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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104199
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】測定装置及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/105 20200101AFI20240726BHJP
【FI】
G01L5/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008313
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 涼介
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AB03
2F051CA00
(57)【要約】
【課題】帯状の対象物の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる測定装置及び測定方法を得る。
【解決手段】測定装置は、長手方向の異なる2箇所を支持された帯状の対象物の長手方向に付与されたテンションを測定する測定装置であって、対象物の2箇所の間の位置に対して局所的に荷重を付与し、荷重の付与により生じる対象物の面外方向の変位量を対象物の幅方向の異なる2点以上の位置において計測し、計測した2点以上の位置の変位量に基づいて、荷重が付与された位置における対象物の長手方向のテンションを算出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の異なる2箇所を支持された帯状の対象物の前記長手方向に付与されたテンションを測定する測定装置であって、
前記対象物の前記2箇所の間の位置に対して局所的に荷重を付与する付与部と、
前記付与部による荷重の付与により生じる前記対象物の面外方向の変位量を前記対象物の幅方向の異なる2点以上の位置において計測する計測部と、
前記計測部により計測された2点以上の位置の変位量に基づいて、前記付与部により荷重が付与された位置における前記対象物の前記長手方向のテンションを算出するプロセッサと、
を含む測定装置。
【請求項2】
前記2点以上の位置は、前記付与部により荷重が付与された位置を含む前記対象物が山状に変形した部分のうちの2点以上の位置である
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記2点以上の位置は、前記変位量が前記変位量の最大値の10%以上の2点以上の位置である
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記2点以上の位置の変位量及び位置関係に基づいて前記幅方向の位置と前記変位量との関係を表す変位関数を算出し、前記変位関数を用いて前記テンションを算出する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記計測部は、前記対象物の前記幅方向の全体に渡る複数の位置において前記変位量を計測し、
前記プロセッサは、前記計測部により計測された前記複数の位置の前記変位量から前記2点以上の位置の前記変位量を選択する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記変位関数を前記変位量が最大となる位置を挟む2点の位置の一方から他方まで積分して得られる積分値を用いて前記テンションを算出する
請求項4に記載の測定装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記2箇所の間の前記長手方向に沿った距離と前記対象物に加えた荷重とを乗算して得られた値を、前記積分値で除算することにより前記テンションを算出する
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記幅方向の複数の位置それぞれにおいて前記積分値を算出し、
前記対象物の全体の前記長手方向のテンションを、前記積分値に従って配分することによって前記複数の位置それぞれにおけるテンションを算出する
請求項6に記載の測定装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
複数組の前記2点以上の位置の前記変位量及びテンションを教師データとして用いた機械学習によって得られた学習済みモデルに対して前記2点以上の位置の前記変位量を入力することによって前記テンションを算出する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項10】
前記付与部は、前記対象物の前記2箇所の間における前記対象物の長手方向の異なる複数の位置に対して局所的に荷重を付与する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項11】
