(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095413
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】通信システム、通信装置、サーバ装置、通信方法、通信プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 67/63 20220101AFI20230629BHJP
H04M 11/06 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
H04L67/63
H04M11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211288
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 廣人
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA10
5K201BA18
5K201BC20
5K201BC28
5K201BD02
5K201CA01
5K201CA06
5K201CC08
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED09
5K201EF09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】移動体内の第1装置と移動体外の第2装置との間の通信において、移動体の操縦者のプライバシーに配慮しつつ第2装置から第1装置への無駄な接続試行を抑制して効率の良い円滑な通信を実現することを可能にする通信システム、通信装置、サーバ装置、通信方法、通信プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】移動体と共に移動する第1装置によって取得された移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システム100であって、音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、第2装置からの接続情報へのアクセスを受け付けると、移動体の操縦者の状況を示す状況情報を第2装置に表示させる表示制御部と、を有する。表示制御部は、接続情報を用いて開始された音声映像通信の終了後、状況情報を第2装置に表示させない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムであって、
前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、
前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御部と、を有し、
前記表示制御部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記接続情報提供部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記接続情報を無効化し、
前記表示制御部は、前記接続情報が無効である場合に、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記接続情報提供部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信が、前記第1装置になされた操作に基づいて終了した後、前記接続情報を無効化することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記音声映像通信は、前記接続情報へのアクセスに応じて前記第2装置に表示される操作用画面に対する操作が受付けられることによって開始され、
前記表示制御部は、前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記操作用画面を前記第2装置に表示させ、かつ、前記接続情報が無効である場合に、前記操作用画面を前記第2装置に表示させない制御を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記状況情報は、前記操縦者が前記移動体に搭乗しているか否かを示す搭乗状況情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項6】
移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムによって実行される通信方法であって、
前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供ステップと、
前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、
前記表示制御ステップにおいて、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とする通信方法。
【請求項7】
コンピュータを備え、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムによって実行される通信プログラムであって、前記コンピュータに、
前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供ステップと、
前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御ステップと、を実行させ、
前記表示制御ステップにおいて、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないように制御させるための通信プログラム。
【請求項8】
コンピュータを備え、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムに、
前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供ステップと、
前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御ステップと、を実行させ、
前記表示制御ステップにおいて、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないように制御させるための通信プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項9】
移動体と共に移動し、前記移動体における音声及び映像を取得して他の装置に送信する音声映像通信を行う通信装置であって、
前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、
前記他の装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記他の装置に表示させる表示制御部と、を有し、
前記表示制御部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記他の装置に表示させないことを特徴とする通信装置。
【請求項10】
移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行うサーバ装置であって、
前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、
前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御部と、を有し、
前記表示制御部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、サーバ装置、通信方法、通信プログラム及び記憶媒体に関し、例えば、移動体からの映像及び音声をユーザに提供可能な通信システム、通信装置、サーバ装置、通信方法、通信プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載機と当該車両の外部に位置する車外端末との間で通信を行う通信システムがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両の運転者と車外端末の操作者との間で音声通話を行い、当該音声通話がなされているときに、車両の前方の映像を表す映像データを車載機から車外端末に送信し、当該映像を車外端末に表示させるシステムが開示されている。特許文献1において、車載機は、通話開始通知を受信したことに基づいて、通話及び画像等のデータ送信を行う処理を開始し、車両の運転者の発話内容の音声信号を車外端末に送信し、また、前方画像データを含む車両情報を車外端末に送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようなシステムにおいて、例えば、車外端末から車載機に向けて通話開始通知を送信した際に、車載機の搭載されている車両に運転者が乗車していなければ、通話開始通知の送信による接続試行が無駄になる場合も有り、これを防ぐために、接続試行の前に、運転者の乗車状況を車外端末のユーザに知らせることが考えられる。そのようにした場合、無制限に乗車状況が知られると、運転者のプライバシーの観点から問題があることが課題の1つとして挙げられる。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、移動体内の第1装置と移動体外の第2装置との間の通信において、移動体の操縦者のプライバシーに配慮しつつ第2装置から第1装置への無駄な接続試行を抑制して効率の良い円滑な通信を実現することを可能にする通信システム、通信装置、サーバ装置、通信方法、通信プログラム及び記憶媒体を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムであって、前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムによって実行される通信方法であって、前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供ステップと、前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップにおいて、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とする。
