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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104604
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20240729BHJP
【FI】
B65G47/30 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008916
(22)【出願日】2023-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】鷲 奈央也
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA18
3F081BD11
3F081BF01
3F081BF22
3F081BF23
3F081CC15
3F081DA04
3F081FA01
(57)【要約】
【課題】物品搬送装置において、物品が倒れたことを簡易な構成で検出することができる。
【解決手段】物品搬送装置10は、アキュームコンベヤ14上の物品列に係合可能な係合面が設けられ、互いに平行に隣接して配置された複数のガイドプレート46と、ガイドプレート46を一体的に上下方向およびコンベヤ搬送方向に移動させるガイドプレート駆動装置40とを備え、ガイドプレート46を、物品列の側面に係合させ、アキュームコンベヤ14の搬送方向に水平移動させ搬送する。物品搬送装置10は、各ガイドプレート46と交差する光軸Lに沿って光線を投稿する投光器82Aと受光する受光器82Bを備える。ガイドプレート46は、固定部材76と、固定部材76に吊り下げられる昇降部材78を備える。昇降部材78が物品に接触して突き上げられると光線の光軸Lが遮られる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品からなる物品列が複数列隣接した状態で搬送面上に載置される搬送手段と、
物品列に係合可能な係合部が設けられ、互いに平行に隣接して配置された複数のガイドと、
当該各ガイドを一体的に上下方向および上記搬送手段の搬送方向に移動させるガイド駆動手段と、から構成される物品列移動手段と、
上記物品列移動手段を制御する制御手段と、を備え、
上記各ガイドを、当該各ガイドの下端部が上記搬送面に載置された物品よりも高い位置である待機位置に位置させた状態から、当該各ガイドの上記係合部が対応する物品列に対向した移送開始位置まで下降させた後、上記ガイドを水平移動させることにより、上記各係合部によって対応する物品列を上記搬送方向前方に移送する物品搬送装置において、
上記各ガイドと交差する光軸に沿って光線を投受光する検出センサを備え、
上記各ガイドが、
上記ガイド駆動手段に対して固定される固定部材と、
上記係合部が設けられるとともに、上記固定部材に吊り下げられた懸下状態で、かつ、当該懸下状態から固定部材に対して上方へと移動自在に取り付けられた昇降部材とを備え、
上記光軸が、上記各ガイドの昇降部材が上記懸下状態にある場合には、これらの昇降部材によって上記光線が遮られず、上記各ガイドの昇降部材の少なくともいずれか1つが上記固定部材に対して上昇すると、当該上昇した上記昇降部材によって遮られる位置に設定される
ことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
複数の物品からなる物品列が複数列隣接した状態で搬送面上に載置される搬送手段と、
物品列に係合可能な係合部が設けられ、互いに平行に隣接して配置された複数のガイドと、
当該各ガイドを一体的に上下方向および上記搬送手段の搬送方向に移動させるガイド駆動手段と、から構成される物品列移動手段と、
上記物品列移動手段を制御する制御手段と、を備え、
上記各ガイドを、当該各ガイドの下端部が上記搬送面に載置された物品よりも高い位置である待機位置に位置させた状態から、当該各ガイドの上記係合部が対応する物品列に対向した移送開始位置まで下降させた後、上記ガイドを水平移動させることにより、上記各係合部によって対応する物品列を上記搬送方向前方に移送する物品搬送装置において、
上記各ガイドが、
上記ガイド駆動手段に対して固定される固定部材と、
上記係合部が設けられるとともに、上記固定部材に吊り下げられた懸下状態で、かつ、当該懸下状態から固定部材に対して上方へと移動自在に取り付けられた昇降部材とを備え、
長手方向を上記各ガイドと交差する方向に沿って昇降自在に支持された検出バーと、検出バーの上昇を検出する検出センサとを備え、
