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特開2023-90394薄膜乾燥装置の異常検知システム、および、薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090394
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】薄膜乾燥装置の異常検知システム、および、薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   G01H 3/00 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
G01H3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205332
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145816
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿股 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100195718
【弁理士】
【氏名又は名称】市橋 俊規
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】入江 拓也
(72)【発明者】
【氏名】川辺 晃寛
【テーマコード(参考)】
2G064
【Fターム(参考)】
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB15
2G064AB22
2G064BA08
2G064BA21
2G064CC29
2G064CC54
2G064DD23
(57)【要約】
【課題】薄膜乾燥装置が発する音に基づいて、早期に薄膜乾燥装置の異常を検知することが可能な薄膜乾燥装置の異常検知システム、および、薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法を提供する。
【解決手段】薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置1が発する音を取得する集音装置5と、集音装置5によって取得された音を、周波数、振幅、波形を含む第1音信号(S1;S1’;S1’’)として伝送する信号伝送装置9と、信号伝送装置9から受信する第1音信号を、薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号(S2;S2’;S2’’)と比較し、第2音信号からの第1音信号の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を検知する情報処理装置7と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置が発する音を取得する集音装置と、
前記集音装置によって取得された音を、周波数、振幅、波形を含む第1音信号として伝送する信号伝送装置と、
前記信号伝送装置から受信する前記第1音信号を、前記薄膜乾燥装置の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号と比較し、前記第2音信号からの前記第1音信号の逸脱に基づいて、前記薄膜乾燥装置の運転状態の異常を検知する情報処理装置と
を具備する
薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項2】
前記集音装置が取得する前記音は、前記薄膜乾燥装置の筒部を振動させる打撃装置が発する打撃音を含み、
前記第2音信号は、前記打撃装置の正常動作時に生じる正常打撃音に対応する正常打撃音信号を含み、
前記情報処理装置は、前記第1音信号を前記正常打撃音信号と比較し、前記正常打撃音信号からの前記第1音信号の逸脱、あるいは、打撃音の正常な発生間隔からの実際の打撃音の発生間隔の逸脱に基づいて、前記薄膜乾燥装置の前記運転状態の前記異常を検知する
請求項1に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項3】
前記集音装置が取得する前記音は、前記薄膜乾燥装置の胴体部が発する胴体部動作音を含み、
前記第2音信号は、前記胴体部の正常動作時に生じる胴体部正常動作音に対応する胴体部正常動作音信号を含み、
前記情報処理装置は、前記胴体部動作音に対応する信号を含む前記第1音信号を前記胴体部正常動作音信号と比較し、前記胴体部正常動作音信号からの前記第1音信号の逸脱に基づいて、前記薄膜乾燥装置の前記運転状態の前記異常を検知する
請求項1または2に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項4】
前記集音装置が取得する前記音は、前記薄膜乾燥装置の駆動装置が発する駆動装置動作音を含み、
前記第2音信号は、前記駆動装置の正常動作時に生じる駆動装置正常動作音に対応する駆動装置正常動作音信号を含み、
前記情報処理装置は、前記駆動装置動作音を含む前記第1音信号を前記駆動装置正常動作音信号と比較し、前記駆動装置正常動作音信号からの前記第1音信号の逸脱に基づいて、前記薄膜乾燥装置の前記運転状態の前記異常を検知する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項5】
前記薄膜乾燥装置から排出される粉体を搬送する粉体搬送装置が発する音を取得する粉体搬送装置用集音装置を更に具備し、
前記信号伝送装置は、前記粉体搬送装置用集音装置によって取得された音を、周波数、振幅、波形を含む第3音信号として伝送し、
前記情報処理装置は、前記信号伝送装置から受信する前記第3音信号を、前記粉体搬送装置の通常運転時に生じる音に対応する第4音信号と比較し、前記第4音信号からの前記第3音信号の逸脱に基づいて、前記粉体搬送装置の運転状態の異常を検知する
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項6】
前記情報処理装置によって前記第1音信号と前記第2音信号とが比較される前に、前記第1音信号に含まれるノイズを除去するノイズキャンセル部を具備するように構成されること、および、
音を取得すべき対象物が発する音が、前記対象物以外の物体が発する音よりも集音されやすくするために、前記集音装置が指向性を有するように構成されること、
のうちの少なくとも一方を含む
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項7】
前記異常が検知された際に、前記異常が発生した機器の情報、および、前記異常の詳細を表示する表示装置を更に具備する
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項8】
前記集音装置により集音された前記音に対応する前記第1音信号を記憶する記憶装置を更に具備し、
前記記憶装置に記憶された前記第1音信号の全体の中から、指定された期間の前記第1音信号を取り出し、指定された前記期間の前記第1音信号を表示装置に表示可能である
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項9】
前記薄膜乾燥装置の前記異常の種類を自動で判別する判別部と、
前記集音装置により集音された前記音に対応する前記第1音信号を記憶する記憶装置と
