(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091032
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】雨水排水装置
(51)【国際特許分類】
E04D 13/068 20060101AFI20230622BHJP
E04D 13/08 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
E04D13/068 504W
E04D13/08 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079218
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2022197015の分割
【原出願日】2017-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】寺地 信治
(72)【発明者】
【氏名】元 隆明
(72)【発明者】
【氏名】田中 将成
(57)【要約】
【課題】配水管内において効果的にサイフォン現象を発生させるとともに、サイフォン現象の発生を阻害する要因を排除して、効率よく雨水を排水することが可能な雨水排水装置を提供する。
【解決手段】雨水排水装置10は、ベース部11と、蓋部12と、複数の整流フィン13とを備えている。ベース部11は、底面11aと、底面11aの略中心に雨水を落下させる落とし口11bとを有し、落とし口11bがルーフドレン21に接続される。蓋部12は、ベース部11の落とし口11bの上方に、底面11aから所定の隙間をあけて配置されている。複数の整流フィン13は、ベース部11の底面における外周側に配置されており、落とし口11bに流入する雨水の流れを整え、落とし口11bに対向する蓋部12の面に内接する仮想円の径方向に沿って配置され、その外周端部が蓋部12の外縁から突出している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水を集めて排水管から排水させる雨水排水装置であって、
底面と、前記底面の略中心部分に雨水を落下させる落とし口とを有し、前記落とし口が前記排水管に接続されるベース部と、
前記ベース部の前記落とし口の上方に、前記底面から所定の隙間をあけて配置された蓋部と、
前記ベース部の底面における外周側に配置されており、前記落とし口に流入する雨水の流れを整える複数の整流フィンと、
を備え、
複数の前記整流フィンは、前記落とし口に対向する前記蓋部の面に内接する仮想円の径方向に沿って配置され、その外周端部が前記蓋部の外縁から突出している、
雨水排水装置。
【請求項2】
前記整流フィンは、前記落とし口を中心に等角度間隔で配置されている、
請求項1に記載の雨水排水装置。
【請求項3】
前記隙間の大きさh、前記落とし口の内径aとすると、以下の関係式(2)を満たす、
請求項1または2に記載の雨水排水装置。
0.22≦h/a≦0.37 ・・・・・(2)
【請求項4】
前記隙間の大きさhは、15mm以上40mm以下である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の雨水排水装置。
【請求項5】
前記仮想円の直径bは、130mm以上300mm以下である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の雨水排水装置。
【請求項6】
前記蓋部は、円形の板状の部材である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の雨水排水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を集めて排水する雨水排水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集中豪雨の頻度が増加していることに伴って、建物の屋根雨水を効率よく排水するために、雨水配管が大型化してきている。
【0003】
これに対して、サイフォン現象を用いることで、雨水配管の小口径化と雨水立て管本数の削減を可能とする雨水排除手段が用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、大雨のときにサイフォン作用によって大量の雨水を極めて効率よく排水でき、コストアップや家屋の外観を損なうことがないサイフォン式雨水排水装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-308399号公報(特許第4130616号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の雨水排水装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された雨水排水装置では、軒先に取り付けられた集水管の底部に、家屋の外壁材に沿って縦方向に配設された3~13cm2の開口面積を有するサイフォン管の上端が接続されている。
【0007】
