(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010392
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】集配管理方法、集配管理システム、プログラムおよびプログラム記憶媒体。
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240117BHJP
G06Q 50/50 20240101ALI20240117BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q50/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】69
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111708
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 淳
(72)【発明者】
【氏名】下遠 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC45
(57)【要約】
【課題】
集配管理業務の遂行に際して、極度に高度(重厚、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性(スピード、正確さ)を有して、状況把握・方針決断・調整等を可能にすることである。
【解決手段】
集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰して、その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う集配管理方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰して、その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う集配管理方法。
【請求項2】
前記集配対象体は、郵便物、貨物および人間のうちの一部または全部を含む、請求項1に記載の集配管理方法。
【請求項3】
前記集配管理領域は、集配センター、倉庫、会議室、開演場、体育館、サービスエリア、船着き場および飛行場のうちの一部または全部を含む、請求項1または2に記載の集配管理方法。
【請求項4】
前記管理対象体の一部または全部は、前記集配対象体の一部または全部である、請求項1に記載の集配管理方法。
【請求項5】
前記管理対象体の一部または全部は、前記集配対象体を運輸可能な集配運輸体である、請求項1に記載の集配管理方法。
【請求項6】
前記集配運輸体の一部または全部は、自転車、バイク、一般車、トラック、船、飛行機、歩行者、かご車、カート、パック体、トランクおよびコンテナのうちの一種である、請求項5に記載の集配管理方法。
【請求項7】
集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰する俯瞰工程と、
その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う集配管理工程と、
を有する、集配管理方法。
【請求項8】
前記俯瞰工程は、
前記運行状況を撮像する撮像工程
を有する、請求項7に記載の集配管理方法。
【請求項9】
前記俯瞰工程は、
前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成工程
をさらに有する、請求項8に記載の集配管理方法。
【請求項10】
前記集配管理工程は、
前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成工程
を有する、請求項8に記載の集配管理方法。
【請求項11】
前記俯瞰結果作成工程は、
前記撮像による画像歪を補正する画像歪補正工程
を有する、請求項9に記載の集配管理方法。
【請求項12】
前記俯瞰結果作成工程は、
前記撮像による画像歪を補正する画像歪補正工程
を有する、請求項10に記載の集配管理方法。
【請求項13】
前記俯瞰結果作成工程は、
前記運行状況の撮像結果に基づいて運行中の管理対象体の数を推定する管理対象体数推定工程
を有する、請求項9~12のいずれか1に記載の集配管理方法。
【請求項14】
前記管理対象体数推定工程は、
前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出工程と、
前記輪郭内を前記管理対象体単位のマッピング領域に区画割するマッピング工程と、
前記マッピング領域のそれぞれ毎に、所定のフィルタにより前記管理対象体の充足および/または不足を示す占有状況を検出する領域占有検出工程と、
各マッピング領域の前記占有状況に基づいて、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得工程と、
を有する、請求項13に記載の集配管理方法。
【請求項15】
前記管理対象体数推定工程は、
前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出工程と、
前記輪郭内に進入してきた前記管理対象体内に規定した注目点について、定期的に位置情報を検出する管理対象体位置検出工程と、
観測時点における前記輪郭内に存在する前記注目点の数を前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得工程と、
を有する、請求項13に記載の集配管理方法。
【請求項16】
前記俯瞰結果作成工程は、
前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出工程と、
前記輪郭内での前記管理対象体の充填状況を取得する充填状況取得工程と、
を有する、請求項9~12のいずれか1に記載の集配管理方法。
【請求項17】
前記充填状況取得工程は、
前記充填状況として、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得工程
を有する、請求項16に記載の集配管理方法。
【請求項18】
前記充填状況取得工程は、
前記管理対象体の存在により占有する管理対象体存在領域の面積を管理対象体存在面積とし、そのうちの前記輪郭内での占有領域を輪郭内占有領域とし、その輪郭内占有領域の面積である管理対象体占有面積を取得する管理対象体占有面積取得工程
を有する、請求項16に記載の集配管理方法。
【請求項19】
前記管理対象体占有面積取得工程は、
前記輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割するマッピング工程と、
前記管理対象体の少なくとも一部が存在する前記マッピング領域のそれぞれ毎に、前記輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得するマッピング領域毎占有面積取得工程と、
前記マッピング領域の全てのマッピング領域毎占有面積の総和を、前記管理対象体占有面積として取得する総和占有面積取得工程と、
を有する、請求項18に記載の集配管理方法。
【請求項20】
前記充填状況取得工程は、
前記管理対象体存在領域についての基準面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得工程
をさらに有する、請求項18に記載の集配管理方法。
【請求項21】
前記充填状況取得工程は、
前記輪郭内全面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、管理対象体占有面積比として取得する管理対象体占有面積比取得工程
をさらに有する、請求項18に記載の集配管理方法。
【請求項22】
前記充填状況取得工程は、
前記管理対象体の形状、前記管理対象体の面積、前記管理対象体の単位数量、前記管理対象体の俯瞰像である管理対象体俯瞰像、複数の前記管理対象体の俯瞰像の複合である管理対象体複合俯瞰像、前記管理対象体俯瞰像に対応する前記充填状況、および、前記管理対象体複合俯瞰像に対応する前記充填状況、のうちの少なくとも1を含む管理対象体形態を取得する管理対象体形態取得工程
をさらに有する、請求項16に記載の集配管理方法。
【請求項23】
前記管理対象体形態取得工程は、
深層学習により前記管理対象体形態を取得する深層学習工程
を有する、請求項22に記載の集配管理方法。
【請求項24】
前記俯瞰結果作成工程は、
シングルボードコンピュータを利用して実施される、
請求項9または10に記載の集配管理方法。
【請求項25】
前記集配管理工程は、
取得した前記俯瞰結果を報知する俯瞰結果報知工程
を有する、請求項7に記載の集配管理方法。
【請求項26】
前記俯瞰結果報知工程は、
前記俯瞰結果を表示する俯瞰結果表示工程、および、
前記俯瞰結果をポップ報知する俯瞰結果ポップ報知工程、
の少なくとも一方を有する、請求項25に記載の集配管理方法。
【請求項27】
前記俯瞰結果報知工程は、
個別のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、大画面スクリーンインタフェースおよびカーナビゲーションの少なくとも1に対して、前記俯瞰結果の報知を行う個別報知工程
を有する、請求項25に記載の集配管理方法。
【請求項28】
前記俯瞰結果報知工程は、
公衆が確認可能に前記俯瞰結果を報知する公衆報知工程
を有する、請求項25に記載の集配管理方法。
【請求項29】
前記俯瞰結果報知工程は、
前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類して表示する分類表示工程、および、
前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類してポップ報知する分類ポップ報知工程、
の少なくとも一方を有する、請求項25に記載の集配管理方法。
【請求項30】
前記分類表示工程および前記分類ポップ報知工程の前記少なくとも一方は、
前記所定の複数種の形態として、前記俯瞰結果の一部または全部に、複数種の色、複数種の網掛け装飾、複数種の囲い装飾、複数種の音、およびこれらの複数種の組み合わせのうちの少なくとも1種を利用する、請求項29に記載の集配管理方法。
【請求項31】
前記分類表示工程および前記分類ポップ報知工程の前記少なくとも一方は、
前記所定の複数種の形態として、安全、要注意および危険のうちの少なくとも1を示す形態を含む、請求項29に記載の集配管理方法。
【請求項32】
集配管理工程は、
前記集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うWEB連携工程
を有する、請求項7に記載の集配管理方法。
【請求項33】
前記集配対象体はスライドシューであり、
前記集配管理領域は前記スライドシューを備えたソータであり、
前記管理対象体はひびの入ったスライドシューであり、
前記運行状況は前記ひびの入ったスライドシューのひび状況であり、
前記集配管理業務として、前記ひびの入ったスライドシューの抽出、排除および修理のうちの少なくとも1を行う、
請求項1または7に記載の集配管理方法。
【請求項34】
前記集配対象体は搬送予定の物品であり、
前記集配管理領域は棚上であり、
前記管理対象体は前記棚上の前記物品であり、
前記運行状況はピッキング状態であり、
前記集配管理業務として、指定されたものと異なるものの検出を行う、
請求項1または7に記載の集配管理方法。
【請求項35】
前記集配対象体は棚および/または作業人員であり、
前記集配管理領域は作業エリアであり、
前記管理対象体は前記集配対象体と同一または異なる棚および/または作業人員であり、
前記運行状況は混雑率および/または作業効率であり、
前記集配管理業務として、前記管理対象体の再配置を行う、
請求項1または7に記載の集配管理方法。
【請求項36】
前記集配対象体は搬送物であり、
前記集配管理領域は空港のコンベアであり、
前記管理対象体は前記空港のコンベア上の搬送物であり、
前記運行状況は異常な形状および/またはサイズであり、
前記集配管理業務として、搬送物の搬送作業を行う、
請求項1または7に記載の集配管理方法。
【請求項37】
集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰する俯瞰手段と、
その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う集配管理手段と、
を有する、集配管理システム。
【請求項38】
前記俯瞰手段は、
前記運行状況を撮像する撮像手段
を有する、請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項39】
前記俯瞰手段は、
前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成手段
をさらに有する、請求項38に記載の集配管理システム。
【請求項40】
前記集配管理手段は、
前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成手段
を有する、請求項38に記載の集配管理システム。
【請求項41】
前記俯瞰結果作成手段は、
前記撮像による画像歪を補正する画像歪補正手段
を有する、請求項39に記載の集配管理システム。
【請求項42】
前記俯瞰結果作成手段は、
前記撮像による画像歪を補正する画像歪補正手段
を有する、請求項40に記載の集配管理システム。
【請求項43】
前記俯瞰結果作成手段は、
前記運行状況の撮像結果に基づいて運行中の管理対象体の数を推定する管理対象体数推定手段
を有する、請求項39~42のいずれか1に記載の集配管理システム。
【請求項44】
前記管理対象体数推定手段は、
前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出手段と、
前記輪郭内を前記管理対象体単位のマッピング領域に区画割するマッピング手段と、
前記マッピング領域のそれぞれ毎に、所定のフィルタにより前記管理対象体の充足および/または不足を示す占有状況を検出する領域占有検出手段と、
各マッピング領域の前記占有状況に基づいて、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得手段と、
を有する、請求項43に記載の集配管理システム。
【請求項45】
前記管理対象体数推定手段は、
前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出手段と、
前記輪郭内に進入してきた前記管理対象体内に規定した注目点について、定期的に位置情報を検出する管理対象体位置検出手段と、
観測時点における前記輪郭内に存在する前記注目点の数を前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得手段と、
を有する、請求項43に記載の集配管理システム。
【請求項46】
前記俯瞰結果作成手段は、
前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出手段と、
前記輪郭内での前記管理対象体の充填状況を取得する充填状況取得手段と、
を有する、請求項39~42のいずれか1に記載の集配管理システム。
【請求項47】
前記充填状況取得手段は、
前記充填状況として、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得手段
を有する、請求項46に記載の集配管理システム。
【請求項48】
前記充填状況取得手段は、
前記管理対象体の存在により占有する管理対象体存在領域の面積を管理対象体存在面積とし、そのうちの前記輪郭内での占有領域を輪郭内占有領域とし、その輪郭内占有領域の面積である管理対象体占有面積を取得する管理対象体占有面積取得手段
を有する、請求項46に記載の集配管理システム。
【請求項49】
前記管理対象体占有面積取得手段は、
前記輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割するマッピング手段と、
前記管理対象体の少なくとも一部が存在する前記マッピング領域のそれぞれ毎に、前記輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得するマッピング領域毎占有面積取得手段と、
