IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-撮像装置 図1
  • 特開-撮像装置 図2A
  • 特開-撮像装置 図2B
  • 特開-撮像装置 図3A
  • 特開-撮像装置 図3B
  • 特開-撮像装置 図3C
  • 特開-撮像装置 図4
  • 特開-撮像装置 図5
  • 特開-撮像装置 図6
  • 特開-撮像装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009969
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/67 20230101AFI20230113BHJP
   H04N 23/611 20230101ALI20230113BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230113BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20230113BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20230113BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230113BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20230113BHJP
【FI】
H04N5/232 127
H04N5/232 190
H04N5/232 945
G02B7/28 N
G03B13/36
G03B15/00 Q
G03B17/18 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113678
(22)【出願日】2021-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】井口 卓也
(72)【発明者】
【氏名】中村 匡利
【テーマコード(参考)】
2H011
2H102
2H151
5C122
【Fターム(参考)】
2H011BA33
2H102AA44
2H151BA47
2H151CE14
2H151DA03
2H151DA15
2H151GA03
2H151GA17
5C122EA65
5C122FD01
5C122FD13
5C122FH11
5C122FK08
5C122FK28
5C122FK37
5C122FK41
5C122HA29
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】被写体への追従性を向上することができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像装置(100)は、所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データを生成する撮像素子(115)と、撮像データに基づいて、フレーム毎の画像上の被写体を追従する追従動作を制御する制御部(135)と、を備え、制御部(135)は、撮像素子(115)が生成する撮像データ毎に、各フレームの画像上の領域に対する評価値の分布を示す分布情報(30)に基づいて、当該フレームにおける被写体の追従結果を示す被写体領域(S)を選択して、選択された被写体領域(S)を、当該フレームに対する追従動作の制御に用いる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データを生成する撮像素子と、
前記撮像データに基づいて、フレーム毎の画像上の被写体を追従する追従動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記撮像素子が生成する前記撮像データ毎に、各フレームの画像上の領域に対する評価値の分布を示す分布情報に基づいて、当該フレームにおける前記被写体の追従結果を示す被写体領域を選択して、
前記選択された被写体領域を、当該フレームに対する前記追従動作の制御に用いる、撮像装置。
【請求項2】
前記評価値は、前記追従動作としての合焦動作における合焦の状態を示し、
前記制御部は、
特定のフレームにおける前記被写体領域を選択すると、当該フレームについての前記分布情報が示す評価値の分布において前記被写体領域に対する評価値を、前記合焦動作に用いる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像上に設定される候補領域の範囲内で前記分布情報を取得し、
前記候補領域の中から前記被写体領域を選択する、請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像データに対応する撮像画像に画像認識の処理を行って、前記被写体の位置情報を認識する画像認識部をさらに備え、
前記制御部は、
前記画像認識部が認識した被写体の位置情報に基づいて、前記候補領域を設定する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記画像認識部の認識結果が取得できない場合に、前記被写体の前記位置情報に代えて、現フレームの前のフレームで設定された前記候補領域の位置情報に基づいて、現フレームの前記候補領域を設定する、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記画像認識部が認識した前記被写体の前記位置情報と、前記候補領域における現フレームの前記評価値の前記分布情報とに基づいて、前記被写体領域を選択する、請求項4又は5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記画像認識部が認識した前記被写体の複数フレームにおける位置ずれ量が所定の閾値よりも大きいか否かを判断し、
前記位置ずれ量が前記所定の閾値よりも大きいと判断した場合、前記被写体の前記位置情報に代えて、現フレームの前のフレームで選択された前記被写体領域の位置情報を用いて、前記被写体領域を選択する、請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像データに基づく撮像画像を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、
前記評価値の前記分布情報に基づいて選択した前記被写体領域を表示させるように、前記表示部を制御する、請求項1から7のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項9】
所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データを生成する撮像素子と、
前記フレーム毎の撮像データに基づいて、画像上の被写体を追従する追従動作を制御する制御部と、
前記撮像データに対応する撮像画像を表示する表示部と、を備え、
前記制御部は、
特定のフレームの画像認識により前記被写体が認識された領域を示す認識領域を、当該フレームよりも後のフレームの撮像画像上に表示するように前記表示部を制御し、
