(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008836
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】熱伝達ユニット
(51)【国際特許分類】
F28F 3/00 20060101AFI20230112BHJP
F28F 21/08 20060101ALI20230112BHJP
F28F 19/02 20060101ALI20230112BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20230112BHJP
B23K 1/00 20060101ALI20230112BHJP
C25D 11/00 20060101ALI20230112BHJP
C25D 11/18 20060101ALI20230112BHJP
C25D 11/24 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
F28F3/00 301Z
F28F21/08 A
F28F19/02 501D
F28D9/00
B23K1/00 330H
C25D11/00 308
C25D11/18 Z
C25D11/24 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022095092
(22)【出願日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】10 2021 206 945.2
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギトン ピエール-イーヴ
(72)【発明者】
【氏名】キリンク ヤシン
(72)【発明者】
【氏名】シュタンゲ フランク
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA12
3L103BB39
3L103CC02
3L103CC09
3L103DD15
3L103DD52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保護皮膜を持つ自動車のための熱伝達ユニットに関する。
【解決手段】熱伝達ユニット1は、金属でできた熱伝達ブロック2と、外側領域6及び材料接合領域7を持つベースプレート3とを備える。前記外側領域6を持つ前記ベースプレート3は、外側に向かって露出し、前記材料接合領域7において前記熱伝達ブロック2に材料接合される。本発明によれば、前記ベースプレート3は、アルミニウム又はアルミニウム合金又は展伸アルミニウム合金から形成される。前記外側領域6は、少なくとも部分的に陽極酸化によって作られた保護皮膜8を備え、前記材料接合領域7は、陽極酸化によって作られた保護皮膜8を備えていない
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のための熱伝達ユニット(1)であって、
流体が流れるチャネルを持つ金属でできた熱伝達ブロック(2)と、
外側領域(6)及び材料接合領域(7)を持つベースプレート(3)と
を備え、
前記外側領域(6)を持つ前記ベースプレート(3)は、外側に向かって露出し、前記材料接合領域(7)において前記熱伝達ブロック(2)に材料接合され、
前記ベースプレート(3)は、アルミニウム又はアルミニウム合金又は展伸アルミニウム合金から形成され、
前記ベースプレート(3)の前記外側領域(6)は、少なくとも部分的に陽極酸化によって作られた保護皮膜(8)を備え、前記ベースプレート(3)の前記材料接合領域(7)は、陽極酸化によって作られた保護皮膜(8)を備えていない
熱伝達ユニット。
【請求項2】
前記熱伝達ユニット(1)は熱交換器(4)であり、前記熱伝達ブロック(2)は、第1流体のための第1チャネル、及び第2流体のための第2チャネルを備え、及び
前記第1チャネル及び前記第2チャネルは、流体間の熱交換のために、前記熱伝達ブロック(2)において、熱伝達可能に互いに接続されている
請求項1に記載の熱伝達ユニット。
【請求項3】
前記熱交換器(4)は積層板の水冷式オイルクーラーであり、前記熱伝達ブロック(2)の前記第1チャネルは水用に設計され、前記熱伝達ブロック(2)の第2チャネルはオイル用に設計されている
請求項2に記載の熱伝達ユニット。
【請求項4】
前記熱伝達ユニット(1)は冷却プレートであり、前記熱伝達ブロック(2)の前記チャネルは、冷却水のために設計されている