上記検出バーが、上記各ガイドの昇降部材が上記懸下状態にある場合には、これらの昇降部材に接触しない位置に支持されており、上記各ガイドの昇降部材の少なくともいずれか1つが上記固定部材に対して上昇すると、当該上昇した上記昇降部材に当接されて上昇し、上記検出センサによって当該検出バーの上昇が検出される
ことを特徴とする物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品列にプレートを押し当てて搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、アキューム装置において、1列で搬送されてくる物品を複数の列に振分け、複数の物品列を昇降するガイドプレートにより物品列の両側をガイドしながらアキュームコンベヤにより側方に移動する構成が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-129212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、物品が倒れた場合には、下降したガイドプレートが物品と衝突し、物品や装置が破損する恐れがある。
【0005】
本願発明は、物品搬送装置において物品が倒れたことを簡易な構成で検出することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である物品搬送装置は、複数の物品からなる物品列が複数列隣接した状態で搬送面上に載置される搬送手段と、物品列に係合可能な係合部が設けられ、互いに平行に隣接して配置された複数のガイドと、当該各ガイドを一体的に上下方向および上記搬送手段の搬送方向に移動させるガイド駆動手段と、から構成される物品列移動手段と、上記物品列移動手段を制御する制御手段と、を備え、上記各ガイドを、当該各ガイドの下端部が上記搬送面に載置された物品よりも高い位置である待機位置に位置させた状態から、当該各ガイドの上記係合部が対応する物品列に対向した移送開始位置まで下降させた後、上記ガイドを水平移動させることにより、上記各係合部によって対応する物品列を上記搬送方向前方に移送する物品搬送装置において、上記各ガイドと交差する光軸に沿って光線を投受光する検出センサを備え、上記各ガイドが、上記ガイド駆動手段に対して固定される固定部材と、上記係合部が設けられるとともに、上記固定部材に吊り下げられた懸下状態で、かつ、当該懸下状態から固定部材に対して上方へと移動自在に取り付けられた昇降部材とを備え、上記光軸が、上記各ガイドの昇降部材が上記懸下状態にある場合には、これらの昇降部材によって上記光線が遮られず、上記各ガイドの昇降部材の少なくともいずれか1つが上記固定部材に対して上昇すると、当該上昇した上記昇降部材によって遮られる位置に設定されることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である物品搬送装置は、複数の物品からなる物品列が複数列隣接した状態で搬送面上に載置される搬送手段と、物品列に係合可能な係合部が設けられ、互いに平行に隣接して配置された複数のガイドと、当該各ガイドを一体的に上下方向および上記搬送手段の搬送方向に移動させるガイド駆動手段と、から構成される物品列移動手段と、上記物品列移動手段を制御する制御手段と、を備え、上記各ガイドを、当該各ガイドの下端部が上記搬送面に載置された物品よりも高い位置である待機位置に位置させた状態から、当該各ガイドの上記係合部が対応する物品列に対向した移送開始位置まで下降させた後、上記ガイドを水平移動させることにより、上記各係合部によって対応する物品列を上記搬送方向前方に移送する物品搬送装置において、上記各ガイドが、上記ガイド駆動手段に対して固定される固定部材と、上記係合部が設けられるとともに、上記固定部材に吊り下げられた懸下状態で、かつ、当該懸下状態から固定部材に対して上方へと移動自在に取り付けられた昇降部材とを備え、長手方向を上記各ガイドと交差する方向に沿って昇降自在に支持された検出バーと、検出バーの上昇を検出する検出センサとを備え、上記検出バーが、上記各ガイドの昇降部材が上記懸下状態にある場合には、これらの昇降部材に接触しない位置に支持されており、上記各ガイドの昇降部材の少なくともいずれか1つが上記固定部材に対して上昇すると、当該上昇した上記昇降部材に当接されて上昇し、上記検出センサによって当該検出バーの上昇が検出されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、物品搬送装置において物品が倒れたことを簡易な構成で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態である物品搬送装置の配置を示す平面図である。
図2】第1ガイドプレート駆動装置の構成を示す平面図である。
図3】昇降プレートが下降した状態および上昇された状態を示す正面図である。