【0009】
請求項7に記載の発明は、コンピュータを備え、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムによって実行される通信プログラムであって、前記コンピュータに、前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供ステップと、前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御ステップと、を実行させ、前記表示制御ステップにおいて、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないように制御させるための通信プログラムである。
【0010】
請求項8に記載の発明は、コンピュータを備え、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行う通信システムに、前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供ステップと、前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御ステップと、を実行させ、前記表示制御ステップにおいて、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないように制御させるための通信プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体である。
【0011】
請求項9に記載の発明は、移動体と共に移動し、前記移動体における音声及び映像を取得して他の装置に送信する音声映像通信を行う通信装置であって、前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、前記他の装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記他の装置に表示させる表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記他の装置に表示させないことを特徴とする。
【0012】
請求項10に記載の発明は、移動体と共に移動する第1装置によって取得された前記移動体における音声及び映像を第2装置に送信する音声映像通信を行うサーバ装置であって、前記音声映像通信の接続に用いられる接続情報を提供する接続情報提供部と、前記第2装置からの前記接続情報へのアクセスを受け付けると、前記移動体の操縦者の状況を示す状況情報を前記第2装置に表示させる表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記接続情報を用いて開始された前記音声映像通信の終了後、前記状況情報を前記第2装置に表示させないことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例に係る通信システムの概略を示す模式図である。
【
図2】実施例に係る車両の前席部分の構成を示す図である。
【
図3】実施例に係る車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施例に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施例に係る外部装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】実施例に係る通信システムにおいて行われる通信の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】実施例に係るサーバ装置によって実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施例に係るサーバ装置によって実行されるルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施例に係る外部装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図11】実施例に係る外部装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図12】実施例に係る外部装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図13】実施例の変形例に係る車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0015】
[1.システムの構成]
実施例に係る車載装置10を含む通信システム100の構成について添付図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例である通信システム100を示している。
図1に示すように、通信システム100は、車載装置10、サーバ30及び外部装置40を含んで構成されている。なお、
図1においては、車載装置10が移動体の一例としての自動車Mに搭載されている場合を示している。また、
図1においては、外部装置40の一例として、スマートフォンを示している。
【0017】
車載装置10、サーバ30及び外部装置40は、ネットワークNWを介して、例えば、TCP/IPや、UDP/IP等の通信プロトコルを用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信及び有線通信を含むインターネット通信により構築され得る。
【0018】
通信システム100において、自動車Mと共に移動する第1装置としての車載装置10によって取得された自動車Mにおける音声及び映像を第2装置としての外部装置40に送信する音声映像通信が可能である。
【0019】
本実施例の通信システム100においては、車載装置10と外部装置40との間で音声通話が確立された上で、車載装置10から自動車Mにおいて撮影された映像が外部装置40に配信される。
【0020】
以下の説明において、上記のように、車載装置10と外部装置40との間での音声通話を確立させつつ、自動車Mにおいて撮影された映像を車載装置10から外部装置40に配信する通信態様を音声映像通信の一態様としてのビデオ通信と称する。本実施例において、車載装置10と外部装置40とは、サーバ30を介してビデオ通信を行っている。
【0021】
このようなビデオ通信が行われることで、車載装置10から送信される映像を視聴している外部装置40のユーザは、あたかも移動体の操縦者としての自動車Mの運転者と自動車Mに同乗しているような感覚を得ることができる。言い換えれば、ビデオ通信によって、外部装置40のユーザの自動車Mへの仮想同乗を実現することができる。また、このようなビデオ通信を実現可能な本実施例の通信システム100のようなシステムを仮想同乗システムとも称する。
【0022】
以下、実施例においては、車載装置10がカーナビゲーション装置である場合を例に説明する。また、実施例においては、車載装置10が、ユーザが案内を希望する目的地をユーザから受け付け、当該目的地をサーバ30に送信し、サーバ30が目的地への経路を生成する、いわゆるクラウド型のカーナビゲーション装置の端末装置である場合を例に説明する。
【0023】
また、本実施例において、ビデオ通信の開始の態様の一例として、最初に車載装置10から外部装置40へのビデオ通信の招待がなされ、当該招待の際に、ビデオ通信のための接続情報が提供される場合について説明する。本実施例において、当該接続情報を用いた外部装置40からの接続試行がなされた場合に、ビデオ通信の開始の処理が進行する。
【0024】
また、本実施例において、ビデオ通信の終了の際には、車載装置10によって受け付けられたビデオ通信の終了を指示する操作によって終了する車載装置10側からの終了と、外部装置40によって受け付けられたビデオ通信の終了を指示する操作によって終了する外部装置40側からの終了と、の両方が可能であることとして説明する。
【0025】
