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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091459
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】点検管理装置、点検管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230623BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206219
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】峯邑 隆司
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 強一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】施設内の点検対象とする設備、機器について効率的に巡回、点検することが可能な点検管理装置を提供すること。
【解決手段】本実施形態における点検管理装置は、点検計画生成部、点検結果集計部、測定結果収集部、点検計画修正部とを有する。点検計画生成部は、施設内における点検員による少なくとも1つの第1点検対象物品について巡回点検するための点検ルートを含む第1点検スケジュールを生成する。点検結果集計部は、第1点検スケジュールに基づく巡回点検による第1点検対象物品に対する点検結果を集計する。測定結果収集部は、第1点検対象物品とは異なる点検スケジュールによる巡回点検の対象としていない第2点検対象物品に対する、測定機器による測定結果を収集する。点検計画修正部は、測定結果に基づいて第2点検対象物品が予め決められた状態であることが判別される場合に、第2点検対象物品を巡回点検の対象とする点検ルートを含む、第1点検スケジュールを修正した第2点検スケジュールを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内における点検員による少なくとも1つの第1点検対象物品について巡回点検するための点検ルートを含む第1点検スケジュールを生成する点検計画生成部と、
前記第1点検スケジュールに基づく巡回点検による前記第1点検対象物品に対する点検結果を集計する点検結果集計部と、
前記第1点検対象物品とは異なる点検スケジュールによる巡回点検の対象としていない第2点検対象物品に対する、測定機器による測定結果を収集する測定結果収集部と、
前記測定結果に基づいて前記第2点検対象物品が予め決められた状態であることが判別される場合に、前記第2点検対象物品を巡回点検の対象とする点検ルートを含む、前記第1点検スケジュールを修正した第2点検スケジュールを生成する点検計画修正部と
を有する点検管理装置。
【請求項2】
前記測定結果収集部は、前記測定機器による測定結果を、前記測定機器を利用して前記第2点検対象物品を監視する監視装置から収集する、請求項1記載の点検管理装置。
【請求項3】
前記測定結果収集部は、前記第2点検対象物品に対する測定結果と共に前記第2点検対象物品の設置位置情報を収集し、
前記点検計画修正部は、前記第2点検対象物品の設置位置情報をもとにした点検ルートを含む前記第2点検スケジュールを生成する、請求項1または請求項2記載の点検管理装置。
【請求項4】
前記点検計画修正部は、点検ルートが異なる複数の前記第2点検スケジュールの候補を生成し、
複数の前記第2点検スケジュールの候補から何れかを選択するスケジュール選択部をさらに有する、請求項3記載の点検管理装置。
【請求項5】
前記測定結果収集部は、前記測定機器により前記第2点検対象物品の稼働状況を監視する監視装置から前記稼働状況を示す情報を含む前記測定結果を収集する、請求項1記載の点検管理装置。
【請求項6】
前記測定結果収集部は、過去の測定結果を収集する、請求項1記載の点検管理装置。
【請求項7】
前記測定結果収集部は、前記第2点検対象物品に対して一時的に設置される、前記測定機器と異なる可搬型測定機器から測定結果を収集する、請求項1~5の何れかに記載の点検管理装置。
【請求項8】
前記点検結果集計部は、前記第2点検スケジュールに基づく巡回点検による前記第2点検対象物品に対する点検結果をさらに集計し、
前記第2点検対象物品に対する点検結果を前記監視装置に送信する点検結果送信部をさらに有する請求項2記載の点検管理装置。
【請求項9】
前記測定機器は、前記測定結果に基づいて前記第2点検対象物品が予め決められた状態であることを判別した場合に通知するものであり、
前記測定結果収集部は、前記測定機器からの通知を受信する、請求項1記載の点検管理装置。
【請求項10】
前記測定結果収集部は、移動可能な前記第2点検対象物品に対する前記測定機器による測定結果を収集する請求項1または請求項2記載の点検管理装置。
【請求項11】
前記測定機器は、画像センサであり、
前記測定結果収集部は、前記第2点検対象物品を撮影した画像をもとに判別される状況を示す情報を前記測定結果として収集する請求項1または請求項2記載の点検管理装置。
【請求項12】
コンピュータを、
施設内における点検員による少なくとも1つの第1点検対象物品について巡回点検するための点検ルートを含む第1点検スケジュールを生成する点検計画生成部と、
前記第1点検スケジュールに基づく巡回点検による前記第1点検対象物品に対する点検結果を集計する点検結果集計部と、
前記第1点検対象物品とは異なる点検スケジュールによる巡回点検の対象としていない第2点検対象物品に対する、測定機器による測定結果を収集する測定結果収集部と、
前記測定結果に基づいて前記第2点検対象物品が予め決められた状態であることが判別される場合に、前記第2点検対象物品を巡回点検の対象とする点検ルートを含む、前記第1点検スケジュールを修正した第2点検スケジュールを生成する点検計画修正部として機能させるための点検管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点検管理装置、点検管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設の中にある、設備、機器の点検は、その機能、安全性を維持する上で欠かさず行う必要がある。点検対象によっては、自主点検が法的に決められているもの、点検結果の帳簿の作成、提出を求められているものもある。法律上、またはメーカにより定期検査を必要とする対象設備、機器もある。従来では、施設における日々の巡回、点検、検査の作業を支援するためのシステムも考えられている(例えば、特許文献1参照)
明文化されていなくても、設備、機器の稼働状況を把握することは、施設の管理者にとって必要な作業であり、多くは巡回という形での目視確認、あるいは定期点検あるいは随時点検を行う形でおこなわれてきた。
【0003】
このように、設備、機器、あるいは、管理対象の物品に対して、(1)巡回、(2)点検、(3)定期検査を、施設状況に応じて実施してくことが想定されている。しかしながら、点検員不足などにより、施設内にある設備、機器ごとに、点検及び定期検査を実施する業者が異なり、義務化されている定期検査を除くと、一部の設備、機器に対して随時おこなわれる、(1)巡回、(2)点検がおろそかになりがちな現状がある。
