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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098117
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】流路形成部材および冷暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 5/00 20060101AFI20230703BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
F24F5/00 K
F24F13/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214667
(22)【出願日】2021-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友紀
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 瑞穂
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AA03
3L080AA07
3L080AC02
3L080BA01
3L080BB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建物の懐空間に流路形成部材を設置することに起因して異音が生じるのを防止する。
【解決手段】流路形成部材60は、建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間SPを区画する床パネルの裏側に設けられた床下空間SPに、温度調節された温調空気が流れる流路を形成する。流路形成部材60は、仕切板部61と、吹出部62と、取付部70とを備える。仕切板部61は、床下空間SPを、床パネル側に位置する下流空間DSと、床パネルと反対側に位置する上流空間USとに仕切る。吹出部62は、仕切板部61を貫通する通気孔を有し、上流空間USに導入された温調空気を下流空間DSに吹き出す。取付部70は、仕切板部61から床パネル側に突出し、床パネルに取り付けられる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材の裏側に設けられた懐空間に、温度調節された温調空気が流れる流路を形成する流路形成部材であって、
前記区画部材と対向させて前記懐空間に配置され、該懐空間を、前記区画部材側に位置する下流空間と、前記区画部材と反対側に位置する上流空間とに仕切る仕切板部と、
前記仕切板部を貫通する通気孔を有し、前記上流空間に導入された前記温調空気を前記下流空間に吹き出す吹出部と、
前記仕切板部から前記区画部材側に突出し、該区画部材に取り付けられる取付部とを備える
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項2】
請求項1に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記通気孔のみで構成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項3】
請求項1に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有し、
前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の他端には、前記区画部材に向けて前記温調空気を吹き出す吹出口が形成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項4】
請求項1に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有し、
前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の他端には、前記区画部材が当接されると、該区画部材に沿う方向に向けて前記温調空気を吹き出す吹出口を当該区画部材と共に形成する複数の凹部が形成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項5】
請求項4に記載の流路形成部材において、
前記筒状部の前記通気孔とは反対側の端部には、前記区画部材に突き当てられる突当て面部が設けられ、
前記突当て面部には、前記筒状部内に連通する開孔が形成され、
前記凹部は、前記開孔の周縁から前記筒状部の径方向における外側に溝状に延びて、当該筒状部の外周側へ開放される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項6】
請求項5に記載の流路形成部材において、
前記突当て面部は、前記区画部材に固定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項7】
請求項4~6のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、複数設けられ、
互いに隣り合う前記筒状部では、前記吹出口の開口する方向が向き合わないように設定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有し、
前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の周壁には、前記区画部材に沿う方向に向けて前記温調空気を吹き出す複数の吹出孔が形成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項9】
請求項8に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、複数設けられ、
互いに隣り合う前記筒状部では、前記吹出孔の開口する方向が向き合わないように設定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項10】
建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材と、
前記対象空間の空気を吸入して温度調節された温調空気を生成する空気調和機と、
前記区画部材の裏側に設けられた懐空間に設置される、請求項1~9のいずれか1項に記載の流路形成部材とを備え、
前記空気調和機によって生成された温調空気を、前記懐空間のうち前記上流空間に導入し、前記流路形成部材の前記吹出部から前記下流空間に吹き出し、該下流空間を通過させた後に、前記対象空間に導入する
ことを特徴とする冷暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路形成部材および冷暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気の熱を利用する床輻射式の冷暖房システムが知られている。そうした床輻射式の冷暖房システムでは、空気調和機によって温度調節された温調空気を建物内の懐空間である床下の余剰空間に設けた空気の流路に送り、温調空気の冷熱または温熱を床材に伝達して、床材からの輻射熱で冷暖房を行う。床下における温調空気の流路は、流路形成部材を用いて形成される。流路形成部材の一例は、特許文献1に開示される。
【0003】