前記認識領域が表示されたフレームの撮像画像上に、前記画像認識よりも後のフレームにおける被写体の追従結果を示す被写体領域を表示するように前記表示部を制御する、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、合焦動作などにおいて被写体を追従する動作を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、オートフォーカス(AF)機能を有するデジタルカメラを開示している。特許文献1のデジタルカメラは、オートフォーカス機能に関連する機能として、被写体の顔を認識する顔認識機能を有する。顔認識機能により認識した被写体の顔の領域を対象として、オートフォーカスを実行できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-2690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、被写体への追従性を向上することができる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る撮像装置は、所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データを生成する撮像素子と、前記撮像データに基づいて、フレーム毎の画像上の被写体を追従する追従動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮像素子が生成する前記撮像データ毎に、各フレームの画像上の領域に対する評価値の分布を示す分布情報に基づいて、当該フレームにおける前記被写体の追従結果を示す被写体領域を選択して、前記選択された被写体領域を、当該フレームに対する前記追従動作の制御に用いる。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る撮像装置によると、被写体への追従性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態1に係るデジタルカメラの構成を示す図
図2A】実施形態1に係るデジタルカメラの被写体を含む撮像画像の一例を示す図
図2B】実施形態1に係るデジタルカメラの被写体を含む撮像画像の一例を示す図
図3A】実施形態1に係るデジタルカメラの動作の概要を説明するための図
図3B】実施形態1に係るデジタルカメラの動作の概要を説明するための図
図3C】実施形態1に係るデジタルカメラの動作の概要を説明するための図
図4】実施形態1に係るデジタルカメラのAF動作の例を示すフローチャート
図5】実施形態1に係るデジタルカメラのAF動作で用いる評価値マップを示す図
図6】実施形態1に係るデジタルカメラのAF動作で用いる評価値マップを示す図
図7図4のフローチャートに示すAF動作に関するタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0009】
(実施形態1)
実施形態1では、本開示に係る撮像装置の一例として、画像認識技術に基づき被写体を認識して合焦動作を制御するデジタルカメラについて説明する。
【0010】
〔1-1.構成〕
実施形態1に係るデジタルカメラの構成について、図1を用いて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の構成を示す図である。本実施形態のデジタルカメラ100は、イメージセンサ115と、画像処理エンジン120と、表示モニタ130と、コントローラ135とを備える。さらに、デジタルカメラ100は、バッファメモリ125と、カードスロット140と、フラッシュメモリ145と、操作部150と、通信モジュール155とを備える。また、デジタルカメラ100は、例えば光学系110及びレンズ駆動部112を備える。
【0012】
光学系110は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、光学式手ぶれ補正レンズ(OIS)、絞り、シャッタ等を含む。フォーカスレンズは、イメージセンサ115上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。ズームレンズは、イメージセンサ115上に形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ等は、それぞれ1枚又は複数枚のレンズで構成される。
【0013】
レンズ駆動部112は、光学系110におけるフォーカスレンズ等を駆動する。レンズ駆動部112はモータを含み、コントローラ135の制御に基づいてフォーカスレンズを光学系110の光軸に沿って移動させる。レンズ駆動部112においてフォーカスレンズを駆動する構成は、DCモータ、ステッピングモータ、サーボモータ、または超音波モータなどで実現できる。
【0014】
イメージセンサ(撮像素子)115は、光学系110を介して形成された被写体像を撮像して、撮像データ(RAWデータ)を生成する。撮像データは、イメージセンサ115による撮像画像を示す画像データを構成する。イメージセンサ115は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)でフレーム毎の撮像データを生成する。イメージセンサ115における、撮像データの生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ135によって制御される。イメージセンサ115は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、またはNMOSイメージセンサなど、種々のイメージセンサを用いることができる。
【0015】
イメージセンサ115は、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作等を実行する。スルー画像は主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために表示モニタ130に表示される。スルー画像及び静止画像は、それぞれ本実施形態における撮像画像の一例である。
【0016】
画像処理エンジン120は、イメージセンサ115から出力された撮像データ(RAWデータ)に対して各種の処理を施して画像データを生成したり、画像データに各種の処理を施して、表示モニタ130に表示するための画像を生成したりする。各種処理としては、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されない。YC変換処理を行う場合、画像処理エンジン120は、イメージセンサ115から出力された撮像データをもとにYCデータを生成する。YC変換処理には例えば、1フレーム分の時間を要する。YCデータは、後述する画像認識部122による被写体の認識(例えば、顔認識)のために用いられる。画像処理エンジン120は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータ、プロセッサなどで構成してもよい。
【0017】
本実施形態において、画像処理エンジン120は、撮像画像の画像認識によって被写体の認識機能を実現する画像認識部122を含む。画像認識部122の詳細については後述する。
【0018】
表示モニタ130は、種々の情報を表示する表示部の一例である。例えば、表示モニタ130は、イメージセンサ115で撮像され、画像処理エンジン120で画像処理された画像データが示す画像(スルー画像)を表示する。また、表示モニタ130は、ユーザがデジタルカメラ100に対して種々の設定を行うためのメニュー画面等を表示する。表示モニタ130は、例えば、液晶ディスプレイデバイスまたは有機ELデバイスで構成できる。
