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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096852
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】口栓
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/34 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
B65D41/34 112
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212872
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝行
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA05
3E084AA06
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB06
3E084DB14
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC12
3E084FD12
3E084GA01
3E084GB01
3E084GB08
3E084KA12
3E084KA16
3E084KB01
3E084LA02
3E084LA05
3E084LB02
3E084LB07
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】高速キャッピングが可能なタンパーエビデンス性を備える口栓を提供する。
【解決手段】筒状の注出筒部を有するスパウトと、スパウトに螺合により着脱自在に取り付けられるキャップとを備え、キャップはキャップ本体と、キャップ本体の開放端に複数のブリッジを介して接続されるタンパーバンドとを備え、タンパーバンド及び注出筒部には、キャップの閉栓方向へのタンパーバンドの回転を許可し、キャップの開栓方向へのタンパーバンドの回転を規制するラチェット機構が形成され、ブリッジの各々は、タンパーバンドの一部と、当該一部よりもキャップの閉栓方向に位置するキャップ本体の一部とを接続する、口栓。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の注出筒部を有するスパウトと、
前記スパウトに螺合により着脱自在に取り付けられるキャップとを備え、
前記キャップは
キャップ本体と、
前記キャップ本体の開放端に複数のブリッジを介して接続されるタンパーバンドとを備え、
前記タンパーバンド及び前記注出筒部には、前記キャップの閉栓方向への前記タンパーバンドの回転を許可し、前記キャップの開栓方向への前記タンパーバンドの回転を規制するラチェット機構が形成され、
前記ブリッジの各々は、前記タンパーバンドの一部と、当該一部よりも前記キャップの閉栓方向に位置する前記キャップ本体の一部とを接続する、口栓。
【請求項2】
前記キャップ本体の前記タンパーバンド側の端面と、前記タンパーバンドの前記キャップ本体側の端面との間には所定の隙間が形成されており、
前記タンパーバンドの前記キャップ本体側の端面には、複数の凹部が形成されており、
前記ブリッジの各々は、前記凹部の各々の底部に接続されており、
前記ブリッジが破断していない状態において、前記キャップ本体の前記タンパーバンド側の端面と、前記タンパーバンドの前記キャップ本体側の端面とが当接したときに、前記ブリッジが前記凹部内に収容される、請求項1に記載の口栓。
【請求項3】
前記タンパーバンドは、前記キャップの周方向に並べて配置される複数のバンド部と、隣接する前記バンド部の端部同士を接続し、前記キャップの開栓に伴って破断可能な薄肉部とを備え、
前記ブリッジは、前記バンド部の各々の両端部近傍に設けられる、請求項1または2に記載の口栓。
【請求項4】
前記タンパーバンド部の前記キャップ本体側の端面には、前記キャップの閉栓方向側の辺が斜辺であり、前記タンパーバンド部側の辺よりも前記キャップ本体側辺の方が短い、直角台形の形状を有する凸部が設けられ、
前記キャップ本体の前記タンパーバンド側の端面には、前記凸部を収容する凹部が設けられている、請求項1~3のいずれかに記載の口栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口栓に関する。
【背景技術】
【0002】