【0004】
このような背景の中で、新旧さまざまな種類がある、施設内の設備、機器あるいは物品あるいは施設を管理する側の点検員による巡回点検が実施されてきた。しかし、必ずしも効率的に種々の機器の巡回点検が行われおらず、必要十分なそして効率的な巡回点検にしたいという課題がある。
【0005】
さらに近年は、点検時のデータの電子化、一括管理をする上で利便性の高い、携帯可能な点検用電子機器が帳票、帳簿の作成に使われ始めている。点検対象とする設備、機器については、巡回、点検、帳票への記録が行われる。
【0006】
その一方、施設内では、従来からある種々の設備、機器があり、例えば遠隔監視機器による状態観測などで、点検用電子機器による点検とは、別な方法点検をしている設備・機器がある。
【0007】
結果的に、一部の設備、機器で、巡回、点検が十分なされていないことにより、予防あるいは故障予兆の把握といった重大事象に至る前段階での対応が期待できず、設備、機器の保守・運用が難しい状況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4688017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように従来では、点検時のデータの電子化、一括管理をする上で利便性の高い、点検用電子機器を使用して、点検対象とする設備、機器について巡回、点検がされ始めている。その一方、施設内では、従来からある種々の設備、機器については、例えば遠隔監視機器による状態観測などで監視されており、点検用電子機器を利用した巡回、点検との対象とされていない。
【0010】
通常、遠隔監視機器による監視されている設備、機器についても、遠隔監視機器による監視では十分に状況を確認することができず、正常動作の範囲内にあるのか、あるいは故障予兆が発生していないかを把握するために、巡回、点検を実施することが望ましい状況がある。
【0011】
しかしながら、そうした設備・機器が発生する毎に、目的とする設備・機器に対して巡回、点検を実施するのでは巡回点検の作業効率が悪い。
【0012】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、施設内の点検対象とする設備、機器について効率的に巡回、点検することが可能な点検管理装置、点検管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本実施形態における点検管理装置は、点検計画生成部、点検結果集計部、測定結果収集部、点検計画修正部とを有する。点検計画生成部は、施設内における点検員による少なくとも1つの第1点検対象物品について巡回点検するための点検ルートを含む第1点検スケジュールを生成する。点検結果集計部は、前記第1点検スケジュールに基づく巡回点検による前記第1点検対象物品に対する点検結果を集計する。測定結果収集部は、前記第1点検対象物品とは異なる点検スケジュールによる巡回点検の対象としていない第2点検対象物品に対する、測定機器による測定結果を収集する。点検計画修正部は、前記測定結果に基づいて前記第2点検対象物品が予め決められた状態であることが判別される場合に、前記第2点検対象物品を巡回点検の対象とする点検ルートを含む、前記第1点検スケジュールを修正した第2点検スケジュールを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の点検システムの構成を示すブロック図。
図2】本実施形態の点検システムの構成を示すブロック図。
図3】本実施形態における施設情報/点検設備情報DBを概念的に示す図。
図4】本実施形態における点検スケジュール/ルート情報DBを概念的に示す図。
図5】本実施形態における点検データ/ログ情報DBを概念的に示す図。
図6】点検結果の運用の流れを説明するための図。
図7】点検用電子機器6において可視化/グラフ化された画面表示例を示す図。
図8】本実施形態における点検用電子機器を利用した点検スケジュールに従う巡回点検のイメージを示す図。
図9】本実施形態における巡回点検管理サーバの動作について説明するためのフローチャート。
図10】本実施形態における点検候補日リストの一例を示す図。
図11】巡回点検する施設設備の具体例を示す図。
図12】本実施形態における点検用電子機器に表示された修正前の点検スケジュールに対応する点検作業帳票の一例を示す図。
図13】本実施形態における点検用電子機器に表示された修正後の修正点検スケジュールに対応する点検作業帳票の一例を示す図。
図14】本実施形態における点検用電子機器に表示された修正後の修正点検スケジュールに対応する点検作業帳票の他の一例を示す図。
図15】本実施形態における点検用電子機器に表示された安全パトロール報告書の点検作業帳票の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1及び図2は、本実施形態の点検システムの構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態における点検システムは、巡回点検管理サーバ2、遠隔監視管理サーバ4、点検用電子機器6を含む。
【0018】
巡回点検管理サーバ2は、施設の中にある設備、機器、物品(以下、点検対象物品R(R1,R2,R3…)と称する)などに対する、携帯可能な点検用電子機器6を利用した点検員による巡回、点検を管理する。巡回点検管理サーバ2は、コンピュータの機能が実装され、プロセッサ、メモリ、記憶装置、通信装置などが設けられる。メモリには、コンピュータにおいて各種機能を実現させるための点検管理プログラムが記憶される。プロセッサは、巡回点検管理用の点検管理プログラムを実行することにより、各部の機能を実現させることができる。
【0019】
巡回点検管理サーバ2は、施設情報/点検設備(機器、物品等を含む)に関する情報の管理、点検対象とする点検対象物品に対する巡回点検スケジュールや点検ルートに関係する情報の収集または管理、点検用電子機器6を通じて点検対象物品に関する巡回、点検の結果を示す点検データを収集して管理/集計等をする機能を有する。
【0020】
さらに、巡回点検管理サーバ2は、通常では巡回点検の対象としていない設備、機器、物品等の状況に基づいて、該当する設備、機器、物品についての巡回点検を追加した巡回点検スケジュールや点検ルートの生成、巡回点検の結果を収集して管理/集計等をする機能を有する。
【0021】
点検用電子機器6は、施設の中にある設備、機器、物品などの点検対象物品に対する巡回点検に用いられる。点検用電子機器6は、巡回点検管理サーバ2から点検対象とする点検対象物品に対する巡回点検スケジュールや点検ルートに関係する情報(点検計画)を取得し、点検計画に従って施設等を巡回点検することで得られる点検結果を入力し、点検結果を巡回点検管理サーバ2に送信する機能を有する。点検用電子機器6は、コンピュータの機能が実装され、プロセッサ、メモリ、記憶装置、通信装置などが設けられる。メモリには、コンピュータにおいて各種機能を実現させるための巡回点検用の点検管理プログラムが記憶される。プロセッサは、巡回点検用の点検管理プログラムを実行することにより、各部の機能を実現させることができる。点検用電子機器6は、例えばスマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ(PC)、点検用専用機器などによって実現することができる。
