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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114007
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20240816BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20240816BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240816BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240816BHJP
【FI】
H04N1/04 106Z
H04N5/222 300
H04N23/60
H04N23/63 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019348
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩野 優人
(72)【発明者】
【氏名】土樋 祐希
(72)【発明者】
【氏名】林 学
(72)【発明者】
【氏名】田村 茂朗
(72)【発明者】
【氏名】久保田 奏
(72)【発明者】
【氏名】井口 裕熙
【テーマコード(参考)】
5C072
5C122
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072BA20
5C072CA05
5C072EA05
5C072LA02
5C072LA12
5C072RA02
5C072RA04
5C072RA10
5C072UA11
5C072UA13
5C072XA01
5C122DA28
5C122FH11
5C122FK28
5C122FK37
5C122FK40
5C122FK41
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】、載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、原稿の置き忘れがあった場合でも、不必要な撮影が繰り返されることを防止することが可能な画像処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しない。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しない
画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の位置の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、当該原稿の撮影を停止している旨を通知する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、原稿の撮影を停止している旨を、撮影を続行するか否かを入力するための操作子と合わせて表示部に表示する
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像以外の画像を表示部に表示する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像以外の画像は、利用する機能を選択させるための選択画面又は撮影部により撮影を行う機能を利用するための機能画面である
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しないステップ
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドキュメントスキャナにおいて、ブック原稿の4隅の座標を記憶し、今回のブック原稿の4隅の座標と前回の4隅の座標の差分が閾値以内の場合はブック原稿のページめくりと判定して撮影を行い、差分が閾値を超えている場合はブック原稿自体の入れ替えと判定してジョブを終了することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-157424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、ユーザが載置部に原稿を置き忘れてしまうと、不必要な撮影を繰り返してしまうことになる。
【0005】
本発明の目的は、載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、原稿の置き忘れがあった場合でも、不必要な撮影が繰り返されることを防止することが可能な画像処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の画像処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しない。
【0007】
第2態様の画像処理装置は、第1態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の位置の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する。
【0008】
第3態様の画像処理装置は、第2態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する。
【0009】
第4態様の画像処理装置は、第1態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する。
【0010】
第5態様の画像処理装置は、第1態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、当該原稿の撮影を停止している旨を通知する。
【0011】
第6態様の画像処理装置は、第5態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、原稿の撮影を停止している旨を、撮影を続行するか否かを入力するための操作子と合わせて表示部に表示する。
【0012】
第7態様の画像処理装置は、第1態様の画像処理装置において、前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像以外の画像を表示部に表示する。
【0013】
第8態様の画像処理装置は、第7態様の画像処理装置において、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像以外の画像は、利用する機能を選択させるための選択画面又は撮影部により撮影を行う機能を利用するための機能画面である。
【0014】
