(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100200
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240719BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L21/02 B
H01L21/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004015
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】名嘉地 勇稀
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 有哉
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033HH19
5F033HH33
5F033JJ11
5F033JJ19
5F033KK19
5F033KK33
5F033MM13
5F033PP06
5F033QQ48
5F033RR04
5F033RR22
5F033VV16
5F033XX00
5F083EP18
5F083EP23
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA09
5F083GA10
5F083GA25
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083NA03
5F083PR25
5F083PR40
5F083ZA01
5F101BA45
5F101BB05
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE02
5F101BE05
5F101BE06
5F101BH11
5F101BH21
(57)【要約】
【課題】歩留りを向上させる。
【解決手段】一実施形態のメモリデバイスは第1導電体層116と、第1導電体層と第1方向に並ぶ第1半導体層101と、第1半導体層に対して第1導電体層と反対側で第1方向に互いに離れて並ぶ複数の第2導電体層103と、第1方向に延び、複数の第2導電体層の各々と交差する部分がメモリセルとして機能するメモリピラーMPと、を備える。第1半導体層は、第1方向と交差する平面内に延びかつメモリピラーの端部と接する第1部分と、第1部分の第1導電体層側の第1面上に第1部分に対して突出するように設けられる第2部分VXと、を含む。第1導電体層は、第2部分と接する第3部分VABと、第3部分に対して第1半導体層と反対側に位置する第4部分MAと、を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電体層と、
前記第1導電体層と第1方向に並ぶ第1半導体層と、
前記第1半導体層に対して前記第1導電体層と反対側で、前記第1方向に互いに離れて並ぶ複数の第2導電体層と、
前記第1方向に延び、前記複数の第2導電体層の各々と交差する部分がメモリセルとして機能するメモリピラーと、
を備え、
前記第1半導体層は、前記第1方向と交差する平面内に延びかつ前記メモリピラーの端部と接する第1部分と、前記第1部分の前記第1導電体層側の第1面上に前記第1部分に対して突出するように設けられる第2部分と、を含み、
前記第1導電体層は、前記第2部分と接する第3部分と、前記第3部分に対して前記第1半導体層と反対側に位置する第4部分と、を含む、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1方向に延び、前記複数の第2導電体層の延長と交差する第1導電体を更に備え、
前記第1導電体層は、前記第3部分に対して前記第4部分と前記第1方向における反対側で前記第1導電体の端部と接する第5部分を更に含む、
請求項1記載のメモリデバイス。
【請求項3】
第1導電体層と、
第1領域内で前記第1導電体層と第1方向に並ぶ第1半導体層と、
前記第1半導体層に対して前記第1導電体層と反対側の前記第1領域内で、前記第1方向に互いに離れて並ぶ複数の第2導電体層と、
前記第1方向に延び、前記複数の第2導電体層の各々と交差する部分がメモリセルとして機能するメモリピラーと、
前記第1方向に延び、前記第1領域と異なる第2領域内で前記複数の第2導電体層の延長と交差する第1導電体と、
を備え、
前記第1半導体層は、前記第1方向と交差する平面内に延びかつ前記メモリピラーの端部と接する第1部分と、前記第1部分の前記第1導電体層側の第1面上に前記第1部分に対して突出するように設けられる第2部分と、を含み、
前記第1導電体層は、前記第1半導体層の前記第2部分と接する前記第1領域内の部分と、前記第1領域内の前記部分よりも前記第1方向における前記第1半導体層の前記第1部分側で前記第1導電体の端部と接する前記第2領域内の部分と、を含む、
メモリデバイス。
【請求項4】
前記第2部分は、前記第1方向に見て前記メモリピラーと重なる位置に設けられる、
請求項1又は請求項3記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1導電体の前記端部は、前記第1面の延長よりも前記第1方向における前記複数の第2導電体層側に位置する、
請求項2又は請求項3記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なメモリデバイスとして、NANDフラッシュメモリが知られている。NANDフラッシュメモリのようなメモリデバイスにおいては、高集積化、大容量化のために3次元のメモリ構造が採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリデバイスの歩留りを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリデバイスは、第1導電体層と、第1半導体層と、複数の第2導電体層と、メモリピラーと、を備える。上記第1半導体層は、上記第1導電体層と第1方向に並ぶ。上記第1半導体層は、第1部分及び第2部分を含む。上記第1導電体層は、第3部分及び第4部分を含む。上記複数の第2導電体層は、上記第1半導体層に対して上記第1導電体層と反対側で、上記第1方向に互いに離れて並ぶ。上記メモリピラーは、上記第1方向に延び、上記複数の第2導電体層の各々と交差する部分がメモリセルとして機能する。上記第1部分は、上記第1方向と交差する平面内に延びかつ上記メモリピラーの端部と接する。上記第2部分は、上記第1部分の上記第1導電体層側の第1面上に上記第1部分に対して突出するように設けられる。上記第3部分は、上記第2部分と接する。上記第4部分は、上記第3部分に対して上記第1半導体層と反対側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。
【
図2】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
【
図3】第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の概要を示す斜視図。
【
図4】第1実施形態に係るメモリデバイスの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図5】第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す、
図4のV-V線に沿った断面図。
【
図6】第1実施形態に係るメモリデバイスのコア領域と周辺回路領域との間の接続配線、及び壁構造の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図7】第1実施形態に係るメモリデバイスのブロック領域の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図8】第1実施形態に係るメモリデバイスのブロック領域の断面構造の一例を示す、
図7のVIII-VIII線に沿った断面図。
【
図9】第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリピラーの断面構造の一例を示す、
図8のIX-IX線に沿った断面図。
【
図10】第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の一例を示す断面図。
【
図11】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図12】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図13】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図14】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図15】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図16】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図17】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図18】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図19】第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図20】第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【
図21】第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図22】第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図23】第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【
図24】第2実施形態に係るメモリデバイスのコア領域と周辺回路領域との間の接続配線、及び壁構造の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図25】第2実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図26】第2実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図27】第2実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図28】第2実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図29】第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【