【0022】
遠隔監視管理サーバ4は、巡回点検管理サーバ2により巡回点検の対象として管理されていない、施設の中にある設備、機器、物品(以下、遠隔監視対象物品D(D1,…,Dn)と称する)などに対する、センサ類20(20-1,…,20-n)を通じた遠隔監視を管理する。遠隔監視対象物品Dは、設置場所が固定された設備や施設だけでなく、移動可能な常設備品(パーソナルコンピュータなどの情報機器、消化器などの備品など)、あるいは管理対象そのものでなく、管理対象とする物品等が収納された倉庫や部屋、進入禁止エリアなどの人が出入りする出入り口(ドア等)などを対象とすることができる。遠隔監視管理サーバ4は、コンピュータの機能が実装され、プロセッサ、メモリ、記憶装置、通信装置などが設けられる。メモリには、コンピュータにおいて各種機能を実現させるための点検管理プログラムが記憶される。プロセッサは、遠隔監視用の点検管理プログラムを実行することにより、各部の機能を実現させることができる。
【0023】
遠隔監視管理サーバ4は、施設情報/点検設備(機器、物品等を含む)に関する情報の管理、センサ類20を通じた遠隔監視により収集された点検データ(測定結果)を収集して管理/集計等をする機能を有する。
【0024】
本実施形態における点検システムでは、遠隔監視管理サーバ4により遠隔監視されている遠隔点検対象物品の遠隔測定結果に基づいて、点検員が点検等をする必要がある状況である場合に、巡回点検管理サーバ2において管理されている、点検用電子機器6を利用した巡回点検の際の点検スケジュール(点検ルート)を修正し、点検用電子機器6を利用して、巡回点検の対象とする施設等だけでなく、遠隔点検対象物品も合わせて、ついでに巡回点検できるようにする。
【0025】
これにより、遠隔点検対象物品において点検等をする必要がある状況が発生するたびに、個別に対応する必要が無く、施設内の設備等に対する巡回点検時に、ついでに遠隔点検対象物品について点検することで、効率的に巡回点検できる効果がある。点検対象は、設備管理に限らず、設備警備の対象物を含むことで、巡回の際に、設備点検に限らず、警備防災(備品等を含む施設管理)に関わる業務も行うことができる。従って、施設全体の点検員、あるいは点検員とは別の警備(保安)係が点検用電子機器6を使う点検員を兼ねることで、巡回作業効率の向上を期待することができる。
【0026】
巡回点検管理サーバ2は、図1に示すように、制御部10、施設情報/点検設備情報データベース(DB)12、点検スケジュール/ルート情報データベース(DB)13、点検データ/ログ情報データベース(DB)14、通信部16を有する。
【0027】
制御部10は、プロセッサにより巡回点検管理用の点検管理プログラムを実行することにより実現される、点検計画生成部10A、点検結果集計部10B、測定結果収集部10C、点検計画修正部10D、点検結果送信部10E、集計データ出力部10F、スケジュール選択部10Gの機能を有する。
【0028】
制御部10は、ディスプレイなどの表示及びキーボードやタッチパネルなどの入力装置を有する操作部18を通じて、各種データの入力、各種情報の出力(表示)が可能である。
【0029】
点検計画生成部10Aは、施設内における点検員による少なくとも1つの点検対象物品R(R1,R2,R3…)について巡回点検するための点検ルートを含む点検スケジュール(第1点検スケジュール)を、施設情報/点検設備情報DB12、点検スケジュール/ルート情報DB13、点検データ/ログ情報DB14のそれぞれに記録された各情報をもとに生成し、点検スケジュール/ルート情報DB13に記録する。
【0030】
点検結果集計部10Bは、点検計画生成部10Aにより生成された点検スケジュール、あるいは点検計画修正部10Dにより生成された修正点検スケジュールに基づく、点検用電子機器6を利用した巡回点検による点検対象物品R(及び遠隔監視対象物品D)に対する点検結果を集計して、点検データ/ログ情報DB14に記録する。点検結果集計部10Bは、遠隔監視対象物品Dを巡回点検の対象に追加した点検スケジュールに基づく巡回点検がされた場合に、遠隔監視対象物品Dに対する点検結果をさらに集計する。
【0031】
測定結果収集部10Cは、通常の巡回点検の対象とする点検対象物品Rとは異なる、点検スケジュールによる巡回点検の対象としていない遠隔監視対象物品Dに対する測定機器による測定結果を収集して、点検データ/ログ情報DB14に記録する。測定機器は、例えば遠隔監視対象物品Dの状況を示すデータを収集するために一時的に使用されるモバイルセンサ19(可搬型測定機器)、遠隔監視管理サーバ4による遠隔監視に使用されるセンサ類20を用いることができる。
【0032】
モバイルセンサ19は、遠隔監視対象物品Dの状態を一時的に観測する目的で、一時的に設置されるセンサである。モバイルセンサ19は、例えば温度、湿度、振動、照度、音声、画像(静止画、動画像)などの測定データを記録する機能を有する。モバイルセンサ19は、例えば、遠隔監視対象物品Dの上に載置されることで遠隔監視対象物品Dの動作状況を示す測定データを検出し、ある程度の測定期間における測定データを記録する。モバイルセンサ19は、例えば点検用電子機器6の外部機器との接続端子と接続可能に形成され、点検用電子機器6に接続されることで、測定期間に記録された測定データが読み取られる。
【0033】
測定結果は、測定機器により測定された測定データに限らず、測定データに基づく点検結果(正常/異常)だけでなく、遠隔監視対象物品Dの稼働状況(使用時間、利用人数など)の観測結果(閾値以上の状態)、遠隔監視対象物品Dの状況についての判別結果、さらには過去の測定結果や点検員による点検結果を含むログ情報などであっても良い。
【0034】
また、測定機器として画像センサ(カメラ)が用いられている場合、遠隔監視対象物品Dを撮影した画像をもとに判別される状況、例えば施設や部屋、進入禁止エリアへの人の出入りの状況または遠隔監視対象物品Dの利用回数などの状況の判別の結果、施設等における災害等の状況(大雨等による浸水、火災、倒壊など)を示す情報を測定結果として収集するようにしても良い。
【0035】
これにより、遠隔監視対象物品Dそのものの状況に基づいて、巡回点検が必要か否かを判別するのではなく、遠隔監視対象物品Dが設置された場所(環境)によっても巡回点検が必要か否かを判別することができる。
【0036】
測定結果収集部10Cは、例えばセンサ類20による測定結果を、遠隔監視対象物品Dを監視する遠隔監視管理サーバ4(監視装置)から収集する他、センサ類20から直接、無線通信等によって収集する、さらにモバイルセンサ19からのデータを、点検用電子機器6を通じて収集することができる。また、測定結果収集部10Cは、測定結果と共に、点検スケジュールの修正のために、測定対象とする遠隔監視対象物品Dの設置位置情報を収集する。位置情報を収集することで、点検ルートを効率的に修正することができる。
【0037】
点検計画修正部10Dは、測定結果収集部10Cにより収集された測定結果に基づいて、遠隔監視対象物品Dが巡回点検を必要とする予め決められた状態であることが判別される場合に、該当する遠隔監視対象物品Dを巡回点検の対象とする修正点検ルートを含む、通常の巡回点検のための点検スケジュールを修正した修正点検スケジュール(第2点検スケジュール)を生成して、点検スケジュール/ルート情報DB13に記録する。