図2は、映像送信装置または映像生成装置としての車載装置10を搭載している自動車Mの前席付近を示す斜視図である。
図1では、取り付け例として、自動車Mの前席のダッシュボードDB内に車載装置10が取り付けられている場合を示す。
【0026】
GPS受信機11は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号(GPS信号)を受信する装置である。GPS受信機11は、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。なお、GPS受信機11は、GPS信号が受信できればどこに配されていてもよい。GPS受信機11は、受信したGPS信号を車載装置10に送信することが可能である。
【0027】
車外カメラ13は、自動車Mの前方を撮影する撮像装置である。本実施例において、車外カメラ13は、前方が撮影方向となる様にダッシュボードDBに配されている。例えば、車外カメラ13は、広角カメラであり、フロントガラスを介して自動車Mの前方の広い領域を撮影可能である。なお、車外カメラ13は、ルームミラーRMに設けられても良く、フロントガラスFGの内側に取り付けられていてもよい。
【0028】
車内カメラ15は、自動車Mの内部の状況を撮影する撮像装置である。本実施例において、車内カメラ15は、フロントガラスFGの上端または当該上端付近の天井部に設けられており、自動車Mの運転者を撮影可能である。
【0029】
ビデオ通信時には、車外カメラ13または車内カメラ15によって撮像された映像が、外部装置40に配信される。
【0030】
タッチパネル17は、例えば、映像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチパッドとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル17は、例えば、ダッシュボードDBのセンターコンソールに配されている。タッチパネル17は、運転者から視認できかつ運転者の手が届く場所に配されていればよい。例えば、タッチパネル17は、ダッシュボードDB上に取り付けられていてもよい。
【0031】
タッチパネル17は、車載装置10の制御に基づいて画面表示を行うことが可能である。また、タッチパネル17は、ユーザから受け付けたタッチパネル17への入力操作を表す信号を車載装置10に送信することが可能である。例えば、タッチパネル17には、カーナビゲーションの案内表示がなされても良い。また、タッチパネル17を介して、目的地を設定する等、カーナビゲーション機能に関する操作が可能であってもよい。
【0032】
また、タッチパネル17には、ビデオ通信に関する情報が表示されてもよく、ビデオ通信のための接続(以下、ビデオ接続とも称する)の開始又は終了をするための操作の受付画面が表示されてもよい。自動車Mの乗員はタッチパネル17への入力操作によって、ビデオ通信の接続操作を行ってもよい。
【0033】
スピーカ19は、例えば、AピラーAPの室内側に設けられている。スピーカ19は、車載装置10の制御に基づいて音楽や音声等の音を発することが可能である。ビデオ通信時において、スピーカ19からは、音声通話における外部装置40からの音声が発せられる。
【0034】
マイク21は、車内の音を受音するマイク装置であり、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。マイク21は、車内の音を受音可能であれば、ルームミラーRMまたはハンドル等、どこに設けられていてもよい。ビデオ通信時において、マイク21に収音された音声が音声通話の音声として外部装置40に送信される。また、ビデオ通信の開始又は終了に関する操作入力が、マイク21を介して音声によって行われてもよい。
【0035】
図3は、車載装置10の構成を示すブロック図である。例えば、車載装置10は、システムバスを介して、記憶部24と、制御部25と、通信部27と、が協働する装置である。
【0036】
着座センサ22は、自動車Mの運転者が乗車(以下、「搭乗」とも記載する)しているか否かを実際に検出可能であり、例えば、当該検出された運転者の存在の有無を示す信号を出力可能なセンサである。着座センサ22は、例えば、自動車Mの運転席のシートの座面又は背面に設けられており、荷重を検知するセンサである。なお、運転者の検出は、車内カメラ15の映像を画像認識することでなされても良いし、他の赤外線センサ等の光電センサによって運転者自体を直接検出することでなされてもよい。
【0037】
また、自動車Mには加速度センサ23が搭載されている。加速度センサ23は、自動車Mの加速度を測定可能であり、当該測定された加速度を示す信号を出力可能な例えばMEMS加速度センサであってもよい。なお、加速度センサ23は慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)であってもよい。また、加速度センサ23は、車載装置10に内蔵されていてもよい。
【0038】
記憶部24は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成される記憶デバイスである。記憶部24は、オペレーティングシステムや、端末用のソフトウェア等の、車載装置10において実行される各種プログラムを記憶する。
【0039】
各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部24に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0040】
また、記憶部24は、また、道路地図を含む地図情報を記憶している。また、記憶部24は、車載装置10がビデオ通信を行う相手としての外部装置40の連絡先を示す情報、例えば電話番号又はメールアドレス等の情報を記憶している。また、当該連絡先を示す情報には、外部装置40のユーザである仮想同乗者を識別可能なニックネーム等の識別子が対応付けられていてもよい。
【0041】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、コンピュータとして機能する。制御部25は、CPUがROMや記憶部24に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。本実施例においては、制御部25によって、ビデオ通信の開始や終了に関する情報を運転者に提示する機能、ビデオ通信時の動画配信機能、カーナビゲーション機能等が発揮される。
【0042】
制御部25は、車載装置10内に設けられているGPS受信機11、車外カメラ13、車内カメラ15、タッチパネル17、スピーカ19、マイク21、着座センサ22、及び加速度センサ23と通信可能に接続されている。
【0043】
制御部25は、車外カメラ13及び車内カメラ15によって撮像された映像を逐次取得する。また、制御部25は、着座センサ22によって検出される運転者が乗車しているか否かを示す情報を逐次取得する。また、制御部25は、GPS受信機11からの信号及び加速度センサ23によって計測された加速度を示す信号を逐次取得する。
【0044】
通信部27は、制御部25の指示に従って外部機器とのデータの送受信を行う通信装置である。通信部27は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNIC(Network Interface Card)である。
【0045】
通信部27は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータをサーバ30との間で送受信する。また、通信部27は、サーバ30を介して種々のデータを外部装置40との間で送受信する。
【0046】
通信部27は、例えば、自動車Mの外部又は内部の映像、車載装置10に対してなされた入力操作を示す情報、現在位置情報及び移動経路等の情報をサーバ30に送信する。また、通信部27は、例えば、ビデオ通信に関してタッチパネル17に表示させるための情報をサーバ30から受信する。
【0047】
制御部25は、ビデオ通信中、通信部27を介して、車外カメラ13又は車内カメラ15によって撮像された映像をサーバ30に逐次送信する。
【0048】
制御部25は、通信部27を介してサーバ30からビデオ通信の開始や終了に関する表示情報を受信してタッチパネル17に表示させる。また、制御部25は、ビデオ通信の開始や終了に関する情報をスピーカ19から音声によって出力してもよい。
【0049】
制御部25は、例えばタッチパネル17又はマイク21を介して受け付けられたビデオ通信の開始や終了に関する指示を示す情報を、通信部27を介してサーバ30に送信可能である。
【0050】
例えば、車載装置10の制御部25は、通信部27を介して、サーバ30に車載装置10の現在位置を特定可能な位置データとしての位置特定情報、すなわち本実施例では自動車Mの現在位置の情報を送信可能である。また、例えば、制御部25は、通信部27を介して、サーバ30にユーザから入力された目的地を含む情報を送信し、サーバ30から、当該目的地への経路情報またはナビゲーション情報を受信可能である。
【0051】
制御部25は、通信部27を介して、ビデオ通信における音声通話のために、マイク21によって収音された音声の音声データを外部装置40に送信可能である。また、制御部25は、通信部27を介して、ビデオ通信における音声通話のために、外部装置40に入力された音声の音声データを受信可能である。
