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特開2023-95622情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095622
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230629BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20230629BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230629BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20230629BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08B25/00 510M
G08B21/02
G07C5/00 Z
G08B21/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211628
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 渉
【テーマコード(参考)】
3E138
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB08
3E138MB09
3E138MB10
3E138MC11
3E138MC20
3E138MD05
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA33
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA19
5C087AA25
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD14
5C087EE18
5C087GG02
5C087GG08
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC27
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】搭乗者による状態変化によって、運転の安全性が損なわれてしまう状況を防止すること。
【解決手段】サーバ装置100は、車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出部132と、車両に関する状況を検出する第2の検出部133と、所定の状態変化の内容を示す内容情報と、所定の状態変化が発生した際における車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積部134とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、前記搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出部と、
前記車両に関する状況を検出する第2の検出部と、
前記所定の状態変化の内容を示す内容情報と、前記所定の状態変化が発生した際における前記車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1の検出部は、前記状態情報として、前記搭乗者による発声を示す発声情報、または、前記搭乗者による発話内容を示す発話情報に基づいて、前記所定の状態変化の発生を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の検出部は、前記状態情報に基づいて、前記所定の状態変化として、前記搭乗者による泣き出し、前記搭乗者による奇声の発声、または、前記搭乗者の感情変化を検出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の検出部は、前記車両に関する状況として、前記車両の位置、前記位置での時刻、前記車両が連続して走行している走行時間、前記車両の車内環境、または、前記車両に対する周辺車両の状況のいずれかを検出する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記蓄積部は、所定の状態変化が発生したタイミングに基づいて、前記第2の検出部により検出された状況のうち、前記所定の状態変化が発生した時点に対する所定の時間範囲での前記車両の位置、前記時間範囲での前記車両の車内環境、前記時間範囲での前記車両に対する周辺車両の状況、前記搭乗者が前記車両に乗車してから前記所定の状態変化が発生するまでに経過した経過時間、または、前記搭乗者が前記車両に乗車してから前記所定の状態変化が発生するまでの間における運転休憩の取得状況のいずれかを示す状況情報を、前記内容情報に紐付けた紐付けデータを蓄積させる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記蓄積部は、前記状態情報のうち、前記所定の状態変化が発生した際に検出された状態情報を前記紐付けデータに対してさらに対応付けた状態で蓄積させる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記紐付けデータに基づいて、前記搭乗者に関係する所定の利用者向けの利用者情報を生成する生成部と、
前記利用者情報を提供された利用者が、前記利用者情報に対して応答した場合には、前記応答の内容に基づいて、前記所定の状態変化が発生した原因を推定する推定部と、
前記推定部による推定結果に応じた情報が前記利用者に対して出力されるよう制御する出力制御部と
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記所定の状態変化が発生した原因の推定に用いられる回答を得るための内容として前記原因の候補を含む質問文を、前記利用者情報として生成する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記生成部は、前記紐付けデータのうち、前記利用者情報を提供するよう要求した要求元の利用者に対応する紐付けデータに基づいて、前記質問文として、前記所定の状態変化が発生した当時を前記要求元の利用者に対して振り返させる内容を含む質問文を生成し、
前記推定部は、前記要求元の利用者が前記質問文に対する回答を入力した場合には、前記回答に基づいて、前記搭乗者に前記所定の状態変化が発生した原因を推定し、
前記出力制御部は、前記推定部による推定結果に応じた情報が前記要求元の利用者に対して出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記生成部は、前記紐付けデータに基づいて、前記所定の状態変化が発生した原因の候補を特定し、特定した候補に対する正誤を質問する内容の前記質問文を生成する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記生成部は、前記質問文に対する前記利用者の回答に応じて、追加の質問文をさらに生成する
ことを特徴とする請求項8~10のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記生成部は、前記質問文として、前記搭乗者の成熟状況に応じた内容の質問文を生成する
ことを特徴とする請求項8~11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記出力制御部は、前記推定結果に応じた情報として、前記所定の状態変化に関するアドバイス情報が出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項7~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記出力制御部は、前記アドバイス情報として、前記所定の状態変化を発生させないための対応策が出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記紐付けデータに基づいて、処理対象の搭乗者に前記所定の状態変化が発生するか否かを予測する予測部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1~14のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記予測部は、前記紐付けデータに含まれる前記内容情報と前記状況情報との関係性を学習した学習済みモデルと、前記処理対象の搭乗者が現在乗車している車両に関する状況を示す状況情報とに基づいて、前記処理対象の搭乗者に前記所定の状態変化が発生するか否かを予測する
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記内容情報と前記状況情報との関係性をモデルに学習させることにより、現在乗車している車両に関する状況を示す状況情報が入力される搭乗者について、前記所定の状態変化が発生するか否かを予測する予測モデルを生成する生成部をさらに有し、
前記予測部は、前記学習済みモデルとして、前記予測モデルを用いて、前記処理対象の搭乗者に前記所定の状態変化が発生するか否かを予測する
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、前記搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出工程と、
前記車両に関する状況を検出する第2の検出工程と、
前記所定の状態変化の内容を示す内容情報と、前記所定の状態変化が発生した際における前記車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項19】
車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、前記搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出手順と、
前記車両に関する状況を検出する第2の検出手順と、