を更に具備し、
前記記憶装置に記憶された前記第1音信号の全体の中から、指定された期間の前記第1音信号を取り出し可能であり、
前記判別部は、異常発生時点を含む期間の前記第1音信号を入力側の教師データ、前記異常の詳細を出力側の教師データとして機械学習可能である
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の薄膜乾燥装置の異常検知システム。
【請求項10】
廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置を稼働せる工程と、
集音装置により、前記薄膜乾燥装置の稼働音を常時集音する工程と、
前記集音装置によって集音された音を、周波数、振幅、波形を含む第1音信号として伝送する工程と、
情報処理装置が、前記第1音信号に対応する音圧データを監視する工程と、
前記薄膜乾燥装置の異常の有無を判定する工程と、
前記薄膜乾燥装置に異常があると判定されることに応じて警報を発する工程と
を具備し、
前記前記薄膜乾燥装置の異常の有無を判定する工程は、
前記情報処理装置が、第1閾値を超える音圧が、予め設定された一定期間よりも長い間検知されないとき、前記薄膜乾燥装置の打撃装置に異常があると判定することを含む
薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、薄膜乾燥装置の異常検知システム、および、薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
音の変化を検知して機器異常を判断するシステムは、これまでに多数提案されてきている。しかし、この種のシステムにおいて、廃液処理に用いられる薄膜乾燥装置を対象としたものは存在しない。薄膜乾燥装置以外を対象として音の変化を利用して機器異常を判断するシステムは、各々の特定の対象機器に特化したシステムである。例えば、特許文献1に記載のブリッジ検知装置、特許文献2に記載のホッパ内詰まり検出装置は、ブリッジまたは詰まりが発生した後に、当該ブリッジまたは詰まりに基づいて異常を検出する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-143995号公報
【特許文献2】特許第3428476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
音の変化を検知して機器異常を判断するシステムは、各々の特定の対象機器に特化したシステムであり、廃液を処理する薄膜乾燥装置への適用が想定されていない。特に、特許文献1、2に記載の装置では、ブリッジまたは詰まりが発生した後でないと異常の検出ができない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、薄膜乾燥装置が発する音に基づいて、早期に薄膜乾燥装置の異常を検知することが可能な薄膜乾燥装置の異常検知システム、および、薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムは、廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置が発する音を取得する集音装置と、前記集音装置によって取得された音を、周波数、振幅、波形を含む第1音信号として伝送する信号伝送装置と、前記信号伝送装置から受信する前記第1音信号を、前記薄膜乾燥装置の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号と比較し、前記第2音信号からの前記第1音信号の逸脱に基づいて、前記薄膜乾燥装置の運転状態の異常を検知する情報処理装置と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法は、廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置を稼働せる工程と、集音装置により、前記薄膜乾燥装置の稼働音を常時集音する工程と、前記集音装置によって集音された音を、周波数、振幅、波形を含む第1音信号として伝送する工程と、情報処理装置が、前記第1音信号に対応する音圧データを監視する工程と、前記薄膜乾燥装置の異常の有無を判定する工程と、前記薄膜乾燥装置に異常があると判定されることに応じて警報を発する工程と、を具備し、前記前記薄膜乾燥装置の異常の有無を判定する工程は、前記情報処理装置が、第1閾値を超える音圧が、予め設定された一定期間よりも長い間検知されないとき、前記薄膜乾燥装置の打撃装置に異常があると判定することを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により、薄膜乾燥装置が発する音に基づいて、早期に薄膜乾燥装置の異常を検知することが可能な薄膜乾燥装置の異常検知システム、および、薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムの構成を模式的に示す図である。
図2図2は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムの構成を模式的に示す図である。
図3図3は、打撃装置の一例を模式的に示す図である。
図4図4は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムによって異常が検知されるメカニズムの第1例を模式的に示す図である。
図5図5は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムによって異常が検知されるメカニズムの第2例を模式的に示す図である。
図6図6は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムによって異常が検知されるメカニズムの第3例を模式的に示す図である。
図7図7は、第2の実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムの構成を模式的に示す図である。
図8図8は、表示装置の一例を模式的に示す図である。
図9図9は、実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システム100に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
【0011】
(第1の実施形態)
図1乃至図6を参照して、第1の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aについて説明する。図1および図2は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aの構成を模式的に示す図である。図3は、打撃装置4の一例を模式的に示す図である。図4は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aによって異常が検知されるメカニズムの第1例を模式的に示す図である。図5は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aによって異常が検知されるメカニズムの第2例を模式的に示す図である。図6は、第1の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aによって異常が検知されるメカニズムの第3例を模式的に示す図である。
【0012】
(構成・作用)
