(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091071
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び経路探索方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230622BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0968
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079981
(22)【出願日】2023-05-15
(62)【分割の表示】P 2021130461の分割
【原出願日】2018-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2017089239
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東海林 孝年
(72)【発明者】
【氏名】仙波 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】高村 禎
(72)【発明者】
【氏名】小泉 裕一
(57)【要約】
【課題】
情報処理装置と他装置の間の距離に応じて適切なタイミングでユーザに情報を提示することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】
情報処理装置は、他装置の位置及び自装置の位置を取得する位置取得部と、前記他装置の位置に基づいて現目的地を設定する現目的地設定部と、前記現目的地と前記自装置との距離に基づいて基準距離を設定する基準距離設定部と、前記他装置の位置が変化した場合に当該変化した前記他装置の位置に基づいて新目的地を設定する新目的地設定部と、を含む。前記現目的地設定部は、前記現目的地と前記新目的地との距離が前記基準距離以上となった際に前記新目的地を現目的地に設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置の位置及び自装置の位置を取得する位置取得部と、
前記他装置の位置に基づいて現目的地を設定する現目的地設定部と、
前記現目的地と前記自装置との距離に基づいて基準距離を設定する基準距離設定部と、
前記他装置の位置が変化した場合に当該変化した前記他装置の位置に基づいて新目的地を設定する新目的地設定部と、を含み、
前記現目的地設定部は、前記現目的地と前記新目的地との距離が前記基準距離以上となった際に前記新目的地を現目的地に設定することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び経路探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話等の端末を所持する人と待ち合わせを支援するための経路探索装置が知られている。
【0003】
このような経路探索装置として例えば、他端末の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて目標地を設定し、当該目標地までの経路を探索する探索部と、前記他端末に対し、前記目標地を通知する目標地通知部と、を備え、前記探索部は、前記他端末の位置情報の変化に応じて前記目標地を更新し、前記目標地通知部は、前記探索部による前記目標地の更新ごとに、更新後の前記目標地を通知する探索装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の探索装置は、他端末の位置情報が更新されると探索部が目標地を更新し、目標地の更新ごとに目標地通知部が目標地を通知する装置である。
【0006】
このため、例えば、探索装置と他端末の間が遠くに離れているにも拘らず、他端末がわずかに移動するごとに目標地が更新されたことを通知されると、ユーザは煩わしさを感じることが課題の一例として挙げられる。
【0007】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、情報処理装置と他装置の間の距離に応じて適切なタイミングでユーザに情報を提示することが可能な情報処理装置を提供すること課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願請求項1に記載の情報処理装置は、他装置の位置及び自装置の位置を取得する位置取得部と、前記他装置の位置に基づいて現目的地を設定する現目的地設定部と、前記現目的地と前記自装置との距離に基づいて基準距離を設定する基準距離設定部と、前記他装置の位置が変化した場合に当該変化した前記他装置の位置に基づいて新目的地を設定する新目的地設定部と、を含み、前記現目的地設定部は、前記現目的地と前記新目的地との距離が前記基準距離以上となった際に前記新目的地を現目的地に設定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1に係る経路探索装置と端末装置と情報処理装置との構成を示すブロック図である。
