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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095439
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】照明付スピーカー
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20230629BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230629BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20230629BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20230629BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230629BHJP
【FI】
F21L4/00 600
F21V33/00 430
F21V21/30 300
H04R1/02 103F
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211329
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 稔
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB11
(57)【要約】
【課題】持ち運びを可能としつつ、スタンド型照明の姿勢維持と、機器を支えずに片手で容易にスタンド型照明の姿勢を変更できる使い勝手のよい照明付スピーカーを提供すること。
【解決手段】照明付スピーカー1は、ヒンジ137のトルクを、照明ユニット11とアーム15にかかる重力によるヒンジ137の回転中心を支点とする第1の力のモーメントが取り得る値の最大値以上で、且つ、第1操作力によって、ヒンジ137を回転中心として照明ユニット11を照明付スピーカー1の後部に向けて回転させようとしたときに照明付スピーカー1が転倒する場合に支点となる後端804周りの照明付スピーカー1への重力による第2の力のモーメント未満に設定する(式(4))。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明付スピーカーであって、
内部にスピーカーを有する第1ユニットと、
前記第1ユニットの上方に設けられ、発光部により光を照射する第2ユニットと、
前記第1ユニットの下部に接続され、前記第1ユニット及び前記第2ユニットに電力を供給する第3ユニットと、
前記第3ユニットに回動可能に第1ヒンジで支持され、先端に前記第2ユニットを回動可能に第2ヒンジにより支持するアームと、を有し、
前記第1ヒンジのトルクが、前記第2ユニットとアームにかかる重力による前記第1ヒンジの回転中心を支点とする第1の力のモーメントが取り得る値の最大値以上で、且つ、第1操作力によって、前記第1ヒンジを回転中心として前記第2ユニットを前記照明付スピーカーの後部に向けて回転させようとしたときに前記照明付スピーカーが転倒する場合に支点となる前記照明付スピーカーの後端周りの前記照明付スピーカーへの重力による第2の力のモーメント未満に設定されていることを特徴とする照明付スピーカー。
【請求項2】
前記第2ユニットと前記アームを合わせた重さをW1、前記第1ヒンジの回転中心から前記第2ユニットと前記アームを合わせた重心までの距離をL1、前記アームと重力方向とのなす角度をθ1、前記第1操作力の力点から前記第1ヒンジの回転中心までの距離をL2、前記第1操作力の力点から前記後端までの距離をL3、前記第1操作力の力点と前記後端を結ぶ直線と前記アームとのなす角度をθ2、前記照明付スピーカーの重さをW2、前記照明付スピーカーの重心から前記後端までの距離をL4、当該照明付スピーカーの重心と前記後端を結ぶ直線と重力方向とのなす角度をθ3とし、前記第1ヒンジのトルクT1を以下の式
【数1】
を満たすように設定することを特徴とする請求項1に記載の照明付スピーカー。
【請求項3】
前記第2ヒンジのトルクを、前記第2ユニットにかかる重力による前記第2ヒンジの回転中心を支点とする第3の力のモーメントの最大値以上で、且つ、第2操作力によって、前記第2ヒンジを回転中心として前記第2ユニットを回転させようとしたときに、前記第1ヒンジの回転中心を支点とする第4の力のモーメントの最大値が前記第1ヒンジのトルクを越えないように設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明付スピーカー。
【請求項4】
前記第2ユニットの重さをW3、前記第2ユニットの重心から前記第2ヒンジの回転中心までの距離をL5、前記第2ユニットの重心と前記第2ヒンジの回転中心を結ぶ直線と重力方向とのなす角度をθ4、前記第2操作力の力点から前記第2ヒンジの回転中心までの距離をL6、前記第2操作力の力点から第1ヒンジの回転中心までの距離をL7、前記第2操作力の力点と前記第1ヒンジの回転中心とを結ぶ直線と前記第2操作力の方向とのなす角度をθ5、前記第1ヒンジのトルクをT1とし、前記第2ヒンジのトルクT2を以下の式