前記所定の状態変化の内容を示す内容情報と、前記所定の状態変化が発生した際における前記車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積手順と
を情報処理装置に実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両における所定の対象者(例えば、子供や高齢者など)を、車両に搭載されたシステムを介して見守る仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-169942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、搭乗者による状態変化によって、運転の安全性が損なわれてしまう状況を防止することができるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、見守り対象者の車内での映像を記録しておくことで、見守り対象者を見守る役目の見守り者に対して、この映像から抽出した情報を通知している。
【0006】
このように、上記の従来技術は、車両周辺における見守り対象者を車外の見守り者が適切に見守ることができるよう支援しているに過ぎず、例えば、搭乗者による状態変化の観点から運転の安全性を確保する点については一切考慮されていない。
【0007】
したがって、上記の従来技術では、搭乗者による状態変化によって、運転の安全性が損なわれてしまう状況を防止することができるとは限らない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、搭乗者による状態変化によって、運転の安全性が損なわれてしまう状況を防止することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の情報処理装置は、車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、前記搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出部と、前記車両に関する状況を検出する第2の検出部と、前記所定の状態変化の内容を示す内容情報と、前記所定の状態変化が発生した際における前記車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積部とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項18に記載の情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、前記搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出工程と、前記車両に関する状況を検出する第2の検出工程と、前記所定の状態変化の内容を示す内容情報と、前記所定の状態変化が発生した際における前記車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項19に記載の情報処理プログラムは、車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、前記搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する第1の検出手順と、前記車両に関する状況を検出する第2の検出手順と、前記所定の状態変化の内容を示す内容情報と、前記所定の状態変化が発生した際における前記車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる蓄積手順とを情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の全体像を説明する説明図である。
図3図3は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るセンサ情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る紐付け情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る質問文情報データベースの一例を示す図である。
図8図8は、サーバ装置と、利用者との間で実現される対話の一例を示す図である。
図9図9は、車両状況を検出する検出処理手順を示すフローチャートである。
図10図10は、内容情報と状況情報とを紐付ける紐付け処理手順を示すフローチャートである。
図11図11は、サーバ装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
〔1.システム構成〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成を説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。図1には、実施形態に係る情報処理システムの一例として、情報処理システム1が示される。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム1は、車載装置10と、利用者装置60と、サーバ装置100と、サーバ装置200とを備えてよい。また、車載装置10と、利用者装置60と、サーバ装置100と、サーバ装置200とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、図1に示す情報処理システム1には、任意の数の車載装置10と、任意の数の利用者装置60と、任意の数のサーバ装置100と、任意の数のサーバ装置200とが含まれてもよい。
【0016】
車載装置10は、車両VExに内蔵あるいは外付けされる専用のナビゲーション装置であってよいし、防犯や煽り運転対策のために車両VExに設置される録画装置(ドライブレコーダー)であってもよい。
【0017】
また、車載装置10は、ナビゲーション装置と、録画装置とで構成されてもよい。この一例として、車載装置10は、互いに独立したナビゲーション装置および録画装置が通信可能に接続された複合的な装置であってよい。また、他の例として、車載装置10は、ナビゲーション機能と、録画機能とを有する1つの装置であってもよい。
【0018】
また、利用者は、日常的に使用している携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等)に所定のアプリケーションを導入することで、これを車載装置10として代用することもできる。例えば、所定のナビアプリや所定の録画アプリがインストールされた携帯型端末装置は、ここでいう車載装置10と解せることができる。携帯型端末装置が車載装置10として活用される場合、例えば、運転時において車両VExのダッシュボード等に設置される。
【0019】
また、車載装置10は、各種のセンサを備えていてよい。例えば、車載装置10は、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ等の各種センサを備えていてよい。後述するサーバ装置100は、これらセンサによって検知されたセンサ情報に基づいて、各種情報処理を行ってよい。また、サーバ装置100は、車載装置10に備えられるセンサだけでなく、安全走行システムとして、車両VEx自体に備えられるセンサが検知したセンサ情報も用いてよい。
【0020】
利用者装置60は、利用者が有する携帯型端末装置である。上記の通り、係る携帯型端末装置は、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等であってよい。また、本実施形態では、利用者装置60には、サーバ装置100やサーバ装置200との間で情報の送受信を実現するアプリケーションAP(以下、「アプリAP」と略す)が導入されているものとする。利用者は、アプリAPを介して、サーバ装置100に対して情報登録したり、サーバ装置200が有する対話機能と対話したりすることができるようになる。
【0021】
サーバ装置100は、サーバ装置200と協働することにより実施形態に係る情報処理を実現する。例えば、サーバ装置100は、車両の搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する。また、サーバ装置100は、車両に関する状況を検出していてよい。この結果、サーバ装置100は、所定の状態変化の内容を示す内容情報と、所定の状態変化が発生した際における車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを蓄積させる。
【0022】
サーバ装置200は、サーバ装置100が蓄積させた紐付けデータに基づいて、搭乗者に関係する所定の利用者向けの利用者情報を生成する。また、サーバ装置200は、利用者情報を提供された利用者が、利用者情報に対して応答した場合には、応答の内容に基づいて、所定の状態変化が発生した原因を推定する。そして、サーバ装置200は、推定結果に応じた情報が利用者に対して出力されるよう制御する。
【0023】
そして、サーバ装置100および200の間で行われる情報処理によれば、例えば、車内における状態異常監視サービス(以下、「監視サービスSA」と表記する場合がある)が利用者に提供される。監視サービスSAによれば、利用者は、例えば、車内で我が子が泣き出した当時を振り返ってその原因を探ったり、今後車内で泣き出さないようするにはどうすればよいかを対策したりすることができるようになる。また、利用者は、アプリAPを介して、監視サービスSAを受けることができる。このようなことから、アプリAPは、監視サービスSAを提供するエージェント(例えば、対話エージェント)といえる。
【0024】
ここで、車載装置10を利用者の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータとするなら、サーバ装置100および200は、例えば、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。
【0025】