包装容器の開封履歴が確認可能なタンパーエビデンスバンドを備えた口栓が知られている(特許文献1)。
【0003】
図8に、従来技術に係る口栓の概略構成を示す正面図を示し、図9に、図8に示す口栓の部分拡大図を示す。従来技術に係る口栓300は、キャップ本体321とタンパーバンド323とを備える。図9(a)に示すように、キャップ本体321とタンパーバンド323とは、キャップ本体321の軸方向に延びるブリッジ322により部分的に接続されている。また、タンパーバンド323とスパウトとの間に図示しないラチェット機構が設けられており、タンパーバンド323の開栓方向への回転が規制されている。キャップ本体321を開栓すると、ブリッジ322が切断されて、キャップ本体321からタンパーバンド323が分離される。そのため、キャップ本体321とタンパーバンド323との接続状態を確認することで、口栓300が開栓されたか否かを判断することができる。また、図9(b)に示すように、タンパーバンド323のキャップ本体321側の端面に台形状の凸部328が設けられており、当該凸部328は、ブリッジ322が切断されていない状態においてキャップ本体321のタンパーバンド323側の端面に設けられた凹部327に収容されている。口栓300の製造工程においてキャッピングを行う際に、凹部327の垂直面が凸部328の垂直面に当接して、キャップ本体321に加えられた閉栓方向への回転力をタンパーバンド323に伝達することができる。また、キャップ本体321の開栓の際、凹部327の斜面が凸部328の斜面に当接して、キャップ本体321に加えられた開栓方向への回転力を、ブリッジ322を破断させる力に変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-130608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10は、従来技術に係る口栓の問題点を説明するための部分拡大図である。
【0006】
上述した構成を有する口栓300には、キャップ本体321とタンパーバンド323との間に隙間が存在する。口栓300の製造工程において高速キャッピングを行う際、タンパーバンド323側に設けられたラチェット構造が、スパウトに設けられたラチェット構造を乗り越える際に、タンパーバンド323に回転抵抗が生じる。回転抵抗が生じたタンパーバンド323に比べて、キャップ本体321の螺合がより進行するが、ブリッジ322がキャップ本体321の軸方向と平行に形成されているため、キャップ本体321とタンパーバンド323との隙間が縮まらず、キャップ本体321の回転力がブリッジ322を破断させる方向に働く。このため、高速キャッピング時にブリッジ322が切れやすいという問題があった。また、キャップ本体321とタンパーバンド323との隙間が縮まらないために、図10示すように、凹部327及び凸部328の垂直面同士の接触面積を十分に確保できず、キャップ本体321側に加えられる閉栓方向の回転力を十分にタンパーバンド323側に伝達することができず、このことも高速キャッピング時にブリッジ322の切断が生じる一因となっていた。
【0007】
それ故に、本発明は、高速キャッピングが可能なタンパーエビデンス性を備える口栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る口栓は、紙筒状の注出筒部を有するスパウトと、スパウトに螺合により着脱自在に取り付けられるキャップとを備え、キャップはキャップ本体と、キャップ本体の開放端に複数のブリッジを介して接続されるタンパーバンドとを備え、タンパーバンド及び注出筒部には、キャップの閉栓方向へのタンパーバンドの回転を許可し、キャップの開栓方向へのタンパーバンドの回転を規制するラチェット機構が形成され、ブリッジの各々は、タンパーバンドの一部と、当該一部よりもキャップの閉栓方向に位置するキャップ本体の一部とを接続する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高速キャッピングが可能なタンパーエビデンス性を備える口栓を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る口栓の概略構成を示す正面図
図2図1に示した口栓のII-IIラインに沿う端面図
図3】実施形態に係る口栓の部分拡大図
図4】実施形態に係る口栓の部分拡大図
図5】実施形態に係る口栓の部分拡大図
図6】変形例に係る口栓の概略構成を示す正面図
図7図6に示した口栓のVII-VIIラインに沿う端面図
図8】従来技術に係る口栓の概略構成を示す正面図
図9図8に示す口栓の部分拡大図
