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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090830
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】車載システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20230622BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
G01C21/36
G09G5/00 510V
G09G5/00 510A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072726
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2022128746の分割
【原出願日】2017-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】下平 真武
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】大杉 淳
(57)【要約】
【課題】車両に設置されたディスプレイに表示されている情報を、車両に乗車している複数のユーザで共有するための新たな方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば、複数のディスプレイ(第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12)と、複数のディスプレイに情報を表示させる表示制御部13と、を有し、表示制御部13は、所定条件を満たすと、複数のディスプレイのうちの1つのディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を他のディスプレイに表示させる車載システム10が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディスプレイと、
前記複数のディスプレイに情報を表示させる表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、所定条件を満たすと、前記複数のディスプレイのうちの1つのディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を他の前記ディスプレイに表示させる車載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車両に搭載される車両用プロセス制御システムが開示されている。当該車両用プロセス制御システムは、横方向に延びた長尺型のディスプレイを有する。当該ディスプレイは、例えば自動車の前側座席の前方に設置される。当該ディスプレイは、全体が1つの液晶パネルで構成されており、全ての領域で任意の表示が可能となっている。
【0003】
当該ディスプレイにおける運転席の前方の領域には、例えば、速度計やタコメータ等の状態を表示する画面が表示される。当該ディスプレイにおける助手席の前方の領域には、例えばウェブ検索の結果等が表示される。当該ディスプレイにおける運転席の前方の領域と助手席の前方の領域の間に位置するセンタ領域には、例えば、テレビの画面が表示される。
【0004】
助手席に座ったユーザは、運転席の前方の領域、助手席の前方の領域及びセンタ領域いずれに表示されている情報も視認できる。一方、運転席に座ったユーザは、偏光処理により、運転席の前方の領域に表示されている情報を視認でき、助手席の前方の領域に表示されている情報を視認できず、かつ、停車時のみセンタ領域に表示されている情報を視認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-117846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両に設置されたディスプレイに表示されている情報を、車両に乗車している複数のユーザで共有したい場合がある。例えば車両に搭載された1台のディスプレイに表示された情報を複数のユーザで視認することもできる。しかし、車両内のスペースは限られるため、1台のディスプレイを複数のユーザで覗き込んで視認することにおいては、快適性や視認性等の問題が生じ得る。
【0007】
本発明の課題の一例は、車両に設置されたディスプレイに表示されている情報を、車両に乗車している複数のユーザで共有するための新たな方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、
複数のディスプレイと、
