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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096088
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ヘアカーラー
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/30 20060101AFI20230629BHJP
   A45D 6/14 20060101ALI20230629BHJP
   A45D 6/08 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
A45D2/30
A45D6/14
A45D6/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081731
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2021097955の分割
【原出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】517227817
【氏名又は名称】浜田 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】浜田 誠一郎
(57)【要約】
【課題】ヘアカーラーに髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラーに巻かれた髪を良好に保持する。
【解決手段】本願開示のヘアカーラーは、円筒状に形成された本体部と、前記本体部の端部のうちの少なくとも一方の端部に設けられ、該本体部の軸方向に摺動可能に構成されたクランプ体と、前記クランプ体の外周部に形成された複数の爪部であって、該クランプ体が設けられた前記本体部の前記一方の端部から該本体部の他方の端部に向かって、該本体部の軸方向に突出して形成された複数の爪部と、を備え、前記複数の爪部は、第1爪部と第2爪部とを含み、前記本体部の中心軸からの距離が、該第1爪部と該第2爪部とで異なるように形成される。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に形成された本体部と、
前記本体部の端部のうちの少なくとも一方の端部に設けられ、該本体部の軸方向に摺動可能に構成されたクランプ体と、
前記クランプ体の外周部に形成された複数の爪部であって、該クランプ体が設けられた前記本体部の前記一方の端部から該本体部の他方の端部に向かって、該本体部の軸方向に突出して形成された複数の爪部と、
を備え、
前記複数の爪部は、第1爪部と第2爪部とを含み、前記本体部の中心軸からの距離が、該第1爪部と該第2爪部とで異なるように形成される、
ヘアカーラー。
【請求項2】
前記クランプ体の外周部において、前記第1爪部と前記第2爪部とが交互に形成される、
請求項1に記載のヘアカーラー。
【請求項3】
前記クランプ体が、前記本体部の両端部に設けられ、
前記複数の爪部は、
前記本体部の前記一方の端部に設けられた前記クランプ体に形成された前記第1爪部と、前記本体部の他方の端部に設けられた前記クランプ体に形成された前記第1爪部とが、互いに向かい合うように、且つ、
前記本体部の前記一方の端部に設けられた前記クランプ体に形成された前記第2爪部と、前記本体部の他方の端部に設けられた前記クランプ体に形成された前記第2爪部とが、互いに向かい合うように構成される、
請求項1又は請求項2に記載のヘアカーラー。
【請求項4】
前記複数の爪部は、
前記本体部の中心軸と前記第1爪部との距離が、前記本体部の中心軸と前記第2爪部との距離よりも長くなるように形成されるとともに、
前記複数の爪部における前記本体部の端部からの該本体部の軸方向への突出長さについて、前記第1爪部の該突出長さが、前記第2爪部の該突出長さよりも長くなるように形成される、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のヘアカーラー。
【請求項5】
前記本体部の外周には、該本体部の円周方向に連続状に突出して形成されたリブが、該本体部の軸方向に複数の列をなすように構成される、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のヘアカーラー。
【請求項6】
前記本体部の外周には、該本体部の円周方向に連続状に突出して形成されたリブが、該本体部の軸方向に複数の列をなすように構成され、
前記複数の爪部は、
前記クランプ体が前記本体部の外側に向かって摺動された状態において、前記第2爪部が、前記本体部の中心軸と直行する横断面であって前記リブの各列の横断面の何れにも交差しないように、該第2爪部の前記突出長さが定められる、
