、第1ガイド板412から窓1の見付方向の内側に向けて延びる第1挟着片413と、を有する。
【0016】
基板411は、パネル取付部5を取り付ける部位であり、矩形板状に形成される。基板411には、2つのねじ穴411aと、2つのねじ挿通穴411bと、を有する。ねじ穴411aの内周面には、パネル取付部5を取付部本体41に固定するためのねじSC1を螺合させる雌ねじが設けられる。ねじ挿通穴411bは、取付部本体41に可動部材42を移動可能に組み付けるためのねじSC2を挿通可能に設けられる。ねじ穴411aとねじ挿通穴411bとは、基板411の長さ方向に沿って1列に配列されている。ねじ穴411aとねじ挿通穴411bとは、基板411の長さ方向に沿って交互に配置されている。
【0017】
第1ガイド板412は、後述する可動部材42の室内外方向の移動を円滑に案内するためのガイド面を構成する。第1ガイド板412は、基板411における窓1の見付方向の外側の端部を室内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。第1ガイド板412は、2つの切り欠き部412aを有する。切り欠き部412aは、後述の可動部材42の螺合板423が挿通可能且つ室内外方向に移動可能な矩形の貫通穴からなる。切り欠き部412aは、第1ガイド板412と基板411との接続部に隣接する部位、且つ基板411のねじ挿通穴411bに近接する部位にそれぞれ配置される。
【0018】
第1挟着片413は、第1ガイド板412の室内側の端部の一部を、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。第1挟着片413は、第1ガイド板412から基板411と同一方向に延びている。第1挟着片413は、基板411と平行に配置される。
【0019】
可動部材42は、取付部本体41とは別体に形成され、取付部本体41に対して室内外方向に沿って移動可能に設けられる。可動部材42は、室内外方向に延びる第2ガイド板421と、第2ガイド板421の室内側の端部に設けられる第2挟着片422と、第2挟着片422よりも室外側に配置される2つの螺合板423と、を有する。
【0020】
第2ガイド板421は、取付部本体41の第1ガイド板412の外側に配置され、第1ガイド板412に沿って平行に延びている。第2ガイド板421は、取付部本体41の第1ガイド板412の外側に沿う移動を案内するガイド面を構成する。可動部材42は、第1ガイド板412と第2ガイド板421とが互いに重なり合った状態で移動することによって、取付部本体41に対して室内外方向に円滑に移動可能である。
【0021】
第2挟着片422は、挟着部422aと、屈曲部422bと、を有する。挟着部422aは、第2ガイド板421の室内側の端部を、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。屈曲部422bは、挟着部422aの先端を、さらに室外側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。挟着部422aは、取付部本体41の第1挟着片413に対して平行に配置される。挟着部422aの折り曲げ方向の幅は、第1挟着片413の折り曲げ方向の幅の略半分である。屈曲部422bの室内外方向の長さは、第2ガイド板421の室内外方向の長さに比べて十分に短い。そのため、取付部本体41と可動部材42とが組み付けられたとき、屈曲部422bの先端は、第1挟着片413の室内側の面に対向するように配置される。
【0022】
螺合板423は、取付部本体41の切り欠き部412aの位置に対応する第2ガイド板421の室外側の端部を矩形に切り欠いて、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。螺合板423は、取付部本体41の切り欠き部412aに対して、窓1の見付方向の外側から挿入される。これによって、取付部本体41に可動部材42が装着され、第1ガイド板412と第2ガイド板421とが互いに重なり合う。螺合板423には、それぞれ内周面に雌ねじを有するねじ穴423aが設けられる。
【0023】
取付部本体41の切り欠き部412aに挿入された螺合板423のねじ穴423aに、取付部本体41のねじ挿通穴411bに室外側から挿通されるねじSC2が螺合することによって、取付部本体41と可動部材42とが組み付けられる。ねじSC2が締め付け方向に回転操作されると、螺合板423が、ねじSC2の軸部に沿って、切り欠き部412a内を室外側の基板411に向けて移動し、可動部材42が第1ガイド板412に沿って円滑に案内されながら室外側に向けて移動する。これによって、第2挟着片422が取付部本体41の第1挟着片413に近接し、第1挟着片413との間で外縁部131,141を挟着する。
【0024】
図2及び
図3に示すように、可動部材42には、係止部424が設けられている。係止部424は、第2挟着片422の屈曲部422bの先端から室外側に向けて突出するように設けられる。係止部424の先端は、下方に向けてL型に屈曲している。
図3に示すように、窓保護パネル取り付け用金具3Aが縦枠14に取り付けられた際、係止部424は、縦枠14の外縁部141の上端部141aに係止される。これによって、窓保護パネル取り付け用金具3Aは、縦枠14の上部に対して位置決めされる。但し、係止部424は、必ずしも設けられなくてもよい。係止部424が設けられない窓保護パネル用取り付け金具は、枠体10に対する取り付けの位置及び取り付けの向きの制限なく使用することができる。
【0025】
次に、
図5を参照して、窓取付部4の具体的な寸法について説明する。取付部本体41の第1ガイド板412の先端と、可動部材42の屈曲部422bと、の間に設けられる隙間の寸法L1は、1.1mm以上である。この寸法L1は、この隙間に挿入されるL型に屈曲した外縁部131,141の先端の厚み以上である。
【0026】
可動部材42の屈曲部422bの板厚の寸法L2は、1.4mm以上2.5mm以下である。1.4mmを下回ると、可動部材42の強度を担保できない。2.5mmを超えると、窓保護パネル取り付け用金具3Aを取り付け可能な窓機種が少なくなる。可動部材42の屈曲部422bは、板厚が2.5mm以上の板材で曲げ加工した後に、1.4mm以上2.5mm以下の範囲になるようにつぶし加工することによって形成されてもよい。
【0027】
可動部材42の屈曲部422bの室内外方向(曲げ方向)の寸法L3は、5.0mm以上7.8mm以下である。寸法L3がこの範囲であることによって、窓1への取り付け及び加工が容易であり、加工費も削減できる。
【0028】
以上の寸法は一例であり、本開示の窓保護パネル取り付け用金具が上記寸法に限定されることを意味するものではない。
【0029】