前記複数のディスプレイに情報を表示させる表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、所定条件を満たすと、前記複数のディスプレイのうちの1つのディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を他の前記ディスプレイに表示させる車載システムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の車載システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】本実施形態の車載システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図3】本実施形態の車載システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】ディスプレイの設置例を示す模式図である。
図5】本実施形態の車載システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第1のディスプレイの表示例を説明するための図である。
図7】第1のディスプレイの表示例を説明するための図である。
図8】第1のディスプレイの表示例を説明するための図である。
図9】本実施形態の車載システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図10】第1のディスプレイの表示例を説明するための図である。
図11】第2のディスプレイの表示例を説明するための図である。
図12】第2のディスプレイの表示例を説明するための図である。
図13】第1のディスプレイの表示例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の車載システムの全体像を簡単に説明する。車載システムは、複数のディスプレイと、複数のディスプレイに情報を表示させる表示制御部とを有する。そして、表示制御部は、所定条件を満たすと、複数のディスプレイのうちの1つのディスプレイに表示させている情報の一部又は全部である共有対象情報を他のディスプレイに表示させる。所定条件は、ユーザによる指示入力を検出したことであってもよいし、自車が所定の状態になったことであってもよい。
【0012】
共有対象情報を複数のディスプレイに表示することができる本実施形態の車載システムによれば、複数のユーザは、複数のディスプレイに表示された共有対象情報を視認することで、当該情報を共有できる。なお、共有対象情報は複数のディスプレイに表示されるので、各ユーザは、複数のディスプレイのうちの自分の乗車位置からの視認に適したものを視認すればよい。このため、複数のユーザは、ディスプレイに表示されている共有対象情報を快適かつ視認性が優れた状態で視認し、当該情報を共有できる。
【0013】
次に、本実施形態の車載システムの構成を詳細に説明する。車載システムは、車両に搭載されるシステムである。車載システムは、例えばECU(Electronic Control Unit)である。なお、車載システムを搭載した車両は、自動運転機能及び手動運転機能の両方を備え、任意の手段でそれらが切り換えられてもよい。
【0014】
図1に、本実施形態の車載システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、車載システム10は、第1のディスプレイ11と、第2のディスプレイ12と、表示制御部13とを有する。
【0015】
図2に、本実施形態の車載システム10の機能ブロック図の他の一例を示す。当該例では、図示するように、車載システム10は、第1のディスプレイ11と、第2のディスプレイ12と、表示制御部13と、第1の入力受付部14と、第2の入力受付部15とを有する。
【0016】
まず、これら機能部を実現する車載システム10のハードウエア構成の一例を説明する。各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)、SD等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
図3は、本実施形態の車載システム10のハードウエア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、車載システム10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。なお、周辺回路4Aを有さなくてもよい。
【0018】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPUやGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置(キーボード、マウス、マイク、タッチパネルディスプレイ装置、タッチセンサー、ジェスチャーインターフェース等)、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置(ディスプレイ装置、スピーカ、ランプ、振動発生装置等)、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0019】
次に、図1及び図2に示す各機能部の機能を詳細に説明する。
【0020】
