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特開2023-94454学習データ生成装置、学習データ生成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094454
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】学習データ生成装置、学習データ生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230628BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209953
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】酒井 修二
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096EA39
5L096GA08
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことが可能な学習データ生成装置、学習データ生成方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定部と、第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正部と、備えることを特徴とする学習データ生成装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定部と、
第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正部と、
を備えることを特徴とする学習データ生成装置。
【請求項2】
前記学習データ群が、前記第1の学習データで構成され、
前記補正方法決定部が、前記印刷元画像と前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像との差分を検知し、前記差分を調整する調整処理を前記補正方法として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習データ生成装置。
【請求項3】
前記学習データ群が、前記第1の学習データと、前記第1の学習データと同一の前記識別情報を有する第3の学習データとで構成され、
前記補正方法決定部が、前記印刷元画像と前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像との差分である第1の差分と、前記印刷元画像と前記第3の学習データに含まれる前記撮影画像との差分である第2の差分とを検知し、
前記第1の差分と前記第2の差分の重みづけ和として中間差分を計算し、
前記印刷元画像と前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像との差分を前記中間差分と一致させる補正を前記補正方法として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習データ生成装置。
【請求項4】
前記学習データ群が、前記第1の学習データと同一の前記識別情報を有する複数の学習データで構成された同個体学習データ群であり、
前記補正方法決定部が、前記印刷元画像と前記同個体学習データ群の各学習データに含まれる前記撮影画像との差分である同個体差分群を生成し、
前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の各ピクセルについて、前記同個体差分群の前記ピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、ピクセルの値を調整する度合を示す調整度合を決定し、
前記調整度合が大きいほど前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の前記ピクセルの値を大きく変更すると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習データ生成装置。
【請求項5】
前記学習データ群が、前記第1の学習データと異なる前記識別情報を有する複数の学習データで構成された異個体学習データ群であり、
前記補正方法決定部が、前記印刷元画像と前記異個体学習データ群の各学習データに含まれる前記撮影画像との差分である異個体差分群を生成し、
前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の各ピクセルについて、前記異個体差分群の前記ピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、ピクセルに付加する外乱の度合を示す外乱度合を決定し、
前記外乱度合が大きいほど前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の前記ピクセルの値を大きく変更すると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習データ生成装置。
【請求項6】
前記学習データ群が、前記第1の学習データと同一の前記識別情報を有する複数の学習データで構成された同個体学習データ群と、前記第1の学習データと異なる前記識別情報を有する複数の学習データで構成された異個体学習データ群との和集合で構成され、
前記補正方法決定部が、前記印刷元画像と前記同個体学習データ群の各学習データに含まれる前記撮影画像との差分である同個体差分群と、前記印刷元画像と前記異個体学習データ群の各学習データに含まれる前記撮影画像との差分である異個体差分群とを生成し、
前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の各ピクセルについて、前記同個体差分群の前記ピクセルの値の大きさとバラツキと、前記異個体差分群の前記ピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、ピクセルの値を調整する度合を示す調整度合とピクセルに付加する外乱の度合を示す外乱度合を決定し、
前記調整度合と前記外乱度合とが大きいほど前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の前記ピクセルの値を大きく変更すると決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の学習データ生成装置。
【請求項7】
前記補正方法決定部が、前記同個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが大きいほど前記外乱度合を大きくする
ことを特徴とする請求項6に記載の学習データ生成装置。
【請求項8】
前記補正方法決定部が、前記同個体差分群の前記ピクセルの値の大きさが大きいほど前記調整度合を大きくする
ことを特徴とする請求項4、請求項6、又は請求項7のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項9】
前記補正方法決定部が、前記同個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが小さいほど前記調整度合を大きくする
ことを特徴とする請求項4、又は請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項10】
前記補正方法決定部が、前記異個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが大きいほど前記外乱度合を大きくする
ことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項11】
前記補正方法決定部が、前記同個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが小さいほど前記調整度合を大きくする第1の調整処理と、前記異個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが大きいほど前記調整度合を大きくする第2の調整処理のうち、少なくともいずれか一方の調整処理を実行した後でもう一方の調整処理を実行することを決定する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の学習データ生成装置。
【請求項12】
前記補正方法決定部が、前記同個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが大きいほど前記外乱度合を大きくする第1の外乱処理と、前記異個体差分群の前記ピクセルの値のバラツキが大きいほど前記外乱度合を大きくする第2の外乱処理のうち、少なくともいずれか一方の外乱処理を実行した後でもう一方の外乱処理を実行することを決定する
ことを特徴とする請求項6、請求項7、又は請求項11のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項13】
前記補正方法決定部が、前記第1の学習データに含まれる撮影画像の各ピクセルについて、前記印刷元画像と前記第1の学習データに含まれる撮影画像との差分を検知し、前記調整度合に従い前記差分の強調処理をすることを前記補正方法として決定する
ことを特徴とする請求項4、請求項6、請求項8、請求項9、又は請求項11のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項14】
前記補正方法決定部が、前記同個体学習データ群に含まれる前記学習データの1つを第3の学習データとし、
前記印刷元画像と前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像との差分である第1の差分と、前記印刷元画像と前記第3の学習データに含まれる前記撮影画像との差分である第2の差分とを検知し、
前記第1の差分と前記第2の差分に対して、前記調整度合に従う重み関数で重みづけ和を計算して中間差分とし、
前記印刷元画像と前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像との差分を前記中間差分と一致させる補正を前記補正方法として決定する
ことを特徴とする請求項4、請求項6、請求項8、請求項9、又は請求項11のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項15】
前記補正方法決定部が、前記学習データ群の前記撮影画像に含まれない外乱画像を取得し、
