(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087918
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】充填装置、充填方法、及びバッグインボックスの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 3/04 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
B65B3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202476
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】松田 考世
(72)【発明者】
【氏名】青木 剛
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA04
3E118AA07
3E118AB14
3E118BA01
3E118BA04
3E118BA08
3E118BA09
3E118BB04
3E118CA01
3E118DA02
3E118DA03
3E118EA05
(57)【要約】
【課題】作業効率を向上できる充填装置、充填方法、及びバッグインボックスの製造方法を提供する。
【解決手段】 一形態にかかる充填装置は、複数のバッグを連ねて備えるバッグ列を支持するとともに、前記バッグに設けられた充填口部を充填位置に保持する、バッグ支持部と、前記充填位置に保持された前記充填口部に内容物を注入する充填ヘッドを有する充填部と、を備え、前記充填位置の下方に、前記バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッグを連ねて備えるバッグ列を支持するとともに、前記バッグに設けられた充填口部を充填位置に保持する、バッグ支持部と、
前記充填位置に保持された前記充填口部に内容物を注入する充填ヘッドを有する充填部と、
を備え、
前記充填位置の下方に、前記バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部が形成される、
充填装置。
【請求項2】
前記ボックス待機部を通る経路に沿って前記外装ボックスを供給するボックス供給機構を備える、請求項1に記載の充填装置。
【請求項3】
前記バッグ支持部は、
前記充填口部に係合するとともに前記充填位置に向かって延びるガイドレールと、
前記充填位置において前記充填口部の下流側の部位を支持する受け部材と、
前記充填位置の上流側で下方の位置から前記ボックス待機部に向かって下方に傾斜する支持面を有し、前記バッグの下側を支持するバッグトレイと、
を備える、請求項1または2に記載の充填装置。
【請求項4】
前記ボックス供給機構は、前記ボックス待機部の下側に配置されるボックス支持台と、
前記ボックス支持台に設けられた荷重センサと、を備える、請求項2に記載の充填装置。
【請求項5】
充填口部を有する複数のバッグが連なるバッグ列を、充填位置に至る所定の経路に沿って送り、
前記充填位置の下に、開口を有し前記バッグを収容する外装ボックスが、前記開口を上側に向けて配置された待機状態で、
前記充填位置に前記充填口部が保持された前記バッグに、前記充填口部を通じて内容物を充填する、充填処理を備える、
充填方法。
【請求項6】
前記充填処理の前に、前記外装ボックスが前記充填位置の下のボックス待機部に配置された状態において、前記バッグの少なくとも一部が前記外装ボックスの開口内または前記外装ボックスの開口の直上の位置に配置される、請求項5に記載の充填方法。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の充填方法と、