また、図1の例に限らず、サーバ装置100と、サーバ装置200とは、一体化されていてもよく、一体化された1つのサーバ装置は、実施形態に係る情報処理装置に相当する。また、以下の実施形態では、車載装置10と、この情報処理装置との間で情報の送受信が行われることで、実施形態に係る情報処理が実現される例を示す。しかしながら、実施形態に係る情報処理は、エッジ側すなわち車載装置10のみで実現されてもよい。この場合、車載装置10は、例えば、実施形態に係る情報処理プログラムによって、情報処理装置のように振る舞うよう構成されてよい。
【0026】
〔2.情報処理の全体像〕
ここからは、図2を用いて、実施形態に係る情報処理の全体像を説明する。図2は、実施形態に係る情報処理の全体像を説明する説明図である。
【0027】
図2には、車両VE1(車両VExの一例)の搭乗者として、人物U11と人物B12とが示されている。より具体的には、図2の例では、搭乗者である一方の人物U11は、車両VE1を運転しており、もう一方の搭乗者である人物B12は後部座席に着座している。また、図2の例では、人物U11と人物B12とは親子関係にあり、人物U11が母親、人物B12が子である。この点について、人物U11と人物B12とは養育者と被養育者の関係にあるともいえる。
【0028】
ここで、人物U11は、運転中においては我が子である人物B12の面倒を見ることができず、人物B12に関してインシデントが発生すると、そのインシデントに対して適切に対応することができず、運転の安全性が損なわれてしまう場合がある。このようなインシデントとしては、泣き出し、ぐずり、奇声発生、あるいは、感情変化等が挙げられる。よって、人物U11は、これらのインシデントが発生した場合に、発生した原因を探ることで、今後、インシデントの発生を抑えることができるよう、監視サービスSAを利用している。
【0029】
図2の例では、人物U11は、監視サービスSAを利用するにあたって、サーバ装置100に対して、予め各種情報を登録しているものとする。例えば、人物U11は、プロフィールや、自身の車両を識別するための情報だけでなく、状態変化が検出される検出対象(監視対象)の人物に関する情報を登録している。図2の例によれば、人物U11は、検出対象の人物を人物B12と定め、例えば、人物B12の顔が撮像された顔画像や、人物B12の声に関する情報を登録している。
【0030】
このように登録済みの状態で、図2には、「2021年10月10日午前中」に、後部座席に人物B12を乗せた状態で、人物U11が車両VE1を運転している一場面が示されている。
【0031】
例えば、車両VE1の運転が開始されると、車載装置10は、車両VE1に備えられた各種センサによって検知されたセンサ情報をリアルタイムにサーバ装置100に送信してよい。上述したように、センサには、車載装置10に備えられるものと、車両VE1自体に備えられるものとが存在してよい。このため、車載装置10は、例えば、車内のセンサによって検知されたセンサ情報や、車外のセンサによって検知されたセンサ情報をリアルタイムにサーバ装置100に送信することができる。
【0032】
この結果、図2に示すように、サーバ装置100は、車載装置10からセンサ情報を取得する(ステップS11)。例えば、サーバ装置100は、車内のセンサによって検知されたセンサ情報、および、車外のセンサによって検知されたセンサ情報を取得する。
【0033】
また、サーバ装置100は、センサ情報を取得するたびに、取得したセンサ情報に基づき、このときの車両VE1に関する状況(車両状況)を検出してよい(ステップS12)。例えば、サーバ装置100は、車両VE1に関する状況として、車両VE1の位置、この位置での時刻、車両VE1がこれまでに連続して走行している走行時間、車両VE1の車内環境、または、車両VE1に対する周辺車両の状況を検出することができる。もちろ、サーバ装置100が検出する情報は、係る例に限定されない。
【0034】
また、車両VE1の車内環境としては、撮像画像を解析して得られた車内の様子、発声や発話によって生じる音声、スピーカーから出力される出力音、振動の状況、振動によって生じる振動音、エンジン音、車内温度、車内湿度等が挙げられる。また、車両VE1に対する周辺車両の状況としては、周辺車両のスピーカーから漏れ出してくる出力音、周辺車両のエンジン音、周辺車両のクラクションやサイレン等が挙げられる。
【0035】
このように、サーバ装置100は、センサ情報を取得し、取得したセンサ情報に基づき、車両VE1の車両状況を随時検出している状態では、検出結果に基づいて、検出対象の人物B12が車両VE1に乗車しているか否かも判定することができる。例えば、サーバ装置100は、車内の様子(例えば、人物の顔)、あるいは、車内での発声や発話によって生じる音声と、登録情報との照合により、検出対象の人物B12が車両VE1に乗車しているか否かを判定してよい。
【0036】
なお、サーバ装置100は、上記例のように、検出対象の人物に関する情報(例えば、顔画像や声の情報)が登録されていない状態であっても、センサ情報から検出した顔画像や音声情報に基づき、泣き出し、ぐずり、奇声発生、あるいは、感情変化等といった状態変化が発生しがちな年代の人物(年少者)が車両VE1に乗車しているか否かを判定してもよい。そして、サーバ装置100は、係る年少者が乗車していると判定できた場合には、この年少者の人物を検出対象として動的に定めてもよい。
【0037】
図2の例では、サーバ装置100は、検出対象の人物B12が車両VE1に乗車していると判定することができ、このように判定したことに応じて、以降の処理を行ってよい。
【0038】
例えば、サーバ装置100は、センサ情報に状態情報が含まれている場合には、その状態情報に基づいて、人物B12に対して、所定の状態変化の発生を検出する(ステップS13)。例えば、サーバ装置100は、センサ情報から、人物B12の発声を示す発声情報、あるいは、人物B12の発話を示す発話情報を検出できた場合には、検出した情報(音声情報)に基づいて、人物B12に対して、泣き出し、ぐずり、奇声発生、または、感情変化を検出する処理を実行する。
【0039】
そして、サーバ装置100は、所定の状態変化の発生を検出できた場合には、検出した状態変化の内容を示す内容情報と、所定の状態変化が発生した際における車両VE1の車両状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを生成し、生成した紐付けデータを蓄積させる(ステップS14)。
【0040】
例えば、サーバ装置100は、人物B12に対応する状態情報(音声情報)に基づき、人物B12が泣き出したことを検出した場合には、人物B12による泣き出しを示す内容情報と、泣き出しが発生した際における車両VE1の状況情報とを紐付けた紐付けデータを生成する。
【0041】
例えば、サーバ装置100は、人物B12による泣き出しが発生したタイミングに基づいて、泣き出した時点に対する前後所定の時間範囲での車両VE1の位置、この時間範囲での車両VE1の車内環境、この時間範囲での車両VE1に対する周辺車両の状況、人物B12が車両VE1に乗車してから泣き出すまでに経過した経過時間、または、人物B12が車両VE1に乗車してから泣き出すまでの間における運転休憩の取得状況のいずれかを示す状況情報を、内容状況に紐付けた紐付けデータを生成してよい。
【0042】
また、サーバ装置100は、紐付けデータを紐付け情報データベース122(図5)に蓄積させてよい。
【0043】
これまで、「2021年10月10日午前中」に、後部座席に人物B12を乗せた状態で、人物U11が車両VE1を運転している一場面を例に実施形態に係る情報処理を説明してきた。ここからは、運転を終えた人物U11が、自宅にて自身の利用者装置60を操作することで、午前中の運転で人物B12が泣き出したことの原因を探るため、監視サービスSAを利用する一場面を例に挙げて実施形態に係る情報処理を説明する。
【0044】
例えば、人物U11は、アプリAPを起動し、対話エージェントを呼び出す操作を行ったとする。係る場合、利用者装置60は、サーバ装置200に対して対話要求を送信する(ステップS21)。なお、対話エージェントを呼び出す操作とは、例えば、専用の対話ルームへの入室であってよい。
【0045】
サーバ装置200は、対話要求を受け付けると、サーバ装置100にアクセスし、要求元の利用者すなわち人物U11に対応する紐付けデータを参照する(ステップS22)。例えば、サーバ装置200は、人物U11により登録されている登録情報に基づいて、人物U11に対応する検出対象の人物を割り出し、割り出した人物に対応する紐付けデータを参照する。図2の例では、サーバ装置200は、人物B12に対応する紐付けデータを参照する。
【0046】
そして、サーバ装置200は、紐付けデータに基づいて、人物B12に所定の状態変化が発生した原因を推定するための内容の質問文を生成する(ステップS23)。図2の例では、サーバ装置200は、紐付けデータに基づいて、人物B12が泣き出した原因の候補を特定し、特定した候補についてYesまたはNoのいずれかで回答させる質問文を生成してよい。
【0047】
そして、サーバ装置200は、生成した質問文を用いて人物B12との対話を開始する(ステップS24)。例えば、サーバ装置200は、対話ルームを仮想的に示すチャット画面C1を利用者装置60に表示させるとともに、エージェントが話しかけている態様で質問文を表示させてよい。
【0048】
ここで、人物U11が、サーバ装置200によって提供された質問文に対する回答を入力(例えば、YesまたはNoのいずれかを選択)したとする。係る場合、利用者装置60は、入力された回答を示す回答情報をサーバ装置200に送信する(ステップS25)。なお、質問文を用いた対話のやり取りの一例については、図8で詳細に説明する。
【0049】
次に、サーバ装置200は、人物U11が入力した回答に基づいて、人物B12に所定の状態変化が発生した原因を推定する(ステップS26)。図2の例では、サーバ装置200は、利用者装置60から取得した回答情報に基づいて、人物B12が泣き出した根本的な原因を推定する。
【0050】
また、サーバ装置200は、人物B12に所定の状態変化が発生した原因を推定できた場合には、推定結果に応じたアドバイス情報を人物U11に提供する(ステップS27)。図2の例では、サーバ装置200は、人物B12が泣き出した原因を推定できた場合には、今後車内において人物B12が泣き出さないようにするにはどのように対策すべきか対応策を検索する。そして、サーバ装置200は、検索した対応策が示されるアドバイス情報を利用者装置60に出力させる。例えば、サーバ装置200は、チャット画面C1の中でアドバイス情報を表示させてもよいし、アプリAPに対応する所定の画面内にアドバイス情報を表示させてもよい。