請求項4に記載のヘアカーラー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアカーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヘアカーラーにおいて、髪が巻かれたカーラー本体部を固定するためのピン部が設けられる技術が開示されている。この技術によれば、ピン部がカーラー本体部に固定されるので、髪をカーラー本体部に巻いた後にピンを探す必要がなく、また、そのままピン部を移動させればヘアカーラーが固定できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3133225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるヘアカーラーによれば、ヘアカーラーに髪を巻く際の作業性が高められる。しかしながら、ヘアカーラーに髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ヘアカーラーに巻かれた髪を保持する技術については、未だ改良の余地を残すものである。
【0005】
本発明の目的は、ヘアカーラーに髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラーに巻かれた髪を良好に保持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願開示のヘアカーラーは、円筒状に形成された本体部と、前記本体部の端部のうちの少なくとも一方の端部に設けられ、該本体部の軸方向に摺動可能に構成されたクランプ体と、前記クランプ体の外周部に形成された複数の爪部であって、該クランプ体が設けられた前記本体部の前記一方の端部から該本体部の他方の端部に向かって、該本体部の軸方向に突出して形成された複数の爪部と、を備え、前記複数の爪部は、第1爪部と第2爪部とを含み、前記本体部の中心軸からの距離が、該第1爪部と該第2爪部とで異なるように形成される。
【発明の効果】
【0007】
本願開示によれば、ヘアカーラーに髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラーに巻かれた髪を良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係るヘアカーラーを説明するための図である。
図2図1(b)における断面A-Aで切断したヘアカーラーの断面図である。
図3図1(b)における断面A-Aで切断したヘアカーラーの断面図において、本体部の軸方向に摺動するクランプ体を説明するための図である。
図4図1(b)における断面A-Aおよび断面B-Bで切断したヘアカーラーの断面図である。
図5】第2の実施形態に係るヘアカーラーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願開示において、ヘアカーラーは、本体部と、クランプ体と、複数の爪部と、を備える。本体部は円筒状に形成され、本願開示のヘアカーラーでは、この本体部に髪が巻かれることで髪にくせ付けを行うことが可能となる。ここで、本体部の外周には、該本体部の円周方向に連続状に突出するリブが形成されてもよい。このようなリブが本体部の軸方向に複数の列をなすように構成されることで、本体部に髪が巻かれるときに、該リブによって髪がガイドされ得る。そして、本体部の端部のうちの少なくとも一方の端部には、クランプ体が設けられ、該クランプ体は、本体部の軸方向に摺動可能に構成される。なお、このようなクランプ体は、本体部の両端部に設けられてもよい。そして、クランプ体の外周部には、複数の爪部が形成される。複数の爪部は、クランプ体が設けられた本体部の一方の端部から該本体部の他方の端部に向かって、該本体部の軸方向に突出して形成される。そうすると、この複数の爪部によって、本体部に巻かれた髪が押さえられるとともにヘアカーラーが頭部に固定されることになる。詳しくは、ヘアカーラーを使用するユーザは、クランプ体を本体部の外側に摺動させた状態で、本体部に髪を巻き付ける。そして、ユーザは、本体部に髪が巻けたら、クランプ体を本体部の内側に向かって摺動させる。そうすると、クランプ体の外周部に形成された複数の爪部によって、本体部に巻かれた髪が押さえられるとともにヘアカーラーが髪に固定されることになる。これによれば、クランプ体の摺動によって髪にヘアカーラーが固定されるため、ヘアカーラーに髪を巻く際の作業性が高められる。
【0010】
そして、本願開示のヘアカーラーでは、複数の爪部は、第1爪部と第2爪部とを含み、本体部の中心軸からの距離が、該第1爪部と該第2爪部とで異なるように形成される。そうすると、例えば、本体部の中心軸と第1爪部との距離が、本体部の中心軸と第2爪部との距離よりも長くなるように形成される場合、ユーザが、本体部に髪を巻いた後にクランプ体を内側に摺動させると、第1爪部によって、本体部に巻き付けられた髪が上方から押さえられ、第2爪部が、本体部に巻き付けられた髪に差し込まれることになる。これによれば、ヘアカーラーに巻かれた髪を、複数の爪部と本体部との間で保持するだけでなく、第1爪部と第2爪部との間でも保持することができる。その結果、ヘアカーラーに巻かれた髪が良好に保持される。