第9態様のプログラムは、原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しないステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様の画像処理装置によれば、載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、原稿の置き忘れがあった場合でも、不必要な撮影が繰り返されることを防止することができる。
【0016】
第2態様の画像処理装置によれば、原稿の位置が変化していない場合に、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定することができる。
【0017】
第3態様の画像処理装置によれば、原稿の位置が変化した場合でも、原稿の内容が変化していない場合には、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定することができる。
【0018】
第4態様の画像処理装置によれば、原稿の内容が変化していない場合に、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定することができる。
【0019】
第5態様の画像処理装置によれば、原稿の撮影を停止している旨をユーザに認識させることができる
【0020】
第6態様の画像処理装置によれば、原稿の撮影を停止している場合であっても、ユーザの希望により撮影を行わせることができる。
【0021】
第7態様の画像処理装置によれば、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合に、載置部に載置された原稿の撮影を停止することができる。
【0022】
第8態様の画像処理装置によれば、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合に、載置部に載置された原稿の撮影を停止することができる。
【0023】
第9態様のプログラムによれば、載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、原稿の置き忘れがあった場合でも、不必要な撮影が繰り返されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の外観を示す図であって、(A)は画像形成装置の側面図であり、(B)は画像形成装置の正面図である。
図2】載置部の外観を示す上面図であり、原稿読取装置を使用しない状態を示す図である。
図3】載置部の外観を示す上面図であり、原稿読取装置を使用可能な状態を示す図である。
図4】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図6】ライブビュー画面の一例を示す図である。
図7】プレビュー画面の一例を示す図である。
図8】通知メッセージの一例を示す図である。
図9】選択画面の一例を示す図である。
図10】機能画面の一例を示す図である。
図11】画像形成装置における原稿撮影時の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の一例としての画像形成装置10の外観を示す図であって、(A)は画像形成装置10の側面図であり、(B)は画像形成装置10の正面図である。図2は、載置部16の外観を示す上面図であり、原稿読取装置24を使用しない状態を示す図である。図3は、載置部16の外観を示す上面図であり、原稿読取装置24を使用可能な状態を示す図である。なお、画像形成装置10は、複合機等のようなオフィスに設置される装置である。
【0026】
図1に示すように、画像形成装置10は、装置本体12、媒体排出部としての排出トレイ14、載置部16、撮影装置18、四つの光源20a、20b、20c、及び、20dで構成された照射装置20、操作パネル22、及び、原稿読取装置24等から構成されている。
【0027】
排出トレイ14は、媒体の一例である用紙が排出されるところである。また、排出トレイ14は、立った状態のユーザによって媒体が取り出される位置に設けられている。
【0028】
載置部16は、装置本体12の天面であって、装置本体12の上部に配置されている。また、載置部16は、排出トレイ14よりも鉛直方向において上方に設置されている。また、載置部16の天板16a下方の装置本体12内には、原稿読取装置24が設けられている。
【0029】
図2に示すように、載置部16の天板16aは、用紙、名刺、及び、レシート等の原稿が載置できるように構成されている。また、図3に示すように、載置部16の天板16aの一部のスライド部16bを平面方向外側に向けてスライドすることにより、原稿読取装置24を使用することができるように構成されている。
【0030】
原稿読取装置24は、原稿送り機構及びスキャナ等を備える。原稿読取装置24は、スライド部16bを平面方向外側に向けてスライドすることにより露出した原稿載置部24aに載置された原稿を装置内部に取り込み、原稿の読み取りを行う。また、原稿読取装置24は、原稿の両面を同時に読み取ることも可能である。
【0031】
撮影装置18は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備え、原稿等の被写体を撮影して画像データを取得する。撮影装置18は、載置部16よりも上方に設置され、載置部16に載置された原稿を上方から撮影するよう構成されている。ここで、載置部16よりも上方とは、載置部16の上面を基準面とした場合に、基準面の垂直上方に限らず、鉛直方向において上方であって、基準面よりも高い位置にあることをいう。
【0032】
また、装置本体12の天面であって、載置部16の上面奥側には支柱26が設けられている。支柱26は、載置部16の上面に対して、略垂直に上方向に延び、端部が載置部16の上方に屈曲して設けられている。支柱26の端部には、撮影装置18が装着されている。
【0033】
排出トレイ14と載置部16との間には、載置部16に載せた被写体の画像を形成する画像形成部が設けられている。つまり、排出トレイ14上方には、この排出トレイ14に排出される用紙に画像を形成する画像形成部が設けられている。
【0034】
照射装置20は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の1つ以上の光源で構成され、例えば光源20a、20b、20c、20dから構成される。光源20a、20b、20c、20dは、支柱26に設けられている。つまり、光源20a、20b、20c、20dは、載置部16の上方に設けられている。
【0035】
具体的には、光源20a、20bは、撮影装置18の近傍であって、支柱26の撮影装置18の両側に下向きに設けられている。光源20c、20dは、操作パネル22の近傍であって、操作パネル22の下端の支柱26の両側に斜め下向きに設けられている。
【0036】
