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特開2023-91988製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091988
(43)【公開日】2023-07-03
(54)【発明の名称】製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20230626BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20230626BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230626BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B65B57/00 A
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206910
(22)【出願日】2021-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】井口 淳平
(72)【発明者】
【氏名】松田 考世
(72)【発明者】
【氏名】河島 佳彦
【テーマコード(参考)】
3C100
5L096
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA34
3C100AA56
3C100BB12
3C100BB13
3C100BB15
3C100BB17
3C100BB25
3C100BB34
3C100CC02
5L096BA02
5L096BA17
5L096CA02
5L096DA03
5L096FA44
5L096HA02
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】不良品になったおそれがある製品の特定および確認を容易にする。
【解決手段】製造ラインの異常判定装置は、製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得し、製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得し、取得された製造ライン動画像に基づいて製造ラインの異常の有無を判定し、製造ライン動画像の撮像時刻を取得し、識別符号画像の撮像時刻を記録し、製造ラインの異常が発生したと判定された場合に、製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある製品を特定するために、取得された識別符号画像と、取得された製造ライン動画像の撮像時刻と、取得された識別符号画像の撮像時刻とが用いられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得する動画像取得部と、
前記製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得する識別符号画像取得部と、
前記動画像取得部によって取得された前記製造ライン動画像に基づいて前記製造ラインの異常の有無を判定する異常判定部と、
前記製造ライン動画像の撮像時刻を取得する動画像撮像時刻取得部と、
前記識別符号画像の撮像時刻を取得する識別符号画像撮像時刻取得部とを備え、
前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定部が判定した場合に、前記製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある前記製品を特定するために、前記識別符号画像取得部によって取得された前記識別符号画像と、前記動画像撮像時刻取得部によって取得された前記製造ライン動画像の撮像時刻と、前記識別符号画像撮像時刻取得部によって取得された前記識別符号画像の撮像時刻とが用いられる、
製造ラインの異常判定装置。
【請求項2】
前記識別符号画像取得部によって取得された前記識別符号画像に対するOCR(Optical Character Recognition)判定を行うことによって前記識別符号画像に含まれる前記識別符号を識別するOCR判定部を備え、
前記OCR判定部が、前記識別符号画像に含まれる前記識別符号を識別可能である場合には、前記不良品になったおそれがある前記製品を特定するために前記OCR判定部によって識別された前記識別符号が用いられ、
前記OCR判定部が、前記識別符号画像に含まれる前記識別符号を識別不可能である場合には、前記不良品になったおそれがある前記製品を特定するために前記識別符号画像が用いられる、
請求項1に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項3】
前記異常判定部は、前記製造ラインの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行う、
請求項2に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項4】
前記異常判定部は、
前記製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である学習用製造ライン動画像と、前記学習用製造ライン動画像に含まれる前記製造ラインに異常が発生しているか否かを示す情報との組である教師データを用いた教師あり学習を行う、
請求項3に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項5】
前記動画像取得部によって取得された前記製造ライン動画像に前記製造ラインのオペレータが含まれる場合に、前記異常判定部は、前記製造ラインの異常が発生したと判定する、
請求項2に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項6】
前記製造ライン動画像には、前記製造ラインの搬送ユニットによって搬送される前記製品が含まれ、
前記動画像取得部によって取得された前記製造ライン動画像に含まれる前記製品の動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、前記異常判定部は、前記製造ラインの異常が発生したと判定する、
請求項2に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項7】