【0052】
図4は、サーバ30の構成を示すブロック図である。例えば、サーバ30はシステムバスを介して、記憶部31と、通信部33と、制御部35と、が協働している装置である。
【0053】
サーバ30は、ビデオ通信中において、車載装置10と外部装置40との間の音声通話を確立し、当該音声通話のデータを転送するSIPサーバのような機能を有している。
【0054】
また、サーバ30は、車載装置10から自動車Mの位置特定情報及び自動車Mの乗員であるユーザが設定した目的地の情報を受信し、当該位置特定情報及び目的地の情報に基づいて当該目的地への経路を生成する機能を有する。
【0055】
記憶部31は、例えば、ハードディスク装置及びSSD(solid state drive)等により構成されており、オペレーティングシステムや、サーバ30用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0056】
各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部31に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0057】
記憶部31は、例えば、サーバ30が、通信システム100におけるビデオ通信の接続に関する制御を行うための通信プログラムを記憶している。
【0058】
また、記憶部31は、道路地図を含む地図情報が保存されている地図情報データベース(図示せず)を記憶している。地図情報データベースの地図情報は、例えばナビゲーション装置に用いられている地図情報と同等の情報を有しているデータベースである。
【0059】
通信部33は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータを車載装置10及び外部装置40との間で送受信する。
【0060】
制御部35は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPUが、ROMや記憶部31に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0061】
制御部35は、上述の通信プログラムを実行することで、通信システム100におけるビデオ通信の接続に関する制御を実現する。
【0062】
制御部35は、接続情報提供部36、搭乗情報取得部37及び表示制御部38を含んでいる。
【0063】
接続情報提供部36は、外部装置40が車載装置10との間でビデオ通信を行う際の接続に用いられる接続情報としてのURL(Uniform Resource Locator)の生成及び管理を行う機能部である。
【0064】
接続情報提供部36は、車載装置10からの要求に応じて、外部装置40が車載装置10との間でビデオ通信を行う際の接続に用いられる接続情報としてのURLを外部装置40に提供する接続情報提供ステップを実行する。
【0065】
例えば、接続情報提供部36は、車載装置10から、外部装置40をビデオ通信に招待するためのURLの送信要求を受け付けると、外部装置40とのビデオ通信に使用可能なURL生成し、当該URLを外部装置40に送信することで、当該URLを外部装置40に提供する。URLの送信は、例えば、上記したような招待メールの送信によって行われる。
【0066】
外部装置40とのビデオ通信に使用可能なURLは、例えば、ビデオ通信を開始するための入力操作を受け付ける操作用画面としての開始画面にアクセス可能なURLである。本実施例において、開始画面は、運転者の状況を示す表示を含む。言い換えれば、外部装置40が当該URLにアクセスすることで外部装置40に表示される開始画面は、ビデオ通信を開始するための操作を受け付ける操作用画面であり、移動体の操縦者の状況を示す状況情報表示画面でもある。
【0067】
なお、本実施例において、接続情報提供部36は、URLを生成する際に、当該URLの有効期限を設定する。接続情報提供部36は、例えば、ビデオ通信の接続に用いられるURLを生成し、当該URLと、当該URLの有効期限とを対応付けてデータベースに記憶させる。当該データベースは、例えば、記憶部31に記憶される。なお、接続情報提供部36は、有効期限を有するURLを外部のサーバ等の装置から取得してもよい。
【0068】
また、例えば、接続情報提供部36は、URLの有効期限が到来すると、当該URLによるページへのアクセスを拒否する。
【0069】
上記のURLの有効期限は、例えば、車載装置10からの要求があった時点から所定時間経過した時刻が設定される。例えば、当該有効期限は、要求があった時点から数時間~24時間であり、数日間であってもよい。
【0070】
また、URLの有効期限は、外部装置40のユーザごとに運転者が設定できるようにしてもよい。これによって、例えば、自動車Mの運転者は、仲の良いユーザなど、頻繁にビデオ通信を行うユーザについて有効期限を長く設定することができ、ビデオ通信を行う度に招待を行う手間を省くことができる。また、あまり頻繁にビデオ通信を行わないユーザについては有効期限を短く設定し、当該ユーザからの運転者にとって不要なアクセスを防止することができる。
【0071】
また、接続情報提供部36は、上記のように生成したURLを用いて開始されたビデオ通信が終了すると、当該URLを無効化する。URLが無効である場合には、外部装置40は当該URLにアクセスできなくなり、上記したような運転者の状況を示す表示を含む開始画面は外部装置40に表示されない。
【0072】
従って、ビデオ通信が終了した後は、運転者の状況を外部装置40のユーザに知られないようにすることができ、運転者のプライバシーが保護される。また、ビデオ通信が終了した後は、ビデオ通信を開始するための入力操作ができなくなるので、運転者が望まないビデオ通信の接続を防止することができる。
【0073】
さらに、接続情報提供部36は、上記のURLを用いて開始されたビデオ通信が、車載装置10になされた操作に基づいて終了すると、当該URLを無効化する。上記したように、URLが無効である場合には、運転者の状況を示す表示を含む開始画面は外部装置40に表示されない。
【0074】
従って、ビデオ通信が運転者の意図によって終了された後は、運転者の状況を外部装置40のユーザに知られないようにすることができ、接続不良や外部装置40のユーザによってビデオ通信が終了された場合等の運転者の意図によらずにビデオ通信が終了された場合には、運転者の状況を示す表示を開始画面上に表示させることができる。従って、運転者のプライバシーを必要な場合に適切に保護することができる。また、運転者が望まない可能性が高い場合にビデオ通信の接続を防止することができる。
【0075】
搭乗情報取得部37は、運転者の状況を示す状況情報として、自動車Mに運転者が乗車しているか否かを示す搭乗状況情報を取得する機能部である。
【0076】
搭乗状況情報は、例えば、運転者が自動車Mに搭乗しているか否かを実際に検出した結果に基づいた情報である。例えば、搭乗情報取得部37は、車内カメラ15によって自動車Mの運転席を含む領域が撮影された映像を車載装置10から取得し、当該映像を画像認識することで運転者が運転席に存在するか否かを実際に検出する。搭乗情報取得部37は、当該検出結果に基づいて、運転者が乗車しているか否かを示す搭乗状況情報を取得する。
【0077】
また、例えば、搭乗情報取得部37は、自動車Mに備えられた着座センサ22による検出結果を取得することで、運転席に運転者が存在するか否かを実際に検出し、当該検出結果に基づいて、運転者が乗車しているか否かを示す搭乗状況情報を取得する。
【0078】
また、搭乗状況情報は、例えば、車載装置10が、ビデオ通信に用いる通信網であるネットワークNWに接続されているか否かに基づいた情報である。搭乗情報取得部37は、車載装置10がネットワークNWに接続されているか否かを検出することで、搭乗状況情報を取得する。
【0079】
また、搭乗状況情報は、例えば、自動車Mのアクセサリー電源が投入されているか否かに基づいた情報であってもよい。
【0080】
例えば、アクセサリー電源のON/OFFを検出可能なモニタ用装置を自動車M内に設置し、搭乗情報取得部37が当該モニタ用装置からアクセサリー電源が投入されているか否かを示す情報を取得するようにしてもよい。
【0081】
また、搭乗状況情報は、例えば運転者の運転中における余裕状態を示す情報を含んでいてもよい。当該余裕状態は、言い換えれば、運転の忙しさ又はワークロードの高さによって決まる状態である。搭乗情報取得部37は、例えば、車内カメラ15や車外カメラ13、加速度センサ23等からの情報を利用して、運転者の運転に対する余裕状態を示す搭乗状況情報を取得する。さらに言い換えれば当該余裕状態とは、運転者が運転中にビデオ通信を行って会話ができる余裕があるかどうかの状態であるといえる。
【0082】
表示制御部38は、接続情報提供部36によって提供されたURLへの外部装置40からのアクセスを受付けると、移動体の操縦者の状況を示す状況情報としての搭乗状況情報を外部装置40に表示させる表示制御ステップを実行する機能部である。当該表示制御ステップにおいて、表示制御部38は、接続情報提供部36によって提供されたURLを用いて開始されたビデオ通信の終了後、状況情報を外部装置40に表示させないようにする制御を行う。
