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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090464
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】光量調節装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/06 20210101AFI20230622BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20230622BHJP
   G03B 9/02 20210101ALI20230622BHJP
【FI】
G03B9/06
H04N5/225 400
G03B9/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205429
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中脇 慎也
【テーマコード(参考)】
2H080
5C122
【Fターム(参考)】
2H080AA10
2H080AA21
2H080AA26
2H080AA32
2H080AA38
2H080AA66
2H080AA69
2H080AA76
5C122EA06
5C122FD01
5C122FE02
5C122FF05
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】閉じ切りの可能な光量調節装置において、羽根同士の干渉が起こりにくい構成を提供する。
【解決手段】光を通過させる開口を有するベース部材と、開口を横断した状態で回動する複数の横断羽根からなる横断羽根群であって、開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第1の横断羽根群と、開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第2の横断羽根群とを含む、横断羽根群と、第1の横断羽根群と第2の横断羽根群との間に配置された仕切り板と、横断羽根群を駆動する駆動リングと、を備え、第1の横断羽根群と第2の横断羽根群との協働により絞り開口を形成し、第1の横断羽根群のうちの少なくとも一つの横断羽根が形成する絞り開口の縁は、第2の横断羽根群のうちの二つの横断羽根が形成する絞り開口の縁に隣接している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を通過させる開口を有するベース部材と、
前記開口を横断した状態で回動する複数の横断羽根からなる横断羽根群であって、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第1の横断羽根群と、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第2の横断羽根群とを含む、横断羽根群と、
前記第1の横断羽根群と前記第2の横断羽根群との間に配置された仕切り板と、
前記横断羽根群を駆動する駆動リングと、を備え、
前記第1の横断羽根群と前記第2の横断羽根群との協働により絞り開口を形成し、
前記第1の横断羽根群のうちの少なくとも一つの横断羽根が形成する前記絞り開口の縁は、前記第2の横断羽根群のうちの二つの横断羽根が形成する前記絞り開口の縁に隣接していることを特徴とする光量調節装置。
【請求項2】
前記第1の横断羽根群の横断羽根と、前記第2の横断羽根群の横断羽根とは、同形状であることを特徴とする請求項1に記載の光量調節装置。
【請求項3】
前記第1の横断羽根群の横断羽根の枚数と、前記第2の横断羽根群の横断羽根の枚数が同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の光量調節装置。
【請求項4】
前記第1の横断羽根群の横断羽根と、前記第2の横断羽根群の横断羽根は、前記開口の円周方向に、60°位相がズレて配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光量調節装置。
【請求項5】
前記横断羽根は、絞り開口形成縁部の背面側に、前記光量調節装置の外周部の部材を逃げるための逃げ部を有し、前記第1及び第2の横断羽根群の一方の横断羽根の前記逃げ部と前記開口の間の空間を、前記第1及び第2の横断羽根群の他方の横断羽根で覆うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光量調節装置。
【請求項6】
光を通過させる開口を有するベース部材と、
前記開口を横断した状態で回動する複数の横断羽根からなる横断羽根群であって、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第1の横断羽根群と、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第2の横断羽根群と、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第3の横断羽根群とを含む、横断羽根群と、