図4】長孔および検出孔を通る図3(a)、(b)の縦断面図である。
図5】通常運転時における各コンベヤ上の物品列と第1~第3ガイドプレート駆動装置の配置を例示する側面図である。
図6図5の状態から、第1、第2ガイドプレート駆動装置のガイドプレートが各物品列の側面に沿って下降された状態が示される。
図7】第1実施形態のガイドプレートの変形例の構成を示す正面図である。
図8】第2実施形態のガイドプレートと接触式センサの関係を模式的に示す側面図である。
図9】第2実施形態の変形例におけるガイドプレートと接触式センサの関係を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態である物品搬送装置の配置を示す平面図である。
【0011】
第1実施形態の物品搬送装置10は、供給コンベヤ12により列状態で搬送される容器(例えば、内容物が充填されたガラス瓶やPETボトル)などの物品Mの列(物品列)を、供給コンベヤ12の側方に隣接して配置されるアキュームコンベヤ(搬送手段)14に一旦移載し、アキュームコンベヤ14により列状態を維持したまま側方に物品列を水平に移動してアキュームコンベヤ14の下流端に隣接して配置される排出コンベヤ16から列状態を維持したまま物品Mを排出する。
【0012】
供給コンベヤ12は、例えば並列する第1~第3供給コンベヤ12A、12B、12Cを備え、各々駆動用モータ18A、18B、18Cにより駆動される。物品Mはラベラなどの上流側機器20において所定の処理(例えばラベリング)が行われた後、第1~第3供給コンベヤ12A、12B、12Cにより各々一列で搬送される。
【0013】
供給コンベヤ12がアキュームコンベヤ14と隣接する区間において、第1、第2供給コンベヤ12A、12Bの間には、第1~第3供給コンベヤ12A、12B、12Cと略同じ幅を有する中間プレート22が第1、第2供給コンベヤ12A、12Bに隣接して配置される。一方、第2、第3供給コンベヤ12B、12Cは互いに隣接して配置され、第3供給コンベヤ12Cの第2供給コンベヤ12Bとは反対側には、駆動用モータ14Aにより駆動されるアキュームコンベヤ14が隣接して配置される。
【0014】
アキュームコンベヤ14の第3供給コンベヤ12Cとは反対側(下流端)には、排出コンベヤ16が隣接して配置される。排出コンベヤ16は、例えば並列する第1~第3排出コンベヤ16A、16B、16Cを備え、各コンベヤは一体的に1つの駆動用モータ24により駆動される。排出コンベヤ16により列状態を維持したまま排出される物品Mは、下流側の処理装置26へと排出される。処理装置26は例えば、物品Mを箱詰めする箱詰め装置である。なお、アキュームコンベヤ14の搬送方向(Y方向)は、供給コンベヤ12の搬送方向(X方向)に直交し、排出コンベヤ16の搬送方向(Y方向)は、アキュームコンベヤ14の搬送方向(X方向)に直交する。
【0015】
第1供給コンベヤ12Aの中間プレート22とは反対側には、プッシャ28が配置される。プッシャ28は、略アキュームコンベヤ14の横幅と同じ長さを有し、第1供給コンベヤ12Aおよび中間プレート22の上方に設けられたプッシャ駆動装置28Aにより第1供給コンベヤ12Aと中間プレート22の間で往復移動される。これにより第1供給コンベヤ12A上の物品列は中間プレート22上へと移載される。
【0016】
アキュームコンベヤ14の両側辺上方には、供給コンベヤ12上方から排出コンベヤ16上方に亘って一対のガイドプレート移送レール30がY方向に沿って架け渡される。ガイドプレート移送レール30には第1~第3可動桁部材32、34、36がX方向に沿って掛け渡される。第1~第3可動桁部材32、34、36の各々の両端部は、スライダを介してガイドプレート移送レール30に係合され、それぞれ図示しない駆動手段により独立してガイドプレート移送レール30に沿って水平移動可能である。
【0017】
第1可動桁部材32には第1ガイドプレート駆動装置(ガイドプレート駆動手段)38、第2可動桁部材34には第2ガイドプレート駆動装置(ガイドプレート駆動手段)40、第3可動桁部材36には第3ガイドプレート駆動装置(ガイドプレート駆動手段)42が設けられる。第1ガイドプレート駆動装置38は、中間プレート22と第2、第3供給コンベヤ12B、12C上の物品列をアキュームコンベヤ14上へと移載するための装置であり、例えば同時に3列の物品列の各々の側面に係合面(係合部)を介して係合してX方向に沿ってガイドする4枚のガイドプレート(ガイド)44を備える。
【0018】
