(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118682
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B64F 5/10 20170101AFI20240826BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B64F5/10
B64C1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025102
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100136504
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋一
(72)【発明者】
【氏名】芦澤 一眞
(72)【発明者】
【氏名】山岸 豊
(57)【要約】
【課題】航空機部品等の構造体の組立において、キー特性を有するコンポーネントの部分が輪郭度を逸脱しないようにすることである。
【解決手段】構造体の製造方法は、第1のコンポーネントを構成するサブコンポーネント及び第2のコンポーネントの各プロファイルを測定するステップと、荷重負荷及び位置調整の少なくとも一方を含む調整を伴ってサブコンポーネントを連結することによって第1のコンポーネントを組立てるステップと、測定した各プロファイル及び調整を表すデータに基づいて、第1のコンポーネントに第2のコンポーネントを連結した場合における第2のコンポーネントのキー特性面のプロファイルを予測するステップと、予測したキー特性面のプロファイルに基づいて第2のコンポーネントの連結位置を決定するステップと、決定した連結位置で第2のコンポーネントを連結するステップとを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブコンポーネントを連結することによって第1の面を有する第1のコンポーネントを組立てた後、所定の輪郭度が要求される第2の面を有する第2のコンポーネントの第3の面を、前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結することによって、航空機、航空機部品、宇宙飛行体又は宇宙飛行体の部品からなる構造体を製造する構造体の製造方法であって、
連結前における前記第2のコンポーネントの前記第2の面及び前記第3の面の各プロファイルを測定するステップと、
連結前における前記複数のサブコンポーネントの、前記第1の面を形成し得る少なくとも1つの第4の面のプロファイルを測定するステップと、
前記複数のサブコンポーネントの連結後における前記第1のコンポーネントの前記第1の面におけるプロファイルに影響を与える面として決定された、連結前における前記複数のサブコンポーネントの少なくとも1つの第5の面のプロファイルを測定するステップと、
荷重負荷及び位置調整の少なくとも一方を含む調整を伴って前記複数のサブコンポーネントを連結することによって前記第1のコンポーネントを組立てるステップと、
前記調整を表すデータを記録するステップと、
測定した前記第2の面から前記第5の面の前記各プロファイルと、記録した前記調整を表すデータに基づいて、組立後における前記第1のコンポーネントの前記第1の面に前記第2のコンポーネントの前記第3の面を連結した場合における前記第2の面のプロファイルを、前記第2のコンポーネントを連結する前に予測するステップと、
予測した前記第2の面のプロファイルに基づいて前記第1のコンポーネントの前記第1の面への前記第2のコンポーネントの前記第3の面の連結位置を決定するステップと、
決定した前記連結位置で前記第2のコンポーネントの前記第3の面を前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結するステップと、
を有する構造体の製造方法。
【請求項2】
予測した前記第2の面のプロファイルが前記所定の輪郭度を逸脱すると判定した場合には、前記第1のコンポーネントの前記第1の面に前記第2のコンポーネントの前記第3の面を実際に連結した場合において前記第2の面のプロファイルが前記所定の輪郭度を満足するように、前記第1のコンポーネントの前記第1の面への前記第2のコンポーネントの前記第3の面の連結位置の、初期の予定位置からの補正量を決定することによって前記第2のコンポーネントの実際の連結位置を決定する請求項1記載の構造体の製造方法。
【請求項3】
前記第2のコンポーネントの前記第3の面の前記連結位置を決定するステップにおいて、予測した前記第2の面のプロファイルに基づいて、厚さが一方向に減少するシムを挟んで前記第1のコンポーネントの前記第1の面に前記第2のコンポーネントの前記第3の面を連結するべきか否かを判定し、
前記シムを挟んで前記第2のコンポーネントの前記第3の面を連結するべきと判定した場合には、前記第2のコンポーネントの前記第3の面を前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結するステップにおいて、前記シムを挟んで前記第2のコンポーネントの前記第3の面を前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結する請求項1記載の構造体の製造方法。
【請求項4】
前記第2のコンポーネントの前記第3の面を前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結した後の、前記第2の面のプロファイルを測定するステップと、