前記第1の横断羽根群と前記第2の横断羽根群との間に配置された第1の仕切り板と、
前記第2の横断羽根群と前記第3の横断羽根群との間に配置された第2の仕切り板と、
前記横断羽根群を駆動する駆動リングと、を備え、
前記第1の横断羽根群と、前記第2の横断羽根群と、前記第3の横断羽根群と、の協働により絞り開口を形成し、
前記第1の横断羽根群のうちの少なくとも一つの横断羽根が形成する前記絞り開口の縁は、前記第2の横断羽根群の横断羽根及び前記第3の横断羽根群の横断羽根が形成する前記絞り開口の縁に隣接していることを特徴とする光量調節装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の光量調節装置と、前記光量調節装置を通過した光を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、絞り装置などの光量調節装置及びそれを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
絞り装置において形成される光通過開口としての絞り開口の形状は、できるだけ円形に近い方が好ましく、円形に近い絞り開口を形成するために3枚以上の多数枚の絞り羽根(光量調節羽根)が用いられる場合が多い。また、ベース部材(開口形成部材)に形成した固定開口の周囲で回動可能な駆動リングにより多数枚の絞り羽根を回動させることで、円形に近い多角形の絞り開口を形成する。
【0003】
ここで、ビデオカメラなどに使用される絞りにおいては、撮影を行っていない状態において撮像素子に光が入射しないよう、絞りを完全に閉じることができる閉じ切り可能な絞りが用いられることが多い。従来、このような閉じ切り可能な絞りにおいては、閉じ切り位置と中間絞り位置での羽根同士の干渉を防ぐため、羽根の枚数を減らす必要があった。
【0004】
特許文献1には、基板の開口部を開閉可能に支持された複数の第1羽根および1つの第2羽根と、それらを開閉駆動するための駆動リングとを備え、第1羽根および第2羽根は、駆動リングの動作に基づいてそれぞれ異なる動作を行い、第2羽根は、第1羽根により開口部を閉じたときに、開口部の中心を閉じるように構成された絞り装置が開示されている。この構成により、絞りの開閉時に第1羽根と第2羽根が絡まることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-99395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、絞り開口を円形に近い形状にするためには、羽根の枚数を増やすことが必要であり、特許文献1に記載の構成のような複雑な羽根の動きが必要な場合があった。
【0007】
本発明は、閉じ切り可能な光量調節装置において、簡単な構成で羽根同士の干渉が起こりにくい構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わる光量調節装置は、光を通過させる開口を有するベース部材と、前記開口を横断した状態で回動する複数の横断羽根からなる横断羽根群であって、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第1の横断羽根群と、前記開口に対して出入りする複数の横断羽根からなる第2の横断羽根群とを含む、横断羽根群と、前記第1の横断羽根群と前記第2の横断羽根群との間に配置された仕切り板と、前記横断羽根群を駆動する駆動リングと、を備え、前記第1の横断羽根群と前記第2の横断羽根群との協働により絞り開口を形成し、前記第1の横断羽根群のうちの少なくとも一つの横断羽根が形成する前記絞り開口の縁は、前記第2の横断羽根群のうちの二つの横断羽根が形成する前記絞り開口の縁に隣接していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、閉じ切りの可能な光量調節装置において、羽根同士の干渉が起こりにくい構成を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る光量調節装置の分解斜視図。
図2】第1の絞り羽根群を構成する絞り羽根を示す図。
図3】仕切り板の形状を示す図。
図4】第1の羽根群の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図。
図5】第2の羽根群の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図。
図6】本発明の第2の実施形態に係る光量調節装置の分解斜視図。
図7】第2の実施形態における第1の羽根群の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図。
図8】第2の実施形態における第2の羽根群の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図。
図9】第2の実施形態における第3の羽根群の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図。