【0051】
ここまで、図2を用いて、実施形態に係る情報処理の一例を示した。このような情報処理によれば、利用者(人物U11)は、例えば、車内において検出対象の人物(人物B12)に所定の状態変化が生じた場合には、エージェントとの対話によって、状態変化が生じた当時を振り返って状態変化が生じた原因を探ることができるようになる。また、利用者は、今後車内で状態変化が発生させないようするには如何に対策すべきかを適切に判断することができるようになる。また、この結果、利用者は、検出対象の人物による状態変化によって、運転の安全性が損なわれてしまう状況を防止することができるようになる。
【0052】
〔3.サーバ装置の構成(1)〕
ここからは、図3を用いて、実施形態に係るサーバ装置100について説明する。図3は、実施形態に係るサーバ装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0053】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、車載装置10やサーバ装置200との間で情報の送受信を行う。
【0054】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、センサ情報データベース121と、紐付け情報データベース122とを有する。
【0055】
(センサ情報データベース121について)
センサ情報データベース121は、車載装置10が有するセンサ、あるいは、車両VEx自体が有するセンサによって検知されたセンサ情報を記憶する。ここで、図4に、実施形態に係るセンサ情報データベース121の一例を示す。図4の例では、センサ情報データベース121は、「車両ID」、「検知日時」、「センサ情報」、「状況情報」といった項目を有する。
【0056】
「車両ID」は、「センサ情報」を送信した送信元の車両を識別する識別情報を示す。「検知日時」は、「センサ情報」が検知された日時に関する情報を示す。「センサ情報」は、「車両ID」が示す車両VExが有するセンサによって検知された情報を示す。
【0057】
「状況情報」は、「車両ID」が示す車両VExに関する状況(車両状況)を示す情報である。「状況情報」は、例えば、「センサ情報」に基づき検出された情報であってもよし、「センサ情報」そのものであってもよい。
【0058】
また、「状況情報」は、例えば、「車両ID」が示す車両VExの位置を示す位置情報、この位置での時刻を示す時刻情報、「車両ID」が示す車両VExが連続して走行している走行時間を示す時間情報、「車両ID」が示す車両VExの車内環境を示す環境情報、「車両ID」が示す車両VExに対する周辺車両の状況を示す周辺情報等を含んでよい。
【0059】
また、環境情報としては、「車両ID」が示す車両VExの車内が撮像された撮像画像(センサ情報)を解析して得られた車内人物の顔画像、「車両ID」が示す車両VExの搭乗者による発声あるいは発話を示す音声情報、「車両ID」が示す車両VExのスピーカーから出力される出力音を示す出力情報、「車両ID」が示す車両VExの振動を示す振動情報、この振動によって生じる振動音を示す振動音情報、「車両ID」が示す車両VExのエンジン音を示すエンジン音情報、「車両ID」が示す車両VExの車内温度を示す温度情報、「車両ID」が示す車両VExの車内湿度を示す湿度情報等が挙げられる。
【0060】
また、周辺情報としては、「車両ID」が示す車両VExに対する周辺車両のスピーカーから漏れ出してくる出力音を示す出力情報、「車両ID」が示す車両VExに対する周辺車両のエンジン音を示すエンジン音情報、「車両ID」が示す車両VExに対する周辺車両のクラクション情報等が挙げられる。
【0061】
図4には、車両ID「VE1」と、検知日時「TM11」と、センサ情報「SC11」と、状況情報「ST11」が対応付けられる例が示される。係る例は、車両VE1が有するセンサ(例えば、車両VE1に備えられる車載装置10が有するセンサ、あるいは、車両VE1自体が有するセンサ)が、日時TM11において、センサ情報SC11を検知した例を示す。また、係る例は、センサ情報SC11に基づき、状況情報ST11が検出された例を示す。
【0062】
(紐付け情報データベース122について)
紐付け情報データベース122は、内容情報と状態情報とを紐付けた紐付けデータを記憶する。ここで、図5に、実施形態に係る紐付け情報データベース122の一例を示す。図5の例では、紐付け情報データベース122は、「利用者情報」、「車両ID」、「対象人物情報」、「発生日時」「内容情報」、「状態情報」、「状況情報」といった項目を有する。また、「状況情報」には、「発生時前後での車両位置」、「発生時前後での車両環境」、「発生時前後での周辺状況」、「発生時までの経過時間」、「発生時までの休憩状況」といった項目を含む。
【0063】
「利用者情報」は、監視サービスSAを受けるために情報登録した利用者に関する情報を示す。「利用者情報」は、例えば、監視サービスSAを受けるために情報登録した利用者を識別する識別情報、プロフィール等を含んでよい。
【0064】
「車両ID」は、登録情報の一例であり、例えば、「利用者情報」が示す利用者によって運転される車両を識別する識別情報を示す。
【0065】
「対象人物情報」は、登録情報の一例であり、状態変化が検出される検出対象(監視対象)の人物を識別する識別情報を示す。また、「対象人物情報」は、例えば、検出対象の人物の顔画像や、検出対象の人物の声に関する情報を含んでいてよい。
【0066】
「発生日時」は、所定の状態変化が発生した日時に関する情報を示す。「内容情報」は、「発生日時」において発生した所定の状態変化がどのようなものであるのか、その内容を示す情報である。図5には、所定の状態変化の内容の一例として、泣き出し、奇声発声、感情変化が挙げられているが、これら以外にも例えば、ぐずり出し等が挙げられる。
【0067】
「状態情報」は、センサ情報から検出された状態情報のうち、「内容情報」が示す状態変化が検出される元となった情報であり、「対象人物情報」が示す検出対象の人物の状態に関わる情報である。「状態情報」は、例えば、「対象人物情報」が示す検出対象の人物による発声を示す発声情報、あるいは、「対象人物情報」が示す検出対象の人物による発話内容を示す発話情報であってよい。すなわち、「状態情報」は、「対象人物情報」が示す検出対象の人物に関する音声情報のうち、状態変化が検出される元となった音声情報であってよい。
【0068】
なお、これまで説明してきたように、センサ情報から検出された状態情報も広義には状況情報の一つといえる情報である。
【0069】
もちろん、「状態情報」は、係る例に限らず、例えば、泣き出している様子が示される顔画像や、不機嫌な表情を浮かべている顔画像等であってもよい。
【0070】
「状況情報」は、「内容情報」が示す状態変化が発生した際における車両VExの車両状況を示す状況情報である。
【0071】
「発生時前後での車両位置」は、「内容情報」が示す状態変化が発生した時点に対する前後所定の時間範囲での車両VExの位置を示す情報である。
【0072】
「発生時前後での周辺状況」は、「内容情報」が示す状態変化が発生した時点に対する前後所定の時間範囲での車両VExの車内環境を示す情報である。
【0073】
「発生時までの経過時間」は、「対象人物情報」が示す検出対象の人物が車両VExに乗車してから、「内容情報」が示す状態変化が発生するまでに経過した経過時間を示す情報である。
【0074】
「発生時までの休憩状況」は、「対象人物情報」が示す検出対象の人物が車両VExに乗車してから、「内容情報」が示す状態変化が発生するまでの間における運転休憩の取得状況を示す情報である。
【0075】
(制御部130について)
図3に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、サーバ装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0076】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、第1の検出部132と、第2の検出部133と、蓄積部134と、生成部135と、予測部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0077】
(取得部131について)
取得部131は、車両VExが有するセンサ(例えば、車両VExに備えられる車載装置10が有するセンサ、あるいは、車両VEx自体が有するセンサ)によって検知されたセンサ情報を取得する。そして、取得部131は、取得したセンサ情報をセンサ情報データベース121に記憶する。
【0078】
(第1の検出部132について)
第1の検出部132は、車両VExの搭乗者の状態を示す状態情報に基づいて、搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する。例えば、第1の検出部132は、取得部131により取得されたセンサ情報に、人物に関する情報(例えば、発声情報、発話情報、顔画像)が含まれている場合には、この情報を搭乗者の状態を示す状態情報として取得する。そして、第1の検出部132は、取得した状態情報に基づいて、搭乗者に対して所定の状態変化の発生を検出する処理を行う。例えば、第1の検出部132は、状態情報に基づいて、所定の状態変化として、搭乗者による泣き出し、搭乗者による奇声の発声、または、搭乗者の感情変化を検出する。
【0079】
(第2の検出部133について)
第2の検出部133は、車両VExに関する状況を検出する。例えば、第2の検出部133は、取得部131により取得されたセンサ情報に基づいて、車両VExの位置、この位置での時刻、車両VExがこれまでに連続して走行している走行時間、車両VExの車内環境、または、車両VExに対する周辺車両の状況を検出してよい。また、第2の検出部133は、検出した車両状況を示す状況情報をセンサ情報データベース121に記憶する。