パネル取付部5は、窓取付部4の室外側に取り付けられる。パネル取付部5は、窓取付部4の基板411に取り付けられる取付板部51と、窓保護パネル2の端部2aを挿入する挿入部52と、取付板部51と挿入部52との間に配置される離隔部53と、を有する。取付板部51、挿入部52及び離隔部53は、金属板を直角に折り曲げることによって一体に形成されている。
【0030】
取付板部51は、矩形板状に形成され、窓取付部4の基板411に対面するように配置される。取付板部51には、パネル取付部5を窓取付部4に固定するための2つのねじSC1を室外側から挿通させる2つのねじ挿通穴51aと、可動部材42を取付部本体41に組み付けている2つのねじSC2の頭部を内側に収容する2つの収容穴51bと、を有する。ねじ挿通穴51aは、取付板部51の延び方向(
図2の上下方向)に長い長穴によって形成される。そのため、窓取付部4に対するパネル取付部5の固定位置を、長穴の範囲内で微調整することができる。
【0031】
挿入部52は、窓保護パネル取り付け用金具3Aの最も室外側に配置される。挿入部52は、取付板部51に対して平行に配置される外板521及び内板522と、外板521及び内板522の一方端部同士を連結する側板523と、によってコ字状に形成される。これによって、挿入部52の内側には、窓保護パネル2の端部2aが挿入される挿入空間Sが形成される。挿入空間Sは、離隔部53よりも窓1の見付方向の外側に向けて凹んだ形状を有する。挿入空間Sは、窓保護パネル取り付け用金具3Aが窓1の枠体10に取り付けられたときに、窓1の見付方向の内側に向けて開放するように設けられる。側板523は、室内外方向に沿って見たときに、可動部材42の第2ガイド板421とほぼ同じ位置に配置されている。
【0032】
挿入部52の外板521は、窓保護パネル取り付け用金具3Aの最も室外側に配置される。外板521には、2つの開口部521aと、2つのねじ取付穴521bと、が設けられる。挿入部52の内板522は、外板521よりも室内側に配置される。内板522には、
図3に示すように、外板521の2つの開口部521aに対応する位置に配置される2つの開口部522aと、外板521の2つのねじ取付穴521bに対応する位置に配置される2つのねじ取付穴522bと、が設けられる。外板521の開口部521aと内板522の開口部522aとは、ねじSC1の頭部を挿通可能な大きさを有し、室内外方向に連通している。開口部521aと開口部522aとは、室内外方向に見たときに、取付板部51のねじ挿通穴51aの位置に対応して配置される。
【0033】
開口部521a,522aは、ねじSC1を室外側から挿通させて回転操作するための穴である。ねじ取付穴521bは、挿入部52に挿入される窓保護パネル2の端部2aを室外側から木ねじ等の固定部材によって固定するための穴である。開口部521a,522aとねじ取付穴521b,522bとは、外板521及び内板522の長さ方向に沿って1列に配列されている。開口部521a,522aとねじ取付穴521b,522bとは、外板521及び内板522の長さ方向に沿って交互に配置されている。内板522のねじ取付穴522bは、必ずしも設けられなくてもよい。
【0034】
離隔部53は、取付板部51と挿入部52の内板522との端部同士を一体に連結している。離隔部53は、パネル取付部5における挿入空間Sの開放側に配置される。離隔部53が取付板部51と挿入部52との間に設けられることによって、挿入部52は、窓取付部4に対して、離隔部53の室内外方向に沿う幅Wに相当する距離で離隔して配置される。
【0035】
次に、窓保護パネル取り付け用金具3Aを縦枠14に取り付ける手順について説明する。まず、窓取付部4のみを縦枠14の外縁部141に取り付ける。詳しくは、取付部本体41の第1挟着片413と可動部材42の第2挟着片422との間に、縦枠14の外縁部141を配置させる。その後、室外側からねじSC2を回転操作して可動部材42を室外側に向けて移動させ、第1挟着片413と第2挟着片422との間で縦枠14の外縁部141を挟着する。
【0036】
縦枠14に窓取付部4を取り付けた後、窓取付部4の室外側にパネル取付部5を固定する。詳しくは、挿入部52の開口部521a,522aを通して、取付板部51のねじ挿通穴51aに室外側からねじSC1を挿通させ、窓取付部4のねじ穴411aに螺合させることによって、パネル取付部5を窓取付部4に固定する。ねじSC1は、離隔部53の裏側からねじ挿通穴51aに挿入してもよい。これによって、縦枠14の上部に窓保護パネル取り付け用金具3Aが取り付けられる。縦枠13の上部にも、同様にして窓保護パネル取り付け用金具3Aが取り付けられる。
【0037】
図4に示す縦枠14の下部の窓保護パネル取り付け用金具3Bは、係止部424を有しない点、及び窓保護パネル2の下端位置を規制する位置規制部524を挿入部52に有する点で、窓保護パネル取り付け用金具3Aと相違する。それ以外の窓保護パネル取り付け用金具3Bの構成は、窓保護パネル取り付け用金具3Aと同一である。窓保護パネル取り付け用金具3Aと同一構成の部位には同一符号を付し、それらの説明は省略する。窓保護パネル取り付け用金具3Bは、窓保護パネル取り付け用金具3Aと同様の手順で縦枠13,14の下部に取り付けられる。
【0038】
窓保護パネル取り付け用金具3Bの位置規制部524は、挿入部52に挿入された窓保護パネル2の端部2aの下端面2bに当接し、窓保護パネル2の下端位置を規制するストッパーとして機能する。位置規制部524は、挿入部52の外板521の下端部を、室内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。位置規制部524は、挿入部52の内板522の下端部を、室外側に向けて直角に折り曲げることによって形成されてもよい。位置規制部524は、挿入部52の側板523の下端部を、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成されてもよい。
【0039】
次に、窓1の縦枠13,14に取り付けられた窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bに亘って窓保護パネル2を取り付ける手順の一例について、
図6~
図9を参照して説明する。
【0040】
まず、
図6に示すように、縦枠14の上下に取り付けられた窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bのそれぞれの挿入部52の挿入空間Sに、窓保護パネル2の縦枠14側の端部2aを挿入する。その後、窓保護パネル2によって窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bを外側に向けて押し付けることによって、縦枠14の外縁部141を外側に向けて強制的に反るように変形させる。これによって、縦枠13,14のそれぞれの窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bの挿入部52,52間の距離が大きく確保される。