【0019】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に設けられた操作ボタンや操作レバー等のハードキーの総称であり、使用者による操作を受け付ける。操作部150は、例えば、レリーズボタン、モードダイヤル、タッチパネルを含む。操作部150はユーザによる操作を受け付けると、ユーザ操作に対応した操作信号をコントローラ135に送信する。
【0020】
コントローラ135は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ135はCPU等を含み、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することで所定の機能を実現する。コントローラ135は、CPUに代えて、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されるプロセッサを含んでもよい。すなわち、コントローラ135は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現できる。コントローラ135は1つまたは複数のプロセッサで構成してもよい。また、コントローラ135は、画像処理エンジン120などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0021】
コントローラ135は、イメージセンサ115が生成する撮像データに基づいて、フレーム毎の画像上の被写体を追従する追従動作を制御する。実施形態1における追従動作は合焦動作(オートフォーカス:AF)である。
【0022】
コントローラ135は、イメージセンサ115が出力する撮像データをもとにオートフォーカス用の評価値を取得する。取得される評価値は、撮像データから得られるAF検波値であり、撮像データと同じフレームの期間中に算出可能である。実施形態1の評価値はコントラスト値である。
【0023】
バッファメモリ125は、画像処理エンジン120やコントローラ135のワークメモリとして機能する記録媒体である。バッファメモリ125は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などにより実現される。フラッシュメモリ145は不揮発性の記録媒体である。また、図示していないが、コントローラ135は各種の内部メモリを有してもよく、例えばROMを内蔵してもよい。ROMには、コントローラ135が実行する様々なプログラムが記憶されている。また、コントローラ135は、CPUの作業領域として機能するRAMを内蔵してもよい。
【0024】
カードスロット140は、着脱可能なメモリカード142が挿入される手段である。カードスロット140は、メモリカード142を電気的及び機械的に接続可能である。メモリカード142は、内部にフラッシュメモリ等の記録素子を備えた外部メモリである。メモリカード142は、画像処理エンジン120で生成される画像データなどのデータを格納できる。
【0025】
通信モジュール155は、通信規格IEEE802.11またはWi-Fi規格等に準拠した通信を行う通信モジュール(回路)である。デジタルカメラ100は、通信モジュール155を介して、他の機器と通信することができる。デジタルカメラ100は、通信モジュール155を介して、他の機器と直接通信を行ってもよいし、アクセスポイント経由で通信を行ってもよい。通信モジュール155は、インターネット等の通信ネットワークに接続可能であってもよい。
【0026】
〔1-1-1.画像認識部について〕
本実施形態における画像認識部122の詳細を、以下説明する。
【0027】
画像認識部122は、例えば畳み込みニューラルネットワーク等のニューラルネットワークによる学習済みモデルを採用する。画像認識部122は、イメージセンサ115の撮像画像Imを示す情報(例えば、YCデータ)を学習済みモデルに入力して、当該モデルによる画像認識処理を実行する。YCデータに基づく画像認識処理には、例えば1フレーム分の時間を要する。このため、撮像データ(RAWデータ)からYCデータを生成するYC変換処理と、YCデータに基づく画像認識処理のために、例えば2フレームを要する。画像認識部122は、画像処理エンジン120とコントローラ135との協働によって構成されてもよい。また、画像認識部122としての画像処理エンジン120が、時系列に入力される画像に基づき動き量等を出力してもよい。
【0028】
画像認識部122における学習済みモデルの処理は、例えば入力された画像Imにおいて、予め設定された複数のカテゴリの何れかに分類される被写体が映っている領域を示す位置情報を、各カテゴリに対応付けて出力する。複数のカテゴリは、例えば、人の体、顔および瞳といった人の各部、並びに動物の体、顔および瞳といった動物の各部を含む。位置情報は、例えば処理対象の画像Im上の水平座標及び垂直座標で規定され、例えば認識された被写体を矩形状に囲む領域を示す(図2Aでは顔領域Fとして一点鎖線で図示)。
【0029】
以上のような画像認識部122の学習済みモデルは、例えば、各カテゴリの被写体が映った画像を正解とする正解ラベルを関連付けた画像データを教師データとして用いた教師あり学習によって得ることができる。学習済みモデルは、各カテゴリの認識結果に関する信頼度或いは尤度を生成してもよい。
【0030】
画像認識部122の学習済みモデルはニューラルネットワークに限らず、種々の画像認識に関する機械学習モデルであってもよい。また、画像認識部122は機械学習に限らず、種々の画像認識アルゴリズムを採用してもよい。また、画像認識部122は、例えば人の顔および瞳などの一部のカテゴリに対する認識がルールベースの画像認識処理によって行われるように構成されてもよい。また、画像認識部122は、DFD(Depth From Defocus)、追尾、及びME等の各種アルゴリズムにより、被写体の動きを認識してもよい。画像認識部122は、例えばDSP等で構成されてもよい。また、画像認識部122は、画像処理エンジン120とは別に構成されてもよく、コントローラ135と一体的に構成されてもよい。
【0031】
実施形態1の画像認識部122は、被写体である人の顔を認識する顔認識部である。顔認識部である画像認識部122が認識した顔の位置情報に基づいて、コントローラ135は、被写体の顔に対応する「顔領域」を、表示モニタ130に表示させてもよい。
【0032】
〔1-2.動作〕
以上のように構成されるデジタルカメラ100の動作について、以下説明する。
【0033】
デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をイメージセンサ115で撮像して撮像データ(RAWデータ)を生成する。画像処理エンジン120は、イメージセンサ115により生成された撮像データに対して各種処理を施して画像データを生成する。コントローラ135は、例えば静止画像の撮像動作において、画像処理エンジン120にて生成された画像データをカードスロット140に装着されたメモリカード142に記録する。
【0034】
また、デジタルカメラ100は、動画あるいは静止画像の撮像動作において、表示モニタ130にスルー画像を表示させる。表示モニタ130のスルー画像に基づいて、ユーザは動画の撮影、あるいは、静止画像の撮像のための構図を確認することができる。スルー画像を表示しているときに、コントローラ135は、光学系110のフォーカスレンズを駆動するようにレンズ駆動部112を制御する合焦動作を行う。合焦動作は、例えば動画の撮像動作では自動で行い、静止画像の撮像動作ではユーザによるレリーズボタンの操作に応じて行われる。