予測した前記第2の面のプロファイルと、測定した前記第2の面のプロファイルとの間における相違を表す指標値が減少するように、前記第2の面のプロファイルを予測するために用いた条件を変更するステップと、
を更に有し、
別の前記構造体について、変更後の前記条件で、前記第1のコンポーネントの前記第1の面に前記第2のコンポーネントの前記第3の面を連結した場合における前記第2の面のプロファイルを、前記第2のコンポーネントを連結する前に予測する請求項1記載の構造体の製造方法。
【請求項5】
前記第2の面のプロファイルを予測するステップにおいて、有限要素解析を行うことによって、或いは、ニューラルネットワークを用いることによって、前記第2の面のプロファイルを予測し、有限要素解析又はニューラルネットワークのパラメータの値を前記条件として変更する請求項4記載の構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機や航空機部品は、複数のコンポーネントを組立てることによって製造されるが、コンポーネント同士を円滑に結合できるように各コンポーネントのインターフェース部分には他の部分よりも高い輪郭度が要求される。輪郭度等のばらつきを管理することが要求されるコンポーネントの特性は、キー特性と呼ばれる。キー特性は、品質管理上の用語として日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)等の規格においても意味が定義されている。
【0003】
輪郭度についてキー特性を有するコンポーネントの多くは、複数のサブコンポーネントを組立てることによって製作される。サブコンポーネントの輪郭や形状には通常製造誤差があるため、サブコンポーネント同士を連結する際に、荷重を付加して変形させたり、僅かにサブコンポーネントの位置をずらして位置決めを行ったりする場合がある。その結果、キー特性を有するコンポーネントのインターフェース部分が、輪郭度についての要求を逸脱する場合がある。
【0004】
輪郭度についてキー特性を有するコンポーネントのインターフェース部分におけるプロファイル(輪郭)は三次元測定器で検査され、輪郭度の要求を逸脱している場合には、専用部品を製作して取付けるなど、大規模な修理が必要となる。
【0005】
そこで、航空機部品を高精度に結合するための様々な技術が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-51557号公報
【特許文献2】特開2018-51751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、航空機や航空機部品等の構造体の組立において、キー特性を有するコンポーネントの部分が輪郭度についての要求を逸脱しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る構造体の製造方法は、複数のサブコンポーネントを連結することによって第1の面を有する第1のコンポーネントを組立てた後、所定の輪郭度が要求される第2の面を有する第2のコンポーネントの第3の面を、前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結することによって、航空機、航空機部品、宇宙飛行体又は宇宙飛行体の部品からなる構造体を製造するものである。この構造体の製造方法は、連結前における前記第2のコンポーネントの前記第2の面及び前記第3の面の各プロファイルを測定するステップと、連結前における前記複数のサブコンポーネントの、前記第1の面を形成し得る少なくとも1つの第4の面のプロファイルを測定するステップと、前記複数のサブコンポーネントの連結後における前記第1のコンポーネントの前記第1の面におけるプロファイルに影響を与える面として決定された、連結前における前記複数のサブコンポーネントの少なくとも1つの第5の面のプロファイルを測定するステップと、荷重負荷及び位置調整の少なくとも一方を含む調整を伴って前記複数のサブコンポーネントを連結することによって前記第1のコンポーネントを組立てるステップと、前記調整を表すデータを記録するステップと、測定した前記第2から前記第5の面の前記各プロファイルと、記録した前記調整を表すデータに基づいて、組立後における前記第1のコンポーネントの前記第1の面に前記第2のコンポーネントの前記第3の面を連結した場合における前記第2の面のプロファイルを、前記第2のコンポーネントを連結する前に予測するステップと、予測した前記第2の面のプロファイルに基づいて前記第1のコンポーネントの前記第1の面への前記第2のコンポーネントの前記第3の面の連結位置を決定するステップと、決定した前記連結位置で前記第2のコンポーネントの前記第3の面を前記第1のコンポーネントの前記第1の面に連結するステップとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る構造体の製造方法の流れを説明するフローチャート。
【
図2】
図1に示す製造方法で製造される構造体の一例である中央翼を含む航空機の分解斜視図。
【
図3】
図2に示す中央翼の構造例を簡略化して説明する図。
【
図4】
図3に示す中央翼の位置A-Aにおける断面図。
【
図5】
図2に示す中央翼を構成する部品の組立順序を説明する図。
【
図6】