第1のディスプレイ11は、主として運転席に座ったユーザにより視認される。第1のディスプレイ11は、例えば運転席の前に設置される。また、第1のディスプレイ11は、運転席の前に設置されるものだけでなく、運転席の前方の領域と助手席の前方の領域の間に位置するセンタ領域に設置されたディスプレイも、第1のディスプレイ11に含めてもよい。第2のディスプレイ12は、主として運転席以外の席(助手席、後部座席等)に座ったユーザにより視認される。第2のディスプレイは、1つであってもよいし、複数であってもよい。第2のディスプレイ12は、例えば運転席の前に設置された第1のディスプレイ11とは異なる位置に設置される。
【0021】
ここで、図4を用いて、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12の設置位置の一例を説明する。(1)は運転席、(2)は助手席、(3)及び(4)は後部座席である。
【0022】
図示する例では、第1のディスプレイ11は、運転席(1)の前に設置されている。第2のディスプレイ12-1は、運転席(1)と助手席(2)の中心前方に設置されている。第2のディスプレイ12-2は、運転席(1)及び助手席(2)よりも後方であって、後部座席(3)及び後部座席(4)の中心前方に設置されている。各ディスプレイの車内での取り付け方法や、ディスプレイの大きさ、形状等は設計的事項である。
【0023】
なお、図4で示した例はあくまで一例であり、これに限定されない。例えば、3つの第2のディスプレイ12各々を、助手席(2)、後部座席(3)及び後部座席(4)各々の前に設置してもよい。また、乗車定員人数に応じて、設置する第2のディスプレイ12の数を増減してもよい。
【0024】
図2に戻り、第1の入力受付部14は、第1のディスプレイ11に対応して設けられた入力装置を介して、ユーザ入力を受付ける。第2の入力受付部15は、第2のディスプレイ12に対応して設けられた入力装置を介して、ユーザ入力を受付ける。第2のディスプレイ12が複数設置されている場合、複数の第2のディスプレイ12各々に対応して入力装置が設けられてもよい。
【0025】
入力装置は、物理ボタン、タッチパネルディスプレイ装置、タッチセンサー、ジェスチャーインターフェース、マイク等が例示されるがこれらに限定されない。入力装置がタッチパネルディスプレイ装置である場合、入力装置は第1のディスプレイ11や第2のディスプレイ12と一体となって構成される。
【0026】
図1及び図2に示す表示制御部13は、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12に情報を表示させる。表示制御部13は、第1の入力受付部14や第2の入力受付部15を介したユーザ入力に応じて、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12の表示内容を切り替えることができる。
【0027】
まず、表示制御部13が第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12に表示させる情報の一例を説明する。表示制御部13は、例えば、自車の状態(速度、エンジンの回転数、ガソリン残量、電池残量等)を示す状態情報を第1のディスプレイ11又は第2のディスプレイ12に表示することができる。状態情報を取得する手段は、従来技術に準じて実現できる。
【0028】
その他、表示制御部13は、地図、ナビゲーション画面、テレビコンテンツ、Webコンテンツ、録画コンテンツ(DVD、スマートフォン等の記憶媒体に記憶されたコンテンツ)、携帯端末(スマートフォン、タブレット、携帯電話、携帯ゲーム、カメラ等)の画面等を第1のディスプレイ11や第2のディスプレイ12に表示することができる。この場合、車載システム10は、テレビ放送波を受信してディスプレイに出力する手段や、インターネット等の通信ネットワークに接続し、通信ネットワーク上の情報を取得してディスプレイに出力する手段や、録画コンテンツを再生する手段や、携帯端末と接続し、携帯端末から取得した情報をディスプレイに出力する手段等を備える。ナビゲーション画面は、目的地までの案内を行うナビシステムにより実現される画面であり、目的地等の指定を受付ける画面や、地図を用いて目的地までの道順を示す画面等を含む。これらは従来技術に準じて実現できる。
【0029】
次に、表示制御部13により実現される特徴的な処理を説明する。表示制御部13は、所定条件を満たすと、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12を含む複数のディスプレイのうちの1つのディスプレイに表示させている情報の一部又は全部である共有対象情報を他のディスプレイに表示させる。他のディスプレイが複数存在する場合、表示制御部13は、他のディスプレイの全てに共有対象情報を表示させてもよいし、ユーザにより指定された一部のディスプレイのみに共有対象情報を表示させてもよい。
【0030】