前記マッピング領域の全てのマッピング領域毎占有面積の総和を、前記管理対象体占有面積として取得する総和占有面積取得手段と、
を有する、請求項48に記載の集配管理システム。
【請求項50】
前記充填状況取得手段は、
前記管理対象体の形状、前記管理対象体の面積、前記管理対象体の単位数量、前記管理対象体の俯瞰像である管理対象体俯瞰像、複数の前記管理対象体の俯瞰像の複合である管理対象体複合俯瞰像、前記管理対象体俯瞰像に対応する前記充填状況、および、前記管理対象体複合俯瞰像に対応する前記充填状況、のうちの少なくとも1を含む管理対象体形態を取得する管理対象体形態取得手段
をさらに有する、請求項45~49のいずれか1に記載の集配管理システム。
【請求項51】
前記充填状況取得手段は、
前記輪郭内全面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、管理対象体占有面積比として取得する管理対象体占有面積比取得手段
をさらに有する、請求項48に記載の集配管理システム。
【請求項52】
前記充填状況取得手段は、
前記管理対象体の形状、面積および単位数量のうちの少なくとも1を含む管理対象体形態を取得する管理対象体形態取得手段
をさらに有する、請求項46に記載の集配管理システム。
【請求項53】
前記管理対象体形態取得手段は、
深層学習により前記管理対象体形態を取得する深層学習手段
を有する、請求項52に記載の集配管理システム。
【請求項54】
前記俯瞰結果作成手段は、
シングルボードコンピュータを利用して実施される、
請求項39または40に記載の集配管理システム。
【請求項55】
前記集配管理手段は、
取得した前記俯瞰結果を報知する俯瞰結果報知手段
を有する、請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項56】
前記俯瞰結果報知手段は、
前記俯瞰結果を表示する俯瞰結果表示手段、および、
前記俯瞰結果をポップ報知する俯瞰結果ポップ報知手段、
の少なくとも一方を有する、請求項55に記載の集配管理システム。
【請求項57】
前記俯瞰結果報知手段は、
個別のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、大画面スクリーンインタフェースおよびカーナビゲーションの少なくとも1に対して、前記俯瞰結果の報知を行う個別報知手段
を有する、請求項55に記載の集配管理システム。
【請求項58】
前記俯瞰結果報知手段は、
公衆が確認可能に前記俯瞰結果を報知する公衆報知手段
を有する、請求項55に記載の集配管理システム。
【請求項59】
前記俯瞰結果報知手段は、
前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類して表示する分類表示手段、および、
前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類してポップ報知する分類ポップ報知手段、
の少なくとも一方を有する、請求項55に記載の集配管理システム。
【請求項60】
前記分類表示手段および前記分類ポップ報知手段の前記少なくとも一方は、
前記所定の複数種の形態として、前記俯瞰結果の一部または全部に、複数種の色、複数種の網掛け装飾、複数種の囲い装飾、複数種の音、およびこれらの複数種の組み合わせのうちの少なくとも1種を利用する、請求項59に記載の集配管理システム。
【請求項61】
前記分類表示手段および前記分類ポップ報知手段の前記少なくとも一方は、
前記所定の複数種の形態として、安全、要注意および危険のうちの少なくとも1を示す形態を含む、請求項59に記載の集配管理システム。
【請求項62】
集配管理手段は、
前記集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うWEB連携手段
を有する、請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項63】
前記集配対象体はスライドシューであり、
前記集配管理領域は前記スライドシューを備えたソータであり、
前記管理対象体はひびの入ったスライドシューであり、
前記運行状況は前記ひびの入ったスライドシューのひび状況であり、
前記集配管理業務として、前記ひびの入ったスライドシューの抽出、排除および修理のうちの少なくとも1を行う、
請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項64】
前記集配対象体は搬送予定の物品であり、
前記集配管理領域は棚上であり、
前記管理対象体は前記棚上の前記物品であり、
前記運行状況はピッキング状態であり、
前記集配管理業務として、指定されたものと異なるものの検出を行う、
請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項65】
前記集配対象体は棚および/または作業人員であり、
前記集配管理領域は作業エリアであり、
前記管理対象体は前記集配対象体と同一または異なる棚および/または作業人員であり、
前記運行状況は混雑率および/または作業効率であり、
前記集配管理業務として、前記管理対象体の再配置を行う、
請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項66】
前記集配対象体は搬送物であり、
前記集配管理領域は空港のコンベアであり、
前記管理対象体は前記空港のコンベア上の搬送物であり、
前記運行状況は異常な形状および/またはサイズであり、
前記集配管理業務として、搬送物の搬送作業を行う、
請求項37に記載の集配管理システム。
【請求項67】
プログラムで稼働可能な集配管理システムに、請求項1に記載の集配管理方法を実行させるプログラム。
【請求項68】
請求項37に記載の集配管理システムに、請求項7に記載の集配管理方法を実行させるプログラム。
【請求項69】
請求項67または68に記載のプログラムを、同一請求項に記載の集配管理システムにより利用可能に記憶するプログラム記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集配管理方法、集配管理システム、プログラムおよびプログラム記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
集配対象体を収集・分類・分配する集配管理業務を行う集配管理領域においては、集配対象体の最大数やその時系列変化を予測して、事前手配等を調整することが難しい場合がある。
【0003】
ここで、集配とは、原理的には「あつめることとくばること」を意味し、集配対象体は、一般的には郵便物や貨物などの人間(人物)以外を指す。ただし、ここでは、任意の1の領域は、外部の領域と属性の境界(以下「輪郭」)で区別可能な領域を指すものとするので、集配管理領域には、会社や工場等の場合の人事データ等で人員を収集・分類・分配する人事管理領域等の抽象領域も含み、このため、集配対象体には、人事等で収集・分類・分配の対象となり得る「社員」「工員」すなわち「人間」も含む。
【0004】
また、集配対象体は、集配運輸体の運輸力により集配管理領域に集まり、または各地に散っていくが、ここでの集配運輸体には、自転車、バイク、一般車、トラック、船、飛行機等の他、人が「徒歩」で集まる場合の「歩行(本人)」、集配対象体をまとめて運ぶために使用される「かご車」、「カート」等、集配対象体を包んで運べる「パック体」、梱包して運べるトランク等やコンテナ等、などが含まれる。このため、集配管理領域には、いわゆる「集配センター」等の他、集合場所となる社内の会議室、開演場(体育館等)、サービスエリア、船着き場、飛行場等が含まれる。
【0005】
また、集配管理領域において、集配管理の対象となる管理対象体には、集配対象体や集配運輸体の他、前述のかご車、パック体、カート、トランク、コンテナ等が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、次のようなケースを考える。集配センター(広義での集配管理領域)にて、貨物トラック(集配運輸体)により、宅配物(集配対象体)を集め、その宅配物(集配対象体)を一旦かご車(管理対象体)に搭載して、集配管理業務を行う場所(倉庫等:狭義での集配管理領域)に集め、集配管理業務により、宅配物(集配対象体)を収集・分類した後、配送先に対応する貨物トラック(集配運輸体)用のかご車(管理対象体)に積み替えて、貨物トラック(集配運輸体)により配送先の各地に配送する。
【0008】
このケースの場合、集配センター(広義での集配管理領域)の倉庫等(狭義での集配管理領域)には、毎日大量の荷物が、トラック(集配運輸体)に積まれて集荷され、分別された後に、各地に配送されている。このような状況では、宅配物(集配対象体)がいつ最大数に達するか不明のため、時系列変化を予測して、トラックドライバを事前手配するなどの、集配の調整が難しい場合がある。
【0009】
例えばこれらの調整を完全に人手で行うとすれば、その状況把握や方針決断等における人件費の高さや、スピードや正確さの欠落などが問題となる。かと言って、宅配物(集配対象体)の種類、大きさ、配送先等は、個別様々なので、これらを高度な完全性・実効性を有して実行するためのシステムを構築するのでは、対費用効果(コストパフォーマンス)の低さなどが問題となる。そして、これらの問題は、このケースに限らず、多くの集配管理業務に共通する問題となっている。
【0010】
本発明の目的は、集配管理業務の遂行に際して、極度に高度(重厚、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性(スピード、正確さ)を有して、状況把握・方針決断・調整等を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1の態様の集配管理方法では、集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰して、その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う。
【0012】
また、この態様のプログラムは、プログラムで稼働可能な集配管理システムに、上述の集配管理方法を実行させる。
【0013】
また、この態様のプログラム記憶媒体は、上述の態様のプログラムを、集配管理システムにより利用可能に記憶する。
【0014】
この態様の集配管理方法では、またはこの態様のプログラム若しくはプログラム記憶媒体によれば、集配対象体を収集・分類・分配する集配管理業務を行うに際して、管理対象体の集配管理領域での運行状況を俯瞰すれば良い。
【0015】
ここで俯瞰(ふかん)とは、広い視野で全体を把握すること、すなわち全体の概要を把握することであり、精密・正確な運行状況でなくても良く、例えば、「まだまだ『安全』」、「危険が近づき『要注意』」、「非常事態発生で『危険』」など、人間の感覚に近い大まかな状況の把握を意味する。
【0016】
このため、極度に高度(重厚、高速、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性(スピード、正確さ)を有して、状況把握・方針決断・調整等が可能になる。
【0017】
なお、プログラム若しくはプログラム記憶媒体としては、FD(フロッピーディスク)等の磁気メディア系、CD、DVD、Blu-ray(ブルーレイ)(登録商標)等の光ディスク系、USBメモリやSDカード等のメモリメディア系、HDD、SSD等のメモリディスク系などの物品として流通・販売可能なものだけでなく、いわゆるWEB等からダウンロード販売等されるデータファイル等の形態のものも含む。
【0018】
好ましい態様によれば、前記集配対象体は、郵便物、貨物および人間のうちの一部または全部を含むので、集配対象体が、郵便物の場合、郵便物の集配管理に利用できる。また、貨物の場合、一般的な宅配便や、家具等を含む家庭用の工業製品、商業製品の他、工場や代理店向けのそれらの部品等を貨物として、それらの集配管理に利用できる。また、人間の場合、会社や工場等を集配管理領域として、「社員」「工員」等の人(集配対象体)の配置に利用できる。
【0019】
好ましい態様によれば、前記集配管理領域は、集配センター、倉庫、会議室、開演場、体育館、サービスエリア、船着き場および飛行場のうちの一部または全部を含むので、これらを集配管理領域とする集配管理に利用できる。
【0020】
好ましい態様によれば、前記管理対象体の一部または全部は、前記集配対象体の一部または全部であるので、管理対象体となっている集配対象体自体を管理対象として集配管理に利用できる。
【0021】
好ましい態様によれば、前記管理対象体の一部または全部は、前記集配対象体を運輸可能な集配運輸体であるので、管理対象体となっている集配運輸体により集配対象体を運輸して管理対象として、集配管理に利用できる。
【0022】
好ましい態様によれば、前記集配運輸体の一部または全部は、自転車、バイク、一般車、トラック、船、飛行機、歩行者、かご車、カート、パック体、トランクおよびコンテナのうちの一種であるので、これらを集配運輸体として集配対象体を運輸して管理対象として、集配管理に利用できる。
【0023】
本発明の別の1の態様の集配管理方法では、集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰する俯瞰工程と、その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う集配管理工程と、を有する。
【0024】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムは、集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、前記集配対象体に対応する管理対象体の前記集配管理領域での運行状況を俯瞰する俯瞰手段と、その俯瞰結果に基づいて前記集配管理業務を行う集配管理手段と、を有する。
【0025】
また、この態様のプログラムは、上述の態様の集配管理システムに、上述の態様の集配管理方法を実行させる。
【0026】
また、この態様のプログラム記憶媒体は、上述の態様のプログラムを、上述の態様の集配管理システムにより利用可能に記憶する。
【0027】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、またはこの態様のプログラム若しくはプログラム記憶媒体によれば、集配対象体を収集・分類・分配する集配管理業務を行うに際して、管理対象体の集配管理領域での運行状況を俯瞰し、その結果に基づいて集配管理をすれば良いので、極度に高度な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性を有して、状況把握・方針決断・調整等が可能になる。
【0028】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰工程は、前記運行状況を撮像する撮像工程を有する。
【0029】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰手段は、前記運行状況を撮像する撮像手段を有する。
【0030】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、管理対象体の集配管理領域での運行状況を撮像するので、後の集配管理業務のために撮像結果を利用できる。
【0031】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰工程は、前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成工程をさらに有する。
【0032】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰手段は、前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成手段をさらに有する。
【0033】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、俯瞰手段による俯瞰工程側でで、俯瞰結果作成手段による俯瞰結果作成工程を行うので、集配管理手段による集配管理工程前に、後の集配管理業務のための準備を整えることができる。