前記充填処理後に、前記外装ボックス上において内容物が充填された対象の前記バッグを前記バッグ列から切り離す切断処理と、を備える、バッグインボックスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填装置、充填方法、及びバッグインボックスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体などの内容物を収容する容器の一種として、例えばボール紙で構成される外装ボックスに、内袋としてフレキシブルバッグを収めたバッグインボックスがある。バックインボックスの製造方法として、複数の空のフレキシブルバッグが連なるバッグ列を所定の搬送経路に沿って送る搬送処理と、搬送経路上にある充填ステーションにてフレキシブルバッグに内容物を充填する充填処理と、充填ステーションの下流側に設けられたカットステーションにてバッグ列を切断して個々に切り離す切断処理と、フレキシブルバッグを外装ボックス内に収容する収容工程と、を備える自動処理が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、一連の動作を手動で行う場合、例えば空のフレキシブルバッグを充填装置にセットし、フレキシブルバッグに形成された充填口を、充填装置の充填ノズルに保持させ、充填装置によってフレキシブルバッグに内容物を充填する充填処理を行った後、フレキシブルバッグを充填装置から取り外して外装ボックス内に収容する。
【0004】
このように手作業で充填処理を行う場合は、工程数が多くなり、また、袋をセットする工程や充填後の袋を外装ボックスに収容する工程において袋毎に位置決め処理や移動処理が必要となるため作業が煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、作業効率を向上できる充填装置、充填方法、及びバッグインボックスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態にかかる充填装置は、複数のバッグを連ねて備えるバッグ列を支持するとともに、前記バッグに設けられた充填口部を充填位置に保持する、バッグ支持部と、前記充填位置に保持された前記充填口部に内容物を注入する充填ヘッドを有する充填部と、を備え、前記充填位置の下方に、前記バッグを収容する外装ボックスが配置可能なボックス待機部が形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業効率を向上できる充填装置、及びバッグインボックスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態にかかる充填装置の側面図。
【
図6】本発明の実施形態にかかるバッグインボックスの製造方法を示す説明図。
【
図7】同バッグインボックスの製造方法を示す説明図。
【
図8】同バッグインボックスの製造方法を示す説明図。
【
図9】同バッグインボックスの製造方法を示す説明図。
【
図10】同バッグインボックスの製造方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態にかかる充填装置1及びバッグインボックス4の製造方法について、
図1乃至10を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる充填装置1の側面図である。
図1において外装ボックスの一部を断面で示す。
図2は充填装置1の平面図、
図3は充填装置1の正面図である。
図4及び
図5は保持機構の構成を示す平面図及び側面図である。
図6乃至
図10はバッグインボックスの製造方法の説明図である。図中矢印X,Y,Zは互いに直交する3方向を示している。各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小または省略して示している。
【0011】
図1乃至
図5に示す充填装置1は、外装ボックス2に内袋となるバッグであるフレキシブルバッグ3を収めた、いわゆるバッグインボックス4の製造に用いられ、充填口部5を有するフレキシブルバッグ3に内容物C1を充填する装置である。
【0012】
外装ボックス2は、例えば段ボールで構成される矩形の筺体であり、上部が開口する直方体状の収容空間を有するケース部2aと、ケース部2aの上部の開口縁に連続して設けられる蓋部2bと、を一体に有する。外装ボックス2は、蓋部2bが開放されケース部2aの上開口を充填位置P1に向けた状態で、充填処理前に、充填位置P1の下方の待機位置P2に配置される。
【0013】
フレキシブルバッグ3は、四角形のフィルムの四方が溶着シールされ、袋状に構成されている。フレキシブルバッグ3の所定箇所には、合成樹脂で筒状に構成されたスパウトと呼ばれる充填口部5が設けられている。充填口部5には、
図6に示すように、合成樹脂で構成された着脱可能なキャップ6が装着される。
【0014】
充填口部5の、軸方向の先端部分の外周には、キャップ6に螺合する雄ねじ部が形成されている。充填口部5の、基端部分の外周面には、