このような構成により、サイフォン作用によって効率よく雨水の排水を行うことができるものの、サイフォン管への雨水の流入の仕方によっては、配管の内部において満流状態を形成することができなかったり、配管の内部に渦状に流入した雨水の中心に空気柱が形成されてしまったりして、排水の効率を低下させてしまうおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、排水管内において効果的にサイフォン現象を発生させるとともに、サイフォン現象の発生を阻害する要因を排除して、効率よく雨水を排水することが可能な雨水排水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る雨水排水装置は、雨水を集めて排水管から排水する雨水排水装置であって、ベース部と、蓋部と、複数の整流フィンと、を備えている。ベース部は、底面と、底面の略中心部分に雨水を落下させる落とし口とを有し、落とし口が排水管に接続される。蓋部は、ベース部の落とし口の上方に、底面から所定の隙間をあけて配置されている。複数の整流フィンは、ベース部の底面における外周側に配置されており、落とし口に流入する雨水の流れを整える。複数の整流フィンは、落とし口に対向する蓋部の面に内接する仮想円の径方向に沿って配置され、その外周端部が蓋部の外縁から突出している。
【0010】
第2の発明に係る雨水排水装置は、第1の発明に係る雨水排水装置であって、整流フィンは、前記落とし口を中心に等角度間隔で配置されている。
【0011】
第3の発明に係る雨水排水装置は、第1または第2の発明に係る雨水排水装置であって、隙間の大きさh、落とし口の内径aとすると、以下の関係式(2)を満たす。
【0012】
0.22≦h/a≦0.37 ・・・・・(2)
ここでは、底面と蓋部との間の隙間の大きさ(高さ)hと、ベース部に設けられた落とし口の内径aとの関係を規定している。
【0013】
これにより、底面と蓋部との間の隙間の大きさ(高さ)hに対する落とし口の内径aの比率が、上記範囲になるように設定されることで、ベース部の底面と底面から所定の隙間をあけて配置された蓋部との間から落とし口を介して排水管に落下していく雨水の流量を、排水管の内部において満流の状態になるようにコントロールすることができる。
【0014】
この結果、サイフォン現象を効果的に誘発させて、効率よく雨水を排水することができる。
【0015】
第4の発明に係る雨水排水装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る雨水排水装置であって、隙間の大きさhは、15mm以上40mm以下である。
【0016】
ここでは、ベース部の底面と蓋部との間の隙間の大きさ(高さ)hについて、適切な範囲を規定している。
【0017】
これにより、蓋部によって、落とし口へ流入していく雨水の高さを制限することができる。
【0018】
この結果、ベース部の底面と蓋部との間から落とし口を介して排水管に落下していく雨水の流入量をコントロールすることで、より効果的にサイフォン現象の発生を誘発させることができる。
【0019】
第5の発明に係る雨水排水装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る雨水排水装置であって、仮想円の直径bは、130mm以上300mm以下である。
【0020】
ここでは、落とし口に対向する蓋部の面に内接する仮想円の直径bについて、適切な範囲を規定している。
【0021】
これにより、内接円が所定の範囲の大きさとなる蓋部によって、落とし口へ流入していく雨水の高さを制限することができる。
【0022】
この結果、ベース部の底面と蓋部との間から落とし口を介して排水管に落下していく雨水の流入量をコントロールすることで、より効果的にサイフォン現象の発生を誘発させることができる。
【0023】
第6の発明に係る雨水排水装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る雨水排水装置であって、蓋部は、円形の板状の部材である。
【0024】
ここでは、蓋部として、円形の板状部材を用いている。
これにより、蓋部の周囲から蓋部とベース部の底面との間に流入してくる雨水を、ほぼ均等に落とし口へと流入させることができる。
【0025】
この結果、ベース部の底面と蓋部との間から落とし口を介して排水管に落下していく雨水の流入量をコントロールすることで、より効果的にサイフォン現象の発生を誘発させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る雨水排水装置によれば、排水管内において効果的にサイフォン現象を発生させるとともに、サイフォン現象の発生を阻害する要因を排除して、効率よく雨水を排水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る雨水排水装置を含む排水システムを示す図。
【
図2】(a)は、
図1の雨水排水装置の断面図。(b)は、その平面図。
【
図3】渦の発生とサイフォン現象の発生有無について、本発明の実施例1~7と比較例1~4とを比較した結果を示す図。
【
図4】(a)は、本発明の他の実施形態に係る雨水排水装置の構成を示す側面図。(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る雨水排水装置の構成を示す平面図。
【
図5】(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る雨水排水装置の構成を示す側面図。(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係る雨水排水装置の構成を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施形態に係る雨水排水装置10について、
