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  • 特開-火災感知器 図1
  • 特開-火災感知器 図2
  • 特開-火災感知器 図3A
  • 特開-火災感知器 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093886
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】火災感知器
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/06 20060101AFI20230628BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G08B17/06 A
G08B17/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209005
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】内田 真道
(72)【発明者】
【氏名】水谷 顕治
【テーマコード(参考)】
5C085
5G405
【Fターム(参考)】
5C085CA18
5C085CA21
5C085CA26
5G405AA01
5G405CA18
5G405CA30
5G405CA36
5G405CA55
(57)【要約】
【課題】火災感知器にアドレス設定をする際の時間をより短縮することが可能な火災感知器を提供する。
【解決手段】火災受信機と通信可能であり、制御手段4と、通信手段3と、電流制限手段2と、を備えた火災感知器1において、通信手段3を、火災感知器1が、該火災受信機と、アドレス設定器と、のどちらに接続されたか認識可能に設け、電流制限手段2を、火災感知器1の回路に電流制限を掛けるものとし、制御手段4を、通信手段3が、該火災受信機に接続されたと認識した時は該電流制限を掛けた状態とし、該アドレス設定器に接続されたと認識した時は該電流制限を解除した状態とするものとする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災受信機と通信可能であり、制御手段と、通信手段と、電流制限手段と、を備えた火災感知器であって、
該通信手段は、該火災感知器が、該火災受信機と、アドレス設定器と、のどちらに接続されたか認識可能に設けられ、
該電流制限手段は、該火災感知器の回路に電流制限を掛けており、
該制御手段は、該通信手段が、該火災受信機に接続されたと認識した時は該電流制限を掛けた状態とし、該アドレス設定器に接続されたと認識した時は該電流制限を解除した状態とすることを特徴とする火災感知器。
【請求項2】
前記通信手段は、更に、前記火災受信機と前記火災感知器との通信方式である第1の通信方式と、該第1の通信方式とは異なる第2の通信方式と、の少なくとも2種の通信方式による通信を認識可能に設けられ、
前記制御手段は、該通信手段が、少なくとも該第2の通信方式による通信を受信した時、又は後に、前記電流制限を一時的に解除することを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。
【請求項3】
設定データが記憶された記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記通信手段が、前記電流制限が解除された状態で、該設定データの展開を開始することを特徴とする請求項2に記載の火災感知器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記憶手段が、前記設定データを展開するタイミングを前記火災感知器ごとに変えることを特徴する請求項3に記載の火災感知器。
【請求項5】
前記火災感知器は、充電手段を更に備え、