前記付与部は、エアーを吹き付けるか又はエアーを吸引することによって荷重を付与する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項12】
前記付与部は、ローラを用いて荷重を付与する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項13】
前記付与部は、前記対象物の前記2箇所の間における前記長手方向の中央よりも前記対象物の搬送方向上流側の位置に荷重を付与する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項14】
前記付与部は、前記対象物の前記2箇所のうちの前記対象物の搬送方向下流側を支持する支持部材の前記対象物を挟んだ反対側から荷重を付与する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記幅方向の複数の位置それぞれにおいて前記長手方向のテンションを算出し、
算出した前記複数の位置それぞれにおける前記長手方向のテンションを用いて前記対象物の搬送パラメータを算出する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の測定装置。
【請求項16】
付与部、計測部、及びプロセッサを含み、かつ長手方向の異なる2箇所を支持された帯状の対象物の前記長手方向に付与されたテンションを測定する測定装置が実行する測定方法であって、
前記付与部が、前記対象物の前記2箇所の間の位置に対して局所的に荷重を付与し、
前記計測部が、前記付与部による荷重の付与により生じる前記対象物の面外方向の変位量を前記対象物の幅方向の異なる2点以上の位置において計測し、
前記プロセッサが、前記計測部により計測された2点以上の位置の変位量に基づいて、前記付与部により荷重が付与された位置における前記対象物の前記長手方向のテンションを算出する
測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フィルム状の対象物の幅方向の全体に渡ってエアーを吹き付け、幅方向の圧力分布を測定し、測定した圧力分布に基づいて対象物に付与されたテンションを算出する技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、対象物の1点に対してエアーを吹き付け、その1点の対象物の面外方向の変位量を測定し、測定した変位量に基づいて対象物の長手方向に付与されたテンションを算出する技術が開示されている。この技術では、対象物の幅方向の複数の点にエアーを吹き付け、それぞれの点において計測した面外方向の変位量に基づいてテンションを算出することによって、対象物の幅方向のテンション分布を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-033229号公報
【特許文献2】特開平6-207863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、対象物の幅方向の端部からエアーが抜けてしまうため、対象物の幅方向の端部付近では圧力が低下してしまう。この結果、対象物の幅方向の端部付近では、テンションが実際の値よりも小さく算出されてしまう。
【0006】
特許文献2に記載の技術では、エアーを吹き付ける1点が対象物の幅方向の端部に近いほど、幅方向の引張力が小さいため、その1点における対象物の面外方向の変位量が大きくなってしまう。この結果、その1点において計測された変位量に基づいてテンションを算出した場合、対象物の幅方向の端部に近いほど、テンションが実際の値よりも小さく算出されてしまう。
【0007】
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、帯状の対象物の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様の測定装置は、長手方向の異なる2箇所を支持された帯状の対象物の長手方向に付与されたテンションを測定する測定装置であって、対象物の2箇所の間の位置に対して局所的に荷重を付与する付与部と、付与部による荷重の付与により生じる対象物の面外方向の変位量を対象物の幅方向の異なる2点以上の位置において計測する計測部と、計測部により計測された2点以上の位置の変位量に基づいて、付与部により荷重が付与された位置における対象物の長手方向のテンションを算出するプロセッサと、を含む。
【0009】
第2の態様の測定装置は、第1の態様の測定装置において、上記2点以上の位置は、付与部により荷重が付与された位置を含む対象物が山状に変形した部分のうちの2点以上の位置である。
【0010】
第3の態様の測定装置は、第2の態様の測定装置において、上記2点以上の位置は、変位量が変位量の最大値の10%以上の2点以上の位置である。
【0011】
第4の態様の測定装置は、第1の態様から第3の態様の何れか1態様の測定装置において、プロセッサは、2点以上の位置の変位量及び位置関係に基づいて幅方向の位置と変位量との関係を表す変位関数を算出し、変位関数を用いてテンションを算出する。