図10】第1の実施形態の絞り装置を搭載した撮像装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の光量調節装置の第1の実施形態である絞り装置100の分解斜視図である。
【0013】
図1において、絞り装置100のベースとなるベース部材4は、光軸50を中心とするレンズの光路に対応して光を通過させる開口部4aを有する。開口部4aの上部の円周上120°間隔の3か所の位置には、後述する駆動リング7の支持突起7bを受けるための切り欠き4bが形成されている。駆動リング7の支持突起7bは、この切り欠き4bに支持されつつ、切り欠き4bの円周方向の幅Aの範囲内で光軸50の回りに回動する。
【0014】
開口部4aの外側には、後述する第1の絞り羽根群(横断羽根群)10の羽根(横断羽根)1に係合する第1の係合ピン4cが、円周上120°間隔で3か所に配置(立設)されている。また、後述する第2の絞り羽根群(横断羽根群)20の羽根(横断羽根)2に係合する第2の係合ピン4dが、円周上120°間隔で3か所に配置されている。
【0015】
ベース部材4は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。ベース部材4には、例えば、ステッピングモータ、ガルバノメータなどを用いた駆動部5が取り付けられ、駆動部5の回転軸には、ピニオンギア6が取り付けられている。
【0016】
後述する絞り羽根を駆動する駆動リング(開口形成部材)7は、開口部7fと、外径係合部7aと、支持突起7bと、第1のカム孔7cと、第2のカム孔7dと、被駆動部7eとを有する。駆動リング7は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。
【0017】
駆動リング7の開口部7fは、絞り装置100の開放状態における開口径を規定する。駆動リング7の外径係合部7aは、ベース部材4の開口部4aの内周面に摺動可能に嵌合する。また、外径係合部7aの円周上120°間隔の3か所の位置には、前述したベース部材4の切り欠き4bにより支持される支持突起7bが形成されている。駆動リング7は、支持突起7bが切り欠き4bの円周方向の幅Aの範囲内で動くことにより、円周方向に回動可能である。また、図1では、開口部4aは連続した円周状に形成されているが、複数の凸部で構成されて、駆動リング7の外径係合部7aと係合するように形成されていてもよい。
【0018】
駆動リング7の第1のカム孔7cは、後述する第1の絞り羽根群10における絞り羽根1の駆動ピン1aと摺動可能に係合する。第1のカム孔7cは、駆動リング7が光軸50の回りに回動するのに伴って絞り羽根1の駆動ピン1aをガイドし、絞り羽根1を開閉駆動する。また、駆動リング7の第2のカム孔7dは、後述する第2の絞り羽根群20における絞り羽根2の駆動ピン2aと摺動可能に係合する。第2のカム孔7dは、駆動リング7が光軸50の回りに回動するのに伴って絞り羽根2の駆動ピン2aをガイドし、絞り羽根2を開閉駆動する。
【0019】
駆動リング7には、被駆動部7eであるギア部が形成されている。被駆動部7eは、中間ギア8a,8bを介してピニオンギア6と噛み合い、駆動部5で発生した回転力がピニオンギア6から被駆動部7eに伝達され、駆動リング7が回動される。
【0020】
駆動リング7の上方には、第1の絞り羽根群10と、第2の絞り羽根群20と、第1の絞り羽根群10と第2の絞り羽根群20とを仕切る仕切り板30が配置されている。なお、本実施形態では、絞り羽根群は、第1及び第2の絞り羽根群10,20の2群としたが、絞り羽根群は、3群以上でも構わない。ただし、それぞれの絞り羽根群の間に仕切り板30が1枚ずつ配置される。また、それぞれの絞り羽根群は後述するように3枚の羽根で構成されているが、複数であれば良く、4枚以上でも構わない。
【0021】
第1の絞り羽根群10は、複数の絞り羽根1によって構成される。本実施形態では、3枚の絞り羽根1を開口部7fの周囲で積み重ねることで第1の絞り羽根群10が形成される。
【0022】
同様に、第2の絞り羽根群20は、複数の絞り羽根2によって構成される。本実施形態では、3枚の絞り羽根2を開口部7fの周囲で積み重ねることで第2の絞り羽根群20が形成される。
【0023】
図2は、1枚の絞り羽根1の形状を示す図である。なお、本実施形態では、第1の絞り羽根群10の絞り羽根1と第2の絞り羽根群20の絞り羽根2は同形状であり、図2では、絞り羽根2の形状も同時に示している。
【0024】
絞り羽根1は、第1の絞り開口形成縁部1rと、被駆動部である第1の駆動ピン1aと、第1の係合穴1bとを有する。第1の係合穴1bは、ベース部材4の第1の係合ピン4cに回動可能に嵌合し、第1の係合ピン4cを中心として回動動作する。第1の駆動ピン1aは、駆動リング7の第1のカム孔7cにガイドされて、駆動リング7の回動に伴って、開閉動作される。絞り羽根1の第1の係合穴1bと先端部1dの間の第1の絞り開口形成縁部1rの背面側には、絞り羽根1が開放位置に位置するときに、絞り装置100の外周部の部材や、第1の係合ピン4cや第2の係合ピン4dとの干渉を避けるための逃げ部1cが形成されている。この逃げ部1cは、絞り羽根1が絞り切られたときに駆動リング7の開口部7fの内側に入るため、逃げ部1cと開口部7fの内周縁の間の隙間から光が漏れることになる。しかし、絞りが絞り切られたときには、この隙間は、もう一方(他方)の第2の絞り羽根群20の絞り羽根2の先端部2dにより覆われるので、光の漏れは発生しない。