前記電流制限の解除状態の時に、該充電手段により充電を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の火災感知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災感知器に関し、より詳細には、火災受信機と通信可能となっている火災感知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、火災受信機と通信可能に設けられた火災感知器がある。通常、自動火災報知設備は、回線を介して、該火災受信機に複数の該火災感知器が接続させる様に構成されるものであるため、各火災感知器を認識するために、該火災感知器には、その一つ一つにアドレスが設定されている。このアドレスの設定は、アドレス設定器を用いて行われるものとなっている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-190097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、火災感知器のアドレスの設定をする際は、該火災感知器の回路上のマイコン等に記憶されたアドレス設定用のプログラム及びアドレスを含む設定データの展開が必要となる。該設定データの展開には、比較的大きな量の電流を必要とする。
【0005】
一方、自動火災報知設備の火災受信機の一つとして、P型受信機がある。P型受信機においては、回線に流れる電流の量によって、火災か、正常か、を判断しており、該回線に流れる電流の量が閾値より多いと火災と判定し、逆に、閾値より少ないと正常と判断する様になっている。そのため、P型受信機に接続される火災感知器においては、その回路に制限なく電流を流すと、回線に流れる電流の量が増加し、誤って火災と判定することに繋がってしまうため、予め、回路に流れる電流の量に制限が掛けられている。
【0006】
この電流制限によって、火災感知器の回路に流れる電流の量は、設定データの展開に必要とされる電流の量を下回ることになるため、従来の火災感知器においては、該設定データの展開に必要される動力を確保するために、回路上にコンデンサを設け、該コンデンサを充電する必要があるものとなっている。
【0007】
しかしながら、このコンデンサへの充電も回路に電流制限が掛けられた状態で行われることとなるため、設定データの展開に必要とされる電流の量を確保可能となるまでコンデンサを充電するまでには、比較的時間が掛かることとなる。
【0008】
そのため、特に、P型受信機に接続される火災感知器においては、アドレス設定をする際に、回路の電流制限により、コンデンサの充電及び設定データの展開に時間が掛かり、総じて、アドレス設定に時間が掛かるという問題があった。即ち、この時間が、火災感知器がアドレス設定器に接続されてから、アドレス設定完了までのアドレス設定に要する時間のボトルネックとなってしまっている。
【0009】
そこで、本発明は、火災感知器にアドレス設定をする際の時間をより短縮することが可能な火災感知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、火災受信機と通信可能であり、制御手段と、通信手段と、電流制限手段と、を備えた火災感知器であって、該通信手段は、該火災感知器が、該火災受信機と、アドレス設定器と、のどちらに接続されたか認識可能に設けられ、該電流制限手段は、該火災感知器の回路に電流制限を掛けており、該制御手段は、該通信手段が、該火災受信機に接続されたと認識した時は該電流制限を掛けた状態とし、該アドレス設定器に接続されたと認識した時は該電流制限を解除した状態とすることを特徴とする火災感知器である。
【0011】
更に、本発明は、前記通信手段を、更に、前記火災受信機と前記火災感知器との通信方式である第1の通信方式と、該第1の通信方式とは異なる第2の通信方式と、の少なくとも2種の通信方式による通信を認識可能に設け、前記制御手段を、該通信手段が、少なくとも該第2の通信方式による通信を受信した時、または後に、前記電流制限を一時的に解除するものとすることが可能である。
【0012】
そして、本発明は、設定データが記憶された記憶手段を更に備えるものとし、前記制御手段は、前記通信手段が、前記電流制限が解除された状態で、該設定データの展開を開始するものとすることが可能である。又、本発明は、前記制御手段を、前記記憶手段が、前記設定データを展開するタイミングを前記火災感知器ごとに変えるものとすることが可能である。又、本発明は、前記火災感知器が、充電手段を更に備えるものとし、前記電流制限の解除状態の時に、該充電手段により充電を行うものとすることが可能である。
【0013】