図1~
図2(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
【0029】
雨水排水装置10は、
図1に示すように、建造物30に設置された雨水排水システム50の一部を構成する。
【0030】
なお、
図1に示す建造物30は、3階建てのビルであって、1階と2階との間、2階と3階との間に、それぞれスラブ20が設けられている。
【0031】
(雨水排水システム50)
雨水排水システム50は、
図1に示すように、雨水排水装置10と、ルーフドレン21(排水管の一部)と、集水管22と、排水口23とを備えている。
【0032】
ルーフドレン21は、ビル等の建造物30の陸屋根上に降った雨水を集水管22に排水するために設けられている。そして、ルーフドレン21は、
図1に示すように、建造物30の屋根伝いに片側3箇所ずつ、計6箇所に設置されている。
【0033】
なお、ルーフドレン21は、例えば、外径が50Aであって断面が円形の配管を用いることができ、外径が65Aの配管を介して、集水管22に接続されていてもよい。
【0034】
集水管22は、各ルーフドレン21から排水された雨水を集水して、排水口23へ導くために設けられている。そして、集水管22は、
図1に示すように、建造物30の陸屋根の側方において、排水管14との接続側に向かって下方傾斜するように配置されている。さらに、集水管22は、雨水の移動方向における下流側の端部において排水管14と接続されている。
【0035】
なお、集水管22は、例えば、断面形状が、円形、あるいは楕円形の部材を用いることができる。
【0036】
排水口23は、
図1に示すように、排水管14の最下流側と接続されており、ルーフドレン21を介して集められた雨水を、地面近くにおいて排水する。
【0037】
なお、排水口23は、例えば、外径が100A~150Aであって断面が円形の配管を用いることができる。そして、排水管14との接続部分に配置されており外径が100Aの配管と、排水側の端部に配置されており外径が150Aの配管とを組み合わせて用いてもよい。
【0038】
(雨水排水装置10)
雨水排水装置10は、
図1に示すように、各ルーフドレン21の直上に配置されている。
【0039】
なお、雨水排水装置10の材質としては、排水管14と同様に、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)などのオレフィン系樹脂、塩ビ樹脂、あるいは、アルミニウム、アルミ合金、ステンレス等の金属等を用いることができる。
【0040】
樹脂やアルミニウム、アルミニウム合金を用いることにより、軽量かつ低コストで、所望の形状を備えた雨水排水装置10を得ることができる。
【0041】
ベース部11は、
図2(a)および
図2(b)に示すように、円環状の底面11aと、底面11aの略中心に雨水を落下させる落とし口11bと、筒状部11cとを有している。そして、落とし口11bを形成する筒状部11cがルーフドレン21の上端部に接続される。
【0042】
底面11aは、
図2(a)および
図2(b)に示すように、略中央部分に落とし口11bが形成された円環状の部材である。そして、円環状の底面11aには、落とし口11bを中心に、複数の整流フィン13が等角度間隔で配置されている。
【0043】
落とし口11bは、
図2(a)に示すように、ベース部11の中心部に形成された貫通穴であって、筒状部11cの内部に形成されている。そして、落とし口11bは、ルーフドレン21の上端部に連通しており、雨水排水装置10に対して360度方向から流入してきた雨水を、ルーフドレン21内へと落下させる。
【0044】
筒状部11cは、
図2(a)および
図2(b)に示すように、円筒状の部材であって、その上端部において底面11aと連結され、底面11aから下向きに突出するように形成されている。そして、筒状部11cは、内部に落とし口11bが形成される。
【0045】
蓋部12は、
図2(a)および
図2(b)に示すように、ベース部11の上方に、ベース部11の中心に形成された落とし口11bと同心円状に配置された円形の板状部材であって、ベース部11の底面11a上に立設された複数の整流フィン13によって支持されている。また、蓋部12は、
図2(a)に示すように、ベース部11(落とし口11b)の上方に、底面11aから所定の隙間Gの大きさ(高さ)hをあけて配置されている。さらに、蓋部12は、落とし口11bに対向する円形の面が直径b(蓋部12の面に内接する仮想円の直径)になるように形成されている。
【0046】
なお、本実施形態では、蓋部12が円形の板状部材であるため、蓋部12の内接円の直径bは、そのまま円形の蓋部12の直径に対応するものとする。
【0047】
複数の整流フィン13は、
図2(a)および
図2(b)に示すように、落とし口11bに流入する雨水の流れを整えるために、ベース部11の底面11a上に設けられている。より具体的には、複数の整流フィン13は、
図2(b)に示すように、略鉛直方向に沿って配置された板状の部材であって、底面11a上に、落とし口11bを中心とする円の円周上に、等角度間隔で8つ設けられている。
【0048】
また、8つの整流フィン13は、それぞれ円環状の底面11aにおいて、径方向に沿って配置されている。
【0049】
これにより、