【
図3】端末装置と経路探索装置間の距離に対する基準距離を示す表を示した図である。
【
図4】実施例1に係る情報処理装置の処理フローを示すフロー図である。
【
図5】端末装置と経路探索装置間の距離に対する基準距離を示す表を示した図である。
【
図6A】端末装置の画像表示の一例を示す図である。
【
図6B】端末装置の画像表示の一例を示す図である。
【
図7】経路探索装置の所要時間に対する基準距離を示す表を示した図である。
【
図8】経路探索装置の所要時間に対する基準距離を示す表を示した図である。
【
図9】実施例2に係る情報処理装置の処理フローを示すフロー図である。
【
図10】実施例3に係る経路探索装置と端末装置と情報処理装置との構成を示すブロック図である。
【
図11】実施例4に係る経路探索装置と端末装置と情報処理装置との構成を示すブロック図である。
【
図12】実施例5に係る経路探索装置と端末装置と情報処理装置との構成を示すブロック図である。
【
図13A】端末装置と経路探索装置間の距離に対する基準時間を示す表を示した図である。
【
図13B】端末装置と経路探索装置間の距離に対する基準時間を示す表を示した図である。
【
図13C】端末装置と経路探索装置間の距離に対する基準時間を示す表を示した図である。
【
図14】実施例5に係る情報処理装置の処理フローを示すフロー図である。
【
図15】実施例6に係る経路探索装置と端末装置と情報処理装置との構成を示すブロック図である。
【
図16】実施例7に係る経路探索装置と端末装置と情報処理装置との構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、本発明の好適な実施例について説明する。しかし、これらを適宜改変し、組み合わせてもよい。また、以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
【実施例0011】
以下に、本発明の実施例1である経路案内システム100について、添付の図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、経路案内システム100は、情報処理装置としてのサーバー10、情報処理装置としての端末装置30、情報処理装置としての経路探索装置50のそれぞれが、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0013】
端末装置30は、
図2にも示すように、例えば、スマートフォン等の端末である。端末は、スマートフォンや携帯電話以外にも、タブレット端末であってもよいし、自動車、自転車、バイク、飛行機、船舶、に搭載される機器であっても良い。
【0014】
経路探索装置50は、例えば、自動車等の移動体に搭載される。移動体は、自転車、バイク、飛行機、船舶、移動する人等、自動車以外の移動体であっても良い。
【0015】
サーバー10は、サーバー10を制御する制御部11と、各種情報を格納する記憶部19と、端末装置30及び経路探索装置50と通信する通信部20と、から構成されている。
【0016】
制御部11は、例えば、演算処理を行う中央処理装置、不揮発性メモリ、揮発性メモリを含むコンピュータである。
【0017】
位置取得部は12、制御部11の機能ブロックの1つである。位置取得部12は、端末装置30及び経路探索装置50から送信されたそれぞれの装置の位置情報を通信部20を介して取得し、各位置情報を記憶部19に格納する。
【0018】
現目的地設定部13は、制御部11の機能ブロックの1つである。現目的地設定部13は、端末装置30から送信された当該装置の位置情報に基づいて現目的地を設定する。
【0019】
現目的地設定部13は、現目的地と新目的地との距離が基準距離以上となった場合に当該新目的地を現目的地に設定し、設定した現目的地の位置情報を経路探索装置50に送信する。
【0020】
新目的地設定部14は、制御部11の機能ブロックの1つである。新目的地設定部14は、端末装置30の位置が変化した場合に当該変化した端末装置30の位置に基づいて新目的地を設定する。
【0021】
現目的地及び新目的地は、端末装置30の位置そのものであっても良い。また、端末装置30が公園や駅構内等施設内に位置している場合は、端末装置30の位置から自動車が近づくことができる最寄りの場所、例えば、公園の駐車場や、駅のロータリーであってもよい。
【0022】