請求項1に記載の熱伝達ユニット。
【請求項5】
前記保護皮膜(8)は、10 μmから20 μmの厚さを有し、
好ましくは15 μmであり、及び/又は
前記ベースプレート(3)は、3 mmから4 mmの厚さを有し、及び/又は
前記ベースプレート(3)は、形状と大きさにおいて同一である2つのサブベースプレート(3a,3b)から形成され、それらは互いに冶金的に接合されている
請求項1-4のいずれか1項に記載の熱伝達ユニット。
【請求項6】
請求項1-5のいずれか1項に記載の、自動車のための熱伝達ユニット(1)を製造する方法(9)であって、
前記方法は、
陽極酸化によって、前記ベースプレート(3)上に、前記保護皮膜(8)を生成することと、
同時に、前記ベースプレート(3)の前記材料接合領域(7)を、生成される前記保護皮膜(8)のない状態に保ち、又は、その後、生成された前記保護皮膜(8)を前記ベースプレート(3)の前記材料接合領域(7)から剥離することによって、前記材料接合領域(7)を露出させることと、
保護皮膜のない状態に保たれ、又は剥離されることによって露出された状態である前記材料接合領域(7)において、前記ベースプレート(3)を前記熱伝達ブロック(2)と冶金的に接合させることと、
を含む方法。
【請求項7】
前記保護皮膜(8)を生成する前に、前記材料接合領域(7)は、前記材料接合領域(7)を前記保護皮膜(8)のない状態に保つために、保護フィルムで覆われており、
前記保護皮膜(8)を生成した後、及び前記材料接合の前に、前記保護フィルムは剥離される
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記保護皮膜(8)の生成の間、前記保護皮膜(8)は、前記材料接合領域(7)においても生成され、
前記保護皮膜(8)を生成した後、及び前記材料接合の前に、前記保護皮膜(8)は、前記材料接合領域(7)において機械的に又は化学的に剥離される
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記材料接合領域(7)における前記保護皮膜(8)の化学的な剥離の間、前記外側領域(6)は保護フィルムで覆われており、
前記外側領域(6)の被覆に続いて、前記保護皮膜(8)は、前記材料接合領域(7)において、好ましくは酸洗処理によって化学的に剥離される
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記材料接合の間、前記ベースプレート(3)及び前記熱伝達ブロック(2)は、互いにはんだ付けされ、真空中において互いにはんだ付けされ、好ましくはフラックスなしで制御された雰囲気中において互いにはんだ付けされ、又は圧延接合方法で互いに接続される
請求項6-9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、自動車のための熱伝達ユニットに関する。本発明はまた、熱伝達ユニットを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、熱伝達ユニットは、流体が流れるチャネルを持つ金属でできた複数部分からなる熱伝達ブロックと、ベースプレートとを備える。ベースプレートは、片側が熱伝達ブロックに結合されて、ある領域は外部に露出している。熱伝達ユニットを腐食から保護するために、熱伝達ユニットは保護皮膜で覆われていてもよい。
【0003】
DE 10 2011 086 414 A1からはアノードの保護皮膜が、US 2019 024 990 A1からは酸化アルミニウムから保護被膜を製造する方法が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不利な点として、保護皮膜を持つ熱伝達ユニットを製造することは、非常に複雑である。熱伝達ユニットが保護皮膜で完全に覆われているとき、特別な装置が必要である。熱伝達ユニットの新しい設計のためには、新しい装置又は既存の装置の改造が常に必要である。熱伝達ユニットの個別の部品のみが保護皮膜で覆われているとき、腐食は、個別の部品の接続点において起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の目的は、一般的な型の熱伝達ユニットのための、改良された又は少なくとも代替の実施形態を述べることであり、それによって、記載されている不利な点が克服される。
【0006】
本発明によれば、この目的は、独立請求項1の主題を通して解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0007】