【0041】
次に、外縁部141を弾性的に復帰させながら、窓保護パネル2の縦枠13側の端部2aを、縦枠13の窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bの挿入部52の挿入空間Sに挿入する。これによって、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bのそれぞれの挿入部52に窓保護パネル2の端部2aが挿入され、窓1の室外側から窓保護パネル2が装着される。
【0042】
図示しないが、窓保護パネル2は、窓1の上方から下方にスライドさせながら挿入空間Sに挿入してもよい。
【0043】
次に、
図7及び
図8に示すように、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bのねじ取付穴521bを利用して、窓保護パネル2の端部2aを、固定部材である木ねじSC3によって、室外側から挿入部52に固定する。これによって、
図1及び
図9に示すように、窓1の室外側に、窓保護パネル2が取り付けられ、障子20の全面が暴風や積雪等から保護される。窓保護パネル取り付け用金具3Bに位置規制部524が設けられる場合は、窓保護パネル2の下端面2bが位置規制部524によって支持されるため、木ねじSC3によって固定される前の窓保護パネル2が下方に脱落することはない。そのため、窓保護パネル2の固定作業を楽に行うことができる。
【0044】
このように、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bは、窓1の枠体10の室外側に取り付けるだけで、窓1の室外側に窓保護パネル2の取り付け部を容易に形成することができる。窓保護パネル2の取り付けは、窓1の室外側から、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bの挿入部52に挿入してねじ固定するだけで済むため、窓保護パネル2の取り付け作業を室外側から簡単且つ迅速に行うことができる。従来のように網戸レールを利用する必要はなく、室外側にシャッターを取り付けることができない窓であっても、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bを使用することによって、室外側に窓保護パネル2を簡単に取り付けることができる。窓保護パネル2は、単なる矩形の板材を使用することができるため、窓1の保護構造を安価に構築することができる。
【0045】
図9に示すように、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bによって取り付けられた窓保護パネル2と枠体10との間には、十分なクリアランスCLが設けられる。クリアランスCLは、窓取付部4の室外側への突出量と離隔部53の幅Wとによって形成される。これによって、
図10に示すように、窓保護パネル2に対して室外側から暴風や積雪等による外力Fが作用して窓保護パネル2の中央部が室内側に向けて撓んだ場合でも、撓んだ窓保護パネル2と窓1の障子20等との干渉が回避される。
【0046】
クリアランスCLを形成するための離隔部53の幅Wは、窓保護パネル2の剛性(撓み易さ)及び大きさ等の条件に応じて適宜設定される。このようなクリアランスCLが窓保護パネル2と枠体10との間に確保されることによって、窓保護パネル2は剛性の低い安価なパネルも使用可能になる。そのため、窓1の保護構造をさらに安価に構築することができる。但し、例えば、窓取付部4を室外側に向けて長く突出するように形成されることによって、窓1とのクリアランスCLが十分に確保可能であれば、離隔部53は必ずしも設けられなくてもよい。
【0047】
図11は、第2実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具31を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0048】
窓保護パネル取り付け用金具31は、窓保護パネル2をパネル取付部5の挿入部52に固定する固定部材である蝶ねじ54を有する点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。蝶ねじ54は、窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付けて固定する押し付け部材(第1の押し付け部材)である。
【0049】
挿入部52の外板521のねじ取付穴521bの内周面には、雌ねじが設けられる。蝶ねじ54は、ねじ取付穴521bに室外側から螺合される。ねじ取付穴521bに螺合した蝶ねじ54は、軸部54aの先端によって挿入部52内の窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付ける。これによって、窓保護パネル2は、挿入部52の内板522に押し付けられて固定される。蝶ねじ54は指で回転操作することができるため、窓保護パネル2の固定作業を、ドライバー等の工具を用いることなく簡単に行うことができる。
【0050】
図12は、第3実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具32を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0051】
窓保護パネル取り付け用金具32は、挿入部52が窓取付部4に対して窓1の見付方向の外側に大きく張り出すように設けられる点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。詳しくは、窓保護パネル取り付け用金具32を室内外方向に沿って見たときに、挿入部52の側板523が、窓取付部4の第2ガイド板421よりも窓1の見付方向の外側に大きく張り出した位置に配置される。すなわち、窓保護パネル取り付け用金具32の挿入部52は、窓取付部4よりも窓1の見付方向の外側に向けて凹んだ形状を有する。これによって、挿入部52には、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bの挿入部52に比べて、窓1の見付方向に長い挿入空間Sが形成される。
【0052】
この窓保護パネル取り付け用金具32が縦枠13,14に取り付けられたとき、それぞれの挿入部52の側板523間の距離は、窓保護パネル2の左右方向の幅よりも大きく、且つそれぞれの挿入部52の外板521及び内板522の先端部(窓1の見付方向の内側の端部)間の距離は、窓保護パネル2の左右方向の幅よりも小さい。