【0080】
(蓄積部134について)
蓄積部134は、所定の状態変化の内容を示す内容情報と、所定の状態変化が発生した際における車両VExに関する状況を示す状況情報とを紐付けた紐付けデータを生成する。そして、蓄積部134は、生成した紐付けデータを紐付け情報データベース122に蓄積させる。
【0081】
例えば、蓄積部134は、所定の状態変化が発生したタイミングに基づいて、第2の検出部133により検出された状況のうち、所定の状態変化が発生した時点に対する所定の時間範囲での車両VExの位置、この時間範囲での車両VExの車内環境、この時間範囲での車両VExに対する周辺車両の状況、搭乗者が車両VExに乗車してから所定の状態変化が発生するまでに経過した経過時間、または、搭乗者が車両VExに乗車してから所定の状態変化が発生するまでの間における運転休憩の取得状況のいずれかを示す状況情報を、内容情報に紐付けた紐付けデータを生成してよい。
【0082】
また、蓄積部134は、センサ情報から検出された状態情報のうち、所定の状態変化が発生した際に検出された状態情報を紐付けデータに対してさらに対応付けた状態で蓄積させてよい。この結果、図5に示すような紐付け情報データベース122が得られる。
【0083】
(生成部135について)
生成部135は、紐付けデータに含まれる内容情報と状況情報との関係性をモデルに学習させることにより、現在乗車している車両VExに関する状況を示す状況情報が入力される搭乗者について、所定の状態変化が発生するか否かを予測する予測モデルを生成する。
【0084】
(予測部136について)
予測部136は、紐付けデータに含まれる内容情報と状況情報との関係性を学習した学習済みモデルと、処理対象の搭乗者が現在乗車している車両に関する状況を示す状況情報とに基づいて、処理対象の搭乗者に所定の状態変化が発生するか否かを予測する。例えば、予測部136は、学習済みモデルとして、生成部135により生成された予測モデルを用いて、処理対象の搭乗者に所定の状態変化が発生するか否かを予測する。
【0085】
例えば、処理対象の搭乗者(現在乗車している車両VE1に関する状況を示す状況情報が入力される搭乗者)を、図2の人物B12とする。係る場合、予測部136は、人物U11が車両VE1を運転している間にリアルタイムに取得されるセンサ情報に基づき検出された状況情報を予測モデルに入力することにより、人物B12が泣き出すか否かを予測することができる。また、予測部136は、人物B12が泣き出すことを予測できた場合には、このままの運転状況では人物B12が泣き出す可能性が高いことを例えば車載装置10から出力させてよい。
【0086】
さらに、予測部136は、人物B12が泣き出す可能性が高いことを予測し、またその原因についての予測も行ってもよい。
【0087】
〔4.サーバ装置の構成(2)〕
次に、図6を用いて、実施形態に係るサーバ装置200について説明する。図6は、実施形態に係るサーバ装置200の構成例を示す図である。図6に示すように、サーバ装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0088】
(通信部860について)
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、利用者装置60やサーバ装置100との間で情報の送受信を行う。
【0089】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、質問文情報データベース221と、対話情報データベース222とを有する。
【0090】
(質問文情報データベース221について)
質問文情報データベース221は、利用者との対話に用いる質問文に関する情報を記憶する。ここで、図7に、実施形態に係る質問文情報データベース221の一例を示す。図7の例では、質問文情報データベース221は、「質問ID」、「質問文候補」、「対象年齢」といった項目を有する。また、「対象年齢」には、「生後1歳未満(幼児)」、「生後1年~3年(未就学児)」、「生後3年~6年(幼稚園児)」といった項目を含む。
【0091】
「質問ID」は、質問文の候補を識別する識別情報を示す。
【0092】
「質問文候補」は、対話を要求してきた利用者に提供される質問文の候補である。「質問文候補」が示す質問文は、例えば、検出対象の人物に所定の状態変化が発生した原因を推定するための回答を要求元の利用者から得るための内容を含んでよい。また、「質問文候補」が示す質問文は、検出対象の人物に所定の状態変化が発生した当時を要求元の利用者に対して振り返させる内容を含んでもよい。
【0093】
「対象年齢」は、「質問文候補」が示す質問文のうち、利用者に提供される質問文として、どの質問文を選択すべきであるかを、検出対象の人物の成熟度合の観点から条件付ける条件情報である。
【0094】
例えば、図7の例では、「生後1歳未満(幼児)」と、質問文「ミルクが欲しかったからですか?」との間に「〇」が入力されている。一方、「生後1年~3年(未就学児)」と、質問文「ミルクが欲しかったからですか?」との間では「〇」が入力されていない。また、「生後3年~6年(幼稚園児)」と、質問文「ミルクが欲しかったからですか?」との間にも「〇」が入力されていない。
【0095】
係る例は、要求元の利用者(図2の例では、人物U11)に対応する検出対象の人物(図2の例では、人物B12)の年齢が「生後1年~3年」の間であれば、係る利用者に対して質問文「ミルクが欲しかったからですか?」を提供し、一方、検出対象の人物の年齢が「生後1年~3年」の間、もしくは、「生後3年~6年」の間であれば、係る利用者に対して質問文「ミルクが欲しかったからですか?」を提供しないよう条件付けられている例を示す。
【0096】
また、図7の他の例として、「生後1年~3年(未就学児)」と、質問文「ドライブに飽きたからですか?」との間に「〇」が入力されている。また、「生後3年~6年(幼稚園児)」と、質問文「ドライブに飽きたからですか?」との間にも「〇」が入力されている。一方、「生後1歳未満(幼児)」と、質問文「ドライブに飽きたからですか?」との間には「〇」が入力されていない。
【0097】
係る例は、要求元の利用者に対応する検出対象の人物の年齢が「生後1年~3年」の間、もしくは、「生後3年~6年」の間であれば、係る利用者に対して質問文「ドライブに飽きたからですか?」を提供し、一方、検出対象の人物の年齢が「生後1歳未満」の間であれば、係る利用者に対して質問文「ドライブに飽きたからですか?」を提供しないよう条件付けられている例を示す。
【0098】
このように、「対象年齢」とは、「質問文候補」が示す質問文のうち、利用者に提供される質問文としてよりふさわしいものを、検出対象の人物の成熟度合の観点から条件付ける条件情報といえる。
【0099】
(対話情報データベース222について)
対話情報データベース222は、要求元の利用者との間で行われた対話に関する情報を記憶する。例えば、対話情報データベース222は、要求元の利用者との間で行われた対話に関する履歴情報を記憶してよい。
【0100】
(制御部230について)
図6に戻り、制御部230は、CPUやMPU等によって、サーバ装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0101】
図6に示すように、制御部230は、要求受付部231と、生成部232と、推定部233と、出力制御部234とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0102】
(要求受付部231について)
要求受付部231は、対話エージェントを介して、サーバ装置200と対話するための要求である対話要求を利用者から受け付ける。また、要求受付部231は、対話要求を受け付けた場合に、対話を実現するための専用の対話ルームとして、チャット画面を生成し、生成したチャット画面を利用者装置60に表示させる処理まで行ってもよい。
【0103】
(生成部232について)
生成部232は、紐付けデータに基づいて、搭乗者に関係する所定の利用者向けの利用者情報を生成する。例えば、生成部232は、所定の状態変化が発生した原因の推定に用いられる回答を利用者から得るための内容として、この原因の候補を含む質問文を生成する。
【0104】
また、例えば、生成部232は、紐付けデータのうち、利用者情報を提供するよう要求した要求元の利用者に属する搭乗者(例えば、検出対象の人物)に対応する紐付けデータに基づいて、質問文として、所定の状態変化が発生した当時を要求元の利用者に対して振り返させる内容を含む質問文を生成する。
【0105】
より具体的には、生成部232は、紐付けデータに基づいて、所定の状態変化が発生した原因の候補を特定し、特定した候補に対する正誤を質問する内容の質問文を生成する。
【0106】
また、生成部232は、質問文として、搭乗者の成熟状況に応じた内容の質問文を生成してよい。
【0107】
(推定部233について)
推定部233は、利用者情報を提供された要求元の利用者が、利用者情報に対して応答した場合には、応答の内容に基づいて、所定の状態変化が発生した原因を推定する。具体的には、推定部233は、要求元の利用者が質問文に対する回答を入力した場合には、この回答に基づいて、要求元の利用者に属する搭乗者に所定の状態変化が発生した原因を推定する。
【0108】
(出力制御部234について)
出力制御部234は、推定部233による推定結果に応じた情報が利用者に対して出力されるよう制御する。具体的には、出力制御部234は、推定部233による推定結果に応じた情報が要求元の利用者に対して出力されるよう制御する。
【0109】
例えば、出力制御部234は、推定結果に応じた情報として、所定の状態変化に関するアドバイス情報が出力されるよう制御する。例えば、出力制御部234は、アドバイス情報として、所定の状態変化を発生させないための対応策が出力されるよう制御する。
【0110】
〔5.質問文を用いた対話例〕
ここからは、図8を用いて、生成部232によって質問文が生成される処理の一例と、生成された質問文を用いて要求元の利用者との間で行われる対話の一例とを説明する。図8は、サーバ装置200と、利用者との間で実現される対話の一例を示す図である。以下にはチャット画面が表示される例を示すが、音声のみで対話を行ってもよい。