第2ガイドプレート駆動装置40は、アキュームコンベヤ14に移載された複数の物品列の搬送をガイドするため装置であり、本実施形態では例えば同時に6列の物品列の各々側面に係合面(係合部)を介して係合してX方向に沿ってガイドする7枚のガイドプレート(ガイド)46を備える。また、第3ガイドプレート駆動装置42は、アキュームコンベヤ14の下流部まで搬送された物品列を排出コンベヤ16へと移載するための装置であり、例えば同時に3列の物品列の各々の側面に係合面(係合部)を介して係合してX方向に沿ってガイドする4枚のガイドプレート(ガイド)48を備える。
【0019】
第1ガイドプレート駆動装置38のガイドプレート44の各上端は、X方向に沿って例えば所定間隔で配置され、Y方向に沿って延在する複数のガイドレール50に摺動自在に支持される。また同様に、第2、第3ガイドプレート駆動装置40、42のガイドプレート46、48の各上端は、X方向に沿って例えば所定間隔で配置され、Y方向に沿って延在する複数のガイドレール52、54に摺動自在に支持される。
【0020】
ガイドレール50、52、54は、各々X方向に沿って延在するベース部材56、58、60によって支持され、各ガイドレール50、52、54に支持されるガイドプレート44、46、48は、各々ベース部材56、58、60に設けられたリンク機構によって連結され、ガイドレール50、52、54(Y方向)に沿って水平移動可能とされる。また、ベース部材56、58、60は、それぞれ基部62、64、66に支持され、基部62、64、66は、それぞれ昇降装置68、70、72(図5参照)を介して第1、第2、第3可動桁部材32、34、36に取り付けられる。
【0021】
図2には、代表例として第1ガイドプレート駆動装置38に係る第1可動桁部材32、ガイドプレート44、ガイドレール50、ベース部材56、基部62、リンク機構63の配置が示されるが、第2、第3ガイドプレート駆動装置40、42においても同様であり、その説明を省略する。
【0022】
図2に示されるように、リンク機構63は、各ガイドプレート44をリンクするリンク63Aと1台のリンク駆動モータ63Bを備ええ、リンク駆動モータ63Bは、基部62に設けられる。各ガイドプレート44は、リンク駆動モータ63Bの駆動により、平行を維持したままガイドレール50に沿って互いに離隔する方向、または近接する方向に移動可能である。
【0023】
なお、供給コンベヤ12、アキュームコンベヤ14、排出コンベヤ16の駆動、および第1~第3ガイドプレート駆動装置38、40、42における、第1~第3可動桁部材32、34、36、昇降装置68、70、72、リンク機構の駆動は、制御装置(制御手段)74によって制御される。
【0024】
図3(a)、(b)は、本実施形態のガイドプレート44、46、48の2つの状態における構成を示す正面図である。ガイドプレート44、46、48の構成は、同一なので、図3を参照する以下の説明は、ガイドプレート44を例に説明を行う。
【0025】
ガイドプレート44は、第1ガイドプレート駆動装置38のガイドレール50に対して固定される固定プレート(固定部材)76と、固定プレート76から懸架され、固定プレート76に対して一定の範囲で上下方向に移動自在に取り付けられた昇降プレート78を備える。固定プレート76の上端部には、各ガイドレール50の位置に対応して、ガイドレール50に係合するスライダを取り付けるためのステー76Aが設けられる。
【0026】
固定プレート76の長手方向に沿った所定高さには、上下方向に沿った所定長さの長孔76Bが複数設けられる。昇降プレート78は、固定プレート76の前後面を下側から挟み込む2枚のプレート78A、78Bを備え、前後のプレート78A、78Bの所定高さには、各長孔76Bを通り抜ける複数のピン78Cが設けられる。これにより、昇降プレート78は、固定プレート76に対して長孔76Bの長さ分、昇降自在に保持される。
【0027】
図3(a)には、固定プレート76に対して昇降プレート78が最も下降された状態(ピン78Cが長孔78Bの下端に当接し、昇降プレート78が懸架された状態)が示され(移送開始位置)、図3(b)には、固定プレート76に対して昇降プレート78が最も上昇された状態(ピン78Cが長孔78Bの上端に当接し、昇降プレート78が突き上げられた状態)が示される(待機位置)。なお、通常の状態において昇降プレート78は、自重により図3(a)の状態にあり、後述するように、物品Mとの接触などにより昇降プレート78が突き上げられると、図3(b)の状態となる。また、ピン78Cと長孔78Bの間には一定の遊びがあり、昇降プレート78は固定プレート76に対して斜めに昇降することも可能である。
【0028】
本実施形態の固定プレート76には、検出センサ82の投光器82Aから照射される光を透過する検出孔80が設けられる。図2図3に示される例では、検出センサ82の投光器82A及び受光器82Bは、投光器82Aから照射される光束の光軸Lが固定プレート76の検出孔80を通して受光器82Bへと導かれるようにブラケット等を介して基部62の両端に取り付けられる。
