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  • 特開-光を利用したヒートサイクルシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087939
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】光を利用したヒートサイクルシステム
(51)【国際特許分類】
   F25B 23/00 20060101AFI20230619BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20230619BHJP
   H01S 3/00 20060101ALN20230619BHJP
   H01S 3/067 20060101ALN20230619BHJP
【FI】
F25B23/00 Z
F25B27/00 Z
H01S3/00 A
H01S3/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202504
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】波多野 龍
(72)【発明者】
【氏名】元土肥 計彦
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 和巨
(72)【発明者】
【氏名】籾木 崇
(72)【発明者】
【氏名】大竹 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】永井 正也
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AF06
5F172AM08
5F172EE13
5F172NS04
5F172ZZ20
(57)【要約】
【課題】光源によるエネルギー消費量の増加を抑制しつつ、光源からの光を効率よく利用して熱を吸収または放出することができるヒートサイクルシステムの提供。
【解決手段】本開示のヒートサイクルシステムは、光を利用して熱を吸収または放出するものであって、無端状の光伝送路と、当該光伝送路に所定波長の光を入射する光源と、光伝送路の光源の下流側に設けられ、光源側からの光により励起された系が基底状態に戻る際に、熱を吸収または放出すると共に光源側からの光とは異なる波長の光を出力する熱交換部と、光伝送路の熱交換部の下流側に設けられ、熱交換部からの光の波長を上記所定波長に変換し、所定波長の光を熱交換部に供給する波長変換部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を利用して熱を吸収または放出するヒートサイクルシステムであって、
無端状の光伝送路と、
前記光伝送路に所定波長の光を入射する光源と、
前記光伝送路の前記光源の下流側に設けられ、前記光源側からの光により励起された系が基底状態に戻る際に、熱を吸収または放出すると共に前記光源側からの光とは異なる波長の光を出力する熱交換部と、
前記光伝送路の前記熱交換部の下流側に設けられ、前記熱交換部からの光の波長を前記所定波長に変換し、前記所定波長の光を前記熱交換部に供給する波長変換部と、
を備えるヒートサイクルシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートサイクルシステムにおいて、
前記波長変換部は、前記熱交換部からの光により励起された系が基底状態に戻る際に、熱を放出または吸収すると共に前記熱交換部からの光の波長を前記所定波長に変換して前記所定波長の光を出力する第2の熱交換部であるヒートサイクルシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のヒートサイクルシステムにおいて、
前記熱交換部および前記第2の熱交換部は、希土類元素がドープされたコアを有する光ファイバにより形成されるヒートサイクルシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のヒートサイクルシステムにおいて、
前記熱交換部および前記第2の熱交換部の各々は、熱交換対象物の少なくとも一部に接触するように前記熱交換対象物に巻回される前記光ファイバにより形成されるヒートサイクルシステム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のヒートサイクルシステムにおいて、