つまり、光源20a、20bと光源20c、20dは、載置部16からの高さが異なる位置に配置されている。すなわち、光源20a、20b、20c、20dは、それぞれ被写体にあたる光の角度が異なる位置に配置され、原稿に向かってそれぞれ異なる方向から光を照射するように構成されている。これにより、原稿と載置部16との判別性を向上させている。
【0037】
操作パネル22は、表示画面を備え、画像形成装置10の設定を行うように構成されている。この操作パネル22は、装置本体12の奥側において、載置部16と撮影装置18との間の支柱26に設置されている。
【0038】
次に、本実施形態の画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。図4は、画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0039】
図4に示すように、画像形成装置10は、CPU31、メモリ32、ハードディスクドライブ等の記憶装置33、ネットワークを介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)34、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置35、スキャナ36、プリントエンジン37、撮影装置18、照射装置20、及び、原稿読取装置24を有する。これらの構成要素は、制御バス40を介して互いに接続されている。
【0040】
通信IF34は、外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う。UI装置35は、ユーザからの指示入力を受け付ける。スキャナ36は、画像形成装置10に装填された原稿を、画像データとして読み取る。プリントエンジン37は、帯電、露光、現像、転写、定着などの工程を経て印刷用紙等の記録媒体上に画像を印刷する。
【0041】
CPU31は、メモリ32又は記憶装置33に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU31は、メモリ32又は記憶装置33内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくは、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信IF34に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0042】
次に、本実施形態の画像形成装置10の機能構成について説明する。図5は、画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0043】
図5に示すように、画像形成装置10は、制御部41、通信部42、表示入力部43、記憶部44、画像読取部45、画像形成部46、画像出力部47、撮影部48、照射部49、及び、原稿読取部50を有する。
【0044】
制御部41は、画像形成装置10の全体動作を制御しており、原稿読取装置24の発光の制御の他、例えば、ユーザからの指示入力に基づいて、撮影装置18により原稿を撮影する制御、画像出力部47により原稿画像等の印刷データを出力する制御等を行う。
【0045】
通信部42は、外部の装置との間でデータの送受信を行う。表示入力部43は、制御部41による制御に基づいて、操作パネル22の表示画面に各種情報を表示する。また、表示入力部43は、操作パネル22においてユーザにより行われた各種操作情報を入力する。表示入力部43を構成する操作パネル22は、本開示の技術における表示部の一例である。記憶部44は、制御プログラムの他、制御部41により生成された画像データ等の各種データを格納する。
【0046】
画像読取部45は、制御部41による制御に基づいて、各種原稿を読み取るスキャン動作を行う。画像形成部46は、制御部41による制御に基づいて、画像出力部47から出力するための画像を形成する。画像出力部47は、制御部41による制御に基づいて、画像形成部46において形成された画像を、印刷用紙等の記録媒体上に出力する。画像出力部47は、本開示の技術における原稿出力部の一例である。
【0047】
撮影部48は、撮影装置18を用いて載置部16に載置された原稿の撮影を行う。照射部49は、照射装置20を用いて載置部16の照明を行う。原稿読取部50は、原稿読取装置24を用いて載置部16に載置された原稿の自動読み取りを行う。
【0048】
本実施形態の画像形成装置10において、制御部41は、載置部16に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部48により自動的に載置部16の撮影を行う制御を行う。
【0049】
具体的には、後述の「おくだけスキャン&プリント」等の、撮影部48により撮影を行う機能における撮影の待機状態において、載置部16に原稿が載置されたことを検知した場合に、制御部41は、図6に示すように、操作パネル22にライブビュー画面を表示する。ライブビュー画面は、撮影部48により撮影された現在の状態を表した画像であるライブビュー画像64を表示した画面である。
【0050】
載置部16に載置された原稿の位置が設定された時間以上変化しなかった場合、制御部41は、撮影部48により載置部16の撮影を行う。
【0051】
制御部41は、撮影を行った後、図7に示すように、操作パネル22にプレビュー画面を表示する。プレビュー画面は、撮影部48により撮影された原稿の画像66を表示した画面である。また、プレビュー画面は、メール送信を指示するための操作子、設定してプリントを指示するための操作子、及び、このままプリントを指示するための操作子である各種ボタン67を含む。
【0052】
プレビュー画面において各種ボタン67が選択された場合、制御部41は、選択されたボタンに設定された機能の処理を行った後、撮影の待機状態に移行する。また、プレビュー画面において設定された時間操作が行われなかった場合、制御部41は、機能の処理を行わずに、撮影の待機状態に移行する。
【0053】
このような態様とした場合、ユーザが載置部16に原稿を置き忘れてしまうと、ユーザが望んでいなくても、置き忘れた原稿の撮影が行われてしまい、不必要な撮影が繰り返されることになる。
【0054】
そのため、制御部41は、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しない。
【0055】
具体的には、上記で説明した通り、載置部16の載置された原稿の自動撮影を行い、プレビュー画面において原稿の画像66を表示した段階で、この原稿の画像66を、置き忘れ検知のための比較用画像として、記憶部44に記録する。比較用画像は、自動撮影により取得された最新の画像のみを記録しておけばよい。
【0056】