特許文献1の流路形成部材は、中仕切板と、筒状部材と、拡散部材とを備える。中仕切板は、床材を構成する表層パネルに対して間隔をあけて配置され、床下の空間を上下に仕切る。中仕切板には、温調空気を通過させる通気孔が形成される。筒状部材は、中仕切板に設置され、通気孔内から表層パネル側へ突出する。拡散部材は、筒状部材を通った温調空気を表層パネルの下面に沿って拡散させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-097921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の流路形成部材では、中仕切板が支持脚により床スラブ上に支持され、中仕切板と表層パネルとの間隔を維持する。支持脚は、2つの円筒状部材が入れ子状に組み合わされ、2つの円筒状部材を軸方向にスライドさせることで長さを調節可能に構成される。上側に位置する円筒状部材において、上端側には円環状の止め部材が取り付けられ、下端には円環状のフランジ部が設けられる。
【0006】
支持脚は、フランジ部を中仕切板の下面に接触させると共に、上端部を表層パネルの裏側に形成された窪みに差し込まれて、止め部材を表層パネルの裏面に接触させた状態で、表層パネルと接続される。そのため、人が床を歩行するなどして床材に荷重が加えられると、床材の撓みに応じて、支持脚をなす筒状部材およびフランジ部と中仕切板とが擦れ合うことで異音、いわゆる床鳴り(踏み鳴り)を生じることがある。
【0007】
本発明の目的は、建物の懐空間に流路形成部材を設置することに起因して異音が生じるのを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明では、建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材に流路形成部材を固定するようにした。
【0009】
具体的には、第1の発明は、流路形成部材を対象とする。第1の発明に係る流路形成部材は、建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材の裏側に設けられた懐空間に、温度調節された空調空気が流れる流路を形成する。当該流路形成部材は、前記区画部材と対向させて前記懐空間に配置され、該懐空間を、前記区画部材側に位置する下流空間と、前記区画部材と反対側に位置する上流空間とに仕切る仕切板部と、前記仕切板部を貫通する通気孔を有し、前記上流空間に導入された前記温調空気を前記下流空間に吹き出す吹出部と、前記仕切板部から前記区画部材側に突出し、該区画部材に取り付けられる取付部とを備える。
【0010】
この第1の発明では、流路形成部材が、区画部材と対向させて懐空間に配置される仕切板部を備える。仕切板部は、懐空間を上流空間と下流空間とに仕切る。流路形成部材はさらに、仕切板部を貫通する通気孔を有する吹出部を備える。吹出部は、上流空間に導入された温調空気を下流空間に吹き出す。温調空気は、温度調節された空気、つまり冷気または暖気である。区画部材には、下流空間を流れる温調空気の冷熱または温熱が伝達される。
【0011】
温調空気が冷気であると、区画部材が冷やされる。冷やされた区画部材からは、冷熱が対象空間に輻射される。これにより、対象空間の冷房が行われる。また、温調空気が暖気であると、区画部材が温められる。温められた区画部材からは、温熱が対象空間に輻射される。これにより、対象空間の暖房が行われる。このように、冷気または暖気のエネルギーが区画部材を通して輻射熱に変えられることで、対象空間の冷暖房を行える。
【0012】
流路形成部材は、仕切板部から区画部材側に突出した取付部を備え、取付部を区画部材に取り付けることにより、懐空間に配置される。そのことで、流路形成部材を、支持脚と直接には接続せずに、区画部材に固定される。よって、区画部材が荷重を加えられるなどして撓んでも、流路形成部材と支持脚とが擦れ合わないようにできる。したがって、建物の懐空間に流路形成部材を設置することに起因して異音が生じるのを防止できる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明の流路形成部材において、前記吹出部が、前記通気孔のみで構成される、流路形成部材である。
【0014】
この第2の発明では、吹出部が通気孔のみで構成される。上流空間に導入された温調空気は、通気孔から区画部材に向けて下流空間に吹き出される。通気孔から吹き出された温調空気は、区画部材に当たった後、区画部材に沿って周囲に広がり下流空間を流れる。これによれば、区画部材に対して温調空気の冷熱または温熱を効果的に伝達できる。また、流路形成部材がシンプルな構成であるので、懐空間が狭くても設置できる。
【0015】
第3の発明は、第1の発明の流路形成部材において、前記吹出部が、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有する、流路形成部材である。前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の他端には、前記区画部材に向けて前記温調空気を吹き出す吹出口が形成される。
【0016】
この第3の発明では、吹出部が筒状部を有する。筒状部は、仕切板部から区画部材側に突出し、上流空間から通気孔に流入した温調空気を吹出口から区画部材に向けて吹き出す。筒状部の吹出口から吹き出された温調空気は、区画部材に当たった後、区画部材に沿って周囲に広がり下流空間を流れる。これによれば、区画部材に対して、温調空気を効率良く吹き当てて、温調空気の冷熱または温熱を効果的に伝達できる。
【0017】
第4の発明は、第1の発明の流路形成部材において、前記吹出部が、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有する、流路形成部材である。前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の他端には、前記区画部材が当接されると、該区画部材に沿う方向に向けて前記空調空気を吹き出す吹出口を当該区画部材と共に形成する複数の凹部が形成される。
【0018】
この第4の発明では、吹出部が筒状部を有する。筒状部は、仕切板部から区画部材側に突出し、上流空間から通気孔に流入した温調空気を、凹部により区画部材と共に形成する吹出口から区画部材に沿う方向に吹き出される。そのことで、下流空間において温調空気を効率的に拡散させることができる。よって、区画部材の広い範囲に亘り温調空気の冷熱または温熱を伝達できる。このことは、熱輻射を行う区画部材において温度むらが生じるのを抑制するのに有利である。
【0019】
第5の発明は、第4の発明の流路形成部材において、前記筒状部の前記通気孔とは反対側の端部に、前記区画部材に突き当てられる突当て面部が設けられる、流路形成部材である。前記突当て面部には、前記筒状部内に連通する開孔が形成される。前記凹部は、前記開孔の周縁から前記筒状部の径方向における外側に溝状に延びて、当該筒状部の外周側へ開放される。
【0020】
この第5の発明では、筒状部の突当て面部に開孔が形成される。そして、凹部は、開孔の周縁から筒状部の径方向における外側に延びて筒状部の外周側へ開放される。上流空間から通気孔を経て筒状部に流入した温調空気は、開孔を通じて凹部内を外周側に流れて、吹出口から区画部材に沿う方向に吹き出される。そのことで、吹出口から吹き出される温調空気の指向性が高められる。これにより、下流空間において温調空気を広く拡散させることができる。
【0021】
第6の発明は、第5の発明の流路形成部材において、前記突当て面部が、前記区画部材に固定される、流路形成部材である。
【0022】