前記製造ライン動画像には、前記製品を製造する製造ユニットが含まれ、
前記動画像取得部によって取得された前記製造ライン動画像に含まれる前記製造ユニットの動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、前記異常判定部は、前記製造ラインの異常が発生したと判定する、
請求項2に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項8】
前記製品は、外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスであり、
前記製造ラインには、前記バッグインボックスを搬送する搬送ユニットと、前記バッグインボックスを製造する前記製造ユニットとが含まれ、
前記製造ユニットには、前記内袋に内容物を充填する充填部と、前記スパウトに対する前記キャップの開栓および打栓を実行するキャッピング機構と、互いに接続されている状態の複数の内袋を個々の内袋に切断する切断部とが少なくとも含まれ、
前記搬送ユニットには、互いに接続されている状態の前記複数の内袋を前記充填部に供給する内袋供給部と、前記充填部によって内容物が前記内袋に充填される時に前記内袋を支持する充填テーブルを昇降させる昇降部とが少なくとも含まれ、
前記動画像取得部によって取得された前記製造ライン動画像に含まれる前記充填部、前記内袋供給部、前記昇降部、前記キャッピング機構および前記切断部のいずれかの動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、前記異常判定部は、前記製造ラインの異常が発生したと判定する、
請求項7に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項9】
前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定部が判定した場合にアラーム発報を行うアラーム発報部を備える、
請求項2に記載の製造ラインの異常判定装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の前記異常判定装置と、
前記製造ライン動画像を撮像する第1撮像装置と、
前記識別符号画像を撮像する第2撮像装置とを備える製造ラインの異常判定システム。
【請求項11】
製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得する動画像取得ステップと、
前記製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得する識別符号画像取得ステップと、
前記動画像取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像に基づいて前記製造ラインの異常の有無を判定する異常判定ステップと、
前記製造ライン動画像の撮像時刻を取得する動画像撮像時刻取得ステップと、
前記識別符号画像の撮像時刻を取得する識別符号画像撮像時刻取得ステップとを備え、
前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定ステップにおいて判定された場合に、前記製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある前記製品を特定するために、前記識別符号画像取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像と、前記動画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像の撮像時刻と、前記識別符号画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像の撮像時刻とが用いられる、
製造ラインの異常判定方法。
【請求項12】
コンピュータに、
製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得する動画像取得ステップと、
前記製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得する識別符号画像取得ステップと、
前記動画像取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像に基づいて前記製造ラインの異常の有無を判定する異常判定ステップと、
前記製造ライン動画像の撮像時刻を取得する動画像撮像時刻取得ステップと、
前記識別符号画像の撮像時刻を取得する識別符号画像撮像時刻取得ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定ステップにおいて判定された場合に、前記製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある前記製品を特定するために、前記識別符号画像取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像と、前記動画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像の撮像時刻と、前記識別符号画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像の撮像時刻とが用いられる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製造ラインを用いた製品の製造が行われている。例えば特許文献1に記載された技術では、製造ラインにおいて、スパウトが取り付けられた内袋に内容物が充填され、キャップがスパウトに装着され、内袋が外装ボックスに収納されることによって、製品としてのバッグインボックスが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-052582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等は、鋭意研究において、例えば特許文献1に記載された製造ライン等のような製造ラインにおいて製造される製品が不良品になる原因・傾向について検証した。その結果、製造ラインにおいて製品を製造する製造ユニットの動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、不良品が発生する可能性が高くなることを見い出した。また、製造ラインにおいて製造される製品の動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、不良品が発生する可能性が高くなることを見い出した。更に、製造ラインのオペレータに通常とは異なる動き(例えば製造ラインを確認するための動き等)がある場合に、不良品が発生する可能性が高くなることを見い出した。