図1に例示されるように、第1の実施形態における異常検知システム100Aは、集音装置5と、信号伝送装置9と、情報処理装置7と、を備える。
【0013】
集音装置5は、廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置1が発する音を取得する。信号伝送装置9は、集音装置5によって取得された音を、周波数、振幅、波形を含む第1音信号S1として伝送する。
【0014】
情報処理装置7は、情報処理能力を有する。また、情報処理装置7は、信号伝送装置9から受信する第1音信号S1を、薄膜乾燥装置1の正常時である通常運転時に生じる音に対応する第2音信号と比較し、第2音信号からの第1音信号S1の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を検知する。図1に記載の例では、情報処理装置7は、1つの端末によって構成されている。代替的に、複数の端末が協働して情報処理装置7として機能してもよい。
【0015】
(効果)
薄膜乾燥装置の異常検知システム100Aは、薄膜乾燥処理に伴う独特の音(例えば、回転体の回転音、乾燥薄膜と回転体との接触音、打撃装置による打撃音)に対応する第1音信号S1を用いて薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を検知する。より具体的には、情報処理装置7が、薄膜乾燥装置1の正常な通常運転時に生じる音に対応する第2音信号からの第1音信号S1の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を検知する。よって、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を早期に検知することができ、異常の原因調査に要する時間が短縮され、運転員や点検作業員の負担軽減が見込まれる。また、薄膜乾燥装置1の異常が悪化する前に対策を講じることができ、トラブル対応にかかる薄膜乾燥装置1の停止時間が短縮され、廃液処理運転の稼働率を向上させることができる。
【0016】
続いて、第1の実施形態において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0017】
(薄膜乾燥装置1)
図2に記載の例では、薄膜乾燥装置1は、胴体部10と、駆動装置18とを有する。薄膜乾燥装置1は、打撃装置4を有していてもよい。
【0018】
図2に記載の例では、胴体部10は、筒部11と、廃液供給部12と、粉体排出部13と、揮発ガス排出部14と、回転シャフト15と、薄膜形成部材16と、を含む。胴体部10は、蒸気供給部17aおよび蒸気排出部17bを有していてもよい。
【0019】
筒部11は、廃液を乾燥させて粉体を生成する空間を規定する。筒部11は、外壁111と、外壁111の内側に配置される内壁113とを有していてもよい。図2に記載の例では、筒部11は、起立姿勢で配置されている。より具体的には、筒部11の長手方向は、鉛直方向に平行である。
【0020】
廃液供給部12は、筒部11の上側部分に配置されており、筒部11の内側に廃液を供給する。筒部11の内側に供給された廃液は、薄膜形成部材16と接触することにより筒部11の内面に向かって移動し、且つ、当該内面を下方に向けて流下する。粉体排出部13は、筒部11の下側部分に配置されており、廃液から生成される粉体を連続的に排出する。粉体排出部13から排出される粉体は、重力によって、粉体供給配管21を介してフィーダ23(例えば、スクリューコンベヤ)へ移送される。揮発ガス排出部14は、筒部11の上側部分に配置されており、筒部11に供給された廃液から生成される揮発ガスを筒部11の外部に排出する。
【0021】
回転シャフト15は、その大部分が筒部11の内側に配置され、筒部11の中心軸Cまわりに回転可能である。薄膜形成部材16は、回転シャフト15に連結され、回転シャフト15とともに、筒部11の中心軸Cまわりに回転する。薄膜形成部材16は、例えば、可動翼である。薄膜形成部材16は、筒部11の内面に廃液の薄膜を形成する。当該廃液の薄膜は、加熱されて液体成分が蒸発することにより、乾燥薄膜となる。薄膜形成部材16は、当該乾燥薄膜を掻き取る掻取部材としても機能する。より具体的には、薄膜形成部材16は、筒部11の内面(より具体的には、内壁113の内面)に晶出した乾燥薄膜を掻き取る。駆動装置18は、回転シャフト15を、筒部11の中心軸Cまわりに回転させる。駆動装置18は、例えば、モータMを含む。
【0022】
薄膜乾燥装置1は、筒部11を加熱する加熱装置を有する。筒部11が加熱装置によって加熱されることにより、筒部11の内面に接触する廃液が加熱され、加熱された廃液から、筒部11の内面に乾燥薄膜が晶出する。当該乾燥薄膜は、薄膜形成部材16によって掻き取られる。筒部11の内面から掻き取られた薄膜は、粉体として、下方に落下する。また、筒部11の内面に接触する廃液が加熱され、加熱された廃液から、揮発ガスが生成される。生成された揮発ガスは、揮発ガス排出部14から排出される。
【0023】
図2に記載の例では、筒部11を加熱する加熱装置は、蒸気供給部17aおよび蒸気排出部17bを含む。図2に記載の例では、蒸気供給部17aから供給される蒸気は、外壁111と内壁113との間の空間に導入され、当該空間に導入される蒸気によって、筒部11(より具体的には、内壁113)が加熱される。こうして、筒部11(より具体的には、内壁113)は、蒸気の熱を廃液の薄膜に伝える伝熱体として機能する。筒部11の加熱に使用された蒸気は、蒸気排出部17bを介して排出される。
【0024】
打撃装置4は、胴体部10(より具体的には、筒部11)に連結され、打撃装置4の作動により筒部11を振動させる。打撃装置4は、筒部11からの粉体の排出を促進する。また、打撃装置4は、筒部11に粉体が詰まることを防止する。打撃装置4は、筒部11のうちの外径が一定の定径部分に取り付けられる第1打撃装置4aと、筒部11のうちの外径変化部(換言すれば、下方に向かうにつれて外径が小さくなる部分)に取り付けられる第2打撃装置4bと、を含んでいてもよい。
【0025】
打撃装置4は、例えば、圧縮空気の供給によって作動するエアノッカを含む。図3を参照して、筒部11に取り付けられる打撃装置4(より具体的には、エアノッカ)の一例について説明する。打撃装置4は、筒部11に取り付けられる取付部41と、プレート43と、プレート43に打撃力を付与するピストン45と、ピストン45をプレート43から離れる方向に付勢する付勢部材47(例えば、ばね)と、付勢部材47の付勢力に抗して、ピストン45をプレート43に向けて移動させるための圧縮空気を供給する圧縮空気供給部49とを有する。圧縮空気供給部49によって供給される圧縮空気の圧力は、例えば、0.3MPa以上0.5MPa以下である。なお、打撃装置4のピストン45が、筒部11に直接的に衝突せず、打撃装置4のプレート43に衝突するように構成されることにより、ピストン45が筒部11を傷めることがない。
【0026】
(打撃装置4の異常検知)
打撃装置4の異常検知について説明する。図2に記載の例では、薄膜乾燥装置1は、薄膜乾燥装置1の筒部11を振動させる打撃装置4を有する。また、図2に記載の例では、集音装置5が取得する音は、薄膜乾燥装置1の筒部11を振動させる打撃装置4が発する打撃音を含む。当該打撃音は、例えば、ピストン45がプレート43に衝突する際に発生する。集音装置5(より具体的には、第1集音装置5a)は、打撃装置4の打撃音を取得するために、打撃装置4の近傍に配置されることが好ましい。薄膜乾燥装置1の筒部11に複数の打撃装置4が取り付けられる場合には、複数の集音装置5が、複数の打撃装置4の近傍に、それぞれ配置されてもよい。