前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の各ピクセルについて、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像の輝度値と、前記外乱画像の輝度値とを前記外乱度合に従う重み関数による重みづけ和で補正することを前記補正方法として決定する
ことを特徴とする請求項5から請求項7、請求項10、又は請求項12のいずれか1項に記載の学習データ生成装置。
【請求項16】
補正方法決定部が、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定過程と、
撮影画像補正部が、第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正過程と、
を含むことを特徴とする学習データ生成方法。
【請求項17】
コンピュータを、
印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定手段と、
第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習データ生成装置、学習データ生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物による個体識別を行うための技術が各種提案されている。
例えば、印刷物を含む人工物において、印刷物に印刷された1次元バーコードや2次元コードなどに生じたムラのパターンに応じた特徴を抽出し、抽出した特徴を利用して個体を識別する技術が開示されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
印刷物による個体識別を機械学習によって実現する場合、学習データが多いほど識別の精度を高めることができるが、学習データの収集にかかる作業負荷が増大してしまう。そこで、収集した学習データから疑似的に新たな学習データを生成(データ拡張)することで、学習データの収集にかかる作業負荷を軽減する技術が開示されている(下記非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5765749号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Connor Shorten, Taghi M. Khoshgoftaar, “A survey on Image Data Augmentation for Deep Learning,” Journal of Big Data 6, Article number 60, 6 July 2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に示されるようなデータ拡張は、機械学習の性能向上に有用であるが一般的な技術であるため、特定の用途にはその性能向上が不十分な場合がある。これは、上記非特許文献1のデータ拡張のような汎用的な手法では、特定の用途に特徴的な要素が十分に考慮されず、特定の用途にて実際に取得され得る学習データからかけ離れた学習データが生成される可能性があるためである。そこで、機械学習を特定の用途に利用することを想定した場合に、その用途において実際に取得され得る学習データにより近い学習データをデータ拡張によって生成できることが望まれる。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことが可能な学習データ生成装置、学習データ生成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る学習データ生成装置は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定部と、第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正部と、備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る学習データ生成方法は、補正方法決定部が、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定過程と、撮影画像補正部が、第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正過程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と前記撮影画像に写る前記印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、前記印刷元画像と前記学習データ群に含まれる前記撮影画像とに基づき、前記撮影画像の補正方法を決定する補正方法決定手段と、第1の学習データを取得し、前記第1の学習データに含まれる前記撮影画像を前記補正方法で補正した補正撮影画像と前記第1の学習データに含まれる前記識別情報との組を第2の学習データとして生成する撮影画像補正手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る学習データ生成装置の概要と機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る学習データの作成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る印刷元画像のデータ構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るデータ拡張前の学習データのデータ構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係るデータ拡張後の学習データのデータ構成の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第3の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】第4の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】第5の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】第6の実施形態に係る同個体差分画像群における差分とバラツキの分布との関係の一例を示す図である。
図12】第6の実施形態に係る異個体差分画像群における差分とバラツキの分布との関係の一例を示す図である。
図13】第6の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0014】
<<1.第1の実施形態>>
図1から図6を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0015】
<1-1.学習データ生成装置の機能構成>
図1から図5を参照して、第1の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示す印刷元画像30は、印刷媒体に対して印刷される画像である。印刷元画像30は、例えば、1次元コードや2次元コードなどの印刷対象の画像であるが、かかる例に限定されない。印刷媒体は、例えば、印刷用紙31であるが、かかる例に限定されない。
【0017】
印刷物40は、印刷元画像30が印刷用紙31に印刷された印刷物である。1枚の印刷元画像30について複数の印刷物40が印刷される。それぞれの印刷物40には、同一の印刷元画像30を印刷する場合であっても、多様な要因によって印刷状態にバラツキが生じ得る。そのため、印刷状態が異なる各印刷物40を識別するために、各印刷物40にはそれぞれ異なる個体IDが付与される。個体IDは、印刷物40を一意に識別するための識別情報である。なお、印刷状態にバラツキが生じる要因は、例えば、印刷用紙31の印刷面の状態の違い、印刷工程において印刷用紙31が搬送される際に生じる振動、搬送速度、湿度などの違い、印刷版の劣化、原稿が多面付けされた印刷版における原稿の位置の違いなどである。
【0018】
撮像装置20は、印刷物40を撮影した撮影画像50を出力する。撮像装置20で1枚の印刷物40を撮影する回数は特に限定されず、1回であってもよいし複数回であってもよい。また、1枚の印刷物40を異なる撮像装置20で撮影してもよい。
【0019】
学習データ60は、撮影画像50と撮影画像50に写る印刷物40の個体IDとを1つの組にしたデータである。同一の印刷物40が撮影された撮影画像50が複数枚ある場合、同一の個体IDとそれぞれの撮影画像50とをそれぞれ組にした複数の学習データ60を作成可能である。異なる印刷物40が撮影された撮影画像50が複数枚ある場合、各印刷物40の個体IDとそれぞれの撮影画像50とをそれぞれ組にした複数の学習データ60を作成可能である。
【0020】
ここで、図2を参照して、第1の実施形態に係る学習データ60の作成例について、より具体的に説明する。図2は、第1の実施形態に係る学習データ60の作成の一例を示す図である。図2には印刷元画像30a(IMG0001)に基づき、学習データ60a~60eを作成する例が示されている。
【0021】
図2に示す例では、印刷元画像30aは、印刷用紙31aと印刷用紙31bにそれぞれ印刷される。印刷元画像30aが印刷用紙31aに印刷された印刷物40aには、個体IDとしてID0101が付与されている。印刷元画像30aが印刷用紙31bに印刷された印刷物40bには、個体IDとしてID0102が付与されている。
印刷物40aは、撮像装置20aによって1回のみ撮影される。撮像装置20aは、撮影画像50a(IMG1010)を出力する。そして、撮影画像50aと撮影画像50aに写る印刷物40aのID0101(個体ID)とを組にした学習データ60aが作成される。
印刷物40bは、撮像装置20aと、撮像装置20aとは異なる撮像装置20bによって2回ずつ撮影される。撮像装置20aは、撮影画像50b(IMG1020)と撮影画像50c(IMG1030)を出力する。撮像装置20bは、撮影画像50d(IMG1040)と撮影画像50e(IMG1050)を出力する。そして、撮影画像50b~50eと各撮影画像に写る印刷物40bのID0102(個体ID)とをそれぞれ組にした学習データ60b~60eが作成される。
【0022】
図1に戻り、印刷元画像30と学習データ60は、学習データ生成装置10へ入力される。学習データ生成装置10は、入力された印刷元画像30と学習データ60とに基づき、学習データ60のデータ拡張を行う。
図1に示すように、学習データ生成装置10は、データ入出力部110と、記憶部120と、制御部130と、表示部140とを備える。
【0023】
(1)データ入出力部110