図30】第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図31】第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図32】第3実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【
図33】第3実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの断面構造の一例を示す断面図。
【
図34】第3実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイにおける突出部の形状の一例を示す、
図33のXXXIV-XXXIV線に沿った断面図。
【
図35】第3実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図36】第3実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図37】第3実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図38】第3実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図。
【
図39】第3実施形態の変形例に係るメモリデバイスのメモリセルアレイにおける突出部の形状の第1例を示す断面図。
【
図40】第3実施形態の変形例に係るメモリデバイスのメモリセルアレイにおける突出部の形状の第2例を示す断面図。
【
図41】第3実施形態の変形例に係るメモリデバイスのメモリセルアレイにおける突出部の形状の第3例を示す断面図。
【
図42】その他の変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。図面の寸法及び比率は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0008】
なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。同様の構成を有する要素同士を特に区別する場合、同一符号の末尾に、互いに異なる文字又は数字を付加する場合がある。
【0009】
1. 第1実施形態
1.1 構成
1.1.1 メモリシステムの構成
図1は、第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。メモリシステム1は、外部のホスト(図示せず)に接続されるように構成された記憶装置である。メモリシステム1は、例えば、SD
TMカードのようなメモリカード、UFS(universal flash storage)、SSD(solid state drive)である。メモリシステム1は、メモリコントローラ2及びメモリデバイス3を含む。
【0010】
メモリコントローラ2は、例えば、SoC(system-on-a-chip)のような集積回路で構成される。メモリコントローラ2は、ホストからの要求に基づいて、メモリデバイス3を制御する。具体的には、例えば、メモリコントローラ2は、ホストから書込みを要求されたデータをメモリデバイス3に書き込む。また、メモリコントローラ2は、ホストから読出しを要求されたデータをメモリデバイス3から読み出してホストに送信する。
【0011】
メモリデバイス3は、不揮発性メモリである。メモリデバイス3は、例えば、NANDフラッシュメモリである。メモリデバイス3は、不揮発にデータを記憶する。
【0012】
メモリコントローラ2とメモリデバイス3との通信は、例えば、SDR(single data rate)インタフェース、トグルDDR(double data rate)インタフェース、又はONFI(Open NAND flash interface)に準拠する。
【0013】
1.1.2 メモリデバイスの構成
引き続き、
図1に示すブロック図を参照して、第1実施形態に係るメモリデバイスの内部構成について説明する。メモリデバイス3は、例えばメモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、並びにセンスアンプモジュール16を備える。
【0014】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0~BLKn(nは1以上の整数)を含む。メモリセルアレイ10に含まれるブロックBLKの数は、1個でもよい。ブロックBLKは、複数のメモリセルの集合である。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられる。メモリセルアレイ10の詳細な構成については後述する。
【0015】
コマンドレジスタ11は、メモリデバイス3がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを記憶する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含む。
【0016】
アドレスレジスタ12は、メモリデバイス3がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを記憶する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含む。例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0017】
シーケンサ13は、メモリデバイス3全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に保持されたコマンドCMDに基づいてドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16等を制御して、読出し動作、書込み動作、消去動作等を実行する。
【0018】
ドライバモジュール14は、読出し動作、書込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール14は、例えばアドレスレジスタ12に記憶されたページアドレスPAdに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0019】
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に記憶されたブロックアドレスBAdに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール15は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0020】
センスアンプモジュール16は、書込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール16は、読出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0021】
1.1.3 メモリセルアレイの回路構成
図2は、第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図である。
図2では、メモリセルアレイ10に含まれる複数のブロックBLKのうちの1個のブロックBLKが示される。
図2に示すように、ブロックBLKは、例えば4個のストリングユニットSU0~SU3を含む。
【0022】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL0~BLm(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含む。ビット線BLの数は、1本でもよい。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。各メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積部を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST1及びST2のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0023】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列接続される。選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0024】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ストリングユニットSU0~SU3内の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。複数の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに接続される。
【0025】
ビット線BL0~BLmには、それぞれ異なるカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0026】
1個のストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと呼ばれる。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0027】
なお、第1実施形態に係るメモリデバイス3が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。
【0028】
1.1.4 メモリデバイスの貼合構造
図3は、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の概要を示す斜視図である。
【0029】
図3に示すように、メモリデバイス3は、メモリチップ100及び回路チップ200を備える。メモリチップ100は、メモリセルアレイ10に対応する構造を含む。回路チップ200は、例えば、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16に対応する構造を含む。
【0030】
また、メモリチップ100及び回路チップ200の各々は、複数の貼合パッドBPを含む。メモリデバイス3は、メモリチップ100と回路チップ200とが、複数の貼合パッドBPを介して貼り合わされて形成される。
