(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100881
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ガス収集機器及びガス検出システム
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20240719BHJP
A47K 13/24 20060101ALI20240719BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20240719BHJP
G16H 50/00 20180101ALI20240719BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K13/24
G01N1/00 101Q
G16H50/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082083
(22)【出願日】2024-05-20
(62)【分割の表示】P 2019083105の分割
【原出願日】2019-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真一
(72)【発明者】
【氏名】上山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】清水 悦朗
(57)【要約】
【課題】改善された、ガス収集機器及びガス検出システムを提供する。
【解決手段】ガス収集機器は、便座及び便器ボウルを備える便器に設置されている。ガス収集装置は、所定槽に接続される流路と、サンプルガスを流路に導入する導入部とを備える。導入部は、便座と便器ボウルとの間に位置するか又は便座の内部若しくは上部に位置する。導入部は、便座と便器ボウルの縁部との間に位置する場合、縁部よりも便器ボウルの内側へ突出せず、便座の内部又は上部に位置する場合、便座よりも便器ボウルの内側へ突出しない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座及び便器ボウルを備える便器に設置されるガス収集機器であって、
所定槽に接続される流路と、
サンプルガスを前記流路に導入可能であり、前記便座の内部に位置する導入部と、を有し、
前記導入部の先端は、前記便器ボウルの内側へ突出せず、
前記導入部の先端は、前記便座の内側の縁よりも外側に離れており、
前記導入部は、前記便座の内側方向に開口している、ガス収集機器。
【請求項2】
請求項1に記載のガス収集機器において、
前記導入部は、
前記流路に接続される第1開口と、
前記第1開口よりも開口面積が大きい第2開口と、
前記第1開口と前記第2開口とを接続する導入面と、を有する、ガス収集機器。
【請求項3】
請求項2に記載のガス収集機器において、
前記導入面は、前記第2開口から前記第1開口に向けて徐々に内径が小さくなる、ガス収集機器。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のガス収集機器において、
前記導入部の先端は、前記第2開口である、ガス収集機器。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載のガス収集機器において、
前記導入部の先端は、前記便器ボウルの縁部の内側の縁よりも外側に離れている、ガス収集機器。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載のガス収集機器において、
前記流路の中心軸は、前記便座の裏面に対して傾いている、ガス収集機器。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載のガス収集機器において、
前記流路の中心軸は、前記便器ボウルの底部に向けられるように、前記便座の裏面に対して傾いている、ガス収集機器。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載のガス収集機器において、
前記所定槽と前記ガス収集機器との間には、前記所定槽と前記ガス収集機器との間の接続状態を切り替え可能な弁が位置する、ガス収集機器。
【請求項9】
請求項1から8までの何れか一項に記載のガス収集機器において、
前記流路が内部に位置する筐体をさらに備える、ガス収集機器。
【請求項10】
請求項9に記載のガス収集機器において、
前記筐体の一部は、前記導入部を形成している、ガス収集機器。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載のガス収集機器と、
特定ガスの濃度に応じた電圧を出力するセンサ部と、を備え、
前記ガス収集機器は、前記センサ部に供給されるサンプルガスを収集する、ガス検出システム。
【請求項12】
請求項11に記載のガス収集システムにおいて、
前記ガス収集機器及び前記センサ部を制御する制御部をさらに備える、ガス収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス収集機器及びガス検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検者が排出した便から発生する臭気性ガスを検出するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムでは、ガスを収集する機器等に関して、改善の余地がある。
