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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090343
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】紙葉類処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20230622BHJP
   B65H 7/20 20060101ALI20230622BHJP
   G07D 11/00 20190101ALI20230622BHJP
   G07D 11/34 20190101ALI20230622BHJP
【FI】
G07D11/26
B65H7/20
G07D11/00
G07D11/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205268
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 浩一
【テーマコード(参考)】
3E141
3F048
【Fターム(参考)】
3E141AA02
3E141BA20
3E141CA04
3E141CA07
3E141EA06
3E141EA07
3E141FA03
3E141FJ05
3F048AA06
3F048AB03
3F048BA06
3F048BA11
3F048BB02
3F048DA06
3F048DC11
3F048DC15
3F048DC19
3F048EB37
(57)【要約】
【課題】付帯作業の実施判断に対するオペレータの事務負担を軽減し、付帯作業の効率化が可能な紙葉類処理装置、およびプログラムを提供する。
【解決手段】紙葉類処理装置は、搬送部と、検査部と、処理部と、制御部と、表示部とを備える。搬送部は、投入された紙葉類を搬送する。検査部は、搬送部で搬送される紙葉類を検査する。処理部は、検査部の検査結果に応じて、紙葉類に結束、裁断、集積を含む処理を行う。制御部は、処理部での処理に要する複数の消耗品の残量を消耗品ごとに算出する。表示部は、制御部が算出した消耗品ごとの残量を、複数の消耗品について一括して示す第1の画面を表示する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される前記紙葉類を検査する検査部と、
前記検査部の検査結果に応じて、前記紙葉類に結束、裁断、集積を含む処理を行う処理部と、
前記処理に要する複数の消耗品の残量を前記消耗品ごとに算出する制御部と、
前記制御部が算出した前記消耗品ごとの前記残量を、複数の前記消耗品について一括して示す第1の画面を表示する表示部と、を備える
紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記表示部は、補充もしくは交換を要する複数の前記消耗品の最大残量の値が前記消耗品ごとに設定される第2の画面を表示し、
前記制御部は、前記第2の画面から設定された設定値に基づいて、前記第1の画面における複数の前記消耗品の前記残量の表示態様を前記消耗品ごとに変化させる
請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記表示部は、複数の前記消耗品の前記残量の表示態様を変化させる閾値が前記消耗品ごとに設定される第3の画面を表示し、
前記制御部は、前記第2の画面から設定された設定値および前記第3の画面から設定された閾値に基づいて、前記第1の画面における複数の前記消耗品の前記残量の表示態様を前記消耗品ごとに変化させる
請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、複数の前記消耗品の前記残量に加えて、前回の補充もしくは交換に関する情報および複数の前記消耗品の前記残量を前記最大残量にリセットするために操作されるリセットボタンを前記消耗品ごとに前記第1の画面に表示し、
前記制御部は、前記第1の画面での前記リセットボタンの操作に基づいて前記前回の補充もしくは交換に関する前記情報を前記消耗品ごとに設定し、設定した当該情報を前記第1の画面に表示させる
請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記表示部は、複数の前記消耗品の前記残量に加えて、次回の補充もしくは交換に関する情報を前記消耗品ごとに前記第1の画面に表示し、
前記制御部は、前記第2の画面で設定された複数の前記消耗品の前記最大残量に基づいて前記次回の補充もしくは交換に関する前記情報を前記消耗品ごとに算出し、算出した当該情報を前記第1の画面に表示させる
請求項2に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記紙葉類処理装置の稼働状況を示す第4の画面を表示し、
前記制御部は、前記第4の画面のサブ画面として前記第1の画面を前記第4の画面にポップアップさせて前記表示部に表示させる
請求項1から5のいずれか一項に記載の紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記第4の画面に前記第1の画面を表示するために操作される表示ボタンを表示し、
前記制御部は、複数の前記消耗品の前記残量の表示態様に応じて、前記表示ボタンの表示態様を変化させる
請求項6に記載の紙葉類処理装置。
【請求項8】
紙葉類処理装置において補充もしくは交換を要する複数の消耗品の残量を前記消耗品ごとに管理する処理を実行させるプログラムであって、
複数の前記消耗品の最大残量の値を前記消耗品ごとに設定する手順と、
設定された前記消耗品の最大残量の値に基づいて複数の前記消耗品の残量を前記消耗品ごとに算出する手順と、
算出した前記消耗品ごとの前記残量を、複数の前記消耗品について一括して表示する手順と、を実行する
プログラム。
【請求項9】
複数の前記消耗品の前記残量の表示態様を変化させるための閾値を前記消耗品ごとに設定する手順と、