以下、所定条件を満たす前から共有対象情報が表示されているディスプレイを「発信元ディスプレイ」といい、所定条件を満たした場合に共有対象情報が表示されるディスプレイを「発信先ディスプレイ」とする。
【0031】
表示制御部13は、発信元ディスプレイへの共有対象情報の表示を実現するデータ(地図データ、映像データ、音声データ、HTMLデータ等)と同じデータを用いて、発信先ディスプレイへの共有対象情報の表示を実現してもよい。その他、表示制御部13は、発信元ディスプレイに表示されている共有対象情報をキャプチャして画像ファイルを生成し、当該画像ファイルを利用して発信先ディスプレイへの共有対象情報の表示を実現してもよい。
【0032】
発信先ディスプレイへの共有対象情報の表示に伴い、発信元ディスプレイにおける共有対象情報の表示は終了(すなわち、非表示となる)してもよいし、そのまま維持されてもよい。
【0033】
表示制御部13は、例えば、所定条件を満たすと、第1のディスプレイ11に表示させている情報の一部又は全部である第1の共有対象情報を、第2のディスプレイ12に表示させてもよい。なお、第2のディスプレイ12が複数存在する場合、表示制御部13は、全ての第2のディスプレイ12に第1の共有対象情報を表示させてもよいし、一部の第2のディスプレイ12のみに第1の共有対象情報を表示させてもよい。第2のディスプレイ12への第1の共有対象情報の表示に伴い、第1のディスプレイ11における第1の共有対象情報の表示は終了(すなわち、非表示となる)してもよいし、そのまま維持されてもよい。
【0034】
その他、表示制御部13は、所定条件を満たすと、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部である第2の共有対象情報を、第1のディスプレイ11に表示させてもよい。第2のディスプレイ12が複数存在する場合、表示制御部13は、第1のディスプレイ11に代えて/又は加えて、発信元ディスプレイである第2のディスプレイ12とは異なる第2のディスプレイ12に第2の共有対象情報を表示させてもよい。第1のディスプレイ11や他の第2のディスプレイ12への第2の共有対象情報の表示に伴い、発信元ディスプレイである第2のディスプレイ12における第2の共有対象情報の表示は終了(すなわち、非表示となる)してもよいし、そのまま維持されてもよい。
【0035】
ここまでは、あるディスプレイに表示されている情報を他のディスプレイに送る一方通行のやりとりを説明したが、その他、あるディスプレイに表示されている情報と他のディスプレイに表示されている情報を交換する双方向のやりとりを行うことができてもよい。
【0036】
すなわち、表示制御部13は、所定条件を満たすと、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12を含む複数のディスプレイのうちの1つのディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を他のディスプレイに表示させるとともに、他のディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を上記1つのディスプレイに表示させてもよい。
【0037】
次に、共有対象情報を他のディスプレイに表示させるトリガとなる「所定条件」について説明する。
【0038】
所定条件は、ユーザによる指示入力を検出したこと、又は、自車が所定の状態になったことである。
【0039】
ユーザによる指示入力は、例えば、第1の入力受付部14又は第2の入力受付部15を介してなされる。例えば、ユーザは、第1の入力受付部14又は第2の入力受付部15を介して、「あるディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を他のディスプレイに表示させる指示入力」、又は、「あるディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を他のディスプレイに表示させるとともに、他のディスプレイに表示させている情報の一部又は全部を上記あるディスプレイに表示させる指示入力」を行う。当該入力においては、あるディスプレイの指定、他のディスプレイの指定が含まれてもよい。
【0040】
所定条件で規定される「自車の所定の状態」は、自動運転中、手動運転中、停車中、走行中、基準値以上の速度で走行中、及び、基準値未満の速度で走行中のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
例えば、所定条件は、自車が自動運転中、停車中、及び、基準値未満の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になったことであってもよい。そして、表示制御部13は、当該所定条件を満たすと、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部を第1のディスプレイ11に表示させてもよい。そして、自車が手動運転中、走行中、及び、基準値以上の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になると、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部を第1のディスプレイ11に表示させる処理を終了(すなわち、非表示となる)してもよい。