図6に示すように、凹凸部として、外方に突出する複数の環状リブ5aが設けられている。環状リブ5aは、バッグ支持部20のガイドレール24、及びホルダアーム27に係合可能に形成されている。フレキシブルバッグ3は、複数一体に連ねられて構成されたバッグ列3Aとして、各充填口部5が上向きに配された状態で、第1経路A1に沿って搬送される。バッグ列3Aの、隣接するフレキシブルバッグ3同士の境界部のカットラインに、ミシン目3aが形成されている。
【0015】
充填装置1は、バッグ列3Aの空のフレキシブルバッグ3に内容物C1を注入する充填部10と、バッグ列3Aを保持するバッグ支持部20と、外装ボックス2を供給するボックス供給機構30と、制御部40と、を備える。
【0016】
図6乃至
図10に示すように、充填部10は、充填ヘッド11と、充填ヘッド11を昇降動作させる操作レバー14と、を備える。
【0017】
充填ヘッド11は、充填ノズル11aと、開閉バルブ11bと、バルブ駆動機構11cと、を備える。充填ヘッド11は充填口部5に挿入される下降位置と、充填口部5から退避する上昇位置と、で昇降動可能に構成されている。充填ヘッド11は、第1経路A1上に支持されるフレキシブルバッグ3の充填口部5に対向配置され、下降することで開栓処理後の充填口部5に挿入される。
【0018】
充填ノズル11aは、接続流路11dを介して内容物C1を収容するタンクに接続される流路を形成し、タンク内の内容物C1を吐出可能に構成される。
【0019】
開閉バルブ11bは、エアシリンダ等のバルブ駆動機構11cに接続され、充填ノズル11aの流路を開閉する。
【0020】
バルブ駆動機構11cは、例えばエアシリンダ機構である。バルブ駆動機構11cは、制御部40に接続される。バルブ駆動機構11cは、スイッチ操作によって、ロッドを伸縮させることで、開閉バルブ11bを開閉させる。
【0021】
充填部10は、充填ヘッド11が下降位置において充填口部5内に挿入された状態で、バルブ駆動機構11cにより開閉バルブ11bが開かれることにより、充填ノズル11aから充填口部5を通じてフレキシブルバッグ3への内容物C1を注入する充填処理を行う。また充填部10は、バルブ駆動機構11cにより開閉バルブ11bを閉じることで、充填ノズル11aの流路を閉じ、内容物C1の供給を停止する。
【0022】
操作レバー14は、充填ヘッド11に設けられる。操作レバー14は、作業者に手動操作されることで、充填ヘッド11を上昇位置と下降位置とで移動させる。
【0023】
バッグ支持部20は、充填作業を行う充填位置P1の奥方に配置される供給位置P0から、充填位置P1に至る第1経路A1に沿って、バッグ列3Aを支持するとともに、バッグ列3Aの移動方向を第1経路A1に沿って案内する。
【0024】
バッグ支持部20は、供給部21と、スパウト保持部22と、バッグ支持台23と、を備える。
【0025】
供給部21は、第1経路A1の始点となる供給位置P0において、バッグ列3Aを、供給可能に保持する。供給部21は、バッグ列3Aのうち上流側の複数のバッグ3を供給位置P0に保持する。例えば供給部21は、上が開口するとともにバッグ列3Aが折り畳まれて載置されるトレイ21aを有する。作業者が充填位置P1にあるバッグ3を手前に引っ張ることで、トレイ21aで折り畳まれたバッグ列3Aが引っ張られて供給される。例えば供給部21はロール状に巻かれたバッグ列3Aのロール芯を回転可能に保持する構成であってもよい。
【0026】
スパウト保持部22は、第1経路A1に沿って延びる一対のレール部材を有するガイドレール24と、受け部材であるホルダ機構25と、を備える。
【0027】
ガイドレール24は、第1経路A1に沿って延びる一対のレール部材24aを備える。ガイドレール24はバッグ列3Aの上側に配される。一対のレール部材24a間に、充填口部5が通過可能な幅のスリット通路24bが形成される。レール部材24aは充填口部5の両側部に配され、上向きに配された充填口部5の外周に形成された環状リブ5aに係合可能に構成されている。ガイドレール24は、レール部材24a間に形成されるスリット通路24bに、充填口部5を保持する。一対のレール部材24aは、上流側の端部が屈曲し、スリット通路24bが拡大するように、外方に延出する。なお、ガイドレール24は、1つのフレキシブルバッグ3の充填口部5が充填位置P1に供給された時点で、供給側に隣接する次のフレキシブルバッグ3の充填口部5がスリット通路24bに配置される程度の長さに構成されている。すなわち、ガイドレール24は、フレキシブルバッグ3の送り方向の長さ、連なるフレキシブルバッグ3のピッチ寸法よりも、長く構成される。