【0111】
また、図8では、図2で説明したステップS21~S27の例を用いて、サーバ装置200と、人物U11との間で実現される対話の一例を説明する。したがって、図8の例では、人物U11は要求元の利用者に相当する。また、図8には、人物U11からの対話要求に応じて、対話ルームを仮想的に示すチャット画面C1が人物U11の利用者装置60に表示されている。
【0112】
このような状態において、生成部232は、サーバ装置100の紐付け情報データベース122にアクセスし、要求元の利用者すなわち人物U11に対応する紐付けデータを参照する。例えば、生成部232は、人物U11により登録されている登録情報に基づいて、人物U11に対応する検出対象の人物を割り出し、割り出した人物に対応する紐付けデータを参照する。これまでの例によれば、生成部232は、人物U11に対応する検出対象の人物として人物B12を割り出し、割り出した人物に対応する紐付けデータを参照する。
【0113】
図5の例によれば、生成部232は、利用者情報「U11」に対応付けられる「対象人物情報」に基づき、人物U11に対応する検出対象の人物として人物B12を割り出すことができる。
【0114】
ここで、生成部232は、人物B12の成熟度合、および、人物B12に発生した状態変化に応じて、質問文を制御する。よって、以下では、人物B12の年齢、および、人物B12に発生した状態変化の組合せに3種のパターンを用意し、各パターンについて図8(a)、図8(b)、図8(c)を用いて説明する。
【0115】
まず、図8(a)について説明する。図8(a)では、人物B12の年齢は「生後1歳未満」であるものとし、よって、人物B12の成熟状況は「幼児」に相当する。また、図8(a)では、人物U11が運転する車両VE1の車内において、人物B12には状態変化「泣き出し」が発生したことを検出されたものとする。
【0116】
係る例では、生成部232は、紐付け情報データベース122に記憶される紐付けデータのうち、人物B12に対応する紐付けデータ、具体的には、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、人物B12が泣き出した原因の候補を特定する。例えば、生成部232は、「状態情報」に基づき、人物B12が泣き出した原因の候補を特定する処理を行い、原因の候補を特定できない場合には、「状況情報」に基づき、人物B12が泣き出した原因の候補を特定する処理を行ってよい。
【0117】
図8(a)の例において「状態情報」は、人物B12の発話内容「ミルク!」を示す音声情報であるものとすると、生成部232は、人物B12が泣き出した原因の候補として「ミルク要求」を特定することができる。
【0118】
また、生成部232は、質問文情報データベース221に登録されている質問文の候補のうち、成熟状況「幼児」を満たす質問文を抽出する。図7に示す質問文情報データベース221によれば、生成部232は、成熟状況「幼児」を満たす質問文として、質問文Q1、Q2、Q3、Q4、Q6、Q9を抽出することができる。
【0119】
そして、生成部232は、質問文Q1、Q2、Q3、Q4、Q6、Q9のうち、人物B12が泣き出した原因が「ミルク要求」であるか否かを質問する内容の質問文Q1を提供対象の質問文として選択する。
【0120】
そして、生成部232は、選択した質問文Q1に基づいて、「運転時、泣き出したのは、ミルクが欲しかったからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q11を生成する。このように、質問文Q11は、人物B12が泣き出した原因の推定材料となる回答を人物U11から得るための質問文であるとともに、人物U11に対して、人物B12が泣き出した当時を振り返させるための効果がある。
【0121】
また、生成部232は、図8(a)に示すように、質問文Q11をチャット画面C1に表示させることで、人物U11との対話を開始する。ここで、図8(a)に示すように、人物U11は、質問文Q11に対して、「No!」と回答したとする。
【0122】
係る場合、生成部232は、人物U11の回答「No!」に応じて、人物B12が泣き出した原因を深掘りするための追加の質問文をさらに生成してよい。例えば、生成部232には、成熟状況「幼児」を満たす残りの質問文、すなわち、質問文Q2、Q3、Q4、Q6、Q9のうち、所定の1つの質問文を選択してよい。例えば、生成部232は、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、質問文Q2、Q3、Q4、Q6、Q9のうち、人物B12が泣き出した原因に対してより近しい内容の質問文を選択してよい。図8(a)の例では、生成部232は、質問文Q2を選択したとする。
【0123】
係る場合、生成部232は、選択した質問文Q2に基づいて、「では、オムツが汚れていたからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q21を生成する。
【0124】
そして、生成部232は、図8(a)に示すように、質問文Q21をチャット画面C1に表示させることで、続きの対話を行う。ここで、図8(a)に示すように、人物U11は、質問文Q21に対して、「No!」と回答したとする。
【0125】
係る場合、生成部232は、人物U11の回答「No!」に応じて、人物B12が泣き出した原因をさらに深掘りするための追加の質問文を生成してよい。例えば、生成部232には、成熟状況「幼児」を満たす残りの質問文、すなわち、質問文Q3、Q4、Q6、Q9のうち、所定の1つの質問文を選択してよい。例えば、生成部232は、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、質問文Q3、Q4、Q6、Q9のうち、人物B12が泣き出した原因に対してより近しい内容の質問文を選択してよい。図8(a)の例では、生成部232は、質問文Q3を選択したとする。
【0126】
係る場合、生成部232は、選択した質問文Q3に基づいて、「では、急制動に驚いたからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q31を生成する。
【0127】
そして、生成部232は、図8(a)に示すように、質問文Q31をチャット画面C1に表示させることで、続きの対話を行う。ここで、図8(a)に示すように、人物U11は、質問文Q31に対して、「Yes!」と回答したとする。
【0128】
このような場合、推定部233は、人物B12が泣き出した原因として「急制動に対する驚き」を推定することができる。また、出力制御部234は、人物B12が泣き出した原因「急制動に対する驚き」に基づいて、今後車内において人物B12が泣き出さないようにするにはどのように対策すべきか対応策を検索する。そして、出力制御部234は、検索結果に応じたアドバイス情報が利用者装置60に出力されるよう出力制御する。
【0129】
この結果、出力制御部234は、例えば、人物B12を乗車させて運転している場合には、急制動しないよう注意喚起するとともに、急制動しないための具体的な対処法が示されたアドバイス情報を人物U11に提供することができる。
【0130】
次に、図8(b)について説明する。図8(b)では、人物B12の年齢は「生後1年~3年」であるものとし、よって、人物B12の成熟状況は「幼稚園児」に相当する。また、図8(b)では、人物U11が運転する車両VE1の車内において、人物B12には状態変化「騒ぎ出し」が発生したことを検出されたものとする。
【0131】
係る例では、生成部232は、紐付け情報データベース122に記憶される紐付けデータのうち、人物B12に対応する紐付けデータ、具体的には、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、人物B12が騒ぎ出した原因の候補を特定する。例えば、生成部232は、「状態情報」に基づき、人物B12が騒ぎ出した原因の候補を特定する処理を行い、原因の候補を特定できない場合には、「状況情報」に基づき、人物B12が騒ぎ出した原因の候補を特定する処理を行ってよい。
【0132】
図8(b)の例において「状態情報」は、人物B12の発話内容「飽きた!!」を示す音声情報であるものとすると、生成部232は、人物B12が騒ぎ出した原因の候補として「長時間乗車」を特定することができる。
【0133】
また、生成部232は、質問文情報データベース221に登録されている質問文の候補のうち、成熟状況「幼稚園児」を満たす質問文を抽出する。図7に示す質問文情報データベース221によれば、生成部232は、成熟状況「幼稚園児」を満たす質問文として、質問文Q3、Q4、Q5、Q6、Q7、Q8、Q9を抽出することができる。
【0134】
そして、生成部232は、質問文Q3、Q4、Q5、Q6、Q7、Q8、Q9のうち、人物B12が騒ぎ出した原因が「長時間乗車」であるか否かを質問する内容の質問文Q5を提供対象の質問文として選択する。
【0135】
そして、生成部232は、選択した質問文Q5に基づいて、「運転時、騒ぎ出したのは、ドライブに飽きたからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q51を生成する。このように、質問文Q51は、人物B12が騒ぎ出した原因の推定材料となる回答を人物U11から得るための質問文であるとともに、人物U11に対して、人物B12が騒ぎ出した当時を振り返させるための効果がある。
【0136】
また、生成部232は、図8(b)に示すように、質問文Q51をチャット画面C1に表示させることで、人物U11との対話を開始する。ここで、図8(b)に示すように、人物U11は、質問文Q51に対して、「No!」と回答したとする。
【0137】
係る場合、生成部232は、人物U11の回答「No!」に応じて、人物B12が騒ぎ出した原因を深掘りするための追加の質問文をさらに生成してよい。例えば、生成部232には、成熟状況「幼稚園児」を満たす残りの質問文、すなわち、質問文Q3、Q4、Q6、Q7、Q8、Q9のうち、所定の1つの質問文を選択してよい。例えば、生成部232は、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、質問文Q3、Q4、Q6、Q7、Q8、Q9のうち、人物B12が騒ぎ出した原因に対してより近しい内容の質問文を選択してよい。図8(b)の例では、生成部232は、質問文Q7を選択したとする。