前記消耗品の最大残量の値および前記閾値に基づいて、複数の前記消耗品の前記残量の表示態様を前記消耗品ごとに変化させる手順と、をさらに実行する
請求項8に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紙葉類処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類処理装置は、投入された紙幣(銀行券)や有価証券等の紙葉類を検査、結束する処理などを行う。その処理過程においては、例えば紙葉類の投入単位を区分するための仕切紙の挿入、紙葉類を結束する帯に対するインク印字、検査後の紙葉類の帯での結束、結束された紙葉類の収納箱への収納などの処理がなされる。これらの処理で使用される仕切紙、印字インク、帯、収納箱は、いずれも消耗品であり、紙葉類処理装置の内部や外部への補充や交換などの付帯作業が適宜必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-001012号公報
【特許文献2】特許第4419674号公報
【特許文献3】特開2016-103129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの消耗品は、装置のオペレータによって残量が適宜確認されており、必要に応じて補充や交換などがなされている。例えば、オペレータは、装置内に装填された仕切紙や帯、装置付近に載置された収納箱の残量、あるいは帯に印字された文字の濃度などを目視で確認し、これら消耗品の補充や交換の要否を判断している。このように、消耗品の補充や交換の時期、換言すれば付帯作業の実施要否は、オペレータが各自で判断するため、事務負担を増大させる要因となっている。
【0005】
本実施形態が解決しようとする課題は、消耗品の補充や交換などの付帯作業の実施判断に対するオペレータの事務負担を軽減し、付帯作業の効率化を図ることが可能な紙葉類処理装置、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の紙葉類処理装置は、搬送部と、検査部と、処理部と、制御部と、表示部とを備える。前記搬送部は、投入された紙葉類を搬送する。前記検査部は、前記搬送部で搬送される前記紙葉類を検査する。前記処理部は、前記検査部の検査結果に応じて、前記紙葉類に結束、裁断、集積を含む処理を行う。前記制御部は、前記処理に要する複数の消耗品の残量を前記消耗品ごとに算出する。前記表示部は、前記制御部が算出した前記消耗品ごとの前記残量を、複数の前記消耗品について一括して示す第1の画面を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る紙葉類処理装置の内部の構成を概略的に示す図。
図2】実施形態に係る紙葉類処理装置の処理機能に対応する概略的な構成を示すブロック図。
図3】実施形態に係る紙葉類処理装置において、消耗品の消耗品交換個数を設定するための設定画面(消耗品交換個数設定画面)の一例を示す図。
図4】実施形態に係る紙葉類処理装置において、消耗品交換個数の閾値を設定するための設定画面(消耗品交換個数閾値設定画面)の一例を示す図。
図5】実施形態に係る紙葉類処理装置において、消耗品の残量状況の表示画面(消耗品残量画面)および紙葉類処理装置の稼働状況の表示画面(機械稼働状況画面)の一例を示す図。
図6】実施形態に係る紙葉類処理装置の消耗品残量管理処理時における制御部の制御フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照符号を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
【0009】
図1および図2には、紙葉類処理装置100の構成例を示す。図1は、紙葉類処理装置100の内部の構成を概略的に示す図である。図2は、紙葉類処理装置100の処理機能に対応する概略的な構成を示すブロック図である。紙葉類は、例えば紙幣(銀行券)や有価証券などの紙媒体である。かかる紙葉類の一例として、本実施形態では紙幣、具体的には市場に流通して回収された紙幣を想定するが、市場で流通する前の未使用の紙幣であってもよい。
【0010】
紙葉類処理装置100は、複数の処理ユニット(例えば6つの処理ユニット)を通って延在する複数の搬送路111,112を内部に有している。紙葉類処理装置100は、搬送路111に沿って紙葉類を搬送し、紙葉類に対して各種の処理を順次行う。搬送路111は、処理工程に応じて分岐路113~118に適宜分岐されている。複数枚(例えば1000枚)を束ねた紙葉類束が投入口101に投入されると、紙葉類処理装置100は、投入された紙葉類束から紙葉類を一枚ずつ取り込み、搬送路111,112および分岐路113~118で搬送し、搬送しながら紙葉類を検査して、検査結果に応じて結束、裁断、集積などの処理を行い、処理済の紙葉類を排出する。
【0011】
紙葉類処理装置100は、搬送部11、検査部12、および上記各種の処理を行う処理部10を備えている。
【0012】
搬送部11は、投入された紙葉類を搬送路111,112および分岐路113~118に沿って搬送する装置であり、例えば搬送ベルトおよび当該搬送ベルト上で紙葉類を搬送するための複数の搬送ローラなどを含む。搬送ベルトは、搬送路111,112および分岐路113~118を規定する。
【0013】
検査部12は、搬送部11で搬送される紙葉類に対して各種の検査を行う。例えば、検査部12は、紙葉類の種類(券種)、券長、正損、および真偽などを検査して判別する。券種判別は、例えば紙葉類に印刷されている模様に基づき紙葉類の券種を判別する処理である。本実施形態では一例として、検査部12は、紙幣の四つの券種を判別する。券長判別は、紙葉類の券長が券種に応じた許容範囲内であるかを判別する処理である。正損判別は、例えば紙葉類を撮像した画像データに基づいて紙葉類の汚損度合いが基準値よりも高いか否かを判定し、紙葉類が正券であるか損券であるかを判別する処理である。正券は、汚損度合いが基準値よりも低く再流通可能な紙葉類(以下、再利用券という)である。損券は、汚損度合いが基準値よりも高く再流通不可能な紙葉類(以下、廃棄券という)である。真偽判別は、例えば紙葉類に含まれる磁気情報を検出した磁気検出データに基づいて、紙葉類の真偽を判別する処理である。真偽判別の結果、偽券とされた紙葉類は、本実施形態では排除券として回収され、搬送路111から排出口102に排出される。なお、例えば搬送状態が基準姿勢からずれている紙葉類、券長が許容範囲でない紙葉類などを排除券に含めてもよい。