【0038】
例えば、点検計画修正部10Dは、測定結果収集部10Cにより収集された測定結果(測定データ)に対して、予め設定された点検閾値を超えているか否かを判別し、閾値を超えた遠隔監視対象物品Dがある場合に、点検スケジュールを修正して修正点検スケジュールを生成することができる。
【0039】
点検計画修正部10Dは、測定結果収集部10Cにより収集された測定結果として、遠隔監視対象物品Dの設置位置情報を合わせて収集している場合に、設置位置情報をもとにした点検ルートを含む修正点検スケジュールを生成する。また、点検計画修正部10Dは、巡回点検が必要な遠隔監視対象物品Dに対して、点検ルートが異なる複数の修正点検スケジュールの候補(例えば、点検実施日が異なる、修正前の点検スケジュールが異なる)を生成し、スケジュール選択部10Gによる処理により選択できるようにすることができる。
【0040】
点検結果送信部10Eは、点検計画修正部10Dによって作成された修正点検スケジュールをもとに、点検対象物品Rと共に巡回点検がされた遠隔監視対象物品Dに対する点検結果を、巡回点検管理サーバ2の点検データ/ログ情報DB14に保存する。また、遠隔監視対象物品Dの情報を遠隔監視している遠隔監視管理サーバ4(監視装置)に送信するようにしてもよい。
【0041】
集計データ出力部10Fは、点検用電子機器6を用いた点検対象物品R(遠隔監視対象物品D)に対する巡回点検によって収集され、点検データ/ログ情報DB14に記録された集計データを、点検用電子機器6、遠隔監視管理サーバ4等に出力する。
【0042】
スケジュール選択部10Gは、点検計画修正部10Dにより生成された複数の修正点検スケジュールを含むリスト(点検候補日リスト)を、例えば点検用電子機器6に送信して表示させ、複数の修正点検スケジュールから点検員により何れかを選択させるための処理を実行する。スケジュール選択部10Gは、リストから指定された点検スケジュールに応じて、巡回点検に用いる点検作業帳票を点検用電子機器6に送信させる。
【0043】
施設情報/点検設備情報DB12は、巡回点検の対象とする施設、設備、機器、物品に関する情報が記録されるデータベースである。設備、機器、物品などの点検対象物品Rの情報には、設置位置情報が含まれる。また、施設情報/点検設備情報DB12には、遠隔監視対象物品Dを巡回点検の対象とする場合には、遠隔監視対象物品Dに関する情報も記録される。
【0044】
図3は、本実施形態における施設情報/点検設備情報DB12を概念的に示す図である。図3に示すように、施設情報/点検設備情報DB12には、巡回点検の対象とする施設/設備(点検対象物品R)に関する情報12Aの他、遠隔監視対象物品Dに関する遠隔監視施設/設備の情報12Bが記録される。なお、遠隔監視施設/設備の情報12Bは、測定結果収集部10Cにより収集された測定結果に基づいて、巡回点検の対象とされた遠隔監視対象物品Dのみを遠隔監視管理サーバ4から取得しても良いし、遠隔監視管理サーバ4の施設情報/点検設備情報DB24と同じ情報が予め記録されていても良い。
【0045】
点検スケジュール/ルート情報DB13は、点検計画生成部10Aにより生成された点検スケジュール(第1点検スケジュール)、及び点検計画修正部10Dにより生成された修正点検スケジュール(第2点検スケジュール)が記録されるデータベースである。
【0046】
図4は、本実施形態における点検スケジュール/ルート情報DB13を概念的に示す図である。図4に示すように、点検スケジュール/ルート情報DB13には、点検対象物品Rを対象とする通常点検スケジュールの情報13Aの他、遠隔監視対象物品Dを巡回点検の対象に追加した修正点検スケジュールの情報13Bが含まれる。修正点検スケジュールには、巡回点検の対象として追加された遠隔監視対象物品Dに応じて、複数の候補が生成されて記録される。
【0047】
点検データ/ログ情報DB14は、点検用電子機器6を利用した巡回点検による点検対象物品R(及び遠隔監視対象物品D)に対する点検結果が記録される。点検データ/ログ情報DB14には、点検用電子機器6から受信される点検データの他、過去の点検結果(ログ情報)が集計されて記録される。
【0048】
図5は、本実施形態における点検データ/ログ情報DB14を概念的に示す図である。図5に示すように、点検データ/ログ情報DB14には、施設/設備(点検対象物品R)に関する情報14Aの他、遠隔監視対象物品Dに関する遠隔監視施設/設備の情報14Bが含まれる。遠隔監視施設/設備の情報14Bには、点検用電子機器6を利用した巡回点検による点検結果のデータだけでなく、測定結果収集部10Cにより収集された遠隔監視管理サーバ4等から収集された遠隔監視対象物品Dに対する測定結果が含まれる。
【0049】
通信部16は、遠隔監視管理サーバ4、点検用電子機器6、センサ類20等との通信を制御する。通信部16は、例えばLAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線網などのネットワークを通じて、有線/無線通信によりデータの送受信を行う。モバイルセンサ19が無線通信部を有している場合は、同様にネットワークを通じて通信部16と直接通信してもよい。
【0050】
次に、遠隔監視管理サーバ4は、図2に示すように、制御部22、施設情報/点検設備情報データベース(DB)24、点検データ/ログ情報データベース(DB)26、通信部28を有する。
【0051】
制御部22は、プロセッサにより遠隔監視用の点検管理プログラムを実行することにより実現される、監視情報収集部22A、状況判別部22B、測定結果送信部22Cの機能を有する。
【0052】
監視情報収集部22Aは、センサ類20(20-1,…,20-n)を通じて、施設の中にある設備、機器、物品などを含む複数の遠隔監視対象物品D(D1,…,Dn)について遠隔監視して、遠隔監視対象物品Dに関する監視情報(測定データ等)を収集し、施設情報/点検設備情報DB24に記録する。
【0053】
状況判別部22Bは、監視情報収集部22Aにより収集された遠隔監視対象物品Dに関する監視情報に対して、遠隔監視対象物品Dが巡回点検を必要とする予め決められた状態であるかを判別する処理を実行する。
【0054】
状況判別部22Bは、例えば、測定結果(測定データ)に対して、予め設定された点検閾値を超えているか否かを判定し、閾値を超えた場合に巡回点検が必要と判別することができる。また、監視情報として、画像センサ(カメラ)などのセンサ類20により収集された画像(静止画、動画像)である場合に、遠隔監視対象物品Dを撮影した画像をもとに判別される状況、例えば施設や部屋、進入禁止エリアへの人の出入りの状況または遠隔監視対象物品Dの利用回数などの状況の判別の結果、施設等における災害等の状況(浸水、火災、倒壊など)を、画像認識処理技術を利用して判別して、その状況を示す情報を測定結果とすることができる。
【0055】
測定結果送信部22Cは、監視情報収集部22Aにより収集された遠隔監視対象物品Dに関する監視情報(測定データ等)、あるいは状況判別部22Bによる判定結果などを測定結果として、巡回点検管理サーバ2に送信する。
【0056】