【0027】
図2に記載の例において、情報処理装置7は、信号伝送装置9から受信する第1音信号S1を、薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号と比較する。当該第2音信号S2は、打撃装置4の正常動作時に生じる正常打撃音に対応する正常打撃音信号S2-1(図4(a)を参照。)を含む。
【0028】
情報処理装置7は、信号伝送装置9から受信する第1音信号S1(例えば、図4(b)を参照。)を正常打撃音信号S2-1(例えば、図4(a)を参照。)と比較し、正常打撃音信号S2-1からの第1音信号S1の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常(より具体的には、打撃装置4の作動状態の異常)を検知する。正常打撃音信号S2-1からの第1音信号S1の逸脱が許容値を超えるとき、情報処理装置7は、打撃装置4の作動状態に異常があると判定してもよい。加えて、情報処理装置7は、打撃装置4の作動状態に異常があると判定すると、警報を発出するように構成されてもよい。他方、正常打撃音信号S2-1からの第1音信号S1の逸脱が許容値以下のとき、情報処理装置7は、打撃装置4の作動状態に異常がないと判定してもよい。なお、正常打撃音信号S2-1は、例えば、情報処理装置7の記憶装置71あるいは情報処理装置7と情報伝達可能な記憶装置に予め記憶され、情報処理装置7が、第1音信号S1を正常打撃音信号S2-1と比較する際に、当該記憶装置から情報処理装置7によって取得される。
【0029】
代替的に、情報処理装置7は、第1音信号S1(例えば、図4(b)を参照。)を正常打撃音信号S2-1(例えば、図4(a)を参照。)と比較し、打撃音の正常な発生間隔G2(例えば、図4(a)を参照。)からの実際の打撃音の発生間隔G1(例えば、図4(b)を参照。)の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常(より具体的には、打撃装置4の作動状態の異常)を検知してもよい。なお、打撃音の正常な発生間隔G2は、例えば、予め設定される値(例えば、10秒)である。打撃音の正常な発生間隔G2は、例えば、情報処理装置7の記憶装置71あるいは情報処理装置7と情報伝達可能な記憶装置に予め記憶され、情報処理装置7が、実際の打撃音の発生間隔G1を打撃音の正常な発生間隔G2と比較する際に、当該記憶装置71から情報処理装置7によって取得される。また、実際の打撃音の発生間隔G1は、例えば、第1音信号S1に基づいて、第1閾値THを超える音圧の発生間隔を算出することにより得られる。
【0030】
打撃音の正常な発生間隔G2からの実際の打撃音の発生間隔G1の逸脱が許容値を超えるとき、情報処理装置7は、打撃装置4の作動状態に異常があると判定してもよい。また、打撃音の正常な発生間隔G2からの実際の打撃音の発生間隔G1の逸脱が許容値以下のとき、情報処理装置7は、打撃装置4の作動状態に異常がないと判定してもよい。図4に記載の例では、打撃音の正常な発生間隔G2からの実際の打撃音の発生間隔G1の逸脱(例えば、G1-G2、あるいは、G1/G2)が許容値を超える場合(例えば、G1-G2が10秒を超える場合、あるいは、G1/G2が2.0を超える場合)、情報処理装置7は、打撃装置4の作動状態が異常であると判定する。図4(c)に例示されるように、情報処理装置7は、薄膜乾燥装置1の作動状態が異常であると判定すると、警報を発出するように構成されてもよい。
【0031】
図4に例示されるように、実際の打撃音に対応する信号S1-1を含む第1音信号S1と正常打撃音信号S2-1との比較に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常が検知される場合、打撃装置4の異常を早期に発見することができる。例えば、粉体の詰まりが生じる前の段階においても打撃装置4の異常を発見することができる。こうして、打撃装置4(例えば、エアノッカ)の動作不良という突発的な設備の不具合を早期に把握することができ、打撃装置4の動作不良発生後に直ちに対策を講じることができ、早期に薄膜乾燥装置1を復旧させることができる。その結果、廃液処理運転の稼働率を向上させることができる。
【0032】
また、打撃装置4の打撃音は、相対的に音圧が大きいため、異常の誤検出の可能性が低い。加えて、打撃装置4は、筒部11の外側に配置されるため、筒部11の外側に配置される集音装置5は、打撃装置4の打撃音を容易に取得することができる。更に、打撃装置4の異常の発見が、筒部11の内側の粉体の状態に依存せずに行われるため、異常発見の信頼性が高い。これに対し、粉体の落下音に基づいて異常が判定される場合には、落下周期のバラつき等に起因して、異常の誤検出が生じる可能性がある。
【0033】
(薄膜乾燥装置1の胴体部10の異常検知)
薄膜乾燥装置1の胴体部10の異常検知について説明する。図2に記載の例では、集音装置5が取得する音は、薄膜乾燥装置1の胴体部10が発する胴体部動作音を含む。
【0034】
図2に記載の例では、胴体部10は、回転シャフト15および薄膜形成部材16を含み、胴体部10は、様々な音を発する。例えば、胴体部10は、回転シャフト15および薄膜形成部材16の回転音、乾燥薄膜と薄膜形成部材16との接触音を発する。回転シャフト15および薄膜形成部材16の回転音、乾燥薄膜と薄膜形成部材16との接触音は、概ね定常音である。薄膜乾燥装置1が打撃装置4を含む場合には、胴体部10は、打撃装置4の打撃音の反響音を発する。集音装置5(より具体的には、第2集音装置5b)は、胴体部10が発する胴体部動作音を取得するために、胴体部10の近傍に配置されることが好ましい。
【0035】
図2に記載の例では、集音装置5は、打撃装置4が発する打撃音を取得する打撃音集音用の第1集音装置5aと、第1集音装置5aとは別に設けられ、薄膜乾燥装置1の胴体部10が発する胴体部動作音を取得する胴体部動作音集音用の第2集音装置5bとを含む。図2に記載の例では、第2集音装置5bは、第1集音装置5aよりも上方に配置されている。
【0036】
代替的に、打撃装置4が発する打撃音と、薄膜乾燥装置1の胴体部10が発する胴体部動作音とが、1つの集音装置5によって取得されてもよい。更に代替的に、図2に記載の例において、打撃装置4および第1集音装置5aが省略されてもよい。
【0037】
図2に記載の例において、情報処理装置7は、集音装置5(例えば、第2集音装置5b)から、信号伝送装置9を介して受信する第1音信号S1’を、薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号と比較する。図5(a)に例示されるように、当該第2音信号S2’は、胴体部10の正常動作時に生じる胴体部正常動作音に対応する胴体部正常動作音信号S2’-2(図5(a)を参照。)を含む。
【0038】
情報処理装置7は、実際の胴体部動作音に対応する信号S1’-2を含む第1音信号S1’(例えば、図5(b)を参照。)を胴体部正常動作音信号S2’-2(例えば、図5(a)を参照。)と比較する。なお、第1音信号S1’に、打撃装置4の打撃音に対応する音信号が含まれている場合には、第1音信号S1’と胴体部正常動作音信号S2’-2との間の比較の前に、第1音信号S1’から、当該打撃音に対応する音信号が除去されてもよい。換言すれば、第1音信号S1’から、打撃装置4の打撃音に対応する音信号が演算的に除去処理され、除去処理後の第1音信号(S1’-2)と、胴体部正常動作音信号S2’-2とが比較されるように構成されてもよい。