【0053】
縦枠13,14にそれぞれ取り付けられた窓保護パネル取り付け用金具32に窓保護パネル2を取り付ける場合は、まず、
図12中の1点鎖線で示すように、窓保護パネル2の一方の端部2aを、例えば縦枠13の窓保護パネル取り付け用金具32の挿入部52に奥まで挿入する。このとき、窓保護パネル2の縦枠14側の端部2aは、縦枠14側の窓保護パネル取り付け用金具32の挿入部52の挿入空間Sに対向するように配置される。次に、窓保護パネル2を横方向にスライドさせ、窓保護パネル2の他方の端部2aを、縦枠14側の窓保護パネル取り付け用金具32の挿入部52に挿入する。
【0054】
この窓保護パネル取り付け用金具32によれば、窓保護パネル2を、左右の挿入部52にけんどん方式で挿入することができる。縦枠13,14の外縁部131,141を強制的に変形させる必要がないため、窓1の枠体10に与える負荷は軽減される。挿入部52に挿入された窓保護パネル2は、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同様に木ねじSC3によって、もしくは窓保護パネル取り付け用金具31と同様に蝶ねじ54によって、挿入部52に固定される。
【0055】
図13は、第4実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具33を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0056】
窓保護パネル取り付け用金具33は、パネル取付部5が窓保護パネル2に喰い込むように配置される1以上の爪部525を有する点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。爪部525は、挿入部52の外板521の先端に配置され、挿入部52に挿入される窓保護パネル2の表面に向けて突出するように折り曲げられている。
【0057】
この窓保護パネル取り付け用金具33によれば、木ねじSC3によって窓保護パネル2を挿入部52に固定した際、爪部525が窓保護パネル2の表面に喰い込んで保持するため、窓保護パネル2をより確実に挿入部52に固定することができる。
【0058】
このような爪部525は、窓保護パネル取り付け用金具32にも同様に適用することができる。窓保護パネル取り付け用金具31のように、窓保護パネル2が室外側から蝶ねじ54によって固定される場合、爪部は、窓保護パネル2の裏面に喰い込むことができるように、挿入部52の内板522に設けられてもよい。爪部は、窓保護パネル2の側端面に喰い込むことができるように、挿入部52の側板523に設けられてもよい。
【0059】
図14及び
図15は、第5実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具34を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0060】
窓保護パネル取り付け用金具34は、第3実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具32の挿入部52と同様に、挿入部52が窓1の見付方向に長い挿入空間Sを有する点、及びパネル取付部5に、窓保護パネル2の端部2aを面方向に押し付ける押し付け部材(第2の押し付け部材)55を有する点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。
【0061】
押し付け部材55は、金属板を挿入部52の挿入空間Sと反対方向に開放するコ字状に折り曲げ形成される。コ字状の押し付け部材55の背面は、押し付け面55aを構成し、挿入部52に挿入された窓保護パネル2の側端面2cに対面するように配置される。押し付け部材55は、室外側及び室内側にそれぞれ2本ずつ突出するガイドピン551を有する。ガイドピン551は、挿入部52の外板521及び内板522にそれぞれ設けられるガイド溝521c,522cに係合している。ガイド溝521c,522cは、外板521及び内板522にそれぞれ配置され、窓1の見付方向に沿って長いスリット状に形成される。
【0062】
挿入部52の側板523には、外側から2つの蝶ねじ56が螺合している。蝶ねじ56の軸部56aは、側板523を貫通し、押し付け部材55の押し付け面55aの背面に当接している。蝶ねじ56が正回転すると、蝶ねじ56の軸部56aが押し付け部材55を窓保護パネル2の面方向(
図15における右方向)に移動させる。これによって、
図15に示すように、押し付け部材55の押し付け面55aが窓保護パネル2の側端面2cに当接し、さらに蝶ねじ56が正回転することによって、窓保護パネル2を面方向に押し付ける。蝶ねじ56に代えて通常のねじを用いてもよいが、蝶ねじ56は指で回転操作することができるため、窓保護パネル2の固定作業を、ドライバー等の工具を用いることなく簡単に行うことができる。
【0063】
この窓保護パネル取り付け用金具34は、縦枠13,14の両方に取り付けることができる。しかし、例えば、一方の縦枠14に窓保護パネル取り付け用金具34が取り付けられる場合、他方の縦枠13には、窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31、32のいずれかが取り付けられてもよい。この場合、窓保護パネル2は、窓保護パネル取り付け用金具34の押し付け部材55によって、縦枠13側の挿入部52の側板523に押し付けられるため、窓保護パネル2の縦枠13側の端部2aは、必ずしも固定部材によって挿入部52に固定されなくてもよい。
【0064】
図16及び
図17は、第6実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具35を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0065】
窓保護パネル取り付け用金具35は、パネル取付部5が窓1の見付方向及び室内外方向に長い挿入空間Sを持つ挿入部52を有する点、及び窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付ける押し付け部材(第3の押し付け部材)57を有する点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。
【0066】
押し付け部材57は、挿入部52内の窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付ける押し付け板571と、押し付け板571を押し付け方向に移動させる可動板572と、可動板572を移動させる蝶ねじ573と、を有する。
【0067】