この第6の発明では、筒状部の突当て面部が区画部材に固定される。そのことで、筒状部の突当て面部と区画部材との相対的な位置関係が決まる。よって、凹部と区画部材との間に形成される温調空気の流路面積がばらつくのを抑制し、吹出口の寸法精度を高めることができる。このことは、下流空間において温調空気の拡散性を安定化するのに有利である。
【0023】
第7の発明は、第4~第6の発明のいずれか1つの流路形成部材において、前記吹出部が、複数設けられる、流路形成部材である。互いに隣り合う前記筒状部では、前記吹出口の開口する方向が向き合わないように設定される、流路形成部材である。
【0024】
この第7の発明では、互いに隣り合う筒状部において、吹出口の開口する方向が向き合わないように設定される。これによれば、一方の筒状部の吹出口から吹き出された温調空気と、他方の筒状部の吹出口から吹き出された温調空気とが衝突するのを回避できる。よって、各筒状部の吹出口から吹き出された温調空気が比較的遠くにまで到達する。このことは、下流空間において温調空気を広く拡散させるのに有利である。
【0025】
第8の発明は、第1~第7の発明のいずれか1つの流路形成部材において、前記吹出部が、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有する、流路形成部材である。前記筒状部の周壁には、前記区画部材に沿う方向に向けて前記温調空気を吹き出す複数の吹出孔が形成される。
【0026】
この第8の発明では、筒状部の周壁に複数の吹出孔が形成される。吹出孔は、区画部材に沿う方向に向けて温調空気を吹き出す。このような吹出部の態様によっても、下流空間において温調空気を拡散させることができ、区画部材の広い範囲に亘り温調空気の冷熱または温熱を伝達できる。
【0027】
第9の発明は、第8の発明の流路形成部材において、前記吹出部が、複数設けられる、流路形成部材である。互いに隣り合う前記筒状部では、前記吹出孔の開口する方向が向き合わないように設定される。
【0028】
この第9の発明では、互いに隣り合う筒状部において、吹出孔の開口する方向が向き合わないように設定される。これによれば、一方の筒状部の吹出孔から吹き出された温調空気と、他方の筒状部の吹出孔から吹き出された温調空気とが衝突するのを回避できる。よって、各筒状部の吹出孔から吹き出された温調空気が比較的遠くまで到達する。このことは、下流空間において温調空気を広く拡散させるのに有利である。
【0029】
第10の発明は、冷暖房システムを対象とする。第10の発明に係る冷暖房システムは、建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材と、前記対象空間の空気を吸入して温度調節された温調空気を生成する空気調和機と、前記区画部材の裏側に設けられた懐空間に設置される、第1~第9の発明のいずれか1つの流路形成部材とを備える。当該冷暖房システムでは、前記空気調和機によって生成された温調空気を、前記懐空間のうち前記上流空間に導入し、前記流路形成部材の前記吹出部から前記下流空間に吹き出し、該下流空間を通過させた後に、前記対象空間に導入する。
【0030】
この第10の発明では、冷暖房システムが、対象空間の空気を吸入して温調空気を生成する空気調和機を備える。そして、冷暖房システムは、空気調和機によって生成された温調空気を、懐空間において流路形成部材で仕切られた上流空間および下流空間を順に通過させた後に、対象空間に導入する。これによれば、懐空間に導入された温調空気が上流空間に一旦溜められるので、温調空気を下流空間に満遍なく行き渡らせることができる。それにより、区画部材に伝達される温調空気の冷熱または温熱を均一化できる。また、温調空気が懐空間の流路と対象空間とに循環するので、区画部材からの熱輻射と温調空気による対流とによって、対象空間に快適性の高い冷暖房を行える。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、建物の懐空間に流路形成部材を設置することに起因して異音が生じるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、冷暖房システムの概略構成を例示する概念図である。
図2図2は、冷媒回路の概略構成を例示する図である。
図3図3は、冷暖房システムによる冷暖房の対象空間、床パネルおよび床下空間の概略構成を例示する俯瞰図である。
図4図4は、冷暖房システムにおける床下空間の概略構成を例示する俯瞰図である。
図5図5は、冷暖房システムの流路形成部材の設置状態を例示する斜視図である。
図6図6は、冷暖房システムの流路形成部材の設置状態を例示する拡大斜視図である。
図7図7は、流路形成部材の構成を例示する斜視図である。
図8図8は、図4のVIII-VIII線に相当する箇所おける冷暖房システムの床下空間の概略構成を例示する断面図である。
図9図9は、図4のIX-IX線に相当する箇所おける冷暖房システムの床下空間の概略構成を例示する断面図である。
図10図10は、図4のX-X線における冷暖房システムの床下空間の概略構成を例示する断面図である。
図11図11は、冷暖房システムの伝熱床パネルの裏面図である。
図12図12は、第1変形例の冷暖房システムにおける流路形成部材を例示する図6相当図である。
図13図13は、第1変形例の冷暖房システムにおける床下空間の概略構成を例示する図8相当図である。
図14図14は、第2変形例の冷暖房システムにおける流路形成部材を例示する図6相当図である。
図15図15は、第2変形例の冷暖房システムにおける床下空間の概略構成を例示する図8相当図である。
図16図16は、第3変形例の冷暖房システムにおける流路形成部材を例示する図6相当図である。
図17図17は、第3変形例の冷暖房システムにおける床下空間の概略構成を例示する図8相当図である。
図18図18は、第4変形例の冷暖房システムにおける流路形成部材を例示する図6相当図である。
図19図19は、第4変形例の冷暖房システムにおける床下空間の概略構成を例示する図8相当図である。
図20図20は、第5変形例の冷暖房システムにおける流路形成部材を例示する図6相当図である。
図21図21は、第5変形例の冷暖房システムにおける床下空間の概略構成を例示する図8相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態では、本発明に係る冷暖房システムとして、空気の熱を利用する床輻射式の冷暖房システムを例に挙げて説明する。なお、図面は、本発明を概念的に説明するためのものである。よって、本発明の理解を容易にするために寸法、比または数を、誇張あるいは簡略化して表す場合がある。
【0034】
図1に示すように、冷暖房システム1は、空気調和機10によって生成された温調空気を床下空間(床下懐)に送り、床パネル40に温調空気の保有する冷熱または温熱を伝達させ、床パネル40の輻射熱を利用して建物BD内の対象空間TSに冷房または暖房を行う。床下空間SPは、建物BDの懐空間の一例である。冷暖房システム1は、例えば、幼稚園や保育所、高齢者施設といった中小規模施設、マンションのような集合住宅、戸建住宅などに導入される。
【0035】
-冷暖房システムの構成-
図1に示すように、冷暖房システム1は、空気調和機10と、給気ダクト30と、床パネル40と、複数の流路形成部材60と、還流部90とを備える。図1において、温調空気の流れを二点鎖線の白抜き矢印で示す。このことは、図8図10など、他の図面でも同じである。
【0036】
〈空気調和機〉