データ入出力部110は、外部装置とのデータの入出力を制御する機能を有する。例えば、外部装置からの印刷元画像30と学習データ60の入力を受け付ける。データ入出力部110は、入力を受け付けた印刷元画像30と学習データ60を記憶部120に書き込んで、記憶させる。また、データ入出力部110は、記憶部120に記憶されている学習データ60(データ拡張後の学習データを含む)を外部装置へ出力してもよい。
【0024】
(2)記憶部120
記憶部120は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部120は、学習データ生成装置10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
図1に示すように、記憶部120は、印刷元画像記憶部121と学習データ記憶部122とを備える。
【0025】
(2-1)印刷元画像記憶部121
印刷元画像記憶部121は、印刷元画像30を記憶する機能を有する。
ここで、図3を参照して、第1の実施形態に係る印刷元画像30のデータ構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る印刷元画像30のデータ構成の一例を示す図である。
【0026】
図3に示すように、印刷元画像30は、印刷元画像30が印刷された印刷物40の個体IDと対応付けて記憶される。例えば、印刷元画像30は、IMG0001とID0101、IMG0001とID0102、IMG0002とID0201、IMG0002とID0202のように個体IDと対応付けて記憶される。なお、IMG0001とID0101は、図2における印刷元画像30aと印刷物40aとの関係を示している。また、IMG0001とID0102、図2における印刷元画像30aと印刷物40bとの関係を示している。
【0027】
(2-2)学習データ記憶部122
学習データ記憶部122は、学習データ60を記憶する機能を有する。
ここで、図4及び図5を参照して、第1の実施形態に係る学習データのデータ構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係るデータ拡張前の学習データのデータ構成の一例を示す図である。図5は、第1の実施形態に係るデータ拡張後の学習データのデータ構成の一例を示す図である。
【0028】
図4に示すように、データ拡張前の学習データ60は、個体IDと撮影画像50とを対応付けて記憶される。例えば、学習データ60は、ID0101とIMG1010、ID0102とIMG1020、ID0102とIMG1030、ID0102とIMG1040、ID0102とIMG1050のように記憶される。なお、ID0101とIMG1010は、図2における学習データ60aである。また、ID0102とIMG1020は、図2における学習データ60bである。また、ID0102とIMG1030は、図2における学習データ60cである。また、ID0102とIMG1040は、図2における学習データ60dである。また、ID0102とIMG1050は、図2における学習データ60eである。
【0029】
図4に示すデータ拡張前の学習データ60のうち、学習データ60a(ID0101とIMG1010の組)に対してデータ拡張が行われ、新しい学習データ60が1つ増やされたとする。この場合、図5に示すように、学習データ60aをデータ拡張した学習データとしてID0101とIMG1011の組の学習データが学習データ記憶部122に新しく登録される。また、学習データ60e(ID0102とIMG1050の組)に対してデータ拡張が行われ、新しい学習データ60が1つ増やされたとする。この場合、図5に示すように、学習データ60eをデータ拡張した学習データとしてID0102とIMG1051の組の学習データが学習データ記憶部122に新しく登録される。
【0030】
(3)制御部130
制御部130は、学習データ生成装置10の動作全般を制御する機能を有する。制御部130は、例えば、学習データ生成装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図1に示すように、制御部130は、取得部131と、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133と、出力制御部134とを備える。
【0031】
(3-1)取得部131
取得部131は、各種の情報を取得する機能を有する。例えば、取得部131は、記憶部120の印刷元画像記憶部121から印刷元画像30を取得し、補正方法決定部132へ出力する。また、取得部131は、記憶部120の学習データ記憶部122から学習データ60を少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、補正方法決定部132へ出力する。また、取得部131は、記憶部120の学習データ記憶部122から補正対象となる撮影画像50を含む第1の学習データ60を取得し、補正方法決定部132又は撮影画像補正部133へ出力する。
なお、取得部131は、記憶部120の学習データ記憶部122から第1の学習データ60を少なくとも含む学習データ群を取得し、補正方法決定部132へ出力してもよい。
【0032】
(3-2)補正方法決定部132
補正方法決定部132は、撮影画像50の補正方法を決定する機能を有する。例えば、補正方法決定部132は、学習データ60と当該学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30とを取得し、取得した印刷元画像30と撮影画像50とに基づき、撮影画像50の補正方法を決定する。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された学習データ群と、取得部131によって取得された印刷元画像30のうち当該学習データ群に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を取得する。そして、補正方法決定部132は、取得した印刷元画像30と学習データ群に含まれる撮影画像50とに基づき、撮影画像50の補正方法を決定する。
【0033】
第1の実施形態では、一例として、学習データ群が、1つの第1の学習データ60で構成されているものとする。この場合、補正方法決定部132は、印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を検知し、この差分を調整する調整処理を補正方法として決定する。
【0034】
印刷元画像30と撮影画像50との差分は、例えば、輝度値の差、輪郭の距離の差、特徴量の差などである。
輝度値の差は、印刷元画像30のピクセルの輝度値と、印刷元画像30のピクセルと対応する位置にある撮影画像50のピクセルの輝度値との差である。
輪郭の距離は、印刷元画像30における印刷対象の輪郭の位置と対応する撮影画像50における位置と、撮影画像50における印刷対象の輪郭の位置との距離である。
特徴量の差は、印刷元画像30と撮影画像50をそれぞれニューラルネットワークに通した際にそれぞれ検出される特徴量の差である。
【0035】
調整処理は、差分を大きく(強く)又は小さく(弱く)する処理である。
輝度値に対する調整処理では、輝度値の差分が大きく又は小さくなるように、輝度値をx倍する処理が行われる。
輪郭の距離に対する調整処理では、距離が大きく又は小さくなるように輪郭の位置を修正し、輪郭の内側と外側の判定に合わせて輝度値(白黒)を反転する処理が行われる。
ニューラルネットワークに通した際に検出される特徴量に対する調整処理では、特徴量の差分が大きくなるように特徴量をx倍し、x倍後の特徴量になるようにニューラルネットワークの入力画像に逆伝搬する処理が行われる。
【0036】
補正方法決定部132は、補正方法を決定するにあたり、印刷元画像30と撮影画像50との差分を示す差分画像を生成する。
補正方法決定部132は、差分画像をもとに差分を調整した調整差分画像を生成する。
そして、補正方法決定部132は、印刷元画像30と調整処理によって補正後の撮影画像50との差分が調整差分画像の示す差分と一致するように、補正前の撮影画像50に対して行う調整処理の具体的な内容(差分の調整量)を決定する。
【0037】
(3-3)撮影画像補正部133
撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する機能を有する。例えば、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定された補正方で撮影画像50を補正する。具体的に、撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50を補正方法で補正した補正撮影画像を生成する。そして、撮影画像補正部133は、生成した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる個体IDとを組にして第2の学習データ60を生成する。撮影画像補正部133は、生成した第2の学習データ60を記憶部120の学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
なお、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132が用いた学習データ群から第1の学習データ60を取得してもよいし、取得部131が学習データ記憶部122から取得した第1の学習データ60を取得してもよい。
【0038】
(3-4)出力制御部134
出力制御部134は、各種の出力を制御する機能を有する。例えば、出力制御部134は、学習データ60の出力を制御する。具体的に、出力制御部134は、学習データ60を外部装置へ出力させてもよいし、表示部140に表示させてもよい。
【0039】
(4)表示部140
表示部140は、各種の情報を表示する機能を有する。表示部140は、例えば、学習データ生成装置10がハードウェアとして備えるディスプレイやタッチスクリーンなどの表示装置によって実現される。表示部140は、出力制御部134からの入力に応じて、例えば学習データ60を表示する。
【0040】
<1-2.処理の流れ>
以上、第1の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明した。続いて、図6を参照して、第1の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図6は、第1の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