図3に示す中央翼本体を構成する部品のうち、キー特性面である上側翼胴結合金具の上面及び下側翼胴結合金具の下面の輪郭度に。プロファイルが無視できない影響を与えると考えられる部品の面の一例を示す図。
【
図7】
図3に示す中央翼本体と上側翼胴結合金具との間に金具を配置した例を示す図。
【
図8】荷重の負荷を伴って
図3に示す中央翼本体を組立てる場合の一例を示す図。
【
図9】位置調整を含む位置決めを伴って
図3に示す中央翼本体を組立てる場合の一例を示す図。
【
図10】位置調整を含む位置決めを伴って
図3に示す中央翼本体を組立てる場合の別の一例を示す図。
【
図11】
図3に示す上側翼胴結合金具及び下側翼胴結合金具の中央翼本体への連結位置を平行移動させることによって連結位置を補正する場合の例を示す図。
【
図12】
図3に示す上側翼胴結合金具の中央翼本体への取付角度の調整を伴って連結位置を補正する場合の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る構造体の製造方法について添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る構造体の製造方法の流れを説明するフローチャートである。
【0012】
図1に示す構造体の製造方法は、複数のサブコンポーネントを連結することによって第1の面を有する第1のコンポーネントを組立てた後、所定の輪郭度が要求される第2の面を有する第2のコンポーネントの第3の面を、第1のコンポーネントの第1の面に連結することによって構造体を製造する場合に採用することができる。すなわち、構造体は、少なくとも第1のコンポーネントと第2のコンポーネントを組立てることによって製作され、第1のコンポーネントは複数のサブコンポーネントを組立てることによって製作される。また、第2のコンポーネントは、輪郭度についての要求を逸脱しないことが要求される、すなわち輪郭度についてのキー特性を有する第2の面を有しており、第2のコンポーネントの第3の面は、第1のコンポーネントの第1の面に連結される。
【0013】
このような構造体の典型例としては、航空機、航空機部品、ロケット等の宇宙飛行体及び宇宙飛行体の部品が挙げられる。従って、航空機、航空機部品、宇宙飛行体又は宇宙飛行体の部品からなる構造体の製造方法として、
図1に示す製造方法を採用することができる。航空機は、固定翼機に限らず、ヘリコプタ、マルチコプタ、ドローン、空飛ぶくるま等の回転翼航空機であっても良い。
【0014】
以降では、
図1に示す製造方法で製作される構造体が、固定翼航空機の中央翼である場合を主な具体例として説明するが、パネル(外板)、スパー(桁)、リブ(小骨)、ストリンガ(縦通材)、スティフナ、フレーム等の部品間における連結によって製作される翼構造体等の航空機部品としたり、主翼等の翼構造体と胴体の連結や胴体同士の連結によって製作される固定翼航空機の完成機としたりしても良い。
【0015】
図2は、
図1に示す製造方法で製造される構造体1の一例である中央翼2を含む航空機3の分解斜視図である。
【0016】
図2に示すように典型的な航空機3は、尾翼を含む複数のコンポーネントを連結して構成される胴体4に左右の主翼5を連結することによって製作されるが、左右の主翼5の間には、中央翼2と呼ばれる翼構造体が設けられる。すなわち、胴体4に中央翼2が連結され、中央翼2に左右の主翼5が連結される。
【0017】
図3は、
図2に示す中央翼2の構造例を簡略化して説明する図であり、
図4は、
図3に示す中央翼2の位置A-Aにおける断面図である。
【0018】
図3に示すように、典型的な中央翼2は、中央翼本体6に左右の多数の翼胴結合金具7を連結した構造を有している。翼胴結合金具7は、中央翼2を介して胴体4に左右の主翼5を連結するための金具である。左右の各主翼5は、上面パネル5U及び下面パネル5Lを有している。このため、翼胴結合金具7は、上面パネル5Uを連結するための複数の上側翼胴結合金具7Uと、下面パネル5Lを連結するための複数の下側翼胴結合金具7Lで構成される。
【0019】
一方、典型的な中央翼本体6は、
図3及び
図4に示すように、上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R及び左右の壁面を形成するウェブを有する外側のリブ10を連結したボックス構造を有する。上面パネル8U及び下面パネル8Lには、フロントスパー9F、リアスパー9R及び左右のリブ10の他、他のリブやストリンガ等の多数の補強部材11が連結される。すなわち、上面パネル8U及び下面パネル8Lの内側には補強部材11が固定され、補強部材11によって上面パネル8U及び下面パネル8Lが補強される。
【0020】
尚、固定翼航空機の場合、一般に、長さ方向が翼の長さ方向となるように配置され、長尺構造を有する補強部材11はストリンガと呼ばれる。一方、長さ方向が翼の幅方向となるように配置さる補強部材11はリブと呼ばれる。典型的なリブは、フランジで囲まれたウェブを有する板状の構造となっている。
【0021】
図3及び
図4は、中央翼本体6を閉塞するために最も外側に配置される左右の各リブ10をそれぞれ挟んでストリンガ等の複数の補強部材11に対向する位置に、それぞれ上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lを配置した例を示している。すなわち、各翼胴結合金具7は、補強部材11で補強されたリブ10の表面と、上面パネル5U又は下面パネル5Lに跨る各位置に、断続的に取付けることができる。この場合、中央翼本体6の上下左右に多数の翼胴結合金具7が連結されることになる。