【0031】
以下では、メモリチップ100及び回路チップ200が貼り合わされる面(貼合面)をXY面とする。XY面において互いに直交する方向をX方向及びY方向とする。また、XY平面に略垂直であり、メモリチップ100から回路チップ200に向かう方向をZ1方向とする。XY平面に略垂直であり、回路チップ200からメモリチップ100に向かう方向をZ2方向とする。Z1方向及びZ2方向のいずれかを限定しない場合は、Z方向と表記する。
【0032】
1.1.5 メモリデバイスの平面レイアウト
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの平面レイアウトについて説明する。
図4は、第1実施形態に係るメモリデバイスの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
【0033】
図4に示すように、メモリデバイス3は、例えば、コア領域CR、周辺回路領域PR、壁領域WR、外周領域OR、及びカーフ領域KRに分けられる。
【0034】
コア領域CRは、Z方向に見てメモリデバイス3の中央部に位置する矩形状の領域である。メモリチップ100のコア領域CRには、メモリセルアレイ10が配置される。回路チップ200のコア領域CRには、ロウデコーダモジュール15及びセンスアンプモジュール16が配置され得る。なお、コア領域CRの個数及び形状は、任意に設計され得る。
【0035】
周辺回路領域PRは、コア領域CRの外周を囲む四角環状の領域である。例えば、周辺回路領域PRには、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、及びドライバモジュール14が配置され得る。
【0036】
壁領域WRは、周辺回路領域PRの外周を囲む四角環状の領域である。壁領域WRには、メモリデバイス3の外周を同電位(接地電位VSS)に固定して、電源線及びウェル等の電位を安定させるための部材が設けられる。例えば、壁領域WRに設けられた部材は、静電気を基板に逃がす機能を有する。これにより、静電気による回路の破壊が抑制される。
【0037】
外周領域ORは、壁領域WRの外周を囲む四角環状の領域である。外周領域ORは、ダイシング工程でメモリデバイス3の端部に発生したクラック等がメモリデバイス3の内側に到達することを抑制する機能を有する。ダイシング工程は、複数のメモリデバイス3が形成されたウェハをチップ単位で切り分ける工程である。
【0038】
カーフ領域KRは、外周領域ORの外周を囲む四角環状の領域である。カーフ領域KRは、メモリデバイス3の端部を含む領域である。カーフ領域KRは、複数のメモリデバイス3が形成されたウェハにおける、当該複数のメモリデバイス3の間の領域を含む。ダイシング工程において、カーフ領域KRを切断することにより、ウェハ上に形成された複数のメモリデバイス3がチップ単位で切り分けられる。例えば、カーフ領域KRには、メモリデバイス3の製造時に使用されるアライメントマーク等が設けられる。カーフ領域KR内の構造体は、ダイシング工程によって除去されても良い。
【0039】
1.1.6 メモリデバイスの断面構造
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造について説明する。
図5は、第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す、
図4のV-V線に沿った断面図である。
【0040】
図5に示すように、メモリチップ100は、半導体層101、絶縁体層102、111、112、113、114、115、117、118、及び121、配線層103、106、108、及び116、導電体104、105、107、109、120、及び130、電極110、表面保護層119、部材SLT、並びにメモリピラーMPを含む。回路チップ200は、半導体基板201、N型不純物拡散領域NW、P型不純物拡散領域PW、トランジスタTR、ゲート絶縁膜202、ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209、電極211、並びに絶縁体層212及び213を含む。
【0041】
1.1.6.1 メモリチップの断面構造
まず、メモリチップ100の構造について説明する。
(コア領域)
メモリチップ100のコア領域CRについて説明する。メモリチップ100のコア領域CRには、メモリセルアレイ10、及びメモリセルアレイ10と回路チップ200とを接続するための各種配線が設けられる。
【0042】
半導体層101は、XY平面に延びる。コア領域CRに設けられた半導体層101は、ソース線SLとして機能する。例えば、半導体層101は、シリコンを含む。コア領域CRでは、Z1方向における半導体層101の上面上に、複数の絶縁体層102と複数の配線層103とが一層ずつ交互に積層されている。
図5の例では、10層の絶縁体層102と10層の配線層103とが1層ずつ交互に積層されている。換言すれば、回路チップ200と半導体層101との間に、Z方向に離れて積層された複数の配線層103が設けられている。配線層103は、X方向に延びる。配線層103は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGD及びSGSとして機能する。絶縁体層102は、絶縁材料として、酸化シリコン(SiO)を含む。配線層103は、例えば、導電材料としてタングステン(W)を含む。
【0043】
コア領域CRには、複数の部材SLTが設けられる。部材SLTは、例えば、XZ面に広がる板状の絶縁部材である。複数の部材SLTは、Y方向に並ぶ。隣り合う部材SLTの間には、複数のメモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPは、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。部材SLT及びメモリピラーMPの構造の詳細については、後述する。
【0044】
Z1方向におけるメモリピラーMPの上面上には、導電体104が設けられる。導電体104は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向における導電体104の上面上には、導電体105が設けられる。コア領域CRに設けられた導電体105は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。更に、Z1方向における導電体105の上面上には、配線層106が設けられる。コア領域CRには、例えば、X方向に並び、各々がY方向に延びる複数の配線層106が設けられる。複数のメモリピラーMPの各々は、導電体104及び105を介して、複数の配線層106のいずれかに電気的に接続される。メモリピラーMPが電気的に接続された導電体105は、コンタクトCVとして機能する。メモリピラーMPが電気的に接続された配線層106は、ビット線BLとして機能する。導電体104は、例えば、タングステンを含む。導電体105及び配線層106は、例えば、銅(Cu)を含む。
【0045】
Z1方向における配線層106の上面上には、導電体107が設けられる。コア領域CRに設けられた導電体107は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向における導電体107の上面上には、配線層108が設けられる。Z1方向における配線層108の上面上には、導電体109が設けられる。コア領域CRに設けられた導電体109は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。コア領域CRにおいて、Z1方向における導電体109の上面上には、電極110が設けられる。電極110は、回路チップ200の電極211と電気的に接続される。電極110及び211は、貼合パッドBPとして機能する。
【0046】
導電体107及び109、配線層108、並びに電極110は、例えば、導電材料として銅を含む。なお、配線層106と電極110との間に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0047】
絶縁体層111は、絶縁体層102、配線層103、メモリピラーMP、部材SLT、導電体104、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109を覆うように設けられる。Z1方向における絶縁体層111の上面上には、絶縁体層112が設けられる。絶縁体層112と同層には、複数の電極110が設けられる。絶縁体層112は、回路チップ200の絶縁体層213に接する。
【0048】
半導体層101は、Z方向に見てメモリピラーMPと重複する位置で、Z2方向に厚い突出部VXを有する。言い換えると、突出部VXは、半導体層101のXY平面に延びる部分のZ2方向側の面上に、当該半導体層101のXY平面に延びる部分に対して突出するように設けられる。突出部VXと、半導体層101のXY平面に延びる部分とは、連続膜として設けられる。Z2方向における半導体層101の上面上のうち突出部VXを除く部分には、絶縁体層113が積層される。絶縁体層113の膜厚は、突出部VXの膜厚と略等しい。Z2方向における突出部VXの一部及び絶縁体層113の上面上に絶縁体層114が積層される。そして、突出部VX及び絶縁体層114を覆うように、絶縁体層115が設けられる。絶縁体層114の膜厚は、絶縁体層113及び115に対して無視できる程度に薄い。絶縁体層113及び115は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。絶縁体層114には、金属の酸化防止機能を有する絶縁材料が用いられる。絶縁体層114は、例えば、炭窒化シリコン(SiCN)又は窒化シリコン(SiN)を含む。
【0049】
Z2方向における絶縁体層115の上面上には、配線層116が設けられる。コア領域CRに設けられた配線層116は、配線部MAと、接続部VABと、を有する。接続部VABは、絶縁体層114及び115が除去された領域において、突出部VXと接する。配線部MAは、接続部VABに対して半導体層101と反対側に位置する。すなわち、配線部MAは、接続部VABよりもZ2方向側に配置される。配線層116は、絶縁体層113とは離れている。これにより、コア領域CRに設けられた配線層116は、ソース線SLと電気的に接続される。配線層116は、例えば、アルミニウム(Al)及びアルミニウム(Al)を覆うバリアメタルを含む。
【0050】