図6に示すように、まず、取得部131は、学習データ60を1つ(第1の学習データ60)含む学習データ群を学習データ記憶部122から取得する(ステップS101)。
次いで、取得部131は、取得した学習データ群の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する(ステップS102)。具体的に、取得部131は、取得した学習データ60に含まれる個体IDと同一の個体IDが対応付けられた印刷元画像30を、印刷元画像記憶部121から取得する。
【0042】
次いで、補正方法決定部132は、差分画像を生成する(ステップS103)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された学習データ60に含まれる撮影画像50と、当該撮影画像50に対応する印刷元画像30との差分を示す差分画像を生成する。
【0043】
次いで、補正方法決定部132は、調整差分画像を生成する(ステップS104)。具体的に、補正方法決定部132は、生成した差分画像をもとに、当該差分画像が示す差分を調整した調整差分画像を生成する。
【0044】
次いで、補正方法決定部132は、補正方法を決定する(ステップS105)。具体的に、補正方法決定部132は、印刷元画像30と調整処理によって補正後の撮影画像50との差分が調整差分画像の示す差分と一致するように、補正前の撮影画像50に対して行う調整処理の具体的な内容(差分の調整量)を決定する。
【0045】
次いで、撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する(ステップS106)。具体的に、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定されて補正方法によって撮影画像50を補正し、補正後の撮影画像50と当該撮影画像50に対応する印刷物40の個体IDとを組とする学習データ60(第2の学習データ60)を生成する。
【0046】
そして、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を登録する(ステップS107)。具体的に、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
【0047】
以上説明したように、第1の実施形態に係る学習データ生成装置10は、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133とを備える。
補正方法決定部132は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と撮影画像に写る印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、印刷元画像と学習データ群に含まれる撮影画像とに基づき、撮影画像の補正方法を決定する。
撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像を補正方法で補正した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる識別情報との組を第2の学習データ60として生成する。
【0048】
かかる構成により、第1の学習データ60に対するデータ拡張によって第2の学習データ60を生成する際に、印刷物40に特有のバラツキが考慮された補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50が補正され、補正後の撮影画像50が第2の学習データ60として生成される。
これにより、印刷元画像30が実際に印刷された印刷物40の撮影画像50により近い撮影画像50をデータ拡張によって生成できる。そして、このデータ拡張によって生成された撮影画像50を学習データ60として用いることで、印刷物40の個体識別の精度をより向上することができる。
【0049】
よって、第1の実施形態に係る学習データ生成装置10は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことを可能とする。
【0050】
<<2.第2の実施形態>>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、学習データ群が1つの第1の学習データ60で構成されている例について説明したが、かかる例に限定されない。
第2の実施形態では、学習データ群が第1の学習データ60と、第1の学習データ60と同一の個体IDを有する第3の学習データ60とで構成されている例について説明する。学習データ群を構成する第3の学習データ60の数は、少なくとも1つ以上であれば特に限定されない。第2の実施形態では、第3の学習データ60の数が1つであるものとする。
なお、以下では、第1の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0051】
<2-1.学習データ生成装置の機能構成>
第2の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成は、図1から図5を参照して説明した第1の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成と同様である。以下、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる機能について説明する。
【0052】
取得部131は、第1の学習データ60と、第1の学習データ60と同一の個体IDを有する第3の学習データ60とで構成された学習データ群を学習データ記憶部122から取得する。
取得部131は、第1の学習データ60及び第3の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する。
【0053】
補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と学習データ群を取得する。補正方法決定部132は、取得した印刷元画像30と学習データ群に含まれる撮影画像50とに基づき、撮影画像50の補正方法を決定する。
第2の実施形態では、学習データ群が、第1の学習データ60と第3の学習データ60の2つの学習データ60で構成されている。この場合、補正方法決定部132は、印刷元画像30と各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を検知し、各差分に基づき、撮影画像50の一部を他の撮影画像50との重みづけ和で補正する補正処理を補正方法として決定する。
【0054】
輝度値に対する補正処理では、輝度値を他の撮影画像50の輝度値との重みづけ和で補正する処理が行われる。
輪郭の距離に対する補正処理では、輪郭の距離を他の撮影画像50の距離との重みづけ和で補正し、補正後の輪郭の内側と外側の判定に合わせて輝度値(白黒)を補正する処理が行われる。
ニューラルネットワークに通した際に検出される特徴量に対する補正処理では、特徴量を他の撮影画像50の特徴量との重みづけ和で補正し、補正後の特徴量になるようにニューラルネットワークの入力画像に逆伝搬する処理が行われる。
なお、重みは、0から1の間の実数でもよいし、0又は1の2値であってもよい。
【0055】
補正方法決定部132は、印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である第1の差分と、印刷元画像30と第3の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である第2の差分とを検知する。補正方法決定部132は、検知した第1の差分を示す第1の差分画像と、第2の差分を示す第2の差分画像を生成する。
補正方法決定部132は、第1の差分画像が示す第1の差分と第2の差分画像が示す第2の差分の重みづけ和として中間差分を計算する。補正方法決定部132は、計算した中間差分を示す中間差分画像を生成する。
補正方法決定部132は、印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を中間差分と一致させる補正処理を補正方法として決定する。具体的に、補正方法決定部132は、印刷元画像30と補正方法によって補正後の撮影画像50との差分が中間差分画像の示す差分と一致するように、補正前の撮影画像50に対して行う補正処理の具体的な内容を決定する。
【0056】
<2-2.処理の流れ>
以上、第2の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明した。続いて、図7を参照して、第2の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図7は、第2の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0057】
図7に示すように、まず、取得部131は、同一の個体IDを有する学習データ60を2つ(第1の学習データ60と第3の学習データ60)含む学習データ群を学習データ記憶部122から取得する(ステップS201)。
次いで、取得部131は、取得した学習データ群の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する(ステップS202)。具体的に、取得部131は、取得した第1の学習データ60及び第3の学習データ60に含まれる個体IDと同一の個体IDが対応付けられた印刷元画像30を、印刷元画像記憶部121から取得する。
【0058】
次いで、補正方法決定部132は、差分画像を生成する(ステップS203)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である第1の差分を示す第1の差分画像と、印刷元画像30と第3の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である第2の差分を示す第2の差分画像とを生成する。
【0059】
次いで、補正方法決定部132は、中間差分画像を生成する(ステップS204)。具体的に、補正方法決定部132は、生成した第1の差分画像と第2の差分画像をもとに重みづけ和によって、各差分画像の中間差分を示す中間差分画像を生成する。
【0060】
次いで、補正方法決定部132は、補正方法を決定する(ステップS205)。具体的に、補正方法決定部132は、印刷元画像30と補正処理によって補正後の撮影画像50との差分が中間差分画像の示す差分と一致するように、補正前の撮影画像50に対して行う補正処理の具体的な内容を決定する。
【0061】