【0012】
第5の態様の測定装置は、第1の態様から第4の態様の何れか1態様の測定装置において、計測部は、対象物の幅方向の全体に渡る複数の位置において変位量を計測し、プロセッサは、計測部により計測された複数の位置の変位量から2点以上の位置の変位量を選択する。
【0013】
第6の態様の測定装置は、第4の態様の測定装置において、プロセッサは、変位関数を変位量が最大となる位置を挟む2点の位置の一方から他方まで積分して得られる積分値を用いてテンションを算出する。
【0014】
第7の態様の測定装置は、第6の態様の測定装置において、プロセッサは、2箇所の間の長手方向に沿った距離と対象物に加えた荷重とを乗算して得られた値を、積分値で除算することによりテンションを算出する。
【0015】
第8の態様の測定装置は、第6の態様の測定装置において、プロセッサは、幅方向の複数の位置それぞれにおいて積分値を算出し、対象物の全体の長手方向のテンションを、積分値に従って配分することによって複数の位置それぞれにおけるテンションを算出する。
【0016】
第9の態様の測定装置は、第1の態様から第8の態様の何れか1態様の測定装置において、プロセッサは、複数組の2点以上の位置の変位量及びテンションを教師データとして用いた機械学習によって得られた学習済みモデルに対して2点以上の位置の変位量を入力することによってテンションを算出する。
【0017】
第10の態様の測定装置は、第1の態様から第9の態様の何れか1態様の測定装置において、付与部は、対象物の2箇所の間における対象物の長手方向の異なる複数の位置に対して局所的に荷重を付与する。
【0018】
第11の態様の測定装置は、第1の態様から第10の態様の何れか1態様の測定装置において、付与部は、エアーを吹き付けるか又はエアーを吸引することによって荷重を付与する。
【0019】
第12の態様の測定装置は、第1の態様から第10の態様の何れか1態様の測定装置において、付与部は、ローラを用いて荷重を付与する。
【0020】
第13の態様の測定装置は、第1の態様から第12の態様の何れか1態様の測定装置において、付与部は、対象物の2箇所の間における長手方向の中央よりも対象物の搬送方向上流側の位置に荷重を付与する。
【0021】
第14の態様の測定装置は、第1の態様から第13の態様の何れか1態様の測定装置において、付与部は、対象物の2箇所のうちの対象物の搬送方向下流側を支持する支持部材の対象物を挟んだ反対側から荷重を付与する。
【0022】
第15の態様の測定装置は、第1の態様から第14の態様の何れか1態様の測定装置において、プロセッサは、幅方向の複数の位置それぞれにおいて長手方向のテンションを算出し、算出した複数の位置それぞれにおける長手方向のテンションを用いて対象物の搬送パラメータを算出する。
【0023】
第16の態様の測定方法は、付与部、計測部、及びプロセッサを含み、かつ長手方向の異なる2箇所を支持された帯状の対象物の長手方向に付与されたテンションを測定する測定装置が実行する測定方法であって、付与部が、対象物の2箇所の間の位置に対して局所的に荷重を付与し、計測部が、付与部による荷重の付与により生じる対象物の面外方向の変位量を対象物の幅方向の異なる2点以上の位置において計測し、プロセッサが、計測部により計測された2点以上の位置の変位量に基づいて、付与部により荷重が付与された位置における対象物の長手方向のテンションを算出するものである。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、帯状の対象物の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】搬送装置の構成の一例を示す斜視図である。
図3】搬送装置の構成の一例を示す側面図である。
図4】フィルムの面外方向の変位量の一例を示すグラフである。
図5】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6】情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図7】2点以上の位置の選択処理を説明するための図である。
図8】変位関数の積分を説明するための図である。
図9】テンション測定処理の一例を示すフローチャートである。
図10】テンションの測定結果の一例を示すグラフである。
図11】テンションの測定結果の一例を示すグラフである。
図12】テンションの算出に用いられる学習済みモデルを説明するための図である。
図13】変形例に係る搬送装置の構成の一例を示す斜視図である。
図14】変形例に係る搬送装置の構成の一例を示す側面図である。