【0042】
主として運転手以外のユーザにより視認される第2のディスプレイ12には、テレビコンテンツ、Webコンテンツ、録画コンテンツ等の運転操作に直接関係しない娯楽コンテンツが表示される場合がある。従って、当該娯楽コンテンツは、自車が自動運転中、停車中、基準値未満の速度で走行中のような条件を満たす場合のみ運転席の前の第1のディスプレイ11に表示する。これにより、運転手は、速度計等の運転に必要な情報の視認性を維持することができる。
【0043】
その他、所定条件は、自車が手動運転中、走行中、及び、基準値以上の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になったことであってもよい。そして、表示制御部13は、当該所定条件を満たすと、第1のディスプレイ11に表示させている情報の一部又は全部を第2のディスプレイ12に表示させてもよい。この場合、表示制御部13は、第1のディスプレイ11における共有対象情報の表示を終了(すなわち、非表示となる)してもよい。
【0044】
このようにすれば、自動運転中、停車中、及び、基準値未満の速度で走行中に第1のディスプレイ11に表示させて運転手が処理していた内容(ナビゲーション画面における目的地の設定等)を、手動運転中、走行中、及び、基準値以上の速度で走行中に切り替わったことに応じて、第2のディスプレイ12に表示させて、以降の処理を運転手以外のユーザに引き継ぐことができる。
【0045】
次に、図5のフローチャートを用いて、本実施形態の車載システム10の処理の流れの一例を説明する。
【0046】
まず、表示制御部13は、第1のディスプレイ11、及び、1又は複数の第2のディスプレイ12各々に所定の情報を表示させる(S10)。以降、図示しないが、表示制御部13は、各ディスプレイに対応した入力受付部(第1の入力受付部14及び第2の入力受付部15)を介したユーザ入力に応じて、各ディスプレイの表示を切り替える。そして、所定の条件を満たすと(S11:Yes)、表示制御部13は、あるディスプレイに表示させている情報を、他のディスプレイに表示させる(S12)。
【0047】
以上説明した本実施形態の車載システム10によれば、車両に乗車している複数のユーザで共有する共有対象情報を、車両に設置された複数のディスプレイに表示することができる。
【0048】
複数のユーザは、複数のディスプレイに表示されている情報を視認することで、当該情報を共有できる。なお、共有すべき情報は複数のディスプレイに表示されるので、各ユーザは、複数のディスプレイのうちの自分の乗車位置からの視認に適したものを視認すればよい。このため、複数のユーザは、快適かつ視認性が優れた状態で、ディスプレイに表示されている情報を共有できる。
【0049】
また、本実施形態の車載システム10によれば、自車の状態に応じて、共有対象情報の表示を制御できる。
【0050】
例えば、自車が自動運転中、停車中、及び、基準値未満の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になったことに応じて、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部を第1のディスプレイ11に表示させることができる。そして、自車が手動運転中、走行中、及び、基準値以上の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になると、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部を第1のディスプレイ11に表示させる処理を終了(すなわち、非表示となる)することができる。
【0051】
主として運転手以外のユーザにより視認される第2のディスプレイ12には、テレビコンテンツ、Webコンテンツ、録画コンテンツ等の運転操作に直接関係しない娯楽コンテンツが表示される場合がある。従って、当該娯楽コンテンツは、自車が自動運転中、停車中、基準値未満の速度で走行中のような条件を満たす場合のみ運転席の前の第1のディスプレイ11に表示し、運転手を含む複数のユーザで共有することができる。そして、自車が手動運転中、走行中、基準値以上の速度で走行中のような条件を満たすと、第1のディスプレイ11におけるそれらの表示を終了することができる。これにより、運転手は、速度計等の運転に必要な情報の視認性を維持することができる。
【0052】
その他、自車が手動運転中、走行中、及び、基準値以上の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になったことに応じて、第1のディスプレイ11に表示させている情報の一部又は全部を第2のディスプレイ12に表示させることができる。この場合、第1のディスプレイ11における共有対象情報の表示を終了(すなわち、非表示となる)してもよい。