【0083】
例えば、表示制御部38は、外部装置40と車載装置10とのビデオ通信について接続情報提供部36によって生成されたURLが有効である場合には状況情報の表示を含む開始画面を外部装置40に表示させ、当該URLが無効である場合には、状況情報の表示を含む開始画面を外部装置40に表示させないようにする制御を行う。
【0084】
例えば、表示制御部38は、アクセスを受付けたURLが有効であるか否かを判定し、有効である場合に、搭乗状況情報を含む開始画面を外部装置40に表示させる。
【0085】
例えば、上記のURLが有効である場合、表示制御部38は、搭乗情報取得部が取得した搭乗状況情報を参照し、自動車Mに運転者が乗車しているが否かを判定する。
【0086】
当該判定の結果、自動車Mに運転者が乗車している場合には、表示制御部38は、例えば、運転者が乗車中であることを示す表示を外部装置40に表示させる。当該判定の結果、自動車Mに運転者が乗車していない場合には、表示制御部38は、例えば、運転者が降車中であることを示す表示を外部装置40に表示させる。
【0087】
上述したように、接続情報提供部36が生成したURLを用いて開始されたビデオ通信が終了すると、接続情報提供部36は、当該URLを無効化する。また、上述したように、接続情報提供部36は、上記のURLを用いて開始されたビデオ通信が、車載装置10になされた操作に基づいて終了した後、接続情報提供部36が当該URLを無効化する。
【0088】
例えば、表示制御部38は、アクセスを受付けたURLが無効である場合に、外部装置40に開始画面を表示させず、URLが無効である旨のメッセージを外部装置40に表示させる。
【0089】
従って、ビデオ通信が終了するまでは、外部装置40のユーザは、運転者が乗車中であるか否か、すなわち、車載装置10と外部装置40との間のビデオ通信を行うことが不可能であるか否かを、接続試行をする前に知ることができる。従って、運転者が降車中である場合には、接続試行をしても接続がなされない状況や、何度も接続試行し直す等の余計な手間を回避することができる。
【0090】
自動車Mの運転者は、ビデオ通信が終了した後にまで、搭乗状況情報が仮想同乗者に知られてしまうような状態を防止することができる。従って、運転者のプライバシーが保護される。
【0091】
また、表示制御部38は、ビデオ通信の終了後はURLが無効化されことで、開始要求を受け付けるための開始画面が、外部装置40に表示されないように制御することができる。従って、例えば、ビデオ通信の終了後に、運転者にとって不要なビデオ通信の開始要求がなされることを防止することができる。
【0092】
さらに、車載装置10になされた操作に基づいてビデオ通信が終了した場合は、運転者が意図的にビデオ通信を終了し、その後は運転者としてはビデオ通信を再開することを意図していないことが考えられる。一方で、例えば仮想同乗者がビデオ通信を終了させた場合や、接続不良によりビデオ通信が終了した場合等の、運転者が意図的にビデオ通信を終了した訳ではない場合には、運転者はビデオ通信を再開することを希望する場合があり得る。
【0093】
従って、ビデオ通信が車載装置10になされた操作に基づいて終了した後に、状況情報の表示をさせないようにすることで、ビデオ通信が運転者側から終了した場合にのみ、状況情報を含む開始画面の表示がなされることを防止し、それ以外の場合、例えば仮想同乗者がビデオ通信を終了させた場合や、接続不良によりビデオ通信が終了した場合には、再度状況情報を含む開始画面の表示ができるようにしておくことができる。従って、運転者のプライバシーが必要な場合に適切に保護される。
【0094】
また、本実施例において、URLを無効化すると、ビデオ通信を開始するための開始画面にアクセスできなくなる。従って、ビデオ通信が車載装置10になされた操作に基づいて終了した後に、URLを無効化することで、ビデオ通信が運転者側から終了した場合にのみ、外部装置40から再度のビデオ通信の開始要求がなされることを防止し、それ以外の場合には、再度のビデオ通信の開始要求ができるようにしておくことができる。従って、運転者が意図しないビデオ通信の再開を防止することができる。
【0095】
また、制御部35は、通信部33を介して、車載装置10から自動車Mの現在位置を示す位置情報を取得する。また、制御部35は、通信部33を介して、車載装置10から自動車Mの乗員が車載装置10に入力した目的地の情報を取得する。制御部35は、当該位置情報及び目的地の情報に基づいて、当該目的地までの経路を生成し、当該経路を示す情報を車載装置10に送信する。
【0096】
また、制御部35は、通信部33を介して、車載装置10から受信した映像及び音声を外部装置40に転送する。制御部35は、通信部33を介して、外部装置40から受信した音声を車載装置10に転送する。
【0097】
図5は、外部装置40の正面図である。上述のように、本実施例において、外部装置40はスマートフォンである。
【0098】
タッチパネル41は、例えば、映像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチパッドとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル41は、ユーザから受け付けたタッチパネル41への入力操作を表す信号を生成することが可能である。本実施例において、タッチパネル41には、車載装置10から配信された映像が表示される。
【0099】
また、タッチパネル41には、ビデオ通信に関する情報が表示され、ビデオ通信の接続を開始するための操作の受付画面が表示される。外部装置40のユーザは、タッチパネル41への入力操作によって、ビデオ通信の開始のための入力続操作を行うことが可能である。
【0100】
スピーカ43は、音楽や音声等の音を発することが可能である。ビデオ通信時において、スピーカ43からは、音声通話における車載装置10からの音声が発せられる。
【0101】
マイク45は、外部装置40に向けて発せられた音を受音するマイク装置である。ビデオ通信時において、マイク45によって収音された音声が音声通話の音声としてサーバ30を介して車載装置10に送信される。
【0102】
図6は、外部装置40の構成の一例を示すブロック図である。例えば、外部装置40は、システムバス(図示せず)を介して、記憶部47と、制御部49と、通信部51と、が協働する装置である。
【0103】
記憶部47は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、外部装置40用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0104】
なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部47に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0105】
制御部49は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPUがROMや記憶部47に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0106】
制御部49は、タッチパネル41、スピーカ43及びマイク45に通信可能に接続されている。
【0107】
制御部49は、タッチパネル41への入力操作を示す信号及びマイク45からの音声入力信号を受信することが可能である。例えば、制御部49は、タッチパネル41又はマイク45によってユーザからなされたビデオ通信の開始又は終了の要求を受け付けることが可能である。
【0108】
また、制御部49は、タッチパネル41に映像または画像信号を送信して表示をさせたり、スピーカ43に音声信号を送信して、音を出力させたりすることが可能である。
【0109】
例えば、制御部49は、ビデオ通信の接続試行の要求を受け付けるための開始画面や自動車Mの運転者が乗車中であるか否かを示す画面又はURLが無効であることを示す画面をタッチパネル41に表示させる。
【0110】
また、例えば、制御部49は、ビデオ通信中における映像をタッチパネル41に表示させ、自動車Mにおいて収音されたビデオ通信中における音声をスピーカ43に出力させる。
【0111】
通信部51は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータをサーバ30との間で送受信する。また、通信部51は、車載装置10から送信された映像を始めとする種々のデータを、サーバ30を介して車載装置10との間で送受信する。
【0112】
外部装置40の制御部49は、通信部51を介して、ビデオ通信の接続試行の要求を受け付けるための開始画面や自動車Mの運転者が乗車中であるか否かを示す画面又はURLが無効であることを示す画面を表示させるための情報を受信可能である。
【0113】
また、制御部49は、通信部51を介して、ビデオ通信における音声通話のために、マイク45によって収音された音声の音声データを車載装置10に送信可能である。また、制御部49は、通信部51を介して、ビデオ通信における音声通話のために、車載装置10から送信された音声データを受信可能である。