従来、不良品が発生した場合には、製造ラインにおいて製造される製品が不良品になった時刻の製造ライン監視用動画像の確認が行われ、不良品が発生した原因の調査に役立てられていた。
【0005】
本発明者等は、鋭意研究において、製造ラインにおいて製品を製造する製造ユニットの動きが予め設定された正常な動きと異なるか否かを、人間が判断するのではなく、コンピュータが製造ライン監視用動画像に基づいて判定できることを見い出した。また、製造ラインにおいて製造される製品の動きが予め設定された正常な動きと異なるか否かを、人間が判断するのではなく、コンピュータが製造ライン監視用動画像に基づいて判定できることを見い出した。更に、製造ラインのオペレータに通常とは異なる動きがあるか否かを、人間が判断するのではなく、コンピュータが製造ライン監視用動画像に基づいて判定できることを見い出した。
更に、本発明者等は、鋭意研究において、製造ラインにおいて製造される製品が不良品になった時刻(詳細には、製造ライン監視用動画像の撮像時刻)を記録すると共に、製造ライン上の製品に付加されている識別符号を撮像した識別符号画像の撮像時刻を記録することによって、不良品になったおそれがある製品の特定および確認が各段に容易になることを見い出した。
【0006】
つまり、本発明は、不良品になったおそれがある製品の特定および確認を容易にすることができる製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得する動画像取得部と、前記製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得する識別符号画像取得部と、前記動画像取得部によって取得された前記製造ライン動画像に基づいて前記製造ラインの異常の有無を判定する異常判定部と、前記製造ライン動画像の撮像時刻を取得する動画像撮像時刻取得部と、前記識別符号画像の撮像時刻を取得する識別符号画像撮像時刻取得部とを備え、前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定部が判定した場合に、前記製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある前記製品を特定するために、前記識別符号画像取得部によって取得された前記識別符号画像と、前記動画像撮像時刻取得部によって取得された前記製造ライン動画像の撮像時刻と、前記識別符号画像撮像時刻取得部によって取得された前記識別符号画像の撮像時刻とが用いられる、製造ラインの異常判定装置である。
【0008】
本発明の一態様は、前記異常判定装置と、前記製造ライン動画像を撮像する第1撮像装置と、前記識別符号画像を撮像する第2撮像装置とを備える製造ラインの異常判定システムである。
【0009】
本発明の一態様は、製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得する動画像取得ステップと、前記製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得する識別符号画像取得ステップと、前記動画像取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像に基づいて前記製造ラインの異常の有無を判定する異常判定ステップと、前記製造ライン動画像の撮像時刻を取得する動画像撮像時刻取得ステップと、前記識別符号画像の撮像時刻を取得する識別符号画像撮像時刻取得ステップとを備え、前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定ステップにおいて判定された場合に、前記製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある前記製品を特定するために、前記識別符号画像取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像と、前記動画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像の撮像時刻と、前記識別符号画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像の撮像時刻とが用いられる、製造ラインの異常判定方法である。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータに、製品を製造する製造ラインの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像を取得する動画像取得ステップと、前記製品に付加された識別符号を含む画像である識別符号画像を取得する識別符号画像取得ステップと、前記動画像取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像に基づいて前記製造ラインの異常の有無を判定する異常判定ステップと、前記製造ライン動画像の撮像時刻を取得する動画像撮像時刻取得ステップと、前記識別符号画像の撮像時刻を取得する識別符号画像撮像時刻取得ステップとを実行させるためのプログラムであって、前記製造ラインの異常が発生したと前記異常判定ステップにおいて判定された場合に、前記製造ライン動画像に含まれる不良品になったおそれがある前記製品を特定するために、前記識別符号画像取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像と、前記動画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記製造ライン動画像の撮像時刻と、前記識別符号画像撮像時刻取得ステップにおいて取得された前記識別符号画像の撮像時刻とが用いられる、プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、不良品になったおそれがある製品の特定および確認を容易にすることができる製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSの一例を示す図である。