【0034】
また、好ましい態様によれば、前記集配管理工程は、前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成工程を有する。
【0035】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記集配管理手段は、前記撮像に基づく前記俯瞰結果を作成する俯瞰結果作成手段を有する。
【0036】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、集配管理手段による集配管理工程側で、俯瞰結果作成手段による俯瞰結果作成工程を行うので、俯瞰手段による俯瞰工程側での俯瞰結果作成のための負荷を軽減しつつ、後の集配管理業務のための準備を整えることができる。
【0037】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果作成工程は、前記撮像による画像歪を補正する画像歪補正工程を有する。
【0038】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果作成手段は、前記撮像による画像歪を補正する画像歪補正手段を有する。
【0039】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、俯瞰結果作成手段による俯瞰結果作成工程において、前記撮像による画像歪を補正するので、後の集配管理業務のための準備に画像歪が補正された画像を利用できる。
【0040】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果作成工程は、前記運行状況の撮像結果に基づいて運行中の管理対象体の数を推定する管理対象体数推定工程を有する。
【0041】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果作成手段は、前記運行状況の撮像結果に基づいて運行中の管理対象体の数を推定する管理対象体数推定手段を有する。
【0042】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、運行状況の撮像結果に基づいて運行中の管理対象体の数を推定する(管理対象体数推定工程・手段)ので、後の集配管理業務のために、推定した管理対象体の数を利用できる。
【0043】
また、好ましい態様によれば、前記管理対象体数推定工程は、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出工程と、前記輪郭内を前記管理対象体単位のマッピング領域に区画割するマッピング工程と、前記マッピング領域のそれぞれ毎に、所定のフィルタにより前記管理対象体の充足および/または不足を示す占有状況を検出する領域占有検出工程と、各マッピング領域の前記占有状況に基づいて、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得工程と、を有する。
【0044】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記管理対象体数推定手段は、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出手段と、前記輪郭内を前記管理対象体単位のマッピング領域に区画割するマッピング手段と、前記マッピング領域のそれぞれ毎に、所定のフィルタにより前記管理対象体の充足および/または不足を示す占有状況を検出する領域占有検出手段と、各マッピング領域の前記占有状況に基づいて、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得手段と、を有する。
【0045】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、前記輪郭内を前記管理対象体単位のマッピング領域に区画割し(マッピング工程・手段)、前記マッピング領域のそれぞれ毎に、所定のフィルタにより前記管理対象体の充足および/または不足を示す占有状況を検出し(領域占有検出工程・手段)、各マッピング領域の前記占有状況に基づいて、前記管理対象体の数を取得する(管理対象体数取得工程・手段)ので、その管理対象体の数を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0046】
また、好ましい態様によれば、前記管理対象体数推定工程は、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出工程と、前記輪郭内に進入してきた前記管理対象体内に規定した注目点について、定期的に位置情報を検出する管理対象体位置検出工程と、観測時点における前記輪郭内に存在する前記注目点の数を前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得工程と、を有する。
【0047】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記管理対象体数推定手段は、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出手段と、前記輪郭内に進入してきた前記管理対象体内に規定した注目点について、定期的に位置情報を検出する管理対象体位置検出手段と、観測時点における前記輪郭内に存在する前記注目点の数を前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得手段と、を有する。
【0048】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、管理対象体が進入する集配管理領域の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、輪郭内に進入してきた管理対象体内に規定した注目点について、定期的に位置情報を検出し(管理対象体位置検出工程・手段)、観測時点における輪郭内に存在する注目点の数を管理対象体の数として取得して(管理対象体数取得工程・手段)、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。ここで、注目点の位置情報は、管理対象体の形状により中心または重心等の位置、人事なら人事配置情報での配属先等が該当し得る。
【0049】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果作成工程は、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出工程と、前記輪郭内での前記管理対象体の充填状況を取得する充填状況取得工程と、を有する。
【0050】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果作成手段は、前記管理対象体が進入する前記集配管理領域の輪郭を検出する領域輪郭検出手段と、前記輪郭内での前記管理対象体の充填状況を取得する充填状況取得手段と、を有する。
【0051】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、管理対象体が進入する集配管理領域の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、輪郭内での管理対象体の充填状況を取得する(充填状況取得工程・手段)ので、その充填状況の情報を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0052】
また、好ましい態様によれば、前記充填状況取得工程は、前記充填状況として、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得工程を有する。
【0053】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記充填状況取得手段は、前記充填状況として、前記管理対象体の数を取得する管理対象体数取得手段を有する。
【0054】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、充填状況として、管理対象体の数を取得する(管理対象体数取得工程・手段)ので、管理対象体の充填状況として管理対象体の数を取得して、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0055】
また、好ましい態様によれば、前記充填状況取得工程は、前記管理対象体の存在により占有する管理対象体存在領域の面積を管理対象体存在面積とし、そのうちの前記輪郭内での占有領域を輪郭内占有領域とし、その輪郭内占有領域の面積である管理対象体占有面積を取得する管理対象体占有面積取得工程を有する。
【0056】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記充填状況取得手段は、前記管理対象体の存在により占有する管理対象体存在領域の面積を管理対象体存在面積とし、そのうちの前記輪郭内での占有領域を輪郭内占有領域とし、その輪郭内占有領域の面積である管理対象体占有面積を取得する管理対象体占有面積取得手段を有する。
【0057】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、管理対象体の存在により占有する管理対象体存在領域のうちの輪郭内での占有領域を輪郭内占有領域として、輪郭内占有領域の面積である管理対象体占有面積を取得する(管理対象体占有面積取得工程・手段)ので、管理対象体の充填状況として管理対象体占有面積を取得して、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0058】
また、好ましい態様によれば、前記管理対象体占有面積取得工程は、前記輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割するマッピング工程と、前記管理対象体の少なくとも一部が存在する前記マッピング領域のそれぞれ毎に、前記輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得するマッピング領域毎占有面積取得工程と、前記マッピング領域の全てのマッピング領域毎占有面積の総和を、前記管理対象体占有面積として取得する総和占有面積取得工程と、を有する。
【0059】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記管理対象体占有面積取得手段は、前記輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割するマッピング手段と、前記管理対象体の少なくとも一部が存在する前記マッピング領域のそれぞれ毎に、前記輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得するマッピング領域毎占有面積取得手段と、前記マッピング領域の全てのマッピング領域毎占有面積の総和を、前記管理対象体占有面積として取得する総和占有面積取得手段と、を有する。
【0060】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割し(マッピング工程・手段)、管理対象体の少なくとも一部が存在するマッピング領域のそれぞれ毎に、輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得し(マッピング領域毎占有面積取得工程・手段)、マッピング領域の全てのマッピング領域毎占有面積の総和を、管理対象体占有面積として取得する(総和占有面積取得工程・手段)ので、全体が混雑していない場合等では計算量を少なくでき、システム全体の処理の高速化や効率化を図れる可能性があり、管理対象体の充填状況に基づく、その後の集配管理業務のための運用状況として有効に利用できる。
【0061】
また、好ましい態様によれば、前記充填状況取得工程は、前記管理対象体存在領域についての基準面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得工程をさらに有する。
【0062】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記充填状況取得手段は、前記管理対象体存在領域についての基準面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、前記管理対象体の数として取得する管理対象体数取得手段をさらに有する。
【0063】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、管理対象体存在領域についての基準面積により管理対象体占有面積を除算した商の値を、管理対象体の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段)ので、除算により、管理対象体の充填状況として、管理対象体の数を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0064】
また、好ましい態様によれば、前記充填状況取得工程は、前記輪郭内全面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、管理対象体占有面積比として取得する管理対象体占有面積比取得工程をさらに有する。
【0065】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記充填状況取得手段は、前記輪郭内全面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、管理対象体占有面積比として取得する管理対象体占有面積比取得手段をさらに有する。
【0066】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、前記輪郭内全面積により前記管理対象体占有面積を除算した商の値を、管理対象体占有面積比として取得する(管理対象体占有面積比取得工程・手段)ので、除算により、管理対象体の充填状況として、管理対象体占有面積比を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0067】
また、好ましい態様によれば、前記充填状況取得工程は、前記管理対象体の形状、前記管理対象体の面積、前記管理対象体の単位数量、前記管理対象体の俯瞰像である管理対象体俯瞰像、複数の前記管理対象体の俯瞰像の複合である管理対象体複合俯瞰像、前記管理対象体俯瞰像に対応する前記充填状況、および、前記管理対象体複合俯瞰像に対応する前記充填状況、のうちの少なくとも1を含む管理対象体形態を取得する管理対象体形態取得工程をさらに有する。
【0068】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記充填状況取得手段は、前記管理対象体の形状、前記管理対象体の面積、前記管理対象体の単位数量、前記管理対象体の俯瞰像である管理対象体俯瞰像、複数の前記管理対象体の俯瞰像の複合である管理対象体複合俯瞰像、前記管理対象体俯瞰像に対応する前記充填状況、および、前記管理対象体複合俯瞰像に対応する前記充填状況、のうちの少なくとも1を含む管理対象体形態を取得する管理対象体形態取得手段をさらに有する。
【0069】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、前記管理対象体の形状、前記管理対象体の面積、前記管理対象体の単位数量、前記管理対象体の俯瞰像である管理対象体俯瞰像、複数の前記管理対象体の俯瞰像の複合である管理対象体複合俯瞰像、前記管理対象体俯瞰像に対応する前記充填状況、および、前記管理対象体複合俯瞰像に対応する前記充填状況、のうちの少なくとも1を含む管理対象体形態を取得する(管理対象体形態取得工程・手段)ので、管理対象体形態が複数種(あるいは多種多様)であっても、その管理対象体存在領域を把握・利用し、管理対象体占有領域を抽出して、管理対象体の充填状況を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0070】