【0025】
後述する絞り羽根2も同様に、第2の絞り開口形成縁部2rと、被駆動部である第2の駆動ピン2aと、第2の係合穴2bとを有する。第2の係合穴2bは、ベース部材4の第2の係合ピン4dに回動可能に嵌合し、第2の係合ピン4dを中心として回動動作する。第2の駆動ピン2aは、駆動リング7の第2のカム孔7dにガイドされて、駆動リング7の回動に伴って、開閉動作される。絞り羽根2の第2の係合穴2bと先端部2dの間の第2の絞り開口形成縁部2rの背面側には、絞り羽根2が開放位置に位置するときに、絞り装置100の外周部の部材との干渉を避けるための逃げ部2cが形成されている。この逃げ部2cは、絞り羽根2が絞り切られたときに駆動リング7の開口部7fの内側に入るため、逃げ部2cと開口部7fの内周縁の間の隙間から光が漏れることになる。しかし、絞りが絞られたときには、この隙間は、もう一方の第1の絞り羽根群10の絞り羽根1の先端部1dにより覆われるので、光の漏れは発生しない。
【0026】
絞り羽根1および絞り羽根2は、例えば、PETシート材等をプレス加工して作成される。また、絞り羽根には、遮光処理、反射防止処理、摺動処理等が施されていると望ましい。なお、本実施形態では、絞り羽根1,2に第1及び第2の駆動ピン1a,2aを設けているが、これは、絞り羽根側にカム孔を設けると羽根の強度が低下するためである。そのため、絞り羽根に駆動ピンを設け、駆動リング7側にカム孔を形成している。
【0027】
第1の絞り羽根群10と第2の絞り羽根群20との間には、これらの絞り羽根群の間を仕切るための仕切り板30が配置されている。
【0028】
図3は、仕切り板30の形状を示す図である。仕切り板30には、第2の絞り羽根群20における絞り羽根2の第2の駆動ピン2aが駆動リング7の第2のカム孔7dと係合できるように、逃げ穴30aが形成されている。また、仕切り板30は、第2の駆動ピン2aが駆動リング7の第2のカム孔7dに沿って動くときに、その動きに伴って回動されるため、仕切り板30の外周部には、ベース部材4の第1及び第2の係合ピン4c,4dを逃げるための逃げ部30c,30dが形成されている。
【0029】
ここで例えば、この仕切り板30を設けず、絞り羽根群を第1の絞り羽根群10と第2の絞り羽根群20の絞り羽根6枚で構成した場合、絞りを絞り切ろうとした場合に、6枚の絞り羽根の先端同士が干渉し、絞り切りができない場合がある。これに対し、本実施形態では、仕切り板30により、6枚の絞り羽根を第1の絞り羽根群10と第2の絞り羽根群20の3枚ずつに分離しているため、絞り切りを行う場合でも、絞り羽根同士が干渉せず、スムーズに絞り切りを行うことができる。仕切り板30は、例えば、PETシート材等をプレス加工して作成される。
【0030】
第1及び第2の絞り羽根群10,20の上方には、中央に開口部8aが形成されたカバー部材8が配置される。カバー部材8は、外周部に形成された係合部8bが、その弾性により、ベース部材4の係止部4eに係止されることにより、ベース部材4に固定される。また、カバー部材8に60°間隔で形成された6つの穴8cが第1及び第2の係合ピン4c,4dの先端に覆い重なり、第1及び第2の絞り羽根群10,20、及び仕切り板30を押さえる。ベース部材4とカバー部材8で形成された空間の中で、駆動リング7と複数の絞り羽根群(第1の絞り羽根群10、第2の絞り羽根群20)と、仕切り板30が駆動される。
【0031】
ここで、上記の説明と一部重複するが、各絞り羽根と、ベース部材4と、仕切り板30の係合関係について、図1を参照して説明する。
【0032】
絞り羽根1の第1の係合穴1bは、ベース部材4の第1の係合ピン4cに係合する。絞り羽根1の第1の駆動ピン1aは、駆動リング7の第1のカム孔7cに係合する。絞り羽根2の第2の係合穴2bは、ベース部材4の第2の係合ピン4dに係合する。絞り羽根2の第2の駆動ピン2aは、仕切り板30の逃げ穴30aを介して、駆動リング7の第2のカム孔7dに係合する。
【0033】
このように構成される絞り装置100においては、ピニオンギア6が回転すると、駆動リング7の被駆動部7eに駆動力が伝達され、駆動リング7が回動する。駆動リング7が回動すると、駆動リング7の第1のカム孔7cから絞り羽根1の第1の駆動ピン1aに駆動力が与えられ、絞り羽根1は、駆動リングの開口部7fに対して進入及び退出する(出入りする)。第1の絞り羽根群10は、絞り開口形成縁部1rにより、絞り全開から最小絞りまでの範囲において、部分的に絞り開口形状を形成する。
【0034】
同様に、駆動リング7が回動すると、駆動リング7の第2のカム孔7dから絞り羽根2の第2の駆動ピン2aに駆動力が与えられ、絞り羽根2は、駆動リングの開口部7fに対して進入及び退出する(出入りする)。第2の絞り羽根群20は、絞り開口形成縁部2rにより、絞り全開から最小絞りまでの範囲において、部分的に絞り開口形状を形成する。そして、第1の絞り羽根群10の絞り羽根1と第2の絞り羽根群20の絞り羽根2との協働により、最終的な絞り開口形状が形成される。