Z2方向における配線層116の上面上には、絶縁体層117が設けられる。Z2方向における絶縁体層117の上面上には、絶縁体層118が設けられる。そして、Z2方向における絶縁体層118の上面上には、表面保護層119が設けられる。絶縁体層117は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。絶縁体層118は、例えば、透水性の低い絶縁材料として、窒化シリコンを含む。表面保護層119は、例えば、ポリイミド等の樹脂材料を含む。
(周辺回路領域PR)
続いて、メモリチップ100の周辺回路領域PRについて説明する。
【0051】
周辺回路領域PRには、ソース線SLと回路チップ200との間を接続するための配線構造、及び外部電源と回路チップ200との間を接続するための配線構造が設けられる。ソース線SLと回路チップ200との間を接続する配線構造と、外部電源と回路チップ200との間を接続する配線構造とは、互いに電気的に絶縁される。これらの配線構造は、例えば、コンタクトCCを含む。コンタクトCCは、複数の導電体130を含む。以下では、ソース線SLと回路チップ200との間を接続するための配線構造について説明する。
【0052】
周辺回路領域PRに設けられた配線層116は、配線部MA及び接続部VACを有する。接続部VACは、半導体層101及び絶縁体層113~115が除去された領域において複数の導電体130と接する。配線部MAは、接続部VACよりもZ2方向側に設けられる。接続部VACと、半導体層101並びに絶縁体層113及び114との間には、絶縁体層115が設けられる。なお、周辺回路領域PR及び周辺回路領域PRより外周の領域では、半導体層101内に絶縁体層121が設けられる。絶縁体層121は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0053】
導電体130は、Z方向に延びる円柱形状を有する。導電体130のZ2方向の端部は、半導体層101のうち突出部VXを含まない部分のZ2方向における上面よりも、Z1方向側に位置する。導電体130のZ2方向の端部は、配線層116の接続部VAC内に位置する。導電体130のZ1方向の端部は、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110を介して、回路チップ200の電極211に電気的に接続される。周辺回路領域PRに設けられた導電体105、107、及び109は、Z方向に延びる円柱形状を有する。
(壁領域)
続いて、メモリチップ100の壁領域WRについて説明する。
【0054】
壁領域WRには、壁構造W、及び壁構造Wと回路チップ200とを接続するための各種配線が設けられる。壁構造Wは、例えば、配線層116の一部、壁構造W1、W2、及びW3を含む。壁構造W1~W3はそれぞれ、導電体120_1~120_3を含む。なお、壁領域WRに設けられた配線層116は、コア領域CR及び周辺回路領域PRに設けられた配線層116とは電気的に絶縁される。
【0055】
壁領域WRに設けられた配線層116は、接続部VADを有する。接続部VADは、半導体層101及び絶縁体層113~115が除去された領域において導電体120_1~120_3と接する。接続部VADと、半導体層101並びに絶縁体層113及び114との間には、絶縁体層115が設けられる。
【0056】
導電体120_1は、Z方向に見て、コア領域CR及び周辺回路領域PRを囲む四角環状の形状を有する。導電体120_2は、Z方向に見て、導電体120_1を囲む四角環状の形状を有する。導電体120_3は、Z方向に見て、導電体120_2を囲む四角環状の形状を有する。
【0057】
導電体120_1~120_3の各々は、Z方向に延びる。導電体120_1~120_3の各々のZ2方向の端部は、半導体層101のうち突出部VXを含まない部分のZ2方向における上面よりも、Z1方向側に位置する。導電体120_1~120_3の各々のZ2方向の端部は、例えば、配線層116の接続部VAD内に位置する。
【0058】
導電体120_1のZ1方向の端部は、導電体105に接続されない。導電体120_2のZ1方向の端部、及び導電体120_3のZ1方向の端部は、異なる導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110を介して、回路チップ200の電極211にそれぞれ電気的に接続される。
【0059】
導電体120_2と電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110は、例えば、Z方向に見て、コア領域CR及び周辺回路領域PRを囲む四角環状の形状を有する。導電体120_3に電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110はそれぞれ、例えば、Z方向に見て、導電体120_2に電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110を囲む四角環状の形状を有する。
【0060】
導電体120_2と電気的に接続される配線層108のうち導電体109が接続される部分は、導電体107が接続される部分に対して、周辺回路領域PR側に位置する。このように、導電体120_2と電気的に接続される配線層108の上下面に接続される導電体107及び導電体109は、Z方向に見て、互いに重なり合わない。一方、導電体120_3と電気的に接続される配線層108のうち導電体109が接続される部分は、導電体107が接続される部分に対して、外周領域OR側に位置する。このように、導電体120_3と電気的に接続される配線層108の上下面に接続される導電体107及び導電体109は、Z方向に見て、互いに重なり合わない。
(外周領域)
続いて、メモリチップ100の外周領域ORについて説明する。
【0061】
外周領域ORに設けられた半導体層101は、コア領域CR、周辺回路領域PR、及び壁領域WRに設けられた半導体層101とは電気的に絶縁される。以下、外周領域ORに設けられた半導体層101を特定する場合、半導体層101_1と表記する。半導体層101_1の少なくとも一部は、表面保護層119によって覆われて(保護されて)いない。すなわち、半導体層101_1の少なくとも一部は、Z方向において、回路チップ200と表面保護層119との間に設けられていない。
【0062】
Z2方向における半導体層101_1の上面上には、Z2方向に延びる複数の突出部ACPが設けられる。突出部ACPは、例えば、絶縁体層113を貫通する。Z2方向における突出部ACPの上面は、絶縁体層114に接する。すなわち、突出部ACPの膜厚は、突出部VXの膜厚と、略等しい。半導体層101_1の内部に設けられた絶縁体層121のうち、Z方向に見て突出部ACPと重なる部分は、半導体層101_1によって分断される。突出部ACPは、メモリチップ100の製造工程において、半導体層101をメモリチップ100の基板(図示せず)に接地し、例えば、ドライエッチング時における半導体層101のチャージアップによるアーキングの抑制に使用される。なお、突出部ACPは、設けられていなくてもよい。
【0063】
1.1.6.2 回路チップの断面構造
次に、回路チップ200の断面構造について説明する。
【0064】
コア領域CR及び周辺回路領域PRでは、Z2方向における半導体基板201の上面上に複数のトランジスタTRが設けられる。トランジスタTRは、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16内の素子として用いられる。トランジスタTRは、ゲート絶縁膜202、ゲート電極203、半導体基板201に形成された図示せぬソース及びドレインを含む。ゲート絶縁膜202は、Z2方向における半導体基板201の上面上に設けられる。ゲート電極203は、Z2方向におけるゲート絶縁膜202の上面上に設けられる。
【0065】
コア領域CR及び周辺回路領域PRでは、ゲート電極203、ソース、及びドレインのZ2方向における上面上に、導電体204が設けられる。壁領域WRでは、半導体基板201に設けられたN型不純物拡散領域NW、及び半導体基板201に設けられたP型不純物拡散領域PWのZ2方向における上面上に、導電体204が設けられる。
【0066】
Z2方向における導電体204の上面上には、配線層205が設けられる。Z2方向における配線層205の上面上には、導電体206が設けられる。Z2方向における導電体206の上面上には、配線層207が設けられる。Z2方向における配線層207の上面上には、導電体208が設けられる。Z2方向における導電体208の上面上には、配線層209が設けられる。Z2方向における配線層209の上面上には、導電体210が設けられる。コア領域CR及び周辺回路領域PRに設けられた導電体204、206、208、及び210は、例えば、Z方向に延伸する円柱形状を有する。壁領域WRに設けられた導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209、並びに電極211は、例えば、Z方向に見て、コア領域CR及び周辺回路領域PRを囲む四角環状の形状を有する。壁領域WRに設けられたN型不純物拡散領域NW及びP型不純物拡散領域PWについては、これらと同様に四角環状の形状を有していてもよい。
【0067】
Z2方向における半導体基板201の上面上には、絶縁体層212が設けられる。絶縁体層212は、トランジスタTR、導電体204、配線層205、導電体206、配線層207、導電体208、配線層209、及び導電体210を覆うように設けられる。Z2方向における絶縁体層212の上面上には絶縁体層213が設けられる。
【0068】
導電体210のZ2方向における上面上には、絶縁体層213の同層に電極211が設けられる。複数の電極211は、対応する電極110と接続されることにより、メモリチップ100内の各種配線に対して電気的に接続される。
【0069】
ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209は、導電材料により構成され、金属材料、p型半導体、またはn型半導体等を含み得る。電極211は、例えば、銅を含む。ゲート絶縁膜202、絶縁体層212、及び絶縁体層213は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。
【0070】
1.1.7 コア領域と周辺回路領域との間の接続
図6は、第1実施形態に係るメモリデバイスのコア領域と周辺回路領域との間の接続配線、及び壁構造の平面レイアウトの一例を示す平面図である。
図6では、複数の部材SLT、複数の突出部VX、複数の接続部VAB及びVAC、並びに壁構造W1~W3がハッチングで示される。また、
図6では、複数の接続部VABと1個の接続部VACとの間を接続する配線部MA、並びに2個の接続部VACの間を接続する配線部MAが一点鎖線で示される。
【0071】