経路情報生成部16は、制御部11の機能ブロックの1つである。経路情報生成部16は、現目的地の位置情報に基づいて経路探索装置50の経路情報を生成する。
【0023】
基準距離設定部17は、制御部11の機能ブロックの1つである。基準距離設定部17は、現目的地と経路探索装置50との距離に基づいて基準距離を設定する。
【0024】
基準距離設定部17が設定する基準距離Bは、例えば、
図3に示すように、現目的地と経路探索装置50間の距離Aに応じて、現目的地と新目的地の距離を定めたものである。
【0025】
図3に示すように、距離AがA1~A5の距離に相当するときの基準距離BがB1~B5に定められている。
【0026】
具体的な距離Aのとしては、現目的地と経路探索装置50間の距離Aが0~1kmのときをA1、1-2kmのときをA2、2-5kmのときをA3、5-10kmのときをA4、10km以上のときをA5として定められている。
【0027】
また、距離A1~A5に応じた基準距離Bは、距離A1のときの基準距離をB1(20m)とし、距離A2のときの基準距離をB2(50m)とし、距離A3のときの基準距離をB3(100m)とし、距離A4のときの基準距離をB4(200m)とし、距離A5のときの基準距離をB5(500m)として定められている。
【0028】
したがって、例えば、現目的地と経路探索装置50間の距離Aが10km以上離れている距離A5に相当するときは、現目的地と新目的地の距離が距離B5に相当する500m以上離れたときに、現目的地設定部13が現目的地を送信するように定められている。
【0029】
このように、基準距離Bは、距離Aが短いときは頻繁に現目的地設定部13が現目的地の位置情報を送信し、距離Aが長くなるにしたがって現目的地設定部13が現目的地の位置情報を送信する間隔をより長くなるように設定するとよい。
【0030】
距離Aは、例えば、比較的両者が離れている10km以上の場合は、より新しい位置情報を用いることができるため、移動後の端末装置30の位置及び移動後の経路探索装置50の位置に基づいて設定してもよい。
【0031】
本実施例においては、距離Aは、移動前の端末装置30の位置及び移動前の経路探索装置50の位置に基づいて設定したものであるが、移動後の端末装置30の位置及び移動後の経路探索装置50の位置に基づいて設定してもよい。
【0032】
尚、距離Aは、現目的地と経路探索装置50間の直線距離であってもよいし、実際の経路に基づく道のりの距離であってもよい。
【0033】
記憶部19は、半導体メモリ等によって構成されているもので、端末装置30及び経路探索装置50の位置情報、基準距離等を格納している。
【0034】
通信部20は、経路探索装置50及び端末装置30と通信可能にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信部20は、例えば、各装置30,50との間で様々な情報を送受信可能である通信装置を含んでいる。
【0035】
端末装置30は、端末装置30を制御する制御部31と、地図情報等を表示する表示部32と、端末装置30に対して操作を行う操作部33と、通信部34と、各種情報を格納する記憶部35と、を有している。
【0036】
制御部31は、中央処理装置、不揮発性メモリ、揮発性メモリを含むコンピュータである。
【0037】
位置取得部36は、制御部31の機能ブロックの1つである。位置取得部36は、端末装置30の位置情報を取得する。
【0038】
位置取得部36は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を有し、端末装置30の緯度経度を算出することで位置情報を得ている。
【0039】
この位置情報は、緯度経度の他に、例えば、端末装置30が位置情報をアップロードしたアップロード時刻が含まれていてもよい。
【0040】
表示部32は、例えば、液晶等のディスプレイであって、地図情報等を表示する。
【0041】
操作部33は、例えば、表示部32に表示された入力ボタンを押下することによって入力されるタッチパネルである。
【0042】
通信部34は、サーバー10及び経路探索装置50と通信可能にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信部34は、例えば、各装置10,50との間で様々な情報を送受信可能である通信装置を含んでいる。
【0043】
記憶部35は、半導体メモリ等によって構成されているもので、地図情報、端末装置30の位置情報等を格納している。
【0044】
経路探索装置50は、経路探索装置50を制御する制御部51と、地図情報等を表示する表示部52と、経路探索装置50に対して操作を行う操作部53と、各装置10,30と通信を行う通信部54と、各種情報を格納する記憶部55と、を有している。
【0045】