図15】搬送パラメータの算出に用いられる学習済みモデルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0027】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る測定装置10の構成を説明する。図1に示すように、測定装置10は、搬送装置12、エアーノズル14、変位センサ16、及び情報処理装置18を含む。測定装置10は、フィルム11の長手方向に付与されたテンションを測定する装置である。以下では、単にテンションと記載した場合は、フィルム11の長手方向に付与されたテンションを意味するものとする。本実施形態では、測定装置10によるテンションの測定対象の帯状の対象物としてポリエステルフィルム等の樹脂製のフィルム11を適用した形態例を説明する。なお、測定装置10によるテンションの測定対象の帯状の対象物は、フィルム11に限定されず、紙でもよいし、アルミニウム箔等の金属でもよい。
【0028】
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る搬送装置12の構成を説明する。図2及び図3に示すように、搬送装置12は、2本の支持ローラ19A、19Bを含む。支持ローラ19A、19Bは、円柱状の部材であり、フィルム11の幅方向に沿って延びている。フィルム11は、支持ローラ19A、19Bに懸架されている。支持ローラ19A、19Bは、フィルム11の長手方向の異なる2箇所を下方から支持する。以下では、フィルム11の幅方向(以下、単に「幅方向」という)をX軸、フィルム11の長手方向(以下、単に「長手方向」という)をY軸、フィルム11の厚み方向(以下、単に「厚み方向」という)をZ軸とした3軸で構成される直交座標系を用いて説明する。なお、本実施形態では、支持ローラ19A、19Bがフィルム11に接触した状態でフィルム11を支持する構成について説明するが、これに限定されない。支持ローラ19A、19Bは、エアーを介してフィルム11に非接触な状態でフィルム11を支持する浮上ローラ又はヘッダ浮上の方式のものであってもよい。
【0029】
搬送装置12は、送り出しローラ(図示省略)に巻かれたフィルム11を搬送し、巻取りローラ(図示省略)に巻き取る。フィルム11の搬送の際、支持ローラ19A、19Bは、同じ方向に回転する。以下では、フィルム11の搬送方向を単に「搬送方向」という。搬送方向は長手方向と同じ方向である。
【0030】
フィルム11の厚みをhとし、2つの支持ローラ19A、19Bのうちの搬送方向の下流側に位置する支持ローラ19Bの表面の粗さをσとした場合、0.1σ<h<500σという条件を満たすことが好ましい。σが小さすぎると、摩擦が働きづらくなるため、フィルム11にエアーが吹き付けられたときにフィルム11が蛇行しやすくなる。この結果、フィルム11を正常に搬送できなくなってしまう場合がある。一方、σが大きすぎると、フィルム11にエアーが吹き付けられたときにフィルムにしわが発生しやすくなるため、フィルム11を正常に搬送できなくなる場合がある。従って、上記条件を満たすことによって、フィルム11の搬送に失敗することを抑制することができる。
【0031】
エアーノズル14は、フィルム11の支持ローラ19A、19Bにより支持される2箇所の間に位置する。本実施形態では、エアーノズル14は、フィルム11の上記2箇所の間における長手方向の中央Cよりも搬送方向上流側に位置する。また、エアーノズル14は、情報処理装置18による制御によって、フィルム11の上記2箇所の間に対して局所的にエアーを吹き付けることによって荷重を付与する。すなわち、エアーノズル14は、フィルム11の中央Cよりも搬送方向上流側の位置に局所的に荷重を付与する。エアーノズル14は、フィルム11の上記2箇所の間に対して局所的に荷重を付与する付与部の一例である。
【0032】
また、エアーノズル14は、フィルム11の上記2箇所のうちの搬送方向下流側を支持する支持ローラ19Bのフィルム11を挟んだ反対側に位置する。すなわち、エアーノズル14は、支持ローラ19Bのフィルム11を挟んだ反対側からフィルム11に局所的に荷重を付与する。これにより、エアーノズル14がフィルム11にエアーを吹き付けたときにフィルム11にしわが発生しにくくなる。
【0033】
また、エアーノズル14は、モータ等の駆動機構(図示省略)によりフィルム11の幅方向の全体に渡って幅方向に沿って移動が可能とされる。
【0034】
変位センサ16は、エアーノズル14による荷重の付与により生じるフィルム11の面外方向の変位量(以下、単に「変位量」という)をフィルム11の幅方向の異なる2点以上の位置において計測する。面外方向とは、フィルム11にエアーノズル14によりエアーを吹き付けていない状態でのフィルム11の面の法線方向であり、Z軸方向である。本実施形態では、変位センサ16は、フィルム11に非接触で変位量を計測する。変位センサ16の例としては、レーザー変位計が挙げられる。
【0035】
変位センサ16は、エアーノズル14のフィルム11を挟んだ反対側に位置する。また、変位センサ16の長手方向に沿った位置は、エアーノズル14と同じ位置に調整される。また、変位センサ16もエアーノズル14と同様に、モータ等の駆動機構(図示省略)によりフィルム11の幅方向の全体に渡って幅方向に沿って移動が可能とされる。
【0036】