図10】従来技術に係る口栓の問題点を説明するための部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る口栓の概略構成を示す正面図であり、図2は、図1に示した口栓のII-IIラインに沿う端面図であり、図3は、実施形態に係る口栓の部分拡大図である。図1に記載の口栓100は、容器への取り付け前の状態を示している。
【0012】
口栓100は、スパウト10とキャップ20とを備える。
【0013】
スパウト10は、容器本体に取り付けられ、容器本体に収容された液体等の内容物を外部に抽出するための部材である。スパウト10は、筒状の注出筒部11とフランジ部12とを備える。フランジ部12は、注出筒部11の一方の端部に接続され、注出筒部11の外方に延伸する平板状の部分である。本実施形態では、フランジ部12は、注出筒部11の軸方向と直交する方向に延伸するように形成されている。本実施形態では、フランジ部12は、円環状に形成されているが、容器本体を接合することができる限り、フランジ部12の形状は限定されない。フランジ部12と容器本体とは、例えば、溶着等の既知の方法を用いて接合される。
【0014】
スパウト10は、例えば、熱可塑性樹脂を含む材料により成形される。成型方法は特に限定されないが、射出成形、真空成形・熱板圧空成型等のサーモフォーミング、コンプレッション成型等の既存の成型方法を利用可能である。
【0015】
注出筒部11の外周面には、突起部14が形成されている。突起部14は、後述するキャップ20のタンパーバンド23の内周面に形成された突起部24と係合することで、キャップ20の開栓方向へのタンパーバンド23の回転を規制する。一方、閉栓方向へのタンパーバンド23の回転は許可されている。すなわち、突起部14と突起部24によってラチェット機構が形成されている。なお、閉栓方向とは、スパウト10に対してキャップ20を螺合させる際のキャップ20の回転方向をいい、図1においては左方向に相当し、図2においては、スパウト10の中心軸を中心とする時計回り方向に相当する。
【0016】
キャップ20は、スパウト10に螺合により着脱自在に取り付けられる、スクリューキャップである。キャップ20は、キャップ本体21と、キャップ本体21の開放端に複数のブリッジ22を介して接続されるタンパーバンド23とを備える。
【0017】
キャップ本体21は、頂板部25と、頂板部25の端縁から垂直に伸びるスカート部26とを備える。キャップ本体21のタンパーバンド23側の端面(スカート部22の端面)には、ブリッジ22の端部22aが接続される。キャップ本体21のタンパーバンド23側の端面には、後述するタンパーバンド23に形成される凸部28を収容する凹部27が設けられる。
【0018】
タンパーバンド23は、複数のブリッジ22を介してキャップ本体21と接続される。タンパーバンド23の内周面には突起部24が形成されており、当該突起部24と注出筒部11の外周面に形成された突起部14によって、キャップ20の開栓方向へのタンパーバンド23の回転を規制するラチェット機構が形成されている。タンパーバンド23のキャップ本体21側の端面には、複数の凹部29が形成されている。凹部29には、ブリッジ22の端部22bが接続される。
【0019】
また、タンパーバンド23のキャップ本体21側の端面には、キャップ20の閉栓方向側の辺が斜辺であり、タンパーバンド23部側の辺よりもキャップ本体21側の辺の方が短い、直角台形の形状を有する凸部28が設けられる。凸部28は、キャッピング後かつ未開栓状態において、キャップ本体21に設けられた凹部27に収納される。キャップ本体21のタンパーバンド23側の端面と、タンパーバンド23のキャップ本体21側の端面との間には所定の隙間が形成される。
【0020】
ブリッジ22は、キャップ20に複数設けられており、口栓100が未開栓の状態において、ブリッジ22の各々は、タンパーバンド23の一部と、当該一部よりもキャップ2の閉栓方向に位置するキャップ本体21の一部とを接続しており、すなわち、ブリッジ22は、キャップ20の閉栓方向に倒れるように、斜めに設けられている。
【0021】
図3(a)に示すように、ブリッジ22のキャップ本体21側の端部を端部22a、タンパーバンド23側の端部を端部22bとする。ブリッジ22の端部22bは、タンパーバンド23の凹部29の各々の底部に接続されている。凹部29及び凹部29の底部に接続されたブリッジ22は、例えば、タンパーバンド23上に4か所設けられる。
【0022】