【0029】
図4(a)、(b)は、長孔76Bおよび検出孔80を通る図3(a)、(b)の縦断面図であり、昇降プレート78が下降した通常状態で、投光器82Aからの光が検出孔80を通り抜ける様子と、昇降プレート78が突き上げられ、検出孔80を通る投光器82Aからの光が昇降プレート78により遮られる様子が示される。受光器82Bからの信号は制御装置74へと送られる。
【0030】
次に図5図6を参照して、物品搬送装置10による物品列の搬送における物品転倒検出処理について説明する。
【0031】
本実施形態の物品搬送装置10は、アキュームコンベヤ14を介して供給コンベヤ12から排出コンベヤ16へと物品列を横向きに搬送する。通常運転時には、供給コンベヤ12から例えば3列で供給された物品列はアキュームコンベヤ14を介して排出コンベヤ16から3列で排出される。一方、排出コンベヤ16の下流側において問題が発生した場合、第3ガイドプレート駆動装置42の駆動が停止され、第1、第2ガイドプレート駆動装置38、40の駆動により供給コンベヤ12から供給される物品列がアキュームコンベヤ14上に集積される。
【0032】
以下、通常運転時を例に本実施形態のガイドプレート駆動装置を用いた物品転倒検出処理について説明する。図5には、第1~第3供給コンベヤ12A、12B、12Cにより物品列が供給され、プッシャ28により第1供給コンベヤ12A上の物品列が中間プレート22へと移載された状態が示される。このとき物品列は中間プレート22、第2、第3供給コンベヤ12B、12C上に略等間隔で並べられている。
【0033】
第1ガイドプレート駆動装置38は、4枚のガイドプレート44を上昇させた状態で、中間プレート22、第2、第3供給コンベヤ12B、12Cの上方に移動されており、4枚のガイドプレート44は互いに離隔された状態にある。また、平面視において4枚のガイドプレート44は各々物品列同士の間および外側に位置する。
【0034】
第2ガイドプレート駆動装置40は、これまでにアキュームコンベヤ14の上流部に移載された6列の物品列の上方に移動されており、7枚のガイドプレート46は互いに離隔された状態にある。また、平面視において7枚のガイドプレート46は各々物品列同士の間および外側に位置する。
【0035】
また、第3ガイドプレート駆動装置42は、アキュームコンベヤ14の下流部に待機していた3列の物品列を第1~第3排出コンベヤ16A、16B、16Cに移動した後、上昇された状態にある。
【0036】
図6には、図5の状態とは異なり、昇降装置70、72により第1、第2ガイドプレート駆動装置38、40のガイドプレート44、46が各物品列の側面に沿って下降された状態が示される。また、図6では、第2ガイドプレート駆動装置40の下に位置する物品列の中の1つの物品Mが、隣の物品列に横倒しになっており、下降されるガイドプレート46のうちの1枚が倒れている物品Mと接触し、当該ガイドプレート46の昇降プレート78が下降される固定プレート76に対して突き上げられている。これにより、当該ガイドプレート46は、図3(b)や図4(b)の状態となり、検出センサ82の光線が昇降プレート78により遮られ、制御装置74において物品Mの転倒が検知される。なお、物品Mの転倒が検出される制御装置74は、各機器の運転を停止し、作業者に同状態を報知する。
【0037】
以上のように、第1実施形態の物品搬送装置によれば、ガイドプレートを構成する昇降プレートが転倒した物品に接触して固定プレートに対して突き上げられ、同状態を検知センサで検出すると言う簡易な構成で物品の転倒を検出することができる。
【0038】
図7(a)、(b)は、第1実施形態のガイドプレートの変形例の構成を示す正面図である。変形例のガイドプレート83は、検知センサ82の光軸が配置される位置や、固定プレート、昇降プレートの大きさ本実施形態とは異なるが、その他の構成は本実施形態と略同様である。したがって、同様の構成に係る説明は省略する。
【0039】
図7(a)は、ガイドプレート83の固定プレート84に対して昇降プレート86が最も下降され状態が示される。すなわち、昇降プレート86のピン86Aが固定プレート84の長孔84Aの下端に当接した状態が示される。また、図7(b)には、固定プレート84に対して昇降プレート86が最も上昇された状態が示される。すなわちピン86Aが長孔84Aの上端に当接した状態が示される。
【0040】
変形例の昇降プレート86の長手方向の幅は、固定プレート84の長手方向の幅よりも大きく、端部において昇降プレート86は固定プレート84よりも外側に延出する。検知センサ82の光軸Lは、第1実施形態の固定プレート76に設けられた検出孔80とは異なり、固定プレート84の両側端の外側にあって、昇降する昇降プレート86の両端部によって遮られる位置に配置される。これにより、昇降プレート86が転倒した物品に接触して固定プレート84に対して突き上げられると、検知センサ82の光線が遮られ、物品が転倒していることが検出される。