前記熱交換部と熱交換する熱交換対象物の温度に応じて、少なくとも前記光伝送路での光の損失に相当する光を前記光伝送路に入射するように前記光源を制御する制御装置を更に備えるヒートサイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光を利用して熱を吸収または放出するヒートサイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反射率を調整した誘電体ミラーを用いた光学式冷凍機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この光学式冷凍機は、光源からの単色レーザー光により光学的に励起される作動物質を含み、かかる作動物質が光学的に励起されて生じる蛍光(反ストークス蛍光)は、当該レーザー光のエネルギーよりも高い平均光子エネルギーをもつ。これにより、高い光子エネルギーの放射に伴って作動物質を冷却することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6041610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の光学式冷凍機では、作動物質を冷却するために当該作動物質に光源から継続して光を当て続けなければならず、光源によるエネルギー消費量が増加してしまう。また、当該光学式冷凍機の冷却能力を高めるためには、高出力の光源が必要となるが、高出力光源を採用することでエネルギー消費量の更なる増加を招いてしまう。更に、上記光学式冷凍機において、作動物質の励起により生じた蛍光は、当該作動物質を収容するチャンバの内面にコーティングされた蛍光吸収物質により吸収され、再利用されることはない。
【0005】
そこで、本開示は、光源によるエネルギー消費量の増加を抑制しつつ、光源からの光を効率よく利用して熱を吸収または放出することができるヒートサイクルシステムの提供を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のヒートサイクルシステムは、光を利用して熱を吸収または放出するヒートサイクルシステムであって、無端状の光伝送路と、前記光伝送路に所定波長の光を入射する光源と、前記光伝送路の前記光源の下流側に設けられ、前記光源側からの光により励起された系が基底状態に戻る際に、熱を吸収または放出すると共に前記光源側からの光とは異なる波長の光を出力する熱交換部と、前記光伝送路の前記熱交換部の下流側に設けられ、前記熱交換部からの光の波長を前記所定波長に変換し、前記所定波長の光を前記熱交換部に供給する波長変換部とを含むものである。
【0007】
本開示のヒートサイクルシステムは、無端状の光伝送路と、光伝送路に所定波長の光を入射する光源と、光伝送路の光源の下流側に設けられた熱交換部と、光伝送路の熱交換部の下流側に設けられた波長変換部とを含む。かかるヒートサイクルシステムにおいて、無端状の光伝送路に光源から所定波長の光が入射されると、光源の下流側に設けられた熱交換部は、光源側からの光により励起された系が基底状態に戻る際に、熱を吸収または放出すると共に光源側からの光とは異なる波長の光を出力する。すなわち、光伝送路の熱交換部は、光源側からの光よりも高いエネルギーをもった光を出力(反ストークス発光)するか、あるいは光源側からの光よりも低いエネルギーをもった光を出力(ストークス発光)し、入力した光と出力する光とのエネルギー差に相当する熱を吸収または放出する。そして、熱交換部からの光は、波長変換部に供給され、波長変換部は、熱交換部からの光の波長を上記所定波長に変換して当該所定波長の光を熱交換部に供給する。これにより、光源から光伝送路に入射された光を無端状の光伝送路で循環させることができるので、光源からの光を効率よく利用して熱交換部で熱を吸収または放出することが可能となる。更に、光伝送路に光源から高いエネルギーの光を継続して入射する必要がなくなるので、当該光源によるエネルギー消費量の増加を抑制することができる。この結果、本開示のヒートサイクルシステムによれば、光源によるエネルギー消費量の増加を抑制しつつ、光源からの光を効率よく利用して熱を吸収または放出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示のヒートサイクルシステムを示す概略構成図である。
図2】本開示のヒートサイクルシステムの動作を説明するための模式図である。
図3】本開示のヒートサイクルシステムの動作を説明するための模式図である。
図4】本開示の他のヒートサイクルシステムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示のヒートサイクルシステム1を示す概略構成図である。同図に示すヒートサイクルシステム1は、光を利用して熱を吸収・放出するものである。図示するように、ヒートサイクルシステム1は、光伝送路2と、光伝送路2に光を入射する光源(励起光源)3と、光伝送路2の光源3の下流側に設けられた第1熱交換部4と、光伝送路2の第1熱交換部4の下流側に設けられた第2熱交換部(波長変換部)5と、光源3等を制御する制御装置10とを含む。
【0011】
光伝送路2は、光ファイバにより無端状(環状)に形成されており、第1および第2熱交換部4,5に加えて、それぞれ図示しない光アダプタを介して第1および第2熱交換部4,5に接続される第1伝送路2aおよび第2伝送路2bを含む。光伝送路2の第1および第2熱交換部4,5は、希土類元素(添加物)がドープされたコアを有する光ファイバにより形成される。本実施形態では、第1および第2熱交換部4,5を形成する光ファイバとして、イッテルビウム(Yb)がドープされたコアを有するものが採用されている。ただし、第1および第2熱交換部4,5は、例えばサマリウム(Sm)がドープされたコアを有する光ファイバにより形成されてもよい。また、第1および第2熱交換部4,5以外の第1および第2伝送路2a,2bは、より光を通しやすい、コアに希土類元素がドープされていない一般的な光ファイバにより形成されている。