【0114】
例えば、外部装置40の制御部49は、通信部51を介して、サーバ30から車載装置10から送信された自動車Mの現在位置を特定可能な位置特定情報を受信可能である。また、例えば、制御部49は、通信部51を介して、サーバ30から、自動車Mの経路情報またはナビゲーション情報を受信可能である。
【0115】
[2.車載装置側から終了する場合のシーケンス]
図7は、URLが有効であり、通信システム100において車載装置10と外部装置40との間でサーバ30を介して行われるビデオ通信の開始から、車載装置10への操作による終了までの通信の一例を示すシーケンス図である。
【0116】
以下、車載装置10のユーザである運転者が、自動車Mを運転する際に外部装置40のユーザである仮想同乗者との間でビデオ通信を行う場合について説明する。例えば、運転者は、仮想同乗者のメールアドレスに宛てて、ビデオ通信への招待メールを事前にサーバ30を介して送信しておく。招待メールには、車載装置10と外部装置40との間でのビデオ通信のための接続に用いられる有効なURL及び車載装置10を識別可能な識別子が含まれる。
【0117】
図7に示すように、仮想同乗者が外部装置40を用いて招待メールに含まれるURLをタップすると外部装置40が当該URLにアクセスする(ステップS11)。
【0118】
外部装置40からのURLへのアクセスがあると、サーバ30によってURLが有効か否かの確認が行われる。URLが有効であると判定される(ステップS12)と、外部装置40のタッチパネル41においてブラウザが立ち上がり、運転者の乗車状況を示す表示を含む開始画面が表示される(ステップS13)。
【0119】
例えば運転者が乗車中である場合、開始画面には、乗車中であることを示すメッセージと共に、仮想同乗者からのビデオ通信の開始の要求を受け付けるための表示領域である開始ボタンが表示される。
【0120】
仮想同乗者が開始ボタンをタップすると、ビデオ通信の開始要求が受け付けられ(ステップS14)、ビデオ通信の開始の要求がサーバ30に送信される(ステップS15)。
【0121】
サーバ30は、ビデオ通信の開始の要求を受信すると、外部装置40からのビデオ通信の開始の要求があったことを車載装置10に通知する(ステップS16)。
【0122】
ステップS16において、例えば、車載装置10がサーバ30からの通知を受信すると、ビデオ通信の開始について承諾するか否かの選択ボタンがタッチパネル17に表示される。例えば、運転者が承諾ボタンをタップすると、運転者がビデオ通信の開始を承諾したことを示す承諾通知がサーバ30に送信される(ステップS17)。
【0123】
サーバ30は、承諾通知を受信すると、ビデオ通信開始処理を実行して車載装置10と外部装置40との間の音声通話を確立させつつ、自動車Mにおいて撮影された映像を車載装置10から外部装置40に配信させる(ステップS18)。このようにして、ビデオ通信が開始される。
【0124】
その後、車載装置10に対して、ビデオ通信の終了を指示する入力操作が行われると、車載装置10によってビデオ通信の終了要求が受付けられる(ステップS19)。当該ビデオ通信の終了を指示する入力操作は、車載装置10のタッチパネル17を介して行われてもよく、マイク21を介して音声によって行われてもよい。
【0125】
終了要求が受付けられると、車載装置10からサーバ30にビデオ通信の終了通知が送信され(ステップS20)、サーバ30から外部装置40にビデオ通信の終了通知が送信される(ステップS21)。
【0126】
またサーバ30は、終了通知を受信すると、ビデオ通信終了処理を実行して車載装置10と外部装置40との間の音声通話を停止させ、自動車Mにおいて撮影された映像の車載装置10から外部装置40への配信を停止させる(ステップS22)。車載装置10は画像及び音声の送信を停止する。このようにして、車載装置10への操作によってビデオ通信が終了される。
【0127】
車載装置10への操作によってビデオ通信が終了されると、サーバ30は、当該終了したビデオ通信に用いられたURLを無効化する(ステップS23)。なお、サーバ30は、車載装置10への操作によらずにビデオ通信が終了された場合には、当該終了したビデオ通信に用いられたURLを有効なURLとして保持する。
【0128】
[3.サーバの動作]
以下、実施例の通信システム100の動作を実現するためのサーバ30の制御ルーチンについて説明する。以下、搭乗情報取得部37は、例えば、サーバ30から外部装置40にビデオ通信の招待メールが送信された後、搭乗状況情報を随時取得し、最新の搭乗状況情報を保持しているものとして説明する。
【0129】
図8は、サーバ30の接続情報提供部36によって実行されるURL管理ルーチンRT1を示すフローチャートである。接続情報提供部36は、例えば、ビデオ通信が開始されると、URL管理ルーチンRT1を開始する。
【0130】
接続情報提供部36は、URL管理ルーチンRT1を開始すると、ビデオ通信が終了したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101において、例えば、車載装置10と外部装置40との間で通信が切断された場合、又は車載装置10から外部装置40への自動車Mにおいて撮影された映像の配信が停止した場合に、ビデオ通信が終了したと判定される。
【0131】
ステップS101において、接続情報提供部36は、ビデオ通信が終了していないと判定する(ステップS101:NO)と、ステップS101を繰り返し、ビデオ通信が終了したか否かを再び判定する。
【0132】
ステップS101において、接続情報提供部36は、ビデオ通信が終了したと判定する(ステップS101:YES)と、当該終了が、車載装置10側からの終了、すなわち、車載装置10に対してなされた操作による終了であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0133】
ステップS102において、例えば、車載装置10からサーバ30への終了通知(例えば
図7中、ステップS20)がなされたことによってビデオ通信が終了した場合には、車載装置側からの終了であると判定される。
【0134】
ステップS102において、例えば、外部装置40からサーバ30への終了通知がなされたことによってビデオ通信が終了した場合には、車載装置側からの終了ではないと判定される。
【0135】
また、ステップS102において、例えば通信不良によってビデオ通信の接続が切断されている場合には、車載装置側からの終了ではないと判定される。
【0136】
ステップS102において、接続情報提供部36は、車載装置10側からの終了であると判定する(ステップS102:YES)と、終了したビデオ通信において用いられたURLを無効化する(ステップS103)。
【0137】
ステップS103において、例えば、接続情報提供部36は、URLを保持しているデータベースから、当該URLを削除することによって当該URLを無効化してもよい。
【0138】
接続情報提供部36は、ステップS103の実行後、又は、ステップS102において車載装置10側からの終了ではないと判定した場合(ステップS102:NO)、URL管理ルーチンRT1を終了する。
【0139】
図9は、サーバ30の表示制御部38によって実行される表示制御ルーチンRT2を示すフローチャートである。例えば、サーバ30から外部装置40に招待メールが送信されると、表示制御ルーチンRT2を開始する。
【0140】
表示制御部38は、表示制御ルーチンRT2を開始すると、招待メールに含まれるURLへのアクセスがあったか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201において、例えば、仮想同乗者が外部装置40を用いて招待メール開き、招待メールに含まれるURLをタップし、外部装置40が当該URLにアクセスすると、招待メールに含まれるURLへのアクセスがあったと判定される。
【0141】
ステップS201において、表示制御部38は、URLへのアクセスが無いと判定する(ステップS201:NO)と、表示制御ルーチンRT2を終了し、次の表示制御ルーチンRT2を開始して、再びステップS201を実行する。
【0142】
ステップS201において、表示制御部38は、URLへのアクセスがあったと判定する(ステップS201:YES)と、URLが有効か否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において、例えば、表示制御部38は、URLが記憶されているデータベースを参照し、アクセスのあったURLが有効か否かを判定する。
【0143】
ステップS202において、表示制御部38は、URLが有効であると判定する(ステップS202:YES)と、搭乗情報取得部37が逐次取得して保持している搭乗状況情報を参照する(ステップS203)。ステップS203において、例えば、運転者が乗車しているか否かを示す搭乗状況情報が参照される。
【0144】
また、例えば、ステップS203において、車載装置10がネットワークNWに接続されているか否かを示す情報が参照されてもよく、自動車Mの運転席のシートに備えられた着座センサのON/OFF状態を示す情報が参照されてもよい。
【0145】