【数2】
を満たすように設定することを特徴とする請求項3に記載の照明付スピーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明付スピーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、360度に広がる無指向性ワイヤレススピーカーに照明装置を内蔵し、ほのかな光で音楽の情緒性を醸し出したり、音楽と一緒に光量が変化するワイヤレススピーカーが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、従来のスタンド型照明器具は使い勝手が考慮され、またインテリアとしても使用できる形状のものが製造されており、回転や展開などの動作によって形状を変化させることができるものがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-19129号公報
【特許文献2】特開2009-87766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような従来のワイヤレススピーカーは、卓上の食べ物等を照らすスポットライトとして使用したり、机で読書や作業をするときに使用したりする目的で作られたものではなく、このような目的の使用に対して十分な光量を得られなかった。そこで、食卓やデスク等においても邪魔にならず、読書や作業などに十分な光量を得られ、使用場所を選ばず、高質な音源声再生も可能な機器が望まれている。しかし、従来の持ち運び易さとスタンド型照明の姿勢維持を両立する機器は、機器を支えることなく照明部の位置や角度を変える展開等の操作を行うと倒れてしまい使い勝手が良いものではなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明は、ワイヤレススピーカーとして利用可能なだけでなく、読書などの際の照明器具としても利用可能であり、持ち運びを可能とし、スタンド型照明の姿勢維持と、機器を支えずに片手で容易に展開できる等の操作性を両立する使い勝手のよい照明付スピーカーを提供する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、照明付スピーカーであって、内部にスピーカーを有する第1ユニットと、前記第1ユニットの上方に設けられ、発光部により光を照射する第2ユニットと、前記第1ユニットの下部に接続され、前記第1ユニット及び前記第2ユニットに電力を供給する第3ユニットと、前記第3ユニットに回動可能に第1ヒンジで支持され、先端に前記第2ユニットを回動可能に第2ヒンジにより支持するアームと、を有し、前記第1ヒンジのトルクが、前記第2ユニットとアームにかかる重力による前記第1ヒンジの回転中心を支点とする第1の力のモーメントが取り得る値の最大値以上で、且つ、第1操作力によって、前記第1ヒンジを回転中心として前記第2ユニットを前記照明付スピーカーの後部に向けて回転させようとしたときに前記照明付スピーカーが転倒する場合に支点となる前記照明付スピーカーの後端周りの当該照明付スピーカーへの重力による第2の力のモーメント未満に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、持ち運びを可能としつつ、スタンド型照明の姿勢維持と、機器を支えずに片手で容易にスタンド型照明の姿勢を変更できる使い勝手のよい照明付スピーカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】照明付スピーカーの一例を示す斜視図。
図2】照明付スピーカーの一例を示す六面図。
図3】照明付スピーカーの斜視断面図。
図4】照明付スピーカーの断面図。
図5】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
図6】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
図7】照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図。
図8】ヒンジトルクの設定を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図8を用いて、本発明の実施形態を示す照明付スピーカーについて説明する。なお、本実施形態の照明付スピーカーとして、卓上やデスク等に置いて使用可能なサイズのスピーカーを想定して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ライブハウスやイベント会場等で楽器等を接続して使用可能な大型のものでもよい。
【0011】
図1は、実施形態の照明付スピーカーの一例を示す斜視図である。
図1において、(a)は斜め左上方から見た斜視図、(b)は斜め右上方から見た斜視図、(c)は斜め左下方から見た斜視図、(d)は斜め右下方から見た斜視図である。
【0012】
図2は、第1実施形態の照明付スピーカーの一例を示す六面図である。
図2において、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は背面図、(e)は平面図、(f)は底面図である。
【0013】
図3は、照明付スピーカーの斜視断面図である。