なお、ここで、俯瞰像とは、俯瞰のための斜め上からの撮像による画像(俯瞰画像:真俯瞰画像または斜俯瞰画像)であり、管理対象体俯瞰像とは、単一の管理対象体の俯瞰像であり、管理対象体複合俯瞰像とは、複数の管理対象体が例えば一体となって撮像されて複合された俯瞰像であり、管理対象体俯瞰像に対応する充填状況とは、管理対象体俯瞰像に基づいて取得可能な管理対象体の形状、面積または単位数量であり、管理対象体複合俯瞰像に対応する前記充填状況とは、管理対象体複合俯瞰像に基づいて取得可能な俯瞰像に対応する複数の各管理対象体の形状、面積または単位数量である。また、管理対象体形態の取得方法としては、CADその他のアプリ等を利用して手動で入力することもできるし、撮像手段による画像検出により取得しても良いし、その繰り返しによる深層学習等によって、自動化(自動取得)することもできる。
【0071】
また、好ましい態様によれば、前記管理対象体形態取得工程は、深層学習により前記管理対象体形態を取得する深層学習工程を有する。
【0072】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記管理対象体形態取得手段は、深層学習により前記管理対象体形態を取得する深層学習手段を有する。
【0073】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、深層学習(ディープラーニング:Deep Learning)により管理対象体形態を取得する(深層学習工程・手段)ので、管理対象体形態が複数種(あるいは多種多様)であっても、撮像手段による画像検出や、その繰り返しによる深層学習等によって(すなわち、オブジェクト検出フレームワークで、畳み込みニューラル・ネットワーク(Convolutional Neural Network:CNNまたはConvNet)を使用してイメージ内のイメージ領域を分類するR-CNN (Regions with Convolutional Neural Networks) を使用して、オブジェクト検出器を学習させ)、その形態による管理対象体存在領域を自動的に把握・利用し、その管理対象体占有領域を抽出して、管理対象体の充填状況を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0074】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果作成工程は、シングルボードコンピュータを利用して実施される。
【0075】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果作成手段は、シングルボードコンピュータを利用して実施される。
【0076】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、俯瞰結果作成手段による俯瞰結果作成工程を、簡易的に利用可能なシングルボードコンピュータを利用して実施するので、簡易且つ小型化でき、これにより、極度に高度(重厚、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性を有して、状況把握・方針決断・調整等の集配管理業務が可能になる。
【0077】
また、好ましい態様によれば、前記集配管理工程は、取得した前記俯瞰結果を報知する俯瞰結果報知工程を有する。
【0078】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記集配管理手段は、取得した前記俯瞰結果を報知する俯瞰結果報知手段を有する。
【0079】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、取得した俯瞰結果を報知するので、報知された俯瞰結果を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0080】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果報知工程は、前記俯瞰結果を表示する俯瞰結果表示工程、および、前記俯瞰結果をポップ報知する俯瞰結果ポップ報知工程、の少なくとも一方を有する。
【0081】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果報知手段は、前記俯瞰結果を表示する俯瞰結果表示手段、および、前記俯瞰結果をポップ報知する俯瞰結果ポップ報知手段、の少なくとも一方を有する。
【0082】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、俯瞰結果を報知するに際して、その俯瞰結果を表示するので、表示された俯瞰結果を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。または、俯瞰結果をポップ報知するので、ポップ報知された俯瞰結果を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0083】
ここでのポップ(pop)は、音楽業界等での特定のジャンルを指すものではなく、原義の「『ポン!』『パン!』のような小さな爆発やはじけるような音」の意味に沿って、何かが急に出てくるような感覚を指す。例えば急に「飛び出す」「上がってくる」のような意味を示す「ポップアップ」(pop up)、突然または素早い「飛び出す」や「ちょっと出す」「ちらっと出す」の意味を示す「ポップアウト」(pop out)、それらの登場感に少しゆったり感を加えた「カムアウト」(come out)、等と同一または類似の感覚を含めた概念の感覚を指すものとする。
【0084】
一方、報知は、原義どおり、「何かの情報(メッセージ等)を知らせること」であり、この知らせ方には、光による「表示」をはじめとして、振動(音を含む)によるもの、においによるもの、などを含み、情報伝達のための全ての方法・手段を含むものとする。
【0085】
すなわち、ここでのポップ報知には、強いて要約すると、「ポンと前面に飛び出す感じで所定の情報(メッセージ等)を知らせること」を実施するための全ての方法・手段を含むものとする。
【0086】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果報知工程は、個別のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、大画面スクリーンインタフェースおよびカーナビゲーションの少なくとも1に対して、前記俯瞰結果の報知を行う個別報知工程を有する。
【0087】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果報知手段は、個別のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、大画面スクリーンインタフェースおよびカーナビゲーションの少なくとも1に対して、前記俯瞰結果の報知を行う個別報知手段を有する。
【0088】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、個別のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、大画面スクリーンインタフェースおよびカーナビゲーションの少なくとも1に対して、俯瞰結果の報知を行うので、個別のコンピュータ等に報知された俯瞰結果を、運用状況として把握して、後の集配管理業務のために利用できる。
【0089】
これにより、例えば、スマートフォン(スマホ)、ダブレットを用いて、現場等において、その現場等の俯瞰を行ったり、コンピュータや大画面スクリーンインタフェースにより、戦略室等から、全体の動きの俯瞰を行ったり、などができる。これらのうち、マウス操作、キーボード操作、タッチ操作等で画面操作可能なものであれば、集配管理業務の一部として、表示拡大やマーク付け等の操作をしながら各種の分析や指示をすること、などが可能になる。
【0090】
また、カーナビゲーション(カーナビ)の場合、スマホと同様(同一または類似)の俯瞰結果を運用状況として、ドライバ等が運転中に把握できる。このカーナビの場合の報知方法としては、ドライバ等の意識が表示画面のみに集中しないで済むように、安全上の観点から、表示以外の報知方法、例えば音等の報知方法を含むことが好ましい。なお、このカーナビの例だけでなく、運転中に操作を行う可能性がある場合には、例えばスマホやタブレット等でも同様に、表示以外の報知方法を含むことが好ましい。
【0091】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果報知工程は、公衆が確認可能に前記俯瞰結果を報知する公衆報知工程を有する。
【0092】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果報知手段は、公衆が確認可能に前記俯瞰結果を報知する公衆報知手段を有する。
【0093】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、公衆が確認可能に俯瞰結果を報知するので、公衆が確認可能な例えば大画面の表示画面に表示したり、その他、公衆が確認可能な場所での報知により、俯瞰結果を運用状況として把握して、後の集配管理業務のために利用できる。
【0094】
また、好ましい態様によれば、前記俯瞰結果報知工程は、前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類して表示する分類表示工程、および、前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類してポップ報知する分類ポップ報知工程、を有する。
【0095】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記俯瞰結果報知手段は、前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類して表示する分類表示手段、および、前記俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類してポップ報知する分類ポップ報知手段、の少なくとも一方を有する。
【0096】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、俯瞰結果を所定の複数種の形態に分類して報知するので、分類によって概要の状況把握が容易になり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。
【0097】
また、好ましい態様によれば、前記分類表示工程および前記分類ポップ報知工程の前記少なくとも一方は、前記所定の複数種の形態として、前記俯瞰結果の一部または全部に、複数種の色、複数種の網掛け装飾、複数種の囲い装飾、複数種の音、およびこれらの複数種の組み合わせのうちの少なくとも1種を利用する。
【0098】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記分類表示手段および前記分類ポップ報知手段の前記少なくとも一方は、前記所定の複数種の形態として、前記俯瞰結果の一部または全部に、複数種の色、複数種の網掛け装飾、複数種の囲い装飾、複数種の音、およびこれらの複数種の組み合わせのうちの少なくとも1種を利用する。
【0099】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、所定の複数種の形態として、前記俯瞰結果の一部または全部に、複数種の色、複数種の網掛け装飾、複数種の囲い装飾、複数種の音、およびこれらの複数種の組み合わせのうちの少なくとも1種を利用して報知するので、その分類によって概要の状況把握が容易になり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。なお、ここで、複数種の音とは、音の三要素(音の大きさ、音程、音色)、メロディー、リズムのうちの少なくとも1が異なる音を示す。
【0100】
また、好ましい態様によれば、前記分類表示工程および前記分類ポップ報知工程の前記少なくとも一方は、前記所定の複数種の形態として、安全、要注意および危険のうちの少なくとも1を示す形態を含む。
【0101】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記分類表示手段および前記分類ポップ報知手段の前記少なくとも一方は、前記所定の複数種の形態として、安全、要注意および危険のうちの少なくとも1を示す形態を含む。
【0102】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、所定の複数種の形態として、安全、要注意および危険のうちの少なくとも1を示す形態を含むので、状況を簡易且つ迅速に、且つ直感的に把握し易くなり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。
【0103】
また、好ましい態様によれば、集配管理工程は、前記集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うWEB連携工程を有する。
【0104】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、集配管理手段は、前記集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うWEB連携手段を有する。
【0105】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うので、集配管理の担当者、管理者および利用者が、WEBサービスによる利便性の恩恵を享受することができる。
【0106】
また、好ましい態様によれば、前記集配対象体はスライドシューであり、前記集配管理領域は前記スライドシューを備えたソータであり、前記管理対象体はひびの入ったスライドシューであり、前記運行状況は前記ひびの入ったスライドシューのひび状況であり、前記集配管理業務として、前記ひびの入ったスライドシューの抽出、排除および修理のうちの少なくとも1を行う。
【0107】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記集配対象体はスライドシューであり、前記集配管理領域は前記スライドシューを備えたソータであり、前記管理対象体はひびの入ったスライドシューであり、前記運行状況は前記ひびの入ったスライドシューのひび状況であり、前記集配管理業務として、前記ひびの入ったスライドシューの抽出、排除および修理のうちの少なくとも1を行う。
【0108】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、スライドシュー(集配対象体)の集配管理業務を行うソータ(集配管理領域)において、ひびの入ったスライドシュー(管理対象体)のソータ(集配管理領域)でのひび状況(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、ひびの入ったスライドシューの抽出、排除および修理のうちの少なくとも1を行う。なお、ここでの「ソータ」は、搬送経路に多数の分岐機能を備え、高い仕分け能力を有した仕分け搬送機であり、「スライドシュー」は分岐を誘導する「分岐シュー」である。
【0109】
また、好ましい態様によれば、前記集配対象体は搬送予定の物品であり、前記集配管理領域は棚上であり、前記管理対象体は前記棚上の前記物品であり、前記運行状況はピッキング状態であり、前記集配管理業務として、指定されたものと異なるものの検出を行う。
【0110】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記集配対象体は搬送予定の物品であり、前記集配管理領域は棚上であり、前記管理対象体は前記棚上の前記物品であり、前記運行状況はピッキング状態であり、前記集配管理業務として、指定されたものと異なるものの検出を行う。
【0111】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、搬送予定の物品(集配対象体)の集配管理業務を行う棚上(集配管理領域)において、棚上の物品(管理対象体)の棚上(集配管理領域)でのピッキング状態(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、指定されたものと異なるものの検出を行う。なお、ここで「ピッキング」とは、伝票や指示書(いわゆるピッキングリスト)に基づいて、 商品を取り出す(ピックアップする)作業 のことである。