【0022】
図5は、
図2に示す中央翼2を構成する部品の組立順序を説明する図である。
【0023】
図5(A)に示すように上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R、左右のリブ10並びにストリンガや内側のリブ等の各補強部材11を含む複数の部品を連結することによって中央翼本体6を組立てることができる。次に、
図5(B)に示すように中央翼本体6に、各上側翼胴結合金具7Uと各下側翼胴結合金具7Lを連結することによって、
図5(C)に示すような中央翼2を組立てることができる。
【0024】
上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R、リブ10及び各補強部材11等の各部品は、アルミニウムやチタン等の金属か、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)等の複合材とも呼ばれる繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)で構成される場合が殆どである。
【0025】
また、
図5に示すように上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R、左右のリブ10及び各補強部材11等の製作済みの部品を連結することによって中央翼本体6を組立てる場合における各部品間における連結方法は、ボルトやリベット等のファスナで連結する方法が殆どであるが、溶接や接着剤による連結方法を採用しても良い。
【0026】
各上側翼胴結合金具7Uの上面12U及び各下側翼胴結合金具7Lの下面12Lは、それぞれ主翼5の上面パネル5U及び下面パネル5Lと面接触させるための面となる。従って、上側翼胴結合金具7Uの上面12Uと下側翼胴結合金具7Lの下面12Lには、中央翼2の他の面と異なり、組立前に限らず組立後においても輪郭度が要求される。すなわち、上側翼胴結合金具7Uの上面12U及び下側翼胴結合金具7Lの下面12Lは、輪郭度についてのキー特性を有する。
【0027】
従って、中央翼2を構成する中央翼本体6は、上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R、左右のリブ10及び各補強部材11等の複数のサブコンポーネントを連結することによって組立てられる構造体1の第1のコンポーネントに該当する。一方、中央翼2を構成する各上側翼胴結合金具7Uは、それぞれ所定の輪郭度が要求される第2の面として上面12Uを有する第2のコンポーネントに該当する。同様に、中央翼2を構成する各下側翼胴結合金具7Lも、それぞれ所定の輪郭度が要求される第2の面として下面12Lを有する第2のコンポーネントに該当する。
【0028】
また、
図5(B)に示すように第2のコンポーネントに該当する各上側翼胴結合金具7Uの端面13Uと連結される中央翼本体6の接合面14Uと、第2のコンポーネントに該当する各下側翼胴結合金具7Lの端面13Lと連結される中央翼本体6の接合面14Lは、それぞれ第2のコンポーネントを連結するための第1のコンポーネントの第1の面に該当する。
【0029】
他方、第1のコンポーネントに該当する中央翼本体6の上方の接合面14Uに連結される各上側翼胴結合金具7Uの端面13Uと、第1のコンポーネントに該当する中央翼本体6の下方の接合面14Lに連結される各下側翼胴結合金具7Lの端面13Lは、それぞれ第1のコンポーネントの第1の面に連結される第2のコンポーネントの第3の面に該当する。
【0030】
そこで、中央翼2を製造対象となる構造体1の例、中央翼本体6を第1のコンポーネントの例、上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R、左右のリブ10及び各補強部材11をそれぞれ第1のコンポーネントのサブコンポーネントの例、各上側翼胴結合金具7U及び各下側翼胴結合金具7Lをそれぞれ第2のコンポーネントの例、各上側翼胴結合金具7Uが連結される中央翼本体6の接合面14U及び各下側翼胴結合金具7Lが連結される中央翼本体6の接合面14Lをそれぞれ第1のコンポーネントの第1の面の例、各上側翼胴結合金具7Uの上面12U及び各下側翼胴結合金具7Lの下面12Lをそれぞれ輪郭度についてキー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面(キー特性面)の例、各上側翼胴結合金具7Uの端面13U及び各下側翼胴結合金具7Lの端面13Lをそれぞれ第2のコンポーネントの第3の面の例として、
図1を参照して構造体1の製造方法について説明する。
【0031】
まず、
図1のステップS1において、構造体1を組立てた場合にキー特性面となる第2のコンポーネントの第2の面の輪郭度に支配的に影響を与える各部品単体の各面におけるプロファイルが測定される。キー特性面の輪郭度に与えるプロファイルの影響が支配的となる面としては、キー特性面自体である第2のコンポーネントの第2の面の他、少なくとも第1のコンポーネントと第2のコンポーネントとの間における境界を形成する面が挙げられる。
【0032】