【0005】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、改善された、ガス収集機器及びガス検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るガス収集機器は、
便座及び便器ボウルを備える便器に設置されているガス収集機器であって、
所定槽に接続される流路と、
サンプルガスを前記流路に導入し、前記便座と前記便器ボウルとの間に位置するか又は前記便座の内部若しくは上部に位置する導入部と、を有し、
前記導入部は、
前記便座と前記便器ボウルの縁部との間に位置する場合、前記縁部よりも前記便器ボウルの内側へ突出せず、
前記便座の内部又は上部に位置する場合、前記便座よりも前記便器ボウルの内側へ突出しない。
【0007】
本開示の一実施形態に係るガス検出システムは、
特定ガスの濃度に応じた電圧を出力するセンサ部と、
前記センサ部に供給されるサンプルガスを収集するガス収集機器と、を備え、
前記ガス収集機器は、便座及び便器ボウルを備える便器に設置されており、
所定槽に接続される流路と、
サンプルガスを前記流路に導入し、前記便座と前記便器ボウルとの間に位置するか又は前記便座の内部若しくは上部に位置する導入部と、を有し、
前記導入部は、
便座と便器ボウルの縁部との間に位置する場合、前記縁部よりも前記便器ボウルの内側へ突出せず、
便座の内部又は上部に位置する場合、前記便座よりも、前記便器ボウルの内側へ突出しない。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、改善された、ガス収集機器及びガス検出システムが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1実施形態に係るガス検出システムの外観図である。
【
図3】
図1に示す構成の他の例を示す一部上面図である。
【
図4】
図2に示すガス収集機器の一部断面図である。
【
図5】
図1に示すガス検出システムの概略図である。
【
図6】
図1に示すガス検出システムの機能ブロック図である。
【
図7】本開示の第2実施形態に係るガス検出システムの外観図である。
【
図8】
図7に示す構成の他の例を示す一部上面図である。
【
図9】本開示の第3実施形態に係るガス収集機器の一部断面図である。
【
図10】
図4に示すガス収集機器の他の例を示す図である。
【
図11】本開示の変形例に係るガス検出システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して説明する。各図は模式的に示したものである。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係るガス検出システム1の外観図である。
図2は、
図1に示す構成の一部上面図である。
図3は、
図1に示す構成の他の例を示す一部上面図である。
図4は、
図2に示すガス収集機器60の一部断面図である。
図5は、
図1に示すガス検出システム1の概略図である。
図5には、ガス検出システム1が備える筐体10の一部を取り除いた状態を示す。
図6は、
図1に示すガス検出システム1の機能ブロック図である。
【0012】
図1に示すガス検出システム1は、「ガス検出装置」ともいう。ガス検出システム1は、
図1に示すように、便器2に設置されている。便器2は、限定ではないが、水洗便器であってよい。便器2は、便器ボウル2Aと便座2Bとを備える。ガス検出システム1は、便器2の任意の箇所に設置されていてよい。一例として、ガス検出システム1は、便器2の便座2Bの側部付近に設置されていてよい。ガス検出システム1の一部は、便座2Bの内部に埋め込まれていてよい。便器2の便器ボウル2Aには、被検者の便が排出され得る。ガス検出システム1は、便器ボウル2Aに排出された便から発生するガスを、サンプルガスとして取得し得る。ガス検出システム1は、サンプルガスに含まれるガスの種類及びガスの濃度等を検出し得る。ガス検出システム1は、検出結果等を電子機器3に送信し得る。
【0013】
便器2は、住宅又は病院等のトイレ室に設置され得る。便器2は、被検者によって使用され得る。便器2は、上述のように、便器ボウル2Aと、便座2Bとを備える。便器ボウル2Aには、被検者の便が排出され得る。
【0014】
便器ボウル2Aは、
図2に示すように、縁部2A1を含む。縁部2A1は、上面視において、長円リング型であってよい。便座2Bは、上面視において、U字型部分を含んでよい。便座2Bは、縁部2A1と対向する面に、例えば4つのクッション2B1を含んでよい。便座2Bが便器ボウル2Aに載置された際、クッション2B1と縁部2A1とが当接することにより、便器ボウル2Aの縁部2A1と便座2Bとの間には、隙間が生じ得る。
【0015】
図1に示す電子機器3は、例えば、被検者が利用するスマートフォンである。ただし、電子機器3は、スマートフォンに限定されず、任意の電子機器であってよい。電子機器3は、被検者によってトイレ室に持ち込まれる場合、
図1に示すようにトイレ室の内部に存在し得る。ただし、電子機器3は、例えば被検者がトイレ室に電子機器3を持ち込まない場合、トイレ室の外部に存在してよい。電子機器3は、ガス検出システム1から検出結果を、無線通信又は有線通信によって、受信し得る。電子機器3は、受信した検出結果を、表示部3Aに表示し得る。表示部3Aは、文字等を表示可能なディスプレイと、ユーザ(被検者)の指等の接触を検出可能なタッチスクリーンとを含んで構成されてよい。当該ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro‐Luminescence Display)又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro‐Luminescence Display)等の表示デバイスを含んで構成されてよい。当該タッチスクリーンの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式又は荷重検出方式等の任意の方式でよい。