【0112】
また、好ましい態様によれば、前記集配対象体は棚および/または作業人員であり、前記集配管理領域は作業エリアであり、前記管理対象体は前記集配対象体と同一または異なる棚および/または作業人員であり、前記運行状況は混雑率および/または作業効率であり、前記集配管理業務として、前記管理対象体の再配置を行う。
【0113】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記集配対象体は棚および/または作業人員であり、前記集配管理領域は作業エリアであり、前記管理対象体は前記集配対象体と同一または異なる棚および/または作業人員であり、前記運行状況は混雑率および/または作業効率であり、前記集配管理業務として、前記管理対象体の再配置を行う。
【0114】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、棚および/または作業人員(集配対象体)の集配管理業務を行う作業エリア(集配管理領域)において、集配対象体と同一または異なる棚および/または作業人員(集配対象体に対応する管理対象体)の作業エリア(集配管理領域)での混雑率および/または作業効率(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、棚および/または作業人員(集配対象体)の再配置を行う。
【0115】
また、好ましい態様によれば、前記集配対象体は搬送物であり、前記集配管理領域は空港のコンベアであり、前記管理対象体は前記空港のコンベア上の搬送物であり、前記運行状況は異常な形状および/またはサイズであり、前記集配管理業務として、搬送物の搬送作業を行う。
【0116】
また、この態様の集配管理方法を実施可能な集配管理システムでは、前記集配対象体は搬送物であり、前記集配管理領域は空港のコンベアであり、前記管理対象体は前記空港のコンベア上の搬送物であり、前記運行状況は異常な形状および/またはサイズであり、前記集配管理業務として、搬送物の搬送作業を行う。
【0117】
この態様の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、搬送物(集配対象体)の集配管理業務を行う空港のコンベア(集配管理領域)において、空港のコンベア上の搬送物(管理対象体)の異常な形状および/またはサイズ(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、搬送物の搬送作業(集配管理業務)を行う。
【発明の効果】
【0118】
本発明によれば、集配管理業務の遂行に際して、極度に高度(重厚、高速、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性(スピード、正確さ)を有して、状況把握・方針決断・調整等を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【
図1】実施形態による集配管理システムを示す概略図である。
【
図2】実施形態の集配センターの倉庫等においてのかご車の運用状況を示す運用状況図である。
【
図3】
図1のデスクの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】AIカメラの内部構成を示すブロック図である。
【
図5】カメラ(AIカメラ)群を設置した天井の情景を示す設置図である。
【
図6】サーバとAIカメラとの連携状態を概念的に描いた機能ブロック図である。
【
図7】かご車の運用状況の俯瞰結果を表示する例の表示画面の外観図である。
【
図8】各種機器や大画面で俯瞰結果の例を表示する情景を示す外観図である。
【
図9】別の実施形態による集配管理システムを示す機能ブロック図である。
【
図10】さらに別の実施形態による集配管理システムを示す機能ブロック図である。
【
図11】3つの各アプローチ方法の特徴を示す撮像結果(上段)と所定の精度評価結果(下段)の概要図である。
【
図15】第3アプローチ方法の単純モデルに基づく原理説明図である。
【
図16】第1~3のアプローチ方法の特徴・特性等を比較して示す説明図である。
【
図17】第1~3のアプローチ方法を実行可能な俯瞰手段の論理的機能ブロックである。
【
図18】本発明の別の適用対象例を示す概要図である。
【
図19】本発明のさらに別の適用対象例を示す概要図である。
【
図20】本発明のさらに別の適用対象例を示す概要図である。
【
図21】本発明のさらに別の適用対象例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
本発明の概念は、本発明の概念の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、この発明の概念は、多くの異なる形態で具体化でき、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。同様の番号は、説明全体で同様の要素を指す。
【0121】
以下、[1.システム構成例]、[2.俯瞰結果の報知例と利用例]、[3.俯瞰方法の具体例]、[4.その他の適用・応用例]について、順に説明する。ただし、1~3の各末尾でも他の例などを紹介しているので、4では主に、1~3での記載で漏れた内容等について紹介・説明する。
【0122】
[1.システム構成例]
図1は、本明細書に提示された実施形態を適用できる集配管理システムを示す概略図である。この実施形態は、例えば集配センターの倉庫等(広義での集配管理領域)での例であり、トラックバース(図示左側)TBに駐車した貨物トラック(集配運輸体)より、宅配物等(集配対象体)を搭載したいわゆる「かご車」を管理対象体として、実際の集配管理業務を行う場所(複数の白線レーンL1、L2のうちのいずれか:狭義での集配管理領域)に集めて、収集・分類・分配等をした後、配送先に対応する貨物トラック(集配運輸体)用のかご車(管理対象体)に積み替えて、貨物トラック(集配運輸体)により配送先の各地に配送する。
【0123】
この場合、図示のように、集配管理システム100は、例えば5個のカメラ1~5を有するカメラ群(撮像手段:俯瞰手段)と、撮像結果(俯瞰結果)を記憶するネットワーク・ビデオ・レコーダ(Network Video Recorder:NVR)61を有する管理用のデスク6(集配管理手段)とを備え、各カメラ1~5は、LANケーブルを介してNVR61と接続され、パワー・オーバー・イーサネット(Power over Ethernet :PoE)給電されている。
【0124】
カメラ群の各カメラ1~5は、それぞれ天井に設置された天井カメラである(
図5参照)。カメラ1は、白線レーンL1のトラックバース側の端(始端)の近傍を詳細に撮像(監視)可能に設置され、カメラ2は、白線レーンL1のトラックバースとは反対側の端(終端)の近傍を担当し、カメラ3は,白線レーンL2の始端、カメラ4は、白線レーンL2の終端を、それぞれ担当している。
【0125】
図2は、実施形態の集配センターの倉庫等(広義での集配管理領域)において、図面奥行方向(トラックバース側)に向かって撮像した、かご車(管理対象体)の運用状況を示す運用状況図である。
【0126】
図1(および
図5)のカメラ5は、カメラ群のうちのかご車の運用状況の俯瞰(撮像、監視、把握、予測)の主役となり得るカメラ(撮像手段、俯瞰手段)であり、その役割に適した位置、すなわちトラックバースとは反対側に、白線レーンL1、L2の終端よりさらに離れて設置されている。このカメラ5は、同様に重要な監視役を担う既存のセキュリティカメラSCの近傍に設置されているので、セキュリティカメラSCと連携して、あるいは代用として、あるいは相互補完の予備として、の役目を担うように構成しても良い。
【0127】
なお、セキュリティカメラSCと連携する場合のカメラ5と同様に、カメラ群の各カメラ1~5は、それぞれにインテリジェンス(知性、知的機能)を有するようにコントローラ等を備えた構成とすることもできる(
図4参照)。この場合のカメラ本体とコントローラ等を組み合わせたときのカメラ部材(撮像手段、俯瞰手段)を、以下では「AIカメラ」と称し、カメラ1~5に対応してAIカメラA1~A5とする(
図4、
図5参照)。
【0128】
俯瞰を主目的とするカメラ5(またはAIカメラA5)には、広い範囲(視野角、画角)を撮像可能な広角レンズを有する広角カメラの採用が有効である。ただし、
図2(a)に示すように、樽型歪みを生じやすいので、白線レーン等の直線を元の直線に戻して画像解析等に廻せるように、同図(e)に簡易的に示すような画像歪補正を行う。この補正結果の画像(同図(b))に基づいて、白線レーン(集配管理領域)L1等の輪郭内の画像を処理対象として適宜抽出して(同図(c))、後述する画像解析(第1~3のアプローチ方法等)により、かご車(管理対象体)の運用状況を俯瞰(分析・把握:同図(d)等)し、その俯瞰結果に基づいて集配管理業務を行う。
【0129】
なお、上述の画像歪の補正処理や、その後の運用状況の俯瞰処理や、さらにはそれらに基づく集配管理に関する各種の情報処理は、カメラ群がAIカメラ群である場合には、その内部のコントローラ等に、その一部または全部を分担させても良いし、デスク6内部のみで処理しても良いし、あるいはこれら以外の外部の情報処理装置等と連携して進めても良い。
【0130】
図3は、
図1のデスク6の内部構成を示すブロック図である。図示のように、デスク6は、システム全体のサーバ7(
図4、
図6参照)に連携(付属、補助)して、カメラ群からの画像データを記憶する、
図1でも前述のNVR61と、このNVR61とHDMI(登録商標)等のインタフェースで接続された一式のキーボード・ディスプレイ62と、ワイマックス(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access)等のインタフェースで、集配管理システム100内の各部や外部との通信を行うWiMAXルータ64と、コントローラ(Controller)63と、を備え、これらに電力を供給するAC100V電源65と接続されている。
【0131】
コントローラ63は、外部との通信を行いつつ、LAN接続されたカメラ群(AIカメラA1~A5等)、NVR61、WiMAXルータ64等と連携して、システム全体のバーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)を介して、集配管理システム100内の各部を制御して、所要の集配管理業務を遂行する。
【0132】
図4は、知性を備えたカメラ部材である「AIカメラ」の内部構成を示すブロック図であり、代表としてカメラ5に対応するAIカメラA5を例に挙げて説明する。まず、カメラ5は、同図(a)に示すように、カメラ本体51と、レンズ(広角レンズ)52と、これらを例えば天井に固定するためのマウント53を有する。なお、レンズ52は手動で上下確度等を調整可能に構成されている。
【0133】
AIカメラA5は、同図(b)に示す形態の全体を、天井等に固定する際に便利な筐体に内包して形成され、外形部に、筐体全体を保持するためのカメラビス(設置部)と、通信状況の必要性に応じてアンテナを備えるためのアンテナ用穴と、を有し、さらに初期設定やメンテナンス時のために、筐体内にアクセスするためのメンテナンス用蓋と、設定・再設定用のキーボード・ディスプレイ59を、USB・HDMI(登録商標)等で接続するためのメンテナンス用穴と、などを有する。
【0134】
そして、その筐体内には、同図(a)に示すように、リアルタイム・ストリーミング・プロトコル(Real Time Streaming Protocol:RTSP)等に従って、100BASE-T規格等のケーブルを利用して、前述のカメラ5と接続されたコントローラ54と、このコントローラ54に、汎用IO(General Purpose Input/Output:GPIO)を介して接続された、赤・黄・緑の3色を示す3色LED55と、簡易的な小型のファン56と、AC100Vの電源58と接続され、コントローラ54への5V4Aの電力を初めとして、AIカメラA5内の各部への電力供給を司る電源57と、を備える。なお、3色LED55は、設定・再設定時に、後述の3色のシグナル(
図7参照)と関係する処理の動作確認等に用いられる。
【0135】
上述のように、本発明の一実施形態を示す集配管理システム100は、一種の集配管理方法を遂行(実施)可能なシステムである。この集配管理方法は、集配対象体の集配管理業務を行う集配管理領域において、集配対象体に対応する管理対象体の集配管理領域での運行状況を俯瞰して、その俯瞰結果に基づいて集配管理業務を行う集配管理方法である。
【0136】
この場合、集配対象体は、宅配物等の貨物であり、集配管理領域は、最も広義では、集配センター、その下位では、集配センターの倉庫等、さらにその下位(狭義)では、後述のように白線レーンL1等の輪郭内が該当する。管理対象体は、宅配物等を積載した(集配対象体に対応する)かご車が該当する。
【0137】
そして、ここでの集配管理業務は、集配センター、集配センターの倉庫等、白線レーンL1等の輪郭内等での、かご車の混み具合等の運行状況を俯瞰して、貨物トラック等の手配を手際よく行うなど、「集配対象体の流通(集配等)円滑化等が可能な管理業務」等が該当する。
【0138】
また、俯瞰の方法としては、カメラ群(撮像手段:俯瞰手段)による撮像やその撮像した画像からの画像解析が該当し、俯瞰結果としては、撮像結果や画像解析結果やそれを管理業務に結び付ける判断結果等が該当する。
【0139】
すなわち、宅配物等の貨物(集配対象体)の流通円滑化等のための管理業務等(集配管理業務)を行う集配センター、集配センターの倉庫等、白線レーンL1等の輪郭内等(集配管理領域)において、宅配物等を積載した(集配対象体に対応する)かご車(管理対象体)の混み具合等(運行状況)を、撮像・画像解析(俯瞰)して、撮像結果や画像解析結果やそれを管理業務に結び付ける判断結果(俯瞰結果)に基づいて、流通円滑化等のための管理業務等(集配管理業務)を行う集配管理方法である。
【0140】
したがって、本実施形態によれば、「集配対象体の流通(集配等)円滑化等が可能な管理業務」を遂行できる。なお、この集配管理システム100は、いわゆるコントローラ等の情報処理機器等を基本構成としているので、集配管理方法を実行させるプログラムにより稼働可能である。また、そのプログラムは、集配管理システム100によって利用可能に記憶するプログラム記憶媒体を介して頒布等を行うことができる。
【0141】
この集配管理システム100における集配管理方法では、集配対象体を収集・分類・分配する集配管理業務を行うに際して、管理対象体の集配管理領域での運行状況を俯瞰すれば良い。このため、極度に高度(重厚、高速、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性(スピード、正確さ)を有して、状況把握・方針決断・調整等が可能になる。
【0142】
また、プログラムにより稼働可能なので、システム自体の機能やプログラム稼働のインタフェース等の仕様を標準化して、プログラム記憶媒体として頒布するなどにより、例えば集配管理システムとしての標準化を進めて広げるなどにより、業界全体での流通円滑化に貢献できる。ひいては、近年の課題であるトラックドライバの過重労働等の問題解決にも貢献し得る。
【0143】
なお、「集配」とは、「あつめること」(集)と「くばること」(配)を意味し、集配対象体は、一般的には郵便物や貨物などの人間(人物)以外を指すが、上述でも、トラックドライバの手配の例が出たように、例えばトラックドライバ(人間)を集めて各現場に配置する(配る)ことも「集配」に相当する。
【0144】
このため、上述した集配管理方法は、人間を集配対象体とし、集配管理領域を上記のような流通の現場以外にも会社や工場等としたときに、各人の経験や休暇の都合、個人の免許・スキル等の人事データを運行状況として俯瞰(配慮・考慮・検討・相談)して、「集配対象体(人間)の流通(手配・配置等)の円滑化等が可能な管理業務」等の集配管理業務等にも適用・応用・変形利用が可能である。
【0145】