図2図1に示す異常判定システムSによって異常の有無の判定が行われる製造ラインPLの一例を示す図である。
図3図2に示す製造ラインPLの具体例を示す図である。
図4図3に示す例において撮像装置S1、S2によって撮像される画像の一例を示す図である。
図5図1図4に示す製造ラインの異常判定システムSにおけるデータの流れ等の一例を示す図である。
図6】第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、添付図面を参照し、本発明の製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムの実施形態について説明する。
【0014】
図1は第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSの一例を示す図である。図2図1に示す異常判定システムSによって異常の有無の判定が行われる製造ラインPLの一例を示す図である。
図1および図2に示す例では、製造ラインPLにおいて製品Pが製造される。製品Pには、識別符号PDが付加されている。製造ラインPLには、製品Pを搬送する搬送ユニットPL1(例えばコンベア等)と、製品Pを製造する(つまり、製品Pを完成させるための処理を行う)製造ユニットPL2とが含まれる。
異常判定システムSは、撮像装置S1と、撮像装置S2と、異常判定装置1とを備えている。撮像装置S1は、製品Pを製造する製造ラインPLの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像LM(図4(B)参照)の撮像などを行う。撮像装置S1は、撮像部S1Aと、記録部S1Bとを備えている。撮像部S1Aは、製造ライン動画像LMを撮像する。詳細には、撮像部S1Aは、製造ライン動画像LMのデータ(製造ライン動画像データ)を生成する。記録部S1Bは、撮像部S1Aによって撮像された製造ライン動画像LMの撮像時刻を記録する。詳細には、記録部S1Bは、製造ライン動画像LMの撮像時刻を示すデータ(製造ライン動画像撮像時刻データ)を生成する。
撮像装置S2は、製品Pに付加された識別符号PDを含む画像である識別符号画像DM(図4(A)参照)の撮像などを行う。撮像装置S2は、撮像部S2Aと、記録部S2Bとを備えている。撮像部S2Aは、識別符号画像DMを撮像する。詳細には、撮像部S2Aは、識別符号画像DMのデータ(識別符号画像データ)を生成する。記録部S2Bは、撮像部S2Aによって撮像された識別符号画像DMの撮像時刻を記録する。詳細には、記録部S2Bは、識別符号画像DMの撮像時刻を示すデータ(識別符号画像撮像時刻データ)を生成する。
【0015】
異常判定装置1は、動画像取得部1Aと、識別符号画像取得部1Bと、異常判定部1Cと、動画像撮像時刻取得部1Dと、識別符号画像撮像時刻取得部1Eと、OCR(Optical Character Recognition)判定部1Fと、アラーム発報部1Gとを備えている。
動画像取得部1Aは、撮像装置S1の撮像部S1Aによって撮像された製造ライン動画像LMを取得する。詳細には、動画像取得部1Aは、撮像部S1Aによって生成された製造ライン動画像データを取得する。
識別符号画像取得部1Bは、撮像装置S2の撮像部S2Aによって撮像された識別符号画像DMを取得する。詳細には、識別符号画像取得部1Bは、撮像部S2Aによって生成された識別符号画像データを取得する。
【0016】
異常判定部1Cは、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLの異常の有無を判定する。詳細には、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行う。具体的には、異常判定部1Cは、製造ラインPLの少なくとも一部を含む動画像である学習用製造ライン動画像と、学習用製造ライン動画像に含まれる製造ラインPLに異常が発生しているか否かを示す情報との組である教師データを用いた教師あり学習を行う。
そのため、教師あり学習を行った異常判定部1Cは、製造ラインPLに異常が発生した時に、製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLに異常が発生したと判定することができる。また、教師あり学習を行った異常判定部1Cは、製造ラインPLに異常が発生していない時に、製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLに異常が発生していないと判定することができる。
【0017】
動画像撮像時刻取得部1Dは、撮像装置S1の記録部S1Bによって記録された製造ライン動画像LMの撮像時刻を取得する。詳細には、動画像撮像時刻取得部1Dは、記録部S1Bによって生成された製造ライン動画像撮像時刻データを取得する。
識別符号画像撮像時刻取得部1Eは、撮像装置S2の記録部S2Bによって記録された識別符号画像DMの撮像時刻を取得する。詳細には、識別符号画像撮像時刻取得部1Eは、記録部S2Bによって生成された識別符号画像撮像時刻データを取得する。
そのため、図1および図2に示す例では、製造ラインPLに異常が発生したと異常判定部1Cが判定した場合に、例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などは、動画像撮像時刻取得部1Dによって取得された製造ライン動画像LMの撮像時刻と、識別符号画像撮像時刻取得部1Eによって取得された識別符号画像DMの撮像時刻と、製造ライン動画像LMに含まれる製品Pの位置と識別符号画像DMに含まれる製品Pの位置との間を移動する製品Pの移動所要時間と、識別符号画像取得部1Bによって取得された識別符号画像DMに含まれる製品Pに付加された識別符号PDとを用いることによって、製造ライン動画像LMに含まれる不良品になったおそれがある製品Pを特定することができる。
つまり、図1および図2に示す例では、製造ラインPLに異常が発生したと異常判定部1Cが判定した場合に、例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などは、不良品になったおそれがある製品Pの特定および確認を容易に行うことができる。
【0018】
また、図1および図2に示す例では、OCR判定部1Fが、識別符号画像取得部1Bによって取得された識別符号画像DMに対するOCR判定を行うことによって識別符号画像DMに含まれる識別符号PDを識別する。