一例として図4に示すように、本実施形態では、変位センサ16は、エアーノズル14によってエアーが吹き付けられた状態で、フィルム11の幅方向の全体に渡る複数の位置において変位量を計測する。図4における変位量が最大である幅方向の位置が、フィルム11の剛性が極度に高い場合を除いて、エアーノズル14によってエアーが吹き付けられた位置に相当する。
【0037】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置18のハードウェア構成を説明する。図5に示すように、情報処理装置18は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を含む。また、情報処理装置18は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ23、キーボードとマウス等の入力装置24、ネットワークに接続されるネットワークI/F(InterFace)25、及び外部I/F26を含む。外部I/F26には、エアーノズル14及び変位センサ16の搬送装置12、エアーノズル14、及び変位センサ16が接続される。CPU20、メモリ21、記憶部22、ディスプレイ23、入力装置24、ネットワークI/F25、及び外部I/F26は、バス27に接続される。CPU20は、プロセッサの一例である。情報処理装置18の例としては、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等のコンピュータが挙げられる。
【0038】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、測定プログラム30が記憶される。CPU20は、記憶部22から測定プログラム30を読み出してからメモリ21に展開し、展開した測定プログラム30を実行する。
【0039】
ところで、前述したように、エアーノズル14によってエアーが吹き付けられた位置においてフィルム11の変位量は最大になると考えられる。そこで、フィルム11の変位量の最大値をテンションに換算することが考えられる。しかしながら、エアーを吹き付ける位置がフィルム11の幅方向の端部に近いほど、幅方向の引張力が小さいため、その位置における変位量が大きくなってしまう。このため、フィルム11の変位量の最大値をテンションに換算する場合、幅方向の端部に近いほど、テンションが実際の値よりも小さく算出されてしまう。そこで、本実施形態に係る情報処理装置18は、フィルム11における幅方向の異なる2点以上の位置において計測された変位量を用いてフィルム11の長手方向に付与されたテンションを算出する機能を有する。
【0040】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る情報処理装置18の機能的な構成について説明する。図6に示すように、情報処理装置18は、取得部40、選択部42、及び算出部44を含む。CPU20が測定プログラム30を実行することにより、取得部40、選択部42、及び算出部44として機能する。
【0041】
取得部40は、変位センサ16により計測されたフィルム11の幅方向の全体に渡る複数の位置の変位量を取得する。
【0042】
選択部42は、取得部40により取得された複数の位置の変位量の中から2点以上の位置の変位量を選択する。本実施形態では、選択部42は、取得部40により取得された複数の位置の変位量の中から、エアーノズル14によりエアーが吹き付けられた位置を含むフィルム11が山状に変形した部分のうちの2点以上の位置の変位量を選択する。具体的には、一例として図7に示すように、選択部42は、取得部40により取得された複数の位置の変位量の中から、変位量が最大である位置の変位量と、変位量が、変位量の最大値の10%以上である位置の変位量とを含む2点以上の位置を選択する。図7におけるZmaxが変位量の最大値を示し、黒丸が選択部42により選択された位置を表す。なお、選択部42が選択する位置の数は、2点以上であれば特に限定されない。例えば、選択部42が選択する位置の数は、要求されるテンションの測定精度及び測定処理に費やすことが可能な時間の長さ等に応じて予め設定される。
【0043】
算出部44は、選択部42により選択された2点以上の位置の変位量に基づいて、エアーノズル14によりエアーが吹き付けられた位置におけるフィルム11の長手方向のテンションを算出する。以下、算出部44によるテンションの算出処理の詳細を説明する。
【0044】
まず、算出部44は、選択部42により選択された2点以上の位置の変位量及び位置関係に基づいて、幅方向の位置と変位量との関係を表す変位関数を算出する。具体的には、算出部44は、選択部42により選択された2点以上の位置を用いた近似式を算出することによって変位関数を算出する。算出部44は、この変位関数の算出の際、変位量が最大値をピークとして線対称に近い形状のグラフになる、という特徴を用いてもよい。
【0045】