図4は、照明付スピーカーの断面図である。
図5図7は、照明ユニットの位置や向きを変えて使用する様子を示す図である。
図8は、ヒンジトルクの設定を説明する図である。
【0014】
本実施形態の照明付スピーカー1は、上から照明ユニット11、スピーカーユニット12、バッテリーユニット13、回転台座14を有し、左右にアーム15を有する。
照明ユニット11は、内部に発光部(本実施形態ではLEDライトとするがこれに限定されるものではない)を備え、図1図2の状態で下向きに光を照射する。
【0015】
照明付スピーカー1は、図3図4に示すように、バッテリーユニット13にヒンジ137を内設し、アーム15を回動可能に支持する。また、照明付スピーカー1は、照明ユニット11にヒンジ113を内設し、照明ユニット11を回動可能に支持する。このような構成により、照明付スピーカー1は、アーム15と照明ユニット11が自在に回動可能になっている(図5図7)。
【0016】
スピーカーユニット12は、360度に広がる無指向性のスピーカーである。スピーカーユニット12は、上部にメッシュ状カバー121、下部に梁部材122を有する。梁部材122には、スリット123が設けられている。スピーカーユニット12は、メッシュ状カバー121及びスリット123から音を出力する。スピーカーユニット12は、梁部材122でバッテリーユニット13に接続されている。
【0017】
バッテリーユニット13は、バッテリー132を有し、電力を照明ユニット11及びスピーカーユニット12に供給する。上述したように、バッテリーユニット13は、後述のアーム15を支持するヒンジ137を内設している。バッテリーユニット13は、回転台座14に対して回転可能(又は回動可能)である。
【0018】
アーム15は、バッテリーユニット13に内設のヒンジ137によって回動可能に支持されており、先端に照明ユニット11に内設のヒンジ113によって回動可能に支持している。
【0019】
以下、図8等を用いてヒンジトルク設定を説明する。
まず、ヒンジ137のトルクについて説明する。
ヒンジ137は、任意の角度で姿勢が維持できるようにトルク設定されている。なお、ヒンジ137の取り得る角度としては、例えば、鉛直方向を0度として、-25度から25度(図5の角度)の範囲に設定されている。なお、ヒンジ137の取り得る角度は、これに限定されるものではない。
ヒンジ137には、照明ユニット11とアーム15にかかる重力によるヒンジ137の回転中心801を支点とする力のモーメントが働く。このため、ヒンジ137の姿勢を任意の角度で維持するには、ヒンジ137のトルクを、上述の照明ユニット11とアーム15にかかる重力によるヒンジ137の回転中心801を支点とする力のモーメントが取り得る値の最大値以上に設定する必要がある。
【0020】
照明ユニット11とアーム15を合わせた重さをW1、ヒンジ137の回転中心801から照明ユニット11とアーム15を合わせた重心802までの距離をL1、姿勢維持の角度(アーム15と重力方向とのなす角度)をθ1とし、ヒンジ137のトルクT1を、以下の式(1)で定義する。
T1≧W1×L1×Sinθ1 ・・・(1)
【0021】
また、ヒンジ137は、任意の角度から姿勢を変更することができる。
照明ユニット11等に加えられた操作力によるヒンジ137の回転中心801を支点とする力のモーメントが、ヒンジ137のトルクを超えると、ヒンジ137の姿勢が変わる(照明ユニット11がヒンジ137を回転中心として回転する)。
【0022】
ヒンジ137の姿勢を変更するために加えられるアーム15に直交する方向の操作力をF1、操作力F1を加える点(操作力F1の力点)803からヒンジ137の回転中心801までの距離をL2とし、これらとヒンジ137のトルクT1との関係を、次の式(2)で定義する。
T1<F1×L2 ・・・(2)
【0023】
また、ヒンジ137の姿勢を任意の角度から変更する際に、照明付スピーカー1(以下「機器」ともいう)の自立が保たれる。
ヒンジ137の姿勢を変更するために加えられる操作力は、図中804で示す部分を支点として機器を転倒させようとする力としても作用する。なお、図中804に示す部分は、回転台座14の底部であって機器の後端となる部分である(以下「後端804」という)。当該操作力による後端804を支点とする力のモーメントが、機器にかかる重力による後端804を支点とする力のモーメントを超えると、機器は自立を保つことができず倒れてしまう。このため、ヒンジ137の姿勢を変更できる下限の操作力による後端804を支点とする力のモーメントが、機器にかかる重力による後端804を支点とする力のモーメントを超えないように、ヒンジ137のトルクを設定する。
【0024】
力点803と支点804を結ぶ直線に直交する方向の操作力をF2、力点803から後端804までの距離をL3、力点803と後端804を結ぶ直線とアーム15とのなす角度をθ2、機器の重さをW2、機器の重心805から後端804までの距離をL4、機器の重心805と後端804を結ぶ直線と重力方向とのなす角度をθ3とし、これらの関係を、次の式で定義する。
F2×L3≦W2×L4×sinθ3
F2=F1×cosθ2とすると、
F1×cosθ2×L3≦W2×L4×sinθ3 ・・・(3)
【0025】