空気調和機10は、対象空間TSの空気を吸入して温度調節された温調空気を生成する機器である。対象空間TSは、建物BD内の冷房または暖房の対象となる空間である。本例の対象空間TSは、室内空間である。空気調和機10は、室内機11と室外機12とを一台ずつ有するペア式の空気調和機である。室内機11と室外機12とは、液連絡管13およびガス連絡管14を介して互いに接続される。
【0037】
図2に示すように、室内機11、室外機12、液連絡管13およびガス連絡管14は、冷媒回路15を構成する。冷媒回路15には、冷媒が充填される。冷媒回路15は、冷媒を循環させることにより、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路15は、主として、室内熱交換器16と、圧縮機17と、室外熱交換器18と、膨張弁19と、切換弁20とを有する。室内熱交換器16は、室内機11に設けられる。圧縮機17、室外熱交換器18、膨張弁19および切換弁20は、室外機12に設けられる。
【0038】
冷媒回路15は、室内熱交換器16の機能を蒸発器と凝縮器とに切り換え可能に構成される。具体的には、冷媒回路15は、切換弁20の切り換えに応じて、第1冷凍サイクルと、第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、冷媒回路15の冷媒を図2に実線で示す方向に流して、室内熱交換器16を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、冷媒回路15の冷媒を図2に破線で示す方向に流して、室内熱交換器16を凝縮器とする冷凍サイクルである。
【0039】
室外機12は、室外(屋外)に設置される。室外機12は、圧縮機17、室外ファン21、室外熱交換器18、膨張弁19、および切換弁20を有する。圧縮機17は、冷媒を圧縮する。室外ファン21は、外部から吸い込んだ空気を室外熱交換器18に通過させる。室外熱交換器18は、室外ファン21によって搬送される空気と冷媒とを熱交換させる。膨張弁19は、冷媒を減圧する。切換弁20は、冷媒回路15での冷媒の流れを反転させる。
【0040】
切換弁20は、図2に実線で示す第1状態と、図2に破線で示す第2状態とに切り換わる。第1状態の切換弁20は、圧縮機17の吐出側と室外熱交換器18のガス側とを連通させ、且つ圧縮機17の吸入側と室内熱交換器16のガス側とを連通させて、第1冷凍サイクルを行う。第2状態の切換弁20は、圧縮機17の吐出側と室内熱交換器16のガス側とを連通させ、且つ圧縮機17の吸入側と室外熱交換器18のガス側とを連通させて、第2冷凍サイクルを行う。
【0041】
室内機11は、室内(屋内)に設置される。本例の室内機11は、天井埋め込み式のものであって、対象空間TSの天井裏に配置される。室内機11は、対象空間TSの第1方向D1(図3図4参照;本例では長手方向)における一端寄りの上方に位置する。室内機11の空気を吸い込む吸込口22は、対象空間TSに臨む。室内機11の空気(温調空気)を吐出する吐出口23は、天井裏に開口する。
【0042】
室内機11は、室内ファン24と、室内熱交換器16とを有する。室内ファン24は、吸込口22を通じて対象空間TSから吸い込んだ空気を室内熱交換器16に通過させる。室内熱交換器16は、室内ファン24によって搬送される空気と冷媒とを熱交換させる。それによって、温度調節された温調空気が生成される。室内機11で生成された温調空気は、吐出口23に送られる。
【0043】
空気調和機10は、冷房運転と、暖房運転とを行う。冷房運転は、対象空間TSの空気を冷却する運転である。冷房運転では、第1冷凍サイクルを行うと共に、室外ファン21および室内ファン24を運転することにより、温調空気として冷気が生成される。暖房運転は、対象空間TSの空気を加熱する運転である。暖房運転では、第2冷凍サイクルを行うと共に、室外ファン21および室内ファン24を運転することにより、温調空気として暖気が生成される。
【0044】
〈給気ダクト〉
給気ダクト30は、空気調和機10で生成された温調空気を床下空間SPに送り込む流路を形成する。給気ダクト30は、複数のダクトパイプ31(図1には1本のみ示す)と、ダクトボックス32とを有する。ダクトパイプ31は、対象空間TSを区画する壁WLに沿って設けられる。各ダクトパイプ31の一端は、室内機11の吐出口23に接続される。各ダクトパイプ31の他端は、ダクトボックス32の上端に設けられた流入口33に接続される。
【0045】
ダクトボックス32は、各ダクトパイプ31を通じて送られる温調空気を集合させる。ダクトボックス32は、サージタンクとして機能し、温調空気を一時的に蓄えることで、温調空気の流量を緩和して増減を平準化する。ダクトボックス32は、対象空間TSの外周部分において室内機11と同じ側に配置される。ダクトボックス32は、コンクリートからなる床スラブFS上に設置される。ダクトボックス32の温調空気を流出させる流出口34は、床下空間SPに開口する
〈床パネル〉
図3および図8図10に示すように、床パネル40は、二重床構造をなすように床スラブFS上に敷設される。床パネル40は、複数の支持脚50と、木材からなる際根太55とによって支持される。床パネル40と床スラブFSとの間には、床下空間SPが形成される。床パネル40は、対象空間TSを区画する区画部材の一例である。床パネル40は、ベースパネル41と、ボーダー材42と、捨貼り材43と、床仕上げ材44とを備える。ベースパネル41、ボーダー材42および捨貼り材43は、床下地材である。
【0046】
ベースパネル41は、所定の割付けで複数並べて配置される。ベースパネル41は、平面視で矩形状の木質板材である。ベースパネル41は、例えばパーティクルボードからなる。ベースパネル41の厚さは、20mm程度である。床パネル40において、平面視でベースパネル41に対応する部分は、伝熱床45を構成する。ボーダー材42は、平面視で矩形状の板材であり、ベースパネル41と対象空間TSの壁面WLとの間を埋めるように、対象空間TSの床の外周部分に配置される。ボーダー材42の材料および厚さは、例えばベースパネル41と同じである。
【0047】
捨貼り材43は、ベースパネル41およびボーダー材42の上に積層される。捨貼り材43は、ステープルやビスなどの締結具によってベースパネル41に固定される。捨貼り材43は、例えば合板などの木質板材からなる。捨貼り材43の厚さは、例えば12mm程度である。床仕上げ材44は、捨貼り材43の上に積層される。床仕上げ材44は、接着剤などで捨貼り材43に固定される。床仕上げ材44は、例えば木質系材料からなるフローリングである。床仕上げ材44は、フロアタイルや石材など、その他の仕上げ材であってもよい。
【0048】
図5にも示すように、複数の支持脚50は、床スラブFSの上にマトリクス状に設置される。支持脚50は、床パネル40の継ぎ目部分、つまりベースパネル41同士の境界部分と、ベースパネル41とボーダー材42との境界部分とに位置する。図6に示すように、支持脚50は、台座51と、脚部52と、受け座53とを有する。台座51は、円錐台形状の部材であり、床スラブFSに載置される。台座51は、例えば弾性を有する合成ゴムからなる。脚部52は、鋼製の軸材によって構成され、台座51から上方に延びる。
【0049】
受け座53は、脚部52の上端部に取り付けられる。受け座53は、平面視で矩形状の木質板材からなる。支持脚50は、互いに隣り合うベースパネル41の周縁部分を受け座53の上面で受けて、それら両方のベースパネル41を同じ高さ位置に支持する(図8図10参照)。ベースパネル41は、支持脚50の受け座53に対して、両面テープやビスなどにより固定される。際根太55は、対象空間TSの壁面WLに沿った四周部分に設けられる(図3および図4参照)。際根太55は、支持脚56によって支持される。支持脚56は、床スラブFSの上に設置される(図8図10参照)。