第1のコンポーネントと第2のコンポーネントとの間における境界を形成する面は、第2のコンポーネントが単体であれば、第1のコンポーネントに連結される第2のコンポーネントの第3の面と、第1のコンポーネントの第1の面を形成することになる連結前における少なくとも1つのサブコンポーネントの表面からなる。すなわち、第1のコンポーネントの第1の面が単一のサブコンポーネントの表面で形成される場合であれば、第1の面は当該単一のサブコンポーネントの表面の一部を形成する第4の面となる。一方、複数のサブコンポーネントの面を組合わせることによって第1のコンポーネントの第1の面が形成される場合であれば、第1の面は、組合わせる前における複数のサブコンポーネントの各表面の一部をそれぞれ形成する複数の第4の面となる。
【0033】
構造体1を構成する各部品には、それぞれ製造誤差がある。加えて、構造体1を組立てる前後において各部品は変形する。従って、第1の面、第2の面及び第3の面以外の面のプロファイルも、キー特性面の輪郭度に与える。但し、全ての部品の全ての面におけるプロファイルを測定することは非現実的であるので、第1の面を形成する単一又は複数の第4の面、第2の面及び第3の面以外の面のうち、キー特性面の輪郭度に与えるプロファイルの影響が支配的となる第5の面が事前に決定される。
【0034】
図6は、
図3に示す中央翼本体6を構成する部品のうち、キー特性面である上側翼胴結合金具7Uの上面12U及び下側翼胴結合金具7Lの下面12Lの輪郭度に。プロファイルが無視できない影響を与えると考えられる部品の面の一例を示す図である。
【0035】
図3に示すように、第2のコンポーネントの第3の面である上側翼胴結合金具7Uの端面13Uが上面パネル8Uとリブ10に跨って連結される場合には、
図6に示すように、第1のコンポーネントの第1の面である中央翼本体6の接合面14Uは、中央翼本体6のサブコンポーネントである上面パネル8Uの端面15Uと、リブ10の表面の上部におけるエリア16Uを組合わせた面となる。同様に、第2のコンポーネントの第3の面である下側翼胴結合金具7Lの端面13Lが下面パネル8Lとリブ10に跨って連結される場合には、
図6に示すように、第1のコンポーネントの第1の面である中央翼本体6の接合面14Lは、中央翼本体6のサブコンポーネントである下面パネル8Lの端面15Lと、リブ10の表面の下部におけるエリア16Lを組合わせた面となる。
【0036】
従って、中央翼本体6の接合面14Uを形成することになる上面パネル8Uの端面15Uと、リブ10の表面の上部におけるエリア16Uを第4の面としてプロファイルを測定することができる。同様に、中央翼本体6の接合面14Lを形成することになる下面パネル8Lの端面15Lと、リブ10の表面の下部におけるエリア16Lを第4の面としてプロファイルを測定することができる。
【0037】
加えて、
図6に示すように、リブ10と接合される上面パネル8Uの下面17Uの部分や上面パネル8Uの下面17Uと接合されるリブ10の端面18Uの部分は、接合面14Uを形成しないものの、これらのプロファイルが接合面14Uのプロファイルに影響を与える結果、キー特性面である上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイルにも間接的に無視できない影響を与える。同様に、リブ10と接合される下面パネル8Lの上面17Lの部分や下面パネル8Lの上面17Lと接合されるリブ10の端面18Lの部分は、接合面14Lを形成しないものの、これらのプロファイルが接合面14Lのプロファイルに影響を与える結果、キー特性面である下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルにも間接的に無視できない影響を与える。また、上側翼胴結合金具7Uとの接合面14U及び下側翼胴結合金具7Lとの接合面14Lを形成しないリブ10の表面のエリア16Mについても同様に、キー特性面に無視できない影響を与えると考えられる。
【0038】
従って、リブ10と接合される上面パネル8Uの下面17Uの一部、上面パネル8Uの下面17Uと接合されるリブ10の端面18Uの部分、リブ10と接合される下面パネル8Lの上面17Lの一部、下面パネル8Lの上面17Lと接合されるリブ10の端面18Lの部分及び第4の面に該当しないリブ10の表面のエリア16Mを、少なくともキー特性面の輪郭度に影響を与える第5の面としてプロファイルを測定することができる。もちろん、中央翼本体6を構成するサブコンポーネントの他の面を第5の面に加えてプロファイルを測定するようにしても良い。
【0039】
図7は、
図3に示す中央翼本体6と上側翼胴結合金具7Uとの間に金具19を配置した例を示す図である。
【0040】
図7に示すように、中央翼本体6と上側翼胴結合金具7Uとの間には、実際には金具19等の他の部品が配置される場合が多い。その場合には、中央翼本体6に取付けられる金具19等の部品を中央翼本体6のサブコンポーネントとみなすこともできるし、中央翼本体6とは別のコンポーネントとみなすこともできる。
【0041】
金具19を中央翼本体6のサブコンポーネントとみなす場合には、金具19単体の面で上側翼胴結合金具7Uとの接合面14Uが形成される場合がある。この場合、金具19の面を第1のコンポーネントの第1の面を形成する単一の第4の面としてプロファイルを測定することができる。一方、金具19の面と接合される上面パネル8Uの端面15Uと、リブ10の表面の上部におけるエリア16Uは、これらのプロファイルが第1の面である金具19の面のプロファイルに影響を与える結果、キー特性面である上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイルにも影響を与える面となることから、第1のコンポーネントを構成する複数のサブコンポーネントの第5の面としてそれぞれプロファイルを測定することができる。