次いで、撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する(ステップS206)。具体的に、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定されて補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50を補正し、補正後の撮影画像50と当該撮影画像50に対応する印刷物40の個体IDとを組とする学習データ60(第2の学習データ60)を生成する。
【0062】
そして、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を登録する(ステップS207)。具体的に、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
【0063】
以上説明したように、第2の実施形態に係る学習データ生成装置10は、第1の実施形態と同様に、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133とを備える。
補正方法決定部132は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と撮影画像に写る印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、印刷元画像と学習データ群に含まれる撮影画像とに基づき、撮影画像の補正方法を決定する。
撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像を補正方法で補正した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる識別情報との組を第2の学習データ60として生成する。
かかる構成により、第1の学習データ60に対するデータ拡張によって第2の学習データ60を生成する際に、印刷物40に特有のバラツキが考慮された補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50が補正され、補正後の撮影画像50が第2の学習データ60として生成される。
これにより、印刷元画像30が実際に印刷された印刷物40の撮影画像50により近い撮影画像50をデータ拡張によって生成できる。そして、このデータ拡張によって生成された撮影画像50を学習データ60として用いることで、印刷物40の個体識別の精度をより向上することができる。
よって、第2の実施形態に係る学習データ生成装置10は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことを可能とする。
【0064】
<<3.第3の実施形態>>
以上、第2の実施形態について説明した。続いて、図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、学習データ群が第1の学習データ60と第3の学習データ60の2つ学習データ60で構成されている例について説明したが、かかる例に限定されない。
第3の実施形態では、学習データ群が第1の学習データ60と同一の個体IDを有する複数(3つ以上)の学習データ60で構成された同個体学習データ群である例について説明する。同個体学習データ群を構成する学習データ60の数は、例えば3つ以上であるが、かかる例に限定されない。
なお、以下では、第1の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0065】
<3-1.学習データ生成装置の機能構成>
第3の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成は、図1から図5を参照して説明した第1の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成と同様である。以下、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる機能について説明する。
【0066】
取得部131は、第1の学習データ60と、第1の学習データ60と同一の個体IDを有する複数の学習データ60とで構成された同個体学習データ群を学習データ記憶部122から取得する。
取得部131は、第1の学習データ60及び同個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する。
【0067】
補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と同個体学習データ群を取得する。補正方法決定部132は、取得した印刷元画像30と同個体学習データ群に含まれる撮影画像50とに基づき、撮影画像50の補正方法を決定する。
第3の実施形態では、補正方法決定部132は、印刷元画像30と同個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を検知し、各差分に基づき、差分が現れやすい領域を特定し、特定した領域に対する調整処理又は補正処理を補正方法として決定する。
【0068】
まず、補正方法決定部132は、印刷元画像30と同個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である同個体差分群を生成する。具体的に、補正方法決定部132は、印刷元画像30と各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成することで、同個体差分画像群(同個体差分群の一例)を生成する。例えば、同個体学習データ群にN個の学習データ60が含まれる場合、同個体差分画像群を構成する差分画像がN枚生成される。
補正方法決定部132は、同個体差分画像群に基づき、差分が現れやすい領域を特定する。領域は、例えば、ピクセルや特徴量のチャンネルなどである。差分が現れやすい領域は、例えば、同個体差分群で輝度値の差分の平均が大きいピクセル、輪郭の距離の平均が大きいピクセル、特徴量の差分の平均が大きいピクセル、特徴量の差分の平均が大きいチャンネルなどである。
【0069】
補正方法として調整処理を選択する場合、補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を検知し、調整度合に従い差分の強調処理をすることを補正方法として決定する。
補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、同個体差分群のピクセルの値の大きさに基づき、撮影画像50のピクセルの値を調整する度合を示す調整度合を決定する。
例えば、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値の大きさが大きいほど調整度合を大きくする。一方、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値の大きさが小さいほど調整度合を小さくする。また、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値のバラツキが小さいほど調整度合を大きくする。補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値のバラツキが大きいほど調整度合を小さくする。
そして、補正方法決定部132は、調整度合が大きいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を大きく変更すると決定する。一方、補正方法決定部132は、調整度合が小さいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を小さく変更すると決定する。
【0070】
補正方法として補正処理を選択する場合、補正方法決定部132は、同個体学習データ群に含まれる学習データの1つを第3の学習データ60とし、印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である第1の差分と、印刷元画像30と第3の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である第2の差分とを検知する。補正方法決定部132は、第1の差分と第2の差分に対して、調整度合に従う重み関数で重みづけ和を計算して中間差分とする。補正方法決定部132は、印刷元画像30と第1の学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を中間差分と一致させる補正処理を補正方法として決定する。
【0071】
<3-2.処理の流れ>
以上、第3の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明した。続いて、図8を参照して、第3の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図8は、第3の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0072】
図8に示すように、まず、取得部131は、同個体学習データ群を取得する(ステップS301)。具体的に、取得部131は、同一の個体IDを有する学習データ60を3つ以上含む学習データ群(第1の学習データ60含む)を学習データ記憶部122から取得する。
次いで、取得部131は、取得した学習データ群の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する(ステップS302)。具体的に、取得部131は、取得した各学習データ60に含まれる個体IDと同一の個体IDが対応付けられた印刷元画像30を、印刷元画像記憶部121から取得する。
【0073】
次いで、補正方法決定部132は、同個体差分画像群を生成する(ステップS303)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成し、生成した複数の差分画像で構成される画像群を同個体差分画像群として生成する。
【0074】
次いで、補正方法決定部132は、撮影画像50において差分が現れやすい領域を特定する(ステップS304)。例えば、補正方法決定部132は、同個体差分群で輝度値の差分の平均が大きいピクセル、輪郭の距離の平均が大きいピクセル、特徴量の差分の平均が大きいピクセル、特徴量の差分の平均が大きいチャンネルなどを差分が現れやすい領域として特定する。
【0075】
次いで、補正方法決定部132は、差分が現れやすい領域の補正方法を決定する(ステップS305)。例えば、補正方法決定部132は、差分が現れやすい領域に対して調整処理又は補正処理を行うと決定する。
【0076】