【0039】
情報処理装置7は、胴体部正常動作音信号S2’-2からの第1音信号S1’(より具体的には、胴体部動作音に対応する信号S1’-2)の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常(より具体的には、胴体部10の動作異常)を検知する。
【0040】
例えば、図5(b)に例示されるように、胴体部動作音に対応する信号S1’-2が、胴体部正常動作音に基づいて設定される閾値(以下、上述の第1閾値THと区別するために「第2閾値TH2」と呼ぶ。)を超えるとき、情報処理装置7は、胴体部10の動作に異常があると判定してもよい。また、図5(c)に例示されるように、情報処理装置7は、胴体部10の動作に異常があると判定すると、警報を発出するように構成されてもよい。他方、胴体部動作音に対応する信号S1’-2が、第2閾値TH2以下のとき、情報処理装置7は、胴体部10の動作に異常がないと判定してもよい。
【0041】
なお、上述の第2閾値TH2は、例えば、薄膜乾燥装置1の胴体部10の正常な定常音(回転シャフト15および薄膜形成部材16の回転音、並びに、乾燥薄膜と薄膜形成部材16との接触音)の最大音圧に基づいて設定される。第2閾値TH2は、当該最大音圧に所定の値を加算(あるいは、所定の係数を乗算)することにより得られる値であってもよい。第2閾値TH2は、例えば、情報処理装置7の記憶装置71あるいは情報処理装置7と情報伝達可能な記憶装置に予め記憶され、情報処理装置7が、胴体部動作音に対応する信号S1’-2を含む第1音信号S1’を胴体部正常動作音信号S2’-2と比較する際に、当該記憶装置71から情報処理装置7によって取得される。
【0042】
以上のとおり、薄膜乾燥装置1の胴体部10の正常な定常音から逸脱した音が発生した場合においても、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を早期に検知することができる。
【0043】
(薄膜乾燥装置1の駆動装置18の異常検知)
薄膜乾燥装置1の駆動装置18の異常検知について説明する。図2に記載の例では、集音装置5が取得する音は、薄膜乾燥装置1の駆動装置18が発する駆動装置動作音を含む。
【0044】
図2に記載の例では、駆動装置18は、モータMを含む。駆動装置18は、モータMの出力を回転シャフト15に伝達する伝達機構を含んでいてもよい。駆動装置18(モータMおよび伝達機構)は、駆動音を発する。集音装置5(より具体的には、第3集音装置5c)は、駆動装置18が発する駆動装置動作音を取得するために、駆動装置18の近傍に配置されることが好ましい。
【0045】
図2に記載の例では、集音装置5は、打撃装置4が発する打撃音を取得する打撃音集音用の第1集音装置5aと、薄膜乾燥装置1の胴体部10が発する胴体部動作音を取得する胴体部動作音集音用の第2集音装置5bと、薄膜乾燥装置1の駆動装置18が発する駆動装置動作音を取得する駆動装置動作音集音用の第3集音装置5cと、を含む。図2に記載の例では、第3集音装置5cは、第2集音装置5bよりも上方に配置されている。代替的に、第1集音装置5aおよび/または第2集音装置5bが省略されてもよい。
【0046】
図2に記載の例において、情報処理装置7は、集音装置5(例えば、第3集音装置5c)から、信号伝送装置9を介して受信する第1音信号S1’’を、薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号と比較する。図6(a)に例示されるように、当該第2音信号S2’’は、駆動装置18の正常動作時に生じる駆動装置正常動作音に対応する駆動装置正常動作音信号S2’’-3を含む。
【0047】
情報処理装置7は、駆動装置動作音に対応する信号S1’’-3を含む第1音信号S1’’を駆動装置正常動作音信号S2’’-3と比較する。
【0048】
情報処理装置7は、駆動装置正常動作音信号S2’’-3からの第1音信号S1’’の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常(より具体的には、駆動装置18の動作異常)を検知する。
【0049】
例えば、図6(b)に例示されるように、駆動装置動作音に対応する信号S1’’-3が、駆動装置正常動作音に基づいて設定される閾値(以下、上述の第1閾値THおよび第2閾値TH2と区別するために「第3閾値TH3」と呼ぶ。)を超えるとき、情報処理装置7は、駆動装置18の動作に異常があると判定してもよい。また、図6(c)に例示されるように、情報処理装置7は、駆動装置18の動作に異常があると判定すると、警報を発出するように構成されてもよい。他方、駆動装置動作音に対応する信号S1’’-3が、第3閾値TH3以下のとき、情報処理装置7は、駆動装置18の動作に異常がないと判定してもよい。
【0050】
なお、上述の第3閾値TH3は、例えば、薄膜乾燥装置1の駆動装置18の正常な定常音(モータMの駆動音、伝達機構を構成する要素間の接触音等)の最大音圧に基づいて設定される。第3閾値TH3は、例えば、情報処理装置7の記憶装置71あるいは情報処理装置7と情報伝達可能な記憶装置に予め記憶され、情報処理装置7が、駆動装置動作音に対応する信号を含む第1音信号S1’’を駆動装置正常動作音信号S2’’-3と比較する際に、当該記憶装置71から情報処理装置7によって取得される。
【0051】
以上のとおり、薄膜乾燥装置1の駆動装置18の正常な定常音から逸脱した音が発生した場合においても、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を早期に検知することができる。
【0052】
情報処理装置7は、薄膜乾燥装置1を構成する任意の機器であって、異常発生時に音の変化(例えば、無音から異常音、定常音から異音、定常音から無音等)を生じる機器の異常を検知するように構成されてもよい。当該任意の機器は、打撃装置4、胴体部10、駆動装置18であってもよいし、これらの装置以外の装置であってもよい。当該任意の機器の正常動作時の音信号が、予め、記憶装置71に記憶されてもよい。また、情報処理装置7は、集音装置5から信号伝送装置9を介して受信する第1音信号を、記憶装置71に記憶された当該任意の機器の正常動作時の音信号と比較し、当該任意の機器の正常動作時の音信号からの第1音信号の逸脱に基づいて、当該任意の機器の運転状態の異常を検知するように構成されてもよい。
【0053】
(粉体搬送装置2の異常検知)
図2に記載の例では、薄膜乾燥装置1の下流側に粉体搬送装置2が配置されている。粉体搬送装置2は、薄膜乾燥装置1から排出される粉体を搬送する。粉体搬送装置2は、例えば、フィーダ23に粉体を供給する粉体供給配管21と、フィーダ23(例えば、スクリューコンベヤ)とを含む。粉体搬送装置2は、粉体供給配管21に取り付けられた第2打撃装置22(例えば、第2エアノッカ)を含んでいてもよい。
【0054】
図2に記載の例では、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aは、薄膜乾燥装置1が発する音を取得する集音装置5に加え、粉体搬送装置2が発する音を取得する粉体搬送装置用集音装置25を備える。
【0055】