【0012】
光源3は、光伝送路2の第1伝送路2aに形成された光入射部2iに接続される出射口を有し、予め定められた一定の波長(所定波長)の光を光入射部2iから光伝送路2(第1伝送路2a)に入射可能である。本実施形態において、光源3は、例えば1040nmの波長をもったレーザー光(赤外光)を光伝送路2に入射することができるレーザーダイオードである。光源3から光入射部2iに入射されたレーザー光は、図1において点線で示すように、光伝送路2を図中時計方向に進行する。
【0013】
第1熱交換部4は、レーザー光の進行方向における光源3の下流側で、例えば電磁弁のソレノイド部や電子制御装置(ECU)といった発熱体である熱交換対象物O1と熱を交換して当該熱交換対象物O1を冷却するものである。第1熱交換部4は、希土類元素がドープされたコアを有する光ファイバを螺旋状(コイル状)に複数回だけ巻回することにより形成されており、熱交換対象物O1の少なくとも一部に接触(密着)するように当該熱交換対象物O1に巻き付けられる。
【0014】
第2熱交換部5は、レーザー光の進行方向における第1熱交換部4の下流側で、熱交換対象物O2と熱を交換するものである。第2熱交換部5は、希土類元素がドープされたコアを有する光ファイバを螺旋状(コイル状)に複数回だけ巻回することにより形成されており、熱交換対象物O2の少なくとも一部に接触(密着)するように当該熱交換対象物O2に巻き付けられる。本実施形態において、熱交換対象物O2は、ファンFから空気が送り込まれるヒートシンクである。すなわち、熱交換対象物O2(ヒートシンク)およびファンFは、放熱器を構成する。
【0015】
ヒートサイクルシステム1の制御装置10は、CPU,ROM,RAM、入出力インターフェース等を有するコンピュータや、各種駆動回路、各種ロジックIC等を含むものである。制御装置10は、熱交換対象物O1に取り付けられた温度センサTにより検出される当該熱交換対象物O1の温度を取得し、取得した温度に基づいて光源3を制御する。更に、制御装置10は、熱交換対象物O2に空気を送り込むファンFを制御する。
【0016】
続いて、上述のように構成されるヒートサイクルシステム1の動作について説明する。
【0017】
ヒートサイクルシステム1において、無端状の光伝送路2に光源3から予め定められた一定の波長(ここでは、例えば1040nm)のレーザー光が入射されると、図2に示すように、光源3の下流側で第1熱交換部4を形成する光ファイバでは、コアにドープされたイッテルビウムのイオン(Yb3+)が光源3側からのレーザー光により励起される。すなわち、第1熱交換部4を形成する光ファイバが発熱体である熱交換対象物O1に接触しているので、当該第1熱交換部4では、光源3側からのレーザー光によるイッテルビウムのイオン(Yb3+)の励起が促進される。
【0018】
そして、第1熱交換部4を形成する光ファイバは、励起されたイッテルビウムのイオン(Yb3+)が基底状態に戻る際に、図2に示すように、熱交換対象物O1から熱を吸収すると共に光源3からの光よりも短い(異なる)波長(ここでは、例えば980nm)のレーザー光を出力する。すなわち、光伝送路2の第1熱交換部4は、入力したレーザー光と出力するレーザー光とのエネルギー差に相当する熱を熱交換対象物O1から吸収し、光源3側からのレーザー光よりも高いエネルギーをもったレーザー光を出力(反ストークス発光)する。これにより、光源3側からのレーザー光を利用して発熱体である熱交換対象物O1、すなわち冷却対象を冷却することが可能となる。
【0019】
また、第1熱交換部4からのレーザー光は、第2伝送路2bを介して第2熱交換部5に供給される。図3に示すように、第1熱交換部4の下流側で第2熱交換部5を形成する光ファイバでは、コアにドープされたイッテルビウムのイオン(Yb3+)が第1熱交換部4からのレーザー光により励起される。すなわち、第2熱交換部5を形成する光ファイバが放熱器を構成する熱交換対象物(ヒートシンク)O2に接触しているので、当該第2熱交換部5では、第1熱交換部4からのレーザー光によるイッテルビウムのイオン(Yb3+)の励起が促進される。
【0020】
第2熱交換部5を形成する光ファイバは、励起されたイッテルビウムのイオン(Yb3+)が基底状態に戻る際に、図3に示すように、熱交換対象物O2に熱を放出すると共に第1熱交換部4からのレーザー光の波長を変換して光源3からのレーザー光と同一の波長(ここでは、例えば1040nm)のレーザー光を出力する。すなわち、光伝送路2の第2熱交換部5は、入力したレーザー光と出力するレーザー光とのエネルギー差に相当する熱を熱交換対象物O2に放出し、第1熱交換部4からのレーザー光よりも低いエネルギーをもったレーザー光を出力(ストークス発光)する。