【0041】
以上のように、変形例においても第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
なお、第1実施形態ではガイドプレートを固定プレートと昇降プレートで構成されたが、固定プレートに係る部分は、昇降プレートを昇降可能に支持できる構造であればよく、例えば棒状部材であってもよい。更に、昇降プレートも物品Mを移動させることができれば、プレート状に限られず、係合面を有しない部材、例えば、棒状部材(単一または複数本)で構成することも可能である。また、第1実施形態では、検出センサを1つ設けた構成で説明を行ったが、検出センサや検出孔の数は複数であってもよく、第1実施形態と変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【0043】
また、昇降プレートにドグ(検出片)を設け、上昇時にドグがセンサ光を遮る構成としても良く、更に検出孔の位置を左右方向(図3において)にずらし、光軸をガイドプレートに対して斜めに傾けるようにしてもよい。
【0044】
次に図8を参照して、第2実施形態の物品搬送装置について説明する。第1実施形態では光センサを検出センサとして用い、固定プレート(固定部材)76に対する昇降プレート(昇降部材)78の昇降を検出したが、第2実施形態では接触式センサ88を検出センサとして用いる。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり、同様の構成に関しては同一の参照番号を用い、その説明を省略する。
【0045】
図8は、基部62に設けられたガイドプレート44と接触式センサ88の関係を示す模式的な側面図であり、図8(a)には、全ての昇降プレート78が物品Mと干渉することなく搬送面S近くまで下降された状態が示され、図8(b)には右端の昇降プレート78のみが物品Mと干渉して突き上げられた状態が示される。なお、その他の基部64、66等に関しても同様であるため、基部62に関してのみ説明を行う。
【0046】
図8に示されるように、基部62の下面には接触式センサ88が設けられ、接触式センサ88はその下端にセンサ接触子88Aを備える。また、基部62の搬送方向に沿った両端には、全ての昇降プレート78の上方を横切って搬送方向に沿って配置される検出バー90を保持する検出バー昇降ガイド90Aが各々設けられる。
【0047】
検出バー昇降ガイド90Aは、検出バー90の両端をそれぞれ昇降自在に保持し、昇降プレート78が、固定プレート76に対して下降しているときには、図8(a)のように検出バー90を昇降プレート78の上方に保持する。一方、図8(b)のように昇降プレート78の一部が転倒した物品Mなどと接触して突き上げられると、検出バー90は検出バー昇降ガイド90Aに沿って上昇され、接触式センサ88のセンサ接触子88Aに押し当てられる。これにより、センサ接触子88Aが接触式センサ88に押し込まれ、制御装置74は一部の昇降プレート78が物品Mの転倒などにより突き上げられたことを検知する。
【0048】
また、第2実施形態の変形例として、図9のように、検出バー昇降ガイド90Aに保持される検出バー90をセンサ接触子88Aに取り付け、昇降プレート78が検出バー90を突き上げると直ちにセンサ接触子88Aが押下される構成としてもよい。なお、図9(a)、図9(b)は、第2実施形態の図8(a)、図8(b)に対応する。
【0049】
以上のように、物品の転倒を検出する手段として接触式センサを用いた第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、検出手段としては、この他にも電磁式の近接センサなど、従来周知の様々なセンサを用いることができる。
【0050】
また、第1、第2実施形態やそれらの変形例や代替例等に示される構成は、適宜置き換えて組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0051】
14 アキュームコンベヤ(搬送手段)
38、40、42 第1~第3ガイドプレート駆動装置(ガイドプレート駆動手段、物品列移動手段)
44、46、48 ガイドプレート(ガイド)
63 リンク機構
74 制御装置(制御手段)
76 固定プレート(固定部材)
78 昇降プレート(昇降部材)
82 検出センサ
82A 投光器
82B 受光器
88 接触式センサ(検出センサ)
90 検出バー
L 光軸
M 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9