【0016】
図5に示すように、ガス検出システム1は、筐体10と、流路20と、流路21と、排出路22と、チャンバ30と、第1貯留槽40(所定槽)と、第2貯留槽41と、第1供給部50と、第2供給部52と、回路基板80とを備える。ガス検出システム1は、チャンバ30に、センサ部31を備える。
図2に示すように、ガス検出システム1は、ガス収集機器60と、ガス収集機器70とを備える。
図6に示すように、ガス検出システム1は、回路基板80内に、記憶部81と、通信部82と、制御部84とを備える。ガス検出システム1は、センサ部83を備えてよい。さらに、ガス検出システム1は、バッテリ及びスピーカ等を備えてよい。
【0017】
以下、第1供給部50は、ガス検出システム1の構成要素として説明する。ただし、第1供給部50は、ガス収集機器60の構成要素であってよい。この場合、第1供給部50は、
図4に示すガス収集機器60の流路62に取り付けられていてよい。同様に、第2供給部51は、ガス検出システム1の構成要素として説明する。ただし、第2供給部51は、ガス収集機器70の構成要素であってよい。
【0018】
図2に示すガス検出システム1は、1つのガス収集機器60を備える。ただし、ガス検出システム1が備えるガス収集機器60の数は、1つに限定されない。ガス検出システム1は、2つ以上のガス収集機器60を備えてよい。例えば、ガス検出システム1が2つ以上のガス収集機器60を備える場合、各ガス収集機器60は、
図3を参照して後述する箇所に位置してよい。
【0019】
図5に示す筐体10には、ガス検出システム1の各種部品が収容されている。筐体10は、任意の材料で構成されてよい。例えば、筐体10は、金属又は樹脂等の材料で構成されてよい。
【0020】
図5に示す流路20は、第1貯留槽40に貯留されたサンプルガスを、第1供給部50を介してチャンバ30に供給する。流路20の一端は、第1貯留槽40に接続されている。流路20の他端は、チャンバ30に接続されている。流路20は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されてよい。
【0021】
図5に示す流路21は、第2貯留槽41に貯留されたパージガスを、第2供給部51を介してチャンバ30に供給する。流路21の一端は、第2貯留槽41に接続されている。流路21の他端は、チャンバ30に接続されている。流路21は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されてよい。
【0022】
図5に示す排出路22は、チャンバ30からの排気を、外部に排出する。この排気には、検出処理後のサンプルガス及びパージガスが含まれ得る。排出路22は、樹脂製チューブ或いは金属製又はガラス製配管等の管状の部材で構成されてよい。
【0023】
図5に示すチャンバ30は、その内部に、センサ部31を有する。チャンバ30は、複数のセンサ部31を有してよい。チャンバ30は、複数に分かれていてよい。各センサ部31は複数に分かれた各チャンバ30に配されていてよい。複数に分かれた各チャンバ30同士は、接続されていてよい。チャンバ30には、流路20が接続されている。チャンバ30には、流路20からサンプルガスが供給される。また、チャンバ30には、流路21が接続されている。チャンバ30には、流路21からパージガスが供給される。さらに、チャンバ30には、排出路22が接続されている。チャンバ30は、検出処理後のサンプルガス及びパージガスを、排出路22から排出する。チャンバ30は、金属又は樹脂等の材料で構成されてよい。
【0024】
図5に示すセンサ部31は、チャンバ30内に配置されている。センサ部31は、特定ガスの濃度に応じた電圧を、
図6に示す制御部84に出力する。特定ガスには、検出対象の特定ガスと、検出対象外の特定ガスとが含まれる。サンプルガスが便から発生するガスである場合には、検出対象の特定ガスの一例として、メタン、水素、二酸化炭素、メチルメルカプタン、硫化水素、酢酸及びトリメチルアミン等が挙げられる。また、サンプルガスが便から発生するガスである場合には、検出対象外の特定ガスの一例として、アンモニア及び水等が挙げられる。複数のセンサ部31の各々は、これらのガスの少なくとも何れかの濃度に応じた電圧を、
図6に示す制御部84に出力し得る。センサ部31は、半導体式センサ、接触燃焼式センサ又は固体電解質センサ等であってよい。
【0025】
図5に示す第1貯留槽40は、ガス収集機器60に接続されている。第1貯留槽40とガス収集機器60との間には、弁が位置していてよい。当該弁は、電磁駆動、ピエゾ駆動又はモータ駆動等の弁によって構成されてよい。当該弁は、
図6に示す制御部84の制御に基づいて、第1貯留槽40とガス収集機器60との間の接続状態を、第1貯留槽40とガス収集機器60とを接続させた状態、又は、第1貯留槽40とガス収集機器60とを接続させない状態に切替えてよい。
【0026】
第1貯留槽40には、ガス収集機器60から、サンプルガスが供給される。第1貯留槽40は、サンプルガスを貯留可能である。第1貯留槽40に貯留されたサンプルガスは、流路20及び第1供給部50を介して、チャンバ30に供給される。第1貯留槽40は、直方体状、円筒状、袋状、又は、筐体10内部に収容される各種部品の隙間を埋めるような形状のタンク等で構成されてよい。第1貯留槽40には、サンプルガスを加熱するためのヒータが設けられていてよい。