【0035】
以上のような合焦動作を行う際に、本実施形態のデジタルカメラ100は、例えばスルー画像等の撮像画像Imに対する画像認識によって被写体を認識し、認識された被写体に応じて、撮像画像Im上で合焦の対象とする範囲の画像領域を示す合焦領域を設定する。合焦領域は「AF領域」と称してもよい。図2A図2Bを用いて、本実施形態に係るデジタルカメラ100の動作の概要を説明する。
【0036】
図2A図2Bは、デジタルカメラ100の被写体20を含む撮像画像Imの一例を示す図である。なお、図2A図2Bに示す撮像画像Imは、表示モニタ130にそのまま表示されるものではなく、後述するマップ領域Mや評価値分布情報30の領域情報、評価値分布情報30における数値情報等の表示は省略してもよい。
【0037】
デジタルカメラ100は、画像認識部122において、被写体20の顔に対応する顔領域F(図2A)を特定する。デジタルカメラ100は、顔領域Fの特定と並行して、コントローラ135においてマップ領域M(図2A図2B)を設定する。マップ領域Mは、評価値の分布を示す分布情報としての評価値分布情報30(図2B)を取得する対象領域である。図2Aでは、評価値分布情報30の図示を省略している。評価値分布情報30は、「評価値マップ30」と称してもよい。マップ領域Mは、評価値分布情報30の評価値に基づいて、後述するAF選択領域S(図2A)を選択するための「候補領域」である。
【0038】
図2Bに示す評価値分布情報30を構成する各評価値は、イメージセンサ115が生成するRAWデータから得られるAF検波値(例えばコントラスト値)である。すなわち、現フレームのAF検波値である。図2Bでは、評価値分布情報30の一部の領域(セル)に模式的なAF検波値を表記し、他の領域では数値の表記を省略している。
【0039】
前述した通り、RAWデータに基づく顔認識処理には数フレーム(例えば2フレーム分)の時間を要し、顔領域Fにはフレーム遅延が生じる。一方、マップ領域Mで取得される評価値分布情報30の評価値は、現フレームのRAWデータから得られるAF検波値であり、フレーム遅延の影響を受けない。
【0040】
デジタルカメラ100は、マップ領域Mにおける評価値分布情報30に基づいて、合焦領域に使用するためのAF選択領域Sを選択する。AF選択領域Sは、各フレームにおける被写体20の追従結果を示す「被写体領域」である。AF選択領域Sの具体的な選択方法については後述する。デジタルカメラ100は、選択したAF選択領域Sにおける評価値分布情報30の評価値を用いて、合焦動作を実行する。
【0041】
上記方法によれば、現フレームの評価値であるAF検波値に基づいてAF選択領域S(合焦領域)を選択するとともに合焦動作を実行するため、フレーム遅延の影響を少なくしながら合焦動作を実行することができる。これにより、被写体20が動く場合であっても被写体20に精度良く追従しながら合焦動作を実行することができ、被写体20への追従性の高いオートフォーカス機能を実現することができる。
【0042】
顔領域Fについては、マップ領域Mの基準位置を決定するために、顔領域Fの位置情報のみが用いられる。コントローラ135は例えば、顔領域Fの中心位置を基準にマップ領域Mを設定する。また、コントローラ135は、AF選択領域Sの基準セルSa(図6)を選択する際に顔領域Fの位置情報を用いる場合がある。
【0043】
図3A図3Cは、被写体20が動く場合において複数フレームにわたる一連の撮像画像Imの一例を示す図である。
【0044】
まず、図3Aに示す状態から被写体20が移動を開始する(矢印22)。被写体20が静止しているときは、画像認識部122の認識結果である顔領域Fは、フレーム遅延の影響が少なく被写体20の顔に概ね重なりやすい。図3Aに示す例では、評価値分布情報30に基づいて選択されるAF選択領域Sも被写体20の顔に重なっている。この状態から被写体20が移動すると、図3Bに示すように、フレーム遅延の影響により、被写体20の動き(右側)に対して、顔領域Fが反対側(左側)へずれ始める。被写体20の動きが速くなるほど、顔領域Fの位置ずれは大きくなり、図3Cに示すように顔領域Fが被写体20の顔から大きくずれると、被写体20の顔を含む範囲よりも被写体20の周囲にある背景等を含む割合が高くなる。このような状態で顔領域Fを合焦領域として合焦動作を実行すると、被写体20の顔ではなく背景等にピントが合ってしまい、所望の被写体20に合焦させることができない場合がある。
【0045】
これに対して、実施形態1のコントローラ135が選択するAF選択領域Sは、現フレームの評価値(AF検波値)に基づいて選択される領域であり、フレーム遅延の影響を抑制できる。図3A図3Cに示すように、AF選択領域Sは被写体20の動きに精度良く追従する。AF選択領域Sにおける現フレームの評価値(評価値分布情報30)を用いて合焦動作を実行することで、被写体20が移動する場合であっても被写体20に精度良く追従しながら合焦動作を実行することができ、被写体20への追従性の高いオートフォーカス機能を実現することができる。
【0046】
コントローラ135は、図3A図3Cに示すようなAF選択領域Sを含んだ撮像画像Imを表示モニタ130に表示させてもよい。フレーム遅延の影響を受けにくく、被写体20への追従性の高いAF選択領域Sを表示することで、ユーザに安心感を与えるとともに利便性を向上させることができる。この場合、顔領域Fの表示は省略してもよい。
【0047】
以下、本実施形態のデジタルカメラ100の動作の詳細を説明する。
【0048】
〔1-2-2.動作の詳細〕
図4図7を用いて、本実施形態に係るデジタルカメラ100のAF動作の詳細を説明する。以下では、デジタルカメラ100の動作の一例として、自動認識AFモードによる動画撮影の動作例を説明する。自動認識AFモードでは、画像認識部122の認識結果およびその他の情報に応じて合焦領域を設定する。なお、動画撮影に限らず、静止画像の撮影やスルー画像の撮影などにおけるAFC(Auto Focus Continuous)モードにも適用可能である。AFCモードは、デジタルカメラ100において、例えばレリーズボタンが半押しのときに、フォーカスを調整し続けるように合焦動作を行う動作モードである。
【0049】
図4は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の自動認識AFモードの動作例を示すフローチャートである。
【0050】
図4のフローチャートによる各処理は、デジタルカメラ100のコントローラ135によってフレーム毎に実行される。
【0051】
まず、コントローラ135は、顔検出の結果があるか否かを判断する(S1)。具体的には、画像認識部122の認識結果である「顔領域F」に関する情報が出力されている場合に、顔検出の結果があると判断し(S1でYES)、当該情報が出力されていない場合に、顔検出の結果がないと判断する(S1でNO)。
【0052】
顔検出の結果があると判断した場合(S1でYES)、コントローラ135は、顔領域Fの位置を基準にマップ領域Mを設定する(S2)。コントローラ135は例えば、図2Aに例示したように、顔領域Fの中心位置を基準として、顔領域Fと略同じ縦幅、且つ数倍分(例えば3~5倍)の横幅を有する略矩形状のマップ領域Mを設定する。このような場合に限らず、顔領域Fの位置情報に基づいてマップ領域Mを設定すれば、マップ領域Mの寸法や形状は任意であってもよい。