OCR判定部1Fが識別符号画像DMに含まれる識別符号PDを識別可能である場合には、製造ラインPLに異常が発生したと異常判定部1Cが判定したときに不良品になったおそれがある製品Pを特定するために、OCR判定部1Fによって識別された識別符号PDが用いられる。一方、OCR判定部1Fが識別符号画像DMに含まれる識別符号PDを識別不可能である場合には、製造ラインPLに異常が発生したと異常判定部1Cが判定したときに不良品になったおそれがある製品Pを特定するために、識別符号画像DMが用いられる。
アラーム発報部1Gは、製造ラインPLの異常が発生したと異常判定部1Cが判定した場合に例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などに対するアラーム発報を行う。アラーム発報部1Gがアラーム発報を行った場合に、製造ラインPLが停止させられてもよい。
【0019】
図3図2に示す製造ラインPLの具体例を示す図である。
図3に示す例では、製造ラインPLにおいて製造される製品Pが、バッグインボックスBであり、製造ラインPLが、バッグインボックス充填機11によって構成されている。
バッグインボックスBは、外装ボックスB1と、外装ボックスB1内に収納される内袋B2と、内袋B2に取り付けられたスパウトB21と、スパウトB21に装着されるキャップB3とを有する。バッグインボックス充填機11は、バッグインボックスBに内容物を充填する。
製造ラインPL(バッグインボックス充填機11)には、バッグインボックスBを搬送する搬送ユニットPL1と、バッグインボックスBを製造する(つまり、バッグインボックスBを完成させるための処理を行う)製造ユニットPL2とが含まれる。
製造ユニットPL2には、内袋B2に内容物を充填する充填部112、スパウトB21に対するキャップB3の開栓および打栓を実行するキャッピング機構(例えば特開2018-138464号公報等参照)、互いに接続されている状態の複数の内袋B2を個々の内袋B2に切断する切断部114等が含まれる。
搬送ユニットPL1には、互いに接続されている状態の複数の内袋B2を充填部112に供給する内袋供給部111、充填部112によって内容物が内袋B2に充填される時に内袋B2を支持する充填テーブル112Cを昇降させる昇降部112D等が含まれる。
【0020】
充填部112は、タンク112Eと、ポンプ11Bと、流量計11Cと、充填ノズル112Aとを備えている。
タンク112Eは、内袋B2に充填される内容物を収容している。ポンプ11Bは、タンク112Eに収容されている内容物を充填ノズル112Aに供給する。流量計11Cは、ポンプ11Bによって供給される内容物の流量などを測定する。
充填ノズル112Aは、スパウトB21に挿入可能に構成されており、ポンプ11Bによって供給された内容物を内袋B2に充填する。
【0021】
充填テーブル112Cは、内袋B2に充填された内容物の量が増加するに従って、昇降部112Dによって下降させられる。
キャッピング機構は、充填部112による内容物の充填の開始前にキャップB3の開栓を実行し、充填部112による内容物の充填の終了後にキャップB3の打栓を実行する。
切断部114は、ミシン目を有する接続部を介して互いに接続されている複数の内袋B2をミシン目の位置で切断して個々の内袋B2に分離する。切断部114は、カッタ114Aと、カッタ114Aを昇降させる昇降部114Bとを備えている。
投入部115は、充填部112によって内容物が充填され、切断部114によって切断された内袋B2を外装ボックスB1内に投入する。
【0022】
図4図3に示す例において撮像装置S1、S2によって撮像される画像の一例を示す図である。詳細には、図4(A)は図3に示す例において撮像装置S2の撮像部S2Aによって撮像される識別符号画像DM(製品P(詳細には、内袋B2)に付加された識別符号PDを含む画像)の一例を示しており、図4(B)は図3に示す例において撮像装置S1の撮像部S1Aによって撮像される製造ライン動画像LM(製造ラインPL(詳細には、バッグインボックス充填機11)の一部を含む動画像)の一例を示している。
図3および図4に示す例では、撮像装置S2の撮像部S2Aが、バッグインボックス充填機11の充填部112よりも上流側(図3の右側)の位置において、上方(図3の上側)から識別符号画像DM(内袋B2に付加された識別符号PDを含む画像)を撮像する。撮像装置S1の撮像部S1Aは、バッグインボックス充填機11の例えば前方(図3の手前側)から製造ライン動画像LMを撮像する。製造ライン動画像LMには、製造ラインPLの搬送ユニットPL1(例えば内袋供給部111、昇降部112D等)によって搬送される製品P(内袋B2)が含まれる。更に、製造ライン動画像LMには、製品P(バッグインボックスB)を製造する製造ユニットPL2(例えば充填部112、キャッピング機構、切断部114等)が含まれる。
【0023】
図5図1図4に示す製造ラインの異常判定システムSにおけるデータの流れ等の一例を示す図である。
図5に示す例では、バッグインボックス充填機11の制御装置(例えば充填機本体PLC(Programmable Logic Controller)等)が、異常判定装置1のOCR判定部1F(例えばOCR判定コントローラ制御PLC等)に対して識別符号画像DMの撮像タイミングを示す検出トリガーを出力する。次いで、OCR判定部1Fは、検出トリガーに基づいて、撮像装置S2の撮像部S2Aに対して識別符号画像DMの撮像要求を出力する。次いで、撮像部S2Aが、撮像要求に基づいて識別符号画像DMを撮像し、識別符号画像データを出力する。次いで、OCR判定部1Fは、識別符号画像DMに対するOCR判定を行うことによって識別符号画像DMに含まれる識別符号PDを識別する(つまり、識別符号PDの印字データを生成する)。また、OCR判定部1Fは、識別符号PDを識別不可能である場合に不良品になったおそれがある製品Pの特定に用いられる識別符号画像データを記憶装置に保存する。
【0024】
また、図5に示す例では、撮像装置S1の撮像部S1Aが、製造ライン動画像LMを撮像し、製造ライン動画像データを出力する。次いで、異常判定部1C(例えばAI(Artificial Intelligence)エンジン搭載PC(Personal Computer))は、製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLの異常の有無を判定し、判定結果をバッグインボックス充填機11の制御装置に出力する。また、異常判定部1Cは、製造ライン動画像データを保存する。