【0050】
支持脚56は、台座57と、脚部58とを有する。台座57は、円錐台形状の部材であり、床スラブFSに載置される。台座57は、例えば弾性を有する合成ゴムからなる。脚部58は、支持ボルトを含む鋼製の部材によって構成され、台座57から上方に延びる。際根太55は、脚部58の上端部に取り付けられる。際根太55と床下空間USの壁面WLとの間には、緩衝材59が介在する。緩衝材59は、際根太55の長さ方向に間隔をあけて複数設けられる。緩衝材59は、例えばウレタンフォームからなる。ボーダー材42は、支持脚50および際根太55によって支持される。
【0051】
〈流路形成部材〉
図3図5および図8図10に示すように、流路形成部材60は、床パネル40の裏側に設けられた床下空間SPに設置される。流路形成部材60は、ベースパネル41の裏側に敷き詰められる。流路形成部材60は、ボーダー材42の裏側には設けられない。流路形成部材60は、床下空間USに、温度調節された温調空気が流れる流路を形成する。本例の流路形成部材60は、射出成形などによって成形される合成樹脂製の一体成形品である。流路形成部材60は、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂からなる。
【0052】
図6および図7に示すように、流路形成部材60は、仕切板部61と、吹出部62と、取付部70と、外周壁部75とを備える。
【0053】
仕切板部61は、平面視で長方形の一方側の長辺の両端に位置する各角部を切り欠いたような形状の平板状に形成される。仕切板部61には、隆起部や段差が設けられてもよい。仕切板部61は、床パネル40(厳密にはベースパネル41)と対向して床下空間SPに配置される。仕切板部61は、床下空間SPを、上下方向において、下流空間DSと上流空間USとに仕切る。下流空間DSは、仕切板部61に対して床パネル40側に位置する空間である。上流空間USは、仕切板部61に対して床パネル40とは反対側、つまり床スラブFS側に位置する空間である。
【0054】
吹出部62は、上流空間USに導入された温調空気を下流空間DSに吹き出す部分である。吹出部62は、仕切板部61の中程に複数(本例では2つ)設けられる。複数の吹出部62は、仕切板部61の長手方向に互いに間隔をあけて位置する。吹出部62は、円錐台形のカップ状に形成される。吹出部62は、通気孔63と、筒状部64とを有する。通気孔63は、円形状に形成され、仕切板部61を貫通する。筒状部64は、仕切板部61における通気孔63の周縁部分から下流空間DS側(床パネル40側)に突出する。
【0055】
筒状部64は、突出側に向かって縮径するテーパー形状に形成される。筒状部64の一端には、通気孔63が連通する。筒状部64の他端、つまり筒状部64の通気孔63とは反対側の端部には、突当て面部65が設けられる。突当て面部65は、筒状部64の突出側の端面を閉塞する天面部を構成する。突当て面部65は、ベースパネル41の下面に突き当てられる。突当て面部65は、ビスによりベースパネル41に固定される。突当て面部65の中央部分には、円形の開孔66が形成される。開孔66は、筒状部64内に連通する。突当て面部65にはさらに、複数の凹部67が形成される。複数の凹部67は、開孔66の周囲に互いに間隔をあけて設けられる。
【0056】
凹部67は、開孔66の周縁から筒状部64の径方向における外側に溝状に延びて、当該筒状部64の外周側へ開放される。凹部67は、ベースパネル41が筒状部64の突当て面部65に当接されると、ベースパネル41と共に吹出口68を形成する(図8参照)。吹出口68は、床パネル40に沿う方向に向けて温調空気を吹き出す開口である。個々の流路形成部材60において、互いに隣り合う筒状部64では、吹出口68の開口する方向(つまり凹部67の開放端が開口する方向)が向き合わないように設定される。吹出口68の開口する方向は、互いに隣り合う流路形成部材60の筒状部64同士でも向き合わないように設定されることが好ましい。
【0057】
取付部70は、ベースパネル41に取り付けられる部分である。取付部70は、平面視で仕切板部61の一方の長辺の両端部分にそれぞれ設けられる。取付部70は、仕切板部61から床パネル40側に突出する。取付部70は、立上り面部71と、突当て面部72と、側面部73とを有する。立上り面部71は、仕切板部61から立ち上がった板片であり、直角に折れ曲がった形状に形成される。立上り面部71の角部は、仕切板部61の内方に向く。突当て面部72は、立上り面部71の上端から流路形成部材60の外周側へ延びる。
【0058】
突当て面部72は、平面視で曲尺状に形成される。側面部73は、立上り面部71の側縁から隣接する突当て面部72と同じ側に突出する。立上り面部71、突当て面部72および側面部73は、流路形成部材60の外周側で空間を囲うような形状を構成する。取付部70の突当て面部72は、両面テープやビスなどによりベースパネル41に固定される。外周壁部75は、仕切板部61の取付部70を除く周縁部分から上方に立ち上がる。外周壁部75は、取付部70の立上り面部71と接続される。外周壁部75の高さは、取付部70の高さよりも低い。
【0059】
流路形成部材60は、上述したように取付部70および筒状部64でベースパネル41にビス留めされることで、床パネル40に吊り下げた状態に支持される。図10および図11に示すように、互いに隣り合う流路形成部材60は、外周壁部75同士を接触させて並べられ、接合テープ77を用いて継ぎ合わせられる。接合テープ77は、互いに隣り合う流路形成部材60の長辺がなす継ぎ目を覆うように設けられる。図6に示すように、流路形成部材60の取付部70は、支持脚50の受け座53の周囲に位置する。流路形成部材60は、支持脚50を避けて設けられる。流路形成部材60は、支持脚50とは直接に接続されない。
【0060】
図4図8および図9に示すように、ベースパネル41とボーダー材42との境界部分のうち還流部90が配置された側を除く3辺に位置する流路形成部材60の端面には、端部納め部材80が取り付けられる。端部収め部材80は、流路形成部材60の外周壁部75と床パネル40との間を閉塞する。端部納め部材80は、両面テープやビスなどにより流路形成部材60に固定される。上流空間USは、端部収め部材80の下側で高さ方向における全体に亘って床下空間SPの外周側に開放される。伝熱床45に対応する下流空間USは、ベースパネル41とボーダー材42との境界部分のうち還流部90側の部分と各吹出部62を除いては密閉される。
【0061】
伝熱床45の還流部90側において、対象空間TSの第2方向D2(図3および図4参照;本例では短手方向)の両側には、流路仕切部材81が設けられる。ここで、第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。図10にも示すように、流路形成部材60と床スラブFSとの間には、流路仕切部材82が設けられる。流路仕切部材81と床パネル40との間、および流路仕切部材82と流路形成部材60との間には、緩衝材83が介在される。緩衝材83は、例えばウレタンフォームからなる。
【0062】
〈還流部〉
図1および図10に示すように、還流部90は、床下空間SPを流れた温調空気を対象空間TSに還流させる部分である。還流部90は、対象空間TSの第1方向D1において、ダクトボックス32とは反対側の端寄りに設けられる。還流部90は、ダクトケース91と、吹出グリル92とを有する。ダクトケース91は、筒状体であって、床パネル40に形成された取付孔に嵌め込まれる。ダクトケース91は、床下空間SPと対象空間TSとを連通させる。吹出グリル92は、ダクトケース91の上端面に取り付けられる。吹出グリル92は、ダクトケース91を通った温調空気を対象空間TSに吹き出す。