【0014】
このような検査を行うべく、検査部12は、搬送路111に沿って配置された複数の検査装置を有している。例えば搬送路111で搬送される紙葉類の画像を撮像して券長を判別するラインセンサ、券種および正損を判別する光学センサ、真偽を判別する磁気センサなどを備えている。さらに、検査部12は、カメラや物理的特性を検出する物理的特性検出手段などを含んでもよい。
【0015】
処理部10は、検査部12の検査結果に応じて、紙葉類に各種の処理、例えば紙葉類に結束、裁断、集積を含む処理を行う。本実施形態において、処理部10は、これら処理に個別に対応する廃棄券裁断部13、再利用券結束部14、排除券集積部15を備えている。
【0016】
廃棄券裁断部13は、検査部12における正損判別で廃棄券と判別された紙葉類を裁断する。これにより、例えば汚損度合いが基準値よりも高く再流通不可能な損券は、裁断されて廃棄され、再流通の対象から除かれる。廃棄券は、搬送路111から分岐する分岐路113によって廃棄券裁断部13に搬送される。
【0017】
再利用券結束部14は、検査部12における正損判別で再利用券と判別された紙葉類を集積し、集積された再利用券を所定枚数ごとに結束(施封)する。例えば、再利用券結束部14は、再利用券を所定枚数(一例として1000枚)ごとに帯で結束する。帯には、後述する印字部17で識別情報が印字されている。本実施形態では一例として、検査部12で判別される四つの券種に対応して、図1に示すように四つの再利用券結束部14a,14b,14c,14dが設けられている。各券種の再利用券は、搬送路111から分岐する分岐路114,115,116,117によって搬送され、券種ごとに集積される。集積された各券種の再利用券は、所定枚数ごとに結束される。結束された再利用券は、搬送路112で排出口102に搬送される。
【0018】
排除券集積部15は、検査部12における真偽判別で排除券と判別された紙葉類を集積する。排除券は、搬送路111から分岐する分岐路118によって排除券集積部15に搬送される。排除券集積部15は、排除券を集積する際、投入口101に投入された紙葉類束ごとに、後述する仕切紙供給部182から供給された仕切紙を挿入する。仕切紙は、排除券集積部15に集積される排除券が投入口101に投入されたいずれの紙葉類束に含まれていたものかを区別するために挿入される識別体である。これにより、例えば偽券などは、排除券として仕切紙とともに排除券集積部15に集積される。集積された偽券などの排除券は、投入された紙葉類束の処理単位ごとに仕切紙で区切られ、いずれの紙葉類束に含まれていたものかが仕切紙に基づいて追跡調査される。
【0019】
本実施形態において、紙葉類処理装置100は、処理部10(廃棄券裁断部13、再利用券結束部14、排除券集積部15)が紙葉類に対して行う処理に要する複数の消耗品を管理して処理部10に供給する消耗品管理部16を備えている。本実施形態では一例として、消耗品管理部16は、印字部17および供給部18を有している。
【0020】
印字部17は、再利用券結束部14において再利用券を結束するために使用される帯に所定の印字を行う。印字部17は、例えば印字ヘッド、印字用インクなどを備えた印字装置である。帯への印字内容は、例えば銀行名、ロゴ、金額、日付などの識別情報である。
【0021】
供給部18は、対象の処理部10に必要な消耗品を供給する。供給部18は、例えばスタッカやフィーダなどの機構を備え、処理部10が行う処理において必要となる消耗品を適宜供給する装置である。本実施形態では、供給部18は、帯・収容箱供給部181と仕切紙供給部182を有している。帯・収容箱供給部181は、再利用券を結束する帯、換言すれば識別情報が印字される帯を保持し、印字部17に供給する。また、帯・収容箱供給部181は、結束された再利用券を収容する収容箱をそれぞれ保持し、再利用券結束部14に供給する。仕切紙供給部182は、投入された紙葉類束ごとに排除券を区切る仕切紙を保持し、排除券集積部15に供給する。
【0022】
紙葉類処理装置100は、搬送部11、検査部12、処理部10、消耗品管理部16を動作制御する制御部20を備えている。制御部20は、搬送部11、検査部12、処理部10、消耗品管理部16と有線もしくは無線により接続されている。制御部20は、CPU、メモリ、入出力回路、タイマなどを含み、搬送部11、検査部12、処理部10、消耗品管理部16の動作を制御し、紙葉類処理装置100の運転を制御する。また、制御部20は、記憶部21を備え、搬送部11、検査部12、処理部10、消耗品管理部16が行う処理に必要なプログラムや各種情報(データ)を適宜記憶する。
【0023】
制御部20は、紙葉類処理装置100の運転開始、運転停止、運転状況の監視に加えて、本実施形態では消耗品の残量管理を行う。そのため、制御部20は、メモリに読み出されたプログラムやファームウェアを実行するとともに、これらの実行に必要な各種情報(データ)を搬送部11、検査部12、処理部10、消耗品管理部16から取得する。取得した情報に応じて所定の演算処理を実行することで、制御部20は、紙葉類処理装置100における紙葉類の搬送、検査、結束などを行う。その際、制御部20は、操作部30から入力された指示に基づいて、搬送部11、検査部12、処理部10、消耗品管理部16を動作させ、操作に応じた情報を表示部40に表示させる。また、制御部20は、消耗品管理部16で管理される複数の消耗品の残量(残量状況)を消耗品ごとに算出し、残量状況を示す画面(第1の画面(後述する消耗品残量画面53))を表示部40に表示させる。