【0042】
逆に、金具19を中央翼本体6とは別のコンポーネントとみなす場合には、
図6を参照して説明したように、上面パネル8Uの端面15Uと、リブ10の表面の上部におけるエリア16Uによって、上側翼胴結合金具7Uの端面13Uを金具19を挟んで間接的に連結するための接合面14Uが形成されることになる。但し、金具19のプロファイルは、キー特性面である上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイルに無視できない影響を与える。このため、金具19を第3のコンポーネントとし、金具19の主要な面におけるプロファイルを測定することができる。
【0043】
これは、中央翼本体6と下側翼胴結合金具7Lとの間においても同様である。以降では、金具19等の部品を中央翼本体6とは別のコンポーネントとみなすことを前提とする場合について説明する。
【0044】
測定対象となる第2の面、第3の面、第4の面及び第5の面における各プロファイルは、公知の三次元測定機で測定することができる。接触式の三次元測定機としては、プローブを被測定物に接触させて表面のプロファイルを測定するものが代表的である。一方、非接触式の三次元測定機としては、レーザ光等の光を照射して被測定物の表面のプロファイルを測定するものが代表的である。
【0045】
連結前における第2のコンポーネントの第2の面、連結前における第2のコンポーネントの第3の面、第1のコンポーネントの第1の面を形成し得る、連結前における複数のサブコンポーネントの表面のうち少なくとも1つの第4の面、複数のサブコンポーネントの連結後における第1のコンポーネントの第1の面におけるプロファイルに影響を与える面として決定された、連結前における複数のサブコンポーネントの少なくとも1つの第5の面における各プロファイルをそれぞれ三次元測定機で測定すると、測定した各面における輪郭形状を、それぞれ三次元の空間座標で定義される点群データとして取得することができる。
【0046】
次に、ステップS2において、複数のサブコンポーネントを連結することによって、第1のコンポーネントが組立てられる。
図3乃至
図5に示す中央翼2の場合であれば、
図5(A)に例示されるように、中央翼本体6のサブ組立が実施される。具体的には、上面パネル8U、下面パネル8L、フロントスパー9F、リアスパー9R、リブ10及び補強部材11を含む各部品を連結することによって中央翼本体6が製作される。
【0047】
但し、航空機部品のように大型のコンポーネントを複数のサブコンポーネントの連結によって組立てる場合、各サブコンポーネントの製造誤差等に起因して、荷重負荷や位置調整を含む位置決め等の調整を行わないと、予定通りコンポーネントを組立てることができない場合が多い。このため、第1のコンポーネントの組立は、サブコンポーネントへの荷重負荷及びサブコンポーネントの位置調整の少なくとも一方を含む調整を伴って実施される。
【0048】
図8は、荷重の負荷を伴って
図3に示す中央翼本体6を組立てる場合の一例を示す図である。
【0049】
中央翼本体6のサブ組立は、組立治具20を用いて行うことができる。
図8(A)に強調して示すように下面パネル8Lに歪が生じている場合、下面パネル8Lを組立治具20にセットすることができない。そのような場合には、組立治具20にセットできるように荷重が負荷される。
図8(A)に示す例では、複数の位置において下面パネル8Lに局所荷重が負荷されているが、特定の領域に圧力分布を負荷するようにしても良い。
【0050】
下面パネル8Lの実際の形状に応じて適切な位置に適切な荷重を負荷すると下面パネル8Lが変形し、
図8(B)に例示されるように下面パネル8Lを組立治具20にセットすることができる。その後、必要な組立治具を用いて下面パネル8Lにフロントスパー9F、リアスパー9R及びリブ10等の部品を連結し、フロントスパー9F、リアスパー9R及びリブ10に上面パネル8Uを連結することができる。フロントスパー9F、リアスパー9R、リブ10及び上面パネル8Uについても必要に応じて適切な位置に荷重を負荷することができる。尚、ストリンガ等の小型の補強部材11については、組立治具20にセットする前に下面パネル8L及び上面パネル8Uに固定するようにしても良い。
【0051】
各サブコンポーネントへの荷重の負荷は、公知の方法で行うことができる。具体例として、重りの載置、ベルトの締付、ボールねじ等でロッドが伸縮する荷重負荷装置の操作等によって、所望の位置に必要な大きさの荷重を負荷することができる。
【0052】
中央翼本体6のサブ組立が完了すると中央翼本体6が組立治具20から取外されるが、
図8(C)に強調して示すように各サブコンポーネントの内部応力によって中央翼本体6が変形することになる。
【0053】
図9は、位置調整を含む位置決めを伴って
図3に示す中央翼本体6を組立てる場合の一例を示す図である。
【0054】
一般に部品を治具にセットする場合、2本のピンで部品の治具への位置決めを行う場合が多い。但し、部品が大型である場合には寸法上の誤差が大きくなるため、一方のピンを挿入するための治具の孔を長孔とすることが必要となる。
【0055】
このため、大型のサブコンポーネントである下面パネル8Lを位置決めピン21で組立治具20の長孔22にセットする場合、下面パネル8Lの位置決め用の貫通孔23に挿入した位置決めピン21を長孔22に実際に挿入した位置に応じて下面パネル8Lの位置が変化する。