【0063】
-冷暖房システムの動作-
上記構成の冷暖房システム1は、空気調和機10によって生成された温調空気を、床下空間SPのうち上流空間USに導入し、複数の流路形成部材60の吹出部62から下流空間DSに吹き出し、下流空間DSを通過させた後に、対象空間TSに導入する。当該冷暖房システム1では、ユーザーが図示しないリモートコントローラを操作することで、空気調和機10に冷房運転または暖房運転を行うように指示できる。
【0064】
空気調和機10が冷房運転を行うと、室内機11が対象空間TSの空気を吸い込んで温調空気として冷気を生成する。室内機11で生成された冷気は、ダクトパイプ31を介してダクトボックス32に送られ、ダクトボックス32から床下空間SPに導入される。床下空間SPに導入された冷気は、上流空間USの全域に行き渡るように溜まる。そして、上流空間USの圧力が相対的に高まると、上流空間USに溜まった冷気が、流路形成部材60の吹出部62と床パネル40とで形成される吹出口68から床パネル40の下面に沿わせて下流空間DSに吹き出される。下流空間DSに吹き出された冷気の冷熱は、床パネル40に伝達される。そのことで、床パネル40が冷やされると、床パネル40からの冷熱が対象空間TSに輻射される。冷気は、下流空間DSを還流部90側へ流れ、還流部90を経て対象空間TSに還流される。これにより、対象空間TSの空気が冷却される。
【0065】
また、空気調和機10が暖房運転を行うと、室内機11が対象空間TSの空気を吸い込んで温調空気として暖気を生成する。室内機11で生成された暖気は、ダクトパイプ31を介してダクトボックス32に送られ、ダクトボックス32から床下空間SPに導入される。床下空間SPに導入された暖気は、上流空間USの全域に及ぶように溜まる。そして、上流空間USの圧力が相対的に高まると、上流空間USに溜まった暖気が、流路形成部材60の吹出部62と床パネル40とで形成される吹出口68から床パネル40の下面に沿わせて下流空間UDに吹き出される。下流空間DSに吹き出された暖気の温熱は、床パネル40に伝達される。そのことで、床パネル40が暖められると、床パネル40からの温熱が対象空間TSに輻射される。暖気は、下流空間DSを還流部90側へ流れ、還流部90を経て対象空間TSに還流される。これにより、対象空間TSの空気が加熱される。
【0066】
-床パネルおよび流路形成部材の施工方法-
冷暖房システム1の床パネル40および流路形成部材60を施工するには、まず、ベースパネル41の裏面に対して、同パネル41のサイズに応じた個数の流路形成部材60の吹出部62を取り付ける。このとき、各流路形成部材60の突当て面部65および取付部70をベースパネル41にビス留めにより固定する。そして、互いに隣り合う流路形成部材60の裏面に対して、それら両部材60の長辺がなす継ぎ目を覆うように接合テープ77を貼り付ける。また、伝熱床45の外周部位に位置する流路形成部材60の端面に対して、端部納め部材80をビス留めなどにより固定する。そうして、図11に示すように、流路形成部材60とベースパネル41とが組み合わせられた伝熱床パネル100(図11では端部納め部材80の図示を省略)を、対象空間TSの床面積に合わせて必要な数だけ準備する。
【0067】
次いで、複数の支持脚50、際根太55および緩衝材83付きの流路仕切部材81,82を、床スラブFSの上に設置する。そして、伝熱床パネル100を支持脚50に支持させ、ボーダー材42を支持脚50および際根太55に支持させて、ベースパネル41およびボーダー材42を敷設する。続いて、ベースパネル41およびボーダー材42の上に捨貼り材43を敷設する。さらに、捨貼り材43の上に床仕上げ材44を貼り合わせる。しかる後、床パネル40に形成された取付孔に還流部90を嵌め込んで設置する。以上のようにして、対象空間TSの床において、床パネル40および流路形成部材60を施工することができる。
【0068】
-実施形態の特徴-
この実施形態の流路形成部材60は、床パネル40と対向させて床下空間SPに配置される仕切板部61を備える。仕切板部61は、床下空間SPを上流空間USと下流空間DSとに仕切る。流路形成部材60はさらに、仕切板部61を貫通する通気孔63を有する吹出部62を備える。吹出部62は、上流空間USに導入された温調空気を下流空間DSに吹き出す。温調空気が冷気であると、床パネル40が冷やされる。冷やされた床パネル40からは、冷熱が対象空間TSに輻射される。これにより、対象空間TSの冷房が行われる。また、温調空気が暖気であると、床パネル40が温められる。温められた床パネル40からは、温熱が対象空間TSに輻射される。これにより、対象空間TSの暖房が行われる。このように、冷気または暖気のエネルギーが床パネル40を通して輻射熱に変えられることで、対象空間TSの冷暖房を行える。
【0069】
この実施形態の流路形成部材60は、仕切板部61から床パネル40側に突出した取付部70を備え、取付部70を床パネル40に取り付けることにより、床下空間SPに配置される。そのことで、流路形成部材60を、支持脚50と直接には接続せずに、床パネル40に固定される。よって、人が床を歩行するなどしたときに床パネル40が荷重を加えられて撓んでも、流路形成部材60と支持脚50とが擦れ合わないようにできる。したがって、建物BDの床下空間SPに流路形成部材60を設置することに起因して異音が生じるのを防止できる。
【0070】
この実施形態の流路形成部材60では、吹出部62が筒状部64を有する。筒状部64は、仕切板部61から床パネル40側に突出し、上流空間USから通気孔63に流入した温調空気を、筒状部64の突当て面部65に設けられた凹部67により床パネル40と共に形成する吹出口68から床パネル40に沿う方向に吹き出される。そのことで、下流空間DSにおいて温調空気を効率的に拡散させることができる。よって、床パネル40の広い範囲に亘り温調空気の冷熱または温熱を伝達できる。このことは、熱輻射を行う床パネル40において、温度むらが生じるのを抑制するのに有利である。
【0071】
この実施形態の流路形成部材60では、筒状部64の突当て面部65に開孔66が形成される。凹部67は、開孔66の周縁から筒状部64の径方向における外側に溝状に延びて、筒状部64の外周側へ開放される。上流空間USから通気孔63を経て筒状部64に流入した温調空気は、開孔66を通じて凹部67内を外周側に流れて、吹出口68から床パネル40に沿う方向に吹き出される。そのことで、吹出口68から吹き出される温調空気の指向性が高められる。これにより、下流空間DSにおいて温調空気を広く拡散させることができる。
【0072】
この実施形態の流路形成部材60では、筒状部64の突当て面部65が床パネル40に固定される。そのことで、筒状部64の突当て面部65と床パネル40との相対的な位置関係が決まる。よって、突当て面部65に設けられた凹部67と床パネル40との間に形成される温調空気の流路面積がばらつくのを抑制し、吹出口68の寸法精度を高めることができる。このことは、下流空間DSにおいて温調空気の拡散性を均一化するのに有利である。
【0073】
この実施形態の流路形成部材60では、互いに隣り合う筒状部64において、吹出口68の開口する方向が向き合わないように設定される。これによれば、一方の筒状部64の吹出口68から吹き出された温調空気と、他方の筒状部64の吹出口68から吹き出された温調空気とが衝突するのを回避できる。よって、各筒状部64の吹出口68から吹き出された温調空気が比較的遠くにまで到達する。このことは、下流空間DSにおいて温調空気を広く拡散させるのに有利である。