熱伝達ユニットが自動車のために設けられる。この熱伝達ユニットは、流体が流れるチャネルを持つ金属でできた熱伝達ブロックと、外側領域及び材料接合領域を持つベースプレートとを備える。ベースプレートの外側領域は、外側に向かって露出し、材料接合領域において熱伝達ブロックに材料接合される。本発明によると、前記ベースプレートは、アルミニウム又はアルミニウム合金又は展伸アルミニウム合金から形成される。前記ベースプレートの前記外側領域は、少なくとも部分的に陽極酸化によって作られた保護皮膜を備え、前記ベースプレートの前記材料接合領域は、陽極酸化によって作られた保護皮膜を備えていない。
【0008】
陽極酸化は既知の電気化学の方法であり、当業者には既知の方法で行われ得る。したがって、ベースプレートは電解液中に配置されてもよく、直流がベースプレートを通して流されてもよい。そのプロセスにおいて、ベースプレートは陽極として使用されてもよい。直流によって、水素は陰極上に集められ得て、酸素は陽極上に集められ得る。これによって、酸化アルミニウムの保護皮膜は、ベースプレート上に形成され得る。ベースプレートは、陽極酸化の前又は後に、ベースプレート材料又はアルミニウムシートコイルから打ち抜かれてもよい。ベースプレートが、陽極酸化に続いてベースプレート材料又はアルミニウムシートコイルから打ち抜かれるとすぐに、ベースプレート材料又はアルミニウムシートコイルが陽極酸化されることが理解されよう。
【0009】
陽極酸化によって生成されたベースプレート上の保護皮膜は、酸化アルミニウムからなり、過酷な環境下でさえもベースプレートを腐食から保護し得る。保護皮膜は、少なくとも部分的に外側に向かって露出しているベースプレートの外側領域を覆い、ベースプレートを保護する。これに対して、ベースプレートの材料接合領域において、保護皮膜は存在しない。これによって、ベースプレートの熱伝達ブロックへの材料接合は、酸化アルミニウムの保護皮膜によって妨げられることはない。好ましくは、熱伝達ブロックは、ベースプレートに冶金的に接合され得る金属から形成される。これによって、ベースプレートは、簡単な方法で、熱伝達ブロックに、冶金的に接合又は結合され得る。有利には、熱伝達ユニットにおける、ベースプレートと熱伝達ブロックとの間の接続点を保護するためのさらなるシーリング材及び被覆はもはや必要とされない。これによって、熱伝達ユニットの耐用年数は向上され得て、熱伝達ユニットを製造することは著しく簡略化され得る。
【0010】
材料接合又は材料結合の間、ベースプレート及び熱伝達ブロックは、互いに永久的にかつ分離不可能に接続される。本発明については、「分離不可能」という用語は、ベースプレートと熱伝達ブロックとの間の接続が、ベースプレート及び/又は熱伝達ブロックを破壊することによってのみ分離され得ることを意味する。ベースプレート及び熱伝達ブロックは、互いに直接接続されてもよく、又は形のない材料--例えば接着剤--が追加で使用されてもよい。材料接合又は材料結合は、例えば、溶接、はんだ付け、及び接着を含む。
【0011】
外部領域は、連続していてもよく、又は不連続であってもよい。連続している外部領域は、全ての辺で材料接合領域によって囲まれている。不連続の外部領域は、材料接合領域によって互いに分離されている複数の領域を含む。材料接合領域は、連続していてもよく、又は不連続であってもよい。連続している材料接合領域は、全ての辺で外部領域によって囲まれている。不連続の材料接合領域は、外部領域によって互いに分離されている複数の領域を含む。外部領域及び材料接合領域は、合わせると、ベースプレートの外側表面を完全に表現する。ベースプレートについては、ベースプレートの外部領域が外部に露出しており、熱伝達ユニット内に配置され得る。
【0012】
有利には、前記熱伝達ユニットは熱交換器であり、前記熱伝達ブロックは、第1流体のための第1チャネル、及び第2流体のための第2チャネルを備えていると規定され得る。前記第1チャネル及び前記第2チャネルは、流体間の熱交換のために、前記熱伝達ブロックにおいて、熱伝達可能に互いに接続されている。有利には、前記熱交換器は積層板の水冷式オイルクーラーであり、前記熱伝達ブロックの前記第1チャネルは水用に設計され、前記熱伝達ブロックの第2チャネルはオイル用に設計されている。しかしながら、有利には、熱交換器のさらなる実施形態もまた、着想される。
【0013】
有利には、前記熱伝達ユニットは冷却プレートであり、前記熱伝達ブロックの前記チャネルは、冷却水のために設計されていると規定され得る。
【0014】
