(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088364
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】リアクトルコア
(51)【国際特許分類】
H01F 27/24 20060101AFI20230620BHJP
H01F 37/00 20060101ALI20230620BHJP
H01F 27/26 20060101ALI20230620BHJP
H01F 27/245 20060101ALI20230620BHJP
【FI】
H01F27/24 K
H01F37/00 M
H01F37/00 A
H01F27/24 H
H01F27/26 130A
H01F27/245 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203028
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】茂木 尚
(72)【発明者】
【氏名】川村 悠祐
(72)【発明者】
【氏名】溝上 雅人
(57)【要約】
【課題】リアクトルの騒音を低減することができるリアクトルコアを提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、積層された電磁鋼板で構成され、磁路中に一または複数のギャップが形成されている複数の脚部と、非磁性体からなり、ギャップを充填するギャップ維持部材と、脚部に平行な方向に脚部を圧縮することが可能な圧縮機構と、を備え、圧縮機構による圧縮力P(MPa)(P≧0)が以下の式(1)を満たすことを特徴とする、リアクトルコアが提供される。
(3/40)×Ng-0.1≦P≦(3/40)×Ng+0.1 (1)
ここで、Ngは電線が巻かれる脚部のギャップの最大数であり、1以上の整数である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された電磁鋼板で構成され、磁路中に一または複数のギャップが形成されている複数の脚部と、
非磁性体からなり、前記ギャップを維持するギャップ維持部材と、
前記脚部の長さ方向に平行な方向に前記脚部を圧縮することが可能な圧縮機構と、を備え、
複数の脚部のうち、少なくとも1本以上の脚部に電線が巻きつけられ、
前記圧縮機構による前記脚部への圧縮力P(MPa)(P≧0)が以下の式(1)を満たすことを特徴とする、リアクトルコア。
(3/40)×Ng-0.1≦P≦(3/40)×Ng+0.1 (1)
ここで、Ngは脚部に設けられるギャップの最大数であり、1以上の整数である。
【請求項2】
積層された電磁鋼板で構成され、磁路中に一または複数のギャップが形成されている複数の脚部と、
非磁性体からなり、前記ギャップを維持するギャップ維持部材と、
少なくとも一つの前記ギャップ維持部材が該ギャップ維持部材に隣接する一方及び他方の鉄心ブロックに印加する圧縮力を調整する圧縮力調整機構を備え、
前記圧縮力調整機構によって、前記脚部の長さ方向のいずれの位置においても前記脚部の長さ方向に平行な方向の圧縮力P(MPa)(P≧0)が以下の式(1)を満たすことを特徴とするリアクトルコア。
(3/40)×Ng-0.1≦P≦(3/40)×Ng+0.1 (1)
ここで、Ngは脚部に設けられるギャップの最大数であり、1以上の整数である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアクトルコアに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1~4に開示されている通り、リアクトルが知られている。このリアクトルは、複数の脚部を有するリアクトルコアと、いずれかの脚部にコイル状に巻かれた電線(すなわちコイル)とを有する。脚部は電磁鋼板の積層体で構成される。また、脚部には、磁気抵抗を高めるためのギャップが一または複数形成される。ギャップには、非磁性体からなる充填部材が充填される場合がある。脚部同士は連結部によって連結される。連結部も電磁鋼板の積層体で構成される。
【0003】
リアクトルには様々な用途がある。例えば、リアクトルは、遅れリアクタンス源として使用される場合がある。具体的には、コンデンサを有する装置(モーター等)に交流電流を供給した場合、電流の位相が電圧の位相に対して進む。電圧の位相が電流の位相とずれていると、電圧が過剰に上昇する場合がある。そこで、コンデンサを有する装置にリアクトルを接続する。リアクトルは、電流の位相を遅らせることができるので、電流の位相と電圧の位相とを揃えることができる。あるいは、送電線を介して各施設に電力を供給する際に、送電線と地表との間にコンデンサが形成され、電流の位相が電圧の位相よりもすすむ場合がある。そこで、各施設では、電力を使用する前にリアクトルに電流を通すことで、電流の位相を遅らせ、電圧の位相と電流の位相とを揃える。