【0021】
これにより、光源3から光入射部2iに入射されたレーザー光を無端状の光伝送路2で循環させることが可能となり、光源3側からのレーザー光を効率よく利用して発熱体である熱交換対象物O1から熱を吸収すると共に、吸収した熱を熱交換対象物O2から外部に放出することができる。加えて、光伝送路2に光源3から高いエネルギーの光を継続して入射する必要がなくなるので、当該光源3によるエネルギー消費量の増加を抑制することができる。この結果、ヒートサイクルシステム1によれば、光源3によるエネルギー消費量の増加を抑制しつつ、光源3からのレーザー光を効率よく利用して熱を吸収または放出することが可能となる。
【0022】
また、上記実施形態において、ヒートサイクルシステム1の制御装置10は、温度センサTにより検出される熱交換対象物O1の温度に応じて、少なくとも光伝送路2での光の損失に相当する光を光入射部2iに入射するように光源3を制御する。より詳細には、制御装置10は、光源3が連続レーザー光を出力するものである場合、熱交換対象物O1の温度が予め定められた目標温度に達していないときに、レーザー光の出力を大きくし、熱交換対象物O1の温度が目標温度に達したときに、レーザー光の出力を小さくする。また、光源3がパルスレーザー光を出力するものである場合、熱交換対象物O1の温度が予め定められた目標温度に達していないときに、パルス同士の間隔を短くし、熱交換対象物O1の温度が目標温度に達したときに、パルス同士の間隔を長くする。これにより、光源3によるエネルギー消費量の増加を良好に抑制しつつ、第1熱交換部4と熱交換する熱交換対象物O1の温度を所望温度に調整することが可能となる。
【0023】
更に、上記実施形態において、光伝送路2の第1熱交換部4および第2熱交換部5は、それぞれイッテルビウム等の希土類元素(添加物)がドープされたコアを有する光ファイバにより形成される。これにより、光源3側からのレーザー光により励起された希土類元素のイオンが基底状態に戻る際に、第1および第2熱交換部4,5に熱を吸収または放出させることが可能となる。
【0024】
ただし、ヒートサイクルシステム1において、第1熱交換部4および第2熱交換部5を形成する光ファイバは、希土類元素(添加物)がドープされたコアを有するものであれば、互いに異なる光ファイバであってもよい。更に、ヒートサイクルシステム1において、第1および第2伝送路2a,2bを形成する光ファイバは、光を通しやすいものであれば、互いに同一のものであってもよく、互いに異なるものであってもよい。
【0025】
また、第1および第2熱交換部4,5の各々は、熱交換対象物O1またはO2の少なくとも一部に接触するように当該熱交換対象物O1またはO2に巻回される光ファイバにより形成される。これにより、ヒートサイクルシステム1の大型化を抑制しつつ、第1および第2熱交換部4,5により熱交換対象物O1またはO2を効率よく冷却または加熱(放熱)することが可能となる。
【0026】
なお、上記ヒートサイクルシステム1において、第1熱交換部4は、コアにドープされた添加物(希土類元素等)のイオンが光源3側からのレーザー光により励起された後に基底状態に戻る際に、光源3からのレーザー光の波長(例えば980nm)よりも長い(異なる)波長(例えば1040nm)のレーザー光を出力すると共に加熱対象としての熱交換対象物O1に熱を放出するものであってもよい。この場合、第2熱交換部5は、コアにドープされた添加物(希土類元素等)のイオンが第1熱交換部4からのレーザー光により励起された後に基底状態に戻る際に、吸熱対象としての熱交換対象物O2から熱を吸収すると共に光源3からのレーザー光の波長と同一波長(例えば980nm)のレーザー光を出力するものであってもよい。これにより、光源3側からのレーザー光を利用して熱交換対象物O1すなわち加熱対象を加熱することが可能となる。
【0027】
また、上記ヒートサイクルシステム1において、第1熱交換部4からのレーザー光により励起された系が基底状態に戻る際に熱を放出または吸収する第2熱交換部5の代わりに、図4に示すように、波長変換器50が適用されてもよい。すなわち、ヒートサイクルシステム1では、第2熱交換部5の代わりに、熱を放出または吸収する機能をもたない(あるいは放熱性能または吸熱性能の低い)波長変換器50が用いられてもよく、当該波長変換器50により第1熱交換部4からのレーザー光の波長が光源3からのレーザー光の波長と同一の波長に変換されてもよい。
【0028】
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本開示の発明は、ヒートサイクルシステムの製造産業等において利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 ヒートサイクルシステム、2 光伝送路、2a 第1伝送路、2b 第2伝送路、2i 光入射部、3 光源、4 第1熱交換部、5 第2熱交換部、10 制御装置、50 波長変換器、F ファン、O1,O2 熱交換対象物、T 温度センサ。
図1
図2
図3
図4