【0053】
このようにすれば、自動運転中、停車中、及び、基準値未満の速度で走行中に第1のディスプレイ11に表示させて運転手が処理していた内容を、手動運転中、走行中、及び、基準値以上の速度で走行中に切り替わったことに応じて、第2のディスプレイ12に表示させて、以降の処理を運転手以外のユーザに引き継ぐことができる。
【0054】
<第2の実施形態>
本実施形態の車載システム10は、表示制御部13の構成が一部異なる点で、第1の実施形態の車載システム10と異なる。その他の構成(その他の機能部の構成やハードウエア構成)は、第1の実施形態の車載システム10と同様である。
【0055】
表示制御部13は、自車が自動運転中、停車中、及び、基準値未満の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になっている間のみ、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部を第1のディスプレイ11に表示させる。
【0056】
すなわち、自車が自動運転中、停車中、及び、基準値未満の速度で走行中のうちの少なくとも1つの状態になっていない間に、第1の実施形態で説明した所定条件(ユーザによる指示入力の検出等)を満たしても、表示制御部13は、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部を第1のディスプレイ11に表示させる処理を実行しない。表示制御部13のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0057】
本実施形態の車載システム10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の車載システム10によれば、手動運転中、走行中、基準値以上の速度で走行中等に、第1のディスプレイ11に表示されている速度計等の運転に必要な情報の視認性が低下することを防ぐことができる。
【0058】
<第3の実施形態>
本実施形態の車載システム10は、表示制御部13の構成が一部異なる点で、第1及び第2の実施形態と一部異なる。その他の構成(その他の機能部の構成やハードウエア構成)は、第1及び第2の実施形態の車載システム10と同様である。
【0059】
表示制御部13は、自車の状態を示す状態情報(速度、エンジンの回転数、ガソリン残量、電池残量等)を第1のディスプレイ11に表示させる。そして、表示制御部13は、第2のディスプレイ12に表示させている情報の一部又は全部である第2の共有対象情報を第1のディスプレイ11に表示させる際、状態情報と第2の共有対象情報とを並べて表示させる。すなわち、第2の共有対象情報を第1のディスプレイ11に表示させる場合であっても、第1のディスプレイ11における状態情報の表示を継続する。表示制御部13のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0060】
図6乃至図8を用いて一例を説明する。図6に示す状態では、表示制御部13は、第1のディスプレイ11全体を状態情報表示エリア111としている。状態情報表示エリア111は、状態情報を表示するエリアである。
【0061】
そして、第2の共有対象情報を第1のディスプレイ11に表示させる場合、表示制御部13は、例えば図7に示すように、第1のディスプレイ11の表示エリアに状態情報表示エリア111と任意情報表示エリア112とを設ける。状態情報表示エリア111と任意情報表示エリア112とは並べて設けられる。任意情報表示エリア112は、任意の情報を表示するエリアであり、例えば第2の共有対象情報が当該エリアに表示される。
【0062】
その他、第2の共有対象情報を第1のディスプレイ11に表示させる際、表示制御部13は、例えば図8に示すように、第1のディスプレイ11の表示エリアに状態情報表示エリア111と、複数の任意情報表示エリア112-1及び112-2とを設けてもよい。状態情報表示エリア111と、複数の任意情報表示エリア112-1及び112-2とは並べて設けられる。任意情報表示エリア112-1及び112-2各々には、例えば、異なる第2のディスプレイ12各々に表示されている第2の共有対象情報が表示されてもよい。
【0063】
なお、状態情報表示エリア111と任意情報表示エリア112の並べ方や、各エリアの大きさの比率、任意情報表示エリア112の数等は設計的事項であり、図示するものに限定されない。
【0064】
本実施形態の車載システム10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の車載システム10によれば、第2の共有対象情報を第1のディスプレイ11に表示させる場合においても、状態情報を常時第1のディスプレイ11に表示させることができる。
【0065】
<第4の実施形態>
本実施形態の車載システム10は、表示制御部13、第1の入力受付部14及び第2の入力受付部15の構成が一部異なる点で、第1乃至第3の実施形態と一部異なる。その他の構成(その他の機能部の構成やハードウエア構成)は、第1乃至第3の実施形態の車載システム10と同様である。