押し付け板571は、挿入部52の外板521及び内板522に平行に配置され、挿入部52内のやや外板521寄りの位置に配置される。外板521には、内板522に向けて突出するガイドピン574が設けられる。ガイドピン574は、挿入部52内で押し付け板571を貫通している。押し付け板571は、ガイドピン574に沿って移動可能である。
【0068】
可動板572は、挿入部52の側板523に平行に配置され、挿入部52内の外板521寄りの位置に配置される。側板523には、窓1の見付方向の内側(挿入部52の開放側)に向けて突出するガイドピン575が設けられる。ガイドピン575は、挿入部52内で可動板572を貫通している。可動板572は、ガイドピン575に沿って移動可能である。外板521には、可動板572の移動方向に沿って延びるガイド溝521dが設けられる。可動板572の一部は、ガイド溝521d内に嵌合している。したがって、可動板572の移動は、ガイドピン575とガイド溝521dとによって、円滑に案内される。
【0069】
蝶ねじ573は、挿入部52の側板523を貫通して設けられる。側板523は、可動板572に対面する位置に、内周面に雌ねじが形成されたねじ穴523aを有する。ねじ穴523aに螺合した蝶ねじ573の軸部573aの先端は、挿入部52内の可動板572に当接している。したがって、蝶ねじ573が正回転すると、蝶ねじ573の軸部573aが、可動板572を、ガイドピン575に沿って、室内外方向と直交する
図16中のd1方向に移動させる。
【0070】
押し付け板571と可動板572とは、連結板576によって連結される。連結板576の一方端部は、回動軸576aによって、押し付け板571に一体に設けられる押し付け板基部571aに回動可能に取り付けられる。連結板576の他方端部は、回動軸576bによって、可動板572に一体に設けられる可動板基部572aに回動可能に取り付けられる。
【0071】
蝶ねじ573の正回転によって可動板572がd1方向に移動すると、連結板576の他方端部が回動軸576b周りに回動しながらd1方向に移動する。連結板576の他方端部がd1方向に移動すると、連結板576の一方端部が、室内外方向に平行な
図16中のd2方向に移動する。これによって、連結板576は、回動軸576a周りに回動しながら、押し付け板571をd2方向に移動させる。その結果、押し付け板571は、
図17に示すように、挿入部52に挿入された窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付け、内板522との間で窓保護パネル2の端部2aを挟着して固定する。
【0072】
この窓保護パネル取り付け用金具35によれば、挿入部52の側板523の外側から蝶ねじ573を回転操作することによって、挿入部52内の窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付けて固定することができる。蝶ねじ573に代えて通常のねじを用いてもよいが、蝶ねじ573は指で回転操作することができるため、窓保護パネル2の固定作業を、ドライバー等の工具を用いることなく簡単に行うことができる。
【0073】
図18及び
図19は、第7実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具36を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0074】
窓保護パネル取り付け用金具36は、パネル取付部5が窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付ける押し付け部材(第4の押し付け部材)58を有する点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。
【0075】
押し付け部材58は、樹脂製部品からなる。押し付け部材58は、挿入部52内に挿入される押圧部581と、押圧部581に一体に設けられる押さえ板582と、押さえ板582に一体に設けられる一対の係止爪583と、を有する。
【0076】
押圧部581は、挿入部52の延び方向(
図18及び
図19の上下方向)に長尺な略ブロック状に形成される。窓1の見付方向に沿う押圧部581の幅(
図18及び
図19の左右方向の幅)は、挿入部52の外板521及び内板522の幅に略等しい。室内外方向に沿う押圧部581の厚みは、挿入部52の外板521と内板522との離隔距離よりも小さい。詳しくは、押圧部581の厚みは、窓保護パネル2の板厚と押圧部581の厚みとを足し合わせた寸法が、外板521と内板522との離隔距離よりもやや大きくなるように設定される。
【0077】
押さえ板582は、挿入部52の延び方向(
図18及び
図19の上下方向)の端部を閉塞可能な大きさを有する矩形板状に形成される。押さえ板582は、押圧部581の長さ方向の一端部に、押圧部581の長さ方向と直交するように設けられる。押圧部581は、押さえ板582に対して、室内外方向の一方端部側(
図18及び
図19では室外側)に片寄って設けられている。
【0078】
係止爪583は、押さえ板582の室外側の端部及び室内側の端部に、押圧部581を挟んでそれぞれ配置され、押さえ板582から押圧部581と同一方向に突出している。挿入部52の外板521及び内板522には、この係止爪583を係止可能な係止穴521e,522eが設けられている。
【0079】
押し付け部材58は、挿入部52に挿入された窓保護パネル2の室外側に、挿入部52の延び方向に沿って押圧部581を挿入することによって、挿入部52に装着される。押さえ板582が窓保護パネル2に当接するまで押し付け部材58を深く押し込むと、一対の係止爪583が挿入部52の係止穴521e,522eに係止されて抜け止めされる。窓保護パネル2の板厚と押圧部581の厚みとを足し合わせた寸法は、外板521と内板522との離隔距離よりもやや大きいため、押圧部581は、窓保護パネル2と外板521との間に圧入される。これによって、挿入部52内の押圧部581は、窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付け、内板522との間で窓保護パネル2の端部2aを挟着して固定する。
【0080】
押さえ板582は、パネル取付部5における窓保護パネル2の取り付け位置を規制する位置規制部として機能する。すなわち、窓保護パネル取り付け用金具36が、
図19に示すように、縦枠の上部に取り付けられる場合、押さえ板582は、窓保護パネル2の上端面2dに配置され、窓保護パネル2の上端位置を規制する。これによって、固定される前の窓保護パネル2の上方への移動が規制される。窓保護パネル取り付け用金具36が、縦枠の下部に取り付けられる場合は、押さえ板582は、窓保護パネル2の下端面2b(