【0028】
ガイドレール24は、供給位置P0から充填位置P1に至る第1経路A1に沿って配置され、ガイドレール24によってバッグ列3Aの搬送経路が規定される。また、ガイドレール24は、一対のレール部材24aによってスリット通路24bに充填口部5を保持することで、各フレキシブルバッグ3の充填口部5の位置を一定の高さに規定する。
【0029】
ホルダ機構25は、ホルダベース26と、ホルダアーム27と、ストッパアーム28と、アーム駆動機構29と、を備える。
【0030】
ホルダベース26は、第1経路A1の側方に外れた位置に配置されるプレート状の支持部材である。
【0031】
ホルダアーム27は、ホルダベース26に回動可能に支持される。ホルダアーム27は、充填位置P1において、レール部材24aの下流側の端部に対向配置され、充填口部5の下流側の部位を支持する。ホルダアーム27は、第1経路A1の上流側に開口するU字状に構成され、環状リブ5aに係合可能に構成された円弧状の開口縁27aを有する。ホルダアーム27は、スリット通路24bと同様に、充填口部5が挿入可能な幅寸法を有している。
【0032】
ホルダアーム27は、アーム駆動機構29に接続され、第1経路A1内に配される支持位置と、第1経路A1外に退避する退避位置とで、回動可能に構成されている。ホルダアーム27は、支持位置において、ガイドレール24の第1経路A1の先方に対向配置される。支持位置においてホルダアーム27の開口縁27aに、環状リブ5aが係合し、充填口部5の一部が保持される。また、ホルダアーム27は、充填処理後には、アーム駆動機構29により、バッグ列3Aの移動を妨げない退避位置に配される。
【0033】
ストッパアーム28は、ホルダアーム27に固定支持される。ストッパアーム28は、ガイドレール24の第1経路A1の先方に対向配置され、ホルダアーム27が回動した際、充填口部5に当たることで、充填口部5の位置を規制する。
【0034】
アーム駆動機構29は、例えばエアシリンダ機構であり、ホルダアーム27に接続されるロッド29aを有する。アーム駆動機構29は、制御部40に接続され、制御部40の制御に応じて駆動する。アーム駆動機構29は、スイッチ操作により、制御部40に制御され、ロッド29aを伸縮させることで、ホルダアーム27を回動させる。
【0035】
バッグ支持台23は、バッグ列3Aの下側に設けられ、バッグ列3Aの下側を支持する。例えばバッグ支持台23は、充填位置P1よりも僅かに上流側、すなわち、奥側の位置に配置されるバッグトレイ23aを備える。充填位置P1の上流側でフレキシブルバッグ3の下面側を支持するバッグトレイ23aである。バッグトレイ23aは、充填位置P1の上流側かつ下方の位置からボックス待機領域R1に向かって下方に傾斜する支持面を有する。なお、バッグトレイ23aは、フレキシブルバッグ3の落下を妨げない位置に設定される。
【0036】
ボックス供給機構30は、回転軸が幅方向に沿って延びる複数の回転ローラ31と、複数の回転ローラ31を支持する支持部材32と、を備える。
【0037】
複数の回転ローラ31は、水平に並列配置される。複数の回転ローラ31によって、水平なボックス支持台33が構成され、その上面に水平な第2経路A2が形成される。ボックス支持台33は、充填位置P1よりも低い位置であってガイドレール24の端部よりも、手前側に隣接して設置される。回転ローラ31のいずれかは、駆動部に接続され、回転駆動する駆動ローラである。回転ローラ31のいずれかは回転可能に支持された従動ローラであってもよい。
【0038】
ボックス支持台33は充填位置P1の下方の待機位置P2を通る第2経路A2に沿って配置される。ボックス支持台33と、充填位置P1であるガイドレール24の端部との間は、外装ボックス2の高さ以上の間隔が形成され、ボックス支持台33と、ガイドレール24などの保持機構との間に、外装ボックス2が配置できる待機領域R1が形成される。
【0039】
ボックス支持台33には、計量部としての、ロードセル機構などの重量センサ34(荷重センサ)が設けられる。例えば重量センサ34はボックス支持台33に配置されたボックスの重量を検出する。例えば重量の情報は充填装置における充填量の設定に用いられてもよい。
例えばボックス供給機構30は、待機位置P2にある複数の回転ローラ31と、複数の支持部材32と、重量センサ34と、これらを支持する高さ調整可能なテーブルと、を備えるウェイトチェッカーによって、その一部が構成されていてもよい。