次に、算出部44は、算出した変位関数を用いてフィルム11の長手方向のテンションを算出する。具体的には、一例として図8に示すように、算出部44は、変位関数を変位量が最大となる位置を挟む2点の位置の一方(図8の例ではa)から他方(図8の例ではb)まで積分することによって積分値を算出する。この積分値は、以下の(1)式で表される。(1)式におけるz(x)は、変位関数を表している。この際、本実施形態では、算出部44は、変位量が最大となる位置を挟む2点として、変位量が変位量の最大値の半分以下である2点を選択する。
【0046】
【数1】
【0047】
そして、算出部44は、算出した積分値を用いてフィルム11の長手方向のテンションを算出する。具体的には、算出部44は、支持ローラ19Aと支持ローラ19Bとの間の長手方向に沿った距離とフィルム11に加えた加重とを乗算して得られた値を、(1)式により表される積分値で除算することによりテンションを算出する。より具体的には、算出部44は、テンションが積分値に反比例するという関係を表す式である以下の(2)式に従って、フィルム11の長手方向のテンションを算出する。(2)式におけるTはテンションを表し、Lは支持ローラ19Aと支持ローラ19Bとの間の長手方向に沿った距離(図3参照)を表し、Fはエアーノズル14によりエアーが吹き付けられることによってフィルム11に加えられた荷重を表している。
【0048】
【数2】
【0049】
次に、図9を参照して、本実施形態に係る測定装置10の作用を説明する。図9に示すテンション測定処理は、フィルム11が搬送装置12により搬送されている最中に実行される。
【0050】
図9のステップS10で、エアーノズル14は、前述したように、フィルム11に対して局所的にエアーを吹き付けることによって荷重を付与する。ステップS12で、変位センサ16は、前述したように、ステップS10による荷重により生じるフィルム11の変位量をフィルム11の幅方向の全体に渡る複数の位置において計測する。ステップS14で、取得部40は、ステップS12で計測されたフィルム11の幅方向の全体に渡る複数の位置の変位量を取得する。
【0051】
ステップS16で、選択部42は、前述したように、ステップS12で取得された複数の位置の変位量の中から2点以上の位置の変位量を選択する。ステップS18で、算出部44は、前述したように、ステップS16で選択された2点以上の位置の変位量及び位置関係に基づいて、幅方向の位置と変位量との関係を表す変位関数を算出する。
【0052】
ステップS20で、算出部44は、前述したように、ステップS18で算出された変位関数を変位量が最大となる位置を挟む2点の位置の一方から他方まで積分することによって積分値を算出する。ステップS22で、算出部44は、前述したように、ステップS20で算出された積分値を用いて、(2)式に従ってフィルム11の長手方向のテンションを算出する。ステップS22の処理が終了すると、テンション測定処理が終了する。以上のテンション測定処理を、ステップS10でエアーノズル14がエアーを吹き付けるフィルム11の位置を異ならせながら繰り返し実行することによって、フィルム11の幅方向の複数の位置での長手方向のテンションを測定することができる。これにより、フィルム11の幅方向に沿った長手方向のテンション分布が得られる。
【0053】
このように得られたテンション分布は、例えば、テンション分布が許容範囲から外れた場合におけるユーザへの警告の通知、及びフィルム11の搬送の停止等に用いられる。
【0054】
図10及び図11に、本実施形態に係る測定装置10によるテンションの測定結果の例を示す。図10及び図11の横軸は、フィルム11の幅方向の一端を基準とした幅方向の位置を示し、縦軸は、幅方向の位置におけるフィルム11の長手方向のテンションを示す。図10の実線は、本実施形態に係る測定装置10により測定されたテンションを示し、破線は、変位量の最大値から換算されたテンションを示す。また、図10では、フィルム11の長手方向のテンションが幅方向に沿って一様である場合のテンションの測定結果を示している。
【0055】
図10に示すように、本実施形態に係る測定装置10では、前述した積分値を用いているため、変位量の最大値をテンションに換算する場合に比較して、フィルム11の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる。また、図10に示すように、本実施形態に係る測定装置10では、フィルム11の幅方向の端部に近い位置ほど、フィルム11の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる。
【0056】