【0066】
本実施形態の車載システム10は、1のディスプレイに表示させている情報のうちのユーザにより指定された一部又は全部を、他のディスプレイに表示させる。
【0067】
第1の入力受付部14又は第2の入力受付部15は、第1のディスプレイ11又は第2のディスプレイ12に表示されている情報のうちの一部又は全部を指定する入力を受付ける。そして、表示制御部13は、あるディスプレイに表示させている情報のうちのユーザにより指定された一部又は全部を、他のディスプレイに表示させる。表示制御部13、第1の入力受付部14及び第2の入力受付部15のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0068】
図7図8に示す例のように、第1のディスプレイ11の表示領域を論理的に複数のエリアに分け、複数のエリア各々に各種情報を表示している場合、第1の入力受付部14は、当該複数のエリアのうちの一部を指定する入力を受付けてもよい。そして、表示制御部13は、指定されたエリアに表示されている情報を、他のディスプレイに表示してもよい。
【0069】
なお、図示しないが、第2のディスプレイ12も同様に、表示領域を論理的に複数のエリアに分け、複数のエリア各々に各種情報を表示してもよい。第2の入力受付部15は、当該複数のエリアのうちの一部を指定する入力を受付けてもよい。そして、表示制御部13は、指定されたエリアに表示されている情報を、他のディスプレイに表示してもよい。
【0070】
その他、第1の入力受付部14又は第2の入力受付部15は、第1のディスプレイ11又は第2のディスプレイ12の表示領域における一部領域を指定する入力を受付けてもよい。例えば、ユーザは、ディスプレイ上のカーソル位置を移動させたり、タッチパネルディスプレイ上でタッチ位置をスライドさせたりすることで、領域の境界線を入力してもよい。そして、第1の入力受付部14又は第2の入力受付部15は、当該境界線で明示された領域の指定を受付けてもよい。この場合、表示制御部13は、指定された領域に表示されている画像をキャプチャして画像ファイルを生成し、他のディスプレイに表示してもよい。
【0071】
本実施形態の車載システム10によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の車載システム10によれば、第1のディスプレイ11又は第2のディスプレイ12に表示されている情報のうちの情報のみを、他のディスプレイに表示させることができる。結果、共有する情報を絞り込んで他のディスプレイに表示させることができるので、複数のユーザは共有したい内容をより容易に把握できる。
【0072】
<第5の実施形態>
本実施形態の車載システム10は、あるディスプレイに表示させていた共有対象情報を他のディスプレイに表示させる際、あるディスプレイに表示させていた共有対象情報を編集し、編集後の共有対象情報を他のディスプレイに表示させることができる点で第1乃至第4の実施形態と異なる。
【0073】
図9に、本実施形態の車載システム10の機能ブロック図の一例を示す。図示する様に、車載システム10は、第1のディスプレイ11と、第2のディスプレイ12と、表示制御部13と、編集部16とを有する。図示しないが、車載システム10は、さらに第1の入力受付部14及び第2の入力受付部15を有してもよい。
【0074】
第1のディスプレイ11、第2のディスプレイ12、第1の入力受付部14及び第2の入力受付部15の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。また、本実施形態の車載システム10のハードウエア構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0075】
編集部16は、あるディスプレイに表示させている情報の一部又は全部である共有対象情報を、他のディスプレイ用に編集して編集後情報を生成する。
【0076】
例えば、共有対象情報が地図である場合、地図の向きが編集前後で異なってもよい。具体的には、第1のディスプレイ11では進行方向を上にして地図を表示し、第2のディスプレイ12では北を上にして地図を表示してもよい。
【0077】
その他、共有対象情報が地図である場合、地図にマッピングされる情報が編集前後で異なってもよい。例えば、第1のディスプレイ11に表示される地図には、道案内時に重要なランドマーク(右左折ポイントの建物、交差点の名称等)、及び、道案内時に特に重要でないその他の周辺施設をマッピングし、第2のディスプレイ12に表示される地図には、上記ランドマークをマッピングせず、上記その他の周辺施設のみをマッピングしてもよい。また、編集前後やディスプレイに応じて、表示する解像度が異なってもよい。
【0078】