【0027】
第1貯留槽40の内部には、吸着剤が配されていてよい。吸着剤は、用途に応じた任意の材料を各々含んでよい。吸着剤は、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオライト及びモレキュラーシーブの少なくとも何れかが含まれてよい。吸着剤は、複数種類のものであってよいし、多孔質材料を含んでよい。吸着剤は、サンプルガスに含まれる検出対象外のガスを吸着するものであってよい。検出対象外のガスを吸着する吸着剤例としては、シリカゲル及びゼオライト等が挙げられる。また、第1貯留槽40でサンプルガスの濃縮が行われてよい。この場合、吸着剤は、サンプルガスに含まれる検出対象のガスを吸着するであってよい。検出対象のガスを吸着する吸着剤の例としては、活性炭及びモレキュラーシーブ等が挙げられる。ただし、これらの組み合わせは、吸着するガス分子の極性によって適宜変更されてよい。
【0028】
図5に示す第2貯留槽41は、ガス収集機器70に接続されている。第2貯留槽41とガス収集機器70との間には、弁が位置していてよい。当該弁は、電磁駆動、ピエゾ駆動又はモータ駆動等の弁によって構成されてよい。当該弁は、
図6に示す制御部84の制御に基づいて、第2貯留槽41とガス収集機器70との間の接続状態を、第2貯留槽41とガス収集機器70とを接続させた状態、又は、第2貯留槽41とガス収集機器70とを接続させない状態に切替えてよい。
【0029】
第2貯留槽41には、ガス収集機器70から、パージガスが供給される。第2貯留槽41は、パージガスを貯留可能である。第2貯留槽41に貯留されたパージガスは、流路21及び第2供給部51を介して、チャンバ30に供給される。第2貯留槽41は、直方体状、円筒状、袋状、又は、筐体10内部に収容される各種部品の隙間を埋めるような形状のタンク等で構成されてよい。第2貯留槽41には、パージガスを加熱するためのヒータが設けられていてよい。
【0030】
第2貯留槽41の内部には、吸着剤が配されていてよい。吸着剤は、用途に応じた任意の材料を各々含んでよい。吸着剤は、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオライト及びモレキュラーシーブの少なくとも何れかを含んでよい。吸着剤は、複数種類のものであってよいし、多孔質材料を含んでよい。吸着剤は、パージガスに含まれ得る検出対象外のガスを吸着するものであってよい。検出対象外のガスを吸着する吸着剤の例としては、シリカゲル及びゼオライト等が挙げられる。また、吸着剤は、パージガスに含まれ得る検出対象のガスを吸着するであってよい。検出対象のガスを吸着する吸着剤の例としては、活性炭及びモレキュラーシーブ等が挙げられる。ただし、これらの組み合わせは、吸着するガス分子の極性によって適宜変更させてよい。
【0031】
図5に示す第1供給部50は、流路20に取り付けられている。第1供給部50は、制御部84の制御に基づいて、第1貯留槽40に貯留されたサンプルガスを、チャンバ30に供給する。第1供給部50に示される矢印は、第1供給部50がサンプルガスを送る方向を示す。第1供給部50は、ピエゾポンプ又はモータポンプ等で構成されてよい。
【0032】
図5に示す第2供給部51は、流路21に取り付けられている。第2供給部51は、制御部84の制御に基づいて、第2貯留槽41に貯留されたパージガスを、チャンバ30に供給する。第2供給部51に示される矢印は、第2供給部51がパージガスを送る方向を示す。第2供給部51は、ピエゾポンプ又はモータポンプ等で構成されてよい。
【0033】
ガス収集機器60は、便器ボウル2Aに排出された便から発生するガスを、サンプルガスとして収集する。例えば、ガス収集機器60は、後述の制御部84が
図5に示すガス収集機器60から第1貯留槽40に向かうガスの流れを生じさせることにより、便器ボウル2Aに排出された便から発生するガスを、サンプルガスとして収集する。ガス収集機器60は、
図2に示すように、便座2Bと、便器ボウル2Aの縁部2A1との間に、設置されていてよい。例えば、ガス収集機器60は、便座2Bの裏面に配置されていてよい。この場合、ガス収集機器60の一部は、便器ボウル2Aの縁部2A1と便座2Bのクッション2B1とが当接した際、便器ボウル2Aの縁部2A1と便座2Bとの間に生じる隙間に、位置してよい。また、例えば縁部2A1と便座2Bとの間の隙間が小さい場合、ガス収集機器60の一部は、便座2Bの内部に埋め込まれていてよい。
【0034】
図2に示すガス収集機器60は、便座2Bと縁部2A1との間において、長円リング型の縁部2A1の、上面視において右側の緩やかな弧状部分に位置してよい。ただし、ガス収集機器60の便座2Bと縁部2A1との間における位置は、これに限定されない。ガス収集機器60は、便座2Bと縁部2A1との間において、長円リング型の縁部2A1の任意の箇所に位置してよい。例えば、
図3に示すように、ガス収集機器60は、長円リング型の縁部2A1の突出部分に位置してよい。例えば、
図3に示すように、ガス収集機器60は、長円リング型の縁部2A1の上面視において左側の緩やかな弧状部分に位置してよい。ガス収集機器60の位置と筐体10の位置とが離れる場合、ガス収集機器60は、筐体10内の第1貯留槽40に、樹脂製チューブ或いは金属又はガラス製配管等の管状の部材を経由して、接続されていてよい。
【0035】
ガス収集機器60は、
図4に示すように、筐体61と、流路62と、導入部63とを有する。ガス収集機器60において、導入部63が位置する側は、「前面側」ともいう。
【0036】