【0024】
操作部30および表示部40は、制御部20に対するインタフェースであり、例えば制御部20を含む制御装置の構成要素として構成される。操作部30は、例えばキーボード、マウス、スイッチ、ボタン、レバーなどを含む。表示部40は、例えば液晶ディスプレイなどであり、操作部30の機能を一部兼ねたタッチパネルであってもよい。なお、操作部30および表示部40は、機能を一体化させた構成であってもよい。
【0025】
記憶部21は、例えばハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)などの装置(不揮発メモリ)である。記憶部21は、制御部20のCPUが実行するプログラムを記憶するとともに、補充もしくは交換を要する消耗品の最大残量(以下、消耗品交換個数という)の値に関する各種情報(データ)を記憶する。記憶されたデータは、制御部20によって適宜読み出される。消耗品交換個数は、例えば紙葉類処理装置100の内部に装填可能な消耗品の最大量や紙葉類処理装置100付近に載置可能な消耗品の最大量などに応じて、消耗品ごとに任意に設定される。本実施形態において、消耗品交換個数は、投入口101に投入される紙葉類束を処理可能な消耗品量の上限値の目安として設定されている。すなわち、消耗品交換個数は、当該消耗品の一回の補充や交換で処理可能な紙葉類の最大束数の目安である。
【0026】
本実施形態では、表示部40に表示された設定画面からオペレータが消耗品ごとに消耗品交換個数を設定可能とされている。制御部20は、設定された消耗品交換個数を消耗品ごとに取得し、記憶部21にそれぞれ記憶する。記憶された消耗品交換個数は、消耗品の残量を管理する処理(後述する消耗品残量管理処理)の実行時にプログラムの演算パラメータとして読み出される。
【0027】
図3は、補充や交換を要する複数の消耗品の消耗品交換個数を消耗品ごとに設定するための設定画面(第2の画面、以下、消耗品交換個数設定画面という)51の一例を示す図である。消耗品交換個数設定画面51は、制御部20によって表示部40に表示される。本実施形態では、消耗品として仕切紙、印字インク、帯、収納箱について、最大残量(消耗品交換個数)がそれぞれ設定可能とされている。消耗品交換個数設定画面51で設定された消耗品交換個数は、消耗品ごとに記憶部21に記憶される。図3に示す例では、処理可能な紙葉類の束数で消耗品交換個数が設定されている。この場合、消耗品交換個数は、仕切紙が10000個、印字インクが50000個、帯が50000個、収納箱が10000個である。したがって、仕切紙は、一回の補充で紙葉類を10000束程度まで処理可能である。同様に、印字インクおよび帯は一回の交換で紙葉類を50000束程度まで、収納箱は一回の補充で紙葉類を10000束程度までそれぞれ処理可能である。
【0028】
なお、消耗品交換個数設定画面51には、消耗品が補充や交換された実績数が併せて表示されている。実績数は、例えば消耗品が補充や交換されるまでに実際に使用された数(直近の実績数)、過去の所定期間内に消耗品が補充や交換された際の実績数の平均値などである。図3に示す例では、実績数は「過去実績」として表示されている。制御部20は、これらの実績数をカウントや演算して取得し、消耗品交換個数設定画面51に表示させる。
【0029】
消耗品交換個数には、所定の閾値が設定される。閾値は、消耗品交換個数の現在数に応じて注意喚起や警告などを行うために設定される値である。閾値は、例えば制御部20によって自動で設定されてもよいし、オペレータによって任意に設定されてもよい。
【0030】
図4は、消耗品交換個数の閾値がオペレータによって設定される場合、その閾値を設定するための設定画面(第3の画面、以下、消耗品交換個数閾値設定画面という)52の一例を示す図である。消耗品交換個数閾値設定画面52は、制御部20によって表示部40に表示される。本実施形態では、消耗品である仕切紙、印字インク、帯、収納箱について、消耗品交換個数の閾値がそれぞれ二つずつ、合計八つ設定可能とされている。二つの閾値のうち、第1の閾値は、例えば対象となる消耗品の補充や交換の時期が近づいてきていることをオペレータに周知、つまり注意喚起するための値である。第2の閾値は、例えば対象となる消耗品の補充や交換を要する時期であることをオペレータに周知、つまり警告するための値である。図4に示す例では、第1の閾値は「注意個数」、第2の閾値は「警告個数」として表示されている。消耗品交換個数閾値設定画面52で設定された第1の閾値および第2の閾値は、消耗品ごとに記憶部21に記憶される。なお、閾値は、個数(投入される紙葉類束の数)ではなく、消耗品交換個数に対する割合、例えば消耗品の使用率や残量率などで設定されてもよい。また、消耗品ごとの閾値の数は、二つに限られず、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
【0031】
これらの消耗品交換個数および消耗品交換個数の閾値に基づいて、消耗品の残量状況が規定される。図5は、消耗品の残量状況の表示画面(第1の画面、以下、消耗品残量画面という)53の一例を示す図である。消耗品残量画面53は、例えば紙葉類処理装置100の稼働状況の表示画面(第4の画面、以下、機械稼働状況画面という)54にポップアップされて表示される。すなわち、消耗品残量画面53は、メイン画面である機械稼働状況画面54に対するサブ画面である。機械稼働状況画面54は、紙葉類処理装置100の稼働状況61を示す表示画面であり、当該稼働状況61とともに、消耗品残量ボタン62が表示されている。消耗品残量ボタン62は、消耗品残量画面53を表示するために操作されるボタン(表示ボタン)であり、例えば機械稼働状況画面54に表示されるアイコンである。図5に示す例において、稼働状況61は紙葉類処理装置100の処理ユニットごとに表示されている。ただし、稼働状況61の表示態様はこれに限定されない。
【0032】