そして、新たに自動撮影が行われた際に、新たな自動撮影により取得した原稿の画像と、比較用画像とを比較して、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かの判定を行う。なお、画像形成装置10において過去に自動撮影が行われていない場合、又は、記録されている比較用画像がリセットされた場合等、記憶部44に比較用画像が存在しない場合には、上記判定を行う必要はない。
【0057】
本実施形態において、制御部41における載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かの判定の方法については特に限定はなく、例えば、撮影部48により撮影された画像における原稿の位置の変化量を用いて行ってもよいし、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて行ってもよいし、両者を組み合わせて行ってもよい。
【0058】
ここで、原稿の位置の変化量を用いて判定を行う場合には、撮影部48により撮影された原稿の画像の四隅の位置と、撮影部48により直前に撮影された原稿の画像の四隅の位置とを比較し、両者の位置が全く同じ、又は、位置の変化量が予め設定された閾値以下の場合に、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定すればよい。
【0059】
また、原稿の内容の変化量を用いて判定を行う場合には、撮影部48により撮影された原稿の画像の内容と、撮影部48により直前に撮影された原稿の内容とを画像認識により比較し、両者の内容が全く同じ、又は、内容の変化量が予め設定された閾値以下の場合に、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定すればよい。
【0060】
また、原稿の位置の変化量を用いた判定と、原稿の内容の変化量を用いた判定とを組み合わせる場合には、原稿の位置が変化した場合でも、原稿の内容が変化していない場合には、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定してもよい。また、原稿の位置が変化していない場合でも、原稿の内容が変化した場合には、同じ原稿ではないと判定してもよい。
【0061】
また、制御部41は、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、当該原稿の撮影を停止している旨を通知するようにしてもよい。原稿の撮影を停止している旨の通知は、特に限定はなく、音声による通知、画像による通知、又は、LEDインジケータによる通知等、どのような態様としてもよい。
【0062】
画像による通知を行う場合は、例えば、図8に示すように、「前回の撮影と同じ原稿が置かれているため自動撮影を停止します。」等、原稿の撮影を停止している旨が伝わるようなメッセージ70を表示入力部43に表示してもよい。
【0063】
さらに、この場合、制御部41は、原稿の撮影を停止している旨を、撮影を続行するか否かを入力するための操作子と合わせて表示部に表示するようにしてもよい。
【0064】
例えば、図8に示すように、撮影の続行を入力するための操作子である続行ボタン71及び撮影の停止の確定を入力するための操作子である停止ボタン72を、メッセージ70と合わせて表示入力部43に表示するようにしてもよい。
【0065】
また、制御部41は、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、ライブビュー画面以外の画像を表示入力部43に表示するようにしてもよい。
【0066】
この場合、ライブビュー画面以外の画像は、図9に示すように、利用する機能を選択させるための選択画面としてもよいし、図10に示すように、撮影部48により撮影を行う機能を利用するための機能画面としてもよい。
【0067】
図9に示すように、選択画面は、利用する機能を選択させるための複数のボタン62を含む。一例として図9に示す例では、「おくだけスキャン&プリント」、「コピー」、「スキャン通信」、「外部アクセス」、「ボックス保存」、「メール通信」、「ファックス」、「ジョブフロー」、「インターネット」、「アプリ」、「クィック」、「アドレス帳」等のボタン62を含む。また、設定ボタン63等、各種の機能が割り当てられたボタンを含む。
【0068】
ここで、「おくだけスキャン&プリント」は、載置部16に載置された原稿を自動で撮影してメール送信又はプリント等を実行する機能であって、撮影部48及び画像出力部47を用いる機能である。また、「コピー」は、載置部16に載置された原稿を原稿読取装置24により読み取ってプリントする機能であって、原稿読取部50及び画像出力部47を用いる機能である。また、「アドレス帳」は、宛先表を編集する機能である。また、設定ボタン63は、自装置の設定を行う機能を選択させるためのボタンである。
【0069】
図10に示すように、撮影部48により撮影を行う機能の一例である「おくだけスキャン&プリント」を利用するための機能画面は、自動撮影により取得された画像に対する「コピー」、「スキャン送信」等のボタン68を含む。
【0070】
次に、本実施形態の画像形成装置10における原稿撮影時の処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0071】
先ず、制御部41は、ステップS11において、「おくだけスキャン&プリント」の機能画面を表示入力部43に表示する。
【0072】
次に、制御部41は、ステップS12において、載置部16に原稿が載置されたことを検知したか否かの判定を行う。
【0073】
ステップS12において、原稿の載置を検知していないと判定された場合、制御部41は、ステップS18において、比較用画像(すなわち、直前に撮影された原稿の画像)をリセットし、ステップS11に遷移する。
【0074】
ステップS12において、原稿の載置を検知したと判定された場合、制御部41は、ステップS13において、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と異なるか否かの判定を行う。
【0075】
ステップS13において、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じである(すなわち、異なっていない)と判定された場合、制御部41は、ステップS19において、原稿の撮影を停止している旨を示すメッセージを表示入力部43に表示し、ステップS12に遷移する。
【0076】
ステップS13において、載置部16に載置された原稿が直前に撮影された原稿と異なると判定された場合、制御部41は、ステップS14において、ライブビュー画面を表示入力部43に表示する。
【0077】
次に、制御部41は、ステップS15において、原稿の自動撮影を行い、プレビュー画面を表示入力部43に表示する。
【0078】
次に、制御部41は、ステップS16において、原稿の記録を行い、ステップS17において、ユーザに選択されたジョブを実行して、一連の処理を終了し、再度ステップS11に遷移する。