有利には、前記保護皮膜は、10 μmから20 μm、好ましくは15 μmの厚さを有すると規定され得る。有利には、前記ベースプレートは、3 mmから4 mmの厚さを有すると規定され得る。有利には、前記ベースプレートは、形状と大きさにおいて同一である2つのサブベースプレートから形成され、それらは互いに冶金的に接合されていると規定され得る。2つのサブプレートは、互いにはんだ付けされてもよい。
【0015】
本発明はまた、上で述べられている、自動車のための熱伝達ユニットを製造するための方法に関する。その方法では、以下のステップが、次の順序で実行される。陽極酸化によって、前記ベースプレート上に前記保護皮膜を生成すること、同時に前記ベースプレートの前記材料接合領域を、生成される前記保護皮膜のない状態に保つこと、又は、その後生成された前記保護皮膜を前記ベースプレートの前記材料接合領域から剥離することによって、前記材料接合領域を露出させること、及び、保護皮膜のない状態に保たれ、又は剥離されることによって露出された状態である前記材料接合領域において、前記ベースプレートを前記熱伝達ブロックと冶金的に接合されることである。ここで、ベースプレートは、陽極酸化の前又は後に、ベースプレート材料又はアルミニウムシートコイルから打ち抜かれてもよい。
【0016】
陽極酸化は既知の電気化学の方法であり、当業者には既知の方法で行われ得る。したがって、ベースプレートは電解液中に配置されてもよく、直流がベースプレートを通して流されてもよい。ベースプレートは陽極として使用されてもよい。直流によって、水素は陰極上に集められ得て、酸素は陽極上に集められ得る。これによって、酸化アルミニウムの保護皮膜は、ベースプレート上に形成され得る。ベースプレートが、陽極酸化に続いてベースプレート材料又はアルミニウムシートコイルから打ち抜かれるとすぐに、ベースプレート材料又はアルミニウムシートコイルが陽極酸化されることが理解されよう。
【0017】
前記方法において、陽極酸化によって生成された保護皮膜は、少なくとも部分的にベースプレートの外側領域において生成され、材料接合領域は保護皮膜を有していない。これによって、前記方法においては、ベースプレート又はベースプレート材料は、簡単な方法で、熱伝達ブロックに冶金的に接合され得る。熱伝達ブロックは、有利には、ベースプレートに冶金的に接合され得る金属から形成される。ベースプレートの、及び熱伝達ブロックの材料接合を通して、ベースプレートと熱伝達ブロックとの間の接続点を保護するためのさらなるシーリング材及び被覆はもはや必要とされない。これによって、熱伝達ユニットの耐用年数は向上され得て、熱伝達ユニットを製造することは著しく簡略化され得る。
【0018】
有利には、前記保護皮膜を生成する前に、前記材料接合領域は、前記材料接合領域を前記保護皮膜のない状態に保つために、保護フィルムで覆われていると規定され得る。前記保護皮膜を生成した後、及び前記材料接合の前に、前記保護フィルムは剥離される。
【0019】
有利には、前記保護皮膜の生成のとき、前記保護皮膜は、前記材料接合領域においても生成されると規定され得る。前記保護皮膜を生成した後、及び前記材料接合の前に、前記保護皮膜は、前記材料接合領域において化学的に剥離される。加えて、前記材料接合領域における前記保護皮膜の化学的な剥離の間、前記外側領域は保護フィルムで覆われていると規定され得る。前記外側領域の被覆に続いて、前記保護皮膜は、前記材料接合領域において、好ましくは酸洗処理によって化学的に剥離される。代替として、保護皮膜は、材料接合領域において機械的に剥離されてもよい。
【0020】
有利には、前記材料接合の間、前記ベースプレート及び前記熱伝達ブロックは、互いにはんだ付けされ、真空中において互いにはんだ付けされ、好ましくはフラックスなしで制御された雰囲気中において互いにはんだ付けされ、又は圧延接合方法で互いに接続されると規定され得る。
【0021】
本発明のさらなる重要な特徴及び利点は、従属請求項から、図面から、及び図面を参照した関連する図面の説明から明らかになる。
【0022】
上で述べられている特徴及び以下に説明する特徴は、示されているそれぞれの組み合わせにおいて使用され得るだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせにおいて、又は単独で使用され得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の好ましい例示的な実施形態は図面において示され、以下の説明でより詳細に説明され、ここで、同一の参照番号は、同一の、類似の、又は機能的に同一の構成要素に関する。