【0004】
また、リアクトルには、高周波電流をカットすることで、コンデンサの焼損を防止するという機能も有する。また、リアクトルを直流電源と直列に接続することで、電流の脈流(電流の脈動)を抑えるという機能も有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-025830号公報
【特許文献2】特許第3628370号公報
【特許文献3】特開2002-15924号公報
【特許文献4】特公昭50-25608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、リアクトルは様々な用途に使用されるので、非常に有用な装置である。しかしながら、リアクトルには、駆動時に騒音が発生するという問題があった。この騒音の種類としては、磁気吸引力起因の騒音と、磁歪起因の騒音とが想定される。上述したように、脚部には一または複数のギャップが形成される。ギャップ周辺の電磁鋼板は、当該ギャップによって隔離される。このため、コイルに電流が流れると、離間された電磁鋼板同士が磁気により吸引されて振動する。この振動によって空気が振動し、騒音が発生する。これが磁気吸引力起因の騒音である。一方、電磁鋼板は、磁気によって変形し(所謂磁歪)、この磁歪によって空気が振動し、騒音が発生する。これが磁歪起因の騒音である。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、リアクトルの騒音を低減することができるリアクトルコアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、積層された電磁鋼板で構成され、磁路中に一または複数のギャップが形成されている複数の脚部と、非磁性体からなり、ギャップを維持するギャップ維持部材と、脚部の長さ方向に平行な方向に脚部を圧縮することが可能な圧縮機構と、を備え、複数の脚部のうち、少なくとも1本以上の脚部に電線が巻きつけられ、圧縮機構による脚部への圧縮力P(MPa)(P≧0)が以下の式(1)を満たすことを特徴とする、リアクトルコアが提供される。
(3/40)×Ng-0.1≦P≦(3/40)×Ng+0.1 (1)
ここで、Ngは脚部に設けられるギャップの最大数であり、1以上の整数である。
【0009】
本発明の他の観点によれば、積層された電磁鋼板で構成され、磁路中に一または複数のギャップが形成されている複数の脚部と、非磁性体からなり、ギャップを維持するギャップ維持部材と、少なくとも一つのギャップ維持部材が該ギャップ維持部材に隣接する一方及び他方の鉄心ブロックに印加する圧縮力を調整する圧縮力調整機構を備え、圧縮力調整機構によって、脚部の長さ方向のいずれの位置においても脚部の長さ方向に平行な方向の圧縮力P(MPa)(P≧0)が以下の式(1)を満たすことを特徴とするリアクトルコアが提供される。
(3/40)×Ng-0.1≦P≦(3/40)×Ng+0.1 (1)
ここで、Ngは脚部に設けられるギャップの最大数であり、1以上の整数である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の上記観点によれば、リアクトルの騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】リアクトルコアの脚部に作用する圧縮力(MPa)と騒音(dB)との相関を示すグラフである。
【
図3】リアクトルコアの第二の実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1.リアクトルコアの構成>
次に、図面に基づいて本実施形態に係るリアクトルコアについて詳細に説明する。
図1に示すように、リアクトルコア10は、1対の脚部20、30と、脚部連結部40、50と、天井部70と、底面部71と、圧縮機構80、90とを備える。リアクトルコア10をリアクトルとして使用する場合、脚部20または脚部30(あるいは脚部20、30の両方)に電線がコイル状に巻かれ、電線に電流が流れる。
【0013】
脚部20は、複数の電磁鋼板が積層されることで構成される複数の鉄心ブロック21(
図1の例では3つ)と、鉄心ブロック21同士の間、及び脚部20と脚部連結部40、50との間に形成されるギャップ22aと、ギャップ22aを維持するギャップ維持部材22とを備える。
【0014】
鉄心ブロック21は、電磁鋼板の積層体であり、脚部20に電線がコイル状に巻かれ、電線に電流を流した際に、磁界を発生させる部分である。電磁鋼板は、
図1の紙面に垂直な方向に積層される。電磁鋼板の積層の態様はこの例に限定されない。以下に説明する鉄心ブロック31、脚部連結部40、50も同様である。つまり、脚部20に電線がコイル状に巻かれ、電線に電流を流した際に、脚部20、脚部連結部40、脚部30、及び脚部連結部50を周回する磁界が形成される。