バッグインボックス充填機11には、警報ランプ、監視用画面などが備えられている。バッグインボックス充填機11の制御装置、OCR判定部1Fおよび異常判定部1Cは、上位システムPLCに接続されている。また、上位システムPLCは、LAN(Local Area Network)を介して事務所(つまり、バッグインボックス充填機11から離れた位置)の複数の収集データ閲覧用(監視用)PCに接続されている。
【0025】
つまり、図5に示す例では、製品P(バッグインボックスB)が不良品になる際に生じがちな機械(製造ユニットPL2)、製品P、人(製造ラインPLのオペレータ)の通常とは異なる動きがAIで事前検知され、不良品の原因調査と流出防止に役立てられる。また、内袋B2ごとの個体番号(製品Pに付加された識別符号PD)をOCRカメラ(撮像装置S2の撮像部S2A)によってデジタルデータとして取得し、動画データ(製造ライン動画像LMのデータ)と紐づけることにより、早急な製造履歴が確認可能となり早期の原因発見、波及範囲の特定につなげることができる。
更に、機械(製造ユニットPL2)が通常とは異なる動きをした場合には、異常判定部1Cの判定結果などが、機械(製造ユニットPL2)の故障の原因調査や予防保全に役立てられる。製品P(バッグインボックスBの内袋B2など)が通常とは異なる動きをした場合には、異常判定部1Cの判定結果などに基づいて、袋生産工程の異常を検知することができる。人(製造ラインPLのオペレータ)が通常とは異なる動きをした場合には、人の間違った動作を教育するためのツールとして活用することができる。
【0026】
図6は第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6に示す例では、ステップS11において、異常判定装置1の識別符号画像取得部1Bが、製品Pに付加された識別符号PDを含む画像である識別符号画像DMを取得する。
ステップS12では、異常判定装置1の識別符号画像撮像時刻取得部1Eが、識別符号画像DMの撮像時刻を取得する。
ステップS13では、異常判定装置1の動画像取得部1Aが、製品Pを製造する製造ラインPLの少なくとも一部を含む動画像である製造ライン動画像LMを取得する。
ステップS14では、異常判定装置1の動画像撮像時刻取得部1Dが、製造ライン動画像LMの撮像時刻を取得する。
ステップS15では、異常判定装置1の異常判定部1Cが、ステップS13において取得された製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLの異常の有無(製品Pが不良品になったおそれの有無)を判定する。
製造ラインPLの異常が発生したとステップS15において判定された場合には、製造ライン動画像LMに含まれる不良品になったおそれがある製品Pを特定するために、ステップS11において取得された識別符号画像DMと、ステップS12において取得された識別符号画像DMの撮像時刻と、ステップS14において取得された製造ライン動画像LMの撮像時刻とが用いられる。
【0027】
上述したように、第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSでは、AI検査を導入することによって、異常判定装置1の異常判定部1Cが、機械(製造ユニットPL2)、製品P、人(製造ラインPLのオペレータ)の通常の正常動作とは異なる動きを発見し、異常判定装置1のアラーム発報部1Gがアラームを発生することによって、不良品の流出が抑制される。
また、第1実施形態の製造ラインの異常判定システムSでは、OCRカメラ(撮像装置S2の撮像部S2A)がフィルム全体(フィルムロット番号(識別符号PD)が付加された内袋B2の全体)を撮像し、異常判定装置1の識別符号画像取得部1Bが、フィルム全体の画像(識別符号PDを含む画像である識別符号画像DM)を取得する。異常判定装置1のOCR判定部1Fは、識別符号画像DMに対するOCR判定を行うことによって識別符号画像DMに含まれる識別符号PD(フィルムロット番号)を識別する。
その結果、製造ライン動画像LMに含まれる製品P(つまり、不良品になったおそれがある製品P)に付加されている識別符号PD(フィルムロット番号)と、OCRカメラ(撮像装置S2の撮像部S2A)によって撮像された識別符号画像DMに含まれる識別符号PD(フィルムロット番号)とを紐づけることによって、不良品になったおそれがある製品Pを容易に特定することができる。
【0028】
図5に示す例のように管理状態をネットワーク(LAN)で繋ぐことによって、設備(製造ラインPL)の一括監視が可能となり、製造ラインPLの管理者などが製品Pの製造現場(製造ラインPL)に出向かなくても、製造履歴、不良品を確認することができる。
AI動画検査用のカメラ(撮像装置S1の撮像部S1A)だけでは、エラーの切り分けが難しいが、AI動画検査用のカメラとOCRカメラ(撮像装置S2の撮像部S2A)とを組み合わせることによって、バッグインボックスBの内袋B2の1つ1つの不良の原因を容易に把握することができる。
【0029】
上述したように、第1実施形態の製造ラインの異常判定システムSでは、製品P(バッグインボックスB)の不良品の流出を抑制することにより、品質保証レベルを向上させることができる。
また、製品P(バッグインボックスB)の不良品が発生した時における製造履歴の確認作業を短縮することができる。
【0030】
<第2実施形態>
以下、本発明の製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、後述する点を除き、上述した第1実施形態の製造ラインの異常判定システムSと同様に構成されている。従って、第2実施形態の製造ラインの異常判定システムSによれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の製造ラインの異常判定システムSと同様の効果を奏することができる。
【0031】
第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、図1に示す製造ラインの異常判定システムSと同様に構成されている。第2実施形態の製造ラインの異常判定システムSは、製造ラインPL(図2参照)の異常の有無の判定を行う。
【0032】