【0074】
この実施形態の冷暖房システム1は、対象空間TSの空気を吸入して温調空気を生成する空気調和機10を備える。そして、冷暖房システム1は、空気調和機10によって生成された温調空気を、床下空間SPにおいて流路形成部材60で仕切られた上流空間USおよび下流空間DSをこの順に通過させた後に、対象空間TSに導入する。これによれば、床下空間SPに導入された温調空気が上流空間USに一旦溜められるので、温調空気を下流空間DSの全域に満遍なく行き渡らせることができる。それにより、床パネル40に伝達される温調空気の冷熱または温熱を均一化できる。また、温調空気が床下空間SPの流路と対象空間TSとに循環するので、床パネル40からの熱輻射と温調空気による対流とによって、対象空間TSに快適性の高い冷暖房を行える。
【0075】
-第1変形例-
図12に示すように、この第1変形例の冷暖房システム1では、流路形成部材60の吹出部62が通気孔63のみで構成される。
【0076】
この冷暖房システム1において、給気ダクト30により床下空間SPに温調空気が導入されて、上流空間USの圧力が高まると、図13に示すように、温調空気が通気孔63から床パネル40に向けて下流空間DSに吹き出される。通気孔63から吹き出された温調空気は、床パネル40に当たった後、床パネル40の下面に沿って周囲に広がり、下流空間DSを流れる。これによれば、床パネル40に対して温調空気の冷熱または温熱を効果的に伝達できる。また、流路形成部材60がシンプルな構成であるので、床下空間SPが狭くても設置できる。
【0077】
-第2変形例-
図14に示すように、この第2変形例の冷暖房システム1では、流路形成部材60の吹出部62が、通気孔63と、筒状部64とを有する。筒状部64は、仕切板部61から床パネル40側に突出する。筒状部64は、突出側に向かって縮径するテーパー形状に形成される。筒状部64の一端には、通気孔63が連通する。筒状部64の他端には、吹出口110が形成される。吹出口110は、床パネル40と当接しない。吹出口110と床パネル40との間には、間隔(隙間)が設けられる。吹出口110は、床パネル40に向けて温調空気を吹き出す開口である。
【0078】
この冷暖房システム1において、給気ダクト30により床下空間SPに温調空気が導入されて、上流空間USの圧力が高まると、図15に示すように、温調空気が通気孔63から筒状部64を抜けて吹出口110から床パネル40の下面に向けて下流空間DSに吹き出される。吹出口110から吹き出された温調空気は、床パネル40に当たった後、床パネル40の下面に沿って周囲に広がり、下流空間DSを流れる。これによれば、床パネル40に対して、温調空気を効率良く吹き当てて、温調空気の冷熱または温熱を効果的に伝達できる。
【0079】
-第3変形例-
図16に示すように、この第3変形例の冷暖房システム1では、流路形成部材60の吹出部62が、通気孔63と、筒状部64とを有する。筒状部64は、仕切板部61から床パネル40側に突出する。筒状部64は、突出側に向かって縮径するテーパー形状に形成される。筒状部64の一端には、通気孔63が連通する。筒状部64の他端は、床パネル40に向けて開口した開放端とされる。当該筒状部64の他端には、複数の凹部120が形成される。複数の凹部120は、筒状部64の周方向に互いに間隔をあけて設けられる。そのことで、筒状部の突出側の端部は、凹凸形状とされる。
【0080】
凹部120は、筒状部64の周壁を径方向に貫通し、上方に向けて開口した切欠き状に形成される。凹部120は、床パネル40が当接されると、床パネル40と共に吹出口121を形成する。吹出口121は、床パネル40に沿う方向に向けて温調空気を吹き出す開口である。個々の流路形成部材60において、互いに隣り合う筒状部64では、吹出口121の開口する方向が向き合わないように設定される。吹出口121の開口する方向は、互いに隣り合う流路形成部材60の筒状部64同士でも向き合わないように設定されることが好ましい。
【0081】
この冷暖房システム1において、給気ダクト30により床下空間SPに温調空気が導入されて、上流空間USの圧力が高まると、図17に示すように、温調空気が通気孔63から筒状部64を抜けて複数の吹出口121から床パネル40に沿って放射状に吹き出される。このような吹出部62の態様によっても、下流空間DSにおいて温調空気を拡散させることができ、床パネル40の広い範囲に亘り温調空気の冷熱または温熱を伝達できる。
【0082】
-第4変形例-
図18に示すように、この第4変形例の冷暖房システム1では、流路形成部材60の吹出部62が、上記第2変形例と同様な構成を有する。そして、当該吹出部62において、筒状部64の周壁には、複数の吹出孔130が形成される。複数の吹出孔130は、筒状部64の周方向に間隔をあけて設けられる。吹出孔130は、床パネル40に沿う方向に向けて温調空気を吹き出す孔である。吹出孔130は、例えば円形状に形成され、筒状部64の周壁を貫通する。個々の流路形成部材60において、互いに隣り合う筒状部64では、吹出孔130の開口する方向が向き合わないように設定される。吹出孔130の開口する方向は、互いに隣り合う流路形成部材60の筒状部46同士でも向き合わないように設定されることが好ましい。
【0083】
この冷暖房システム1において、給気ダクト30により床下空間SPに温調空気が導入されて、上側空間USの圧力が高まると、図19に示すように、温調空気が吹出口110から床パネル40の下面に向けて下流空間DSに吹き出され、床パネル40の下面に当たって周囲に広がる他、吹出孔130からも筒状部64の周囲に向けて下流空間DSに吹き出される。このような吹出部130の態様によっても、下流空間DSにおいて温調空気を拡散させることができ、床パネル40の広い範囲に亘り温調空気の冷熱または温熱を伝達できる。
【0084】
この冷暖房システム1では、互いに隣り合う筒状部64において、吹出孔130の開口する方向が向き合わないように設定される。これによれば、一方の筒状部64の吹出孔130から吹き出された温調空気と、他方の筒状部64の吹出孔130から吹き出された温調空気とが衝突するのを回避できる。よって、各筒状部64の吹出孔130から吹き出された温調空気が比較的遠くまで到達する。このことは、下流空間DSにおいて温調空気を広く拡散させるのに有利である。
【0085】
-第5変形例-
図20に示すように、この第5変形例の冷暖房システム1では、流路形成部材60の吹出部62が、通気孔63と、筒状部64とを有する。筒状部64は、仕切板部61から床パネル40側に突出する。筒状部64は、突出側に向かって縮径するテーパー形状に形成される。筒状部64の一端には、通気孔63が連通する。筒状部64の他端には、突当て面部140が設けられる。突当て面部140は、筒状部64の他端を完全に閉塞する。そして、筒状部64の周壁には、上記第4変形例と同様な複数の吹出孔130が形成される。
【0086】
この冷暖房システム1において、給気ダクト30により床下空間DSに温調空気が導入されて、上流空間USの圧力が高まると、図21に示すように、温調空気が通気孔63から筒状部64内に流入し、複数の吹出孔130から筒状部64の周囲に向けて下流空間DSに吹き出される。このような吹出部62の態様によっても、下流空間DSにおいて温調空気を拡散させることができ、床パネル40の広い範囲に亘り温調空気の冷熱または温熱を伝達できる。
【0087】