図11の黒丸は、本実施形態に係る測定装置10により測定されたテンションを示し、実線は、面圧センサの一例としてのタクタイルセンサの検出結果から換算されたフィルム11の長手方向のテンションを示す。タクタイルセンサは、フィルム11の面に接触し、かつ加圧した状態で測定を行うため、検出結果の精度は高いが、フィルム11を搬送しながら測定を行うことはできない。また、図11に示す測定結果は、フィルム11の厚みが100μm、幅が180mm、(2)式におけるLが550mm、及びフィルム11全体に付与されたテンションが31.8Nという条件下で測定された例を示している。また、図11に示す測定結果は、支持ローラ19A、19BをX軸に沿って0.57mm/200mmの分だけ傾けることによってフィルム11の幅方向の2つの端部の一方から他方に向けて長手方向のテンションが徐々に小さくなる状態で測定された例を示している。図11に示すように、本実施形態に係る測定装置10では、フィルム11を搬送しながらフィルム11の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、フィルム11の長手方向に付与されたテンションを精度良く算出することができる。また、本実施形態によれば、局所的なテンションを測りやすくすることができる。また、本実施形態によれば、フィルム11の幅方向の端部に近い位置においてもテンションを精度良く算出することができるため、幅方向の分解能を向上させることができる。また、フィルム11に対して局所的に荷重を付与した場合の変位量は、フィルム11が薄ければ薄いほど大きくなる。従って、変位量の最大値をテンションに換算する手法では、フィルム11が薄いほど誤差が大きくなる。本実施形態のように、2点以上の位置の変位量を用いて算出された積分値をテンションに換算する手法では、その誤差をより小さくすることができる。従って、本実施形態に係る測定装置10は、厚みが40μm以下のフィルム11において、フィルム11の長手方向に付与されたテンションをより精度良く算出することができる。
【0058】
なお、上記実施形態において、算出部44は、フィルム11の全体の長手方向に付与されたテンションが既知である場合、以下に示すように幅方向の特定の位置における長手方向のテンションを算出してもよい。まず、上記テンション測定処理のステップS10~ステップS20を、ステップS10でエアーノズル14がエアーを吹き付けるフィルム11の位置を異ならせながら繰り返し実行する。これにより、ステップS20で、算出部44は、幅方向の複数の位置それぞれにおいて積分値を算出する。そして、算出部44は、以下の(3)式に従って、フィルム11の全体の長手方向のテンションを複数の位置それぞれにおける積分値に従って配分することによって、その複数の位置それぞれにおけるテンションを算出する。(3)式におけるTallは、フィルム11の全体の長手方向のテンションを表し、Tは、i(=1、2、・・・、N)番目の位置におけるテンションを表している。また、(3)式におけるIntegralは、i番目の位置における積分値を表し、Integral1-Nは、上記複数の位置それぞれにおける積分値を表している。すなわち、(3)式における分母は、上記複数の位置それぞれにおける積分値の逆数の平均値を表している。
【0059】
【数3】
【0060】
この形態例では、例えば、支持ローラ19Bに荷重センサを取り付け、その荷重センサによって支持ローラ19Bがフィルム11から受ける荷重を測定する。そして、算出部44は、測定した荷重をフィルム11の全体の長手方向のテンションに換算する。
【0061】
また、上記実施形態では、算出部44は、積分値を用いてテンションを算出する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図12に示すように、算出部44は、選択部42により選択された2点以上の位置の変位量と学習済みモデル32とに基づいてテンションを算出する形態としてもよい。学習済みモデル32は、2点以上の位置の変位量を入力とし、テンションを出力とするモデルである。学習済みモデル32は、複数組の2点以上の位置の変位量及びテンションを教師データとして用いた機械学習によって予め得られる。算出部44は、選択部42により選択された2点以上の位置の変位量を学習済みモデル32に入力することによってテンションを算出する。
【0062】
また、上記実施形態では、エアーノズル14が1つ設けられる場合について説明したが、これに限定されない。エアーノズル14は複数設けられてもよい。図13及び図14に、2つのエアーノズル14が設けられた場合の搬送装置12の構成の一例を示す。この場合、図13及び図14に示すように、2つのエアーノズル14は、フィルム11の支持ローラ19A、19Bにより支持される2箇所の間に位置する。また、2つのエアーノズル14は、長手方向の異なる位置に設けられる。すなわち、複数のエアーノズル14は、フィルム11の上記2箇所の間におけるフィルム11の長手方向の異なる複数の位置に対して局所的に荷重を付与する。この形態例では、変位センサ16は、2つのエアーノズル14の長手方向の中央の位置に設けられる。この形態例では、変位センサ16の長手方向の位置が多少ずれた場合でも、テンションを精度良く算出することができる。
【0063】
また、上記実施形態では、エアーノズル14が、エアーを吹き付けることによってフィルム11の上記2箇所の間に対して局所的に荷重を付与する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、エアーを吸引する吸引装置が、エアーを吸引することによってフィルム11の上記2箇所の間に対して局所的に荷重を付与する形態としてもよい。また、例えば、ローラを用いてフィルム11の上記2箇所の間に対して局所的に荷重を付与する形態としてもよい。この場合、ローラをフィルム11に押し付けることによって局所的に荷重を付与する。