なお、ブリッジ22の各々は、タンパーバンド23の一部と、当該一部よりもキャップ20の閉栓方向に位置するキャップ本体21の一部とを接続していればよく、例えば、凹部29を省略して設けられてもよい。また、ブリッジ22は、凸部28のキャップ本体21側の辺に端部22aが接続され、当該端部22aが接続される辺に対応する凹部27の辺に端部22bが接続されるように設けられてもよい。
【0023】
以下、図4及び図5を用いて本実施形態における口栓100のキャッピング時及び開栓時の状態を説明する。これらの図において、閉栓方向は左方向であり、開栓方向は右方向である。
【0024】
図4は、キャッピング時の口栓100の部分拡大図である。図4(a)には、キャッピング時のブリッジ22及びその近傍を示し、図4(b)には、キャッピング時の凹部27、凸部28、及びその近傍を示す。ブリッジ22は、キャップ本体21の中心軸に対して傾斜する方向に延びるように斜めに形成されている。キャップ20のキャッピング時に、タンパーバンド23に設けられた突起部24がスパウト10に設けられた突起部14を乗り越える際(図2参照)、タンパーバンド23には回転抵抗が生じる。このとき、タンパーバンド23よりもキャップ21の螺合が相対的に進行するため、キャップ本体21とタンパーバンド23との間の隙間が縮まろうとする。図3(a)に示したように、ブリッジ22は、キャッピング前の状態において閉栓方向に倒れるように設けられるため、キャップ本体21の螺合を妨げず、図4(a)のように、キャッピングに伴い、破断することなく閉栓方向に倒れ込む。これにより、キャップ本体21とタンパーバンド23の間に形成されていた隙間がキャッピング前の状態と比較して減少する。さらに、凹部29が設けられていることにより、ブリッジ22が凹部29内に収納され、キャップ本体21のタンパーバンド23側の端面と、タンパーバンド23のキャップ本体21側の端面とが接触する。これにより、タンパーバンド23とキャップ本体21との接触面に抵抗が発生し、キャップ本体21の回転力を両者の接触面を介してタンパーバンド23に伝達することができる。
【0025】
また、キャップ本体21とタンパーバンド23との間の隙間が減少することによって、図4(b)に示すように、凹部27及び凸部28の開栓方向側の垂直面同士の接触面積を大きくすることができる。従って、キャッピング時にキャップ本体21を閉栓方向に回転させたときに、キャップ本体21の回転力をタンパーバンド23側に効率よく伝達することができる。
【0026】
このように、ブリッジ22をキャッピング前の状態において閉栓方向に倒れるように設けることで、キャップ本体21の閉栓方向への回転力をより確実にタンパーバンド23に伝達することができる。そのため、本実施形態に係る口栓100は、キャッピング時のキャップ本体21の回転に対するタンパーバンド23の追従性が高く、タンパーバンド23に回転抵抗が加わってもブリッジの破断が抑制され、高速キャッピングが可能となる。
【0027】
図5は、開栓時の口栓100の部分拡大図である。図5(a)には、開栓時のブリッジ22及びその近傍を示しており、図5(b)には、開栓時の凹部27、凸部28、及びその近傍を示している。ブリッジ22は、ブリッジ22が破断していない状態において、閉栓方向に倒れるように設けられているため、ブリッジ22は、キャップ本体21を開栓方向に回転させたとき、図5(a)に示すように、開栓方向に大きく反り返る。そのため、キャップ本体21の軸方向に形成されている一般的なブリッジと比べて、開栓時にブリッジに働く応力が大きくなり、ブリッジの破断が容易になる。
【0028】
また、図5(b)に示すように、キャップ本体21を開栓方向に回転させたときに、凸部28の斜辺に対して、凹部27の斜辺が閉栓方向側から接触する。この状態から更にキャップ本体21を回転させることで、キャップ本体21の回転力の一部が、キャップ本体21をタンパーバンド23からキャップ本体21の軸方向に引き離す力に変化し、口栓100の開栓が容易になる。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態に係る口栓100において、ブリッジ22の各々は、タンパーバンド23の一部と、当該一部よりもキャップ20の閉栓方向に位置するキャップ本体21の一部とを接続する。そのため、タンパーバンド23の一部とキャップ本体21の一部とが、キャップ本体の軸方向で接続される従来の構成と比べてブリッジ22の端部22a及び端部22bの強度が優れている。さらに、キャップ本体21を閉栓方向に回転させた時にブリッジ22が閉栓方向に倒れるため、キャッピング時にブリッジが破断してしまうのを抑制できる。一方で、キャップ本体21を開栓方向に回転させた場合には、ブリッジ22が大きく反り返りってより大きい応力が生じるため、ブリッジの破断が容易になる。