例えば、消耗品残量画面53が表示されていない状態で消耗品残量ボタン62が操作、例えばタッチされると、機械稼働状況画面54に消耗品残量画面53がポップアップされて表示される。一方、消耗品残量画面53が表示された状態で消耗品残量ボタン62が操作されると、機械稼働状況画面54から消耗品残量画面53が消去される。消耗品残量ボタン62は、各消耗品の残量に応じてその表示態様が変化する(詳細は後述)。
【0033】
図5に示す例では、消耗品残量ボタン62に加えて、機械稼働状況画面54に運転開始ボタン63および運転停止ボタン64がそれぞれ表示されている。運転開始ボタン63および運転停止ボタン64は、例えば機械稼働状況画面54に表示されるアイコンである。ただし、機械稼働状況画面54の表示態様は、このようにボタン62,63,64が表示される図5に示す例には限定されず、任意の表示態様とすることが可能である。運転開始ボタン63が操作されると、紙葉類処理装置100の運転が開始され、運転停止ボタン64が操作されると、紙葉類処理装置100の運転が停止される。これらの運転開始および運転停止は、当該ボタン63,64が操作されたことをトリガーとして制御部20によって制御される。
【0034】
消耗品残量画面53は、消耗品ごとの残量状況65を複数の消耗品について一括して示す表示画面である。したがって、消耗品残量画面53を表示させることで、複数の消耗品の残量状況65が一括して目視できる。残量状況65は、制御部20によって算出された現在の消耗品の残量を示す情報であり、消耗品交換個数設定画面51で設定された消耗品交換個数を100%、消耗品がゼロの状態を0%として表示される。例えば、設定された消耗品交換個数が10000個である場合、残量状況65は、消耗品の使用量が0から1000個までは100%、1001から2000個までは90%、2001から3000個までは80%、3001から4000個までは70%、4001から5000個までは60%、5001から6000個までは50%、6001から7000個までは40%、7001から8000個までは30%、8001から9000個までは20%、9001から10000個までは10%、10001個以上で0%と表示される。ただし、表示の刻み(変位)はこれに限定されず、残量状況65を適切に把握可能であれば任意の刻みで構わない。消耗品残量画面53の表示は、制御部20によって制御される。
【0035】
ただし、残量状況65の表示態様は特に問わない。例えば消耗品の残量に応じて、残量状況65の表示態様を変化させてもよい。消耗品交換個数閾値設定画面52で消耗品交換個数の閾値が設定されている場合、設定された閾値に応じて残量状況65の表示態様を変化させることが可能である。例えば、消耗品の残量が第1の閾値を超えていれば青色、消耗品の残量が第1の閾値以下で第2の閾値を超えていれば黄色、消耗品の残量が第2の閾値以下になれば赤色などに、残量状況65の表示色を変化させてもよい。
【0036】
その際、残量状況65の表示態様に対応して(表示態様と同期して)、消耗品残量ボタン62の表示態様を変化させてもよい。例えば、すべての消耗品の残量が第1の閾値を超えていれば青色、いずれかの消耗品の残量が第1の閾値以下で第2の閾値を超えれば黄色、いずれかの消耗品の残量が第2の閾値以下であれば赤色などに、消耗品残量ボタン62の表示色を変化させればよい。これにより、消耗品残量ボタン62の操作、端的には消耗品残量画面53の表示をオペレータに促し、残量状況65の周知徹底を図ることができる。消耗品残量ボタン62の表示は、制御部20によって制御される。
【0037】
図5に示す消耗品残量画面53では、消耗品の残量状況65として、仕切紙、印字インク、帯、収納箱の各残量状況65a,65b,65c,65dがそれぞれ表示されている。例えば、これらの残量状況65a~65dの表示態様は、各々の残量に応じて個別に表示色が青、黄、赤などに変化する。図5に示す例では、仕切紙の残量状況65aは赤色、印字インクの残量状況65bは黄色、帯の残量状況65cは青色、収納箱の残量状況65dは黄色などでそれぞれ表示される。
【0038】
消耗品残量画面53には、これらの残量状況65a~65dに加えて、前回の補充や交換に関する情報(以下、前回交換情報という)66、および次回の補充や交換に関する情報(以下、次回交換情報という)67がそれぞれ表示されている。前回交換情報66および次回交換情報67は、消耗品の補充等の実績や予定を把握するための目安となる情報である。図5に示す消耗品残量画面53では、前回交換情報66は「前回交換」、次回交換情報67は「次回予想」にそれぞれ対応する情報として表示されている。
【0039】
前回交換情報66は、補充や交換が直近で行われた日時である。例えば、前回交換情報66は、後述するリセットボタン68の操作がなされた日時であり、当該操作がなされた際に制御部20によって消耗品ごとに設定されて記憶部21に記憶され、消耗品残量画面53に表示される際に読み出される。したがって、記憶部21には、前回交換情報66として、仕切紙、印字インク、帯、収納箱の各前回交換情報66a,66b,66c,66dがそれぞれ記憶される。
【0040】
次回交換情報67は、補充や交換が次に行われる予想日時である。例えば、次回交換情報67は、消耗品交換個数が消費されるまでに要する経過時間に対応する日時として、制御部20によって消耗品ごとに算出される。制御部20は、紙葉類処理装置100の一日あたりの紙葉類束の処理数(投入される紙葉類束の数)と消耗品交換個数設定画面51で設定された消耗品交換個数とに基づいて前記経過時間を算出し、当該経過時間に対応する日時を算出する。算出された日時は、制御部20によって消耗品ごとに記憶部21に記憶され、消耗品残量画面53に次回交換情報67が表示される際に読み出される。したがって、制御部20は、次回交換情報67として仕切紙、印字インク、帯、収納箱の各次回交換情報67a,67b,67c,67dをそれぞれ算出し、記憶部21にそれぞれ記憶させる。
【0041】