【0035】
なお、本実施形態では、第1の絞り羽根群10の絞り羽根1と第2の絞り羽根群20の絞り羽根2の位置は円周方向に60°位相がズレている。言い換えると、絞り羽根1と絞り羽根2は、円周方向に互い違いに配置されている。そのため、第1の絞り羽根群10のうちの少なくとも一つの絞り羽根1が形成する絞り開口の縁は、第2の絞り羽根群20のうちの二つの絞り羽根が形成する絞り開口の縁に隣接している。ここで、それぞれの横断羽根の絞り開口の縁が隣接するとは、第1の横断羽根群10と第2の横断羽根群20とを光軸方向から見たときに、第1の横断羽根群10の少なくとも一つの横断羽根(絞り羽根1)の開口形成縁部と、第2の横断羽根群20の少なくとも一つの横断羽根(絞り羽根2)の開口形成縁部とが隣接しているように見え、これらの開口形成縁部の連なりによって絞り開口が形成されていることを言う。
【0036】
次に、図4は第1の羽根群10の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図である。
【0037】
図4において、ピニオンギア6が回転すると、駆動リング7の被駆動部7eが矢印A方向に駆動され、第1の羽根群10における絞り羽根1の第1の駆動ピン1aが、駆動リング7の第1のカム孔7cに沿って動く。これにより、第1の絞り羽根群10は、図4(a)に示す開放状態から、図4(b)の中間絞り状態、図4(c)の小絞り状態を経て、図4(d)の絞り切り状態へと遷移する。そして、撮像装置の制御部からの指示により、駆動部5の回転が制御され、図4(a)~図4(d)に示す状態のうち適正露出となる適切な絞り状態に制御される。
【0038】
この時、図4(b)~図4(d)に示すように、第1の羽根群10が絞られると、絞り羽根1に前述した逃げ部1cが形成されているため、逃げ部1cと駆動リング7の開口部7fとの間に隙間7gが形成される。そのため、第1の羽根群10だけでは、この隙間7gから光が漏れてしまう。しかし、本実施形態では、この隙間7gが第2の羽根群20の先端部2dにより覆われるため、光の漏れは発生しない。
【0039】
次に、図5は第2の羽根群20の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図である。
【0040】
図5において、ピニオンギア6が回転すると、駆動リング7の被駆動部7eが矢印A方向に駆動され、第2の羽根群20における絞り羽根2の第2の駆動ピン2aが、駆動リング7の第2のカム孔7dに沿って動く。これにより、第2の絞り羽根群20は、図5(a)に示す開放状態から、図5(b)の中間絞り状態、図5(c)の小絞り状態を経て、図5(d)の絞り切り状態へと遷移する。そして、撮像装置の制御部からの指示により、駆動部5の回転が制御され、図5(a)~図5(d)に示す状態のうち適正露出となる適切な絞り状態に制御される。
【0041】
この時、図5(b)~図5(d)に示すように、第2の羽根群20が絞られると、絞り羽根2に前述した逃げ部2cが形成されているため、逃げ部2cと駆動リング7の開口部7fとの間に隙間7hが形成される。そのため、第2の羽根群20だけでは、この隙間7hから光が漏れてしまう。しかし、本実施形態では、この隙間7hが第1の羽根群10の先端部1dにより覆われるため、光の漏れは発生しない。
【0042】
以上が、本実施形態の絞り装置100の構成及び動作である。
【0043】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、絞りの羽根群を第1の羽根群と第2の羽根群に分け、それらの羽根群の間に仕切り板を配置することにより、開放状態から小絞り径まで、円形度の高い光通過開口を形成し、且つ、絞り切りの可能な光量調節装置を提供することが可能となる。
【0044】
<第2の実施形態>
図6は、本発明の光量調節装置の第2の実施形態である絞り装置300の分解斜視図である。
【0045】
図6において、絞り装置300のベースとなるベース部材304は、光軸350を中心とするレンズの光路に対応して光を通過させる開口部304aを有する。開口部304aの上部の円周上120°間隔の3か所の位置には、後述する駆動リング307の支持突起307bを受けるための切り欠き304bが形成されている。駆動リング307の支持突起307bは、この切り欠き304bに支持されつつ、切り欠き304bの円周方向の幅Aの範囲内で光軸350の回りに回動する。
【0046】
開口部304aの外側には、後述する第1の絞り羽根群310の羽根301に係合する第1の係合ピン304cが、円周上120°間隔で3か所に配置(立設)されている。また、後述する第2の絞り羽根群320の羽根302に係合する第2の係合ピン304dが、円周上120°間隔で3か所に配置されている。さらに、後述する第3の絞り羽根群330の羽根303に係合する第3の係合ピン304eが、円周上120°間隔で3か所に配置されている。
【0047】