【0138】
係る場合、生成部232は、選択した質問文Q7に基づいて、「では、トイレに行きたかったからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q71を生成する。
【0139】
そして、生成部232は、図8(b)に示すように、質問文Q71をチャット画面C1に表示させることで、続きの対話を行う。ここで、図8(b)に示すように、人物U11は、質問文Q71に対して、「No!」と回答したとする。
【0140】
係る場合、生成部232は、人物U11の回答「No!」に応じて、人物B12が騒ぎ出した原因をさらに深掘りするための追加の質問文を生成してよい。例えば、生成部232には、成熟状況「幼稚園児」を満たす残りの質問文、すなわち、質問文Q3、Q4、Q6、Q8、Q9のうち、所定の1つの質問文を選択してよい。例えば、生成部232は、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、質問文Q3、Q4、Q6、Q8、Q9のうち、人物B12が騒ぎ出した原因に対してより近しい内容の質問文を選択してよい。図8(b)の例では、生成部232は、質問文Q8を選択したとする。
【0141】
係る場合、生成部232は、選択した質問文Q8に基づいて、「では、おなかが空いたからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q81を生成する。
【0142】
そして、生成部232は、図8(b)に示すように、質問文Q81をチャット画面C1に表示させることで、続きの対話を行う。ここで、図8(b)に示すように、人物U11は、質問文Q81に対して、「Yes!」と回答したとする。
【0143】
このような場合、推定部233は、人物B12が騒ぎ出した原因として「空腹」を推定することができる。また、出力制御部234は、人物B12が騒ぎ出した原因「空腹」に基づいて、今後車内において人物B12が騒ぎ出さないようにするにはどのように対策すべきか対応策を検索する。そして、出力制御部234は、検索結果に応じたアドバイス情報が利用者装置60に出力されるよう出力制御する。
【0144】
この結果、出力制御部234は、例えば、人物B12を乗車させて運転している場合には、時々休憩しておやつを与えるよう提案するアドバイス情報を人物U11に提供することができる。
【0145】
次に、図8(c)について説明する。図8(c)では、人物B12の年齢は「生後1年未満」であるものとし、よって、人物B12の成熟状況は「幼児」に相当する。また、図8(c)では、人物U11が運転する車両VE1の車内において、人物B12には状態変化「泣き出し」が発生したことを検出されたものとする。
【0146】
係る例では、生成部232は、紐付け情報データベース122に記憶される紐付けデータのうち、人物B12に対応する紐付けデータ、具体的には、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、人物B12が泣き出した原因の候補を特定する。例えば、生成部232は、「状態情報」に基づき、人物B12が泣き出した原因の候補を特定する処理を行い、原因の候補を特定できない場合には、「状況情報」に基づき、人物B12が泣き出した原因の候補を特定する処理を行ってよい。
【0147】
図8(c)の例において「状況情報」は、人物B12のサイレン音「ピーポーピーポー」を示す周辺情報であるものとすると、生成部232は、人物B12が泣き出した原因の候補として「周辺車両のサイレンに対する驚き」を特定することができる。
【0148】
また、生成部232は、質問文情報データベース221に登録されている質問文の候補のうち、成熟状況「幼児」を満たす質問文を抽出する。図7に示す質問文情報データベース221によれば、生成部232は、成熟状況「幼稚園児」を満たす質問文として、質問文Q1、Q2、Q3、Q4、Q6、Q9を抽出することができる。
【0149】
そして、生成部232は、質問文Q1、Q2、Q3、Q4、Q6、Q9のうち、人物B12が泣き出した原因が「周辺車両のサイレンに対する驚き」であるか否かを質問する内容の質問文Q6を提供対象の質問文として選択する。
【0150】
そして、生成部232は、選択した質問文Q6に基づいて、「運転時、泣き出したのは、サイレンに驚いたからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q61を生成する。このように、質問文Q61は、人物B12が泣き出した原因の推定材料となる回答を人物U11から得るための質問文であるとともに、人物U11に対して、人物B12が泣き出した当時を振り返させるための効果がある。
【0151】
また、生成部232は、図8(c)に示すように、質問文Q61をチャット画面C1に表示させることで、人物U11との対話を開始する。ここで、図8(c)に示すように、人物U11は、質問文Q61に対して、「No!」と回答したとする。
【0152】
係る場合、生成部232は、人物U11の回答「No!」に応じて、人物B12が泣き出した原因を深掘りするための追加の質問文をさらに生成してよい。例えば、生成部232には、成熟状況「幼児」を満たす残りの質問文、すなわち、質問文Q1、Q2、Q3、Q4、Q9のうち、所定の1つの質問文を選択してよい。例えば、生成部232は、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、質問文Q1、Q2、Q3、Q4、Q9のうち、人物B12が泣き出した原因に対してより近しい内容の質問文を選択してよい。図8(c)の例では、生成部232は、質問文Q3を選択したとする。
【0153】
係る場合、生成部232は、選択した質問文Q3に基づいて、「では、急制動に驚いたからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q31を生成する。
【0154】
そして、生成部232は、図8(c)に示すように、質問文Q31をチャット画面C1に表示させることで、続きの対話を行う。ここで、図8(c)に示すように、人物U11は、質問文Q31に対して、「No!」と回答したとする。
【0155】
係る場合、生成部232は、人物U11の回答「No!」に応じて、人物B12が泣き出した原因をさらに深掘りするための追加の質問文を生成してよい。例えば、生成部232には、成熟状況「幼児」を満たす残りの質問文、すなわち、質問文Q1、Q2、Q4、Q9のうち、所定の1つの質問文を選択してよい。例えば、生成部232は、人物B12に対応する「状態情報」および「状況情報」に基づいて、質問文Q1、Q2、Q4、Q9のうち、人物B12が泣き出した原因に対してより近しい内容の質問文を選択してよい。図8(c)の例では、生成部232は、質問文Q4を選択したとする。
【0156】
係る場合、生成部232は、選択した質問文Q4に基づいて、「では、暑かったからですか?Yes/No」といったYes/No形式の質問文Q41を生成する。
【0157】
そして、生成部232は、図8(c)に示すように、質問文Q41をチャット画面C1に表示させることで、続きの対話を行う。ここで、図8(c)に示すように、人物U11は、質問文Q41に対して、「Yes!」と回答したとする。
【0158】
このような場合、推定部233は、人物B12が泣き出した原因として「車内温度上昇」を推定することができる。また、出力制御部234は、人物B12が泣き出した原因「車内温度上昇」に基づいて、今後車内において人物B12が騒ぎ出さないようにするにはどのように対策すべきか対応策を検索する。そして、出力制御部234は、検索結果に応じたアドバイス情報が利用者装置60に出力されるよう出力制御する。
【0159】
この結果、出力制御部234は、例えば、気温が高いときに人物B12を乗車させる場合には、車内温度に気を付けるよう注意喚起するとともに、車内に人物B12を置き去りにしないようアドバイスするアドバイス情報を人物U11に提供することができる。
【0160】
〔6.処理手順〕
続いて、図9および図10を用いて、サーバ装置100によって実現される情報処理の手順について説明する。係る情報処理手順は、センサ情報に基づき車両状況を検出する検出工程と、センサ情報に含まれる状態情報に基づき状態変化が検出された場合には、その状態変化を示す内容情報と、このときの車両状況の情報とを紐付ける工程という、2つの工程に大別することができる。よって、図9では車両状況検出工程の手順について説明し、図10では紐付け工程の手順について説明する。
【0161】
なお、図9および図10では、検出対象の人物である人物B12に関する情報がサーバ装置100に登録されているものとして、人物B11の母親である人物U11が車両VE1を運転する場面を例に、サーバ装置100による情報処理を説明する。
【0162】
〔6-1.処理手順(1)〕
まず、図9を用いて、車両状況検出工程で行われる情報処理の手順を説明する。図9は、車両状況を検出する検出処理手順を示すフローチャートである。
【0163】
図9の例によれば、まず、取得部131は、車両VE1の運転が開始されたか否かを判定している(ステップS901)。取得部131は、車両VE1の運転が開始されていないと判定している間は(ステップS901;No)、車両VE1の運転が開始されたと判定できるまで待機する。
【0164】
一方、取得部131は、車両VE1の運転が開始されたと判定した場合には(ステップS901;Yes)、車両VE1の走行に応じて車載装置10からリアルタイムに送られているセンサ情報を取得する(ステップS902)。また、取得部131は、取得したセンサ情報をセンサ情報データベース121に記憶してよい。
【0165】
第2の検出部133は、取得部131によってセンサ情報が取得されるたびに、取得されたセンサ情報に基づいて、車両VExに関する車両状況を検出する(ステップS903)。例えば、第2の検出部133は、車両VE1の位置、この位置での時刻、車両VE1がこれまでに連続して走行している走行時間、車両VE1の車内環境、または、車両VE1に対する周辺車両の状況を検出してよい。また、第2の検出部133は、検出した車両状況を示す状況情報をセンサ情報データベース121に記憶してよい。