図8参照)に配置され、窓保護パネル2の下端位置を規制する。これによって、窓保護パネル2の下方への移動が規制されるため、窓保護パネル取り付け用金具3Bのような位置規制部524は不要である。
【0081】
この窓保護パネル取り付け用金具36によれば、挿入部52に押し付け部材58を挿入するだけで、挿入部52内の窓保護パネル2の端部2aを板厚方向に押し付けることができるため、窓保護パネル2の固定をワンタッチで行うことができる。
【0082】
図20は、第8実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具37を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0083】
窓保護パネル取り付け用金具37は、窓取付部4とパネル取付部5とが一体に設けられる点で、窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと相違する。詳しくは、窓取付部4の取付部本体41とパネル取付部5とが、1枚の金属板を折り曲げることによって形成されている。これによって、窓取付部4における取付部本体41の基板411及び第1ガイド板412と、パネル取付部5における挿入部52及び離隔部53と、が一体に形成される。挿入部52の外板521及び内板522には、可動部材42を取付部本体41に組み付けるためのねじSC2を室外側から挿通させる開口部521f,522fが、それぞれ室内外方向に一致する位置に設けられる。
【0084】
この窓保護パネル取り付け用金具37によれば、窓取付部4の取付部本体41とパネル取付部5とが一体化されているため、窓取付部4の取り付け作業だけで窓保護パネル取り付け用金具37の取り付けが完了する。そのため、窓保護パネル取り付け用金具37の取り付け作業が簡略化される。このような一体化構造は、上記の窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31~36にも同様に適用することができる。
【0085】
図21は、第9実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具38を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0086】
窓保護パネル取り付け用金具38は、第8実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具37と同様に、窓取付部4とパネル取付部5とが一体に設けられている。パネル取付部5の挿入部52は、
図12に示す第3実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具32と同様に、窓1の見付方向の外側に向けて長い挿入空間Sを有している。
【0087】
窓保護パネル取り付け用金具38のパネル取付部5は、挿入部52の内板522に平行に配置される取付板部51を有していない。窓取付部4の基板411は、パネル取付部5と一体に設けられる取付部本体41の第1ガイド板412の途中を切り欠いて、見付方向の内側に直角に折り曲げることによって形成されている。窓保護パネル取り付け用金具38の離隔部53と、窓取付部4の第1ガイド板412とは、室内外方向に一体に延びるように設けられている。
【0088】
この窓保護パネル取り付け用金具38では、
図22に示すように、取付部本体41に可動部材42を移動可能に組み付けるためのねじSC2が、第1ガイド板412よりも窓1の見付方向の内側に突出して配置されている。ねじSC2は室外側に向けて露出している。そのため、ねじSC2を室外側から容易に回転操作することができる。L字工具を用いることで、ねじSC2を室内からも回転操作することができる。そのため、窓保護パネル取り付け用金具38を室内から窓1に固定することも可能である。
【0089】
窓保護パネル取り付け用金具38の挿入部52の外板521及び内板522には、ねじSC4を螺合可能なねじ穴521g,522dを有する。外板521のねじ穴521gは、外板521の見付方向の内側端部近傍に配置されるねじ取付穴521bよりも、見付方向のやや外側寄りに配置されている。内板522のねじ穴522dは、外板521のねじ穴521gに対して室内外方向に同軸に配置される。ねじ穴521g,522dは、外板521及び内板522の上下方向(
図21及び
図23の上下方向)に対称に配置されている。そのため、窓保護パネル取り付け用金具38は、窓1の左右の縦枠13,14の区別なく兼用することができる。
【0090】
ねじ孔521g,522dには、ねじSC4が室外側から挿入されて螺合する。ねじSC4は、
図23に示すように、挿入部52に窓保護パネル2が挿入された際に、窓保護パネル2の下端面2bを支持する位置規制部として機能する。ねじSC4からなる位置規制部は、必要に応じて、ねじ孔521g,522dにねじSC4を挿入するだけで容易に設けることができる。ねじ孔521g,522dは、外板521及び内板522の上下方向に対称に配置されるため、窓保護パネル取り付け用金具38が上下逆に取り付けられる場合でも、ねじSC4によって位置規制部を容易に設けることができる。窓保護パネル取り付け用金具38が縦枠13,14の上部に取り付けられる場合は、ねじSC4によって、窓保護パネル2の上方への移動を規制することもできる。
【0091】
挿入部52の外板521及び内板522の上下端縁には、段部からなるパネル挿入位置指示部526がそれぞれ設けられている。パネル挿入位置指示部526は、ねじ取付穴521bよりも見付方向の外側、且つねじ穴521g,522dよりも見付方向の外側の端縁に配置される。
【0092】
窓保護パネル2の端部2aを木ねじSC3によってねじ固定する場合、固定強度を担保するため、窓保護パネル2の端部2aから10mm以上の距離をあけてねじ固定する必要がある。
図23に示すように、ねじ取付穴521bからのパネル挿入位置指示部526の離隔距離L4が10mm以上となるように、挿入部52にパネル挿入位置指示部526を形成することによって、挿入部52に窓保護パネル2の端部2aを挿入する際に、窓保護パネル2の端部2aの位置がパネル挿入位置指示部526に一致するように挿入するだけで、窓保護パネル2を適切な挿入位置に容易に位置決めすることができる。
【0093】
パネル挿入位置指示部526は、段部によって形成されるものに限らず、外板521に線、突起、印刷等によって形成してもよい。窓保護パネル2が室外側から固定される場合には、パネル挿入位置指示部526は、外板521と内板522とのうちの少なくとも外板521に設けられていればよい。パネル挿入位置指示部526は、窓保護パネル取り付け用金具3A,3B,31~37の挿入部52にも同様に設けることができる。
【0094】