【0040】
ボックス供給機構30のボックス支持台33上であって、充填位置P1の直下の領域は、外装ボックス2が配置可能に構成される。すなわち、充填位置P1の直下には、ボックス待機部としてのボックス待機領域R1が形成される。ボックス供給機構30は、回転ローラ31の回転により、例えば上を開口させた状態で支持台上に配置された外装ボックス2を、第2経路A2に沿って搬送する。例えばボックス供給機構30は、回転ローラ31の回転と停止により、外装ボックス2を待機位置P2に順次セットし、充填処理が完了した後、フレキシブルバッグ3が入った外装ボックス2を、第2経路A2の下流側に搬送する。
【0041】
例えば本実施形態において第2経路A2は第1経路A1とは異なる方向に延びている。一例として、第1経路A1と直交する方向に設定される。すなわち平面視において、第1経路A1と第2経路A2は充填位置P1を交点として直交する方向に延出する。また、第2経路A2は第1経路A1よりも下方に設定される。
【0042】
以下、充填装置1を用いた充填方法及びバッグインボックス4の製造方法について、
図6乃至
図10を参照して説明する。
図6及び
図7は充填部10の構成と動作を示す説明図であり、
図8乃至
図10は、充填部10の構成を省略して、バッグ支持部20の構成と動作を示す説明図である。
【0043】
本実施形態にかかるバッグインボックス4の製造方法は、外装ボックス2を待機位置P2に配置するボックスセット工程と、手動によりバッグ列3Aを下流側に送り、対象のフレキシブルバッグ3を外装ボックス2上に配置させるバッグセット工程と、外装ボックス2上の充填位置P1において対象のバッグ3に内容物C1を充填する充填処理と、バッグ列3Aをフレキシブルバッグ3毎に切り離すカット工程と、を備える。
【0044】
まず、作業者は、自動または手動により、ボックス供給機構30のボックス支持台33上の待機位置P2に、上を開口させた状態で外装ボックス2を配置する。例えばボックス供給機構30により第2経路A2の上流側から順次搬送してもよく、手動にてボックス支持台33上の第2経路A2の上流側の位置にある外装ボックス2をスライド移動させて待機位置P2に配置してもよい。
【0045】
続いて作業者は、充填位置P1において、例えば手前のフレキシブルバッグ3を手で保持して手前に引っ張ることで、バッグ列3Aを作業者の手前側となる下流側に送り、次の充填処理の対象となるフレキシブルバッグ3の充填口部5を充填位置P1にセットする。この送り力、すなわち下流側に引っ張る力によって、供給位置P0で折り畳まれた複数のフレキシブルバッグ3を順次、供給する。
【0046】
供給部21から下流に供給されたフレキシブルバッグ3は、第1経路A1に沿って、充填位置P1に送られる。このとき、所定高さに支持されたガイドレール24によって、バッグ列3Aの充填口部5が所定高さに保持されるとともに、充填口部5の移動方向が第1経路A1に沿って案内される。
【0047】
ここで、対象のバッグ3の充填口部5が充填位置P1に来る前の段階で、ホルダアーム27は支持位置に配置されている。すなわちホルダアーム27は、ガイドレール24の先端部に対向配置されているため、
図9に示すように、バッグ列3Aを手動にて引出すことで、支持位置にあるホルダアーム27とガイドレール24とによって、充填口部5が充填位置P1に保持される。充填口部5が充填位置P1に配置されるように位置決めされた時点で、対象のバッグ3の先端部は、待機位置P2に待機している外装ボックス2内に一部が収容されるか、あるいは外装ボックス2の開口の直上に配置される。
【0048】
このとき、対象のフレキシブルバッグ3は、下側に配されるバッグトレイ23aによって、下側から支持される。
【0049】
作業者は、対象のフレキシブルバッグ3の充填口部5が充填位置P1に至ると、手作業でキャップ6を外す開栓処理を行い、充填処理を開始する。具体的には、
図6に示すように、操作レバー14の操作により、充填ヘッド11を下降させて充填口部5に挿入させる。そして、作業者がバルブ開閉用のバルブ駆動機構11cを動作させるスイッチを押すことで、充填ヘッド11に配された開閉バルブ11bが開き、充填ノズル11aから注液処理を行う。
【0050】
所定量の注液が完了したら、注液処理を終了する。このとき、液体の量は、予め設定された量、あるいはボックス支持台33の重量センサにて検出される重量に基づいて、設定される。
【0051】