なお、この場合において、複数の爪部における本体部の端部からの該本体部の軸方向への突出長さについて、第1爪部の突出長さが、第2爪部の突出長さよりも長くなるように、複数の爪部が形成されてもよい。そうすると、本体部に巻き付けられた髪は、先ず、第1爪部によって上方から押さえられ、その状態で、第2爪部が差し込まれることになり、ヘアカーラーに巻かれた髪が、第1爪部と第2爪部との間で保持され易くなる。更に、複数の爪部は、クランプ体が本体部の外側に向かって摺動された状態において、第2爪部が、本体部の中心軸と直行する横断面であってリブの各列の横断面の何れにも交差しないように、該第2爪部の突出長さが定められてもよい。これによれば、より好適に、ヘアカーラーの本体部の円周方向に髪を整然と巻き付けることが可能となるとともに、第2爪部が、本体部に巻き付けられた髪に差し込まれ易くなる。
【0011】
以上に述べたように、本願開示のヘアカーラーによれば、ヘアカーラーに髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラーに巻かれた髪を良好に保持することができる。
【0012】
以下、図面に基づいて、本願開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本願開示は実施形態の構成に限定されない。
【0013】
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係るヘアカーラーについて、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るヘアカーラーを説明するための図であって、図1(a)はヘアカーラー1の正面図であり、図1(b)はヘアカーラー1の斜視図である。なお、本願開示のヘアカーラー1は、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをするための器具であって、巻髪に熱を加えることで髪にくせ付けを行う加熱式のヘアカーラーである。ただし、加熱式のヘアカーラーに限定する意図はなく、髪を巻いて髪にくせ付けできるものであれば、その種類は問わない。本実施形態に係るヘアカーラー1は、円筒状に形成された本体部10と、本体部10の両端部に設けられ該本体部10の軸方向に摺動可能に構成されたクランプ体20と、クランプ体20の外周部に形成された複数の爪部30と、を備える。
【0014】
本体部10は、耐熱性のプラスチックで円筒形状に成形される。ヘアカーラー1では、この本体部10に髪を巻くことで髪にくせ付けを行うことが可能となる。また、上述したように、本実施形態のヘアカーラー1は、加熱式のヘアカーラーであって、外部からの通電によって発熱する発熱体12を備える。ここで、図1(b)における断面A-Aで切断したヘアカーラー1の断面図を図2に示す。図2に示すように、円筒状に形成された本体部10の筒内に、発熱体12および受電ソケット13が配置される。そして、受電ソケット13は外部の加熱装置に接続され、該受電ソケット13を介して発熱体12に交流電圧が印加されることで、該発熱体12が発熱する。そうすると、ヘアカーラー1の本体部10が加熱され、本体部10に巻かれた巻髪に熱が加えられることで、髪がくせ付けされることになる。なお、本実施形態のヘアカーラー1は、発熱体12によって本体部10が加熱される構成に限定されない。例えば、本実施形態のヘアカーラー1は、ドライヤーによる温風が当てられることによって、本体部10に巻かれた巻髪に熱が加えられるような構成であってもよい。
【0015】
また、本体部10の外周には、該本体部10の円周方向に連続状に突出して形成されたリブ11が、該本体部10の軸方向に複数の列をなすように構成される。このように、本体部10の外周にリブ11が形成されると、ヘアカーラー1において本体部10に髪が巻かれるときに、該リブ11によって髪がガイドされ得る。そうすると、ヘアカーラー1の本体部10の円周方向に髪を整然と巻き付けることが可能となる。
【0016】
クランプ体20は、本体部10の両端部に設けられ、該本体部10の軸方向に摺動可能に構成される。ここで、図3は、図1(b)における断面A-Aで切断したヘアカーラー1の断面図において、本体部10の軸方向に摺動するクランプ体20を説明するための図である。そして、図3(a)は、クランプ体20が本体部10の内側に向かって摺動された状態を表す図であり、図3(b)は、クランプ体20が本体部10の外側に向かって摺動された状態を表す図である。図3(a)に示されるヘアカーラー1では、クランプ体20に形成された円筒状の摺動部21が、本体部10に形成された摺動孔14に格納され、クランプ体20に形成された平坦部23が、本体部10の端部に当接することで、クランプ体20の摺動が規制される。一方、図3(b)に示されるヘアカーラー1は、クランプ体20が、図3(a)に示される状態から本体部10の外側に向かって摺動された状態であって、クランプ体20の摺動部21の先端に形成された係合部22が、本体部10の摺動孔14に形成された被係合部に係合することで、クランプ体20の摺動が規制される。
【0017】