なお、上述した集配センターの例では、集配対象体が宅配物等の貨物であり、集配対象体に対応する管理対象体がかご車なので、「集配対象体≠管理対象体」となるが、かご車を使用しないで宅配物等自体を直接集配する場合には、「集配対象体=管理対象体」となる。同様に、集配対象体が人間の場合、複数のドライバが乗ったトラックをトラック単位で管理する場合には「集配対象体≠管理対象体」、ドライバ個人に着目した手配等であれば「集配対象体=管理対象体」となる。
【0146】
また、人事配置等でも、複数人が所属する部門等での管理なら「集配対象体≠管理対象体」、個人に着目した人事管理なら「集配対象体=管理対象体」、それぞれに複数人が乗った複数台のバスによるバスツアーのときに、複数のバスをバス単位で管理するなら「集配対象体≠管理対象体」、ツアー参加者個人に着目するなら「集配対象体=管理対象体」、などなど、例を挙げれば枚挙に暇が無くなる。
【0147】
また、前述のかご車は、宅配物等(集配対象体)を積載して運輸するので、これらを「集配運輸体」と称することにすると、「集配対象体≠管理対象体」ではあるが、集配対象体を運輸するので、「管理対象体=集配運輸体」となり、「集配対象体≠管理対象体=集配運輸体」となる。種々の場面において、「集配対象体」「管理対象体」「集配運輸体」が何に相当するかを明確にすることで、本発明の集配管理方法、集配管理システム、プログラムおよびプログラム記憶媒体を適用可能になる。
【0148】
例えば人(本人)がどこか(集合場所)に「徒歩」で集まり、その場で人数等を管理される場合、その集合場所(集配管理領域)において、「集配対象体」(本人)=「管理対象体」(本人)=「集配運輸体」(歩行:本人)である。集合場所に自家用車で来た人の場合や、その後に誰かの車の複数台に分かれて旅行等に行く場合は、「集配対象体」(本人)=「管理対象体」(本人)≠「集配運輸体」(車)となる。最初から複数台の車に分かれて乗って来て、同一または別の複数の車に分散乗車で出かける場合、管理の仕方により「集配対象体」(本人)=「管理対象体」(本人)≠「集配運輸体」(車)、「集配対象体」(本人)≠「管理対象体」(車)=「集配運輸体」(同一車)、「集配対象体」(本人)≠「管理対象体」(車)≠「集配運輸体」(別の車)、などとなり得る。いずれの場合でも、「集配対象体」「管理対象体」「集配運輸体」を明確にすることで、本発明を適用可能になる。
【0149】
本発明の適用に当たり、ここで、各部の機能やその役割等について確認しておく。前述のように、本発明の集配管理方法を実施可能な集配管理システム100では、集配対象体を収集・分類・分配する集配管理業務を行うに際して、俯瞰手段により、集配対象体に対応する管理対象体の集配管理領域での運行状況を俯瞰し(俯瞰工程)、集配管理手段により、その俯瞰結果に基づいて集配管理業務を行う(集配管理工程)。また、上記の集配管理方法を実行させるプログラムにより稼働可能である。また、そのプログラムは、集配管理システム100によって利用可能に記憶するプログラム記憶媒体を介して頒布等を行うことができる。
【0150】
したがって、本発明の集配管理方法、集配管理システム、プログラムおよびプログラム記憶媒体によれば、集配対象体を収集・分類・分配する集配管理業務を行うに際して、管理対象体の集配管理領域での運行状況を俯瞰し、その結果に基づいて集配管理をすれば良いので、極度に高度な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性を有して、状況把握・方針決断・調整等が可能になる。
【0151】
ここで、俯瞰手段による俯瞰工程では、管理対象体の集配管理領域での運行状況を撮像手段により撮像するので、後の集配管理業務のために撮像結果を利用できる。具体的に実施形態では、かご車の運用状況の俯瞰(撮像、監視、把握、予測)の主役となり得るカメラ5を含む5個のカメラ1~5を有するカメラ群が、撮像手段(俯瞰手段)に該当する。実施形態では、それぞれにインテリジェンス(知性、知的機能)を有するようにコントローラ等を備えた構成のAIカメラA1~A5とすることができ、天井のそれぞれの役割に適合した位置に設置されている(
図4、
図5参照)。
【0152】
なお、上述の説明では、カメラ群(主にAIカメラA5)を俯瞰手段としたが、カメラ群では俯瞰として撮像のみを行い、その撮像結果に基づいて、集配管理の準備に有効な俯瞰結果を作成する機能は、その後に撮像結果を記録するNVR61を有するデスク6側で行っても良い。
【0153】
カメラ群(俯瞰手段)が知性を持つAIカメラ群であり、このAIカメラ群側で俯瞰結果を作成する場合、すなわち撮像に基づく俯瞰結果を作成する機能を有する俯瞰結果作成手段を、AIカメラ群側に有する場合、デスク6側の集配管理手段による集配管理工程前に、後の集配管理業務のための準備を整えることができる。
【0154】
一方、デスク6(集配管理手段)側で俯瞰結果を作成する場合、すなわち俯瞰結果作成手段を、デスク6側で有する場合、AIカメラ群側の俯瞰手段による俯瞰工程側での俯瞰結果作成のための負荷を軽減しつつ、後の集配管理業務のための準備を整えることができる。
【0155】
ここで、俯瞰結果作成をAIカメラ群(俯瞰手段)側で行うか、デスク6(集配管理手段)側で行うか、のいずれの場合も、俯瞰結果を得る前に、撮像による画像の画像歪(樽型歪)を補正するので、後の集配管理業務のための準備には、画像歪が補正された画像を利用できる。
【0156】
なお、集配センター(広義での集配管理領域)には、各種の動画・数値などの過去のデータを保存している画像サーバ71を有して、集配センターや周囲の関連機器等を管理制御するサーバ71が備えられている(
図4、
図6参照)。上述のAIカメラ群(俯瞰手段)やデスク6(集配管理手段)は、このサーバ7と連携して(その全体の管理下で)稼働するため、現場での設置や操作性の観点からは、特にAIカメラではその設置位置の関係あらも、小型である方が理想的となる。
【0157】
このため、集配センター全体の管理に関わるような大きなタスクや、例えば後述のディープラーニング(深層学習)に関わる学習、などの重い処理(タスク)は、サーバ7側で担当して処理し、推論等の軽い処理のみをAIカメラ群(俯瞰手段)やデスク6(集配管理手段)側で処理する方針で構成されている(
図4、
図6参照)。
【0158】
このような処理タスクの大きさや、デバイスとしての物理的な大きさとの関係もあり、AIカメラ群(俯瞰手段)やデスク6(集配管理手段)で備えているコントローラ54、63(
図4、
図3参照)には、簡易的に利用可能なシングルボードコンピュータを採用している。このため、上述の俯瞰結果作成も、シングルボードコンピュータを利用して実施されている。これらにより、システム全体を簡易且つ小型化でき、これにより、極度に高度(重厚、高精度等)な構成のシステムを必要とせず、適度な実効性を有して、状況把握・方針決断・調整等の集配管理業務が可能になる。
【0159】
なお、上述では、デスク6のみを「集配管理手段」であるかのように説明したが、俯瞰結果に基づく管理業務を、全て「集配管理業務」とするのであれば、デスク6での処理以降の処理を行うサーバ7を含めて「集配管理手段」と称しても良いし、その後の処理を行う他の情報処理機器等をも含めて「集配管理手段」と称しても良い。
【0160】
ところで、俯瞰結果に基づく集配管理業務が、全て手動によるものだとしても、全て自動だとしても、それらの組合せだとしても、いずれにせよ、集配管理を行うもの(者または物(手段):以下「集配管理体」)に対する「俯瞰結果の報知」の機能(報知手段)が必要となる。
【0161】
そこで、以下では、[2.俯瞰結果の報知例と利用例]について、説明する。
【0162】
[2.俯瞰結果の報知例と利用例]
図7は、実施形態の集配センターの倉庫等においてのかご車の運用状況の俯瞰結果を表示する例の表示画面の外観図である。
【0163】
実施形態の集配センターの倉庫には、例えば図面奥行方向に存在するトラックバースに向かって(すなわち俯瞰用のAIカメラ5側から)見たときに、横方向に一定間隔に存在する柱の2つの柱間にそれぞれ、3つの白線レーンの領域を有するエリアがあり、その単位のエリアを、図左側のエリアLA、中央のエリアCA、右側のエリアRA、として3つ有する。
【0164】
ただし、前述の
図1等の例では、白線レーンは2つだったので、俯瞰用のAIカメラ5以外に4つのAIカメラを要したが、ここでは、1つのエリア内に白線レーンは3つあるので、AIカメラ5以外に6つのAIカメラが設置されている。
【0165】
また、図示の簡略化の関係上、表示例の撮像結果の画像は同一の状況のものを図示しているが、実際には、個別に異なる状況(情景)のはずである。また、図示の9つの表示区画のそれぞれの左上には、表示区番号1~9が表示されていて、各表示区内の画像の中央のレーンにのみ、画像解析対象を示す画像領域の区画枠が示され、区画枠内の下方部に7、10、16等の数字が表示されているが、これも簡略化のための表示であって、実際のものとは一致しない。
【0166】
図示したい本来の内容では、例えば表示区番号1には、エリアLA内の3つの白線レーンのうちの左側の白線レーンの領域を、画像解析対象の画像領域として区画枠で表示し、その区画枠内の下方部に、リアルタイムでのその区画枠内のかご車の数を数字で示す、の仕様になっている。
【0167】
同様に、表示区番号2、3では、それぞれエリアCA内、エリアRA内の3つの白線レーンのうちの左側の白線レーンの領域を、画像解析対象の区画枠とする。表示区番号4では、エリアLA内の3つの白線レーンのうちの中央の白線レーンの領域を、画像解析対象の区画枠とし、表示区番号5、6では、それぞれエリアCA内、エリアRA内の3つの白線レーンのうちの中央の白線レーンの領域を、画像解析対象の区画枠とし、表示区番号7、8、9では、それぞれエリアLA内、エリアCA内、エリアRA内の3つの白線レーンのうちの右側の白線レーンの領域を、画像解析対象の区画枠とする。
【0168】
そして、区画枠内の下方部のリアルタイムでのかご車の数は、区画枠内でかご車が存在し得る最大数である20を表示の最大数とし、画像解析の解析結果(俯瞰結果)として得られて区画枠下方部に表示される数が、1~9のときには、その表示区の「安全」を示す「緑シグナルGS」の外枠で表現する。同様に、区画枠の数字が10~15のときには、「要注意」を示す「黄シグナルYS」の外枠で、16以上(~20)のときには、「危険」を示す「赤シグナルRS」の外枠で表現する。
【0169】
上述のように、俯瞰結果を所定の複数種の表示形態に分類して表示することにより、分類によって概要の状況把握が容易になり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。
【0170】
なお、上述の例では、表示形態として、俯瞰結果に、複数種の色を利用したが、他には、網掛けや囲いを含む装飾も適用できる。すなわち、所定の複数種の表示形態として、俯瞰結果の一部または全部に、複数種の色、網掛けおよび囲いを含む装飾のうちの少なくとも1種を利用して表示するので、その装飾によって俯瞰結果が見易くなり、分類によって概要の状況把握が容易になり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。
【0171】
また、所定の複数種の表示形態として、安全、要注意および危険のうちの少なくとも1を示す表示形態を含むので、状況をさらに簡易且つ迅速に、且つ直感的に把握し易くなり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。
【0172】
図8は、各種機器や大画面で俯瞰結果の例を表示する情景を示す外観図である。これらは、集配管理を行う集配管理体(者または物(手段))に対する「俯瞰結果の報知」の機能(報知手段)の例を示すものであり、報知手段として「表示手段」を採用した例を示すものである。
【0173】
この場合、
図7で前述の画面表示の俯瞰結果の画面イメージのままの表示でも良いし(
図8(a)参照)、表示区番号、エリア名、かご車の数、解析結果(俯瞰結果)の「安全」「要注意」「危険」を示すテキスト記載、シグナル記載などを表形式等でまとめたものを表示しても良い。
【0174】
また、表示画面の種類も、個別のコンピュータ、スマートフォンおよびタブレットの少なくとも1の表示画面でも良いし(
図8(b)参照)、公衆が視認可能な例えば大画面の表示画面でも良い(
図8(c)参照)。これらでは、個別のコンピュータ等に表示された俯瞰結果を運用状況として把握して、あるいは、公衆が視認可能な例えば大画面の表示画面に表示された俯瞰結果を運用状況として把握して、後の集配管理業務のために利用できる。
【0175】
なお、上述以外の表示画面としては、大画面スクリーンインタフェースや、カーナビゲーション等が考え得る。
【0176】
例えば、大画面スクリーンインタフェースを使用する場合、戦略室等に配置して、そこから、全体の動きの俯瞰を行うことなどができる。
【0177】
戦略室等に備えたコンピュータ等の場合、俯瞰結果を画面で確認して、全体の動きの俯瞰を行いつつ、集配管理業務の一部として、マウス、キーボード、タッチパッド等を利用して、表示拡大やマーク付け等の画面操作をしながら各種の分析や指示をするなどができるが、大画面スクリーンインタフェースの場合も、マウス操作、キーボード操作、タッチ操作等で画面操作可能なものであれば、集配管理業務の一部として、同様のことができ、この場合、大画面表示のため、複数人での業務が進めやすい等の利点がある。
【0178】
これにより、例えば、スマートフォン(スマホ)、ダブレットを用いて、現場等において、その現場等の俯瞰を行ったり、コンピュータや大画面スクリーンインタフェースにより、戦略室等から、全体の動きの俯瞰を行ったり、などができる。ただし、この場合のコンピュータや大画面スクリーンインタフェースは、俯瞰工程を行う俯瞰手段の一部であるとともに、集配管理工程を実行する集配管理手段の一部にも該当することになる。
【0179】
また、カーナビゲーション(カーナビ)の場合、スマホと同様(同一または類似)の俯瞰結果を運用状況として、トラック運転手(ドライバ)等が運転中に把握できる。このカーナビの場合の報知方法としては、ドライバ等の意識が表示画面のみに集中しないで済むように、安全上の観点から、表示以外の報知方法(詳細は後述)、例えば音等の報知方法を含むことが好ましい。なお、このカーナビの例だけでなく、運転中に操作を行う可能性がある場合には、例えばスマホやタブレット等でも同様に、表示以外の報知方法を含むことが好ましい。
【0180】
なお、上述では、報知方法・手段として、表示方法・手段の例を挙げ、特に所定の表示画面がある場合の例を挙げたが、表示、すなわち光に基づく報知と言うことであれば、例えば上述の1~9の外枠での表現以外に、各枠内の一部または枠外に3色のLEDを付すこともできるし、1つのLEDで点灯の仕方、例えば点灯と点滅と消灯、異なる時間間隔での点滅、等で区別して報知することもできる。
【0181】
また、区画枠数に関係なく、どこかの区画枠に「要注意」~「危険」が発生した場合に、その旨を示すように、例えば大きな1つの表示手段(表示素子等)に、目立つように表示させても良い。また、その表示内または表示外近くに、区画枠番号やかご車の数を添えて表示しても良い。
【0182】
さらに、上述では、報知方法・手段として、表示方法・手段の例であったが、振動(音を含む)によるもの、においによるもの、などを含み、情報伝達のための全ての方法・手段の適用が可能である。
【0183】
例えば「要注意」~「危険」が発生した場合に、アラーム音を発生したり、特定のバイブレーションを発生させたりすることできる。また、「安全」(表示の緑に相当)、「要注意」(表示の黄に相当)、「危険」(表示の赤に相当)を、異なる複数種の音で区別可能に報知することもできる。ここで、複数種の音とは、音の三要素(音の大きさ、音程、音色)、メロディー、リズムのうちの少なくとも1が異なる音を示す。
【0184】
例えば、かご車が限界まで溜まってきた「危険」(表示の赤に相当)の運用状況では強い警告音とし、かご車がそろそろ溜まってきた「要注意」(表示の黄に相当)では準警告音とし、かご車数にまだ余裕がある「安全」(表示の緑に相当)では、定期期間(例えば5分)に1度の所定音(小さいまたはやわらかい音やメロディなど)で報知する、などとすることができる。これにより、例えばドライバ等の意識が、スマホやタブレットやカーナビの表示画面のみに集中しないで済むように、あるいは全く見なくても済むように、することが可能になる。