【0056】
具体例として、
図9に示す例のように、長孔22の長さ方向に垂直な方向をx軸、長孔22の長さ方向をy軸とする2次元の座標を定義すると、位置決めピン21を挿入した下面パネル8Lの位置決め用の貫通孔23の中心位置は、組立治具20に対して長孔22の長さ方向にΔyだけ本来の位置からシフトすることになる。また、組立治具20の基準となる円形の貫通孔及び下面パネル8Lの貫通孔に挿入される他方の位置決めピンの位置と、長孔22に挿入される位置決めピン21の位置とを結ぶ直線の傾きの誤差を調べれば、下面パネル8Lの組立治具20に対する角度のシフト量も求めることができる。
【0057】
従って、組立治具20の長孔22に位置決めピン21を挿入する下面パネル8Lの位置決めを行うと、下面パネル8Lの位置が計画した位置から変化する。すなわち、下面パネル8Lの位置が調整される。他のサブコンポーネントについても同様な位置調整を含む位置決めを行えば、サブコンポーネントの位置は計画した位置から変化することになる。
【0058】
図10は、位置調整を含む位置決めを伴って
図3に示す中央翼本体6を組立てる場合の別の一例を示す図である。
【0059】
図10に例示するように、下面パネル8Lに設けられた円形の位置決め用の貫通孔30と、組立治具20に設けられた円形の位置決め用の孔31がずれている場合には、本来の直径を有するピンを挿入することができない。このような場合、挿入することが可能な小径の位置決めピン32を挿入することがある。
【0060】
この場合、x軸とy軸が直交する2次元の座標空間において、下面パネル8Lの位置決め用の貫通孔30の中心位置が、本来の位置である組立治具20の位置決め用の孔31の中心位置からx軸方向にΔx、y軸方向にΔyだけそれぞれシフトすることになる。また、下面パネル8Lに設けられた他の位置決め用の基準孔等の位置のシフト量を調べれば、下面パネル8Lの組立治具20に対する角度のシフト量も求めることができる。
【0061】
尚、下面パネル8Lに設けられた位置決め用の貫通孔30と組立治具20に設けられた位置決め用の孔31に本来の直径を有する位置決めピンを挿入して一旦位置決めした後、組立作業が進むにつれて、本来の直径を有する位置決めピンを抜き、下面パネル8Lに設けられた位置決め用の貫通孔30の中心位置を組立治具20に設けられた位置決め用の孔31の中心位置からずらして小径の位置決めピン32を挿入することが、組立作業を進めるために必要となる場合や組立作業容易化の観点から好ましい場合もある。
【0062】
これは、他のサブコンポーネントの位置調整を含む位置決めについても同様である。各サブコンポーネントの位置調整は、
図9及び
図10に示す例に限らず、組立治具及び隣接する別のサブコンポーネントの形状と相対位置に基づいて、所望の回数だけ所望の方向に行うことができる。このため、各サブコンポーネントについて、それぞれ三次元方向に位置調整しながら第1のコンポーネントを組立てることができる。
【0063】
次に、ステップS3において、第1のコンポーネントのサブ組立において各サブコンポーネントに対して行った調整を表すデータが記録される。すなわち、サブコンポーネントの実際の形状に応じてサブコンポーネントに荷重が負荷された場合であればサブコンポーネントに負荷した荷重を表す荷重データが、サブコンポーネントの実際の形状に応じてサブコンポーネントの位置を修正するための位置決めが行われた場合であれば、サブコンポーネントの位置調整量を表すデータが、それぞれ記録される。
【0064】
サブコンポーネントに負荷した荷重は、負荷した荷重の位置、向き及び大きさを表すベクトルや圧力分布として表すことができる。一方、サブコンポーネントの位置調整量は、三次元方向の距離のシフト量で表すことができる。また、角度のシフト量も含めてサブコンポーネントの位置調整量を表すようにしても良い。
【0065】
次に、ステップS4において、ステップS1において第1のコンポーネントのサブ組立前に測定した第2の面から第5の面の各プロファイルと、ステップS3において記録した、第1のコンポーネントのサブ組立において各サブコンポーネントに対して行った調整を表すデータに基づいて、サブ組立後における第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を連結した場合における第2の面のプロファイルが予測される。すなわち、第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントを連結する前に、輪郭度についてキー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが予測される。
【0066】
キー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルは、有限要素法(FEM:Finite Element Method)による解析で予測することができる。具体的には、第1のコンポーネントのサブ組立において行った荷重負荷や位置調整等の調整に伴って生じる内部応力及びせん断力並びに位置及び角度のシフトに起因する第1のコンポーネントの変形量をFEM解析でシミュレーションし、第1のコンポーネントの変形後における第1の面のプロファイルを三次元的に算出することができる。そうすると、第1のコンポーネントの変形後における第1の面に第2のコンポーネントを連結した場合における第2の面のプロファイルも算出することができる。
【0067】