施設情報/点検設備情報DB24は、遠隔監視の対象とする施設、設備、機器、物品に関する情報が記録されるデータベースである。設備、機器、物品などの遠隔監視対象物品Dの情報には、設置位置情報が含まれる。
【0057】
点検データ/ログ情報DB26は、遠隔監視による遠隔監視対象物品Dに対する遠隔監視による点検結果(点検データ/ログ情報)が記録される。
【0058】
通信部28は、巡回点検管理サーバ2、センサ類20等との通信を制御する。通信部28は、例えばLAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線網などのネットワークを通じて、有線/無線通信によりデータの送受信を行う。なお、通信部28は、巡回点検管理サーバ2を介さずに、点検用電子機器6と通信して、点検用電子機器6との間で直接データの送受信をするようにしても良い。
【0059】
センサ類20(20-1,…,20-n)は、監視カメラ(画像センサ)の他、温度、湿度、振動、照度を検出するセンサ等であっても良い。センサ類20は、遠隔監視の対象とする遠隔監視対象設備に応じた種類のセンサが用いられる。また、センサ類20は、測定データを検出するだけでなく、測定データに対する判定処理を実行する機能を有していても良い。この場合、例えば、センサ類20は、測定データに対して、予め設定された点検閾値を超えているか否かを判定し、閾値を越えている場合に、遠隔監視管理サーバ4あるいは巡回点検管理サーバ2に、該当する遠隔監視対象物品Dに関する情報と共に通知する。
【0060】
次に、点検用電子機器6は、図2に示すように、制御部32、巡回点検データベース(DB)34、操作部36、通信部38を有する。
【0061】
制御部32は、プロセッサにより巡回点検用の点検管理プログラムを実行することにより実現される、点検計画受信部32A、点検計画表示部32B、点検結果入力部32C、点検結果送信部32D、集計データ表示部32Eの機能を有する。
【0062】
点検計画受信部32Aは、巡回点検管理サーバ2から巡回点検スケジュールや巡回ルートに関係する情報(点検計画)を取得し、点検計画を点検員に示すための点検作業帳票データを生成して巡回点検データベースDB34に記録する。
【0063】
点検計画表示部32Bは、点検計画受信部32Aにより生成された点検作業帳票データをもとに、点検作業帳票を操作部36(タブレット)における画面に表示させる。
【0064】
点検結果入力部32Cは、操作部36(タブレット)の画面に表示された点検作業帳票に対する点検員による入力操作に応じて、点検対象物品R(遠隔監視対象物品D)に対する点検結果を入力して、点検作業帳票データDB34に点検データとして記録する。また、点検結果入力部32Cは、外部機器との接続端子に接続されたモバイルセンサ19から測定データを入力することができる。さらに、点検結果入力部32Cは、撮像装置(図示せず)によって撮影された点検対象物品R(遠隔監視対象物品D)のメータなどの画像に対して画像認識処理を実行して、メータが示す数値を検出して点検データとして入力することができる。
【0065】
点検結果送信部32Dは、点検結果入力部32Cにより入力された点検データ等を巡回点検管理サーバ2に送信する。
【0066】
集計データ表示部32Eは、巡回点検管理サーバ2から点検対象物品Rに対する点検データあるいはログ情報についての集計データを取得して、集計結果などを操作部36において表示させる(図7参照)。
【0067】
操作部36は、例えばタブレットにより構成され、点検員に対して提供する点検作業帳票を含む各種情報の表示や、点検員による入力操作に応じた点検データを含む各種データの入力を実行する。
【0068】
通信部38は、巡回点検管理サーバ2等との通信を制御する。通信部38は、例えばLAN(Local Area Network)、インターネット、公衆回線網などのネットワークを通じて、有線/無線通信によりデータの送受信を行う。なお、通信部38は、巡回点検管理サーバ2を介さずに、センサ類20と通信して、センサ類20との間で直接データの送受信をするようにしても良い。
【0069】
次に、点検用電子機器6を使用した巡回点検により収集された点検結果の運用について説明する。
【0070】
図6は、点検用電子機器6を利用した点検結果の運用の流れを説明するための図である。
【0071】
点検用電子機器6を用いて点検対象物品Rに対する設備点検を実施して、点検用電子機器6において帳票のフォーマットで点検結果を可視化する(S1)。点検用電子機器6に入力された点検データは、巡回点検管理サーバ2に収集されて点検データ/ログ情報DB14に蓄積される(S2)。巡回点検管理サーバ2には、施設情報/点検設備情報DB12において、巡回点検の対象とする施設の他、設備、機器、物品などの点検対象物品Rに関する情報が記録(台帳管理)されており(S3)、点検データ/ログ情報DB14に記録されたデータと連携する形で管理される。
【0072】
点検データ/ログ情報DB14に記録された点検データは利活用される(S4)。利活用の方法として、例えば、可視化/グラフ化され、点検対象物品Rの状態の経時的な変化を確認できるようにする。
【0073】
これら一連のデータ収集、蓄積、可視化することで、設備保全業務改善に寄与(S5)することになる。具体的には、点検業務改善として、点検項目改善、点検員育成・支援、及び点検員配置改善ができる。設備保全業務改善としては、部品交換、設備更新・修繕計画策定、予防保全、点検レベル変更などの実際の状況を反映した設備保全が可能となる。その結果、施設の改善に寄与させることができる(S6)。具体的には、設備稼働率改善、突発故障削減、及び保全コスト削減が可能となる。
【0074】
図7は、点検データの利活用として、点検用電子機器6において可視化/グラフ化された画面表示例を示す図である。点検用電子機器6は、例えばスマートフォン、タブレット型PCである。
【0075】
図7は、例えば、点検対象物品Rとして、設備機器であるコンプレッサーの点検データを見える化した画面表示例であり、経時的な点検データの変化をグラフ表示している。
【0076】
点検用電子機器6は、画面に表示された「施設絞込み」の項目40において、例えば、施設の場所(A工場、1号棟)を選択し、集計データの表示対象とする施設設備(コンプレッサー)が点検員の操作により選択されることで、集計データ表示部32Eにより巡回点検管理サーバ2から該当施設の集計データを取得して、グラフを表示させる。
【0077】
また、点検用電子機器6を用いて遠隔監視対象物品Dを含めて巡回点検した場合には、巡回点検管理サーバ2には遠隔監視対象物品Dについての点検データが記録される。この場合、「施設絞込み」の項目40において、遠隔監視対象物品Dを集計データの表示対象とする施設設備として選択できるようにする。これにより、遠隔監視対象物品Dについての巡回点検の集計データを表示させるようにしても良い。
【0078】
図8は、本実施形態における点検用電子機器6を利用した点検スケジュールに従う巡回点検のイメージを示す図である。
【0079】
通常の巡回点検作業では、複数の点検対象物品R1,R2…に対する巡回点検のために作成された点検スケジュールに従い、点検スケジュールが示す点検ルートSR0に従って、点検用電子機器6を用いて点検対象物品R1,R2…に対して巡回点検を実施する。
【0080】