また、図2に記載の例では、信号伝送装置9は、粉体搬送装置用集音装置25によって取得された音を、周波数、振幅、波形を含む第3音信号S3として伝送する。また、情報処理装置7は、信号伝送装置9から受信する第3音信号S3を、粉体搬送装置2の通常運転時に生じる音に対応する第4音信号と比較し、第4音信号からの第3音信号S3の逸脱に基づいて、粉体搬送装置2の運転状態の異常を検知する。なお、第4音信号は、例えば、情報処理装置7の記憶装置71あるいは情報処理装置7と情報伝達可能な記憶装置に予め記憶され、情報処理装置7が、第3音信号S3を第4音信号と比較する際に、当該記憶装置71から情報処理装置7によって取得される。
【0056】
以上のとおり、薄膜乾燥装置1と連系する粉体搬送装置2の通常運転時に生じる正常音から逸脱した音が発生した場合に、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aは、粉体搬送装置2の運転状態の異常を早期に検知することができる。こうして、粉体搬送装置2の異常が、その上流側に配置された薄膜乾燥装置1に波及することを防ぐことができる。
【0057】
(ノイズキャンセル部73、および/または、指向性の集音装置5)
図2に記載の例では、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aは、ノイズキャンセル部73を備える。ノイズキャンセル部73は、ローパスフィルタあるいはハイパスフィルタ等のハードウェアによって構成されてもよいし、記憶装置71に記憶されたプログラムを情報処理装置7が実行することにより情報処理装置7がノイズキャンセル部73として機能してもよい。
【0058】
ノイズキャンセル部73は、情報処理装置7が、集音装置5によって集音される音に対応する第1音信号(S1;S1’;S1’’)と薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号(S2;S2’;S2’’)とを比較する前に、第1音信号(S1;S1’;S1’’)に含まれるノイズを除去する。
【0059】
例えば、情報処理装置7が、第1音信号S1を打撃装置4の打撃音に対応する正常打撃音信号S2-1(図4(a)を参照。)と比較する場合には、第1音信号S1から、打撃装置4の打撃音以外の音に対応する信号(例えば、胴体部動作音に対応する信号S1-2)が除去されてもよい。
【0060】
また、情報処理装置7が、第1音信号S1’を胴体部正常動作音信号S2’-2(図5(a)を参照。)と比較する場合には、第1音信号S1から、胴体部動作音以外の音に対応する信号(例えば、打撃装置4の打撃音に対応する信号)が除去されてもよい。
【0061】
また、情報処理装置7が、第1音信号S1’’を駆動装置正常動作音信号S2’’-3(図6(a)を参照。)と比較する場合には、第1音信号S1から、駆動装置動作音以外の音に対応する信号(例えば、胴体部動作音に対応する信号)が除去されてもよい。
【0062】
以上のとおり、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aが、ノイズキャンセル部73を備える場合、集音装置5によって取得される音から比較に不要な音が除去されるため、異常検知対象物(例えば、打撃装置4、胴体部10、駆動装置18)が発する音と、当該異常検知対象物の通常作動時の正常音との比較を、より正確に行うことができる。
【0063】
代替的に、あるいは、付加的に、音を取得すべき対象物が発する音が、当該対象物以外の物体が発する音よりも集音されやすくするために、集音装置5が指向性を有するように構成されてもよい。例えば、打撃音集音用の第1集音装置5aは、打撃装置4から第1集音装置5aに向かう方向に進む音を、他の方向に進む音と比較して、優先的に集音する指向性を有する。また、胴体部動作音集音用の第2集音装置5bは、胴体部10から第2集音装置5bに向かう方向に進む音を、他の方向に進む音と比較して、優先的に集音する指向性を有する。また、駆動装置動作音集音用の第3集音装置5cは、駆動装置18から第3集音装置5cに向かう方向に進む音を、他の方向に進む音と比較して、優先的に集音する指向性を有する。
【0064】
以上のとおり、集音装置5が指向性を有する場合、異常検知対象物(例えば、打撃装置4、胴体部10、駆動装置18)が発する音が優先的に集音されるため、異常検知対象物が発する音と当該異常検知対象物の通常作動時の正常音との比較を、より正確に行うことができる。
【0065】
(第2の実施形態)
図7および図8を参照して、第2の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Bについて説明する。図7は、第2の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Bの構成を模式的に示す図である。図8は、表示装置81の一例を模式的に示す図である。
【0066】
第2の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Bは、情報処理装置7によって異常が検知された際に、異常が発生した機器の情報、および、当該異常の詳細を表示する表示装置81を備える点において、第1の実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Aと異なる。
【0067】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態において説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。よって、第2の実施形態において明示的に説明されなかったとしても、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明済みの事項を採用可能であることは言うまでもない。
【0068】
(構成・作用)
図7に例示されるように、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100Bは、表示装置81を備える。図7に記載の例では、表示装置81は、情報処理装置7と情報伝達可能に接続された監視端末8に付属する表示装置であるが、表示装置81は、情報処理装置7に付属する表示装置であってもよい。監視端末8は、表示装置81を一体的に備えるノートPCであってもよい。
【0069】
図8に記載の例では、表示装置81は、薄膜乾燥装置1を構成する複数の機器の配置を示す模式図を表示する。付加的に、表示装置81は、薄膜乾燥装置1に接続された他の装置(例えば、粉体搬送装置2)を構成する複数の機器の配置を示す模式図を表示してもよい。なお、薄膜乾燥装置1を構成する複数の機器の配置を示す模式図、および/または、薄膜乾燥装置1に接続された他の装置を構成する複数の機器の配置を示す模式図は、監視端末8の記憶装置83、あるいは、監視端末8と情報伝達可能な記憶装置に予め記憶される。
【0070】
図8に例示されるように、表示装置81は、情報処理装置7によって異常が検知された際に、異常が発生した機器の情報を表示する。表示装置81は、薄膜乾燥装置1を構成する複数の機器の配置を示す模式図において、異常が発生した機器を強調表示してもよい。図8に記載の例では、打撃装置4に異常が発生し、打撃装置4が強調表示されている。強調表示は、異常が発生した機器の表示色を変更することによって行われてもよいし、異常が発生した機器を点滅表示することによって行われてもよい。
【0071】