ステップS203の実行後、表示制御部38は、ステップS203において参照した搭乗状況情報に基づいて、運転者が乗車中か否かを判定する(ステップS204)。
【0146】
ステップS204において、表示制御部38は、運転者が乗車中であると判定する(ステップS204:YES)と、運転者が乗車中であることを示すメッセージを含む画面を外部装置40に表示させる(ステップS205)。
【0147】
図10は、ステップS205において外部装置40のタッチパネル41に表示される乗車中画面の一例を示す図である。
図10に示すように、乗車中画面には、運転者が乗車中である旨のメッセージが表示されている。
【0148】
また、
図10に示す乗車中画面には、運転者が乗車中である旨のメッセージに加えて、ビデオ通信による通話の開始を促すメッセージ及び開始ボタンが表示されている。なお、開始ボタンは、乗車中画面とは異なる画面に表示されてもよく、例えば、乗車中画面にビデオ通信を開始するための画面へ進むための「次へ」又は「開始画面へ」等のボタンが表示されてもよく、当該ボタンが押されると、開始ボタンを含む開始画面が表示されてもよい。
【0149】
なお、乗車中画面又は開始画面には、本人確認のための暗証番号入力欄が表示されていてもよい。例えば、本人確認は、当該入力欄への電話番号の下4桁の入力によって行われてもよい。
【0150】
また、乗車中画面又は開始画面からビデオ通信に関する利用規約及びプライバシーポリシーを確認できるようになっていてもよく、例えば、開始ボタンを押すと、当該利用規約及びプライバシーポリシーに同意したものとされる旨の表示がされていてもよい。
【0151】
ステップS204において、表示制御部38は、運転者が乗車中ではないと判定する(ステップS204:NO)と、運転者が降車中であることを示すメッセージを含む画面を外部装置40に表示させる(ステップS206)。
【0152】
図11は、ステップS206において外部装置40のタッチパネル41に表示される降車中画面の一例を示す図である。
図11に示すように、降車中画面には、運転者が降車中である旨のメッセージが表示されている。また、
図11に示すように、降車中画面には、ビデオ通信を開始できない旨のメッセージが表示されていてもよい。
【0153】
図11に示す例においては、開始ボタン等のビデオ通信の開始に関する表示が網掛けになっており、開始ボタンは機能しないようになっている。なお、降車中画面において、開始ボタンを含むビデオ通信の開始に関する表示は全くされていなくともよい。
【0154】
表示制御部38は、ステップS202において、URLが有効ではないと判定する(ステップS202:NO)と、URLが無効であることを示すメッセージを含む画面を外部装置40に表示させる(ステップS207)。
【0155】
図12は、ステップS207において外部装置40のタッチパネル41に表示されるURL無効画面の一例を示す図である。
図12に示すように、ステップS207において、ビデオ通信に関する画面にはアクセスできないため、URL無効画面には、URLが無効であることを示すメッセージとして、「URLが無効です」というメッセージが表示されている。
【0156】
例えば、URL無効画面には、ビデオ通信の開始が出来ないことを示すメッセージ、又は、ビデオ通信を開始するためには、新たに招待メールを受信する必要があることを示すメッセージがさらに表示されていてもよい。
【0157】
表示制御部38は、ステップS204~ステップS206において、外部装置40からのビデオ通信に用いられるURLへのアクセスを受け付けると、移動体の操縦者の状況情報を示す開始画面を外部装置40に表示させる表示制御ステップを実行する。
【0158】
また、表示制御部38は、ステップS207において、接続情報提供部36によって提供されたURLを用いて開始されたビデオ通信の終了後、状況情報を外部装置40に表示させない制御を実行する。
【0159】
ステップS205、ステップS206又はステップS207の実行後、表示制御部38は、表示制御ルーチンRT2を終了し、次の表示制御ルーチンRT2を開始する。
【0160】
表示制御ルーチンRT2によれば、
図10に示すような乗車中画面又は
図11に示すような降車中画面が表示されることで、仮想同乗者は、ビデオ通信の接続試行を行う前に、運転者が自動車Mに乗車中であるか否かを知ることができる。従って、仮想同乗者は、無駄な接続試行を行わずに済む。
【0161】
また、表示制御ルーチンRT2によれば、URLが有効な場合にのみ搭乗状況情報を外部装置40に表示させ、URLが無効な場合に搭乗状況情報を外部装置40に表示させないように制御をすることができる。
【0162】
また、上述したように、本実施例において、URL管理ルーチンRT1を実行し、車載装置10側からビデオ通信を終了した場合にURLを無効化する。
【0163】
従って、車載装置10側からビデオ通信を終了した後で、無制限に搭乗状況情報が仮想同乗者に知られることがなく、運転者のプライバシーを保護することができる。例えば、予定していたビデオ通信の終了後においても繰り返し搭乗状況情報を知られることを防止できる。
【0164】
さらに、本実施例によれば、車載装置10側からビデオ通信を終了した後は、開始画面も表示されないので、運転者が意図しない接続試行を防止することができる。
【0165】
さらに、URLが無効である場合は、
図12に示すようなURLが無効である旨のメッセージが表示されることで、仮想同乗者は、無駄な接続情報へのアクセスを行わずに済む。
【0166】
なお、上記の表示制御ルーチンRT2のステップS203において、運転者の乗車状況と合わせて、又はこれに代えて運転者の運転中における余裕状態が参照されて、運転者が乗車中であっても余裕が無い状況にある場合には、ビデオ通信の開始ができない旨のメッセージが表示されてもよい。
【0167】
なお、本実施例において、表示制御部38は、車載装置10になされた操作に基づいてビデオ通信が終了した後は、URLを無効化することなく、状況情報を外部装置40に表示させないように制御することとしてもよい。例えば、表示制御ルーチンRT2のステップS202において、ステップ201においてアクセスのあったURLを用いて従前になされたビデオ通信が、車載装置10になされた操作に基づいて終了されたか否かが判定されてもよい。
【0168】
その場合、表示制御部38は、ステップS202において、車載装置10になされた操作に基づいてビデオ通信が終了したと判定すると、ステップS207に移り、URLが無効である旨のメッセージに代えて、運転者の乗車状況を含む開始画面を表示できない旨のメッセージを外部装置40に表示させてもよい。例えば、表示制御部38は、当該URLによって特定されるページを削除することによって当該URLにアクセス不能としてもよい。
【0169】
以上説明したように、本実施例の通信システム100は、サーバ30を介して、第1装置としての車載装置10と第2装置としての外部装置40との間で音声通話を成立させつつ、車載装置10が搭載されている自動車Mにおける映像を外部装置40に送信するビデオ通信を行うことが可能である。
【0170】
本実施例の通信システム100は、ビデオ通信を含む音声映像通信の接続に用いられ接続情報を提供する接続情報提供部と、外部装置40からの接続情報へのアクセスを受け付けると、移動体の操縦者の状況を示す状況情報を外部装置40に表示させる表示制御部と、を有する。表示制御部は、当該接続情報を用いて開始された音声映像通信の終了後、状況情報を外部装置40に表示させないようにする制御を行う。
【0171】
従って、仮想同乗者にとっては、音声映像通信が終了していなければ、音声映像通信の接続を試行する前に操縦者の状況を知ることができ、操縦者が搭乗していない場合や操縦者に余裕が無い場合に無駄な接続試行を行うことを回避できる。
【0172】
移動体の操縦者にとっては、音声映像通信の終了後において無制限に仮想同乗者に当該操縦者の乗車状況や余裕状態等の状況を知られることを防止することができる。従って、運転者のプライバシーが保護される。
【0173】
例えば、本実施例によれば、当該接続情報を用いて開始された音声映像通信の終了後、当該接続情報を無効化することで、状況情報を第2装置に表示させないようにする制御を行うことができる。
【0174】
さらに、本実施例によれば、当該接続情報を用いて開始された音声映像通信が、第1装置になされた操作に基づいて終了した後、当該接続情報を無効化することで、状況情報を第2装置に表示させないようにする制御を行うことができる。
【0175】
従って、例えば、操縦者が意図的にビデオ通信を終了した場合には操縦者のプライバシーを保護しつつ、それ以外の場合には、状況情報を第2装置に表示させるようにして仮想同乗者の手間を省くなど、円滑な音声映像通信を実現することができる。
【0176】
また、本実施例によれば、当該接続情報を用いて開始された音声映像通信の終了後、当該接続情報を無効化すると、音声映像通信を開始するための入力操作を受け付ける操作用画面としての開始画面を第2装置に表示させず、当該接続情報を用いた音声映像通信を開始できないので、当該音声映像通信の終了後に、例えば運転者が望まない音声映像通信の開始の要求がなされることを防止することができる。
【0177】