点検員は、点検対象物品Rの場所に行き、点検用電子機器6に対する点検作業帳票を用いた点検結果の入力、点検対象物品Rのメータの撮影による点検結果を入力して、点検結果を点検用電子機器6に入力する。点検員は、点検スケジュールが示す全ての点検対象物品Rに対する点検結果の入力が完了すると、点検作業を終了する。
【0081】
本実施形態における巡回点検管理サーバ2では、遠隔監視対象物品Dに対する測定結果をもとに巡回点検が必要と判別された場合、該当する遠隔監視対象物品Dが巡回点検の対象として追加された修正点検スケジュール(点検ルート)が生成され、点検用電子機器6に通知される。
【0082】
点検員は、巡回点検管理サーバ2から通知された修正点検スケジュールに従い、修正点検スケジュールが示す修正点検ルートSR1または修正点検ルートSR2に従って、点検用電子機器6を用いて点検対象物品R1,R2…、さらに遠隔監視対象物品DYあるいは遠隔監視対象物品DZに対して巡回点検を実施する。
【0083】
例えば、遠隔監視対象物品DYが巡回点検の対象として追加された場合、遠隔監視対象物品DYの位置情報をもとに、点検対象物品R2,R3の間に遠隔監視対象物品DYを巡回することで点検ルート延べ長さ(=巡回する長さ)を最短とすることを特定して修正点検ルートSR1を作成する。
【0084】
同様にして、遠隔監視対象物品DZが巡回点検の対象として追加された場合、遠隔監視対象物品DZの位置情報をもとに、点検対象物品R3,R4の間に遠隔監視対象物品DYを巡回することで点検ルート延べ長さを最短とすることを特定して修正点検ルートSR2を作成する。
【0085】
点検員は、修正点検ルートSR1を含む修正点検スケジュール、あるいは修正点検ルートSR2を含む修正点検スケジュールに従って点検を実施することで、元の点検ルートSR0から大幅に点検ルート延べ長さを増大させることなく、遠隔監視対象物品D(DY,DZ)を含む巡回点検を効率的に完了させることができる。
【0086】
遠隔監視対象物品Dは、遠隔監視用のセンサ類20により遠隔監視されている。監視結果が所定の閾値、例えば稼働時間が所定時間などの閾値を超えたため、異常発生の可能性が高くなったものと判別される場合には、状況確認のために点検員が、ついでに点検することができる。
【0087】
また、点検員は、必要に応じで、一時的に遠隔監視対象物品Dの状況観測のため、モバイルセンサ19を遠隔監視対象物品Dに設置することができる。例えば、点検員が遠隔監視対象物品Dに触ると、動作中に通常とは異なる振動、騒音がある場合に、振動センサの機能を有するモバイルセンサ19を設置することで、モバイルセンサ19に記録された振動データをもとに、設備機器の振動状態を後に解析して、その後の巡回点検に遠隔監視対象物品Dを追加するか否かを判別することができる。その結果、設備機器の状態を詳細調査することができ、保守・運用に支障をきたさないようにできる。
【0088】
このようにして、遠隔監視用のセンサ類20により詳しく状態調査をすることができない場合でも、遠隔監視中の遠隔監視対象物品Dに対する単独の点検計画を最初から用意する必要がない。上述のついで作業により、点検員が状況把握を行うことができ、結果的に、予防点検を含む設備機器の保守・運用を円滑に実施できる。設備、機器によっては、検査をする場合に公的点検資格を要求されることもあるが、日常の巡回、点検はすることができる。巡回、点検の結果さらに詳しい検査が必要であれば、当該資格を有する検査員の所属する会社への通知をすればよい。
【0089】
次に、本実施形態における点検システムの動作について説明する。
【0090】
図9は、本実施形態における巡回点検管理サーバ2の動作について説明するためのフローチャートである。
【0091】
巡回点検管理サーバ2の測定結果収集部10Cは、巡回点検管理サーバ2において遠隔管理されている遠隔監視対象物品Dについての測定結果についての情報収集をしている(ステップA8)。測定結果収集部10Cは、遠隔監視対象物品Dについての測定結果を点検データ/ログ情報DB14に記憶させる。
【0092】
例えば、測定結果収集部10Cは、遠隔監視対象物品Dについての測定結果を、遠隔監視管理サーバ4、点検用電子機器6、あるいはセンサ類20から収集することができる。
【0093】
遠隔監視管理サーバ4は、複数の遠隔監視対象物品Dに対して、センサ類20を通じて遠隔監視しており、監視情報収集部22Aにより監視情報を収集して巡回点検管理サーバ26に記録している。
【0094】
遠隔監視管理サーバ4の状況判別部22Bは、監視情報に対して、遠隔監視対象物品Dが巡回点検を必要とする予め決められた状態であるかを判別する。例えば、状況判別部22Bは、測定結果(測定データ)に対して、予め設定された点検閾値を超えているか否かを判定し、閾値を超えた場合に巡回点検が必要と判別する。また、状況判別部22Bは、センサ類20(画像センサ)から画像(静止画、動画像)を収集する場合に、遠隔監視対象物品Dを撮影した画像をもとに判別される状況、例えば施設や部屋、進入禁止エリアへの人の出入りの状況または遠隔監視対象物品Dの利用回数などの状況の判別の結果、施設等における災害等の状況(浸水、火災、倒壊など)を判別することができる。
【0095】
測定結果送信部22Cは、状況判別部22Bによる判定結果などを測定結果として、巡回点検管理サーバ2に送信する。あるいは巡回点検管理サーバ2からの問い合わせに応答する形で、測定結果を渡すようにしてもよい。
【0096】
また、測定結果送信部22Cは、監視情報収集部22Aにより収集された遠隔監視対象物品Dに関する監視情報(測定データ等)をそのまま巡回点検管理サーバ2に送信しても良い。この場合、巡回点検管理サーバ2の点検計画修正部10Dによって、測定結果(測定データ)に対して、予め設定された点検閾値を超えているか否かが判定され、遠隔監視対象物品Dについて巡回点検が必要か否か判別される。
【0097】
こうして、巡回点検管理サーバ2は、遠隔監視管理サーバ4とのサーバ間通信によって、遠隔監視対象物品Dに対する測定結果を取得することで、点検スケジュールの修正に利用することができる。
【0098】
また、測定結果収集部10Cは、センサ類20により検出された測定結果(測定データ)、あるいは点検用電子機器6においてモバイルセンサ19から収集された測定結果(測定データ)を収集することができる。
【0099】
点検計画修正部10Dは、測定結果収集部10Cにより収集された測定結果に基づいて、遠隔監視対象物品Dが巡回点検を必要とする予め決められた状態であることが判別する(ステップA10)。例えば、点検計画修正部10Dは、測定結果収集部10Cにより収集された測定結果(測定データ)に対して、予め設定された点検閾値を超えているか否かを判定する。
【0100】
例えば、点検計画修正部10Dは、設備機器などの遠隔監視対象物品Dの利用回数や利用延べ時間を含む使用状況、前の点検日時からの経過日数または経過時間、及びセンサ類20で収集した画像及びセンサ検出値、さらに点検データや機器のログ情報より点検閾値を超えているか否を判定する。この場合、前回の巡回点検から所定時間を経過した、定期巡回に該当する設備機器がある場合も、閾値を超えていると判断することができる。
【0101】
ここで、点検閾値を超える遠隔監視対象物品Dがない場合(ステップA10、NO)、ステップA8に戻り、所定時間経過後、再度、ステップA8の処理を実行する。