【0053】
実施形態1のコントローラ135は、顔領域Fの位置を基準にマップ領域Mを設定する際に、1フレーム前の顔領域Fの位置情報を用いてマップ領域Mを設定する。1フレーム前の顔領域Fの位置情報を用いることで、現フレームへの移行時にマップ領域Mの範囲を設定しておくことができる。これにより、現フレームへの移行とともにAF選択領域Sの選択を実行することができる。1フレーム前の顔領域Fの位置は、現フレームの被写体20の位置に対してずれている可能性があるが、マップ領域Mを顔領域Fよりも広い範囲(例えば顔領域Fの横幅を数倍分長くした領域)に設定することで、現フレームの被写体20が存在する可能性の高い領域を含めるようにマップ領域Mを設定できる。
【0054】
一方、顔検出の結果がないと判断した場合(S1でNO)、コントローラ135は、前フレームと同じ位置にマップ領域Mを設定する(S3)。これにより、顔領域Fが特定されない場合でも、マップ領域Mを簡便な方法で設定することができる。ステップS2と同様に、マップ領域Mの範囲を顔領域Fよりも広い範囲に設定することで、現フレームの被写体20が存在する可能性の高い領域を含めるようにマップ領域Mを設定できる。
【0055】
コントローラ135は、マップ領域Mにおいて、評価値の分布情報(評価値分布情報30)に関する「評価値マップ」を作成する(S4)。ここで、評価値マップの作成方法について、図5を用いて説明する。
【0056】
図5は、評価値マップの作成方法を説明するための例示的な図である。図5の(a)に示すように、ステップS1、S2で設定したマップ領域Mは、複数の領域(セル)を含んでおり、コントローラ135は、個々のセル毎に、イメージセンサ115が生成するRAWデータから得られるAF検波値(評価値)を取得する。これらのAF検波値は、評価値の分布情報である評価値分布情報30Aを構成する。これにより、評価値分布情報30Aを有する「評価値マップ」が作成される(以下、「評価値マップ30A」とも称する。)。図5では、例示的なAF検波値を記載している。AF検波値がコントラスト値である場合、評価値マップは「エッジ強度マップ」と称してもよい。
【0057】
コントローラ135はさらに、評価値分布情報30Aの評価値に対して、正規化を行う。コントローラ135は例えば、平均値が0、標準偏差が1となるように、評価値分布情報30Aの評価値を正規化する。これにより、図5の(b)に示すように、評価値の偏差値データに基づく評価値分布情報30B、すなわち評価値マップ30Bが得られる。実施形態1のコントローラ135は、偏差値データに基づく評価値マップ30Bを用いて、AF選択領域Sの選択を行う(後述するステップS7、S8)。偏差値データを用いることで、AF検波値の絶対値が撮影シーンやフレームによってバラつく場合でも、バラつきの影響を小さくしながらAF選択領域Sを選択することができる。
【0058】
図4に戻ると、コントローラ135は、顔検出の結果があるか否かを判断する(S5)。ステップS5の判断方法はステップS1の判断方法と同様であり、説明を省略する。
【0059】
顔検出の結果があると判断した場合(S5でYES)、コントローラ135は、顔領域Fが、現在以前の複数フレームで同じ位置にあるか否かを判断する(S6)。具体的には、複数フレームにおける顔領域Fの位置ずれ量を算出し、位置ずれ量が所定の閾値よりも小さい場合は同じ位置にあると判断し(S6でYES)、所定の閾値よりも大きい場合は同じ位置にないと判断する(S6でNO)。コントローラ135は例えば、現フレームの顔領域Fの中心位置と1つ前のフレームの顔領域Fの中心位置の位置ずれ量に基づいて、当該判断を行う。なお、現フレームと1つ前のフレームに限らず、例えば更に過去のフレーム等、その他のフレームで特定される顔領域Fの位置情報を考慮してもよい。
【0060】
顔領域Fが複数フレームで同じ位置にあると判断した場合(S6でYES)、コントローラ135は、評価値マップ30Bにおいて、顔領域Fの基準セルに基づいて、AF選択領域Sを選択する(S7)。具体的な選択方法について、図6を用いて説明する。
【0061】
図6の(b)に示すように、ステップS4で作成した偏差値データに基づく評価値マップ30Bにおいて、現フレームの顔領域Fの中心に相当するセルを特定する(以下、「基準セルSa」と称する。)。図6の(b)では、例示的な顔領域Fの位置・範囲を示す。基準セルSaに含まれる評価値を「基準評価値」と称する。図6に示す例では、基準評価値は-1.316である。
【0062】
基準セルSaを決定するための顔領域Fは2フレーム分のフレーム遅延が生じているが、ステップS6で顔領域Fが複数フレームで同じ位置にあると判断され、被写体20が静止している可能性が高いことが想定される。このため、現フレームの被写体20が存在する可能性の高い位置を基準セルSaとすることができる。
【0063】
コントローラ135はさらに、評価値マップ30Bにおいて、基準評価値に近い範囲の評価値を有するセルをAF選択領域Sとして選択する。コントローラ135は例えば、基準評価値の±10%以内の評価値を有するセルを、AF選択領域Sとして選択する。
【0064】
ここで、被写体20の顔が存在する領域では、AF検波値が互いに近い値になるとともに、被写体20が存在しない背景等の領域とは異なる値になる傾向がある。例えば、被写体20が存在する領域のAF検波値は相対的に低く、被写体20が存在しない領域ではAF検波値が相対的に高い。このような傾向を利用して、基準セルSaの基準評価値の近傍の範囲内における評価値を有するセルをAF選択領域Sとして選択することで、現フレームの被写体20の顔が存在する領域を対象とするようにAF選択領域Sを選択することができる。
【0065】
なお、基準評価値の±10%以内に限らず、その他の数値範囲や基準を用いて、AF選択領域Sを選択してもよい。
【0066】
コントローラ135は、AF選択領域Sの評価値をAF評価値とする(S9)。具体的には、コントローラ135は、AF選択領域Sにおける現フレームの評価値(AF検波値)を用いて、合焦動作を実行する。コントローラ135は、偏差値データである評価値マップ30Bの評価値ではなく、図6の(a)に示すように、正規化前の元データ(AF検波値)である評価値マップ30Aの評価値をAF評価値として、合焦動作を実行する。AF検波値を用いて合焦動作を実行することで、フレーム遅延の影響を受けにくくしながら合焦動作を実行することができる。これにより、被写体20が移動する場合でも精度良く追従しながら合焦動作を実行することができ、被写体20への追従性の高いオートフォーカス機能を実現することができる。
【0067】
図4に戻ると、ステップS5において顔検出の結果がないと判断された場合(S5でNO)、コントローラ135は、評価値マップ30Bにおいて、前フレームのAF選択領域Sの基準セルSaに基づいて、AF選択領域Sを選択する(S8)。具体的には、図6の(b)に示した評価値マップ30Bにおいて、現フレームの顔領域Fの中心位置に代えて、現フレームの1つ前のフレームで選択されたAF選択領域Sの中心位置に相当するセルを、基準セルSaとする。基準セルSaの基準評価値に基づくAF選択領域Sの選択方法については、ステップS7と同様であり、基準評価値に近い範囲内の評価値を有するセルをAF選択領域Sとして選択する。
【0068】