ベース部材304は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。ベース部材304には、例えば、ステッピングモータ、ガルバノメータなどを用いた駆動部305が取り付けられ、駆動部305の回転軸には、ピニオンギア306が取り付けられている。
【0048】
後述する絞り羽根を駆動する駆動リング(開口形成部材)307は、開口部307gと、外径係合部307aと、支持突起307bと、第1のカム孔307cと、第2のカム孔307dと、第3のカム孔307eと、被駆動部307fとを有する。駆動リング307は、一般的には、樹脂の成形加工により作成される。
【0049】
駆動リング307の開口部307gは、絞り装置300の開放状態における開口径を規定する。駆動リング307の外径係合部307aは、ベース部材304の開口部304aの内周面に摺動可能に嵌合する。また、外径係合部307aの円周上120°間隔の3か所の位置には、前述したベース部材304の切り欠き304bにより支持される支持突起307bが形成されている。駆動リング307は、支持突起307bが切り欠き304bの円周方向の幅Aの範囲内で動くことにより、円周方向に回動可能である。また、図6では、開口部304aは連続した円周状に形成されているが、複数の凸部で構成されて、駆動リング307の外径係合部307aと係合するように形成されていてもよい。
【0050】
駆動リング307の第1のカム孔307cは、後述する第1の絞り羽根群310における絞り羽根301の駆動ピン301aと摺動可能に係合する。第1のカム孔307cは、駆動リング307が光軸350の回りに回動するのに伴って絞り羽根301の駆動ピン301aをガイドし、絞り羽根301を開閉駆動する。また、駆動リング307の第2のカム孔307dは、後述する第2の絞り羽根群320における絞り羽根302の駆動ピン302aと摺動可能に係合する。第2のカム孔307dは、駆動リング307が光軸350の回りに回動するのに伴って絞り羽根302の駆動ピン302aをガイドし、絞り羽根302を開閉駆動する。また、駆動リング307の第3のカム孔307eは、後述する第3の絞り羽根群330における絞り羽根303の駆動ピン303aと摺動可能に係合する。第3のカム孔307eは、駆動リング307が光軸350の回りに回動するのに伴って絞り羽根303の駆動ピン303aをガイドし、絞り羽根303を開閉駆動する。
【0051】
駆動リング307には、被駆動部307fであるギア部が形成されている。被駆動部307fは、中間ギア308を介してピニオンギア306と噛み合い、駆動部305で発生した回転力がピニオンギア306から被駆動部307fに伝達され、駆動リング307が回動される。
【0052】
駆動リング307の上方には、第1の絞り羽根群310と、第2の絞り羽根群320と、第3の絞り羽根群330と、第1の絞り羽根群310と第2の絞り羽根群320とを仕切る仕切り板340、第2の絞り羽根群320と第3の絞り羽根群330とを仕切る仕切り板345が配置されている。なお、本実施形態では、絞り羽根群は、第1、第2、第3の絞り羽根群310,320,330の3群としたが、絞り羽根群は、4群以上でも構わない。ただし、それぞれの絞り羽根群の間に仕切り板340(345)が1枚ずつ配置される。また、それぞれの絞り羽根群は後述するように3枚の羽根で構成されているが、複数であれば良く、4枚以上でも構わない。
【0053】
第1の絞り羽根群310は、複数の絞り羽根301によって構成される。本実施形態では、3枚の絞り羽根301を開口部307gの周囲で積み重ねることで第1の絞り羽根群310が形成される。
【0054】
また、第2の絞り羽根群320は、複数の絞り羽根302によって構成される。本実施形態では、3枚の絞り羽根302を開口部307gの周囲で積み重ねることで第2の絞り羽根群320が形成される。
【0055】
さらに、第3の絞り羽根群330は、複数の絞り羽根303によって構成される。本実施形態では、3枚の絞り羽根303を開口部307gの周囲で積み重ねることで第3の絞り羽根群330が形成される。
【0056】
なお、第1乃至第3の絞り羽根群310,320,330を構成する各絞り羽根301,302,303は、第1の実施形態における絞り羽根1,2と概略同様の形状に形成されている。
【0057】
また、仕切り板340,345の形状も、第1の実施形態における仕切り板30と同様の形状であるが、第3の羽根群330の絞り羽根303の駆動ピン303aを逃げるための逃げ穴340b,345bが追加されている。
【0058】
第1乃至第3の絞り羽根群310,320,330の上方には、中央に開口部308aが形成されたカバー部材308が配置される。カバー部材308は、外周部に形成された係合部308bが、その弾性により、ベース部材304の係止部304fに係止されることにより、ベース部材304に固定される。また、カバー部材308に40°間隔で形成された9つの穴308cが第1乃至第3の係合ピン304c,304d,304eの先端に覆い重なり、第1乃至第3の絞り羽根群310,320,330、及び仕切り板340,345を押さえる。ベース部材304とカバー部材308で形成された空間の中で、駆動リング307と複数の絞り羽根群(第1の絞り羽根群310、第2の絞り羽根群320、第3の絞り羽根群330)と、仕切り板340,345が駆動される。