次いで、撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する(ステップS306)。具体的に、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定されて補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の差分が現れやすい領域を補正する。撮影画像補正部133は、補正後の撮影画像50と当該撮影画像50に対応する印刷物40の個体IDとを組とする学習データ60(第2の学習データ60)を生成する。
【0077】
そして、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を登録する(ステップS307)。具体的に、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
【0078】
以上説明したように、第3の実施形態に係る学習データ生成装置10は、第1の実施形態と同様に、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133とを備える。
補正方法決定部132は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と撮影画像に写る印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、印刷元画像と学習データ群に含まれる撮影画像とに基づき、撮影画像の補正方法を決定する。
撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像を補正方法で補正した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる識別情報との組を第2の学習データ60として生成する。
かかる構成により、第1の学習データ60に対するデータ拡張によって第2の学習データ60を生成する際に、印刷物40に特有のバラツキが考慮された補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50が補正され、補正後の撮影画像50が第2の学習データ60として生成される。
よって、第3の実施形態に係る学習データ生成装置10は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことを可能とする。
【0079】
<<4.第4の実施形態>>
以上、第3の実施形態について説明した。続いて、図9を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、同個体差分画像群から差分が現れやすい領域を特定する例について説明したが、かかる例に限定されない。
第4の実施形態では、同個体差分画像群から差分のバラツキが現れやすい領域を特定する例について説明する。
なお、以下では、第3の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0080】
<4-1.学習データ生成装置の機能構成>
第4の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成は、図8を参照して説明した第3の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成と同様である。以下、第4の実施形態では、第3の実施形態と異なる機能について説明する。
【0081】
第4の実施形態では、補正方法決定部132は、印刷元画像30と同個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を検知し、各差分に基づき、差分のバラツキが現れやすい領域を特定し、特定した領域に対して外乱を付加する外乱処理を補正方法として決定する。
差分のバラツキが現れやすい領域は、例えば、同個体差分群で輝度値の差分の分散が大きいピクセル、輪郭の距離の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいチャンネルなどである。
特定した領域に付加する外乱は、例えば、ガウシアンノイズ、グラデーションによるシェーディングなどである。
【0082】
補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、同個体差分画像群のピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、ピクセルに付加する外乱の度合を示す外乱度合を決定する。
例えば、補正方法決定部132は、同個体差分画像群のピクセルの値のバラツキが大きいほど外乱度合を大きくする。そして、補正方法決定部132は、外乱度合が大きいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を大きく変更すると決定する。一方、補正方法決定部132は、同個体差分画像群のピクセルの値のバラツキが小さいほど外乱度合を小さくする。そして、補正方法決定部132は、外乱度合が小さいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を小さく変更すると決定する。
【0083】
補正方法決定部132は、学習データ群の撮影画像50に含まれない外乱画像を取得し、当該外乱画像に基づき補正方法を決定してもよい。具体的に、補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の輝度値と、外乱画像の輝度値とを外乱度合に従う重み関数による重みづけ和で補正することを補正方法として決定する。
【0084】
<4-2.処理の流れ>
以上、第4の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明した。続いて、図9を参照して、第4の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図9は、第4の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0085】
図9に示すように、まず、取得部131は、同個体学習データ群を取得する(ステップS401)。具体的に、取得部131は、同一の個体IDを有する学習データ60を3つ以上含む学習データ群(第1の学習データ60含む)を学習データ記憶部122から取得する。
次いで、取得部131は、取得した学習データ群の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する(ステップS402)。具体的に、取得部131は、取得した各学習データ60に含まれる個体IDと同一の個体IDが対応付けられた印刷元画像30を、印刷元画像記憶部121から取得する。
【0086】
次いで、補正方法決定部132は、同個体差分画像群を生成する(ステップS403)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成し、生成した複数の差分画像で構成される画像群を同個体差分画像群として生成する。
【0087】
次いで、補正方法決定部132は、撮影画像50において差分のバラツキが現れやすい領域を特定する(ステップS404)。例えば、補正方法決定部132は、同個体差分群で輝度値の差分の分散が大きいピクセル、輪郭の距離の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいチャンネルなどを差分のバラツキが現れやすい領域として特定する。
【0088】
次いで、補正方法決定部132は、差分のバラツキが現れやすい領域の補正方法を決定する(ステップS405)。例えば、補正方法決定部132は、差分のバラツキが現れやすい領域に対して外乱を付加する外乱処理を行うと決定する。
【0089】
次いで、撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する(ステップS406)。具体的に、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定されて補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の差分のバラツキが現れやすい領域を補正する。撮影画像補正部133は、補正後の撮影画像50と当該撮影画像50に対応する印刷物40の個体IDとを組とする学習データ60(第2の学習データ60)を生成する。
【0090】
そして、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を登録する(ステップS407)。具体的に、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
【0091】
以上説明したように、第4の実施形態に係る学習データ生成装置10は、第1の実施形態と同様に、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133とを備える。
補正方法決定部132は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と撮影画像に写る印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、印刷元画像と学習データ群に含まれる撮影画像とに基づき、撮影画像の補正方法を決定する。
撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像を補正方法で補正した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる識別情報との組を第2の学習データ60として生成する。
かかる構成により、第1の学習データ60に対するデータ拡張によって第2の学習データ60を生成する際に、印刷物40に特有のバラツキが考慮された補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50が補正され、補正後の撮影画像50が第2の学習データ60として生成される。
よって、第4の実施形態に係る学習データ生成装置10は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことを可能とする。
【0092】
<<5.第5の実施形態>>
以上、第4の実施形態について説明した。続いて、図10を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。
第4の実施形態では学習データ群が同個体差分画像群である例について説明したが、かかる例に限定されない。