紙葉類処理装置100は、一日の稼働時間(例えば九時から十六時)がほぼ決められており、当該稼働時間あたりの紙葉類束の処理数(投入される紙葉類束の数)もほぼ一定とされている。したがって、設定値である消耗品交換個数と、ほぼ一定の紙葉類処理装置100の一日あたりの紙葉類束の処理数(投入される紙葉類束の数)とに基づいて算出することで、次回交換情報67の精度を高めることができる。ただし、一日あたりではなく、制御部20は、紙葉類処理装置100の所定の単位時間あたりの紙葉類束の処理数(投入される紙葉類束の数)と消耗品交換個数設定画面51で設定された消耗品交換個数とに基づいて上記と同様の経過時間を算出し、当該経過時間に対応する日時を次回交換情報67として算出してもよい。すなわち、紙葉類処理装置100は、所定の単位時間あたりの紙葉類束の処理数と消耗品交換個数も計測可能であり、その演算からでも次回交換情報67を予測可能である。所定の単位時間は、一日(24時間)よりも短い時間を想定するが、一日よりも長い時間(期間)であっても構わない。
【0042】
なお、前回交換情報66および次回交換情報67は、日時には限定されない。例えば、前回交換情報66は補充や交換が直近で行われた日付、次回交換情報67は補充や交換が次に行われる予想日付などでもよい。
【0043】
さらに加えて、消耗品残量画面53には、リセットボタン68が表示されている。リセットボタン68は、消耗品が補充や交換された際に操作されるボタン(例えばアイコン)であり、消耗品ごとに設定されている。図5に示す消耗品残量画面53では、消耗品の残量状況65として、仕切紙、印字インク、帯、収納箱に対するリセットボタン68a,68b,68c,68dがそれぞれ表示されている。
【0044】
リセットボタン68が操作されると、当該リセットボタン68に対応する消耗品の残量状況65がリセットされる。具体的には、消耗品残量画面53における当該消耗品の残量状況65の表示が100%に戻る。消耗品の残量状況65の表示が100%である場合、当該消耗品の残量が最大残量(消耗品交換個数)であることを示す。なお、かかるリセットボタン68の操作により、例えば消耗品残量画面53における残量状況65の表示色、機械稼働状況画面54における消耗品残量ボタン62の表示色などが必要に応じて変化する。
【0045】
以上のような構成を備えた紙葉類処理装置100において、制御部20が行う装置の運転制御について、制御部20の制御フローに従って説明する。ここでは、かかる運転制御を、消耗品の残量を管理するための制御(以下、消耗品残量管理処理という)の観点から説明する。消耗品残量管理処理は、紙葉類処理装置100において補充や交換を要する複数の消耗品の残量を消耗品ごとに管理する処理である。消耗品残量管理処理は、制御部20が記憶部21に記憶された所定のプログラム(以下、消耗品残量管理プログラムという)をメモリに読み出して実行することにより実現される。
【0046】
紙葉類処理装置100において、消耗品残量管理プログラムは、複数の消耗品の最大残量(消耗品交換個数)の値を消耗品ごとに設定する手順と、設定された前記消耗品の最大残量の値に基づいて複数の消耗品の残量を算出する手順と、算出した消耗品ごとの残量を複数の消耗品について一括して表示する手順と、を実行する。消耗品残量管理プログラムは、複数の消耗品の残量の表示態様を変化させるための閾値(例えば第1の閾値および第2の閾値)を消耗品ごとに設定する手順と、消耗品の最大残量の値および閾値に基づいて、複数の消耗品の残量の表示態様を消耗品ごとに変化させる手順と、をさらに実行する。
【0047】
図6は、消耗品残量管理処理時における制御部20のフローチャートである。消耗品残量管理処理は、紙葉類処理装置100が運転されている間、実行される。例えば電源投入されると、制御部20は表示部40に機械稼働状況画面54を表示させ、機械稼働状況画面54で運転開始ボタン63が操作されると、紙葉類処理装置100の運転を開始させる。これにより、消耗品残量管理処理が実行可能となる。なお、紙葉類処理装置100の運転が開始されると、例えば表示部40に表示された図5に示す機械稼働状況画面54にユニットごとの稼働状況61が表示される。これにより、紙葉類処理装置100のユニットごとの稼働状況61が目視可能となる。
【0048】
紙葉類処理装置100が運転開始されると、搬送部11は、投入口101に投入された紙葉類束を一枚ずつ取り込み、搬送路111で検査部12まで搬送する(S101)。その際、制御部20は、搬送部11を動作させて、紙葉類束を一枚ずつ検査部12まで搬送させる。また、制御部20は、投入口101に投入された紙葉類束の数(投入数)をカウントし、そのカウント数(投入数)を例えばメモリに保持する。
【0049】
紙葉類が搬送されると、検査部12は、紙葉類に対して各種の検査を行う(S102)。その際、制御部20は、検査部12を動作させ、例えば紙葉類の種類(券種)、券長、正損、および真偽などを判別させる。検査部12は、検査結果を制御部20に付与する。制御部20は、検査部12に検査された紙葉類束の数(検査数)をカウントし、そのカウント数(検査数)を例えばメモリに保持する。
【0050】
制御部20は、検査部12による検査結果に基づいて、検査された紙葉類を搬送部11で次工程へそれぞれ搬送させる。例えば、紙葉類が再利用券、廃棄券、排除券のいずれであるかに応じて(S103,S110)、各々の券を次工程に搬送させる。
【0051】
紙葉類が再利用券である場合(S103においてYes)、制御部20は、当該再利用券を再利用券結束部14まで搬送させる。再利用券は、その券種に応じて再利用券結束部14a~14dのいずれかに搬送され、集積される。その際、制御部20は、再利用券の集積枚数をカウントし、そのカウント数(集積枚数)を例えばメモリに保持する。
【0052】
制御部20は、集積された再利用券が所定枚数であるか否かを判定する(S104)。例えば、制御部20は、メモリに保持した再利用券の集積枚数を所定枚数(一例として1000枚)と比較する。所定枚数は、例えば記憶部21に予め記憶されており、集積枚数との当該比較判定時にパラメータとしてメモリに読み出される。
【0053】