これにより、画像認識部122の認識結果がない場合でも、簡便な方法でAF選択領域Sを選択することができる。前フレームで選択されたAF選択領域Sの中心に位置するセルを基準セルSaに決定することで、現フレームでも被写体20の顔が残っている可能性の高いセルの評価値を基準評価値として、AF選択領域Sを選択することができる。
【0069】
また、ステップS5で顔検出の結果があると判断された場合でも(S5でYES)、顔領域Fが複数フレームで同じ位置にないと判断した場合(S6でNO)、コントローラ135は、ステップS5でNOと判断した場合と同様に、ステップS8を実行する。顔領域Fが複数フレームで同じ位置にない場合は、被写体20が移動中であり、図3B図3Cに示したように、フレーム遅延の影響によって顔領域Fが現フレームの被写体20に対してずれていることが想定される。このため、現フレームの顔領域Fの位置情報に代えて、前フレームのAF選択領域Sの位置情報に基づいて基準セルSaを決定することで、簡便な方法且つ、被写体20の顔が残っている可能性の高いセルの評価値を基準評価値としてAF選択領域Sを選択することができる。
【0070】
上述したステップS1~S9の動作フローに関するタイミングチャートを図7に示す。
【0071】
図7において、「VD」は、垂直同期信号を示し、「フレーム」は、垂直同期信号によって規定されるフレームを示す。図7では、何番目のフレームで生成されたRAWデータに対応するかについての指標として、「0」~「5」の数値を例示する。
【0072】
「RAWデータ」は、イメージセンサ115が出力する撮像データを示す。「AF検波値」は、RAWデータから得られるAF検波値(評価値)を示す。「YCデータ」は、RAWデータに対して所定の演算処理を行うことで生成されるYCデータを示す。YCデータを生成する演算処理に1フレーム掛かるため、「YCデータ」の値は、RAWデータとAF検波値に対して1フレーム分遅延する。「顔領域データ」は、YCデータに対して所定の演算処理を行うことで認識される顔領域Fに関するデータを示す。YCデータから顔領域データを認識する演算処理に1フレーム掛かるため、「顔領域データ」の値はYCデータに対して1フレーム分遅延し、RAWデータおよびAF検波値に対しては2フレーム分遅延する。
【0073】
図7における(1)~(8)の表記は、図4のフローチャートにおけるステップS1~S9のいずれの処理に対応するかを示す。以下、(1)~(8)の各処理について説明する。
【0074】
(1):コントローラ135は、顔検出の結果があるか否かを判断する(S1)。図7に示す例では、第2フレームの顔検出の結果として、第0フレームのRAWデータに対応する顔領域データ(顔領域Fの位置情報)が出力されている(S1でYES)。
【0075】
(2):顔検出の結果がある場合(S1でYES)、コントローラ135は、顔領域Fの位置を基準に、マップ領域Mを設定する(S2)。図7に示す例では、第2フレームで特定された顔領域Fの位置情報(例えば顔領域Fの中心位置)に基づいて、第3フレームにおけるマップ領域Mを設定する。
【0076】
(3):顔検出の結果がない場合(S1でNO)、コントローラ135は、前フレームと同じ位置にマップ領域Mを設定する(S3)。図7に示す例では、第2フレームで設定されたマップ領域Mと同じ位置に、第3フレームのマップ領域Mを設定する。
【0077】
上述した(2)、(3)では、第3フレームのマップ領域Mを設定する際に、前フレームである第2フレームの顔領域Fあるいはマップ領域Mの位置情報を用いている。このため、第3フレームへの移行時にマップ領域Mを設定しておくことができる。
【0078】
(4):コントローラ135は、評価値マップ30を作成する(S4)。具体的には、(2)、(3)で設定したマップ領域Mを構成するセル毎に、第3フレーム(現フレーム)の出力結果であるAF検波値を取得する。これにより、図5に示すように、現フレームの評価値の分布に関する評価値マップ30Aが得られる。このようにして、評価値マップ30Aを1フレーム未満の間に作成することができる。なお、評価値マップ30Aの作成とともに評価値の正規化を行い、偏差値データに基づく評価値マップ30Bを取得する。正規化処理には1フレーム以上の処理時間が必要ではなく、評価値マップ30Aの作成とともに評価値マップ30Bを作成できる。
【0079】
(5):コントローラ135は、顔領域Fが複数フレームで同じ位置にあるか否かを判断する(S6)。図7に示す例では、第2フレーム(前フレーム)の顔領域Fと第3フレーム(現フレーム)の顔領域Fの位置情報に基づいて、当該判定を行う。
【0080】
(6-1)、(6-2):コントローラ135は、顔領域Fの基準セルSaの基準評価値に基づいて、AF選択領域Sを選択する(S7)。図7に示す例では、(4)で作成した第3フレームの評価値マップ30Bにおいて、同じ第3フレームで特定された顔領域Fの中心に相当するセルを基準セルSa(図6)に決定する(6-1)。さらに、評価値マップ30Bにおいて、基準セルSaの基準評価値に近い範囲内の評価値を有するセルをAF選択領域Sとして選択する(6-2)。前述した評価値の正規化処理は、AF選択領域Sの選択(6-2)にあわせて実行する場合であってもよい。
【0081】
第3フレームで特定される顔領域Fは、第1フレームのAF検波値に対応する領域であり、2フレーム分のフレーム遅延が生じている。基準セルSaを決定する際には顔領域Fの中心という位置情報を用いるものの、AF選択領域Sの選択においては、現フレームである第3フレームの値(評価値分布情報30B)を用いて範囲を選択している。これより、AF選択領域Sの選択範囲には、フレーム遅延の影響を受けにくくすることができる。
【0082】
(7-1)、(7-2):コントローラ135は、前フレームのAF選択領域Sの基準セルSaの基準評価値に基づいて、AF選択領域Sを選択する(S8)。図7に示す例では、(4)で作成した第3フレームの評価値マップ30Bにおいて、前フレームである第2フレームで選択されたAF選択領域Sの中心に相当するセルを基準セルSaに決定する(7-1)。さらに、評価値マップ30Bにおいて、基準セルSaの基準評価値に近い値の評価値を有するセルをAF選択領域Sとして選択する(7-2)。
【0083】
第2フレームで選択されたAF選択領域Sは、第2フレームのAF検波値に対応する領域である。よって、(7-1)で第3フレームの評価値マップ30Bにおいて基準セルSaを決定する際に、前フレームのAF選択領域Sの中心という位置情報を用いるものの、AF選択領域Sの選択においては、現フレームである第3フレームの値(評価値分布情報30B)を用いて範囲を選択している。これより、AF選択領域Sの選択範囲には、フレーム遅延の影響を受けにくくすることができる。
【0084】
(8):コントローラ135は、AF選択領域Sの評価値をAF評価値として(S9)、合焦動作を実行する。具体的には、(6-2)あるいは(7-2)で選択したAF選択領域Sにおける、評価値マップ30Aの評価値(図6の(a))に応じて、合焦動作を制御する。当該評価値は、現フレームである第3フレームのAF検波値であるため、合焦動作の際にフレーム遅延の影響を受けないようにすることができる。これにより、従来の自動認識モードのように顔領域Fを合焦領域として合焦動作を実行する場合に比べて、フレーム遅延の影響を受けにくくしながら合焦動作を実行することができる。このため、被写体20への追従性の高いオートフォーカス機能を実現することができ、背景等の意図しない領域ではなく、所望の被写体20を含む領域(例えば人の顔)に合焦させやすくなる。