【0015】
ギャップ22aは、鉄心ブロック21同士の間、及び脚部20と脚部連結部40、50との間に形成される。すなわち、ギャップ22aは、リアクトルコア10に形成される磁界の磁路中に形成される。これにより、リアクトルコア10の磁気抵抗を高めることができる。ギャップ22aの長さ(脚部20の長さ方向に平行な方向の長さ)は特に制限されないが、例えば1~2mm程度であってもよい。
【0016】
ギャップ維持部材22は、非磁性体で構成される部材であり、ギャップ22aを維持する部材である。詳細は後述するが、本実施形態では、リアクトルコア10の騒音を低減するために、脚部20、30の長さ方向に平行な方向に脚部20、30を圧縮する。したがって、ギャップ22aに何も充填されていない場合、ギャップ22aが消失してしまう。この場合、リアクトルコア10はその機能を発揮することができない。すなわち、リアクトルコア10をリアクトルとして使用することができない。そこで、本実施形態では、ギャップ22aにギャップ維持部材22を設ける。これにより、脚部20、30を圧縮した際にも、ギャップ22aが維持される。ギャップ維持部材22は、例えばベーク板である。なお、ギャップ維持部材22は中空部材であってもよいし、中実部材であってもよい。
【0017】
脚部30は、脚部20と同様の機能を有する部材である。すなわち、脚部30は、複数の電磁鋼板が積層されることで構成される複数の鉄心ブロック31(
図1の例では3つ)と、鉄心ブロック31同士の間、及び脚部30と脚部連結部40、50との間に形成されるギャップ32aと、ギャップ32aを維持するギャップ維持部材32とを備える。
【0018】
鉄心ブロック31は、脚部30に電線がコイル状に巻かれ、電線に電流を流した際に、磁界を発生させる部分である。ギャップ32aは、鉄心ブロック31同士の間、及び脚部30と脚部連結部40、50との間に形成される。すなわち、ギャップ32aは、リアクトルコア10に形成される磁界の磁路中に形成される。これにより、リアクトルコア10の磁気抵抗を高めることができる。ギャップ維持部材32は、非磁性体で構成される部材であり、ギャップ32aを維持する部材である。ギャップ維持部材32は、例えばベーク板である。なお、ギャップ維持部材32は中空部材であってもよいし、中実部材であってもよい。
【0019】
なお、本実施形態では脚部が2本となるが、脚部の本数はこの例に限定されず、例えば3本以上であってもよい。
【0020】
脚部連結部40、50は、電磁鋼板の積層体で構成される。脚部連結部40は、脚部20、30の上端部同士を連結し、脚部連結部50は、脚部20、30の下端部同士を連結する。脚部連結部40、50は、脚部20または脚部30に電線がコイル状に巻かれ、電線に電流を流した際に、磁束が流れる部分である。
【0021】
天井部70及び底面部71は、リアクトルコア10の上下端に配置される部材であり、圧縮機構80、90のナット82、92が締め付けられる際に脚部20、30を脚部20、30の長さ方向に平行な方向に圧縮する。圧縮機構80、90の詳細については後述する。
【0022】
圧縮機構80は、ボルト81及び1対のナット82を備える。ボルト81は、リアクトルコア10の左端側に配置され、天井部70及び底面部71を貫通する。1対のナット82は、ボルト81の突出部分(天井部70及び底面部71から突出した部分)に締結される。
【0023】
圧縮機構90は、ボルト91及び1対のナット92を備える。ボルト91は、リアクトルコア10の右端側に配置され、天井部70及び底面部71を貫通する。1対のナット92は、ボルト91の突出部分(天井部70及び底面部71から突出した部分)に締結される。
【0024】
圧縮機構80、90は、ナット82、92を締め付けることでリアクトルコア10を上下から加圧する。これにより、天井部70及び底面部71が脚部20、30を脚部20、30の長さ方向に平行な方向に圧縮する。なお、本実施形態では、圧縮機構をボルト及びナットで構成されるものとしたが、圧縮機構はこの例に限定されず、リアクトルコア10を上下から圧縮できるものであればどのようなものであってもよい。
【0025】
ここで、圧縮機構80、90による圧縮力P(MPa)(P≧0)は以下の数式(1)を満たす。
(3/40)×Ng-0.1≦P≦(3/40)×Ng+0.1 (1)
ここで、Ngは脚部に設けられるギャップの最大数であり、1以上の整数である。
例えば、
図1では、脚部20(または脚部30)のギャップ数が最大値の4であるので、Ng=4となる。このような条件でリアクトルコア10を圧縮することで、騒音を低減することができる。
リアクトルの騒音はNgが多いほど振動が大きくなり、かつ加わる圧縮力の効果も弱まるため、ギャップ数の最大値が支配要因になるものと考えられる。
【0026】