図4に示す筐体61は、円柱形状又は角柱形状であってよい。本実施形態では、筐体61は、円柱形状であるものとする。ただし、筐体61は、任意の形状であってよい。円柱形状の筐体61の中心軸は、「中心軸A」と記載する。上述のように、ガス収集機器60が
図2に示す便座2Bの裏面に配置されている場合、中心軸Aは、
図3に示す便座の裏面と略平行であってよい。筐体61は、任意の材料で構成されてよい。例えば、筐体61は、金属又は樹脂等の材料で構成されてよい。
【0037】
図4に示す流路62は、所定槽としての
図5に示す第1貯留槽40に接続されている。流路62は、筐体61の内部に配置されている。流路62は、導入部63に接続されている。流路62は、導入部63の第1開口63aから流入するサンプルガスを、
図5に示す第1貯留槽40に導入する。流路62は、チューブを筐体61に埋め込むことにより、構成されてよい。流路62は、流路62の中心軸が筐体61の中心軸Aと一致するように配置される。ただし、流路62は、流路62の少なくとも一部が曲がっていてよい。
【0038】
図4に示す導入部63は、サンプルガスを流路62に導入する。本実施形態では、導入部63は、
図2に示すように便座2Bと便器ボウル2Aの縁部2A1との間に位置する。導入部63は、便器ボウル2Aの内側を向く。導入部63の一部は、便座2Bの内部に埋め込まれていてよい。本実施形態では、導入部63は、
図2に示すように、便器ボウル2Aの内側へ突出しない。このような構成によって、導入部63に便及び尿等が付着することが低減され得る。導入部63は、
図4に示すように、第1開口63aと、第2開口63bと、導入面63cとを有する。
【0039】
図4に示す第1開口63aは、流路62に接続されている。第1開口63aは、開口端63a1によって囲まれる領域として特定されてよい。開口端63a1は、流路62と導入面63cとの境界である。開口端63a1は、円形状であってよい。円形状の第1開口63aの中心は、中心軸A上に位置してよい。
【0040】
図4に示す第2開口63bは、第1開口63aよりも、開口面積が大きい。第2開口63bは、開口端63b1によって囲まれる領域として特定されてよい。開口端63b1は、導入面63cと筐体61の外面との境界である。開口端63b1は、円形状であってよい。円形状の第2開口63bの直径は、円形状の第1開口63aの直径よりも、大きくてよい。円形状の第2開口63bの中心は、中心軸A上に位置してよい。
【0041】
図4に示す導入面63cは、開口端63a1と開口端63b1とを接続する。つまり、導入面63cは、第1開口63aと第2開口63bとを接続する。導入面63cは、第2開口63bから第1開口63aに向けて徐々に内径が小さくなってよい。導入面63cは、中心軸Aに垂直な面に対して、前面側に向かって角度θで傾斜してよい。ここで、流路62に導入されなかったサンプルガスは、導入面63cに沿って、中心軸Aから遠ざかる方向に流れる。導入面63cが角度θで前面側に向かって傾斜しているため、サンプルガスは、中心軸Aから遠ざかる方向で、且つ、前面側の方向に流れる。このように流れたサンプルガスは、ガス収集機器60がガスを再び吸引することにより、ガス収集機器60の方に流れ得る。このような構成により、循環流が発生する。循環流が発生することにより、本実施形態では、便から発生するガスは、例えば自然拡散によりガス収集機器60の方へ到達する場合よりも、ガス収集機器60の方へ速く到達し得る。便から発生するガスがガス収集機器60の方へ速く到達することにより、ガス収集機器60は、サンプルガスを効率良く収集することができる。また、ガス収集機器60Bは、自然拡散を利用するのではなく、循環流を利用することにより、サンプルガスを収集することができる。このような構成により、自然拡散によりサンプルガスの濃度が低下する蓋然性が低減され得る。
【0042】
図4に示す導入面63cは、中心軸Aに対して、回転対称な形状であってよい。換言すると、導入面63cの中心軸Aに沿った断面形状は、同一であってよい。このような構成によって、中心軸Aを中心とする全方位について、より均一な循環流を発生させ易くなり得る。
【0043】
図5に示すガス収集機器70は、
図1に示す便器ボウル2Aの外側にあるトイレ室内の空気を、パージガスとして収集する。ガス収集機器70は、
図2に示すように、便座2Bの外側に配置されていてよい。ガス収集機器70は、ガス収集機器60と同様の構成であってよい。この場合、ガス収集機器70は、筐体と、第2貯留槽41に接続される流路と、パージガスを当該流路に導入する導入部とを有してよい。
【0044】
図6に示す回路基板80は、電気信号が伝搬する配線、記憶部81、通信部82及び制御部84等を実装する。
【0045】
図6に示す記憶部81は、例えば、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成される。記憶部81は、各種情報、及び、ガス検出システム1を動作させるためのプログラム等を記憶する。記憶部81は、ワークメモリとして機能してよい。
【0046】
図6に示す通信部82は、
図1に示す電子機器3と通信可能である。通信部82は、外部サーバと通信可能であってよい。通信部82と電子機器3及び外部サーバとの通信において用いられる通信方式は、近距離無線通信規格又は携帯電話網へ接続する無線通信規格であってよいし、有線通信規格であってよい。近距離無線通信規格は、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、赤外線及びNFC(Near Field Communication)等を含んでよい。携帯電話網へ接続する無線通信規格は、例えば、LTE(Long Term Evolution)又は第4世代以上の移動通信システム等を含んでよい。また、通信部82と電子機器3及び外部サーバとの通信において用いられる通信方式は、例えばLPWA(Low Power Wide Area)又はLPWAN(Low Power Wide Area Network)等の通信規格でもよい。