第5の実施形態では、学習データ群が第1の学習データ60と異なる個体IDを有する複数の学習データ60で構成された異個体学習データ群である例について説明する。
なお、以下では、第4の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0093】
<5-1.学習データ生成装置の機能構成>
第5の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成は、図9を参照して説明した第4の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成と同様である。以下、第5の実施形態では、第4の実施形態と異なる機能について説明する。
【0094】
取得部131は、第1の学習データ60と、第1の学習データ60と異なる個体IDを有する複数の学習データ60とで構成された異個体学習データ群を学習データ記憶部122から取得する。
取得部131は、第1の学習データ60及び異個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する。
【0095】
補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と異個体学習データ群を取得する。補正方法決定部132は、取得した印刷元画像30と異個体学習データ群に含まれる撮影画像50とに基づき、撮影画像50の補正方法を決定する。
【0096】
第5の実施形態では、補正方法決定部132は、印刷元画像30と異個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を検知し、各差分に基づき、差分のバラツキが現れやすい領域を特定し、特定した領域に対して外乱を付加する外乱処理を補正方法として決定する。
【0097】
まず、補正方法決定部132は、印刷元画像30と異個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である異個体差分群を生成する。具体的に、補正方法決定部132は、印刷元画像30と各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成することで、異個体差分画像群(異個体差分群の一例)を生成する。例えば、異個体学習データ群にM個の学習データ60が含まれる場合、異個体差分画像群を構成する差分画像がM枚生成される。
補正方法決定部132は、異個体差分画像群に基づき、差分のバラツキが現れやすい領域を特定する。差分のバラツキが現れやすい領域は、例えば、異個体差分群で輝度値の差分の分散が大きいピクセル、輪郭の距離の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいチャンネルなどである。
【0098】
補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、異個体差分画像群のピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、ピクセルに付加する外乱の度合を示す外乱度合を決定する。
例えば、補正方法決定部132は、異個体差分画像群のピクセルの値のバラツキが大きいほど外乱度合を大きくする。そして、補正方法決定部132は、外乱度合が大きいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を大きく変更すると決定する。一方、補正方法決定部132は、異個体差分画像群のピクセルの値のバラツキが小さいほど外乱度合を小さくする。そして、補正方法決定部132は、外乱度合が小さいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を小さく変更すると決定する。
【0099】
<5-2.処理の流れ>
以上、第5の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明した。続いて、図10を参照して、第5の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図10は、第5の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、まず、取得部131は、異個体学習データ群を取得する(ステップS501)。具体的に、取得部131は、全て異なる個体IDを有する学習データ60を3つ以上含む学習データ群(第1の学習データ60含む)を学習データ記憶部122から取得する。
次いで、取得部131は、取得した学習データ群の第1の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する(ステップS502)。具体的に、取得部131は、取得した第1の学習データ60に含まれる個体IDと同一の個体IDが対応付けられた印刷元画像30を、印刷元画像記憶部121から取得する。
【0101】
次いで、補正方法決定部132は、異個体差分画像群を生成する(ステップS503)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成し、生成した複数の差分画像で構成される画像群を異個体差分画像群として生成する。
【0102】
次いで、補正方法決定部132は、撮影画像50において差分のバラツキが現れやすい領域を特定する(ステップS504)。例えば、補正方法決定部132は、異個体差分群で輝度値の差分の分散が大きいピクセル、輪郭の距離の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいピクセル、特徴量の差分の分散が大きいチャンネルなどを差分のバラツキが現れやすい領域として特定する。
【0103】
次いで、補正方法決定部132は、差分のバラツキが現れやすい領域の補正方法を決定する(ステップS505)。例えば、補正方法決定部132は、差分のバラツキが現れやすい領域に対して外乱を付加する外乱処理を行うと決定する。
【0104】
次いで、撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する(ステップS506)。具体的に、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定されて補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の差分のバラツキが現れやすい領域を補正する。撮影画像補正部133は、補正後の撮影画像50と当該撮影画像50に対応する印刷物40の個体IDとを組とする学習データ60(第2の学習データ60)を生成する。
【0105】
そして、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を登録する(ステップS507)。具体的に、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
【0106】
以上説明したように、第5の実施形態に係る学習データ生成装置10は、第1の実施形態と同様に、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133とを備える。
補正方法決定部132は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と撮影画像に写る印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、印刷元画像と学習データ群に含まれる撮影画像とに基づき、撮影画像の補正方法を決定する。
撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像を補正方法で補正した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる識別情報との組を第2の学習データ60として生成する。
かかる構成により、第1の学習データ60に対するデータ拡張によって第2の学習データ60を生成する際に、印刷物40に特有のバラツキが考慮された補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50が補正され、補正後の撮影画像50が第2の学習データ60として生成される。
よって、第5の実施形態に係る学習データ生成装置10は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことを可能とする。
【0107】
<<6.第6の実施形態>>
以上、第5の実施形態について説明した。続いて、図11から図13を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。
第5の実施形態では、学習データ群が異個体学習データ群である、異個体差分画像群に基づき差分のバラツキが現れやすい領域(外乱処理を行う領域)を特定する例について説明したが、かかる例に限定されない。
第6の実施形態では、学習データ群が同個体学習データ群と異個体学習データ群である、同個体差分画像群と異個体差分画像群とに基づき、調整処理を行う領域と外乱処理を行う領域を特定する例について説明する。
なお、以下では、第5の実施形態における説明と重複する説明については、適宜省略する。
【0108】
<6-1.学習データ生成装置の機能構成>
第6の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成は、図10を参照して説明した第5の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成と同様である。以下、第6の実施形態では、第5の実施形態と異なる機能について説明する。
【0109】
取得部131は、第1の学習データ60と、第1の学習データ60と同一の個体IDを有する複数の学習データ60とで構成された同個体学習データ群と、第1の学習データ60と異なる個体IDを有する複数の学習データ60とで構成された異個体学習データ群との和集合で構成された学習データ群を学習データ記憶部122から取得する。
取得部131は、第1の学習データ60及び同個体学習データ群及び異個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する。
【0110】
補正方法決定部132は、印刷元画像30と同個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である同個体差分群と、印刷元画像30と異個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分である異個体差分群とを生成する。