図24は、第10実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具39を示す。窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bと同一符号の部位は同一構成の部位もしくは同一機能を有する部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下においては相違する構成のみについて説明する。
【0095】
窓保護パネル取り付け用金具39は、第8実施形態及び第9実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具37、38と同様に、窓取付部4とパネル取付部5とが一体に設けられている。すなわち、窓保護パネル取り付け用金具39のパネル取付部5は、取付板部51に相当する部位を有しておらず、窓取付部4の基板411は、パネル取付部5と一体に設けられる取付部本体41の第1ガイド板412の途中を切り欠いて、見付方向の内側に直角に折り曲げることによって形成されている。窓保護パネル取り付け用金具39において、基板411は、窓取付部4の可動部材42の2つの螺合板423に対応して2つ設けられている。これによって、第1ガイド板412には、可動部材42の螺合板423を窓1の見付方向の外側から挿入可能な2つの切り欠き部412aが形成されている。
【0096】
窓保護パネル取り付け用金具39において、パネル取付部5は、窓取付部4に対して、窓1の見付方向の内側に向けて突出するように設けられている。詳しくは、パネル取付部5の挿入部52の外板521は、窓取付部4の第1ガイド板412を室外側に向けて延長するとともに窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成されている。パネル取付部5の挿入部52の内板522は、外板521の略中央部の領域を、側板523が形成されるように、外板521の折り曲げ部位よりも室内側で矩形状に切り欠いて、窓1の見付方向の内側に直角に折り曲げることによって形成されている。内板522には、可動部材42を組み付けるためのねじSC2を基板411のねじ挿通穴411bに室外側から挿通させる2つの開口部522fが設けられている。離隔部53は、内板522と基板411との間に形成される。
【0097】
窓保護パネル取り付け用金具39において、パネル取付部5の挿入部52を構成する側板523は、第1ガイド板412及び離隔部53と一体に室内外方向に延びている。パネル取付部5の挿入部52を構成する外板521及び内板522は、側板523から窓1の見付方向の内側に向けて平行に延びている。
図25及び
図26に示すように、外板521及び内板522の先端は、窓取付部4に対して窓1の見付方向の内側に大きく張り出し、縦枠14よりも内側に配置されている。そのため、挿入部52の内板522は、障子20を開放することによって形成される窓開口10aの内側に位置し、窓1の室内側から作業者によって直接アクセス可能に配置されている。
【0098】
外板521には、ねじ取付穴512bが設けられているとともに、位置規制部として機能するねじSC4を螺合可能なねじ穴521gが設けられている。内板522には、窓1の室内側からアクセス可能な位置に、ねじ取付穴522gが設けられている。
【0099】
外板521のねじ取付穴512b及びねじ穴521gは、外板521の上下方向(
図24及び
図25の上下方向)に対称に一対ずつ配置され、内板522のねじ取付穴522gは、内板522の上下方向(
図24及び
図25の上下方向)に対称に一対配置されている。そのため、窓保護パネル取り付け用金具39は、窓1の左右の縦枠13,14の区別なく兼用することができる。
【0100】
窓保護パネル取り付け用金具39は、室内側から窓1に固定することができることに加えて、挿入部52に挿入された窓保護パネル2の端部2aを固定する際に、
図26中の矢印Dで示すように、木ねじSC3を、窓1の室内側から室外側に向けて、内板522のねじ取付穴522gに挿入することができる。窓1の室内側から窓保護パネル2の固定作業を行うことができるため、窓1が高所に配置される場合でも、窓保護パネル2を安全且つ容易に取り付けることができる。
【0101】
窓保護パネル取り付け用金具39において、外板521のねじ取付穴512bは、必ずしも設けられていなくてもよい。窓保護パネル取り付け用金具39の外板521及び内板522の少なくともいずれか一方には、
図21~
図23に示す窓保護パネル取り付け用金具38と同様のパネル挿入位置指示部526が設けられてもよい。
【0102】
窓保護パネル取り付け用金具39において、内板522のねじ取付穴522gには、窓保護パネル2の端部2aを固定するために、
図11に示す窓保護パネル取り付け用金具31の蝶ねじ54と同様の蝶ねじが設けられてもよい。窓保護パネル取り付け用金具39において、内板522には、
図13に示す窓保護パネル取り付け用金具33の爪部525と同様の爪部が設けられてもよい。窓保護パネル取り付け用金具39において、窓取付部4とパネル取付部5とは、別体に設けられてもよい。
【0103】
図1に示す窓1は、縦枠13,14にそれぞれ2つずつの窓保護パネル取り付け用金具3A,3Bが取り付けられるが、窓保護パネル取り付け用金具の取り付け位置及び数はこれに限定されない。
図27は、上枠11及び下枠12の室外側の外縁部111,121に、それぞれ3つずつの窓保護パネル取り付け用金具30を取り付けた場合を示す。窓保護パネル取り付け用金具30は、以上説明した窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31~39のうちの少なくとも1種を使用することができる。
【0104】
窓保護パネル取り付け用金具は、枠体10の延び方向の全長に亘って長尺に形成されてもよい。
図28は、枠体10の縦枠13,14の延び方向に沿って長尺に形成される窓保護パネル取り付け用金具300を、縦枠13,14にそれぞれ1つずつ取り付けた場合を示す。窓保護パネル取り付け用金具300は、以上説明した窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31~39のうちの少なくとも1種と同様の構成を有するものを使用することができる。
【0105】
パネル取付部5が窓取付部4に対して別体に設けられる場合、パネル取付部5は、窓取付部4に対して、窓の見付方向の外側から内側に向けてスライド移動可能に取り付けられることによって位置調整可能に設けられてもよい。これによれば、パネル取付部5をスライド移動させることによって、枠体10に負荷を掛けることなく、窓保護パネル2を簡単に取り付けることができる。
【0106】
以上の各実施形態に係る窓保護パネル取り付け用金具によれば、次の効果が得られる。