【0102】
一方、点検閾値を超える遠隔監視対象物品Dがある場合(ステップA10、YES)、測定結果収集部10Cは、点検閾値を超えると判別された遠隔監視対象物品Dと関連する最新の情報を収集する(ステップA11)。すなわち、測定結果収集部10Cは、巡回点検管理サーバ2、遠隔監視管理サーバ4、センサ類20、あるいは点検用電子機器6から最新のデータを収集する。
【0103】
次に、点検計画修正部10Dは、点検スケジュール/ルート情報DB13に記録された現在の点検ルートを含む点検スケジュールをもとに、点検閾値を超えると判別された巡回点検が必要な遠隔監視対象物品Dを追加した、修正点検ルートを含む修正点検スケジュールを生成する。点検計画修正部10Dは、修正点検ルートを含む修正点検スケジュールについては、異なる条件に基づいて複数の候補を作成する。
【0104】
現在の点検ルートは1つではなく、巡回点検の対象とする点検対象物品Rが異なる複数の点検ルートがあり、それぞれの点検ルートによる点検スケジュールは点検日が異なる。点検計画修正部10Dは、巡回点検の追加対象とする点検計画修正部10Dの設置位置、測定結果が示す状態に基づく緊急度などに応じて、点検計画修正部10Dを巡回点検に追加することが適当な修正対象とする点検スケジュール(点検ルート)を選択し、修正点検スケジュールを作成する。例えば、点検計画修正部10Dの設置位置に近くを通過する点検ルートによる点検スケジュール、あるいは点検日ができるだけ近い点検スケジュールを選択することができる。
【0105】
点検計画修正部10Dは、現在の点検ルートと点検日、ならびに複数候補の修正点検ルートとを含む点検候補日リストを生成して、例えば操作部18(あるいは点検用電子機器6)において表示させる(ステップA12)。
【0106】
図10は、本実施形態における点検候補日リスト36Aの一例を示す図である。
【0107】
図10に示すように、点検スケジュールとして、元の点検ルートSR0の他、修正点検ルートの候補として、修正点検ルートA(SR1)と修正点検ルートB(SR2)が一覧表示されている。
【0108】
修正点検スケジュールの候補を作成する条件として、(1)点検ルート延べ長さ(=巡回する長さ)をできるだけ短くする、(2)点検日ができるだけ近日とする、がある。その他、複数の遠隔監視対象物品Dについて巡回点検に追加できるなどの条件を用いることも可能である。
【0109】
例えば、修正点検ルートの候補とする修正点検ルートAは、点検ルートの延べ長さが最も短くて済むが、点検予定日は2日後となる。また、修正点検ルートBは、点検ルートの延べ長さが修正点検ルートAより数100m長くなるが、点検予定日を最短の1日後にすることができる。複数の修正点検ルートの候補を提示することで、遠隔監視対象物品Dを含めた巡回点検を適切に実行できる修正点検スケジュールを選択できるようにする。
【0110】
次に、スケジュール選択部10Gは、点検候補日リスト36Aに表示された、点検ルートに対してソートをするかを判断する(ステップA13)。例えば、スケジュール選択部10Gは、管理者等による操作部18に対する操作によって、修正点検スケジュールの候補の条件(例えば、点検ルートの延べ長さ優先、点検日優先)の指定と共にソートの実行が指示された場合に(ステップA13、YES)、条件に従って複数の修正点検スケジュールを、優先順位をつけて並び替えた点検候補日リスト34Aを表示させる(ステップA14)。これにより、閲覧性を向上させて、点検スケジュールの選択を容易にすることができる。
【0111】
ここで、点検候補日リスト34Aに対する何れかの点検ルート(点検スケジュール)を指定する操作がされた場合(ステップA15)、スケジュール選択部10Gは、指定された点検ルート(点検スケジュール)を選択する。
【0112】
点検計画修正部10Dは、指定された点検ルート(点検スケジュール)に応じた点検作業帳票を作成して、点検用電子機器6に対して通知する(ステップA16)。
【0113】
点検用電子機器6の点検計画受信部32Aは、巡回点検管理サーバ2から点検スケジュールやルートに関係する情報(点検計画帳票)を取得し、点検計画を点検員に示すための点検作業帳票データを生成する。点検計画表示部32Bは、点検計画受信部32Aにより生成された点検作業帳票データをもとに、点検作業帳票を操作部36(タブレット)に表示させて、点検員に通知する。
【0114】
点検員は、点検用電子機器6を用いて、点検用電子機器6の画面に表示される点検作業帳票(修正点検スケジュール)に従い巡回点検を実施することで、点検対象物品Rに対する通常の巡回点検のついでに、遠隔監視対象物品Dについての巡回点検を実施して、点検結果を収集することができる。
【0115】
ここで、巡回点検する施設設備の具体例について説明する。
【0116】
図11は、巡回点検する施設設備の具体例を示す図である。
【0117】
(1)対象設備、機器
ビル型の設備、機器のビル運用管理側による定期巡回点検の例である。
【0118】
定期点検対象が多いこと、点検を毎日行わなくてもよいことから、上層階、中層階、下層階の3つグループにわけ、1日目に上層階(A)、2日目に中層階(B)、3日目に下層階(C)の巡回点検をする、A→B→Cの順で一巡となる巡回点検をする運用をしている。
【0119】
定期巡回点検対象外の場所として、屋上および地下階がある。
【0120】
屋上には、配電用キュービクル、太陽光パネル、貯水施設、他がある。遠隔監視センサは配置されていない。
【0121】
地下層には、インフラ系の施設として、ガス、ボイラー、非常用設備などがあり、遠隔監視用のセンサである監視カメラが複数台設置されている。機器に付属するアナログメータを映しだし、監視室にてメータ値が正常の範囲にあるかを日常的に確認している。また、地下階への人の出入り状況なども監視している。
【0122】
(2)発生事象
遠隔監視用のセンサ(センサ類20)にて、前日との差分画像の変化量が、閾値を超えていることが検出された。地下階の通常乾いている床が一部、水分で濡れ光っていることが原因であった。先日の大雨の影響で、雨が地下階に入りこんだと思われる事象が発生していると想定された。濡れている床に近い場所に設置されている設備・機器にはボイラーがある。ボイラー周辺が濡れていないかなど、設備状況の確認が必要である。遠隔監視では死角もあり、直接点検員が行って確認することが望ましい状況である。
【0123】
遠隔監視管理サーバ4は、設備状況の確認が必要であることを判別し、巡回点検管理サーバ2に対して、確認が必要な設備の関連情報を送信する。
【0124】
(3)巡回点検ルート(点検日)の変更
直近の定期巡回点検の対象は、10日(火)に上層階巡回となっている状況である。ルート上、定期巡回点検対象外の場所を巡回対象に追加するには、ルート変更量が少ないことが望ましい。
【0125】
現在は、「上層階点検(10日)、中層階点検(11日)、下層階点検(12日)」とスケジューリングされている。ルートを優先すると、下層階の巡回の日、すなわち12日(水)まで、地下層の点検しにいくのを待たなければならない。
【0126】
濡れているかどうかがわからないといけないため、早期の点検が望ましい。点検日程を変更することで、対応可能であることが提示され、再スケジューリングされた。すなわち、直近の10日の点検を下層階とし、追加で地下層の対象場所の目視点検を行うスケジュール変更である。