補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、同個体差分群のピクセルの値の大きさとバラツキと、異個体差分群のピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、調整処理を行う領域と外乱処理を行う領域を特定する。
【0111】
ここで、図11及び図12を参照して同個体差分画像群及び異個体差分画像群における差分とバラツキの分布との関係について説明する。
【0112】
図11は、第6の実施形態に係る同個体差分画像群における差分とバラツキの分布との関係を示す図である。
図11に示すように、印刷元画像30との差分が大きくて同個体差分画像群におけるバラツキが大きい領域は、第1特徴を有する領域である。
印刷元画像30との差分が大きくて同個体差分画像群におけるバラツキが小さい領域は、第2特徴を有する領域である。
同個体差分画像群におけるバラツキの大きさに関係なく、印刷元画像30との差分が小さい領域は、第3特徴を有する領域である。
【0113】
図12は、第6の実施形態に係る異個体差分画像群における差分とバラツキの分布との関係を示す図である。
図12に示すように、印刷元画像30との差分が大きくて異個体差分画像群におけるバラツキが大きい領域は、第4特徴を有する領域である。
印刷元画像30との差分が大きくて異個体差分画像群におけるバラツキが小さい領域は、第5特徴を有する領域である。
異個体差分画像群におけるバラツキの大きさに関係なく、印刷元画像30との差分が小さい領域は、第6特徴を有する領域である。
【0114】
図11及び図12に示す第1~第6特徴より、次のように領域の特徴を特定することができる。
第2特徴or(第2特徴and第4特徴)である領域は、個体特有の特徴が現れやすい領域である。
第3特徴and第4特徴である領域は、個体特有の特徴が現れやすい領域である(個体は差が出ない)。
第1特徴or(第1特徴and第4特徴)である領域は、撮影環境の差など個体と無関係の特徴が現れやすい領域である。
第5特徴or(第2特徴and第5特徴)である領域は、個体に関係なく固定で差が生じる領域である。
第6特徴or(第3特徴and第6特徴)である町域は、個体に関係なく差が生じない領域である。
【0115】
第6の実施形態では、補正方法決定部132は、第2特徴and第4特徴である領域、即ち、個体特有の特徴が現れやすい領域に対しては、調整処理を行うと決定する。また、補正方法決定部132は、第1特徴and第4特徴である領域、即ち、撮影環境の差など個体と無関係の特徴が現れやすい領域に対しては、外乱処理を行うと決定する。
【0116】
補正方法決定部132は、第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の各ピクセルについて、同個体差分群のピクセルの値の大きさとバラツキと、異個体差分群のピクセルの値の大きさとバラツキとに基づき、特定した領域に対する調整度合又は外乱度合を決定する。
例えば、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値の大きさが大きいほど調整度合を大きくする。また、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値のバラツキが小さいほど調整度合を大きくする。
また、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値のバラツキが大きいほど外乱度合を大きくする。また、補正方法決定部132は、異個体差分群のピクセルの値のバラツキが大きいほど外乱度合を大きくする。
【0117】
補正方法決定部132は、調整度合と外乱度合とが大きいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を大きく変更すると決定する。一方、補正方法決定部132は、調整度合と外乱度合とが小さいほど第1の学習データ60に含まれる撮影画像50のピクセルの値を小さく変更すると決定する。
【0118】
補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値のバラツキが小さいほど調整度合を大きくする第1の調整処理と、異個体差分群のピクセルの値のバラツキが大きいほど調整度合を大きくする第2の調整処理のうち、少なくともいずれか一方の調整処理を実行した後でもう一方の調整処理を実行することを決定する。
また、補正方法決定部132は、同個体差分群のピクセルの値のバラツキが大きいほど外乱度合を大きくする第1の外乱処理と、異個体差分群のピクセルの値のバラツキが大きいほど外乱度合を大きくする第2の外乱処理のうち、少なくともいずれか一方の外乱処理を実行した後でもう一方の外乱処理を実行することを決定する。
【0119】
<6-2.処理の流れ>
以上、第6の実施形態に係る学習データ生成装置10の機能構成について説明した。続いて、図13を参照して、第6の実施形態に係る処理の流れについて説明する。図13は、第6の実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0120】
図13に示すように、まず、取得部131は、同個体学習データ群を取得する(ステップS601)。具体的に、取得部131は、同一の個体IDを有する学習データ60を3つ以上含む学習データ群(第1の学習データ60含む)を学習データ記憶部122から取得する。
次いで、取得部131は、異個体学習データ群を取得する(ステップS602)。具体的に、取得部131は、全て異なる個体IDを有する学習データ60を3つ以上含む学習データ群(第1の学習データ60含む)を学習データ記憶部122から取得する。
次いで、取得部131は、取得した学習データ群の第1の学習データ60に含まれる撮影画像50に対応する印刷元画像30を印刷元画像記憶部121から取得する(ステップS603)。具体的に、取得部131は、取得した第1の学習データ60に含まれる個体IDと同一の個体IDが対応付けられた印刷元画像30を、印刷元画像記憶部121から取得する。
【0121】
次いで、補正方法決定部132は、同個体差分画像群を生成する(ステップS604)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と同個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成し、生成した複数の差分画像で構成される画像群を同個体差分画像群として生成する。
【0122】
次いで、補正方法決定部132は、異個体差分画像群を生成する(ステップS605)。具体的に、補正方法決定部132は、取得部131によって取得された印刷元画像30と異個体学習データ群の各学習データ60に含まれる撮影画像50との差分を示す差分画像を複数生成し、生成した複数の差分画像で構成される画像群を異個体差分画像群として生成する。
【0123】
次いで、補正方法決定部132は、撮影画像50において調整処理を行う領域と外乱処理を行う領域を特定する(ステップS606)。例えば、補正方法決定部132は、個体特有の特徴が現れやすい領域を、調整処理を行う領域として決定する。また、補正方法決定部132は、撮影環境の差など個体と無関係の特徴が現れやすい領域を、外乱処理を行う領域として決定する。
【0124】
次いで、補正方法決定部132は、調整処理を行う領域と外乱処理を行う領域の補正方法を決定する(ステップS607)。具体的に、補正方法決定部132は、調整処理の調整度合と外乱処理の外乱度合を決定する。
【0125】
次いで、撮影画像補正部133は、撮影画像50を補正して学習データ60を生成する(ステップS608)。具体的に、撮影画像補正部133は、補正方法決定部132によって決定されて補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50の調整処理を行う領域と外乱処理を行う領域を補正する。撮影画像補正部133は、補正後の撮影画像50と当該撮影画像50に対応する印刷物40の個体IDとを組とする学習データ60(第2の学習データ60)を生成する。
【0126】
そして、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を登録する(ステップS609)。具体的に、撮影画像補正部133は、生成した学習データ60を学習データ記憶部122に書き込んで、記憶させる。
【0127】
以上説明したように、第6の実施形態に係る学習データ生成装置10は、第1の実施形態と同様に、補正方法決定部132と、撮影画像補正部133とを備える。
補正方法決定部132は、印刷元画像が印刷された印刷物を撮影した撮影画像と撮影画像に写る印刷物の識別情報との組である学習データを少なくとも1つ含む学習データ群を取得し、印刷元画像と学習データ群に含まれる撮影画像とに基づき、撮影画像の補正方法を決定する。
撮影画像補正部133は、第1の学習データ60を取得し、第1の学習データ60に含まれる撮影画像を補正方法で補正した補正撮影画像と第1の学習データ60に含まれる識別情報との組を第2の学習データ60として生成する。
かかる構成により、第1の学習データ60に対するデータ拡張によって第2の学習データ60を生成する際に、印刷物40に特有のバラツキが考慮された補正方法によって第1の学習データ60に含まれる撮影画像50が補正され、補正後の撮影画像50が第2の学習データ60として生成される。
よって、第6の実施形態に係る学習データ生成装置10は、印刷物の個体識別に特化したデータ拡張を行うことを可能とする。
【0128】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における学習データ生成装置10の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0129】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0130】
10…学習データ生成装置、20,20a,20b…撮像装置、30,30a…印刷元画像、31,31a,31b…印刷用紙、40,40a,40b…印刷物、50,50a,50b,50c,50d,50e…撮影画像、60,60a,60b,60c,60d,60e…学習データ、110…データ入出力部、120…記憶部、121…印刷元画像記憶部、122…学習データ記憶部、130…制御部、131…取得部、132…補正方法決定部、133…撮影画像補正部、134…出力制御部、140…表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13