【0030】
また、ブリッジ22の端部22bは、凹部29の底部に接続されており、口栓100のキャッピングの際に、ブリッジ22は凹部29内に収容される。このため、キャップ本体21のタンパーバンド23側の端面と、タンパーバンド23のキャップ本体21側の端面とが当接する。そのため、当該当接した面に抵抗が生じてキャップ本体21の閉栓方向への回転力を効率的にタンパーバンド23に伝達することができる。さらに、凹部27と凸部28とがより深く嵌り合うため、キャップ本体21の閉栓方向への回転力を、より効率的にタンパーバンド23に伝達することができる。そのため、口栓100は、キャッピング時にキャップ本体21とタンパーバンド23との螺合の進行がズレてしまうことによって生じるブリッジの破断が抑制され、高速キャッピングが可能となる。
【0031】
(変形例)
図6は、変形例に係る口栓の概略構成を示す正面図であり、図7は、図6に示した口栓のVII-VIIラインに沿う端面図である。図6及び図7に示す口栓200のように、タンパーバンド23は、キャップ20の周方向に並べて配置される複数のバンド部23aと、隣接するバンド部23aの端部同士を接続し、キャップ20の開栓に伴って破断可能な薄肉部23bとを備えてもよい。図6に記載の口栓300は、容器の取り付け前の状態を示している。ブリッジ22は、タンパーバンド23上に4か所設けられ、具体的には、バンド部23aの各々の両端部近傍に設けられる。また、凹部29は図6に示す口栓200のように適宜省略してもよい。
【0032】
口栓200は、突起部14と突起部24によって形成されるラチェット機構により、開栓時にキャップ20の開栓方向にキャップ20を回転させた際に、開栓方向へのタンパーバンド23の回転が規制される。この状態から更に開栓方向にキャップ20を回転させると、ブリッジ22と薄肉部23bとが切断される。各バンド部23aの両端部近傍に設けられたブリッジ22のうち、閉栓側の端部近傍に設けられたブリッジ22の破断強度を、開栓側端部近傍に設けられたブリッジ22の破断強度より弱くすることが好ましい。この場合、各バンド部23aの閉栓方向側に設けられたブリッジ22と薄肉部23bとが優先的に切断され、各バンド部23aの開栓方向側に設けられたブリッジを支点として、各バンド部23aをキャップ本体21の軸から離れる方向(外側)に広げることができる。これにより、キャップ20が開栓済みであることが把握しやすくすることができる。また、このとき、各バンド部23aの開栓方向側に設けられたブリッジ22は破断しないため、タンパーバンド23はキャップ本体21と破断していないブリッジ22を介して接続されている。そのため、キャップ本体21とタンパーバンド23とが一体になった状態で、キャップ20をスパウト10から取り外すことができる。なお、ブリッジ22の破断強度は、ブリッジ22とキャップ本体21及びタンパーバンド23との接続部分の断面積等で調節できる。
【0033】
このような、開栓時にタンパーバンド23が分割される構成では、ブリッジ22がキャッピング前の状態において閉栓方向に倒れるように設けられており、更に、キャップ本体21のタンパーバンド23側の端面に凹部27と、タンパーバンド23のキャップ本体21側の端面に凸部28とが設けられることで以下のような効果が得られる。すなわち、開栓時にキャップ本体21を開栓方向に回転させたときに、凸部28の斜辺と凹部27の斜辺とが接触している状態から更にキャップ本体21に開栓方向の回転力を加えることで、凸部28が凹部27に対してキャップ本体21の軸から離れる方向(外側)にずれる。そこに、ブリッジ22が開栓方向へ反り返る効果も加わることで、薄肉部23bで二分割されるバンド部23aがより外側に広がりやすくなる。なお、タンパーバンド23の分割数は2に限定されず、すなわち、薄肉部23bの数は1でもよく、3以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る口栓は、紙パック、パウチ、ブローボトル等の容器本体に取り付けられる、タンパーエビデンス性を必要とする口栓に利用できる。
【符号の説明】
【0035】
10 スパウト
11 注出筒部
12 フランジ部
20 キャップ
21 キャップ本体
22 ブリッジ
23 タンパーバンド
24 突起部
25 頂板部
26 スカート部
27 凹部
28 凸部
29 凹部
100 口栓
200 口栓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10