制御部51は、中央処理装置、不揮発性メモリ、揮発性メモリを含むコンピュータである。
【0046】
位置取得部56は、制御部51の機能ブロックの1つである。位置取得部56は、経路探索装置50が搭載される自動車の位置情報を取得する。
【0047】
位置取得部56は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を有し、経路探索装置50の緯度経度を算出することで位置情報を得ている。
【0048】
この位置情報は、緯度経度の他に、例えば、経路探索装置50を搭載した自動車の目的地への到着予想時刻や所要時間、経路探索装置50が位置情報をアップロードするアップロード時刻等が含まれていてもよい。
【0049】
表示部52は、例えば、液晶等のディスプレイであって、地図情報等を表示する。
【0050】
操作部53は、経路探索装置50の操作を行うものであって、例えば、表示部52に表示された入力ボタンを押下することによって入力されるタッチパネルである。
【0051】
通信部54は、サーバー10及び端末装置30と通信可能にネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信部54は、例えば、各装置10,30との間で様々な情報を送受信可能である通信装置を含んでいる。
【0052】
記憶部55は、半導体メモリ等によって構成されているもので、地図情報、経路探索装置50の位置情報等を格納している。
【0053】
以上で説明した経路案内システム100において、経路探索装置50が現目的地に関する情報を表示部52に表示する処理を
図4に示すフロー図に基づいて説明する。
【0054】
尚、
図5に示すように、本例では、説明を簡略化するために距離AをA1~A3とし、基準距離BをB1~B3として定めている。
【0055】
図2に示すように、端末装置30のユーザは、例えば、表示部32に表示された「自分の位置送信開始」ボタンを押す。端末装置30の位置取得部36は、端末装置30の位置情報を取得し、取得した位置情報をサーバー10にアップロードする。
【0056】
経路探索装置50のユーザは、例えば、表示部52に表示された位置送信開始ボタンを押す。経路探索装置50の位置取得部56は、経路探索装置50の位置情報を取得し、取得した位置情報をサーバー10にアップロードする。
【0057】
尚、端末装置30と経路探索装置50のアップロード処理は、常時行われるようにしてもよいし、通信負荷の低減を図るために、アップロード頻度を設定する条件を設けてもよい。
【0058】
アップロード頻度を設定する条件は、例えば、位置情報を取得してから一定時間を経過するまではアップロードを行わない条件や、前回取得した位置情報から一定範囲内であればアップロードを行わない条件等、が挙げられる。
【0059】
位置情報のアップロードは、たとえば、各装置30,50は、サーバー10からの要求に応じて位置情報をアップロードするようにしてもよい。
【0060】
サーバー10にて行われる以下の処理の開始トリガーは、サーバー10に電源が入ったときや、端末装置30及び経路探索装置50から位置情報を取得したときとしてもよい。
【0061】
サーバー10の位置取得部12は、端末装置30及び経路探索装置50からアップロードされた位置情報を取得したかを判断する(ステップS01)。この判断は、位置情報が取得されたと判断されるまで繰り返される。
【0062】
ステップS01において、位置情報が取得されたと判断されると(ステップS01:Y)、現目的地設定部13は、取得した両装置の位置情報に基づいて現目的地を設定する(ステップS02)。
【0063】
ここで、経路情報生成部16は、経路探索装置50の現在の位置から現目的地までの経路情報を生成し、経路情報が経路探索装置50に送信されるようにしてもよい。
【0064】
位置取得部12は、ステップS01の処理以降において、新たに位置情報を取得したかを判断する(ステップS03)。この判断は、新たに位置情報が取得されたと判断されるまで繰り返される。
【0065】
ステップS03において、位置情報が取得されたと判断されると(ステップS03:Y)、新目的地設定部14は、ステップS03において新たに取得した端末装置30の位置情報に基づいて、新目的地を設定する(ステップS04)。
【0066】
ここで、ステップS04の処理において、サーバー10の処理負荷の低減を図るために、新目的地を設定する条件を設けてもよい。
【0067】
新目的地を設定する条件は、例えば、新目的地設定部14が新目的地を設定してから所定時間が経過すること等が挙げられる。
【0068】
現目的地設定部13は、現目的地と経路探索装置50間の距離AがA1範囲内であるか判断をし(ステップS05)、距離AがA1範囲内であると判断したときは(ステップS05:Y)、現目的地と新目的地の距離が基準距離B1以上であるか判断する(ステップS06)。