【0107】
(1) 窓1の室外側に、窓1を保護する窓保護パネル2を取り付ける窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31~39であって、窓1の枠体10の室外側の外縁部111,121,131,141に取り付けられる窓取付部4と、窓取付部4の室外側に設けられ、窓保護パネル2を取り付けるパネル取付部5と、を有する。これによれば、どのような窓でも、窓1の室外側に窓保護パネル2を簡単に取り付けることができる。窓保護パネル2は、単なる矩形の板材を使用することができるため、窓1の保護構造を安価に構築することができる。
【0108】
(2) 上記(1)において、窓取付部4は、外縁部111,121,131,141を室内外方向から挟着する一対の第1挟着片413及び第2挟着片422を有してもよい。これによれば、一対の第1挟着片413及び第2挟着片422によって外縁部111,121,131,141を挟着するだけで、窓取付部4を窓1の枠体10に簡単に取り付けることができる。
【0109】
(3) 上記(1)又は(2)において、パネル取付部5は、パネル取付部5に取り付けられる窓保護パネル2と窓1との間に所定の離隔距離を形成する離隔部53を有してもよい。これによれば、窓保護パネル2と窓1の枠体10との間にクリアランスCLが設けられるため、窓保護パネル2が室内側に向けて撓んだ場合に、窓保護パネル2と窓1の障子20等との干渉を回避することができる。クリアランスCLが窓保護パネル2と枠体10との間に確保されることによって、窓保護パネル2は剛性の低い安価なパネルも使用可能であるため、窓1の保護構造をさらに安価に構築することができる。
【0110】
(4) 上記(1)~(3)のいずれかにおいて、パネル取付部5は、窓保護パネル2の端部2aを挿入する挿入部52を有してもよい。これによれば、窓保護パネル2の端部2aを挿入部52に挿入するだけで、パネル取付部5に簡単に装着することができる。
【0111】
(5) 上記(4)において、挿入部52は、窓取付部4の位置に対して、前記窓1の見付方向の外側に向けて凹んだ形状を有してもよい。これによれば、窓保護パネル2を、挿入部52に対してけんどん方式で挿入することができるため、外縁部111,121,131,141を強制的に変形させる必要がなく、窓1の枠体10に与える負荷を軽減することができる。
【0112】
(6) 上記(4)において、挿入部52は、窓取付部4の位置に対して、窓1の見付方向の内側に配置され、窓保護パネル2は、挿入部52に対して窓1の室内側から固定されるものであってもよい。これによれば、窓1の室内側から窓保護パネル2の固定作業を行うことができるため、窓1が高所に配置される場合でも、窓保護パネル2を安全且つ容易に取り付けることができる。
【0113】
(7) 上記(4)~(6)のいずれかにおいて、前記挿入部52は、前記窓保護パネル2の端部2aの挿入位置を指示するパネル挿入位置指示部526を有してもよい。これによれば、挿入部52に窓保護パネル2の端部2aを挿入する際に、窓保護パネル2の端部2aの位置がパネル挿入位置指示部526に一致するように挿入することによって、窓保護パネル2を適切な挿入位置に容易に位置決めすることができる。
【0114】
(8) 上記(1)~(7)のいずれかにおいて、パネル取付部5は、窓保護パネル2の取り付け位置を規制する位置規制部524、及び位置規制部として機能する押さえ板582、ねじSC4のいずれかを有してもよい。これによれば、窓保護パネル2の取り付け位置を規制することができる。位置規制部524、押さえ板582、ねじSC4が窓保護パネル2の下部に配置される場合は、固定される前の窓保護パネル2の下方への脱落を防止でき、窓保護パネル2の固定作業を楽に行うことができる。位置規制部524、押さえ板582、ねじSC4が窓保護パネル2の上部に配置される場合は、固定される前の窓保護パネル2の上方への移動を規制することができる。
【0115】
(9) 上記(1)~(8)のいずれかにおいて、パネル取付部5は、窓保護パネル2に喰い込んで保持する爪部525を有してもよい。これによれば、爪部525が窓保護パネル2の表面に喰い込んで保持することができるため、窓保護パネル2をより確実に固定することができる。
【0116】
(10) 上記(1)~(9)のいずれかにおいて、パネル取付部5は、窓取付部4に対して位置調整可能に取り付けられてもよい。これによれば、窓取付部4に対するパネル取付部5の位置を微調整することができる。パネル取付部5の位置が窓取付部4に対して窓1の見付方向に移動可能である場合は、パネル取付部5を移動させることによって、枠体10に負荷を掛けることなく、窓保護パネル2を簡単に取り付けることができる。
【0117】
(11) 上記(1)~(9)のいずれかにおいて、窓取付部4とパネル取付部5とは一体に設けられてもよい。これによれば、窓取付部4の取り付け作業だけで窓保護パネル取り付け用金具の取り付けが完了するため、窓保護パネル取り付け用金具の取り付け作業が簡略化される。
【0118】
(12) 上記(1)~(11)のいずれかにおいて、パネル取付部5は、窓保護パネル2をねじ固定するためのねじ取付穴521bを有してもよい。これによれば、窓保護パネル2をパネル取付部5に容易にねじ固定することができる。
【0119】
(13) 上記(1)~(11)のいずかにおいて、パネル取付部5は、窓保護パネル2を押し付けて固定するための蝶ねじ54、押し付け部材55,57,58を有してもよい。これによれば、窓保護パネル2を押し付けるだけでパネル取付部5に簡単に固定することができる。
【0120】
以上の説明では、窓1として辷り出し窓を例に挙げたが、窓の構造は制限されない。窓は、引違い窓、FIX窓等であってもよい。窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31~39が窓1の縦枠13,14に取り付けられる場合、窓保護パネル2は、窓保護パネル取り付け用金具3A,3B、31~39の挿入部52に上方から下方に向けてスライドさせて挿入するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 窓、 2 窓保護パネル、3A,3B,31~38 窓保護パネル取り付け用金具、4 窓取付部、 413 第1挟着片、 422 第2挟着片、 5 パネル取付部、 52 挿入部、 521b ねじ取付穴、524 位置規制部、 525 爪部、 526 パネル挿入位置指示部、 53 離隔部、54 蝶ねじ(第1の押し付け部材)、 55 押し付け部材(第2の押し付け部材)、 57 押し付け部材(第3の押し付け部材)、582 押さえ板(位置規制部)、 10 枠体、111,121,131,141 外縁部、 SC4 ねじ(位置規制部)