コア領域CRのうち隣り合う部材SLT間の領域が、1個のブロックBLKに対応するブロック領域である。複数の突出部VXは、同じブロック領域内でX方向に並ぶように配置される。また、異なるブロック領域に配置された複数の突出部VXは、Y方向に並ぶ。
図6の例では、突出部VXが設けられるブロック領域と、突出部VXが設けられないブロック領域とが交互に並ぶ場合が示される。
【0072】
複数の配線部MAは、各々がY方向に延び、X方向に並ぶ。
図6の例では、接続部VAB及びVAC間を接続する配線部MAと、2個の接続部VAC間を接続する配線部MAとが、X方向に交互に並ぶ場合が示される。接続部VAB及びVAC間を接続する配線部MAは、ソース線SLと回路チップ200との間を接続するための配線構造に含まれる配線層116に相当する。接続部VABは、Z方向に見て、対応する突出部VXと重複する位置に配置される。Z方向に見た接続部VABの領域は、突出部VXの領域に内包される。
【0073】
また、2個の接続部VAC間を接続する配線部MAは、外部電源と回路チップ200との間を接続するための配線構造に含まれる配線層116に相当する。外部電源と回路チップ200との間を接続する配線構造は、接続部VACとは異なる領域において、表面保護層119等によって配線部MAが覆われることなく配線部MAの上面の一部が露出した外部接続パッド部PADが形成されている。
【0074】
1.1.8 ブロック領域の平面レイアウト
図7は、第1実施形態に係るメモリデバイスのブロック領域の平面レイアウトの一例を示す平面図である。
図7では、ブロック領域と、当該ブロック領域を挟む2個の部材SLTが示される。
図7に示すように、ブロック領域においてメモリセルアレイ10は、3個の部材SHE、複数のメモリピラーMP、複数のコンタクトCV、及び複数のビット線BLを含む。
【0075】
メモリピラーMPの各々は、例えば1個のNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、隣り合う2個の部材SLTの間の領域において、例えば19列の千鳥状に配置される。そして、例えば、紙面の上側から数えて、5列目のメモリピラーMPと、10列目のメモリピラーMPと、15列目のメモリピラーMPとのそれぞれに、1個の部材SHEが重なっている。
【0076】
部材SHEは、例えば、XZ面に広がる板状の絶縁部材である。隣り合う部材SLTの間において、3個の部材SHEがY方向に並ぶ。部材SHEは、選択ゲート線SGDに対応する配線層103をY方向に分断する。隣り合う部材SHE間、又は部材SLTと部材SHE間が、1個のストリングユニットSUに対応する。
【0077】
複数のビット線BLは、それぞれがY方向に延び、X方向に並ぶ。各ビット線BLは、ストリングユニットSU毎に、少なくとも1個のメモリピラーMPと重なるように配置される。
図7の例では、2本のビット線BLが、1個のメモリピラーMPと重なるように配置される場合が示される。メモリピラーMPと重なる複数のビット線BLのうち1本のビット線BLと、対応する1個のメモリピラーMPとの間は、コンタクトCVを介して電気的に接続される。
【0078】
例えば、部材SHEと接触しているメモリピラーMPと、ビット線BLとの間のコンタクトCVは、省略される。言い換えると、異なる2本の選択ゲート線SGDに接したメモリピラーMPとビット線BLとの間のコンタクトCVは、省略される。隣り合う部材SLT間におけるメモリピラーMPや部材SHE等の個数及び配置は、
図7を用いて説明された構成に限定されず、適宜変更され得る。各メモリピラーMPと重なるビット線BLの数は、任意の数に設計され得る。
【0079】
1.1.9 ブロック領域の断面構造
図8は、第1実施形態に係るメモリデバイスのブロック領域の断面構造の一例を示す、
図7のVIII-VIII線に沿った断面図である。
【0080】
図8に示すように、半導体層101は、例えば、3層の半導体層101a、101b、101cを含む。Z1方向における半導体層101aの上面上に、半導体層101bが設けられる。Z1方向における半導体層101bの上面上に、半導体層101cが設けられる。半導体層101bは、例えば、半導体層101aと半導体層101cとの間に設けられた絶縁体層121を置き換えることにより形成される。半導体層101a~101cは、例えば、シリコンを含む。また、半導体層101a~101cは、例えば、半導体の不純物としてリン(P)を含む。
【0081】
Z1方向における半導体層101の上面上には、10層の絶縁体層102と10層の配線層103とが1層ずつ交互に積層されている。
図10の例では、10層の配線層103は、半導体層101に近い側から順に、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、及び選択ゲート線SGDとして機能する。なお、選択ゲート線SGS及びSGDとして機能する配線層103は、複数設けられてもよい。例えば、配線層103の導電材料として、窒化チタン(TiN)/タングステン(W)の積層構造が用いられ得る。この場合、窒化チタンは、タングステンを覆うように形成される。窒化チタンは、例えばCVD(chemical vapor deposition)によりタングステンを成膜する際、タングステンの酸化を抑制するためのバリア層、あるいはタングステンの密着性を向上させるための密着層としての機能を有する。また、配線層103は、酸化アルミニウム(AlO)等の高誘電率材料を含み得る。この場合、高誘電率材料は、導電材料を覆うように形成される。例えば、配線層103の各々において、配線層103の上下に設けられた絶縁体層102及びメモリピラーMPの側面と接するように高誘電率材料が設けられる。そして、高誘電率材料と接するように窒化チタンが設けられる。そして、窒化チタンと接し、配線層103の内部を埋め込むようにタングステンが設けられる。Z1方向における選択ゲート線SGDとして機能する配線層103の上面上には、絶縁体層111が設けられる。
【0082】
部材SLTは、複数の絶縁体層102及び複数の配線層103をY方向に分断する。部材SLTのZ2方向の端部(底面)は、半導体層101aに達する。部材SHEは、選択ゲート線SGDとして機能する配線層103をY方向に分断する。部材SHEのZ2方向の端部(底面)は、選択ゲート線SGDとして機能する配線層103と、ワード線WL7として機能する配線層103との間の絶縁体層102に達する。
【0083】
メモリピラーMPは、Z方向に延びる略円柱形状を有する。メモリピラーMPは、10層の配線層103を貫通する。メモリピラーMPの底面は、半導体層101aに達する。なお、メモリピラーMPは、Z方向に複数のピラーが連結された構造であってもよい。
【0084】
次に、メモリピラーMPの内部構成について説明する。メモリピラーMPは、コア膜140、半導体膜141、及び積層膜142を含む。コア膜140は、Z方向に延びる。例えば、コア膜140のZ1方向の端部は、絶縁体層111に達し、コア膜140のZ2方向の端部は、半導体層101aに達する。半導体膜141は、コア膜140の周囲を覆う。メモリピラーMPのZ2方向の端部において、半導体膜141の一部が、半導体層101bに接する。メモリピラーMPのZ1方向の端部において、半導体膜141の一部が、導電体104に接する。積層膜142は、半導体膜141と半導体層101bとが接触した部分を除いて、半導体膜141の側面及びZ2方向の端部を覆う。コア膜140は、例えば酸化シリコン等の絶縁体を含む。半導体膜141は、例えばシリコンを含む。
【0085】
図9は、第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリピラーの断面構造の一例を示す、
図8のIX-IX線に沿った断面図である。より具体的には、
図9は、XY平面に平行かつ配線層103を含む層におけるメモリピラーMPの断面構造を示す。
図9に示すように、積層膜142は、例えばトンネル絶縁膜143、電荷蓄積膜144、及びブロック絶縁膜145を含む。
【0086】
配線層103を含む断面において、コア膜140は、例えばメモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体膜141は、コア膜140の側面を囲む。トンネル絶縁膜143は、半導体膜141の側面を囲む。電荷蓄積膜144は、トンネル絶縁膜143の側面を囲む。ブロック絶縁膜145は、電荷蓄積膜144の側面を囲む。配線層103は、ブロック絶縁膜145の側面を囲む。トンネル絶縁膜143及びブロック絶縁膜145のそれぞれは、例えば酸化シリコンを含む。電荷蓄積膜144は、電荷を蓄積する機能を有し、例えば窒化シリコンを含む。
【0087】
メモリピラーMPと、ワード線WL0~WL7として機能する配線層103が組み合わされることにより、メモリセルトランジスタMT0~MT7が構成される。同様に、メモリピラーMPと、選択ゲート線SGDとして機能する配線層103とが組み合わされることにより、選択トランジスタST1が構成される。メモリピラーMPと、選択ゲート線SGSとして機能する配線層103とが組み合わされることにより、選択トランジスタST2が構成される。これにより、各メモリピラーMPは、1個のNANDストリングNSとして機能し得る。
【0088】
1.1.10 貼合パッドの断面構造
次に、貼合パッドBPの断面構造について説明する。
【0089】
図10は、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の一例を示す断面図である。
図10の例では、電極110及び211が示される。
【0090】
図10に示すように、メモリチップ100と回路チップ200との貼合工程において、電極110は、電極211に接続される。
図10の例では、貼合面における電極110の面積と電極211の面積とは、略等しい。このような場合、電極110と電極211とに銅を用いると、電極110の銅と電極211の銅とが一体化して、互いの銅の境界の確認が困難となり得る。但し、貼り合わせの位置ずれによる電極110と電極211とを貼り合わせた形状の歪み、銅のバリアメタルの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合わせが確認できる。
【0091】
また、電極110及び211をダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパ形状を有する。このため、電極110と電極211とを貼り合わせた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形状となる。
【0092】