【0127】
(4)巡回日およびルートの変更
複数の可能な点検スケジュールの候補が表示され、その中で最適として提示された推奨点検スケジュールは、「下層階点検(10日)、中層階点検(11日)、上層階点検(12日)」するもので、以降この順で点検スケジュールを組むものである。
【0128】
管理者は、推奨スケジュールを適切な修正点検スケジュールと判断し、OKとした。
【0129】
(5)点検作業帳票への反映
10日の点検作業帳票には、(1)「下層階の定期点検の項目」への入れ替えおよび、(2)「地下層:(1)ボイラー機器の目視点検、(2)ボイラー周辺の床が濡れている程度がわかる写真撮影」の2項目の一時的な追加が行われた。
【0130】
再スケジュール情報として、サーバ情報の更新および点検員への通知がされた。
【0131】
このようにして、本実施形態のシステムでは、定期巡回点検対象外の場所(施設)の状況に応じて、巡回点検ルート(点検日)の変更を実施して、適切な巡回点検を点検員に実施させることができる。
【0132】
次に、点検用電子機器6において表示される点検作業帳票(設備点検表)の具体例について説明する。
【0133】
図12は、本実施形態における点検用電子機器6に表示された修正前の点検スケジュールに対応する点検作業帳票の一例を示す図である。
【0134】
図12に示す点検作業帳票は、設備点検作業用の帳票であり、電気設備、空調設備、給排水衛生設備、その他、給水設備、電気設備に対して巡回点検を行う点検作業帳票となっている。
【0135】
図13は、本実施形態における点検用電子機器6に表示された修正後の修正点検スケジュールに対応する点検作業帳票の一例を示す図である。
【0136】
図13に示す点検作業帳票では、図12に示す点検作業帳票にガス設備に関する点検項目X1が追加されている。ガス設備は、巡回点検をしていないが、例えば、大雨による漏水が最近あったことが測定結果より判別されたことにより、通常の巡回点検場所と同じ建屋に近接して設置されているガス設備が巡回点検の対象として追加されている。
【0137】
図13では、ガス設備に対する点検項目X1に対する点検結果のデータを入力することで、ガス設備に対する点検データを収集することができる。
【0138】
なお、点検作業帳票に対する点検データの入力だけでなく、報告書の要件を満たすようにデータを入力可能な記載内容(項目)を追加しておくようにしても良い。
【0139】
報告書の種類としては、関連民間部門内で流通する報告書だけでなく、所轄監督庁への報告をする場合も考えられる。そのような報告書のフォーマットも用意されていると、巡回点検記録とともに提出が容易になる。
【0140】
点検用電子機器6において表示する報告書のフォーマットのうち、事故時の報告書の記載事項としては、例えば次の項目を記載する。
【0141】
速報であれば、(1)発生日時と場所、(2)事故発生の電気工作物、(3)原因及び概要、(4)応急措置と復旧対策、(5)復旧予定日時の項目を記載する。
詳細報告書では、(1)事故原因の分析、(2)事故の状況、(3)再発防止対策の項目を記載する。
【0142】
このようにして、点検用の点検用電子機器6及びその巡回点検管理サーバを、対象施設に適合することにより、巡回点検の効率化、関連する記録、報告書の作成時間の短縮を図ることができる。なお、公証役場によるデジタル日付認証を付与することで電子公証し、これらの巡回点検管理データ中の関連する記録、報告書の発行日を中立の第三者が保証するようにしてもよい。
【0143】
図14は、本実施形態における点検用電子機器6に表示された修正後の修正点検スケジュールに対応する点検作業帳票の他の一例を示す図である。
【0144】
図14に示す点検作業帳票では、図12に示す点検作業帳票に、設備備品の点検項目X2,X3,X4が追加されている。
【0145】
追加された点検項目として、消火設備(消化器)の点検項目X2、侵入者がいた可能性があることが判別された柵の状況確認の点検項目X3、及び展示用に使用するパーソナルコンピュータ(PC)の確認の点検項目X4が追加されている。
【0146】
このようにして、施設内の設備機器に限らず、移動可能な物品を巡回点検の対象として追加することができ、また複数の対象物品を一括して、既存の点検スケジュールに追加して巡回点検することができる。
【0147】
図15は、本実施形態における点検用電子機器6に表示された安全パトロール報告書の点検作業帳票の一例を示す図である。
【0148】
表示される内容には、例えば、1.管理体制表、2.管理計画、3.一般管理、4.日常管理、5.墜落転転落災害防止などについてのチェック項目がある。
【0149】
点検用電子機器6の画面に表示される安全パトロール報告書の点検作業帳票を確認しながら施設内を巡回点検して、点検結果を入力していくことができる。
【0150】
安全パトロール報告書には、右上欄に承認欄が設けられている。点検用電子機器6は、電子回覧システムと通信することで連動することで、点検完了時点で、点検場所から電子承認による承認回覧を開始することができる。
【0151】
図15に示す点検作業帳票には、安全パトロール報告書の項目に、例えば図13に示すガス設備に関する点検項目X1と同様の点検項目X5が追加されている。
【0152】
これにより、点検員とは別の警備(保安)係が施設内のパトロールを実施する際に、通常、点検員が実施する設備の巡回点検を、代わりに実施することができる。こうして、点検員と警備(保安)係とが作業を補完する、あるいは点検員あるいは警備(保安)係が、設備点検と施設パトロールの両方を実施することで巡回作業効率の向上を期待することができる。
【0153】
なお、前述した説明では、巡回点検管理サーバ2において点検スケジュール及び修正点検スケジュールの生成をしているが、点検用電子機器6において生成するようにしても良い。この場合、点検用電子機器6は、巡回点検管理サーバ2からスケジュールの生成に必要なデータを通信によって取得し、前述した点検計画生成部10A及び点検計画修正部10Dと同様の処理を実行する。
【0154】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0155】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0156】
2…巡回点検管理サーバ、4…遠隔監視管理サーバ、6…点検用電子機器、10,22,32…制御部、10A…点検計画生成部、10B…点検結果集計部、10C…測定結果収集部、10D…点検計画修正部、10E…点検結果送信部、10F…集計データ出力部、12,24…施設情報/点検設備情報DB、13…点検スケジュール/ルート情報DB、14,26…点検データ/ログ情報DB、16,28,38…通信部、18,36…操作部、20(20-1,…,20-n)…センサ類、19…モバイルセンサ、22A…監視情報収集部、22B…状況判別部、22C…測定結果送信部、32A…点検計画受信部、32B…点検計画表示部、32C…点検結果入力部、32D…点検結果送信部、32E…集計データ表示部、34…点検データDB。
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