【0069】
現目的地設定部13は、ステップS06の判断において、距離が基準距離B1以上であると判断したときは(ステップS06:Y)、ステップS04で設定された新目的地を現目的地に設定する(ステップS07)。
【0070】
現目的地設定部13は、ステップS07で設定された現目的地の位置情報を経路探索装置50に送信する(ステップS08)。
【0071】
ここで、経路情報生成部16は、経路探索装置50の現在の位置から現目的地までの経路情報を生成し、現目的地の位置情報と共に経路情報が経路探索装置50に送信されるようにしてもよい。
【0072】
現目的地設定部13は、ステップS05の判断において、距離AがA1範囲内でないと判断したときは(ステップS05:N)、距離AがA2範囲内であるか判断をする(ステップS09)。
【0073】
現目的地設定部13は、距離AがA2範囲内であると判断したときは(ステップS09:Y)、現目的地と新目的地の距離が基準距離B2以上であるか判断する(ステップS10)。
【0074】
ステップS10の判断において、現目的地設定部13は、距離が基準距離B2以上であると判断したときは(ステップS10:Y)、ステップS04で設定された新目的地を現目的地に設定し(ステップS07)、ステップS07で設定された現目的地を経路探索装置50に送信する(ステップS08)。
【0075】
ステップS10の判断において、現目的地設定部13は、現目的地と新目的地の距離が基準距離B2以上でないと判断したときは(ステップS10:N)、ステップS03の位置取得判断に戻る。
【0076】
現目的地設定部13は、ステップS09の判断において、距離AがA2範囲内でないと判断したときは(ステップS09:N)、現目的地と新目的地の距離がB3以上であるか判断する(ステップS11)。
【0077】
ステップS11の判断において、現目的地設定部13は、現目的地と新目的地の距離がB3以上であると判断したときは(ステップS11:Y)、ステップS04で設定された新目的地を現目的地に設定し(ステップS07)、ステップS07で設定された現目的地を経路探索装置50に送信する(ステップS08)。
【0078】
ステップS11の判断において、現目的地設定部13は、現目的地と新目的地の距離がB2以上でないと判断したときは(ステップS11:N)、ステップS03の位置取得判断に戻る。
【0079】
尚、以上の処理は、繰り返し実行されるようにしてもよい。また、サーバー10の処理負荷を低減するため、上記の処理を再実行するための条件を設けてもよい。処理を再実行する条件は、例えば、各装置30,50から位置情報がアップロードされた時刻から所定時間が経過するまで処理を行わない条件等が挙げられる。
【0080】
経路探索装置50は、現目的地の位置情報に基づいて表示部52に現目的地として表示する。また、現目的地の位置情報の他に経路情報も受信した場合は、表示部52に経路情報と共に、現目的地を表示する。
【0081】
ここで、経路探索装置50は、経路探索装置50を搭載する自動車が交差点付近にいる場合にサーバー10から現目的地に関する情報を受信した場合は、右左折の実行中に経路情報が更新されることを防止するために、当該交差点を通過したときに現目的地を提示するようにしてもよい。
【0082】
尚、経路探索装置50による経路案内が頻繁に行われることによる煩わしさを低減すると共に、案内装置の処理負荷の低減を図るために、現目的地を表示する条件を設けてもよい。
【0083】
現目的地を表示する条件としては、例えば、(1)サーバー10から送信された現目的地の情報に対して一定時間は経路案内処理を行わない、(2)誘導開始の許可、不許可ボタンを設けて表示のタイミングをユーザが選択する、等が挙げられる。
【0084】
経路探索装置50と現目的地間の距離Aが、例えば、50m以下になることで、経路探索装置50は案内誘導を終了する。
【0085】
案内誘導の処理の終了は、各装置30,50の位置情報のアップロード処理を停止することにより行われてもよい。
【0086】
アップロード処理の停止は、例えば、
図2に示すように、ユーザが、端末装置30の表示部32に表示された「自分の位置送信停止」ボタンを押下することにより行ってもよい。
【0087】
また、各装置30,50がサーバー10から案内終了の通知を受けることにより、アップロード処理の停止を行うようにしてもよい。
【0088】
尚、サーバー10は、端末装置30に経路探索装置50の位置情報等を送信するようにし、端末装置30と経路探索装置50との間で情報を共有するようにしてもよい。
【0089】
例えば、