【0064】
また、上記実施形態において、図9に示すテンション測定処理を、ステップS10でエアーノズル14がエアーを吹き付けるフィルム11の位置を異ならせて繰り返し実行することによって、フィルム11の幅方向の複数の位置でのテンションを測定してもよい。この場合、図15に示すように、算出部44は、その複数の位置でのテンションと学習済みモデル34とに基づいてフィルム11の搬送を制御する搬送パラメータを算出してもよい。学習済みモデル34は、複数の位置でのテンションを入力とし、搬送パラメータを出力とするモデルである。学習済みモデル34は、複数組の複数の位置でのテンション及び搬送パラメータを教師データとして用いた機械学習によって予め得られる。算出部44は、測定装置10により測定された複数の位置でのテンションを学習済みモデル34に入力することによって搬送パラメータを算出する。
【0065】
この形態例における搬送パラメータの例として、支持ローラ19A、19BのX軸に沿った傾き量が挙げられる。この場合、学習済みモデル34は、入力された複数の位置でのテンションが目標状態に近づく搬送パラメータを出力するように学習される。これにより、テンションを目標状態に近づけることができる。この場合の目標状態の例としては、幅方向の各位置におけるテンションが均一である状態が挙げられる。なお、この形態例において、算出部44は、フィルム11のヤング率に基づいて、支持ローラ19A、19BのX軸に沿った傾き量を算出してもよい。
【0066】
また、この形態例における搬送パラメータの例として、支持ローラ19A、19Bがエキスパンダーローラである場合におけるエキスパンダーローラのたわみ量が挙げられる。この場合も算出部44は、複数の位置でのテンションと学習済みモデル34とに基づいてフィルム11の搬送を制御する搬送パラメータを算出することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、エアーノズル14及び変位センサ16が設置される場合について説明したが、これに限定されない。エアーノズル14及び変位センサ16の少なくとも一方が、ユーザが手に持った状態で使用可能なハンディタイプの装置であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、変位センサ16がフィルム11の幅方向の全体に渡る複数の位置の変位量を計測し、選択部42がその計測結果の中から2点以上の位置の変位量を選択する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、変位センサ16は、エアーノズル14の幅方向の位置と同じ幅方向の位置から幅方向に沿った距離が予め設定された距離(例えば、5mm)以内の2点以上の位置の変位量を計測する形態としてもよい。この場合の2点以上の位置には、例えば、エアーノズル14の幅方向の位置と同じ幅方向の位置を含めてもよい。また、この場合の上記距離は、フィルム11の幅及びエアーノズル14によりフィルム11に対して付与される荷重等に応じて、変位量が、変位量の最大値の10%以上である2点以上の位置が計測されるように設定されてもよい。この形態例では、選択部42は不要となる。
【0069】
また、上記実施形態において、例えば、取得部40、選択部42、及び算出部44といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0070】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0071】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0072】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0073】
また、上記実施形態では、測定プログラム30が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。測定プログラム30は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、測定プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 測定装置
11 フィルム
12 搬送装置
14 エアーノズル
16 変位センサ
18 情報処理装置
19A、19B 支持ローラ
20 CPU
21 メモリ
22 記憶部
23 ディスプレイ
24 入力装置
25 ネットワークI/F
26 外部I/F
27 バス
30 測定プログラム
32、34 学習済みモデル
40 取得部
42 選択部
44 算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15