第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1と同様に、異常判定部1Cが、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLの異常の有無を判定する。
詳細には、上述したように、第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、異常判定部1Cが、製造ラインPLの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行う。
一方、第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、異常判定部1Cが、製造ラインPLの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行わない。
【0033】
第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに製造ラインPLのオペレータが含まれる場合に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
製造ラインPLのオペレータは、通常、撮像装置S1の撮像部S1Aの撮像範囲内に存在しないが、製造ラインPLの異常・不調などを感じ取った時に製造ラインPLに近づくからである。
【0034】
また、第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに含まれる製品Pの動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
製品Pは、通常、等速運動をしたり、周期的に速度が変化したりする動き(予め設定された動き)をするが、製造ラインPLに異常が発生すると、製品Pの動きが、予め設定された動きではなくなるからである。
【0035】
更に、第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに含まれる製造ユニットPL2(例えば充填部112、キャッピング機構、切断部114等)の動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合(例えば製造ユニットPL2が劣化し、製造ユニットPL2の動作スピードが遅くなる場合など)に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
製造ユニットPL2は、通常、予め設定された動きをするが、例えば製造ユニットPL2が劣化した場合などのような異常時には、製造ユニットPL2の動きが、予め設定された動きではなくなるからである。
第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1が図3に示すバッグインボックス充填機11に適用される例では、例えば、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに含まれる充填部112、内袋供給部111、昇降部112D、キャッピング機構および切断部114のいずれかの動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
【0036】
第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、製造ラインPLに異常が発生した(おそれがある)と異常判定部1Cが判定した場合に、例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などは、動画像撮像時刻取得部1Dによって取得された製造ライン動画像LMの撮像時刻と、識別符号画像撮像時刻取得部1Eによって取得された識別符号画像DMの撮像時刻と、製造ライン動画像LMに含まれる製品Pの位置と識別符号画像DMに含まれる製品Pの位置との間を移動する製品Pの移動所要時間と、識別符号画像取得部1Bによって取得された識別符号画像DMに含まれる製品Pに付加された識別符号PDとを用いることによって、製造ライン動画像LMに含まれる不良品になったおそれがある製品P(バッグインボックスBまたは内袋B2)を特定することができる。
つまり、第2実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、製造ラインPLに異常が発生した(おそれがある)と異常判定部1Cが判定した場合に、例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などは、不良品になったおそれがある製品P(バッグインボックスBまたは内袋B2)の特定および確認を容易に行うことができる。
【0037】
<第3実施形態>
以下、本発明の製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、後述する点を除き、上述した第1実施形態の製造ラインの異常判定システムSと同様に構成されている。従って、第3実施形態の製造ラインの異常判定システムSによれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の製造ラインの異常判定システムSと同様の効果を奏することができる。
【0038】
第3実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、図1に示す製造ラインの異常判定システムSと同様に構成されている。第3実施形態の製造ラインの異常判定システムSは、製造ラインPL(図2参照)の異常の有無の判定を行う。
【0039】
上述したように第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、バッグインボックスB(製品P)の製造ラインPL(バッグインボックス充填機11)の異常の有無の判定を行う。
一方、第3実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、バッグインボックスB以外の製品P(例えば自動車部品、加工食品など)の製造ラインPLの異常の有無の判定を行う。
【0040】
第3実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSでは、第1実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSと同様に、異常判定部1Cが、製造ラインPLの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行い、教師あり学習を行った異常判定部1Cが、製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPLの異常の有無を判定する。