【0166】
次に、第2の検出部133は、車両VE1の運転が終了したか否かを判定する(ステップS904)。例えば、第2の検出部133は、取得部131からセンサ情報を受け取れたか否かに基づき、車両VE1の運転が終了したか否かを判定してよい。例えば、第2の検出部133は、取得部131からセンサ情報を受け取れる間は、車両VE1の運転が継続されていると判定し(ステップS904;No)、ステップS903からの処理を再度実行する。一方、第2の検出部133は、取得部131からセンサ情報を受け取れなくなった場合には、車両VE1の運転が終了したと判定し(ステップS904;Yes)、処理を終了する。
【0167】
〔6-2.処理手順(2)〕
次に、図10を用いて、紐付け工程で行われる情報処理の手順を説明する。図10は、内容情報と状況情報とを紐付ける紐付け処理手順を示すフローチャートである。
【0168】
まず、第1の検出部132は、取得部131により取得されたセンサ情報に基づいて、車両VE1の搭乗者の中に検出対象の人物B12が存在するか否かを判定する(ステップS1001)。例えば、第1の検出部132は、センサ情報に人物に関する情報(例えば、発声情報、発話情報、顔画像等)が含まれている場合には、この人物に関する情報と、登録情報との照合により、車両VE1の搭乗者の中に検出対象の人物B12が存在するか否かを判定してよい。
【0169】
第1の検出部132は、車両VE1の搭乗者の中に検出対象の人物B12が存在しないと判定した場合には(ステップS1001;No)、紐付け処理を終了させてよい。
【0170】
一方、第1の検出部132は、車両VE1の搭乗者の中に検出対象の人物B12が存在すると判定した場合には(ステップS1001;Yes)、取得部131により随時取得されるセンサ情報の中に人物に関する情報が含まれているかを判定する(ステップS10002)。例えば、第1の検出部132は、人物に関する情報として、車両VE1の搭乗者による発声を示す発声情報、車両VE1の搭乗者による発話内容を示す発話情報、あるいは、車両VE1の搭乗者の顔画像が含まれているか否かを判定してよい。
【0171】
第1の検出部132は、センサ情報の中に人物に関する情報が含まれていないと判定した場合には(ステップS1002;No)、人物に関する情報が含まれるセンサ情報が取得されるまで待機する。
【0172】
一方、第1の検出部132は、センサ情報の中に人物に関する情報が含まれていると判定した場合には(ステップS1002;Yes)、その人物に関する情報が検出対象の人物B12を示す情報であるか否かを判定する(ステップS1003)。
【0173】
第1の検出部132は、人物に関する情報が検出対象の人物B12を示す情報でないと判定した場合には(ステップS1003;No)、ステップS1002へと処理を戻す。
【0174】
一方、第1の検出部132は、人物に関する情報が検出対象の人物B12を示す情報であると判定した場合には(ステップS1003;Yes)、この情報を検出対象の人物B12の状態を示す状態情報として取得する(ステップS1004)。
【0175】
そして、第1の検出部132は、取得した状態情報に基づいて、検出対象の人物B12に対して所定の状態変化の発生を検出する処理を行う(ステップS1005)。例えば、第1の検出部132は、状態情報に基づいて、検出対象の人物による泣き出し、ぐずり、騒ぎ出し、奇声の発生、または、感情変化(例えば、不機嫌な感情への変化)を検出する。
【0176】
次に、蓄積部134は、第1の検出部132によって所定の状態変化の発生を検出されたか否かを判定する(ステップS1006)。蓄積部134は、所定の状態変化の発生を検出されなかったと判定した場合には(ステップS1006;No)、ステップS1002へと処理を戻す。
【0177】
一方、蓄積部134は、所定の状態変化の発生を検出されたと判定した場合には(ステップS1006;Yes)、所定の状態変化の内容を示す内容情報と、所定の状態変化が発生した際における車両VE1に関する状況情報とを紐付けた紐付けデータを生成する(ステップS1007)。
【0178】
例えば、蓄積部134は、所定の状態変化が発生したタイミングに基づいて、第2の検出部133により検出された車両状況のうち、所定の状態変化が発生した時点に対する所定の時間範囲での車両VE1の位置、この時間範囲での車両VE1の車内環境、この時間範囲での車両VE1に対する周辺車両の状況、人物B12が車両VE1に乗車してから所定の状態変化が発生するまでに経過した経過時間、または、人物B12が車両VE1に乗車してから所定の状態変化が発生するまでの間における運転休憩の取得状況のいずれかを示す状況情報を、内容情報に紐付けた紐付けデータを生成してよい。
【0179】
また、蓄積部134は、生成した紐付けデータを紐付け情報データベース122に蓄積させる(ステップS1008)。
【0180】
〔7.変形例〕
上記実施形態に係る情報処理装置(サーバ装置100、サーバ装置200)は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態に係る情報処理装置の他の実施形態について説明する。
【0181】
上記実施形態では、推定部233が、紐付けデータに基づき生成された利用者情報に対する利用者の応答から所定の状態変化が発生した原因を推定する例を示した。このように、状態変化が発生した原因が推定された場合、蓄積部134は、状態変化の内容を示す内容情報と、状態変化が発生した際における車両に関する状況を示す状況情報とを紐付けるだけでなく、さらに発生原因(例えば、ミルク不足、オムツの汚れ、長時間乗車等)を示す原因情報を紐付けることで紐付けデータを生成してよい。
【0182】
また、生成部135は、上記のような紐付けデータに基づいて、所定の状態変化が発生するか否かを予測するだけでなく、この所定の状態変化がどのようなことが原因で発生し得るか発生原因も予測する予測モデルを生成してよい。
【0183】
そうすると、予測部136は、予測モデルを用いることで、例えば、人物B12が泣き出すタイミングと、泣き出す原因とを予測することができるようになる。
【0184】
また、出力制御部234は、予測部136が予測モデルを用いて泣き出す原因「ミルク不足」を予測した場合、「泣き出しそうなので停車してミルクを促す」といった情報提案を行ってよい。また、出力制御部234は、予測部136が予測モデルを用いて泣き出す原因「排泄物によるオムツの汚れ」を予測した場合、「泣き出しそうなので停車してオムツ交換するよう促す」といった情報提案を行ってよい。
【0185】
他の例として、予測部136は、予測モデルを用いることで、例えば、人物B12が騒ぎ出すタイミングと、騒ぎ出す原因とを予測することができるようになる。
【0186】
また、出力制御部234は、予測部136が予測モデルを用いて騒ぎ出す原因「長時間乗車」を予測した場合、「事前に休憩するよう促す」、「事前に観賞用動画を見せておくよう促す」、あるいは、「車内で実践可能なレクリエーション(例えば、言葉遊びや簡単なゲーム等)を行うよう促す」といった情報提案を行ってよい。
【0187】
このような変形例に係る情報処理装置によれば、搭乗者(例えば、人物B12)におけるインシデント発生への対策を、関係者(例えば、人物U11)に提示し実施を促すことができるため、車内でのインシデント発生を効果的に抑制させることができる。
【0188】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係るサーバ装置100および200は、例えば、図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、サーバ装置100を例に説明する。図11は、サーバ装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0189】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0190】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0191】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0192】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0193】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係るサーバ装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0194】
また、コンピュータ1000が実施形態に係るサーバ装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0195】
〔9.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0196】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0197】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0198】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0199】
1 情報処理システム
10 車載装置
60 利用者装置
100 サーバ装置
120 記憶部
121 センサ情報データベース
122 紐付け情報データベース
130 制御部
131 取得部
132 第1の検出部
133 第2の検出部
134 蓄積部
135 生成部
136 予測部
200 サーバ装置
220 記憶部
221 質問文情報データベース
222 対話情報データベース
230 制御部
231 要求受付部
232 生成部
233 推定部
234 出力制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11