図6Aに示すように、「車両位置情報」のボタンをユーザによって押下されると、端末装置30は、サーバー10に自動車の経路探索装置50が搭載された自動車の位置情報等を送信するように要求する。
【0090】
位置情報等を受信した端末装置30は、例えば、
図6Bに示すように、自動車の到着予想時刻や、自動車の所要時間等を経路探索装置50が搭載された自動車の位置等を表示部32に表示する。
【0091】
このように、端末装置30のユーザは、自動車の現在地と到着予想時刻を知ることができ、到着時刻に合わせて行動計画を立てることが可能となり、ユーザの使用感を高めることができる。
【0092】
以上のように、本発明の情報処理装置によれば、経路探索装置50と端末装置30の間の距離Aに応じて適切なタイミングでユーザに情報を提示することが可能である。
【0093】
そのため、端末装置30の位置が更新される毎に目的地の変更が通知される煩わしさを解消することができる。したがって、本発明の情報処理装置は、ユーザの使用感を高めることができる。
【0094】
尚、本実施例においては、現目的地への経路情報の生成は、経路探索装置50が行ってもよい。
【0095】
経路探索装置50が経路情報の生成を行う場合、経路探索装置50の制御部51に機能ブロックとして経路情報生成部16を設ける。経路情報生成部16は、サーバー10から送信された現目的地の位置情報に基づいて経路情報を生成するとよい。
【0096】
また、経路探索装置50を搭載した自動車が端末装置30の周辺に向かうために、端末装置30の位置情報に基づいて現目的地等を設定するようにした。しかし、端末装置30が経路探索装置50の周辺に向かうために経路探索装置50の位置情報に基づいて現目的地等を設定するようにしてもよい。
【0097】
このようにした場合には、現目的地設定部13は、経路探索装置50の位置に基づいて現目的地を設定するとよい。基準距離設定部17は、現目的地と端末装置30の位置に基づいて基準距離を設定するとよい。新目的地設定部14は、経路探索装置50の位置に基づいて新目的地を設定するとよい。
実施例1では、基準距離Bは、現目的地と経路探索装置50間の距離Aに応じて、現目的地と新目的地の距離を定めたものとして説明した。基準距離Bは、経路探索装置50を搭載した自動車が現目的地に到着するまでの所要時間Tに応じて、現目的地と新目的地の距離を定めたものであってもよい。
サーバー10の基準距離設定部17は、現目的地及び経路探索装置50の位置に基づいて、経路探索装置50を搭載した自動車が現目的地に到着するまでの所要時間Tを算出し、この所要時間Tに基づいて基準距離Bを設定する。具体的には、基準距離設定部17は、経路探索装置50が搭載された自動車が案内される一般道路や高速道路の経路、及び混雑状況を勘案して所要時間を算出する。その他の構成は実施例1と同一であるので説明を省略する。
具体的な所要時間Tのとしては、所要時間Tが5分以内のときをT1、5-10分のときをT2、10-20分ときをT3、20-40分のときをT4、40分以上のときをT5として定めている。
基準距離Bは、距離Aに応じて設定した場合と同様に、所要時間Tが短いときは頻繁に現目的地設定部13が現目的地の位置情報を送信し、所要時間Tが長くなるにしたがって現目的地設定部13が現目的地の位置情報を送信する間隔がより長くなるように設定するとよい。
以下、基準距離Bを所要時間Tに応じて、現目的地と新目的地の距離を定めた場合の経路探索装置50が現目的地に関する経路情報を表示部52に表示する処理を説明する。
現目的地設定部13は、所要時間TがT1範囲内であるか判断をし(ステップS105)、所要時間TがT1範囲内であると判断したときは(ステップS105:Y)、現目的地と新目的地の距離が基準距離B1以上であるか判断する(ステップS106)。
現目的地設定部13は、ステップS105の判断において、所要時間TがT1範囲内でないと判断したときは(ステップS105:N)、所要時間TがT2範囲内であるか判断をする(ステップS109)。
現目的地設定部13は、所要時間TがT2範囲内であると判断したときは(ステップS109:Y)、現目的地と新目的地の距離が基準距離B2以上であるか判断する(ステップS111)。
現目的地設定部13は、ステップS109の判断において、所要時間TがT2範囲内でないと判断したときは(ステップS109:N)、現目的地と新目的地の距離がB3以上であるか判断する(ステップS111)。
このように、所要時間Tに応じて基準距離Bを定めることで、所要時間Tが短くなれば頻繁に現目的地設定部13から現目的地を送信される一方で、所要時間Tが長くなるにしたがって現目的地設定部13から現目的地を送信される頻度は少なくなる。このため、自動車が渋滞などで距離Aが短い場合であっても、頻繁に現目的地設定部13から現目的地を送信されることがなく、ユーザの使用感を高めることができる。