【0185】
さらには、「安全」の場合には心地良い(癒されるような)(お香やアロマ等のような)香りを発生させておき、「要注意」から「危険」に進むほど、不快な臭いに変えていくなど、匂い・薫り~臭い・臭気に基づく報知も可能である。
【0186】
さらには、「要注意」~「危険」に対し、機構的にどこか特定の箇所から(人間への安全に配慮しつつ)何かの物体を飛び出させたり、その飛び出し方を「安全」「要注意」「危険」で変化させたり、全盲、弱盲、色盲、色弱などの視認困難な方たちのために、その飛び出させた物体や特定箇所の物体の表面に、複数種の色、網掛けおよび囲いを含む装飾に相当するような触感を付加したりするなど、多種多様な報知方法・手段が採用できる。
【0187】
すなわち、報知方法・手段として、ポンと前面に飛び出す感じで所定の情報(メッセージ等)を知らせる「ポップ報知」を実施するための全ての方法・手段の適用が可能である。
【0188】
なお、上述のような集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うこともできる。
【0189】
図9は、
図1の集配管理システム100に対応して別の(物理的構成の)観点からの別の実施形態による集配管理システムを示す機能ブロック図である。
【0190】
この集配管理システム200において、AIカメラA1~A5およびセキュリティカメラSCのカメラ群は、集配管理システム100の場合と同様のカメラ群(撮像手段:
図1、
図4~6参照)を有し、PC用ユーザインタフェース(user interface:UI)、タブレット用UI、大型ディスプレイ用UIは、集配管理システム100の場合と同様のUI(報知手段、表示手段:
図7、
図8参照)を有する。ただし、前述のように、集配管理業務の一部を実行するためのUIは、俯瞰工程を行う俯瞰手段の一部であるとともに、集配管理工程を実行する集配管理手段の一部にも該当することになる。
【0191】
また、集配管理システム200におけるカメラ群と、サーバ部と、それらの相互関係は、集配管理システム100の場合のカメラ群(俯瞰手段、撮像手段)と、デスク6+サーバ7(集配管理手段)と、それらの相互関係(
図4、
図6参照)に相当する。
【0192】
ただし、集配管理システム200のサーバ部は、いわゆるクラウドサーバ(ときによってはレンタルサーバ)であり、クラウド上で種々の集配管理業務のための各種処理を行うが、ここでは主に、輸配送管理システム(Transport Management System:TMS)の利用者に対する各種の情報サービスを行うので、Webサーバ(Web Server)と称するものとする。主なサービスは、かご車の運行状況の通知、すなわち集配センター等で管理対象となっているかご車の数を求めて(かご車カウント)、トラックドライバを初めとするTMSのユーザに、そのかご車カウントの結果を知らせる。
【0193】
このサーバ部には、運用や拡張性等の分析サービスからの要請に対応して、前述の集配管理システム100と同様の画像分析により、かご車カウントを行うための動画・数値のデータベースや、例えば後述の深層学習に関わる学習モジュール等を有し、各種のアプリケーション・プログラミング・インタフェース(Application Programming Interface:API)を介して、TMS(のユーザ)との間での各種情報の授受を行う。
【0194】
ここでは、これらの各種情報の授受をWebサーバを介して行うので、集配管理業務をWEBサービスと連携させて行うことができ、これにより、集配管理の担当者、管理者および利用者が、WEBサービスによる利便性の恩恵を享受することができる。
【0195】
図10は、
図1の集配管理システム100に対応してさらに別の(集配の実務・業務等の)観点からの別の実施形態による集配管理システムを示す機能ブロック図である。すなわち、上述した集配管理システム100や集配管理システム200を、集配の実務・業務等の観点から再構成して説明し得る機能ブロック図である。
【0196】
この集配管理システム300において、AIカメラ群とカメラ管理システムであるサーバ部(俯瞰手段)により、各バース対応エリア(前述の、それぞれエリアLA内、エリアCA内、エリアRA内の3つの白線レーンの領域)のかご車の運行状況(具体的には、かご車の数のカウント結果)を、リアルタイムで所得しておき、TMS(のユーザ)(集配管理手段)からの各バースのかご車数要求に応じて、そのかご車数を応答する。
【0197】
これにより、例えばユーザであるトラックドライバは、各バースの混み具合等を把握し、使用するバースを決定・変更したり、混雑時には、後の作業(集配業務)のために休憩を取るなど、の対応ができる。すなわち、状況を簡易且つ迅速に、且つ直感的に把握し易くなり、後の集配管理業務が明確且つ迅速に進めやすくなる。
【0198】
なお、集配管理システム100、200、300におけるトラックドライバは、特に
図9、
図10で明示しているTMSのユーザであるトラックドライバは、運転中に、スマホ、タブレット、カーナビ等を利用して、かご車(管理対象体)の運用状況の把握を要する可能性があるが、運転中に意識が表示画面のみに集中しないで済むように、安全上の観点から、表示以外の報知方法、例えば上述した音等の報知方法を含むことが好ましい。
【0199】
次に、以下では、例えば上述のTMSのユーザ等に、例えばかご車の数など、回答すべき俯瞰結果を得るための[3.俯瞰方法の具体例]について、説明する。
【0200】
[3.俯瞰方法の具体例]
ここでは、例えば下記の3つのアプローチ方法について、説明する。
図11は、3つの各アプローチ方法の特徴を示す撮像結果(上段)と所定の精度評価結果(下段)の概要図である。
【0201】
・第1アプローチ方法(占有状況検出方法):集配管理領域全体を管理対象体単位(人員なら必要人員数データ単位)のマッピング領域に区画割し、各マッピング領域の前記占有状況に基づいて、管理対象体の数を取得する方法(同図(a)(d)、
図12参照)。
【0202】
・第2アプローチ方法(注目点数検出方法):集配管理領域内に進入してきた管理対象体内に規定した注目点の位置情報(人事なら人事配置情報)に基づいて、集配管理領域内の注目点の数を管理対象体の数として取得する方法(同図(b)(e)、
図13参照)。
【0203】
・第3アプローチ方法(充填状況検出方法):集配管理領域内の管理対象体による充填状況を取得する方法(同図(c)(f)、
図14~15参照)。この場合、第1アプローチ方法(占有状況検出方法)と同様にマッピング領域に区画割し、各マッピング領域毎の充填状況(各充填面積等)を求めて総括することで、輪郭内全体での充填状況を取得することもできる。
【0204】
まず、ここで説明する3つのアプローチ方法(俯瞰方法)は、いずれも撮像手段による撮像工程を有し、撮像手段による画像に基づいて俯瞰結果を作成する。すなわち、画像解析によるものである。また、運行状況の撮像結果に基づいて運行中の管理対象体の数等を推定するものである。
【0205】
図12は、第1アプローチ方法の説明図である。ここでは、まず、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出する。このためには、白線レーンの輪郭線は、直線の組合せである必要があり、
図2(a)(b)(e)で前述した樽型歪みの画像歪補正により、歪の無い白線レーンの画像を確保しておく。この補正は、前述のように、AIカメラ群(撮像手段、俯瞰手段)側で行っても良いし、デスク6(集配管理手段)側で行っても良い。
【0206】
白線レーンの輪郭の検出(領域輪郭検出工程・手段:同図(a))の後、その輪郭内(集配管理領域)をかご車(管理対象体)単位のかご車領域(マッピング領域)に区画割する(マッピング工程・手段:同図(b))。
【0207】
ここで実は、集配センターの倉庫の現場では、かご車以外はグレイなので、画像にグレイカラーフィルタ(所定のフィルタ)を重ねると、各かご車領域(マッピング領域)内でのかご車の占有率(占有状況)を検出できる。この場合、占有率に関するしきい値を規定しておき、そのしきい値以上か否かによって、そのかご車領域における「かご車有」(充足)および/または「かご車無」(不足)の状況(占有状況)を検出する(領域占有検出工程・手段:同図(c))。この検出された占有状況が「かご車有」(充足)の数を、あるいは「かご車無」(不足)に該当しない数を、かご車(管理対象体)の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段)。
【0208】
なお、第1アプローチ方法では、正確なマッピングが重要なので、不規則な置き方や光線の影響など、白線レーンを検出しにくい状況を苦手とする特徴がある(
図16参照)。
【0209】
上述のように、第1アプローチ方法では、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、輪郭内をかご車(管理対象体)のかご車領域(マッピング領域)に区画割し(マッピング工程・手段)、かご車領域(マッピング領域)のそれぞれ毎に、グレイカラーフィルタ(所定のフィルタ)によりかご車(管理対象体)の有り(充足)および/または無し(不足)を示す占有率(占有状況)を検出し(領域占有検出工程・手段)、各かご車領域(マッピング領域)の占有率(占有状況)に基づいて、かご車(管理対象体)の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段)ので、そのかご車(管理対象体)の数を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0210】
なお、この第1アプローチ方法を、人事配置等に利用するのであれば、集配対象体は例えば人員(のプロフィールデータ等)、管理対象体は例えば必要人員数(分の)データ、マッピング領域は所属先(での必要な人員数や特性)等に該当する、のように利用できる。
【0211】
次に、
図13は、第2アプローチ方法の説明図である。ここでも、まず、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出する(領域輪郭検出工程・手段:
図13(a))が、この方法の場合、特に直線性等を必要としないので、全体の輪郭が検出できれば良い。すなわち、画像歪の影響は少ない(
図16参照)。
【0212】
次に、時間差を設けた撮像により、移動する物体(移動体)を見つける(
図13(b))。集配センターの本実施形態であれば、必然的にかご車となることが多くなるが、作業員(人間)等の場合もあり得るので、これらの中から管理対象体を決定する。本実施形態では、管理対象体はかご車とするが、上述の作業員(人間)等や、自動運転等で作業するロボット等を管理対象体とする応用もあり得る。
【0213】
管理対象体が決定されると(ここではかご車)、次にその管理対象体内の注目点を決定する。ここでは、かご車(管理対象体)なので注目点は重心とするが、管理対象体の形状によっては中心でも良いし、作業員なら例えばGPSを仕込んだ名札等も、応用例となり得る。
【0214】
注目点が決定されると(ここではかご車の重心)、その注目点について、定期的に位置情報を検出する(管理対象体位置検出工程・手段:
図13(b)→(c))。そして、任意の時点を観測時点として、その時点で白線レーンの輪郭(集配管理領域)内に存在する注目点の数を、かご車(管理対象体)の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段:
図13(c))。
【0215】
上述のように、第2アプローチ方法では、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、その輪郭内に進入してきたかご車(管理対象体)内に規定した重心(注目点)について、定期的に位置情報を検出し(管理対象体位置検出工程・手段)、観測時点において輪郭内に存在する重心(注目点)の数を、かご車(管理対象体)の数として取得して(管理対象体数取得工程・手段)、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。ここで、注目点の位置情報は、管理対象体の形状により中心または重心等の位置、人事なら人事配置情報での配属先等が該当し得る。
【0216】
次に、
図14~15は、第3アプローチ方法の説明図である。ここでも、まず、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出する(領域輪郭検出工程・手段)。ただし、輪郭内の面積が得られ、かご車(管理対象体)が進入している(重なっている)領域の面積が得られれば良いので、第1アプローチ方法ほどの直線性は、厳密には要しないが、充填状況を求めるためには、直線性が高い方が好ましい。この点で、画像歪の影響が少ない第2アプローチ方法とは異なり、
図2(a)(b)(e)で前述した樽型歪みの画像歪補正をすることが好ましい。
【0217】
この第3アプローチ方法の特徴を端的に述べる。かご車(管理対象体)がどこに存在しても、その存在により(置き場として)占有する領域を「かご車(管理対象体)存在領域」とし、その面積を「かご車(管理対象体)存在面積」とし、「かご車(管理対象体)存在領域」のうちの白線レーンの輪郭(集配管理領域)内での占有領域を「輪郭内占有領域」とし、その輪郭内占有領域の面積を「かご車(管理対象体)占有面積」として、その「かご車(管理対象体)占有面積」を求め、その面積が、かご車の何台分に相当するかを算出して、(充填状況の1例として)「かご車の数」として推定する、と言うものである。
【0218】
まずは、簡単のため、かご車が全て同形(矩形)で、全てのかご車存在面積が同一のもの(基準面積)として説明する。
【0219】
前述の画像歪補正後の
図14(a)に示す画像から、かご車の数の検出対象となる領域の画像を抽出する(同図(b)、それを拡大した同図(c))。同図(d)に示すように、かご車が検出領域に進入したときに、かご車の領域(かご車存在領域)と検出領域とが重なった面積(かご車占有面積)をR2とし、かご車存在面積R4=R1+R2が基準面積であり、検出領域の面積をR3とすると、かご車占有面積R2が、かご車の何台分に相当するかを算出するには、「かご車(管理対象体)存在領域」を求めれば良いことになる。
【0220】
実際には、かご車の数の推定計算の量を絞って高速処理をするために、
図14で上述のように、かご車が存在する領域のみの画像を抽出して計算しているが、この第3アプローチ方法の原理は、さらに単純なモデルによる説明で理解できる。
【0221】
図15は、第3アプローチ方法の単純モデルに基づく原理説明図である。ここでは、簡単のため、検出領域は白線レーンの輪郭(集配管理領域)内全体とし、この輪郭内の全面積をR3とする。
【0222】
この輪郭内に、各かご車存在面積R4(i)=R(i)+R2(i)、ただしi=1~5、を有する、すなわち、それぞれ、R4(1)=R1(1)+R2(1)、R4(2)=R1(2)+R2(2)、R4(3)=R1(3)+R2(3)、R4(4)=R1(4)+R2(4)、および、R4(5)=R1(5)+R2(5)の各かご車存在面積を有する5台のかご車(カート)K(1)~K(5)が進入して、同図(a)に示すように、それぞれ一部の面積(かご車占有面積)R2(1)~R2(5)が全面積R3と重なっている。
【0223】
ここでは、仮に5台のかご車K(1)~K(5)のかご車存在面積が同一の基準面積R4(0)=R4(1)=R4(2)=R4(3)=R4(4)=4(5)で、且つ重なり部分の面積総和が3台分、すなわち、R2(1)+R2(2)+R2(3)+R2(4)+R2(5)=3×R4(0)とすると、かご車占有面積の総和(3×R4(0))を基準面積R4(0)で除算して、その商より、この場合の第3アプローチ方法による俯瞰結果は、かご車の数=3(管理対象体数)となる。
【0224】
なお、上述の例では、充填状況として、かご車の数=3(管理対象体数)を用いたが、他に充填状況として利用できるもの(パラメータ、変数等)としては、かご車占有面積の総和(R2(1)+R2(2)+R2(3)+R2(4)+R2(5)=3×R4(0))(管理対象体占有面積)自体でも良いし、それ(総和)を輪郭内全面積R3で除算した商の値((R2(1)+R2(2)+R2(3)+R2(4)+R2(5))/R3)を、「かご車(管理対象体)占有面積比として取得して、充填状況として採用しても良い。