そのため、製造ラインPLに異常が発生したと異常判定部1Cが判定した場合に、例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などは、製造ライン動画像LMの撮像時刻と、識別符号画像DMの撮像時刻と、製造ライン動画像LMに含まれる製品Pの位置と識別符号画像DMに含まれる製品Pの位置との間を移動する製品Pの移動所要時間と、識別符号画像DMに含まれる製品Pに付加された識別符号PD(OCR判定部1Fによって識別される識別符号PD)とを用いることによって、製造ライン動画像LMに含まれる不良品になったおそれがある製品Pの特定および確認を容易に行うことができる。
【0041】
<第4実施形態>
以下、本発明の製造ラインの異常判定装置、製造ラインの異常判定システム、製造ラインの異常判定方法およびプログラムの第4実施形態について説明する。
第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、後述する点を除き、上述した第3実施形態の製造ラインの異常判定システムSと同様に構成されている。従って、第4実施形態の製造ラインの異常判定システムSによれば、後述する点を除き、上述した第3実施形態の製造ラインの異常判定システムSと同様の効果を奏することができる。
【0042】
第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSは、図1に示す製造ラインの異常判定システムSと同様に構成されている。第4実施形態の製造ラインの異常判定システムSは、製造ラインPL(図2参照)の異常の有無の判定を行う。
【0043】
第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、第3実施形態の製造ラインの異常判定装置1と同様に、異常判定部1Cが、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに基づいて製造ラインPL(バッグインボックスB以外の製品Pの製造ラインPL)の異常の有無を判定する。
詳細には、上述したように、第3実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、異常判定部1Cが、製造ラインPLの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行う。
一方、第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、異常判定部1Cが、製造ラインPLの異常の有無の判定に用いられる判定基準の学習を行わない。
【0044】
第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに製造ラインPLのオペレータが含まれる場合に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
製造ラインPLがバッグインボックスB以外の製品Pの製造ラインPLであっても、製造ラインPLのオペレータは、通常、撮像装置S1の撮像部S1Aの撮像範囲内に存在せず、製造ラインPLの異常・不調などを感じ取った時に製造ラインPLに近づくからである。
【0045】
また、第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに含まれる製品Pの動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
製品PがバッグインボックスB以外の製品Pであっても、製品Pは、通常、等速運動をしたり、周期的に速度が変化したりする動き(予め設定された動き)をし、製造ラインPLに異常が発生すると、製品Pの動きが、予め設定された動きではなくなるからである。
【0046】
更に、第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1では、動画像取得部1Aによって取得された製造ライン動画像LMに含まれる製造ユニットPL2の動きが、予め設定された正常な動きとは異なる場合(例えば製造ユニットPL2が劣化し、製造ユニットPL2の動作スピードが遅くなる場合など)に、異常判定部1Cは、製造ラインPLの異常が発生した(おそれがある)と判定する。
製造ラインPLがバッグインボックスB以外の製品Pの製造ラインPLであっても、製造ユニットPL2は、通常、予め設定された動きをし、例えば製造ユニットPL2が劣化した場合などのような異常時に、製造ユニットPL2の動きが、予め設定された動きではなくなるからである。
【0047】
第4実施形態の製造ラインの異常判定装置1が適用された製造ラインの異常判定システムSにおいても、製造ラインPLに異常が発生したと異常判定部1Cが判定した場合に、例えば製造ラインPLのオペレータ、管理者などは、製造ライン動画像LMの撮像時刻と、識別符号画像DMの撮像時刻と、製造ライン動画像LMに含まれる製品Pの位置と識別符号画像DMに含まれる製品Pの位置との間を移動する製品Pの移動所要時間と、識別符号画像DMに含まれる製品Pに付加された識別符号PD(OCR判定部1Fによって識別される識別符号PD)とを用いることによって、製造ライン動画像LMに含まれる不良品になったおそれがある製品Pの特定および確認を容易に行うことができる。
【0048】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0049】
なお、上述した実施形態における製造ラインの異常判定装置1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…異常判定装置、1A…動画像取得部、1B…識別符号画像取得部、1C…異常判定部、1D…動画像撮像時刻取得部、1E…識別符号画像撮像時刻取得部、1F…OCR判定部、1G…アラーム発報部、S…異常判定システム、S1…撮像装置、S1A…撮像部、S1B…記録部、S2…撮像装置、S2A…撮像部、S2B…記録部、PL…製造ライン、PL1…搬送ユニット、PL2…製造ユニット、P…製品、PD…識別符号
図1
図2
図3
図4
図5
図6