また、電極110と電極211とを貼り合わせた場合、これらを形成する銅の底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、銅を用いた一般的な配線層では、銅の上面に銅の酸化防止機能を有する絶縁体層(窒化シリコンまたは炭窒化シリコン等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合わせの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0093】
1.2 製造方法
図11~
図19は、第1実施形態に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図である。
【0094】
まず、
図11に示されるように、半導体基板150のZ1方向における上面上に絶縁体層113が形成される。続いて、絶縁体層113を加工することにより、外周領域ORにおいて突出部ACPに対応する溝が形成されると共に、コア領域CRにおいて突出部VXに対応する孔が形成される。突出部VXに対応する孔の径は、突出部ACPに対応する溝の幅よりも広い。
【0095】
次に、
図12に示されるように、例えば、CVDによって半導体層101aが形成される。このとき、突出部VXに対応する孔、及び突出部ACPに対応する溝も埋め込まれる。これにより、突出部VX及びACPが形成される。突出部VX及びACPは、半導体基板150に接する。突出部VXに対応する孔の径は、半導体層101aの膜厚に対して十分大きい。このため、半導体層101aのZ1方向における上面は、突出部VXが設けられる領域で平坦性が損なわれ得る。
【0096】
そこで、
図13に示されるように、半導体層101aは、Z1方向における上面が平坦となるように加工される。例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によって絶縁体層113が露出するまで半導体層101aを研磨した後、半導体層101aが更に成膜される。また、例えば、ブラインドCMPによって絶縁体層113が露出しない程度に半導体層101aを研磨してもよい。いずれの場合でも、半導体層101aの突出部VXを含む部分の膜厚は、所定の膜厚H1となるように制御される。膜厚H1は、例えば、400ナノメートル程度であることが望ましい。
【0097】
次に、
図14に示されるように、半導体層101aのZ1方向における上面上に、メモリチップ100の残りの部分が形成される。また、図示は省略されるが、メモリチップ100の形成と並行して、回路チップ200が形成される。
【0098】
次に、
図15に示されるように、電極110と電極211とが接するように、メモリチップ100と回路チップ200とが貼合される。
【0099】
次に、
図16に示されるように、半導体基板150がメモリチップ100から除去された後、絶縁体層113、並びに突出部VX及びACPを覆うように絶縁体層114が形成される。続いて、絶縁体層113及び114の加工、並びに絶縁体層121を含む半導体層101の加工が順次実行されることにより、周辺回路領域PRにおける孔、及び壁領域WRにおける溝が一括形成される。また、外周領域OR及びカーフ領域KRにおいて突出部ACPより外周側の部分が除去される。周辺回路領域PRに形成された孔は、接続部VACが形成される領域に対応する。壁領域WRに形成された溝は、接続部VADが形成される領域に対応する。これにより、周辺回路領域PRに形成された孔で複数の導電体130が露出すると共に、壁領域WRに形成された溝で導電体120_1~120_3が露出する。
【0100】
次に、
図17に示されるように、Z2方向における上面上に、絶縁体層115が形成される。
【0101】
次に、
図18に示されるように、絶縁体層114及び115が加工されることにより、コア領域CR及び周辺回路領域PRにおける孔、及び壁領域WRにおける溝が一括形成される。コア領域CRに形成された孔は、接続部VABが形成される領域に対応する。周辺回路領域PRに形成された孔は、接続部VACが形成される領域に対応する。壁領域WRに形成された溝は、接続部VADが形成される領域に対応する。これにより、コア領域CRに形成された孔で突出部VXが、周辺回路領域PRに形成された孔で複数の導電体130が、壁領域WRに形成された溝で導電体120_1~120_3が、それぞれ露出する。
【0102】
次に、
図19に示されるように、Z2方向における上面上に配線層116が形成される。コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された孔、並びに壁領域WRに形成された溝は、配線層116によって埋め込まれる。これにより、接続部VAB、VAC、及びVADが形成される。続いて、配線層116が加工されることにより、コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された配線層116と、壁領域WRに形成された配線層116とが分断される。また、コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された配線層116が、複数の部分に分断される。また、カーフ領域KR及び外周領域ORの一部に形成された配線層116が除去される。
【0103】
その後、配線層116よりZ2方向側の構造が形成される。以上により、メモリデバイス3が形成される。
【0104】
1.3 第1実施形態に係る効果
第1実施形態によれば、メモリデバイス3の歩留りを向上させることができる。本効果について以下に説明する。
【0105】
半導体層101は、配線層116側の面に、周囲から突出する突出部VXを有する。突出部VXの膜厚は、絶縁体層113と略等しい。これにより、配線層116の接続部VABに対応する孔を形成する際に、絶縁体層113の加工が不要となる。すなわち、配線層116の接続部VABに対応する孔を形成する際の加工量を、接続部VACに対応する孔、及び接続部VADに対応する溝を形成する際の加工量と同程度に低減できる。このため、接続部VABに対応する孔、接続部VACに対応する孔、及び接続部VADに対応する溝を一括で形成しても、導電体130が過剰に露出することを抑制できる。
【0106】
また、半導体層101aの突出部VXを含む部分の膜厚は、400ナノメートル程度に厚膜化される。これにより、接続部VABに対応する孔を加工する際に、メモリピラーMPの端部が露出し、半導体層101の露出面との間で凹凸部分が形成されることを抑制できる。このため、配線層116の成膜時に、当該凹凸部分にバリアメタルの成膜が不十分な箇所が発生することによる、メモリピラーMP内へのアルミニウム(Al)の拡散を抑制できる。
【0107】
また、半導体層101aの突出部VXを含まない部分の膜厚は、400ナノメートルよりも有意に薄くなる。これにより、接続部VACに対応する孔、及び接続部VADに対応する溝を形成する領域から半導体層101を除去する際の加工量を、膜厚が一様に400ナノメートル程度の半導体層を加工する場合よりも低減できる。これにより、接続部VACに対応する孔、及び接続部VADに対応する溝を形成する領域の半導体層101を除去する際の加工時間を短縮することができる。
【0108】
なお、このような突出部VXは、突出部ACPと同時に形成される。これにより、工程を追加することなく、メモリデバイス3の歩留まりを向上させることができる。
【0109】
1.4 第1実施形態の変形例
上述の第1実施形態では、半導体層101が突出部VXを含む連続膜として形成される場合について説明したが、これに限られない。例えば、突出部VXは、半導体層101の他の部分と異なる膜質となるように形成されてもよい。以下では、第1実施形態と異なる構成及び製造方法について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び製造方法については、適宜説明を省略する。
【0110】
1.4.1 メモリデバイスの断面構造
図20は、第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。
図20は、第1実施形態における
図5に対応する。
【0111】
図20に示されるように、半導体層101は、突出部VXを有さない。半導体層101のZ2方向における上面上に、絶縁体層113と略等しい膜厚で、突出部VXとして機能する半導体層101Aが設けられる。半導体層101Aは、シリコンを含む。半導体層101Aに含まれるシリコンの結晶サイズは、半導体層101に含まれるシリコンの結晶サイズと異なる。このため、半導体層101と半導体層101Aとの境界は、視認できる。すなわち、半導体層101及び101Aは、非連続膜である。
【0112】
同様に、半導体層101_1は、突出部ACPを有さない。半導体層101_1のZ2方向における上面上に、絶縁体層113と略等しい膜厚で、突出部ACPとして機能する半導体層101A_1が設けられる。半導体層101A_1は、シリコンを含む。半導体層101A_1に含まれるシリコンの結晶サイズは、半導体層101_1に含まれるシリコンの結晶サイズと異なる。このため、半導体層101_1と半導体層101A_1との境界は、視認できる。すなわち、半導体層101_1及び101A_1は、非連続膜である。
【0113】
1.4.2 製造方法
図21及び
図22は、第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図である。
図21及び
図22はそれぞれ、第1実施形態における
図12及び
図13に対応する。
【0114】
まず、第1実施形態と同様に、半導体基板150のZ1方向における上面上に絶縁体層113が形成される。続いて、絶縁体層113を加工することにより、外周領域ORにおいて突出部ACPに対応する溝が形成されると共に、コア領域CRにおいて突出部VXに対応する孔が形成される。
【0115】
次に、
図21に示されるように、例えば、半導体基板150からシリコンをエピタキシャル成長させることにより、コア領域CRに形成された孔、及び外周領域ORに形成された溝が半導体層101Aによって埋め込まれる。これにより、突出部VX及びACPが形成される。
【0116】
次に、
図22に示されるように、絶縁体層113及び半導体層101AのZ1方向における上面上に、半導体層101aが形成される。上述の通り、半導体層101Aの膜厚は、絶縁体層113の膜厚と略等しい。このため、半導体層101aのZ1方向における上面は、突出部VXが設けられる領域でも平坦性が損なわれない。半導体層101a及び半導体層101Aの合計の膜厚は、所定の膜厚H1となるように制御される。
【0117】
以降の製造方法は、第1実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0118】
1.4.3 第1実施形態の変形例に係る効果