尚、本発明において、「第1の」及び「第2の」という表現を用いているが、該表現は、単に、本発明の構成を区別するために用いられているに過ぎず、その数字や順番には特に意味はないものである。尚、以下の説明に出てくる「第3の」についても同様である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、火災感知器の通信手段を、火災受信機とアドレス設定器のどちらかに接続されたかを認識可能に設け、アドレス設定器に設定されたと認識した際に火災感知器の回路の電流制限を一時的に解除するものとしたため、アドレス設定をする際に回路に流れる電流の量をより多くすることが可能であり、それによって、火災受信機のアドレス設定に掛かる時間をより短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態を用いた自動火災報知設備の略図である。
図2】本実施形態のブロック図である。
図3A】本実施形態のフロー図であり、アドレス設定工程の前半を示す図である。
図3B】本実施形態のフロー図であり、アドレス設定工程の後半を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図1乃至図3に基づき説明する。先ず、火災感知器1(以下、感知器1と略記する)の構成について説明する。感知器1は、回線Tを介して、火災受信機R(以下、受信機Rと略記する)と通信可能に接続できる様に設けられ、受信機Rと共に自動火災報知設備の一部を構成しており、各感知器1を識別するために、感知器1には、アドレスが設定される。
【0017】
受信機Rは、公知の火災受信機を適宜採用することが可能であり、本実施形態において、受信機Rは、P型受信機として構成されている。そのため、受信機Rは、回線Tに流れる電流の量に基づき火災の有無を判断するものとなっており、回線Tに流れる電流の量が閾値よりも高い場合に火災と判断し、回線Tに流れる電流の量が閾値よりも低い場合、正常と判断するものとなっている。
【0018】
感知器1は、そのアドレスを設定するためにアドレス設定器Aと接続可能に設けられており、電流制限手段2と、通信手段3と、制御手段4と、を備えており、本実施形態においては、更に、充電手段5と、アドレス設定手段6と、スイッチ手段7と、蓄電手段8と、を備えている。尚、感知器1の種類、例えば、煙感知器、熱感知器や炎感知器等、は特に問われないものであり、特に、説明をしていない部分については、公知の構成を適宜採用可能である。
【0019】
電流制限手段2は、感知器1の回路に電流制限を掛けており、それによって、回線Tに流れる電流の量が増加するのを防止し、誤検知を防ぐために設けられている。本実施形態においては、電流制限手段2は、スイッチ手段7を有している。スイッチ手段7は、感知器1の通電のオンとオフに切り替えるために設けられている。
【0020】
通信手段3は、受信機R又はアドレス設定器Aと通信をするために設けられており、感知器1が、受信機Rとアドレス設定器Aとのどちらに接続されたかを認識可能に設けられている。
【0021】
本実施形態において、通信手段3は、少なくとも2種の通信方式による通信を認識可能に設けられている。該少なくとも2種の通信方式の内の1つは、受信機Rとの通信に用いられている通信方式(以下、第1の通信方式という)となっており、他の通信方式は、該第1の通信方式とは異なる通信方式(以下、第2の通信方式という)となっている。
【0022】
又、通信手段3は、前記第2の通信方式による通信を受信した際に、アドレス設定器Aに接続したと認識する様になっており、それ以外の状態、つまり、デフォルトでは、受信機Rに接続されたと認識する様になっている。
【0023】
更に、本実施形態においては、通信手段3は、前記第1の通信方式による通信については、応答可能に、即ち、受信と送信の双方向の通信となっている。又、通信手段3は、前記第2の通信方式による通信については、応答しない様になっており、受信のみの単方向の通信となっている。尚、通信手段3は、該第2の通信方式による通信についても、送信可能となっているか否かは特に問われるものではなく、該第2の通信方式による通信に対して応答するものとすることも可能である。
【0024】
前記第1の通信方式は、本実施形態においては、受信機RがP型受信機である関係上、P型受信機との通信に用いられる通信方式となっている。又、前記第2の通信方式は、本実施形態においては、アドレス設定器Aが、P型受信機に接続される火災感知器とR型受信機に接続される火災感知器とで共用可能に設けられているため、R型受信機との通信に用いられる通信方式が採用されている。
【0025】