【0047】
図6に示すセンサ部83は、画像カメラ、個人識別スイッチ、赤外線センサ及び圧力センサ等の少なくとも何れかを含んで構成されてよい。センサ部83は、検出結果を、制御部84に出力する。この他、センサ部83は、被検者を認証するための任意のセンサを含んでよい。当該センサの一例として、体重を検出する荷重センサ、座高を検出するセンサ、脈拍を検出するセンサ、血流を検出するセンサ、顔を検出するセンサ及び音声を検出するセンサ等が挙げられる。
【0048】
例えば、センサ部83は、赤外線センサを含んで構成される場合には、赤外線センサが照射した赤外線の対象物からの反射光を検出することにより、被検者がトイレ室に入室したことを検出し得る。センサ部83は、検出結果として、被検者がトイレ室に入室したことを示す信号を制御部84に出力する。
【0049】
例えば、センサ部83は、圧力センサを含んで構成される場合には、
図1に示す便座2Bにかかる圧力を検出することにより、被検者が便座2Bに座ったことを検出し得る。センサ部83は、検出結果として、被検者が便座2Bに座ったことを示す信号を制御部84に出力する。
【0050】
例えば、センサ部83は、圧力センサを含んで構成される場合には、
図1に示す便座2Bにかかる圧力の低減を検出することにより、被検者が便座2Bから立ち上がったことを検出し得る。センサ部83は、検出結果として、被検者が便座2Bから立ち上がったことを示す信号を制御部84に出力する。
【0051】
例えば、センサ部83は、画像カメラ及び個人識別スイッチ等を含んで構成される場合には、顔画像、座高及び体重等のデータを収集する。センサ部83は、収集したデータから個人を特定識別して検出する。センサ部83は、検出結果として、特定識別した個人を示す信号を制御部84に出力する。
【0052】
例えば、センサ部83は、個人識別スイッチ等を含んで構成される場合には、個人識別スイッチの操作に基づいて、個人を特定(検出)する。この場合、記憶部81には、予め個人情報が登録(記憶)されてよい。センサ部83は、検出結果として、特定した個人を示す信号を制御部84に出力する。
【0053】
図6に示す制御部84は、1以上のプロセッサを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び、特定の処理に特化した専用のプロセッサの少なくとも何れかを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部84は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、及び、SiP(System In a Package)の少なくとも何れかを含んでよい。
【0054】
制御部84は、ガス収集機器70に、
図1に示す便器ボウル2Aの外側にあるトイレ室の空気を、パージガスとして吸引させる。例えば、制御部84は、第2供給部51を制御することにより、第2貯留槽41に残留しているガスを、チャンバ30を介して排出路22から排出する。制御部84は、第2貯留槽41に残留しているガスを排出路22から排出することにより、ガス収集機器70から第2貯留槽41に向かうガスの流れを生じさせる。制御部84は、ガス収集機器70から第2貯留槽41に向かうガスの流れを生じさせることにより、ガス収集機器70にパージガスを吸引させる。
【0055】
制御部84は、ガス収集機器70にパージガスを吸引させ続けることにより、パージガスを第2貯留槽41に貯留させる。制御部84は、センサ部83の検出結果に基づいて、被検者が便座2Bから立ち上がったことを検出してから所定時間が経過した後、ガス収集機器60にパージガスを吸引させてよい。
【0056】
制御部84は、ガス収集機器70にパージガスを吸引させる際、パージガスの清浄度が高いとき、パージガスを第2貯留槽41に貯留させてよい。この場合、制御部84は、第2供給部51を制御し続けることにより、パージガスをチャンバ30に供給してよい。さらに、制御部84は、センサ部31の検出結果に基づいて、パージガスの清浄度が高いか否か判定してよい。また、ガス検出システム1は、センサ部31とは別に、パージガスの清浄度を検出する専用のセンサ部をさらに備えてよい。当該専用のセンサ部は、ガス収集機器70の内部に設けられていてよい。制御部84は、当該専用のセンサ部の検出結果に基づいて、パージガスの清浄度が高いか否か判定してよい。
【0057】
制御部84は、ガス収集機器60にサンプルガスを吸引させる。例えば、制御部84は、第1供給部50を制御することにより、第1貯留槽40に残留しているガスを、チャンバ30を介して排出路22から排出する。制御部84は、第1貯留槽40に残留しているガスを排出路22から排出することにより、ガス収集機器60から第1貯留槽40に向かうガスの流れを生じさせる。制御部84は、ガス収集機器60から第1貯留槽40に向かうガスの流れを生じさせることにより、ガス収集機器60にサンプルガスを吸引させる。
【0058】
制御部84は、ガス収集機器60にサンプルガスを吸引させることにより、第1貯留槽40にサンプルガスを貯留させる。制御部84は、センサ部83の検出結果に基づいて、被検者が便座2Bに座ったことを検出してから所定時間が経過した後、ガス収集機器60にサンプルガスを吸引させてよい。
【0059】