上記式(1)、式(2)及び式(3)から、ヒンジ137のトルクT1を、次の式(4)のように設定する。
【数1】
【0026】
すなわち、ヒンジ137のトルクを、スピーカーユニット12とアーム15にかかる重力によるヒンジ137の回転中心を支点とする第1の力のモーメントが取り得る値の最大値以上で、且つ、操作力によって、ヒンジ137を回転中心として照明ユニット11を照明付スピーカー1の後部に向けて回転させようとしたときに照明付スピーカー1が転倒する場合に支点となる後端804周りの照明付スピーカー1への重力による第2の力のモーメント未満に設定する。
【0027】
以上のようにヒンジ137のトルクを設定することにより、ヒンジ137は任意の角度で姿勢を維持できる。また、ヒンジ137の角度を変更する際に機器が自立を保つことが可能となり、機器本体を手で押さえることなく片手で容易にヒンジ137の姿勢を変更できる。
【0028】
続いて、ヒンジ113のトルクについて説明する。
ヒンジ113は、任意の角度で姿勢が維持できる。なお、ヒンジ113の取り得る角度としては、図2に示す状態を0度として、-90度から180度(図7の角度)の範囲に設定されている。
ヒンジ113には、照明ユニット11にかかる重力によるヒンジ113の回転中心806を支点とする力のモーメントが働く。このため、ヒンジ113の姿勢を任意の角度で維持するには、ヒンジ113のトルクを、上述の照明ユニット11にかかる重力によるヒンジ113の回転中心801を支点とする力のモーメント以上にする必要がある。
【0029】
照明ユニット11の重さをW3、照明ユニット11の重心805からヒンジ113の回転中心806までの距離をL5、照明ユニット11の重心805とヒンジ113の回転中心806を結ぶ直線と重力方向とのなす角度をθ4とし、ヒンジ113のトルクT2を、次の式(5)で定義する。
T2≧W3×L5×sinθ4 ・・・(5)
【0030】
また、ヒンジ113は、任意の角度から姿勢を変更することができる。
照明ユニット11等に加えられた操作力によるヒンジ113の回転中心806を支点とする力のモーメントが、ヒンジ113のトルクを超えると、ヒンジ113の角度が変わる。
【0031】
ヒンジ113の角度を変更する(すなわち照明ユニット11をヒンジ113を回転中心として回転させる)ために操作力が加えられる点(力点807)とヒンジ113の回転中心806を結ぶ直線に直交する方向の操作力をF3、力点807からヒンジ113の回転中心806までの距離をL6とし、これらとヒンジ113のトルクT2との関係を、次の式(6)で定義する。
T2<F3×L6 ・・・(6)
【0032】
また、照明付スピーカー1は、ヒンジ137の姿勢を維持しつつ、照明ユニット11のヒンジ113の姿勢を変化させることができる。
ヒンジ113の姿勢を変更する操作力は、ヒンジ137の姿勢を変更する力としても作用する。この力(すなわち該操作力によるヒンジ137の回転中心801を支点とする力のモーメント)が、ヒンジ137のトルクを超えると、ヒンジ137は姿勢を維持できず角度が変わってしまう。このため、ヒンジ113の姿勢を変更できる下限の操作力によるヒンジ137の回転中心801を支点とする力のモーメントが、ヒンジ137のトルクを超えないように、ヒンジ113のトルクを設定する。
【0033】
力点807からヒンジ137の回転中心801までの距離をL7、力点807とヒンジ137の回転中心801とを結ぶ直線と操作力F3の方向とのなす角度をθ5とし、距離L7、操作力F3及びヒンジ137のトルクT1の関係を、次の式(7)で定義する。
F3×L7×sinθ5<T1 ・・・(7)
【0034】
式(5)、式(6)及び式(7)から、ヒンジ113のトルクT2を、次の式(8)で設定する。
【数2】
【0035】
すなわち、ヒンジ113のトルクを、照明ユニット11にかかる重力によるヒンジ113の回転中心を支点とする第3の力のモーメントの最大値以上で、且つ、操作力によって、ヒンジ113を回転中心として照明ユニット11を回転させようとしたときに、ヒンジ137の回転中心を支点とする第4の力のモーメントの最大値がヒンジ137のトルクを越えないように設定する。
【0036】
このようにヒンジ113のトルクを設定することにより、ヒンジ113は任意の角度で姿勢を維持できる。また、本体を手で押さえることなく片手で容易に、ヒンジ137の姿勢を維持しつつ、ヒンジ113の姿勢を変更できる。
【0037】
以上のように、安定した台座と機器の重量を利用し、ヒンジ113のトルクおよびヒンジ137のトルクを設定することで、機器の上部にある照明部の位置及び照射角度を、機器本体を手で支えることなく片手で容易に変更して、空間を自在に照らすことが可能となる。
よって、持ち運びを可能としつつ、スタンド型照明の姿勢維持と、機器を支えずに片手で容易にスタンド型照明の姿勢を変更できる使い勝手のよい照明付スピーカーを提供することができる。
【0038】
なお、上述した各種構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 照明付スピーカー
11 照明ユニット
12 スピーカーユニット
13 バッテリーユニット
14 回転台座
15 アーム
113,137 ヒンジ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8