再利用券の集積枚数が所定枚数に達すると(S104においてYes)、印字部17は、再利用券を結束するために使用される帯に所定の印字を行う(S105)。その際、制御部20は、帯・収容箱供給部181を動作させて帯を印字部17に供給させるとともに、印字部17を動作させて銀行名、ロゴ、金額、日付などの識別情報を帯に印字させる。
【0054】
次いで、再利用券結束部14は、集積された所定枚数の再利用券を、識別情報が印字された帯で結束(施封)する(S106)。その際、制御部20は、再利用券結束部14を動作させ、印字部17で識別情報が印字された帯を用いて再利用券を結束させる。また、制御部20は、帯・収容箱供給部181を動作させて収容箱を再利用券結束部14に供給させる。ただし、収容箱の容量に余裕がある場合、制御部20は、収容箱の供給を中断してもよい。再利用券結束部14は、帯で結束した再利用券を収容箱に収容する。
【0055】
そして、制御部20は、消耗品の残量を更新する(S107)。消耗品残量の更新にあたって、制御部20は、処理部10によって処理された紙葉類束の数(個数)をカウントする。当該紙葉類束の数は、端的には投入口101に投入された紙葉類束の数(投入数)、もしくは検査部12において検査された紙葉類束の数(検査数)に相当する。カウントした紙葉類束の数に基づいて、制御部20は、消耗品の残量を算出する。
【0056】
カウントした紙葉類束の数をN、消耗品交換個数をEn、消耗品の残量(ここでは残量率)をAnとすると、残量率Anは、((En-N)/En)×100[%]で算出される。消耗品交換個数Enは、図3に示す消耗品交換個数設定画面51において消耗品ごとに設定され、記憶部21に記憶されている。残量率Anを算出する際、制御部20は、記憶部21から消耗品交換個数Enを消耗品ごとに読み出し、メモリに保持する。本実施形態において残量率Anは、例えば仕切紙がA1、印字インクがA2、帯がA3、収容箱がA4である。また、消耗品交換個数Enは、例えば仕切紙がE1、印字インクがE2、帯がE3、収容箱がE4である。制御部20は、これらの値E1,E2,E3,E4を適宜読み出し、対応する消耗品の残量率A1,A2,A3,A4をそれぞれ算出する。制御部20は、算出した消耗品の残量(残量率)に基づいて、図5に示す消耗品残量画面53に表示される残量状況65のデータを更新する。
【0057】
消耗品残量画面53の表示が必要な場合(S108においてYes)、制御部20は、図5に示す消耗品残量画面53を表示させる(S109)。その際、制御部20は、機械稼働状況画面54で消耗品残量ボタン62が操作されたか否かを判定する。消耗品残量ボタン62が操作された場合、制御部20は、表示部40に表示されている機械稼働状況画面54(図5)にポップアップさせて、消耗品残量画面53を表示させる。具体的には、制御部20は、残量状況65a~65d、前回交換情報66a~66d、次回交換情報67a~67dをそれぞれ記憶部21から読み出し、消耗品残量画面53に表示させる。なお、消耗品残量画面53が表示された状態で消耗品残量ボタン62が操作された場合、制御部20は消耗品残量画面53を閉じる。
【0058】
また、S104において再利用券の集積枚数が所定枚数に達していない場合(S104においてNo)、制御部20は、帯の印字(S105)および再利用券の結束(施封)(S106)をいずれも省略して、消耗品残量画面53の表示の要否、つまり消耗品残量ボタン62の操作有無を判定する(S108)。
【0059】
消耗品残量画面53を表示させるにあたって、制御部20は、算出した消耗品の残量(残量率)に基づいて、残量状況65の表示態様を消耗品ごとに変化させる。例えば、消耗品の残量が第1の閾値を超えていれば青色、消耗品の残量が第1の閾値以下で第2の閾値を超えていれば黄色、消耗品の残量が第2の閾値以下になれば赤色などに、残量状況65の表示色を変化させる。また、図5に示す機械稼働状況画面54における消耗品残量ボタン62の表示色も適宜変化させる。その際、制御部20は、記憶部21から消耗品交換個数の第1の閾値および第2の閾値をそれぞれ消耗品ごとに読み出し、紙葉類束の数Nと比較する。第1の閾値および第2の閾値は、図4に示す消耗品交換個数閾値設定画面52において消耗品ごとに設定され、記憶部21に記憶されている。
【0060】
一方、消耗品残量画面53の表示が不要な場合(S108においてNo)、制御部20は、図5に示す消耗品残量画面53を表示させない。例えば消耗品残量ボタン62が操作されていないと判定した場合、制御部20は、消耗品残量画面53をポップアップさせることなく、表示部40に表示されている機械稼働状況画面54(図5)をそのまま維持する。
【0061】
また、S103において紙葉類が再利用券ではなく(S103においてNo)、廃棄券である場合(S110においてYes)、制御部20は、当該廃棄券を廃棄券裁断部13まで搬送させる。廃棄券が搬送されると、廃棄券裁断部13は、廃棄券を裁断する(S111)。その際、制御部20は、廃棄券裁断部13を動作させ、廃棄券を裁断させる。
【0062】
さらに、S110において紙葉類が廃棄券ではない場合(S110においてNo)、つまりこの場合、紙葉類は再利用券でも廃棄券でもない排除券として取り扱われ、制御部20は、当該排除券を排除券集積部15まで搬送させる。ここでの排除券には、偽券の他、例えば搬送状態が基準姿勢からずれている紙葉類)や券長が許容範囲でない紙葉類が含まれる。排除券が搬送されると、排除券集積部15は、排除券を集積する(S112)。その際、制御部20は、仕切紙供給部182を動作させて仕切紙を排除券集積部15に供給させる。また、制御部20は、排除券集積部15が排除券を集積する際、投入口101に投入された紙葉類束ごとに仕切紙を挿入させる。
【0063】
このように廃棄券の裁断(S111)もしくは排除券の集積(S112)がなされると、制御部20は、帯で結束した再利用券が収容箱に収容された場合と同様に、上述した消耗品の残量を更新する(S107)。消耗品残量を更新すると、制御部20は、消耗品残量画面53の表示要否に応じて、消耗品残量画面53を適宜表示させる(S108,S109)。