そして、本体部10の両端部に設けられたクランプ体20の外周部には、複数の爪部30が形成されている。この爪部30は、該爪部30が形成されたクランプ体20が設けられた本体部10の一方の端部から該本体部10の他方の端部に向かって、該本体部10の軸方向に突出して形成される。
【0018】
このような構成を有するヘアカーラー1を使用するユーザは、本体部10に髪を巻き付ける前に、クランプ体20を本体部10の外側に向かって引っ張り、例えば、図3(b)に示した状態となるまで、クランプ体20を外側に摺動させる。次に、ユーザは、この状態にされたヘアカーラー1において、本体部10に髪を巻き付ける。そして、ユーザは、本体部10に髪が巻けたら、クランプ体20を本体部10の内側に向かって押し込み、例えば、図3(a)に示した状態となるまで、クランプ体20を内側に摺動させる。そうすると、クランプ体20の外周部に形成された複数の爪部30によって、髪が押さえられるとともにヘアカーラー1が固定されることになる。
【0019】
以上に述べた構成によれば、クランプ体20の摺動によって髪にヘアカーラー1が固定されるため、ヘアカーラー1に髪を巻く際の作業性が高められる。しかしながら、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ヘアカーラー1に巻かれた髪を保持する技術については、未だ改良の余地を残すものである。
【0020】
そこで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、複数の爪部30が、第1爪部31と第2爪部32とを含み、本体部10の中心軸からの距離が、第1爪部31と第2爪部32とで異なるように形成されることで、ヘアカーラー1に巻かれた髪を良好に保持できることを見出した。これについて、図4を参照しながら説明する。
【0021】
図4は、図1(b)における断面A-Aおよび断面B-Bで切断したヘアカーラー1の断面図であって、図4(a)は断面A-Aで切断した断面図であり、図4(b)は断面B-Bで切断した断面図である。ここで、図4(a)によると、本体部10の中心軸と第1爪部31との距離は、L1である。一方、図4(b)によると、本体部10の中心軸と第2爪部32との距離は、L2である。そして、距離L2が距離L1よりも短くなっている。詳しくは、第1爪部31は、クランプ体20の外周部における最も外側に位置する側面である最外側面24と面一で形成されている。これに対して、第2爪部32は、クランプ体20の外周部において、最外側面24から内側に凹んだ位置に形成されている。
【0022】
そして、このように、第1爪部31と第2爪部32とが形成されたヘアカーラー1によれば、ユーザが、本体部10に髪を巻いた後に、クランプ体20を内側に摺動させると、第1爪部31によって、本体部10に巻き付けられた髪が上方から押さえられ、第2爪部32が、本体部10に巻き付けられた髪に差し込まれることになる。これによれば、ヘアカーラー1に巻かれた髪を、複数の爪部30と本体部10との間で保持するだけでなく、第1爪部31と第2爪部32との間でも保持することができる。また、上述したように、第2爪部32は、クランプ体20の外周部において、最外側面24から内側に凹んだ位置に形成されている。そのため、ユーザは、クランプ体20を内側に摺動させる際に、この凹部を利用して、第1爪部31と第2爪部32との間に挟持される髪を調整することができる。以上に述べた構成によれば、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラー1に巻かれた髪を良好に保持することができる。
【0023】
更に、本実施形態のヘアカーラー1では、クランプ体20の外周部において、第1爪部31と第2爪部32とが交互に形成されている。そうすると、ヘアカーラー1に巻かれた髪が、第1爪部31と第2爪部32との間で保持され易くなる。ただし、ヘアカーラー1は、このように第1爪部31と第2爪部32とが交互に形成された構成に限定されず、第1爪部31と第2爪部32とが交互に形成されていなくても、ヘアカーラー1に巻かれた髪を、複数の爪部30と本体部10との間、および第1爪部31と第2爪部32との間で保持することができる。
【0024】
また、本実施形態のヘアカーラー1では、複数の爪部30における本体部10の端部からの該本体部10の軸方向への突出長さについて、第1爪部31の突出長さが、第2爪部32の突出長さよりも長くなるように、複数の爪部30が形成されている。そうすると、ユーザが、本体部10に髪を巻いた後に、クランプ体20を内側に摺動させるとき、先ず、第1爪部31によって、本体部10に巻き付けられた髪が上方から押さえられ、その状態で、第2爪部32が、本体部10に巻き付けられた髪に差し込まれることになる。これによれば、ヘアカーラー1に巻かれた髪が、第1爪部31と第2爪部32との間で保持され易くなる。なお、本実施形態のヘアカーラー1は、このように、第1爪部31の突出長さが第2爪部32の突出長さよりも長くなるように、複数の爪部30が形成された構成に限定されない。
【0025】