第1実施形態の変形例によれば、半導体層101及び101Aは、非連続膜である。このような半導体層101Aは、半導体基板150からシリコンをエピタキシャル成長させることにより形成される。これにより、半導体層101aを成膜させる面の凹凸を抑制できる。このため、半導体層101aを成膜する際に、CMPを省略することができる。
【0119】
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。第2実施形態では、周辺回路領域PR及び壁領域WRにも突出部が形成される点において、第1実施形態と異なる。以下の説明では、第1実施形態と異なる構成及び製造方法について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び製造方法については、適宜説明を省略する。
【0120】
2.1 メモリデバイスの断面構造
図23は、第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。
図23は、第1実施形態における
図5に対応する。
【0121】
図23に示されるように、第2実施形態に係るメモリデバイス3は、半導体層101に代えて半導体層101Bを含む。半導体層101Bは、X方向及びY方向に延びる。コア領域CRに設けられた半導体層101Bは、ソース線SLとして機能する。例えば、半導体層101Bは、シリコンを含む。コア領域CRでは、Z1方向における半導体層101Bの上面上に、複数の絶縁体層102と複数の配線層103とが一層ずつ交互に積層されている。
【0122】
コア領域CRに設けられた半導体層101Bは、Z方向に見てメモリピラーMPと重複する位置で、Z2方向に厚い突出部VXを有する。周辺回路領域PRに設けられた半導体層101Bは、突出部VX2を有する。壁領域WRに設けられた半導体層101Bは、突出部VX3を有する。Z2方向における半導体層101Bの上面上のうち突出部VX、VX2、及びVX3を除く部分には、絶縁体層113が積層される。突出部VX2及びVX3の膜厚は、突出部VX及び絶縁体層113の膜厚と略等しい。
【0123】
図24は、第2実施形態に係るメモリデバイスのコア領域と周辺回路領域との間の接続配線、及び壁構造の平面レイアウトの一例を示す平面図である。
図24は、第1実施形態における
図6に対応する。
図24では、複数の部材SLT、複数の突出部VX、VX2、及びVX3、複数の接続部VAB及びVAC、並びに壁構造W1~W3がハッチングで示される。
【0124】
図24に示されるように、Z方向に見て、突出部VX2は、接続部VACを囲む。Z方向に見て、突出部VX3は、壁構造W1~W3及び図示しない接続部VADを囲む。なお、突出部VX3のうち壁構造W1~W3の外側に位置する部分は、内側に位置する部分と分離されている。突出部VX3のうち壁構造W1~W3の外側に位置する部分は、半導体層101B_1に対応する。
【0125】
【0126】
まず、
図25に示されるように、半導体基板150のZ1方向における上面上に絶縁体層113が形成される。続いて、絶縁体層113を加工することにより、コア領域CRにおける突出部VXに対応する孔、周辺回路領域PRにおける突出部VX2に対応する孔、壁領域WRにおける突出部VX3に対応する溝、及び外周領域ORにおける突出部ACPに対応する溝が一括形成される。突出部VX及びVX2に対応する孔の径、並びに突出部VX3に対応する溝の幅は、突出部ACPに対応する溝の幅よりも広い。
【0127】
次に、
図26に示されるように、例えば、CVDによって半導体層101Baが形成される。このとき、突出部VX及びVX2に対応する孔、並びに突出部VX3及びACPに対応する溝も埋め込まれる。これにより、突出部VX、VX2、VX3、及びACPが形成される。突出部VX、VX2、VX3、及びACPは、半導体基板150に接する。上述の通り、突出部VX及びVX2に対応する孔の径、並びに突出部VX3に対応する溝の幅は、半導体層101Baの膜厚に対して十分大きい。このため、半導体層101BaのZ1方向における上面は、突出部VX、VX2、及びVX3が設けられる領域で平坦性が損なわれ得る。
【0128】
そこで、
図27に示されるように、半導体層101Baは、Z1方向における上面が平坦となるように加工される。例えば、CMPによって絶縁体層113が露出するまで半導体層101Baを研磨した後、半導体層101Baが更に成膜される。また、例えば、ブラインドCMPによって絶縁体層113が露出しない程度に半導体層101Baを研磨してもよい。いずれの場合でも、半導体層101Baの突出部VXを含む部分の膜厚は、所定の膜厚H1となるように制御される。
【0129】
その後、第1実施形態における
図14と同等の方法により、メモリチップ100が形成される。そして、第1実施形態における
図15と同等の方法により、メモリチップ100と回路チップ200とが貼合される。
【0130】
次に、
図28に示されるように、半導体基板150がメモリチップ100から除去された後、絶縁体層113、並びに突出部VX、VX2、VX3、及びACPを覆うように絶縁体層114が形成される。続いて、絶縁体層114、並びに絶縁体層121を含む半導体層101Bを加工することにより、周辺回路領域PRにおける孔、及び壁領域WRにおける溝が一括形成される。また、外周領域OR及びカーフ領域KRにおいて突出部ACPより外周側の部分が除去される。周辺回路領域PRに形成された孔は、接続部VACが形成される領域に対応する。壁領域WRに形成された溝は、接続部VADが形成される領域に対応する。これにより、周辺回路領域PRに形成された孔で複数の導電体130が露出すると共に、壁領域WRに形成された溝で導電体120_1~120_3が露出する。
【0131】
以降の製造方法は、第1実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0132】
2.3 第2実施形態に係る効果
第2実施形態によれば、半導体層101B及び101B_1には、接続部VAC及びVADに対応する領域に突出部VX2及びVX3が設けられる。突出部VX2及びVX3の膜厚は、絶縁体層113と略等しい。これにより、接続部VACに対応する孔、及び接続部VADに対応する溝を形成する領域における絶縁体層113を、シリコンに置き換えることができる。このため、絶縁体層113を加工することなく、接続部VACに対応する孔、及び接続部VADに対応する溝を形成する領域から半導体層101Bを除去することができる。したがって、加工処理に要する時間を短縮できる。
【0133】
2.4 第2実施形態の変形例
上述の第2実施形態では、半導体層101Bが突出部VXを含む連続膜として形成される場合について説明したが、これに限られない。例えば、突出部VXは、半導体層101Bの他の部分と異なる膜質となるように形成されてもよい。以下では、第2実施形態と異なる構成及び製造方法について主に説明する。第2実施形態と同等の構成及び製造方法については、適宜説明を省略する。
【0134】
2.4.1 メモリデバイスの断面構造
図29は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。
図29は、第2実施形態における
図23に対応する。
【0135】
図29に示されるように、半導体層101Bは、突出部VX、VX2、及びVX3を有さない。半導体層101BのZ2方向における上面上に、絶縁体層113と略等しい膜厚で、突出部VX、VX2、及びVX3として機能する半導体層101Cが設けられる。半導体層101Cは、シリコンを含む。半導体層101Cに含まれるシリコンの結晶サイズは、半導体層101Bに含まれるシリコンの結晶サイズと異なる。このため、半導体層101Bと半導体層101Cとの境界は、視認できる。すなわち、半導体層101B及び101Cは、非連続膜である。
【0136】
同様に、半導体層101B_1は、突出部ACPを有さない。半導体層101B_1のZ2方向における上面上に、絶縁体層113と略等しい膜厚で、突出部ACPとして機能する半導体層101C_1が設けられる。半導体層101C_1は、シリコンを含む。半導体層101C_1に含まれるシリコンの結晶サイズは、半導体層101B_1に含まれるシリコンの結晶サイズと異なる。このため、半導体層101B_1と半導体層101C_1との境界は、視認できる。すなわち、半導体層101B_1及び101C_1は、非連続膜である。
【0137】
2.4.2 製造方法
図30及び
図31は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスの製造途中の断面構造の一例を示す断面図である。
図30及び
図31はそれぞれ、第2実施形態における
図26及び
図27に対応する。
【0138】
まず、第2実施形態と同様に、半導体基板150のZ1方向における上面上に絶縁体層113が形成される。続いて、絶縁体層113を加工することにより、コア領域CRにおける突出部VXに対応する孔、周辺回路領域PRにおける突出部VX2に対応する孔、壁領域WRにおける突出部VX3に対応する溝、及び外周領域ORにおける突出部ACPに対応する溝が一括形成される。
【0139】
次に、
図30に示されるように、例えば、半導体基板150からシリコンをエピタキシャル成長させることにより、コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された孔、並びに壁領域WR及び外周領域ORに形成された溝が半導体層101Cによって埋め込まれる。半導体層101Cの膜厚は、絶縁体層113の膜厚と略等しい。これにより、突出部VX、VX2、VX3、及びACPが形成される。
【0140】
次に、
図31に示されるように、絶縁体層113及び半導体層101CのZ1方向における上面上に、半導体層101Baが形成される。上述の通り、半導体層101Cの膜厚は、絶縁体層113の膜厚と略等しい。このため、半導体層101BaのZ1方向における上面は、突出部VX、VX2、及びVX3が設けられる領域でも平坦性が損なわれない。半導体層101Ba及び半導体層101Cの合計の膜厚は、所定の膜厚H1となるように制御される。
【0141】
以降の製造方法は、第2実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0142】
2.4.3 第2実施形態の変形例に係る効果
第2実施形態の変形例によれば、半導体層101B及び101Cは、非連続膜である。このような半導体層101Cは、半導体基板150からシリコンをエピタキシャル成長させることにより形成される。これにより、半導体層101Baを成膜させる面の凹凸を抑制できる。このため、半導体層101Baを成膜する際に、CMPを省略することができる。