【0085】
実施形態1のデジタルカメラ100は特に、フォーカスレンズを駆動するコントラスト方式の合焦動作を実行するものであり、フレーム間で評価値の大きさ(即ち絶対値)がバラつく事態が考えられる。これに対して、現フレームよりも前のフレームの評価値自体は用いずに、現フレームの評価値(AF検波値)を用いてAF選択領域Sの選択および合焦動作を実行することで、フレーム間の評価値のバラつきによる影響を受けないようにしながら合焦動作を実行することができる。また、偏差値データに基づく評価値分布情報30Bを用いてAF選択領域Sを選択するため、撮影シーン等による評価値のバラつきによる影響も受けにくくしながら、AF選択領域Sを選択することができる。
【0086】
〔1-3.効果等〕
以上のように、本実施形態において、撮像装置の一例であるデジタルカメラ100は、所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データ(RAWデータ)を生成するイメージセンサ115(撮像素子)と、撮像データに基づいて、フレーム毎の画像上の被写体20に合焦する合焦動作(被写体20を追従する追従動作)を制御するコントローラ135(制御部)と、を備える。コントローラ135は、イメージセンサ115が生成する撮像データ毎に、各フレームの画像上の領域に対する評価値の分布を示す評価値分布情報30(分布情報)に基づいて、当該フレーム(例えば、現フレーム)における被写体20の追従結果を示すAF選択領域S(被写体領域)を選択して、選択されたAF選択領域Sを、当該フレームに対する合焦動作の制御に用いる。
【0087】
以上のデジタルカメラ100によると、各フレームの画像において、評価値分布情報30に基づいて選択したAF選択領域Sを、各フレームに対する被写体20の追従動作の制御に用いている。これにより、フレーム遅延の影響を少なくしながら被写体20の追従動作を実行することができ、被写体20への追従性を向上させることができる。
【0088】
本実施形態において、評価値は、追従動作としての合焦動作における合焦の状態を示し、コントローラ135は、特定のフレーム(例えば、現フレーム)におけるAF選択領域Sを選択すると、当該フレームについての評価値分布情報30が示す評価値の分布においてAF選択領域Sに対する評価値を、合焦動作に用いる。これにより、フレーム遅延の影響を少なくしながら合焦動作を実行することができ、被写体20への追従性の高いオートフォーカス機能を実現することができる。
【0089】
本実施形態において、コントローラ135は、画像上に設定されるマップ領域M(候補領域)の範囲内で評価値分布情報30を取得し、マップ領域Mの中からAF選択領域Sを選択する。これにより、画像上で被写体20が存在する可能性が高い領域を絞った上で、合焦動作に用いるAF選択領域Sを選択することができる。
【0090】
本実施形態において、デジタルカメラ100は、撮像データに対応する撮像画像Imに画像認識の処理を行って、被写体20の位置情報を認識する画像認識部122をさらに備える。コントローラ135は、画像認識部122の認識結果である顔領域Fの位置情報(画像認識部122が認識した被写体20の位置情報)に基づいて、マップ領域Mを設定する。これにより、簡便な方法でマップ領域Mを設定することができるとともに、顔領域Fに対してマップ領域Mを広めに設定することで、被写体20の移動がある程度の速さであれば、現フレームの被写体20が存在する可能性の高い領域を含めるようにマップ領域Mを設定できる。
【0091】
本実施形態において、コントローラ135は、画像認識部122の認識結果が取得できない場合に、顔領域Fの位置情報に代えて、現フレームの前のフレームで設定されたマップ領域Mの位置情報に基づいて、現フレームのマップ領域Mを設定する。これにより、被写体20の認識結果が取得できない場合でも、マップ領域Mを簡便な方法、且つ被写体20が存在する可能性の高い領域を含むようにしてマップ領域Mを設定することができる。
【0092】
本実施形態において、コントローラ135は、画像認識部122の認識結果である顔領域Fの位置情報(例えば顔領域Fの中心)と、マップ領域Mにおける現フレームの評価値分布情報30Bとに基づいて、AF選択領域Sを選択する。これにより、被写体20が存在する可能性の高い領域を含むようにAF選択領域Sを選択することができる。
【0093】
本実施形態において、コントローラ135は、画像認識部122の認識結果である顔領域Fの複数フレームにおける位置ずれ量が所定の閾値よりも大きいか否かを判断する。コントローラ135はさらに、位置ずれ量が所定の閾値よりも大きいと判断した場合、顔領域Fの位置情報に代えて、現フレームの前のフレームで選択されたAF選択領域Sの位置情報(例えば前フレームのAF選択領域Sの中心)を用いて、現フレームのAF選択領域Sを選択する。これにより、被写体20が移動中であることが想定される場合に、画像認識部122の認識結果である顔領域Fの位置情報に代えて、前フレームのAF選択領域Sの位置情報を用いて現フレームのAF選択領域Sを選択することで、フレーム遅延の影響を少なくしながら、AF選択領域Sを簡便な方法で選択することができる。
【0094】
本実施形態において、評価値分布情報30Bは、評価値の偏差値データに関する分布情報である。これにより、評価値の絶対値が撮影シーンやフレームに応じてバラつく場合でも、バラつきによる影響を低減しながらAF選択領域Sを選択することができる。
【0095】
本実施形態において、デジタルカメラ100は、撮像データに基づく撮像画像Imを表示する表示モニタ130(表示部)をさらに備える。コントローラ135は、評価値分布情報30Bに基づいて選択したAF選択領域Sを表示させるように、表示モニタ130を制御する。これにより、現フレームの評価値に基づいて選択したAF選択領域Sを表示することで、被写体20の動きに追従した合焦領域を表示することができ、ユーザに安心感を与えるとともに利便性を向上させることができる。
【0096】
本実施形態において、イメージセンサ115は、フォーカスレンズを含む光学系110を介して被写体像を撮像する。コントローラ135は、光学系110における光軸に沿ってフォーカスレンズの位置を調整して、合焦動作を実行する。これにより、フォーカスレンズの位置を調整する場合はフレーム毎の評価値の絶対値がバラつきやすいのに対して、各フレームにおける評価値分布情報30に基づいて選択したAF選択領域Sを用いて合焦動作を制御することで、評価値の絶対値のバラつきの影響を小さくしながら合焦動作を実行することができる。
【0097】
また、本実施形態において、撮像装置の一例であるデジタルカメラ100は、所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データ(RAWデータ)を生成するイメージセンサ115(撮像素子)と、フレーム毎の撮像データに基づいて、画像上の被写体20を合焦する合焦動作(被写体20を追従する追従動作)を制御するコントローラ135(制御部)と、撮像データに対応する撮像画像Imを表示する表示モニタ130(表示部)と、を備える。コントローラ135は、特定のフレーム(例えば、現フレームよりも前のフレーム)の画像認識により被写体20が認識された領域を示す顔領域F(認識領域)を、当該フレームよりも後のフレーム(例えば、現フレーム)の撮像画像Im上に表示するように表示モニタ130を制御する。コントローラ135はさらに、顔領域Fが表示されたフレーム(例えば、現フレーム)の撮像画像Im上に、画像認識よりも後のフレーム(例えば、現フレーム)における被写体20の追従結果を示すAF選択領域S(被写体領域)を表示するように表示モニタ130を制御する。