本実施形態の車載システム10によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の車載システム10によれば、あるディスプレイに表示されている情報をそのまま他のディスプレイに表示するのでなく、各ディスプレイを視認するユーザにとって好ましい態様(例えば、表示する共有対象情報の選択、表示する共有対象情報の言語、表示する共有対象情報の色や形状、表示する共有対象情報の文字の大きさ等)に編集、又は、各ディスプレイの設置位置に応じた共有対象情報の文字の大きさ・色・形状・レイアウト変更等の編集を行い、表示することも可能である。
【0079】
例えば、地図の向きを変えたり、表示する情報の解像度を変えたりすることで、共有対象情報を、運転手及びその他のユーザ各々向けに最適化できる。
【0080】
<第6の実施形態>
本実施形態の車載システム10は、表示制御部13の構成が一部異なる点で、第1乃至第5の実施形態の車載システム10と異なる。その他の構成(その他の機能部の構成やハードウエア構成)は、第1乃至第5の実施形態の車載システム10と同様である。
【0081】
表示制御部13は、共通の情報(共有対象情報)を発信元ディスプレイ及び発信先ディスプレイに表示させており、かつ、共通の情報の表示範囲が発信元ディスプレイ及び発信先ディスプレイにおいて互いに異なる場合、発信元ディスプレイ及び発信先ディスプレイの少なくとも一方に、他方のディスプレイに表示させている情報の表示範囲を表示する。表示制御部13のその他の構成は、第1乃至第5の実施形態と同様である。
【0082】
図10及び図11を用いて具体例を説明する。図10は第1のディスプレイ11を示す。第1のディスプレイ11の表示領域は、状態情報表示エリア111及び任意情報表示エリア112に分けられている。そして、任意情報表示エリア112には地図が表示されている。
【0083】
図11は第2のディスプレイ12を示す。第2のディスプレイ12には、第1のディスプレイ11の任意情報表示エリア112に表示されている地図と同じ地図が表示されている。しかし、第1のディスプレイ11及び第2のディスプレイ12における地図の表示範囲は互いに異なる。具体的には、第2のディスプレイ12の方がより広域を表示している。
【0084】
このような第2のディスプレイ12には、フレームFで、第1のディスプレイ11における地図の表示範囲が明示されている。
【0085】
本実施形態の車載システム10によれば、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の車載システム10によれば、共有対象情報の表示範囲が発信元ディスプレイ及び発信先ディスプレイで異なる場合、少なくとも一方に、他方のディスプレイに表示させている情報の表示範囲を表示することができる。ユーザは、自分は視認しているが、相手は視認できてない情報を把握できる。結果、情報の共有がよりスムーズに実現できる。
【0086】
<第7の実施形態>
本実施形態の車載システム10は、表示制御部13の構成が一部異なる点で、第1乃至第6の実施形態の車載システム10と異なる。その他の構成(その他の機能部の構成やハードウエア構成)は、第1乃至第6の実施形態の車載システム10と同様である。
【0087】
表示制御部13は、共通の情報(共有対象情報)を発信元ディスプレイ及び発信先ディスプレイに表示させている状態で、第1の入力受付部14又は第2の入力受付部15が第1のディスプレイ11又は第2のディスプレイ12において共有対象情報の一部を指定するユーザ入力を受付けた場合、指定された一部の情報を他方のディスプレイで表示する。表示制御部13のその他の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。
【0088】
図12及び図13を用いて具体例を説明する。図12は第2のディスプレイ12を示す。第2のディスプレイ12には地図が表示されている。図13は第1のディスプレイ11を示す。第1のディスプレイ11の任意情報表示エリア112には、第2のディスプレイ12に表示されている地図と同じ地図が表示されている。
【0089】
図12に示すように、第2の入力受付部15は、第2のディスプレイ12において地図上の一点をタッチする操作を受付けたとする。すると、表示制御部13は、図13に示すように、第1のディスプレイ11においてマークMを表示し、第2のディスプレイ12において指定された地図上の位置を表示する。
【0090】
本実施形態の車載システム10によれば、第1乃至第6の実施形態と同様の作用効果を実現できる。また、本実施形態の車載システム10によれば、複数のユーザは、共有対象情報をより効果的に共有することができる。
【0091】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0092】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
11 第1のディスプレイ
12 第2のディスプレイ
12-1 第2のディスプレイ
12-2 第2のディスプレイ
13 表示制御部
14 第1の入力受付部
15 第2の入力受付部
16 編集部
111 状態情報表示エリア
112 任意情報表示エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13