制御部84は、第1供給部50及び第2供給部51を制御することにより、第1貯留槽40に貯留させたサンプルガスと、第2貯留槽41に貯留させたパージガスを、交互に、チャンバ30に供給する。制御部84は、パージガスとサンプルガスを交互にチャンバ30に供給することにより、センサ部31から電圧波形を取得する。制御部84は、取得し電圧波形に基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する。例えば、制御部84は、電圧波形に対する機械学習により、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出する。制御部84は、検出したガスの種類及び濃度を、検出結果として、通信部82を介して電子機器3に送信してよい。
【0060】
このように第1実施形態に係るガス検出システム1では、ガス収集機器60の導入部63は、
図2に示すように便座2Bと便器ボウル2Aの縁部2A1との間に位置する。さらに、導入部63は、便器ボウル2Aの内側へ突出しない。このような構成によって、導入部63に便及び尿等が付着することが低減され得る。導入部63に便及び尿等が付着することが低減されることにより、導入部63から流路62を介して第1貯留槽40へサンプルガスがスムーズに収集され得る。また、導入部63に便及び尿等が付着することが低減されることにより、他人の便から発生したガスが、サンプルガスに混入する蓋然性が低減され得る。他人の便から発生したガスがサンプルガスに混入する蓋然性が低減されることにより、ガス検出システム1は、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度をより精度良く検出することができる。
【0061】
従って、第1実施形態によれば、改善された、ガス収集機器60が提供され得る。
【0062】
(第2実施形態)
図7は、本開示の第2実施形態に係るガス検出システム1Aの外観図である。
図7に示す構成は、
図2に示す上面図に相当する。ガス検出システム1Aは、1つのガス収集機器60Aを備える。ただし、ガス検出システム1Aが備えるガス収集機器60Aの数は、1つに限定されない。ガス検出システム1Aは、2つ以上のガス収集機器60Aを備えてよい。
【0063】
ガス収集機器60Aは、便座2Bの上部に位置する。ガス収集機器60Aは、便座2Bの上部において、上面視において便座2BのU字型部分の右側の緩やかな曲線部分に位置してよい。ただし、ガス収集機器60Aの便座2Bの上部における位置は、これに限定されない。
図8に、
図7に示す構成の他の例を示す一部上面図を示す。例えば、ガス収集機器60Aは、
図8に示す上面視において、便座2BのU字型部分の突出部分に位置してよい。例えば、ガス収集機器60Aは、
図8に示す上面視において、便座2BのU字型部分の左側の緩やかな曲線部分に位置してよい。ガス収集機器60Aの一部は、便座2Bの内部に埋め込まれていてよい。ガス収集機器60Aの位置と筐体10の位置とが離れる場合、ガス収集機器60Aは、筐体10内の第1貯留槽40に、樹脂製チューブ或いは金属又はガラス製配管等の管状の部材を経由して、接続されていてよい。
【0064】
図7に示すガス収集機器60Aは、
図4に示すガス収集機器60と同様に、筐体61と、流路62と、導入部63とを有する。さらに、第2実施形態に係るガス収集機器60Aは、シート部材64を有する。
【0065】
ガス収集機器60Aの導入部63は、便座2Bの上部に位置する。導入部63の一部は、便座2Bの内部に埋め込まれていてよい。導入部63は、便座2Bよりも、便器ボウル2Aの内側へ突出しない。このような構成によって、導入部63に便及び尿等が付着することが低減され得る。
【0066】
シート部材64は、ガス収集機器60の上部と便座2Bの上部との間の高さの差を埋める。シート部材64は、便座2Bの上部の、ガス収集機器60が配置される箇所を除く部分に配置されていてよい。シート部材64によってガス収集機器60の上部と便座2Bの上部との間の高さの差が埋められることにより、被検者は、違和感なく、便座2Bに着座することができる。シート部材64は、可撓性を有する樹脂部材等で構成されてよい。
【0067】
シート部材64は、ガス収集機器60Aの筐体61が剛性を有する場合、ガス収集機器60Aの上面を覆ってよい。この場合、シート部材64は、可撓性を有する材料で構成されてよい。
【0068】
第2実施形態に係るガス収集機器60Aのその他の構造及び効果は、第1実施形態に係るガス収集機器60の構成及び効果と同様である。
【0069】
(第3実施形態)
図9は、本開示の第3実施形態に係るガス収集機器60Bの一部断面図である。
【0070】
ガス収集機器60Bは、
図1に示すガス検出システム1に採用されてもよいし、
図7に示すガス検出システム1Aに採用されてもよい。ガス収集機器60Bは、筐体61と、流路62と、導入部63と、送風機65とを有する。
【0071】
送風機65は、導入部63に対向する。つまり、送風機65は、筐体61の前面側に配置される。送風機65は、導入部63にサンプルガスを送風可能である。筐体61から送風機65までの距離は、適宜調整されてよい。
【0072】
送風機65は、ファン、及び、当該ファンを駆動させる機構を含んで構成されてよい。ファンは、多翼ファンであってよい。ファンを駆動させる機構は、ファンを回転させるモータと、ファンを保護するケーシングと、ファンの回転の中心となる回転軸とを含んでよい。送風機65は、上述の
図6に示す制御部84の制御に基づいて、モータを駆動させることにより、ファンを回転させ得る。送風機65は、ファンが回転軸を中心に回転することにより、前面側のサンプルガスを筐体61の方へ送風することができる。送風機65は、その外形と同等の送風領域を有した風を送る事ができる。