従って、本実施例によれば、移動体内の第1装置と移動体外の第2装置との間の通信において、移動体の操縦者のプライバシーに配慮しつつ第2装置から第1装置への無駄な接続試行を抑制して効率の良い円滑な通信を実現することを可能にする通信システム、通信装置、サーバ装置、通信方法、通信プログラム及び記憶媒体を提供することができる。
【0178】
[変形例]
図13は、実施例の通信システム100の変形例における車載装置60の構成の一例を示すブロック図である。上記の実施例においてサーバ30が有する接続情報提供部36、搭乗情報取得部37及び表示制御部38の機能を、本変形例においては車載装置60が有している。
【0179】
具体的には、車載装置60の制御部61は、接続情報提供部63と、搭乗情報取得部64と、表示制御部65とを有している。
【0180】
記憶部67は、制御部61が実行するための通信プログラムを記憶している。当該通信プログラムは、ビデオ通信の接続に用いられるURLを提供し、外部装置40からの当該URLへのアクセスを受け付けると、自動車Mの運転者の状況を示す状況情報を、外部装置40に表示させ、かつ、当該URLを用いて開始されたビデオ通信の終了後、当該状況情報を外部装置40に表示させないようにする制御を制御部61が実行するための通信プログラムである。
【0181】
例えば、車載装置60の接続情報提供部63は、外部装置40への招待メールの送信を指示する運転者による操作入力を受け付けると、有効期限を有するURLを生成し、通信部27を介して当該URLを含む招待メールを外部装置40に送信することで、接続情報を提供する。
【0182】
例えば、車載装置60の接続情報提供部63は、提供したURLを用いて開始されたビデオ通信の終了後、当該URLを無効化する。
【0183】
また、例えば、車載装置60の接続情報提供部63は、提供したURLを用いて開始されたビデオ通信が車載装置10になされた操作に基づいて終了すると、当該URLを無効化する。
【0184】
搭乗情報取得部64は、例えば、車内カメラ15又は着座センサ22による検出結果に基づいて、状況情報として、運転者が自動車Mに搭乗しているか否かを示す搭乗状況情報を逐次取得する。
【0185】
表示制御部65は、外部装置40からの上記URLへのアクセスを受け付けると、自動車Mに運転者が乗車しているか否かを示す搭乗状況情報を外部装置40に表示させる制御を行う。また、表示制御部65は、当該URLを用いて開始されたビデオ通信の終了後、当該状況情報を外部装置40に表示させないようにする制御を行う。
【0186】
例えば、表示制御部65は、車載装置10になされた操作に基づいてビデオ通信が終了した後、状況情報を含む開始画面を外部装置40に表示させないようにする制御を行うことができる。
【0187】
例えば、表示制御部65は、当該URLが無効である場合に、当該状況情報を外部装置40に表示させないようにする制御を行う。
【0188】
本変形例によれば、外部装置40と車載装置60との間のビデオ通信に関して、サーバ30を介さずとも状況情報を外部装置40に表示させ、かつ、ビデオ通信の終了後には当該状況情報を外部装置40に表示させないようにする制御が可能である。例えば、本変形例における搭乗状況情報の表示に関する制御及びビデオ通信は、サーバ30を介さずに、車載装置10と外部装置40との間でP2P(Peer to Peer)通信などによって直接なされてもよい。
【0189】
上述した実施例及び変形例における車載装置10、車載装置60、サーバ30及び外部装置40の構成、ルーチン等は、例示に過ぎず、用途等に応じて、適宜選択または変更することができる。
【0190】
例えば、上記の実施例及び変形例において、状況情報は、運転者が乗車しているか否かを示す搭乗状況情報に加えて、乗車していてもビデオ通信を開始できない状況か否かを示す情報を含んでいてもよい。
【0191】
例えば、外部装置40ではない他の装置との間でビデオ通信中である場合、自動車M内に同乗者が居る場合、運転負荷が高い場合、又は同乗者若しくは通信相手と会話中である場合には、運転者は、ビデオ通信を開始しても対応ができない状況、車内若しくは車外の映像又は自動車M内の音声を外部装置40に送信したくない状況であると推測される。
【0192】
このような場合、運転者の搭乗状況は、乗車中であってもビデオ通信を開始できない状況であるものとして取り扱われてもよい。この場合、例えば、運転者が乗車中であることを示す乗車中画面において、ビデオ通信を開始できない旨の表示がなされてもよい。
【0193】
例えば、自動車Mには、運転席以外のシートにも着座センサが備えられていてもよく、運転者の搭乗状況の判定に用いる同乗者の有無は、当該着座センサによって検出されてもよい。
【0194】
例えば、運転者の搭乗状況の判定に用いる運転負荷の大きさは、車外カメラ13又は車内カメラ15の映像を用いたワークロード推定によって算出されてもよい。
【0195】
また、上記の実施例において、URLが無効であることを示す画面を外部装置40に表示させることについて説明したが、これに限られず、当該URLによって特定されるページを削除することによってアクセス不能としてもよい。
【0196】
上記の実施例において、接続情報提供部は、URLを生成する際に、当該URLの有効期限を設定する場合について説明したが、これに限られない。接続情報提供部は、URLの有効期限を設定しなくともよい。
【0197】
また、上記の実施例及び変形例において、外部装置40からのビデオ通信の開始の要求を受け付ける態様として、タッチパネル41に表示された開始ボタンをタップする例について説明したが、これに限られない。当該開始の要求は、例えば、音声による入力操作によって受付けられてもよい。
【0198】
上記の実施例及び変形例においては、通信システム100においてビデオ通信を行う例について説明したが、これに限られない。本発明は、通信システム100において、自動車Mと共に移動する第1装置としての車載装置10によって取得された自動車Mにおける音声及び映像を第2装置としての外部装置40に送信する音声映像通信を行う場合に適用可能である。つまり、本発明は、外部装置40からは音声が送信されない態様での通信にも適用可能である。
【0199】
また、車載装置10と外部装置40は、必ずしも音声通話が出来なくともよい。例えば、車載装置10と外部装置40との間の通信態様は、YouTube(登録商標)やニコニコ生放送(登録商標)のように、双方向の音声通話を伴わず単に車載装置10から外部装置40に映像及び音声が配信される態様であっても良い。
【0200】
また、上記の実施例においては、車載装置10と外部装置40とがサーバ30を介してビデオ通信を行うこととしたが、ビデオ通信は車載装置10と外部装置40との間で直接なされてもよい。
【0201】
また、通信システム100で車載装置10から外部装置40に上記映像配信が行われつつ、通信システム100とは別の経路で並行して車載装置10と外部装置40との間の音声通話が確立されていても良い。
【0202】
上記実施例及び変形例において、車載装置10は、車載ナビゲーション装置であるとしたが、車載装置10は、単に車外カメラ13又は車内カメラ15からの動画を配信可能であればよい。
【0203】
例えば、車載装置10は、車載装置10と同様の構成を有する端末装置と車外カメラ13とタッチパネル17とが一体化された構成であってもよい。具体的には、例えば、車載装置10は、上記車載装置10と同様の機能を発揮するアプリケーションを搭載したカメラ付きのスマートフォン、タブレットまたはPC等の端末装置であってもよい。この場合、車載装置10は、内蔵カメラが自動車Mのフロントガラスを通して自動車Mの前方を撮影可能なように、例えばクレードル等でダッシュボードDB上に取り付けられ得る。
【0204】
また、車載装置10は、自動車Mの運転者に提示する画面を表示しない構成であってもよい。例えば、車載装置10は、ドライブレコーダのような構成を有していてもよく、例えば、車外カメラ13と一体となった装置であってもよい。具体的には、車載装置10は、例えば、車外カメラ13の筐体内に上記した車載装置10のビデオ通信機能を果たすハードウェアを内蔵したような装置であってもよい。この場合、車載装置10は、上記において説明したような種々の表示出力を行わないこととしてもよい。
【0205】
上記の実施例及び変形例において、外部装置40はスマートフォンである場合について説明したが、これに限られない。外部装置40は、仮想同乗者がビデオ通信に利用できる端末装置であって、ビデオ通信に関する表示又はメッセージの提示、ビデオ通信を行うために必要な操作入力の受付、音声データの送受信並びに映像の受信及び表示が可能に構成されていればよい。例えば、外部装置40は、タブレット、PC、ウェアラブル端末等の端末装置であってもよい。
【0206】
上記の実施例及び変形例においては、車載装置10及び車載装置60が自動車Mに搭載される例を説明したが、車載装置10は、自転車、バイク、船舶等他の移動体に搭載されていてもよい。また、車載装置10がスマートフォンのようなカメラを内蔵した端末装置であり、これを人が保持しており、例えば歩きながらビデオ通信を行って映像を配信することとしてもよい。その場合、例えば、運転者が移動体に搭乗しているか否かに代えて、当該端末装置のユーザが当該端末装置を保持しているか否かを示す情報が外部装置40において表示されることとしてもよい。