【0024】
それぞれのケースを概略的に示す。
【
図1】
図1は、本発明による熱伝達ユニットの分解組立図である。
【
図2】
図2は、異なる方法で実施された本発明による方法の概略図である。
【
図3】
図3は、異なる方法で実施された本発明による方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明による自動車のための熱伝達ユニット1の分解組立図を示す。熱伝達ユニット1は、金属の熱伝達ブロック2とベースプレート3とを備える。
【0026】
この典型的な実施形態では、熱伝達ユニット1は熱交換器4であり、熱伝達ブロック2は複数の積層板5から形成される。積層板5の間に、熱伝達ブロック2における2つの流体が積層板5を通して互いに熱を交換し得るように、第1流体のための第1チャネル及び第2流体のための第2チャネルが形成される。熱交換器4は、例えば水冷式オイルクーラー(oil-water cooler)であってもよく、前記水冷式オイルクーラーでは、熱伝達ブロック2の第1チャネルは水用に設計され、熱伝達ブロック2の第2チャネルはオイル用に設計される。
【0027】
この典型的な実施形態でのベースプレート3は、形状と大きさにおいて同一である2つのサブベースプレート3a及び3bから形成され、それらは互いに冶金的に接合され(stoffschlussig verbundenen)、好ましくははんだ付けされる。ベースプレート3は、アルミニウム、アルミニウム合金、又は鍛造アルミニウム合金からなり、3 mmから4 mmの厚さを有する。ベースプレート3は、外側領域6と材料接合領域7とを備え、それらは全体としてベースプレート3の外側表面を完全にカバーし、つまりそれに対応する。熱交換ユニット1において、ベースプレート3は、外側に向かって、外側領域6が露出している。材料接合領域7においては、ベースプレート3は、熱伝達ブロック2と冶金的に接合されている。
【0028】
ベースプレート3の外部領域6は、陽極酸化処理によって生成された酸化アルミニウムの保護皮膜8を備える。材料接合領域7は対照的に、ベースプレートが、冶金的に接合される方法で、より簡単に熱伝達ブロック2に接続され得るように、陽極酸化処理によって生成された酸化アルミニウムの保護皮膜8を備えない。ここで、熱伝達ブロック2は、ベースプレート3に冶金的に接合されることが可能な金属から形成される。
【0029】
以下で、本発明による熱伝達ユニット1を製造するための方法9が、より詳細に説明される。
【0030】
図2は、可能な実施形態での、本発明による方法9の概略図を示す。ここで、ベースプレート3の材料接合領域7は、ステップAでは保護フィルムによって覆われており、保護フィルムによって規定される。続くステップBでは、保護皮膜8は、当業者には既知の方法で、陽極酸化処理によってベースプレート3上に生成される。材料接合領域7は保護フィルムで覆われているので、保護皮膜8は、材料接合領域7の外部の外側領域6において独占的に生成される。ステップBに続いて、保護フィルムはステップCで剥離され、材料接合領域7は、それによって露出される。ステップDでは、ベースプレート3は、材料接合領域7において、熱伝達ブロック2に冶金的に接合される。ステップDでは、ここで、ベースプレート3は、材料接合領域7において、熱伝達ブロック2に冶金的に接合される。有利には、ベースプレート3及び熱伝達ブロック2は、互いにはんだ付けされてもよく、真空下で互いにはんだ付けされてもよく、好ましくはフラックスなしで、制御された雰囲気中において互いにはんだ付けされてもよく、又は圧延接合方法で互いに接続されてもよい。この代替案は、特に少ない工程によって特徴付けられる。
【0031】
図3は、可能なさらなる実施形態での、本発明による方法9の概略図を示す。ここで、保護皮膜8は、ステップEにおいて、当業者には既知の方法で、陽極酸化処理によってベースプレート3の全体にわたって--すなわち、外部領域6及び材料接合領域7において--生成される。この後、外部領域6は、ステップFにおいて保護フィルムによって覆われ、それによって、材料接合領域7が規定される。続くステップGにおいて、ここで、保護皮膜8は、好ましくは酸洗処理されることによって、材料接合領域7において化学的に剥離される。この後、保護フィルムは、ステップHにおいて外部領域6から除去される。これに続いて、ベースプレート3は、上で説明されたステップDにおいて、材料接合領域7において熱伝達ブロック2に冶金的に接合される。
【外国語明細書】