図8に例示されるように、表示装置81は、情報処理装置7によって異常が検知された際に、当該異常の詳細を表示する。表示装置81は、異常の詳細として、異常が発生した機器(例えば、打撃装置4)が、当該異常の前後に発した音の音圧の時間変化(矢印AR1によって示される波形図を参照。)と、当該機器(例えば、打撃装置4)が、正常動作時に発する音の音圧の時間変化(矢印AR2によって示される波形図を参照。)とを並列的に表示してもよい。また、当該異常の詳細は、異常が発生した機器が特定されるように(例えば、図8における吹き出し表示Pを参照。)、ポップアップ表示されてもよい。異常の詳細が表示されることにより、監視者は、異常の詳細を把握することができる。
【0072】
当該異常の詳細には、正常動作時に連続的に定常音を発する機器(例えば、回転シャフト15、薄膜形成部材16、モータM)が動作停止していることを示す情報が含まれていてもよく、正常動作時に連続的に定常音を発する機器から異音が発生していることを示す情報が含まれていてもよく、正常動作時に周期的かつ離散的に音を発する機器(例えば、打撃装置4)が動作停止していることを示す情報が含まれていてもよく、正常動作時に周期的かつ離散的に音を発する機器の動作タイミングが予め設定されたタイミングからずれていることを示す情報が含まれていてもよい。
【0073】
(効果)
監視者は、表示装置81上に表示された情報を確認することにより、早期に異常を把握することができ、早期に対策を講じることができる。
【0074】
続いて、第2の実施形態(あるいは、上述の第1の実施形態)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0075】
(記憶装置71、および、表示装置81)
図7に記載の例において、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、記憶装置71、および、表示装置81を備える。記憶装置71は、集音装置5により集音された音に対応する第1音信号(S1;S1’;S1’’)を記憶する。
【0076】
また、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、記憶装置71に記憶された第1音信号(S1;S1’;S1’’)の全体の中から、指定された期間の第1音信号を取り出し、指定された当該期間の第1音信号を表示装置81に表示可能である。図8に記載の例では、上述の指定された期間は、異常発生時点を含む所定の期間である。例えば、情報処理装置7によって異常が検知された際に、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、異常発生時点から予め設定された時間を遡った時点と、異常発生時点から予め設定された時間を経過した時点との間の期間を、「指定された期間」として設定し、当該指定された期間に対応する第1音信号(S1;S1’;S1’’)を記憶装置71から抽出する。また、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、抽出された第1音信号を表示装置81に表示する。表示装置81には、抽出された第1音信号(S1;S1’;S1’’)と、薄膜乾燥装置1の正常動作時に発する音の音圧の時間変化とが並列的に表示されてもよい。
【0077】
代替的に、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100が入力装置を備え、監視者が入力装置を用いて指定期間を入力することに基づいて、記憶装置71に記憶された第1音信号(S1;S1’;S1’’)の全体の中から、当該指定期間に対応する第1音信号が抽出されてもよい。薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、抽出された第1音信号を表示装置81に表示する。表示装置81には、抽出された第1音信号(S1;S1’;S1’’)と、薄膜乾燥装置1の正常動作時に発する音の音圧の時間変化とが並列的に表示されてもよい。
【0078】
以上のとおり、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100が、記憶装置71に記憶された第1音信号(S1;S1’;S1’’)の全体の中から、指定された期間の第1音信号を取り出し、指定された期間の第1音信号を表示装置81に表示可能である場合、過去の任意の期間の第1音信号(S1;S1’;S1’’)を事後的に検証することができる。
【0079】
(情報処理装置7および/または監視端末8が配置される監視エリア)
図7に記載の例では、情報処理装置7および/または監視端末8が配置される監視エリアは、薄膜乾燥装置1が設置されるエリアから完全に物理的に隔離されている。この場合、薄膜乾燥装置1が、危険性のある廃液(例えば、放射性物質を含む廃液)を乾燥処理する場合であっても、情報処理装置7および/または監視端末8が配置される監視エリアに待機する監視者は、安全に、薄膜乾燥装置1を監視することができる。
【0080】
(判別部85)
図7に記載の例では、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、判別部85と、記憶装置71と、を備える。
【0081】
判別部85は、薄膜乾燥装置1の異常の種類を自動で判別する。より具体的には、判別部85は、集音装置5によって取得された音に対応する第1音信号(S1;S1’;S1’’)と、薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号(S2;S2’;S2’’)とに基づいて、薄膜乾燥装置1の異常の種類を自動で判別する。異常の種類は、例えば、モータMの動作停止、モータMからの異音の発生、モータMの出力を回転シャフト15に伝達する伝達機構からの異音の発生、薄膜形成部材16の破損、打撃装置4の動作停止、打撃装置4の動作タイミングの異常等を含む。
【0082】
図7に記載の例では、判別部85は、監視端末8に配置されているが、代替的に、判別部85は、情報処理装置7あるいはその他の装置に配置されていてもよい。
【0083】
記憶装置71は、集音装置5により集音された音に対応する第1音信号(S1;S1’;S1’’)を記憶する。また、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、記憶装置71に記憶された第1音信号(S1;S1’;S1’’)の全体の中から、指定された期間の第1音信号を取り出し可能である。
【0084】
図7に記載の例において、判別部85は、機械学習可能に構成されていてもよい。例えば、判別部85は、異常発生時点を含む期間の第1音信号を入力側の教師データ、異常の詳細を出力側の教師データとして機械学習可能である。
【0085】
上述の異常発生時点としては、例えば、情報処理装置7が、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常を検知した時間を使用することができる。薄膜乾燥装置1の異常検知システム100は、異常発生時点が特定されると、当該異常発生時点を含む期間の第1音信号(換言すれば、異常発生時点を含む指定された期間の第1音信号)を、記憶装置71に記憶された第1音信号(S1;S1’;S1’’)の全体の中から抽出する。また、上述の異常の詳細としては、例えば、監視者が入力する情報を利用することができる。こうして、判別部85は、過去に発生した事象に基づいて、第1音信号と、異常の詳細とに基づいて、異常の種類の判別について機械学習することができる。