充電手段5は、特に、電流制限手段2による電流制限が解除された際に、回路上の蓄電手段8を充電するように設けられている。本実施形態において、充電手段5は、電流制限手段2による電流制限の有無を問わずに、回路上に流れる電流の量に応じて、蓄電手段8を充電する様に構成されている。蓄電手段8は、本実施形態においては、感知器1の回路上に実装されたコンデンサとして設けられており、アドレスを設定する際の動力を確保するために設けられている。
【0026】
アドレス設定手段6は、記憶手段9を有しており、記憶手段9には、アドレス設定用プログラムに展開可能な設定データが記録されている。該設定データには、該プログラム及び設定値(本実施形態においては、アドレス)が含まれている。本実施形態において、記憶手段9は、感知器1に設定されたアドレスを記憶する役割も担っている。
【0027】
制御手段4は、感知器1を制御するための手段、例えば、マイコン等であり、少なくとも、感知器1の回路の電流制限を制御する役割を担っている。具体的に述べれば、制御手段4は、通信手段3が、感知器1が受信機Rに接続されたと認識した時に、回路に電流制限を掛けた状態とし、アドレス設定器に接続されたと認識した時に、回路の電流制限を解除した状態とする様になっている。
【0028】
本実施形態においては、制御手段4は、通信手段3が、前記第2の通信方式による通信を受信した時又はその後に前記回路の電流制限を解除する様になっており、その際に、記憶手段9に記録された、前記設定データの展開を開始する様になっている。
【0029】
次に、本実施形態における感知器1のアドレス設定方法について説明する。
(1)感知器1をアドレス設定器Aに接続し、アドレス設定器Aの電源を入れる。この際、感知器1には、電流制限手段2によって電流制限が掛けられた状態で、動力が供給されることになる。又、充電手段5は、電流制限が掛けられた状態で前記回路上に流れる電流によって、蓄電手段8の充電を開始し、蓄電手段8には、徐々に蓄電されていく。
【0030】
(2)アドレス設定器Aは、感知器1に対して、前記第1の通信方式による通信と、前記第2の通信方式による通信と、を交互に繰り返し、各通信方式で、起動コマンドの伝送(S)をする。感知器1は、アドレス設定器Aより、通信手段3が該第2の通信方式による通信を受信した時またはその後に、アドレス設定器Aに接続されたものと認識し、制御手段4は、電流制限手段2による回路の電流制限を一時的に解除する。尚、前記第1の通信方式による通信と、前記第2の通信方式による通信と、の何方を先にするかは、適宜選択可能である。
【0031】
(3)充電手段5は、回路の電流制限が解除された状態で、回路上の蓄電手段8の充電を開始する。記憶手段9は、蓄電手段8の充電と並行して及び/又は蓄電手段8の充電が完了後、回路の電流制限が解除された状態で、前記設定データの展開を行う。
【0032】
この際、電流制限が解除されたことで、回路上を流れる電流の量が前記設定データの展開に要する電流の量を上回っているため、記憶手段9は、回路上を流れる電流及び/又は蓄電手段8に充電された電荷を利用して前記設定データを展開することが可能となっている。
【0033】
(4)その後、通信手段3は、前記第1の通信方式による通信により伝送(S)された起動コマンドを、アドレス設定器Aより受信すると、アドレス設定器Aに対して応答(S)を行う。アドレス設定器Aは、応答(S)を受信すると、該第1の通信方式による通信で、感知器1に対してアドレス設定用コマンドの伝送(S)をする。
【0034】
(5)制御手段4は、通信手段3が、アドレス設定器Aより伝送(S)された前記アドレス設定用コマンドを受信すると、アドレス設定用プログラムを用いて、感知器1にアドレスを設定する。設定されたアドレスは、記憶手段9に記憶され、感知器1のアドレス設定は完了する。
【0035】
従来の火災感知器においては、その回路に常に電流制限が掛けられた状態で、該回路上の蓄電手段への充電及び前記設定データの展開を行っていたため、アドレス設定に、該感知器1台当たり約6秒の時間を要していたが、本実施形態の感知器1においては、その回路に電流制限が掛けられていない状態で、コンデンサの充電及び前記設定データの展開を行うことができるので、アドレス設定に要する時間が、感知器1においては、1台当たりの約3秒に短縮することが可能である。
【0036】
本実施形態の感知器1の様な火災感知器が火災受信機に接続された自動火災報知設備は、比較的広い施設に設置されることが多く、取り付けられる火災感知器の数も必然的に多くなる。そのため、火災感知器1台当たりのアドレス設定の要する時間が約6秒から約3秒に短縮されることは、かなりの時間の節約に繋がることとなる。