【0059】
ここで、上記の説明と一部重複するが、各絞り羽根と、ベース部材304と、仕切り板340,345の係合関係について、図6を参照して説明する。
【0060】
絞り羽根301の第1の係合穴301bは、ベース部材304の第1の係合ピン304cに係合する。絞り羽根301の第1の駆動ピン301aは、駆動リング307の第1のカム孔307cに係合する。絞り羽根302の第2の係合穴302bは、ベース部材304の第2の係合ピン304dに係合する。絞り羽根302の第2の駆動ピン302aは、仕切り板340の逃げ穴340aを介して、駆動リング307の第2のカム孔307dに係合する。絞り羽根303の第3の係合穴303bは、ベース部材304の第3の係合ピン304eに係合する。絞り羽根303の第3の駆動ピン303aは、仕切り板340の逃げ穴340b、仕切り板345の逃げ穴345bを介して、駆動リング307の第3のカム孔307eに係合する。
【0061】
このように構成される絞り装置100においては、ピニオンギア306が回転すると、駆動リング307の被駆動部307fに駆動力が伝達され、駆動リング307が回動する。駆動リング307が回動すると、駆動リング307の第1のカム孔307cから絞り羽根301の第1の駆動ピン301aに駆動力が与えられ、絞り羽根301は、駆動リングの開口部307gに対して進入及び退出する(出入りする)。第1の絞り羽根群310は、絞り開口形成縁部301rにより、絞り全開から最小絞りまでの範囲において、部分的に絞り開口形状を形成する。
【0062】
同様に、駆動リング307が回動すると、駆動リング307の第2のカム孔307dから絞り羽根302の第2の駆動ピン302aに駆動力が与えられ、絞り羽根302は、駆動リングの開口部307gに対して進入及び退出する(出入りする)。第2の絞り羽根群320は、絞り開口形成縁部302rにより、絞り全開から最小絞りまでの範囲において、部分的に絞り開口形状を形成する。
【0063】
さらに、駆動リング307が回動すると、駆動リング307の第3のカム孔307eから絞り羽根303の第3の駆動ピン303aに駆動力が与えられ、絞り羽根303は、駆動リングの開口部307gに対して進入及び退出する(出入りする)。第3の絞り羽根群330は、絞り開口形成縁部303rにより、絞り全開から最小絞りまでの範囲において、部分的に絞り開口形状を形成する。
【0064】
そして、第1の絞り羽根群310の絞り羽根301と第2の絞り羽根群320の絞り羽根302と、第3の絞り羽根群330の絞り羽根303の協働により、最終的な絞り開口形状が形成される。
【0065】
なお、本実施形態では、第1の絞り羽根群310の絞り羽根301と、第2の絞り羽根群320の絞り羽根302と、第3の絞り羽根群330の絞り羽根303との位置は円周方向に40°位相がズレている。言い換えると、絞り羽根301と絞り羽根302と絞り羽根303は、円周方向に順番に配置されている。そのため、第1の羽根群310のうちの少なくとも一つの羽根が形成する絞り開口の縁は、第2の羽根群320の羽根及び第3の羽根群の羽根が形成する絞り開口の縁に隣接している。
【0066】
次に、図7は第1の羽根群310の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図である。
【0067】
図7において、ピニオンギア306が回転すると、駆動リング307の被駆動部307fが矢印A方向に駆動され、第1の羽根群310における絞り羽根301の第1の駆動ピン301aが、駆動リング307の第1のカム孔307cに沿って動く。これにより、第1の絞り羽根群310は、図7(a)に示す開放状態から、図7(b)の中間絞り状態、図7(c)の小絞り状態を経て、図7(d)の絞り切り状態へと遷移する。そして、撮像装置の制御部からの指示により、駆動部305の回転が制御され、図7(a)~図7(d)に示す状態のうち適正露出となる適切な絞り状態に制御される。
【0068】
この時、図7(b)~図7(d)に示すように、第1の羽根群310が絞られると、絞り羽根301に前述した逃げ部301cが形成されているため、逃げ部301cと駆動リング307の開口部307gとの間に隙間307hが形成される。そのため、第1の羽根群310だけでは、この隙間307hから光が漏れてしまう。しかし、本実施形態では、この隙間307hが第2の羽根群320及び第3の羽根群330の先端部により覆われるため、光の漏れは発生しない。
【0069】
次に、図8は第2の羽根群320の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図である。
【0070】
図8において、ピニオンギア306が回転すると、駆動リング307の被駆動部307fが矢印A方向に駆動され、第2の羽根群320における絞り羽根302の第2の駆動ピン302aが、駆動リング307の第2のカム孔307dに沿って動く。これにより、第2の絞り羽根群320は、図8(a)に示す開放状態から、図8(b)の中間絞り状態、図8(c)の小絞り状態を経て、図8(d)の絞り切り状態へと遷移する。そして、撮像装置の制御部からの指示により、駆動部305の回転が制御され、図8(a)~図8(d)に示す状態のうち適正露出となる適切な絞り状態に制御される。