以上に述べたように、本願開示のヘアカーラーによれば、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラー1に巻かれた髪を良好に保持することができる。
【0026】
なお、本実施形態のヘアカーラー1では、本体部10の外周にリブ11が形成される例について説明したが、ヘアカーラー1は、このようにリブ11が形成される構成に限定されない。言い換えれば、本実施形態のヘアカーラー1においては、本体部10の外周にリブ11が形成されていなくてもよい。このような場合であっても、ユーザが、本体部10に髪を巻いた後に、クランプ体20を内側に摺動させるとき、第1爪部31によって、本体部10に巻き付けられた髪が上方から押さえられ、第2爪部32が、本体部10に巻き付けられた髪に差し込まれる。その結果、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラー1に巻かれた髪を良好に保持することができる。
【0027】
また、本実施形態のヘアカーラー1では、本体部10の両端部にクランプ体20が設けられる例について説明したが、クランプ体20は、ヘアカーラー1の本体部10の端部のうちの少なくとも一方の端部に設けられればよい。このような場合であっても、ユーザが、本体部10に髪を巻いた後に、クランプ体20を内側に摺動させるとき、第1爪部31によって、本体部10に巻き付けられた髪が上方から押さえられ、第2爪部32が、本体部10に巻き付けられた髪に差し込まれる。その結果、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラー1に巻かれた髪を良好に保持することができる。
【0028】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態に係るヘアカーラーを説明するための図である。なお、図5は、クランプ体20が本体部10の外側に向かって摺動された状態を表す図である。詳しくは、図5は、上記の図3(b)の説明で述べたように、クランプ体20が本体部10の外側に向かって摺動され、該クランプ体20の摺動部21の先端に形成された係合部22が、該本体部10の摺動孔14に形成された被係合部に係合することで、該クランプ体20の摺動が規制された状態を表す。そして、本実施形態に係るヘアカーラー1では、上述した第1の実施形態と同様に、本体部10の外周にリブ11が形成される。また、複数の爪部30における本体部10の端部からの該本体部10の軸方向への突出長さについて、第1爪部31の突出長さが、第2爪部32の突出長さよりも長くなるように、複数の爪部30が形成される。
【0029】
ここで、本実施形態のヘアカーラー1において、複数の爪部30は、クランプ体20が本体部10の外側に向かって摺動された状態において、第2爪部32が、本体部10の中心軸と直行する横断面であってリブ11の各列の横断面の何れにも交差しないように、該第2爪部32の突出長さが定められる。図5に示すように、ヘアカーラー1の本体部10の外周には、リブ11が該本体部10の軸方向に複数の列をなすように形成される。この場合、リブ11の各列について横断面を規定すると、本体部10の軸方向において、リブ11の各列の横断面が含まれる範囲が定められる。そして、図5によると、第2爪部32の先端部が、この範囲よりも外側に位置している。つまり、第2爪部32は、リブ11の各列の横断面の何れにも交差していない。本実施形態のヘアカーラー1では、図5に示すクランプ体20が本体部10の外側に向かって摺動された状態において、第2爪部32がリブ11の各列の横断面の何れにも交差しないように、該第2爪部32の突出長さが定められる。
【0030】
このように構成されたヘアカーラー1によれば、図5に示す状態において本体部10に髪が巻かれるときに、リブ11によって髪がガイドされ得る。このとき、第2爪部32がリブ11の各列の横断面の何れにも交差しないため、ユーザの作業が第2爪部32によって阻害される事態が可及的に抑制される。そうすると、より好適に、ヘアカーラー1の本体部10の円周方向に髪を整然と巻き付けることが可能となる。また、図5に示す状態において本体部10に髪が巻かれた後にクランプ体20が内側に摺動されるとき、先ず、第1爪部31によって、本体部10に巻き付けられた髪が上方から押さえられ、その状態で、第2爪部32が、本体部10に巻き付けられた髪に差し込まれることになるが、本実施形態のヘアカーラー1によれば、第2爪部32が、本体部10に巻き付けられた髪に差し込まれ易くなる。その結果、ヘアカーラー1に巻かれた髪を、第1爪部31と第2爪部32との間で良好に保持することができる。
【0031】
以上に述べたヘアカーラー1によっても、ヘアカーラー1に髪を巻いて髪にくせ付けをする際に、ユーザの作業性を確保しながら、ヘアカーラー1に巻かれた髪を良好に保持することができる。
【符号の説明】
【0032】
1・・・・・ヘアカーラー
10・・・・本体部
11・・・・リブ
20・・・・クランプ体
30・・・・複数の爪部
31・・・・第1爪部
32・・・・第2爪部

図1
図2
図3
図4
図5