【0079】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態の画像形成装置について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、適宜変更することもできる。
【0080】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0081】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、画像処理装置として複合機に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスキャナ等の種々の画像処理装置に対しても適用することができる。
【0083】
[付記]
以下に、本開示の好ましい形態について付記する。
【0084】
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しない
画像処理装置。
【0085】
(((2)))
前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の位置の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する
(((1)))に記載の画像処理装置。
【0086】
(((3)))
前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する
(((2)))に記載の画像処理装置。
【0087】
(((4)))
前記プロセッサは、撮影部により撮影された画像における原稿の内容の変化量を用いて、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであるか否かを判定する
(((1)))に記載の画像処理装置。
【0088】
(((5)))
前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、当該原稿の撮影を停止している旨を通知する
(((1)))から(((4)))のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0089】
(((6)))
前記プロセッサは、原稿の撮影を停止している旨を、撮影を続行するか否かを入力するための操作子と合わせて表示部に表示する
(((5)))に記載の画像処理装置。
【0090】
(((7)))
前記プロセッサは、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合、前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像以外の画像を表示部に表示する
(((1)))から(((6)))のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【0091】
(((8)))
前記撮影部により撮影された現在の状態を表した画像以外の画像は、利用する機能を選択させるための選択画面又は撮影部により撮影を行う機能を利用するための機能画面である
(((7)))に記載の画像処理装置。
【0092】
(((9)))
原稿を載置する載置部に原稿が載置されたことを検知した際に、ユーザからの指示を受けることなく、撮影部に対して原稿を撮影するように制御する場合において、前記載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合には、当該原稿の撮影を実行しないステップ
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0093】
以下に、付記の構成による効果について記載する。
【0094】
(((1)))の画像処理装置によれば、載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、原稿の置き忘れがあった場合でも、不必要な撮影が繰り返されることを防止することができる。
【0095】
(((2)))の画像処理装置によれば、原稿の位置が変化していない場合に、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定することができる。
【0096】
(((3)))の画像処理装置によれば、原稿の位置が変化した場合でも、原稿の内容が変化していない場合には、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定することができる。
【0097】
(((4)))の画像処理装置によれば、原稿の内容が変化していない場合に、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じであると判定することができる。
【0098】
(((5)))の画像処理装置によれば、原稿の撮影を停止している旨をユーザに認識させることができる
【0099】
(((6)))の画像処理装置によれば、原稿の撮影を停止している場合であっても、ユーザの希望により撮影を行わせることができる。
【0100】
(((7)))の画像処理装置によれば、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合に、載置部に載置された原稿の撮影を停止することができる。
【0101】
(((8)))の画像処理装置によれば、載置部に載置された原稿が直前に撮影された原稿と同じ場合に、載置部に載置された原稿の撮影を停止することができる。
【0102】
(((9)))のプログラムによれば、載置部に原稿が載置されたことを検知した場合に、撮影部により自動的に載置部の撮影を行う画像処理装置において、原稿の置き忘れがあった場合でも、不必要な撮影が繰り返されることを防止することができる。
【符号の説明】
【0103】
10 画像形成装置
12 装置本体
14 排出トレイ
16 載置部
16a 天板
16b スライド部
18 撮影装置
20 照射装置
22 操作パネル
24 原稿読取装置
26 支柱
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 通信インタフェース
35 ユーザインタフェース装置
36 スキャナ
37 プリントエンジン
40 制御バス
41 制御部
42 通信部
43 表示入力部
44 記憶部
45 画像読取部
46 画像形成部
47 画像出力部
48 撮影部
49 照射部
50 原稿読取部
62 ボタン
63 設定ボタン
64 ライブビュー画像
66 画像
67 ボタン
68 ボタン
70 メッセージ
71 続行ボタン
72 停止ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11