【0143】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係るメモリデバイスについて説明する。第3実施形態では、コア領域CRに形成される突出部が微細なパターンで形成される点において、第1実施形態と異なる。以下の説明では、第1実施形態と異なる構成及び製造方法について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び製造方法については、適宜説明を省略する。
【0144】
3.1 メモリデバイスの断面構造
図32は、第3実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。
図33は、第3実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの断面構造の一例を示す断面図である。
図34は、第3実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイにおける突出部の形状の一例を示す、
図33のXXXIV-XXXIV線に沿った断面図である。
図32は、第1実施形態における
図5に対応する。
図33は、
図32のうち、突出部VX’を含む半導体層101Dの部分の詳細に対応する。
【0145】
図32に示されるように、第3実施形態に係るメモリデバイス3は、半導体層101に代えて半導体層101Dを含む。半導体層101Dは、X方向及びY方向に延びる。コア領域CRに設けられた半導体層101Dは、ソース線SLとして機能する。例えば、半導体層101Dは、シリコンを含む。コア領域CRでは、Z1方向における半導体層101Dの上面上に、複数の絶縁体層102と複数の配線層103とが一層ずつ交互に積層されている。
【0146】
図33に示されるように、コア領域CRに設けられた半導体層101Dは、3層の半導体層101Da、101b、101cを含む。Z1方向における半導体層101Daの上面上に、半導体層101bが設けられる。Z1方向における半導体層101bの上面上に、半導体層101cが設けられる。半導体層101bは、メモリピラーMP内の半導体膜141に接する。
【0147】
半導体層101Daは、Z方向に見てメモリピラーMPと重複する位置で、Z2方向に厚い突出部VX’を有する。Z2方向における半導体層101Daの上面上のうち突出部VX’を除く部分には、絶縁体層113が積層される。突出部VX’の膜厚は、絶縁体層113の膜厚と略等しい、又は絶縁体層113の膜厚より厚い。突出部VX’の側面は、Z2方向に向かって幅が狭くなるテーパ形状を有する。このため、突出部VX’の膜厚が絶縁体層113の膜厚より厚い場合、突出部VX’のZ2方向の上面の幅の長さは、絶縁体層113のZ2方向の上面と揃う高さにおける突出部VX’の幅の長さよりも短い。
【0148】
図34に示されるように、突出部VX’は、Z方向に見て、格子状のパターンを有する。突出部VX’のパターンの幅Wは、半導体層101Daの突出部VX’を除く部分の膜厚H2の2倍以下である(W≦2×H2)。膜厚H2は、例えば、300ナノメートル程度である。突出部VX’のパターン間のピッチPは、幅Wよりも長い(P>W)。
【0149】
【0150】
まず、
図35に示されるように、半導体基板150のZ1方向における上面上に絶縁体層113が形成される。続いて、絶縁体層113を加工することにより、コア領域CRにおける突出部VX’に対応する複数の孔、及び外周領域ORにおける突出部ACPに対応する溝が一括形成される。突出部VX’に対応する複数の孔の径は、例えば、突出部ACPに対応する溝の幅と同程度であり得る。
【0151】
次に、
図36に示されるように、例えば、CVDによって半導体層101Daが形成される。このとき、突出部VX’に対応する複数の孔、及び突出部ACPに対応する溝も埋め込まれる。これにより、突出部VX’及びACPが形成される。半導体層101Daは、突出部VX’を含む部分の膜厚が、所定の膜厚H1となるように形成される。また、突出部VX’に対応する複数の孔の各々の径は、例えば、半導体層101Daの突出部VX’を除く部分の膜厚H2と同程度である。このため、半導体層101DaのZ1方向における上面は、突出部VX’が設けられる領域で平坦性が確保される。
【0152】
その後、第1実施形態における
図14と同等の方法により、メモリチップ100が形成される。そして、第1実施形態における
図15と同等の方法により、メモリチップ100と回路チップ200とが貼合される。第1実施形態における
図16と同等の方法により、周辺回路領域PR及び壁領域WRにおいて、半導体層101Da、絶縁体層113及び114の一部が除去される。第1実施形態における
図17と同等の方法により、絶縁体層115が形成される。
【0153】
次に、
図37に示されるように、絶縁体層114及び115が加工されることにより、コア領域CR及び周辺回路領域PRにおける孔、及び壁領域WRにおける溝が一括形成される。コア領域CRに形成された孔は、接続部VABが形成される領域に対応する。周辺回路領域PRに形成された孔は、接続部VACが形成される領域に対応する。壁領域WRに形成された溝は、接続部VADが形成される領域に対応する。これにより、コア領域CRに形成された孔で突出部VX’が、周辺回路領域PRに形成された孔で複数の導電体130が、壁領域WRに形成された溝で導電体120_1~120_3が、それぞれ露出する。
【0154】
次に、
図38に示されるように、Z2方向における上面上に配線層116が形成される。コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された孔、並びに壁領域WRに形成された溝は、配線層116によって埋め込まれる。これにより、接続部VAB、VAC、及びVADが形成される。続いて、配線層116が加工されることにより、コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された配線層116と、壁領域WRに形成された配線層116とが分断される。また、コア領域CR及び周辺回路領域PRに形成された配線層116が、複数の部分に分断される。また、カーフ領域KR及び外周領域ORの一部に形成された配線層116が除去される。
【0155】
その後、配線層116よりZ2方向側の構造が形成される。以上により、メモリデバイス3が形成される。
【0156】
3.3 第3実施形態に係る効果
第3実施形態によれば、突出部VX’は、Z方向に見て格子状のパターンを有する。突出部VX’のパターンの幅Wは、半導体層101Daの突出部VX’を除く部分の膜厚H2の2倍以下となるように形成される。これにより、突出部VX’に対応する孔を半導体層101Daで埋め込む際に、半導体層101DaのZ1方向における上面に凹凸が生じ難くすることができる。このため、半導体層101Daの成膜工程において、CMPを省略することができる。
【0157】
また、突出部VX’のパターン間のピッチPは、幅Wよりも長い。これにより、接続部VABに対応する孔を形成する際に露出させた突出部VX’による凹凸によって、配線層116のバリアメタルのカバレッジが悪化することを抑制できる。このため、メモリデバイス3の歩留まりを向上させることができる。
【0158】
3.4 第3実施形態の変形例
上述の第3実施形態では、突出部VX’が格子状のパターンである場合について説明したが、これに限られない。
図39、
図40、及び
図41はそれぞれ、第3実施形態の変形例に係るメモリデバイスのメモリセルアレイにおける突出部の形状の第1例、第2例、及び第3例を示す断面図である。
【0159】
例えば、突出部VX’は、
図39に示されるように、複数のドット状のパターンであってもよい。この場合、パターンの幅Wは、各ドットの径に対応する。また、パターン間のピッチPは、隣り合うドット間の長さに対応する。
【0160】
また、例えば、突出部VX’は、
図40に示されるように、複数のライン状のパターンであってもよい。この場合、パターンの幅Wは、各ラインの幅に対応する。また、パターン間のピッチPは、隣り合うライン間の長さに対応する。
【0161】
また、例えば、突出部VX’は、
図41に示されるように、各々が略同じ点を中心とする複数の環状のパターンであってもよい。この場合、パターンの幅Wは、各環状パターンの幅に対応する。また、パターン間のピッチPは、隣り合う各環状パターン間の長さに対応する。
【0162】
いずれの場合についても、幅Wは、半導体層101Daの突出部VX’を除く部分の膜厚H2の2倍以下となるように設計される。これにより、半導体基板150上に半導体層101Daを形成する際に、突出部VX’に対応する領域で半導体層101Daの平坦性が損なわれることを抑制できる。また、ピッチPは、幅Wより長くなるように設計される。これにより、接続部VABに対応する孔を形成する際に露出させた突出部VX’による凹凸によって、配線層116のバリアメタルのカバレッジが悪化することを抑制できる。
【0163】
4. その他
上述の第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態では、接続部VAB、VAC、及びVADが一括形成される際、絶縁体層115のうちZ方向に見て突出部VXに内包される部分が開口される場合について説明したが、これに限られない。
図42は、その他の変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。例えば、
図42に示されるように、接続部VAB、VAC、及びVADが形成される際、絶縁体層115のうちコア領域CRに設けられる部分は、全面的に開口されてもよい。この場合、コア領域CRにおいて、配線層116は、突出部VXに接する接続部VABであるか、突出部VXに接しない部分であるかに関わらず、Z方向で同じ高さに設けられ得る。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0165】
1…メモリシステム
2…メモリコントローラ
3…メモリデバイス
10…メモリセルアレイ
11…コマンドレジスタ
12…アドレスレジスタ
13…シーケンサ
14…ドライバモジュール
15…ロウデコーダモジュール
16…センスアンプモジュール
100…メモリチップ
101,101A,101B,101C,101D…半導体層
102,111,112,113,114,115,117,118,121,212,213…絶縁体層
103,106,108,116,205,207,209…配線層
104,105,107,109,120,130,204,206,208,210…導電体
110,211…電極
119…表面保護層
140…コア膜
141…半導体膜
142…積層膜
143…トンネル絶縁膜
144…電荷蓄積膜
145…ブロック絶縁膜
150,201…半導体基板
200…回路チップ
202…ゲート絶縁膜
203…ゲート電極