【0064】
そして、制御部20は、紙葉類処理装置100の運転停止条件を判定する(S113)。運転停止条件は、紙葉類処理装置100を運転停止させるか否かの判定条件であり、例えば、機械稼働状況画面54で運転停止ボタン64が操作されたか否かなどに応じて判定される。
【0065】
運転停止条件が成立しない場合、制御部20は、搬送部11を動作させて紙葉類束を一枚ずつ検査部12まで搬送させ(S101)、検査部12を動作させて紙葉類に対して各種の検査を実行させる(S102)。そして、検査結果に応じて、制御部20は、以降の処理(S103~S112)を選択的に繰り返す。
【0066】
これに対し、運転停止条件が成立する場合、制御部20は、紙葉類処理装置100の運転を停止する(S114)。この場合、例えば図5に示す消耗品残量画面53でリセットボタン68が操作されると、制御部20は、当該リセットボタン68に対応する消耗品の残量状況65をリセットさせる。これにより、消耗品残量画面53における当該消耗品の残量状況65の表示が100%に戻る。その際、制御部20は、例えば消耗品残量画面53における残量状況65の表示色、機械稼働状況画面54における消耗品残量ボタン62の表示色などを必要に応じて変化させる。また、制御部20は、前回交換情報66および次回交換情報67を更新し、記憶部21に記憶されている前回交換情報66および次回交換情報67を更新した情報に書き換える。
【0067】
このように、本実施形態の紙葉類処理装置100によれば、複数の消耗品の残量状況65a~65dを一括して消耗品残量画面53に表示させることができる。したがって、複数の消耗品の残量状況65a~65dが消耗品残量画面53で一括して目視可能となり、消耗品の補充や交換などの付帯作業の実施判断に対するオペレータの事務負担を軽減できる。その際、残量状況65a~65dの表示態様を各々の残量に応じて変化させることができるため、付帯作業の実施に関してオペレータに注意喚起や警告などを適切に行うことができる。なお、本実施形態では一例として、四種の消耗品(仕切紙、印字インク、帯、収納箱)の残量を一括して目視可能としているが、管理対象の消耗品の種類はこれに限定されない。したがって、管理対象の消耗品が多くなるほど、オペレータの事務負担を軽減可能となる。
【0068】
付帯作業の実施に関するオペレータへの注意喚起や警告などを行うべく、残量状況65a~65dの表示態様を変化させるための閾値は、オペレータが任意に設定可能である。これにより、注意喚起や警告などのタイミングを任意に調整でき、例えばオペレータの個別の事情により消耗品の補充や交換を早めに行いたい場合や無くなる寸前に行いたい場合など、補充等の周期に関する要望に適切に応えることができる。また、これらの要望に消耗品ごとの事情に応じて適切に応えることができる。具体的には、消耗品の残量が第1の閾値以下で注意喚起を行うことで、補充用や交換用の消耗品を準備するなどの対応を消耗品ごとに取ることができる。さらに消耗品が使用され、消耗品の残量が第2の閾値以下で警告を行うことで、消耗品の補充作業や交換作業を適宜実施するなどの対応を消耗品ごとに取ることができる。すなわち、付帯作業を消耗品ごとに適切に行うことができる。
【0069】
同様に、消耗品残量ボタン62の表示態様も変化させることが可能である。例えば、消耗品の残量と第1の閾値および第2の閾値との関係に応じて消耗品残量ボタン62の表示態様を変化させることで、消耗品残量ボタン62の操作、端的には消耗品残量画面53の表示をオペレータに促し、残量状況65の周知徹底を図ることができる。
【0070】
また、複数の消耗品の残量状況65a~65dに加えて、複数の消耗品の前回交換情報66および次回交換情報67を一括して消耗品残量画面53に表示させることができる。したがって、消耗品の補充や交換などの付帯作業の実施予定をより計画的に立てることが可能となる。
【0071】
すなわち、本実施形態によれば、消耗品の残量や交換周期をデータ管理することで、オペレータの判断によらなくとも消耗品の補充や交換などの付帯作業の効率化を図ることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0073】
例えば、本実施形態では、消耗品の補充や交換が行われた際、リセットボタン68が操作されることで対応する消耗品の残量状況65がリセットされ、消耗品残量画面53における当該消耗品の残量状況65の表示が100%に戻る。これに代えて、消耗品の補充や交換が行われたことを自動で検知してもよい。例えば仕切紙、帯、収納箱であればスプリングセンサ、印字インクであればICチップなどで補充や交換の事実を自動で検知可能である。ただし、本実施形態のようにオペレータによるリセットボタン68の操作により消耗品の残量状況65をリセットさせることで、スプリングセンサやICチップなどの構成要素を別途追加しなくとも、消耗品の残量状況65を適切にリセットさせることができる。
【符号の説明】
【0074】
10…処理部、11…搬送部、12…検査部、13…廃棄券裁断部、14,14a,14b,14c,14d… 再利用券結束部、15…排除券集積部、16…消耗品管理部、17…印字部、18…供給部、20…制御部、21…記憶部、30…操作部、40…表示部、51…消耗品交換個数設定画面、52…消耗品交換個数閾値設定画面、53…消耗品残量画面、54…機械稼働状況画面、61…稼働状況、62…消耗品残量ボタン、63…運転開始ボタン、64…運転停止ボタン、65,65a,65b,65c,65d…消耗品の残量状況、66,66a,66b,66c,66d…前回交換情報、67,67a,67b,67c,67d…次回交換情報、68,68a,68b,68c,68d…リセットボタン、100…紙葉類処理装置、101…投入口、102…排出口、111,112…搬送路、113~118…分岐路、181…帯・収容箱供給部、182…仕切紙供給部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6