【0037】
従って、本実施形態の感知器1においては、通信手段3が、前記第2の通信方式による通信を、アドレス設定器より受信した際に、感知器1がアドレス設定器Aに接続されたものと認識し、制御部1が、回路の電流制限を一時的に解除する様にしたのでアドレス設定に掛かる時間を短縮することが可能である。又、この電流制限の解除は一時的なものであり、回線Tを介して、受信機Rと接続された際には、回路は、電流制限が掛かった状態であるので、受信機Rへの影響はなく、これまで通り、受信機Rの誤報を防止される。
【0038】
以上、本発明を、上記実施形態に基づいて説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0039】
(A)上記実施形態においては、感知器1はP型受信機に接続される火災感知器であったが、回路に電流制限が掛けられている火災感知器であれば、接続される火災受信機の種類を問わず、本発明を適用可能である。
【0040】
(B)上記実施形態においては、前記第1の通信方式を、感知器1と受信機Rとの通信方式としたが、通信方式は、特に限定されないものであり、感知器1と受信機Rとの通信方式とは異なる通信方式を採用することも可能である。
【0041】
(C)上記実施形態においては、アドレス設定器Aが、P型受信機に接続される火災感知器と、R型受信機に接続される火災感知器とで併用可能となっているため、前記第2の通信方式として、R型受信機と通信する際に用いられる通信方式としたが、前記第1の通信方式と異なる通信方式であれば、通信方式は、特に限定されないものである。又、該第2の通信方式は、一の通信方式でもよいし、複数の通信方式であってもよい。
【0042】
(D)上記実施形態においては、感知器1がアドレス設定器Aと接続したと認識させるために異なる複数の通信方式(例えば、第1の通信方式及び第2の通信方式)を用いたが、アドレス設定器Aを一の通信方式、例えば、第1の通信方式、による内容及び/又はコマンドが異なる複数の通信を感知器1に対して繰り返し通信するものとし、前記起動コマンドとは異なる内容及び/又はコマンドの通信をアドレス設定器Aより受信した際に受信機1がアドレス設定器Aに接続したと認識するものとしてもよい。
【0043】
(E)アドレス設定器Aは、前記第1の通信方式による通信及び前記第2の通信方式による通信以外に、それらとは異なる別の通信方式(以下、第3の通信方式という)による通信を送受信可能となっていてもよい。この場合、アドレス設定器Aは、該第3の通信方式による通信によっても起動コマンドが、感知器1に伝送されることになるが、感知器1の通信手段3は、該第3の通信方式による通信を認識することができないため無視されることになる。
【0044】
(F)制御手段4を、記憶手段9の前記設定データを展開するタイミングを感知器1ごとに変える様に制御するものとすることが可能である。感知器1は、回線Tを介して受信機Rに接続された状態においても、自身のアドレスを認識するために前記設定データを展開する必要があるが、この様にすることで、感知器1が、回線Tを介して受信機Rに接続された状態であっても、受信機Rの誤検知を防止しつつ電流制限が解除された状態で該設定データを展開することが可能となる。尚、該タイミングは適宜設定可能であるが、例えば、各感知器1の該設定データの展開が被らないタイミングを選択可能である。
【0045】
(G)上記実施形態においては、感知器1に充電手段5及び蓄電手段8を設けたが、充電手段5及び蓄電手段8を設けない様にすることも可能である。従来の感知器においては、電流制限が掛けられた状態で、設定データの展開を行っていたため、回路を流れる電流の量が該設定データの展開に必要な電流の量を下回っていたため、一旦、蓄電手段に充電しなければ該設定データの展開を行えず、アドレス設定を行えなかったが、本発明では、電流制限が解除された状態で前記設定データの展開を行えるため、前記回路を流れる電流の量が該設定データの展開に必要な電流の量を上回っており、蓄電手段8に充電をしなくともアドレス設定を行うことが可能となっている。
【符号の説明】
【0046】
1 火災感知器 2 電流制限手段 3 通信手段 4 制御手段
5 充電手段 6 アドレス設定手段 7 スイッチ手段 8 蓄電手段
9 記憶手段 A アドレス設定器 R 火災受信機 T 回線
図1
図2
図3A
図3B