このとき、充填処理により内容物C1がフレキシブルバッグ3に注液されると、フレキシブルバッグ3が下側に膨らむため、充填処理と同時に、待機していた外装ボックス2内に、フレキシブルバッグ3が収容される。このとき、ストッパアーム28及びホルダアーム27によって、充填口部5が上向きで所定の位置に保持されていることから、フレキシブルバッグ3の位置が安定し、スムースに外装ボックス2内に案内される。バッグトレイ23aによって、バッグ3を下方から支持することで、フレキシブルバッグ3の位置を安定させながら、バッグトレイ23aの傾斜面によってバッグ3を外装ボックス2内に案内する。
【0052】
注液処理の終了後、作業者が操作レバー14を操作して充填ヘッド11を上昇させることで、充填ヘッド11を充填口部5から退避させる。
【0053】
充填処理の完了後、閉栓処理を行う。閉栓処理として、例えば作業者は手動でキャップ6を充填口部5に取付けた後、充填ヘッド11に設けられたキャッピング機構を、例えばスイッチ操作により作動させることで、キャッピング機構を駆動し、キャップ6を充填口部5に装着する。
【0054】
閉栓処理の後、作業者は、例えば手動でバッグ列3Aの、ミシン目3aを挟んで両側の部分を互いに離間する方向に引っ張ることで、ミシン目3aを切断し、バッグ列3Aから充填処理が完了したフレキシブルバッグ3を、切り離す。
【0055】
そして、
図10に示すように、ホルダアーム27を回動させて退避位置に移動させることで、充填口部5の保持を解除する。例えば作業者はホルダの駆動部を駆動するスイッチを操作することにより、ホルダアーム27を移動させる。ここで、ホルダアーム27の解放時、ストッパアーム28は規制位置にセットしておくことで、充填口部5の送り方向の位置が規制される。ホルダアーム27の退避により充填位置P1から充填口部5が開放されると、充填位置P1において、充填処理及び切断処理を経た個々のフレキシブルバッグ3が、順次落下し、待機している外装ボックス2に収容される。このとき、ストッパアーム28によって、充填口部5の位置が規制されることで、フレキシブルバッグ3の挙動が安定し、落下位置を規制できる。
【0056】
以上の通り、上流から順次送られるフレキシブルバッグ3に、ボックス配置、バッグ位置決め、開栓、充填、閉栓、切断、開放、の処理を順次行うことで、順次充填処理及び収容処理を行う。
【0057】
本実施形態にかかる充填装置1及びバッグインボックス4の製造方法によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、充填位置P1の下側に外装ボックス2を配置する待機領域があるため、外装ボックス2の開口上あるいは開口内にフレキシブルバッグ3が配された状態での充填処理にともないフレキシブルバッグ3が外装ボックス2内に収容されるため、箱入れの作業工程が削減でき、処理能力を向上できる。また、フレキシブルバッグ3が連続したバッグ列3Aを支持するため、手前に引っ張るだけで、充填ヘッド11にフレキシブルバッグ3を簡単にセットでき、作業効率が向上する。さらにガイドレール24によって正確に充填ヘッド11へ向けてバッグ列3Aが案内されるため、セット工程のミスを削減できる。また、大部分を手作業として、複雑な機械制御が不要となるため、低コストで改造が可能となる。
【0058】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。また、各部の具体的構成や材質等は上記実施形態に例示したものに限られるものではなく適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…充填装置、2…外装ボックス、2a…ケース部、2b…蓋部、3…フレキシブルバッグ、3A…バッグ列、3a…ミシン目、4…バッグインボックス、5…充填口部、5a…環状リブ、6…キャップ、10…充填部、11…充填ヘッド、11a…充填ノズル、11b…開閉バルブ、11c…バルブ駆動機構、11d…接続流路、14…操作レバー、20…バッグ支持部、21…供給部、21a…トレイ、22…スパウト保持部、23…バッグ支持台、23a…バッグトレイ、24…ガイドレール、24a…レール部材、24b…スリット通路、25…ホルダ機構、26…ホルダベース、27…ホルダアーム、27a…開口縁、28…ストッパアーム、29…アーム駆動機構、29a…ロッド、30…ボックス供給機構、31…回転ローラ、32…支持部材、33…ボックス支持台、34…重量センサ、A1…第1経路、A2…第2経路、P0…供給位置、P1…充填位置、P2…待機位置、R1…ボックス待機領域。