【0086】
以上のとおり、薄膜乾燥装置1の異常検知システム100が、判別部85を備える場合には、異常の種類を自動で判別することができる。よって、薄膜乾燥装置1の異常が発生した後、監視者は、当該異常に対する対策を早期に講じることができる。また、判別部85が、機械学習可能である場合、過去の事象に基づいて、異常の種類の判別精度を向上させることができる。
【0087】
(薄膜乾燥装置1の異常検知システム100の動作方法)
続いて、図1乃至図9を参照して、実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100の動作方法について説明する。図9は、実施形態における薄膜乾燥装置1の異常検知システム100の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【0088】
第1ステップST1において、廃液の薄膜を乾燥させる薄膜乾燥装置1が稼働される。第1ステップST1は、稼働工程である。稼働工程は、薄膜乾燥装置1と、粉体搬送装置2とを稼働させることを含む。第1ステップST1では、駆動装置18(図2を参照。)が作動され、回転シャフト15および薄膜形成部材16が、筒部11の中心軸Cまわりに回転され、廃液供給部12から筒部11の内側に廃液が供給され、筒部11の内面に廃液の薄膜が形成され、筒部11が加熱されることにより廃液の薄膜から乾燥薄膜が形成され、乾燥薄膜が薄膜形成部材16によって掻き取られ、掻き取られた乾燥薄膜が粉体として筒部11の内部を落下し、粉体が粉体排出部13から排出され、粉体排出部13から排出された粉体が粉体搬送装置2によって搬送される。
【0089】
第2ステップST2において、集音装置5(例えば、打撃装置4の近傍に配置された第1集音装置5a)により、薄膜乾燥装置1の稼働音が常時集音される。第2ステップST2は、集音ステップである。集音装置5によって集音された音は、周波数、振幅、波形を含む第1音信号(S1;S1’;S1’’)として、信号伝送装置9によって伝送される。
【0090】
第3ステップST3において、第1音信号(S1;S1’;S1’’)に対応する音圧データが監視される。第3ステップST3は、監視工程である。監視ステップでは、集音装置5によって取得された音データが、第1音信号(S1;S1’;S1’’)として、現場センサ6および信号伝送装置9を介して、監視エリア(より具体的には、情報処理装置7)に送信される。図2に記載の例では、情報処理装置7は、無線アクセスポイントを介して、第1音信号S1を受信する。情報処理装置7は、第1音信号(S1;S1’;S1’’)に対応する音圧データを監視する。付加的に、表示装置81に、第1音信号(S1;S1’;S1’’)に対応する音圧データが表示されるようにしてもよい。この場合、監視者は、第1音信号(S1;S1’;S1’’)に対応する音圧データを監視することができる。
【0091】
第4ステップST4において、薄膜乾燥装置1の異常の有無が判定される。第4ステップST4は、判定工程である。判定工程において、情報処理装置7は、信号伝送装置9から受信する第1音信号(S1;S1’;S1’’)を、薄膜乾燥装置1の通常運転時に生じる音に対応する第2音信号(S2;S2’;S2’’)と比較し、第2音信号からの第1音信号の逸脱に基づいて、薄膜乾燥装置1の運転状態の異常の有無を判定してもよい。
【0092】
例えば、情報処理装置7は、第1閾値TH(図4(b)を参照。)を超える音圧が、予め設定された一定期間よりも長い間検知されないとき、打撃装置4に異常があると判定する。
【0093】
代替的に、あるいは、付加的に、情報処理装置7は、第1音信号S1’に含まれ、薄膜乾燥装置1の胴体部10の胴体部動作音に対応する信号S1’-2(図5(b)を参照。)の大きさが、第2閾値TH2を超えるとき、胴体部10の動作に異常があると判定してもよい。
【0094】
代替的に、あるいは、付加的に、情報処理装置7は、第1音信号S1’’に含まれ、薄膜乾燥装置1の駆動装置18の駆動装置動作音に対応する信号S1’’-3(図6(b)を参照。)の大きさが、第3閾値TH3を超えるとき、駆動装置18の動作に異常があると判定してもよい。
【0095】
第5ステップST5において、警報が発せられる。第5ステップST5は、警報発生工程である。警報発生工程(換言すれば、警報の発生)は、情報処理装置7によって、薄膜乾燥装置1の運転状態に異常があると判定されることに応じて実行される。警報の発生は、表示装置81における表示を変更することにより実行されてもよいし、警報音を発生することにより実行されてもよい。
【0096】
警報の発生は、情報処理装置7によって、打撃装置4に異常があると判定されることに応じて実行されてもよいし、情報処理装置7によって、胴体部10の動作に異常があると判定されることに応じて実行されてもよいし、情報処理装置7によって、駆動装置18の動作に異常があると判定されることに応じて実行されてもよい。
【0097】
第6ステップST6において、表示装置81に、異常が発生した機器の情報、および/または、当該異常の詳細が表示される。第6ステップST6は、表示工程である。表示工程において、薄膜乾燥装置1を構成する複数の機器の配置を示す模式図が、表示装置81に表示され、当該模式図において、異常が発生した機器が強調表示されてもよい(図8を参照。)。付加的に、表示工程において、異常が発生した機器(例えば、打撃装置4)が、当該異常の前後に発した音の音圧の時間変化と、当該機器(例えば、打撃装置4)が、正常動作時に発する音の音圧の時間変化とが、表示装置81に並列的に表示されてもよい。
【0098】
以上のとおり、実施形態における薄膜乾燥装置の異常検知システムの動作方法では、薄膜乾燥装置が発する音に基づいて、早期に薄膜乾燥装置の異常(例えば、打撃装置4の異常)を検知することが可能である。
【0099】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1…薄膜乾燥装置、2…粉体搬送装置、4…打撃装置、4a…第1打撃装置、4b…第2打撃装置、5…集音装置、5a…第1集音装置、5b…第2集音装置、5c…第3集音装置、6…現場センサ、7…情報処理装置、8…監視端末、9…信号伝送装置、10…胴体部、11…筒部、12…廃液供給部、13…粉体排出部、14…揮発ガス排出部、15…回転シャフト、16…薄膜形成部材、17a…蒸気供給部、17b…蒸気排出部、18…駆動装置、21…粉体供給配管、22…第2打撃装置、23…フィーダ、25…粉体搬送装置用集音装置、41…取付部、43…プレート、45…ピストン、47…付勢部材、49…圧縮空気供給部、71…記憶装置、73…ノイズキャンセル部、81…表示装置、83…記憶装置、85…判別部、100、100A、100B…薄膜乾燥装置の異常検知システム、111…外壁、113…内壁、C…中心軸、G1…実際の打撃音の発生間隔、G2…打撃音の正常な発生間隔、M…モータ、P…吹き出し表示、S1、S1’、S1’’…第1音信号、S1-1…実際の打撃音に対応する信号、S1-2、S1’-2…胴体部動作音に対応する信号、S1’’-3…駆動装置動作音に対応する信号、S2、S2’、S2’’…第2音信号、S2-1…正常打撃音信号、S2’-2…胴体部正常動作音信号、S2’’-3…駆動装置正常動作音信号、S3…第3音信号、TH…第1閾値、TH2…第2閾値、TH3…第3閾値
図1
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