以上のように、本発明の例示としての実施形態および変形例について説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。上記実施形態について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においてさらに色々な変形が可能なこと、またそうした変形も本発明の範囲に属することは、当業者に理解されるところである。
【0088】
例えば、空気調和機10において、室内機11は、天井面に吊り下げられる方式で対象空間TS(室内)に設置されてもよい。室内機11は、床上に設置される床置き式で対象空間TS(室内)に設置されてもよい。空気調和機10は、複数台の室内機11を有するマルチ式の空気調和機であってもよい。空気調和機10は、冷房運転のみまたは暖房運転のみを行うように構成されてもよい。
【0089】
流路形成部材60は、合成樹脂製の一体成形品であるとしたが、これに限らない。吹出部62の筒状部64や取付部70は、仕切板部61とは別部材であって、仕切板部61に組み付けることで流路形成部材60を構成するようになってもよい。流路形成部材60は、金属製の部材であってもよい。
【0090】
本発明に係る冷暖房システム1として、床輻射式の冷暖房システム1を例に挙げて説明したが、これに限らない。本発明は、空気の熱を利用する天井輻射式の冷暖房システムにも適用することが可能である。天井輻射式の冷暖房システムでは、例えば、建物BDの懐空間である天井裏空間に、複数の流路形成部材60を、床輻射式の冷暖房システム1とは上下反転した状態に設置すればよい。この場合、流路形成部材60は、区画部材である天井パネルに取付部70をビス留めするなどして取り付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上説明したように、本発明は、建物内の対象空間を冷房または暖房するための温調空気が流れる流路を懐空間に形成する流路形成部材、およびその流路形成部材を用いた冷暖房システムについて有用である。
【符号の説明】
【0092】
BD 建物
TS 対象空間
SP 床下空間(懐空間)
US 上流空間
DS 下流空間
1 冷暖房システム
10 空気調和機
40 床パネル(区画部材)
60 流路形成部材
61 仕切板部
62 吹出部
63 通気孔
64 筒状部
65 突当て面部
67 凹部
70 取付部
110 吹出口
120 凹部
130 吹出孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材の裏側に設けられた懐空間に、温度調節された温調空気が流れる流路を形成する流路形成部材であって、
前記区画部材と対向させて前記懐空間に配置され、該懐空間を、前記区画部材側に位置する下流空間と、前記区画部材と反対側に位置する上流空間とに仕切る仕切板部と、
前記仕切板部を貫通する通気孔を有し、前記上流空間に導入された前記温調空気を前記下流空間に吹き出す吹出部と、
前記仕切板部から前記区画部材側に突出し、該区画部材に取り付けられることで、当該流路形成部材を前記区画部材に支持させる取付部とを備える
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項2】
請求項1に記載の流路形成部材において、
前記懐空間は、床下空間であり、
前記区画部材は、床パネルであり、
前記取付部は、当該流路形成部材を前記床パネルに吊り下げた状態に支持させる
ことを特徴とする流路形成部材
【請求項3】
請求項1または2に記載の流路形成部材において、
前記取付部は、前記仕切板部の端縁から立ち上がった立上り面部と、該立上り面部の前記仕切板部とは反対側の端部から当該流路形成部材の外周側へ延びる突当て面部とを有し、
前記突当て面部は、固定手段により、前記区画部材に固定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項4】
請求項3に記載の流路形成部材において、
前記取付部は、前記仕切板部の長辺の両側部分にそれぞれ設けられ、
前記立上り面部は、平面視で角部が前記仕切板部の内方を向くように折れ曲がった形状に形成され、
前記突当て面部は、前記立上り面部の折り曲げ形状に沿う形状に形成され、
前記取付部は、前記立上り面部の曲げ形状に沿う方向における両側にそれぞれ設けられた、前記立上り面部の側縁と前記突当て面部の側縁とを繋ぐ側面部をさらに有する
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記仕切板部の周縁部分から立ち上がる外周壁部をさらに備える
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記通気孔のみで構成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有し、
前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の他端には、前記区画部材に向けて前記温調空気を吹き出す吹出口が形成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有し、
前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の他端には、前記区画部材が当接されると、該区画部材に沿う方向に向けて前記温調空気を吹き出す吹出口を当該区画部材と共に形成する複数の凹部が形成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項9】
請求項に記載の流路形成部材において、
前記筒状部の前記通気孔とは反対側の端部には、前記区画部材に突き当てられる突当て面部が設けられ、
前記突当て面部には、前記筒状部内に連通する開孔が形成され、
前記凹部は、前記開孔の周縁から前記筒状部の径方向における外側に溝状に延びて、当該筒状部の外周側へ開放される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項10】
請求項に記載の流路形成部材において、
前記突当て面部は、前記区画部材に固定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、複数設けられ、
互いに隣り合う前記筒状部では、前記吹出口の開口する方向が向き合わないように設定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、前記仕切板部から前記区画部材側に突出する筒状部を有し、
前記筒状部の一端には、前記通気孔が連通し、前記筒状部の周壁には、前記区画部材に沿う方向に向けて前記温調空気を吹き出す複数の吹出孔が形成される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項13】
請求項12に記載の流路形成部材において、
前記吹出部は、複数設けられ、
互いに隣り合う前記筒状部では、前記吹出孔の開口する方向が向き合わないように設定される
ことを特徴とする流路形成部材。
【請求項14】
建物内の冷房または暖房の対象となる対象空間を区画する区画部材と、
前記対象空間の空気を吸入して温度調節された温調空気を生成する空気調和機と、
前記区画部材の裏側に設けられた懐空間に設置される、請求項1~13のいずれか1項に記載の流路形成部材とを備え、
前記空気調和機によって生成された温調空気を、前記懐空間のうち前記上流空間に導入し、前記流路形成部材の前記吹出部から前記下流空間に吹き出し、該下流空間を通過させた後に、前記対象空間に導入する
ことを特徴とする冷暖房システム。