【0071】
この時、図8(b)~図8(d)に示すように、第2の羽根群320が絞られると、絞り羽根302に前述した逃げ部302cが形成されているため、逃げ部302cと駆動リング307の開口部307gとの間に隙間307iが形成される。そのため、第2の羽根群320だけでは、この隙間307iから光が漏れてしまう。しかし、本実施形態では、この隙間307iが第1の羽根群310および第3の羽根群330の先端部により覆われるため、光の漏れは発生しない。
【0072】
次に、図9は第3の羽根群330の開放から絞り切りまでの開閉動作を示す図である。
【0073】
図9において、ピニオンギア306が回転すると、駆動リング307の被駆動部307fが矢印A方向に駆動され、第3の羽根群330における絞り羽根303の第3の駆動ピン303aが、駆動リング307の第3のカム孔307eに沿って動く。これにより、第3の絞り羽根群330は、図9(a)に示す開放状態から、図9(b)の中間絞り状態、図9(c)の小絞り状態を経て、図9(d)の絞り切り状態へと遷移する。そして、撮像装置の制御部からの指示により、駆動部305の回転が制御され、図9(a)~図9(d)に示す状態のうち適正露出となる適切な絞り状態に制御される。
【0074】
この時、図9(b)~図9(d)に示すように、第3の羽根群330が絞られると、絞り羽根303に前述した逃げ部303cが形成されているため、逃げ部303cと駆動リング307の開口部307gとの間に隙間307jが形成される。そのため、第3の羽根群330だけでは、この隙間307jから光が漏れてしまう。しかし、本実施形態では、この隙間307jが第1の羽根群310および第2の羽根群320の先端部により覆われるため、光の漏れは発生しない。
【0075】
以上が、本実施形態の絞り装置300の構成及び動作である。
【0076】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、絞りの羽根群を第1の羽根群と第2の羽根群と第3の羽根群に分け、それらの羽根群の間に仕切り板を配置することにより、開放状態から小絞り径まで、円形度の高い光通過開口を形成し、且つ、絞り切りの可能な光量調節装置を提供することが可能となる。
【0077】
<第3の実施形態>
図10は、第1および第2の実施形態で説明した絞り装置を搭載した撮像装置としての、一眼レフカメラ用の交換レンズ221、及びその交換レンズが装着されるカメラ本体の内部構成を示している。
【0078】
交換レンズ221の鏡筒内には、変倍レンズ232、光路を絞る第1または第2の実施形態の絞り装置100(300)、およびフォーカスレンズ229を含む撮影光学系が収容されている。
【0079】
CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成される撮像素子225はカメラ本体内に配置され、交換レンズ221により形成された被写体像を光電変換して電気信号を出力する。絞り装置100(300)の絞り開口を変化させたり不図示のNDフィルタを進退させたりすることにより、撮像素子225上に形成される被写体像の明るさ(つまりは撮像素子225に到達する光量)を適正に設定することができる。
【0080】
撮像素子225から出力された電気信号は、画像処理回路226においてデジタル信号に変換されるとともに、種々の画像処理を施される。これにより、画像信号が生成される。
【0081】
ユーザは、ズームリング231を回転操作することにより、変倍レンズ232を移動させて変倍(ズーミング)を行わせることが出来る。コントローラ222は、画像信号のコントラストを検出し、そのコントラストに応じてフォーカスモータ228を制御し、フォーカスレンズ229を移動させてオートフォーカスを行う。あるいは、コントローラ222は、不図示の位相差検出方式を用いた焦点検出手段の検出信号に基づいて、フォーカスモータ228を制御し、フォーカスレンズ229を移動させてオートフォーカスを行ってもよい。
【0082】
さらに、コントローラ222は、不図示の測光手段の測光値あるいは画像信号に基づいて、絞り装置100(300)の駆動部5(305)を制御し、光量を調節する。これにより、撮影時のボケやゴーストを自然な形状にすることができ、高画質の画像を記録することができる。
【0083】
なお、本発明は、上述した一眼レフカメラに限定されず、レンズ一体型のデジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学機器にも広く適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
1,2:絞り羽根、4:ベース部材、5:駆動部、6:ピニオンギア、7:駆動リング、8:カバー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10