【0225】
上述のように、第3アプローチ方法では、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、輪郭内での管理対象体の充填状況を取得する(充填状況取得工程・手段)ので、その充填状況(かご車(管理対象体)の数、かご車(管理対象体)占有面積、かご車(管理対象体)占有面積比、等)の情報を、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0226】
なお、前述の第1アプローチ方法や第2アプローチ方法は、占有状態のマッピング領域の数や輪郭内の注目点の数に基づく方法であり、マッピング領域や注目点にフラグを立てて、そのフラグの数を求めるようなタイプなので、求められるかご車(管理対象体)の数は整数となるが、第3アプローチ方法は、面積や面積比等で表現される充填情報なので、かご車(管理対象体)の一部が輪郭外に存在する場合など、整数だけではなく、小数や分数でも表現され得る。
【0227】
また、第3アプローチ方法でも、面積計算の高速化や効率化等の関係により、第1アプローチ方法と同様のマッピング領域に区画割する方が好ましい場合もある。そのような場合、例えば
図15(b)に示すように、輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割する(マッピング工程・手段)。この場合、第1アプローチ方法と違ってかご車に合わせたフラグを立てるわけではないので、所定面積単位に区画割すれば良い。
【0228】
ここでは簡易に4分割するものとすると、次には、輪郭内全面積R3を4分割したマッピング領域の面積R3(1)~R3(4)のそれぞれ毎に、輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得する(マッピング領域毎占有面積取得工程・手段)。例えば
図4(a)で例示したかご車K(1)に着目すると、マッピング領域の面積R3(1)と重なるマッピング領域毎占有面積R2(1)(1)と、マッピング領域の面積R3(2)と重なるマッピング領域毎占有面積R2(1)(2)と、が得られ、他のマッピング領域との重なりは無いので、前述したかご車占有面積R2(1)=R2(1)(1)+R2(1)(2)となり、かご車占有面積R2(1)が得られる。
【0229】
他のマッピング領域と重なる場合も同様に処理すれば良いし、他のかご車K(2)~K(5)等がある場合も、各かご車について同様に処理すれば良い。この場合、例えば輪郭内に進入しているかご車の数が少ない場合や、各かご車について重なるマッピング領域の数が少ない場合、すなわち例えば全体が空いてる場合等には、計算量を少なくでき、システム全体の処理の高速化や効率化を図れる可能性がある。
【0230】
上述のように、第3アプローチ方法でマッピング領域への区画割を利用した場合、輪郭内を所定面積単位のマッピング領域に区画割し(マッピング工程・手段)、かご車(管理対象体)の少なくとも一部が存在するマッピング領域のそれぞれ毎に、輪郭内占有領域と重なる領域の面積であるマッピング領域毎占有面積を取得し(マッピング領域毎占有面積取得工程・手段)、マッピング領域の全てのマッピング領域毎占有面積の総和を、かご車(管理対象体)占有面積として取得する(総和占有面積取得工程・手段)ことにより、全体が混雑していない場合等では計算量を少なくでき、システム全体の処理の高速化や効率化を図れる可能性があり、管理対象体の充填状況に基づく、その後の集配管理業務のための運用状況として有効に利用できる。
【0231】
なお、前述の第1アプローチ方法や第2アプローチ方法が、かご車(管理対象体)単位、すなわち占有状態のマッピング領域の数や輪郭内の注目点の数に着目した方法なのに対して、第3アプローチ方法では、面積や面積比等で表現される充填状況の情報に着目した方法なので、第1アプローチ方法や第2アプローチ方法よりも、かご車(管理対象体)の形態の多様化に対応しやすい。
【0232】
多様な(複数種類の)かご車(管理対象体)の形態、例えばかご車の形状、面積および単位数量のうちの少なくとも1を含むかご車形態を取得する(管理対象体形態取得工程・手段)ことにより、かご車形態が複数種(あるいは多種多様)であっても、そのかご車存在領域やかご車存在面積を把握・利用し、かご車占有領域やかご車占有面積を抽出して、かご車の充填状況を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0233】
なお、かご車(管理対象体)形態の取得方法としては、CAD等を利用して手動で入力することもできるし、撮像手段による画像検出や、その繰り返しによる深層学習等によって、自動化することもできる。すなわち、R-CNNを使用して、オブジェクト検出器を学習させ、その形態によるかご車存在領域を自動的に把握・利用し、かご車占有領域を抽出して、かご車の充填状況を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0234】
また、
図14で前述の説明では、かご車の数の検出対象となる領域(
図14(b)、それを拡大した同図(c):以下「検出対象抽出領域」)の画像の抽出の理由を、かご車の数の推定計算の量を絞って高速処理するためとしたが、推定計算の量削減だけではなく、この検出対象抽出領域の画像(以下「検出対象抽出画像」)から直接的に、かご車の数の推定値を求めることもできる。
【0235】
すなわち、
図14での検出対象抽出領域の画像は、AIカメラA5により撮像した俯瞰像であるが、かご車の数が1であるときの俯瞰像を、かご車(管理対象体)俯瞰像とし、複数のかご車が連なったときの俯瞰像を、かご車(管理対象体)複合俯瞰像とし、これらの形状や面積と、これらの俯瞰像が得られる(撮像される)ときの実際のかご車の数等(総和の面積等でも良い)とを、関連付けて記憶(登録)しておき、かご車俯瞰像やかご車複合俯瞰像が検出対象抽出画像として得られたときに、前述の推定計算等を要さずに、登録情報を参照して、対応するかご車の数等を直接的に得ることができる。
【0236】
なお、この場合の管理対象体形態となるかご車(管理対象体)俯瞰像やかご車(管理対象体)複合俯瞰像も、その取得方法としては、撮像結果の画像等を、各種アプリ等を利用して手動で入力することもできるし、撮像手段による画像検出により取得しても良いし、その繰り返しによる深層学習等によって、自動化(自動取得)することもできる。これらの場合も、かご車の充填状況を取得でき、後の集配管理業務のための運用状況として利用できる。
【0237】
なお、この第3アプローチ方法を、人事配置等に利用するのであれば、企画部、開発部、営業部等の配置先部門(集配管理領域)において、集配対象体、管理対象体は例えば人員(のプロフィールデータ等)、人員(管理対象体)存在領域は、各人のプロフィール(経歴・資格・特技等)、人員(管理対象体)占有領域は、各人の各配置先でのプロフィール適用領域、運行状況は活躍状況(実績等)に該当する、のように利用できる。また、このような場合にも、深層学習を取り入れても良い。
【0238】
図17は、上述の第1~3のアプローチ方法を実行可能な俯瞰手段の論理的機能ブロックである。この俯瞰手段400は、各構成要素となる各種の情報処理機器(デバイス)をプログラム制御して実行される各種機能手段を備えて、俯瞰方法(上述の各アプローチ方法の各機能工程)を実行する。
【0239】
この俯瞰手段400は、領域指定手段410、認識領域自動認識手段420、背景面積認識手段430、かご車(カート)数え上げ手段440を有する。
【0240】
ハードウェア構成の具体例との関係は、例えば
図1、3、4で示した集配管理システム100では、かご車の数の検出(運行状況の俯瞰)までをカメラ群(主にAIカメラA5)側で行う場合は、カメラ群が
図17の俯瞰手段400に相当し、カメラ群では撮像のみを行い、その後の処理をデスク6側で行う場合には、カメラ群+デスク6の一部が、俯瞰手段400に相当することになる。次の、例えば
図9の集配管理システム200や、
図10の集配管理システム300では、図示の「俯瞰手段」が、そのまま俯瞰手段400に相当することになる。
【0241】
図12で説明した第1アプローチ方法では、領域指定手段410により、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、輪郭内をかご車(管理対象体)のかご車領域(マッピング領域)に区画割し(マッピング工程・手段)、背景面積認識手段430により、かご車領域(マッピング領域)のそれぞれ毎に、グレイカラーフィルタ(所定のフィルタ)によりかご車(管理対象体)の有り(充足)および/または無し(不足)を示す占有率(占有状況)を検出し(領域占有検出工程・手段)、かご車(カート)数え上げ手段440により、各かご車領域(マッピング領域)の占有率(占有状況)に基づいて、かご車(管理対象体)の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段)。
【0242】
次に、
図13で説明した第2アプローチ方法では、領域指定手段410により、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出し(領域輪郭検出工程・手段)、かご車(カート)数え上げ手段440により、その輪郭内に進入してきたかご車(管理対象体)内に規定した重心(注目点)について、定期的に位置情報を検出し(管理対象体位置検出工程・手段)、観測時点において輪郭内に存在する重心(注目点)の数を、かご車(管理対象体)の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段)。
【0243】
そして、
図14~15で説明した第3アプローチ方法では、領域指定手段410により、まず、かご車(管理対象体)が進入する白線レーン(集配管理領域)の輪郭を検出して(領域輪郭検出工程・手段)、背景面積認識手段430により、「かご車(管理対象体)存在領域」の面積を「かご車(管理対象体)存在面積」とし、そのうちの白線レーンの輪郭(集配管理領域)内での占有領域を「輪郭内占有領域」とし、その輪郭内占有領域の面積を「かご車(管理対象体)占有面積」とし、それを輪郭内での管理対象体の充填状況として取得し(充填状況取得工程・手段)、かご車(カート)数え上げ手段440により、その充填状況に基づいて、かご車(管理対象体)の数として取得する(管理対象体数取得工程・手段)。
【0244】
この場合、上述の領域指定手段410による白線レーン(集配管理領域)の検出(領域輪郭検出工程・手段)の代わりに、認識領域自動認識手段420により、かご車の数の検出対象となる検出対象抽出領域(
図14(b)、それを拡大した同図(c))の画像(検出対象抽出画像)を認識し、その推定面積に対して、背景面積認識手段430により、かご車(管理対象体)の充填状況として取得し(充填状況取得工程・手段)、かご車(カート)数え上げ手段440により、その充填状況に基づいて、かご車(管理対象体)の数として取得(管理対象体数取得工程・手段)することもできる。
【0245】
また、この場合、上述の検出対象抽出画像とそのときの実際のかご車の数等(総和の面積等でも良い)とを、関連付けて記憶(登録)しておき、認識領域自動認識手段420により、検出対象抽出画像が得られたときに、背景面積認識手段430による前述の推定計算等を介さずに、かご車(カート)数え上げ手段440により、登録情報を参照して、対応するかご車の数等を直接的に得ることもできる。このときの登録情報は、手動入力の他、画像検出やその繰り返しによる深層学習等による自動取得などによって、登録可能である。
【0246】
次に、以下では、[4.その他の適用・応用例]について、順に説明する。
【0247】
[4.その他の適用・応用例]
図18は、本発明の別の適用対象例を示す概要図である。この適用対象例の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、スライドシュー(集配対象体)の集配管理業務を行うソータ(集配管理領域)において、ひびの入ったスライドシュー(管理対象体)のソータ(集配管理領域)内における「ひび状況」(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、ひびの入ったスライドシューの抽出、排除および修理のうちの少なくとも1を行う。放置すると、ソータ分岐部などに引っかかって、スライドシューの連続破損が起こりかねないので、重要な管理となる。
【0248】
図19は、本発明のさらに別の適用対象例を示す概要図である。この適用対象例の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、搬送予定の物品(集配対象体)の集配管理業務を行う棚上(集配管理領域)において、棚上の物品(管理対象体)の棚上(集配管理領域)内における「ピッキング状態」(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、指定されたものと異なるものの検出を行う。なお、ここで「ピッキング」とは、伝票や指示書(いわゆるピッキングリスト)に基づいて、 商品を取り出す(ピックアップする)作業 のことである。図示では実際の物品が写っていないが、実際の集配管理業務としての作業中には、同図(a)の棚上に、搬送予定の物品(集配対象体)が準備されていて、それを少し上方の同図(b)の角度から撮像して、指定されたものと異なるものの検出(集配管理業務)を行う。
【0249】
図20は、本発明のさらに別の適用対象例を示す概要図である。この適用対象例の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、棚および/または作業人員(集配対象体)の集配管理業務を行う作業エリア(集配管理領域)において、集配対象体と同一または異なる棚および/または作業人員(集配対象体に対応する管理対象体)の作業エリア(集配管理領域)内における「混雑率および/または作業効率」(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、棚および/または作業人員(集配対象体)の再配置を行う。この種の再配置は、特に図示のように通路が狭い作業エリア等の場合、作業効率に大きく影響する可能性があるので、混雑率や作業効率などから最適な棚や人員の配置に生かすことは、重要な管理となる。
【0250】
図21は、本発明のさらに別の適用対象例を示す概要図である。この適用対象例の集配管理方法若しくは集配管理システムでは、搬送物(集配対象体)の集配管理業務を行う空港のコンベア(集配管理領域)において、空港のコンベア上の搬送物(管理対象体)の「異常な形状および/またはサイズ」(運行状況)を俯瞰して、集配管理業務として、搬送物の搬送作業(集配管理業務)を行う。この場合、コンベア引っ掛かりを検出したり、引っ掛かりそうな荷姿やサイズの搬送物を検出することが可能になるので、重要な管理となる。
【0251】
上述の他、本発明は、ラック補充タイミング検知、荷詰まり検知、フォークリフト認識、立ち入り検出など、多種多様な場面での応用が想定し得る。
【0252】
本発明の概念は、主に、いくつかの実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上述のもの以外の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【符号の説明】
【0253】
1~5 カメラ
6 デスク
7 サーバ
51 カメラ本体
52 レンズ(広角レンズ)
53 マウント
54、63 コントローラ(Controller)
55 3色LED
56 ファン
57 電源
58 AC100V(の電源)
59、62 キーボード・ディスプレイ
61 ネットワーク・ビデオ・レコーダ(NVR)
64 ワイマックス(WiMAX)ルータ
65 AC100V電源
71 画像サーバ
100、200、300 集配管理システム
400 俯瞰手段
410 領域指定手段
420 認識領域自動認識手段
430 背景面積認識手段
440 かご車(カート)数え上げ手段
A1~A5 AIカメラ
L1、L2 白線レーン
SC セキュリティカメラ
TB トラックバース
GS 緑シグナル
YS 黄シグナル
RS 赤シグナル
LA、CA、RA エリア