図2(b)に示すように、ベース部11の底面11aと蓋部12との間の隙間Gに流入してきた雨水が渦状に浸入してきた場合(図中一点鎖線参照)でも、整流フィン13によって雨水を整流し、落とし口11bの中心に向かって雨水を誘導することができる。
【0050】
このため、ルーフドレン21内に雨水が渦状に流入して、その中心部に空気柱が形成されることを防止することができる。
【0051】
この結果、整流フィン13によって、落とし口11bへ流入していく雨水の中心に空気柱が形成されることを防止することで、ルーフドレン21内において生じるサイフォン現象の発生の阻害要因を効果的に排除することができる。
【0052】
<ベース部11と蓋部12との関係>
本実施形態の雨水排水装置10では、上述した構成において、ベース部11の落とし口11bに対向する円形の蓋部12の直径b、所定の隙間Gの大きさ(高さ)hとすると、以下の関係式(1)を満たすように構成されている。
【0053】
6≦b/h≦11 ・・・・・(1)
このように、蓋部12の直径bと、ベース部11の底面11aと蓋部12との間の隙間Gの大きさhとの関係が関係式(1)を満たすように構成されていることで、ベース部11の底面11aと蓋部12との間から落とし口11bを介してルーフドレン21に落下していく雨水の流量を、ルーフドレン21の内部において満流の状態になるようにコントロールすることができる。
【0054】
この結果、ルーフドレン21内において効果的にサイフォン現象を発生させるとともに、サイフォン現象の発生を阻害する要因を排除して、効率よく雨水を排水することができる。
【0055】
さらに、ベース部11の落とし口11bの内径aとすると、以下の関係式(2)を満たすように構成されている。
【0056】
0.2≦h/a≦0.5 ・・・・・(2)
このように、ベース部11の底面11aと蓋部12との間の隙間Gの大きさhに対する落とし口11bの内径aの比率が、関係式(2)を満たすように構成されていることで、ベース部11の底面11aと蓋部12との間から落とし口11bを介してルーフドレン21に落下していく雨水の流量を安定化させて、ルーフドレン21の内部において満流の状態になるようにコントロールすることができる。
【0057】
この結果、ルーフドレン21内において効果的にサイフォン現象を発生させるとともに、サイフォン現象の発生を阻害する要因を排除して、効率よく雨水を排水することができる。
【0058】
ここで、上述したベース部11の底面11aと蓋部12との間に形成される所定の隙間Gの大きさ(高さ)hは、上記関係式(1)を満たした上で、15mm以上40mm以下の範囲内になるように設定されていることが好ましい。
【0059】
これにより、ベース部11の底面11aと蓋部12との間から落とし口11bを介してルーフドレン21に落下していく雨水の流量を、高さ方向において制限することで、ルーフドレン21の内部において満流の状態になるようにコントロールすることができる。
【0060】
この結果、より効果的に、ルーフドレン21に流入していく雨水の流量をコントロールして、ルーフドレン21内におけるサイフォン現象の発生を誘発させることができる。
【0061】
さらに、上述した円形の蓋部12の直径b(仮想円の直径)は、上記関係式(1)を満たした上で、110mm以上155mm以下の範囲内になるように設定されていることが好ましい。
【0062】
これにより、ベース部11の底面11aと蓋部12との間から落とし口11bを介してルーフドレン21に落下していく雨水の流量を、蓋部12の平面方向において制限することで、ルーフドレン21の内部において満流の状態になるようにコントロールすることができる。
【0063】
この結果、さらに効果的に、ルーフドレン21に流入していく雨水の流量をコントロールして、ルーフドレン21内におけるサイフォン現象の発生を誘発させることができる。
<実施例1~7と比較例1~4との比較>
図3は、本発明の実施例1~7と、比較例1~4とを、ルーフドレン21に流入する際に雨水の渦の発生の有無、ルーフドレン21におけるサイフォン現象の発生の有無という観点で比較した結果を示す。
【実施例0064】
実施例1では、雨水排水装置10の落とし口11bの内径a=53.5mm、蓋部12の高さ(隙間Gの大きさh)=15mm、蓋部の直径b=150mmとした実験結果を示している。
【0065】
この場合には、b/h=10.0、h/a=0.28であって、ルーフドレン21の口径50Aのときに、落とし口11bからルーフドレン21へ流入する雨水の渦の発生はなかった。そして、ルーフドレン21におけるサイフォン現象の発生が確認された。
【0066】
これにより、実施例1の雨水排水装置10によれば、ルーフドレン21に流入する雨水に渦が発生することなく、サイフォン現象の作用によって効率よく雨水を排水することができた。
実施例2では、雨水排水装置10の落とし口11bの内径a=71mm、蓋部12の高さ(隙間Gの大きさh)=20mm、蓋部の直径b=190mmとした実験結果を示している。
この場合には、b/h=9.5、h/a=0.28であって、ルーフドレン21の口径75Aのときに、落とし口11bからルーフドレン21へ流入する雨水の渦の発生はなかった。そして、ルーフドレン21におけるサイフォン現象の発生が確認された。
これにより、実施例2の雨水排水装置10によれば、ルーフドレン21に流入する雨水に渦が発生することなく、サイフォン現象の作用によって効率よく雨水を排水することができた。