図2は、脚部方向圧縮力(脚部20、30の長さ方向に平行な圧縮力)(MPa)と騒音(dB)との相関をNgの値ごとに示すグラフである。具体的な実験条件は実施例で説明する。横軸は脚部方向圧縮力(MPa)を示し、縦軸は騒音(dB)を示す。グラフL1はNg=4となる場合の脚部方向圧縮力(MPa)と騒音(dB)との相関を示すグラフである。点P1はグラフL1の極小点を示す。
【0027】
グラフL2はNg=2となる場合の脚部方向圧縮力(MPa)と騒音(dB)との相関を示すグラフである。点P2はグラフL2の極小点を示す。グラフL3はリアクトルコア10のギャップを全て消失させた場合(つまりNg=0となる場合)の脚部方向圧縮力(MPa)と騒音(dB)との相関を示すグラフである。この場合、リアクトルコア10は実質的に変圧器のコアとなる。
【0028】
Ng=2または4となる場合に着目すると、圧縮力が低いうちは圧縮力が高まるにつれて騒音(dB)が低減する。この場合、騒音は磁気吸引力起因の騒音であると想定される。圧縮力が高まるほど、電磁鋼板の振動が抑制されると考えられるからである。圧縮力をさらに高めると、極小点を境として騒音が増加に転じる。この時の騒音は磁歪起因の騒音であると想定される。そこで、本実施形態では、極小点を中心とした前後0.1MPaの範囲を騒音レベルが低い範囲とし、数式(1)を設定した。数式(1)によれば、Ng=4の時は圧縮力を0.2~0.4MPaとすることで騒音レベルが低くなり、Ng=2の時は圧縮力を0.05~0.25MPaとすることで騒音レベルが低くなる。
【0029】
一方、Ng=0、つまり変圧器のコアに圧縮力を加えた場合、圧縮力が高いほど騒音レベルも大きくなることがわかる。つまり、圧縮力が強いほど磁歪起因の騒音が強くなると考えられる。
【0030】
本発明の第二の実施形態について説明する。
図3は第二の実施形態に係るリアクトルコア100の脚部110のみを表す図である。
図3の例では、脚部110は7つのギャップ維持部材120により、6つの鉄心ブロック130に区切られている。各ギャップ維持部材120は、ギャップ維持部材120を貫通するボルト140とナット150(圧縮力調整機構)を備え、各々の鉄心ブロック130に印加される圧縮力を調整することができる。各鉄心ブロック130に印加される圧縮力は、あらかじめテストモデルによって調整されてもよい。即ち、テストモデル(例えば、鉄心ブロック130、鉄心ブロック130の上下に配置されるギャップ維持部材120、上述したボルト140、及び上述したナット150からなるテストモデル)において、例えば、鉄心ブロック130とギャップ維持部材120との間に圧力計センサーを挿入し、圧縮力P(P≧0)が数式(1)の範囲に入るようにナット150の締め付けを調整する。その時のナット150の位置を測り、記録して、テストモデルと同一寸法、同一形状の製品のナット150の位置をテストモデルにおけるナット150の位置と合うように設定してもよい。
【0031】
以上説明した通り、本実施形態によれば、リアクトルの騒音を低減することができる。
【実施例0032】
次に、本実施形態の実施例を説明する。本実施例では、
図1に示すリアクトルコア10を作製した。ギャップ22a、32aの長さはいずれも1mmとした。ギャップ維持部材22、32はベーク板とした。ついで、脚部20に電線を巻いた。ついで、リアクトルコア10の中心から300mm離れた位置にマイクロホンを設置した。ついで、電線に1~8A、周波数50Hzの交流電流を流して磁界を発生させた。この時の磁束密度は、各ギャップ数及び圧縮力の条件に対して、常に1.4Tとなるように、電流値を調整した。ついで、脚部方向圧縮力をボルト82、92に加えるトルクを調整することにより変化させた。脚部方向圧縮力は、ボルトの締め付け圧をトルクレンチで測定し、換算することによって測定した。各々の脚部方向圧縮力において、電線に電流を流して、マイクロホンで騒音を測定し、脚部方向圧縮力と騒音との相関を測定した。
【0033】
脚部20のギャップ数が4、脚部30のギャップ数が2のとき、グラフL1が得られた。脚部30に脚部20と同様の電線を巻き、上記と同様の電流を流して、騒音を測定した結果、L1と同様のグラフを得た。ついで、脚部20のギャップ数を2、脚部30のギャップ数を2とし、上記と同様の試験を行った。この結果、
図2に示すグラフL2が得られた。
【0034】
尚、リアクトルコア10からすべてのギャップ22a、32aを消失させて(すなわちNg=0として)、電線を脚部20に巻いて、上記と同様の試験を行った結果、
図2に示すグラフL3が得られた。
【0035】
以上の結果から、数式(1)を満たすようにリアクトルコア10を加圧することで、騒音を低減できることが明らかとなった。
【0036】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。