【0073】
送風機65が前面側のサンプルガスを筐体61の方へ送風することにより、サンプルガスは、導入部63の第1開口63aの近傍に引き込まれ得る。第1開口63aの近傍に引き込まれたサンプルガスのうち、流路62に流入しなかったサンプルガスは、送風機65によって、導入面63cに吹き付けられ得る。サンプルガスが送風機65によって導入面63cに吹き付けられることにより、上述の循環流がより発生し易くなり得る。循環流がより発生し易くなることにより、便から発生するガスは、ガス収集機器60Bの方へ、速やかに引き寄せられ得る。便から発生するガスがガス収集機器60Bの方へ速やかに引き寄せられることにより、その濃度が低下する蓋然性が低減され得る。便から発生するガスの濃度が低下する蓋然性が低減させることにより、ガス収集機器60Bは、高濃度のサンプルガスを収集することができる。
【0074】
送風機65は、送風機65のファンの回転軸が第1開口63aの中心と一致するように配置されていてよい。つまり、送風領域の中央と第1開口63aの中心とが一致するように、送風機65は、配置されていてよい。
図9に示す例では、送風機65のファンの回転軸が中心軸Aと一致するように、送風機65が配置されている。このような構成により、送風機65により送風されたサンプルガスが、導入部63の第1開口63aから流路62に導入され易くなり得る。
【0075】
送風機65は、第1開口63aよりも大きくてよい。つまり、送風領域は、第1開口63aよりも大きくてよい。換言すると、筐体61の前面側から視て、送風機65が占める面積は、第1開口63aが占める面積より大きくてよい。送風機65を第1開口63aよりも大きくすることにより、循環流によってガス収集機器60Bへ流れるガスのうち、中心部の高濃度のサンプルガスが効率的に第1開口63aに引き寄せられ得る。このような構成により、ガス収集機器60Bは、高濃度のサンプルガスを収集することができる。
【0076】
送風機65は、第2開口63bよりも小さくてもよい。換言すると、筐体61の前面側から視て、送風機65が占める面積は、第2開口63bが占める面積よりも小さくてもよい。
【0077】
第3実施形態に係るガス収集機器60Bのその他の構造及び効果は、第1実施形態に係るガス収集機器60の構成及び効果と同様である。
【0078】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは、分割したりすることが可能である。
【0079】
例えば、上述の実施形態では、
図4及び
図9に示すように、流路62の中心軸は、中心軸Aと一致するものとして説明した。ただし、流路62の中心軸は、中心軸Aと一致しなくてよい。また、
図4及び
図9に示すように、第1開口63aの中心は、中心軸A上に位置するものとして説明した。ただし、第1開口63aの中心は、中心軸A上に位置しなくてよい。また、
図9に示すように、送風機65のファンの回転軸が第1開口63aの中心と一致するものとして説明した。ただし、送風機65のファンの回転軸は、第1開口63aの中心と一致しなくてよい。
【0080】
例えば、上述の実施形態では、
図4及び
図9に示す中心軸Aは、
図2に示す便座2Bの裏面と略平行であるものとして説明した。ただし、中心軸Aは、
図2に示す便座2Bの裏面と略平行でなくてよい。例えば、
図10に示すように、中心軸Aは、便90が便器ボウル2Aにおいて位置すると想定される方向に向けて、傾けられていてよい。便90は、便器ボウル2Aの底部に位置し得る。
【0081】
例えば、上述の実施形態では、
図6に示すように、ガス検出システム1は、1つの装置であるものとして説明した。ただし、本開示のガス検出システムは、1つの装置に限定されず、独立した複数の装置を含んでよい。本開示のガス検出システムは、例えば、
図11に示すような構成であってよい。
【0082】
図11に示すガス検出システム1Bは、ガス検出装置4と、サーバ装置5とを備える。ガス検出装置4とサーバ装置5は、ネットワーク6を介して通信可能である。ネットワーク6の一部は、有線であってよいし、無線であってよい。ガス検出装置4の構成は、
図5及び
図6に示すガス検出システム1の構成と同様である。サーバ装置5は、記憶部5Aと、通信部5Bと、制御部5Cとを備える。制御部5Cは、上述した
図6に示す制御部84の処理を実行可能である。例えば、制御部5Cは、
図5に示すセンサ部31が出力する電圧波形を、通信部5B及びネットワーク6を経由して、取得し得る。さらに、制御部5Cは、当該電圧波形に基づいて、サンプルガスに含まれるガスの種類及び濃度を検出し得る。
【0083】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1供給部は、第2供給部と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【符号の説明】
【0084】
1,1A,1B ガス検出システム
2 便器
2A 便器ボウル
2A1 縁部
2B 便座
2B1 クッション
3 表示装置
3A 表示部
4 ガス検出装置
5 サーバ装置
5A 記憶部
5B 通信部
5C 制御部
6 ネットワーク
10 筐体
20,21 流路
22 排出路
30 チャンバ
31 センサ部
40 第1貯留槽(所定槽)
41 第2貯留槽
50 第1供給部
51 第2供給部
60,60A,60B ガス収集機器
61 筐体
62 流路
63 導入部
63a 第1開口
63b 第2開口
63c 導入面
63a1,63b1 開口端
64 シート部材
65 送風機
70 ガス収集機器
80 回路基板
81 記憶部
82 通信部
83 センサ部
84 制御部
90 便