【0098】
以上のデジタルカメラ100によると、画像認識の結果である顔領域Fよりも、フレーム遅延が解消されたAF選択領域Sを表示することで、ユーザに対してデジタルカメラ100の追従性能の高さを可視化することができる。
【0099】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0100】
上記の実施形態1では、画像認識部122が被写体の顔を認識する顔認識部である場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、画像認識部122が撮像データにおける「色」を認識する「色認識部」に適用されてもよい。すなわち、顔認識機能を具備するデジタルカメラ100に代えて、色追尾機能を具備するデジタルカメラにおいても本開示と同様の技術を適用してもよい。
【0101】
具体的には、画像認識部122が色認識部である場合、イメージセンサ115が生成する撮像データのセル毎に、色の種類に対応する数値情報(評価値)が取得される。当該評価値に関して、図5図6に示した評価値の分布情報に関する評価値マップを作成し、同様の方法によりマップ領域Mを設定して、被写体の追従結果を示す被写体領域を選択すればよい。これにより、特定の色の領域に対して精度良く追従する領域を用いて追従動作を実行することができ、被写体への追従性の高い色追尾機能を実現することができる。
【0102】
また、上記の実施形態1では、デジタルカメラ100がコントラスト方式のオートフォーカス機能を実行する場合について説明したが、このような場合に限らず、他の方式のオートフォーカス機能を実行する場合であってもよい。例えば、像面位相差方式のオートフォーカス機能の場合、イメージセンサが生成する撮像データのセル毎に、距離情報としての評価値が取得される。当該評価値に関して、図5図6に示した評価値の分布情報に関する評価値マップを作成し、同様の方法によりマップ領域Mを設定してAF選択領域Sを選択すればよい。これにより、像面位相差方式の場合であっても、被写体20の領域に対して精度良く追従する合焦領域を用いて合焦動作を実行することができ、被写体20への追従性の高いオートフォーカス機能を実現することができる。
【0103】
上述の通り、本開示の技術は、イメージセンサ115が生成する撮像データのセル毎に、数値情報としての評価値を取得できるものであれば同様に適用することができる。被写体20を追従する追従動作は、合焦動作である場合に限らず、単なる検出枠の動作であってもよいし、AE(自動露出決定)動作等であってもよい。デジタルカメラ100等の撮像装置が、フレーム毎に被写体20を追従する種々の動作に適用でき、その場合のフレーム遅延抑制に効果を奏する。
【0104】
また、上記の実施形態1では、光学系110及びレンズ駆動部112を備えるデジタルカメラ100を例示した。本実施形態の撮像装置は、光学系110及びレンズ駆動部112を備えなくてもよく、例えば交換レンズ式のカメラであってもよい。
【0105】
また、上記の実施形態1では、撮像装置の例としてデジタルカメラを説明したが、これに限定されない。本開示の撮像装置は、画像撮影機能を有する電子機器(例えば、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット端末等)であればよい。
【0106】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0107】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0108】
また、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本開示は、被写体を追従する動作を行う撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
20 被写体
30、30A、30B 評価値分布情報(評価値マップ)
100 デジタルカメラ
115 イメージセンサ
120 画像処理エンジン
122 画像認識部
130 表示モニタ
135 コントローラ
Im 撮像画像
F 顔領域(認識領域)
M マップ領域(候補領域)
S AF選択領域(被写体領域、合焦領域)
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフレームレートで被写体像を撮像してフレーム毎の撮像データを生成する撮像素子と、
前記撮像データに基づいて、フレーム毎の画像上の被写体を追従する追従動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記撮像素子が生成する前記撮像データ毎に、各フレームの画像上の領域に対する評価値の分布を示す分布情報に基づいて、当該フレームにおける前記被写体の追従結果を示す被写体領域を選択して、
前記選択された被写体領域を、当該フレームに対する前記追従動作の制御に用い
前記制御部は、
前記画像上に設定される候補領域の範囲内で前記分布情報を取得し、
前記候補領域の中から前記被写体領域を選択し、
前記撮像データに対応する撮像画像に画像認識の処理を行って、前記被写体の位置情報を認識する画像認識部をさらに備え、
前記制御部は、
前記画像認識部が認識した被写体の位置情報に基づいて、前記候補領域を設定する、撮像装置。
【請求項2】
前記評価値は、前記追従動作としての合焦動作における合焦の状態を示し、
前記制御部は、
特定のフレームにおける前記被写体領域を選択すると、当該フレームについての前記分布情報が示す評価値の分布において前記被写体領域に対する評価値を、前記合焦動作に用いる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像認識部の認識結果が取得できない場合に、前記被写体の前記位置情報に代えて、現フレームの前のフレームで設定された前記候補領域の位置情報に基づいて、現フレームの前記候補領域を設定する、請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記画像認識部が認識した前記被写体の前記位置情報と、前記候補領域における現フレームの前記評価値の前記分布情報とに基づいて、前記被写体領域を選択する、請求項1から3のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記画像認識部が認識した前記被写体の複数フレームにおける位置ずれ量が所定の閾値よりも大きいか否かを判断し、
前記位置ずれ量が前記所定の閾値よりも大きいと判断した場合、前記被写体の前記位置情報に代えて、現フレームの前のフレームで選択された前記被写体領域の位置情報を用いて、前記被写体領域を選択する、請求項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像データに基づく撮像画像を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、
前記評価値の前記分布情報に基づいて選択した前記被写体領域を表示させるように、前記表示部を制御する、請求項1からのいずれか1つに記載の撮像装置。