この場合、FEM解析への入力データは、第1のコンポーネントを構成する各サブコンポーネントの形状を含む設計情報、第2のコンポーネントの形状を含む設計情報、第2から第5の面における三次元的なプロファイルの測定データ並びに第1のコンポーネントのサブ組立において行った各サブコンポーネントへの荷重負荷や位置調整等の調整データとなる。一方、FEM解析の結果として出力されるデータは、輪郭度についてのキー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを表す三次元の点群データとなる。そして、FEM解析では、第2から第5の面における三次元的なプロファイルの測定データが、第1のコンポーネントを構成する各サブコンポーネントの形状を含む設計情報と、第2のコンポーネントの形状を含む設計情報の補正データとして用いられることになる。
【0068】
従って、キー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルに影響を与える第5の面をより多くの面とする程、すなわち部品単体におけるプロファイルの測定点を多くする程、FEM解析の精度が向上し、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルの予測精度も向上することになる。このため、十分な精度で第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測できるように、部品単体段階においてプロファイルの測定対象となる第5の面を十分な範囲に決定することが適切である。この第5の面の決定は、設計情報に基づいて理論的に行ったり、シミュレーションによって行ったりすることができる。
【0069】
もちろん、第2のコンポーネントが種々の要因によって変形する可能性がある場合には、第2のコンポーネントの変形量についてもFEM解析でシミュレーションすることができる。その場合には、第2のコンポーネントについても、キー特性を有する第2の面のプロファイルに影響を与えると考えられる、第2及び第3の面とは別の面のプロファイルをステップS1において測定しておき、FEM解析の入力データに加えるようにしても良い。
【0070】
図3乃至
図6に例示される中央翼2の場合であれば、上側翼胴結合金具7Uが連結される中央翼本体6の変形後における接合面14Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lが連結される中央翼本体6の変形後における接合面14Lのプロファイルを、それぞれFEM解析によって算出することができる。そうすると、中央翼本体6の変形後における接合面14Uに上側翼胴結合金具7Uを連結した場合における上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイルと、中央翼本体6の変形後における接合面14Lに下側翼胴結合金具7Lを連結した場合における下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルについても、幾何学的に算出することができる。
【0071】
尚、仮に上側翼胴結合金具7Uの端面13Uと連結される中央翼本体6の接合面14Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lの端面13Lと連結される中央翼本体6の接合面14Lのプロファイルを三次元測定機で測定することにすると、三次元測定のために中央翼2の組立作業を中断することが必要となり、中央翼2の組立に要する時間が増加するのみならず、製造コストの増加にも繋がる。
【0072】
また、組立治具等との干渉によって、上側翼胴結合金具7Uの端面13Uと連結される中央翼本体6の接合面14Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lの端面13Lと連結される中央翼本体6の接合面14Lのプロファイルを三次元測定機で測定できない場合もある。
【0073】
このため、
図5に示す中央翼2の製造方法は、上側翼胴結合金具7Uの端面13Uと連結される中央翼本体6の接合面14Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lの端面13Lと連結される中央翼本体6の接合面14Lのプロファイルを三次元測定機で測定せずに中央翼2を組立てることを前提としている。
【0074】
輪郭度についてキー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測する方法としては、上述したFEM解析シミュレーションの他、ニューラルネットワークを用いる方法が挙げられる。すなわち、予め機械学習させた人工知能(AI:Artificial Intelligence)で第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測することもできる。
【0075】
その場合には、上側翼胴結合金具7Uの端面13Uと連結される中央翼本体6の接合面14Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lの端面13Lと連結される中央翼本体6の接合面14Lのプロファイルを予測せずに、直接、中央翼2の組立後における上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルを予測するようにしても良い。すなわち、ニューラルネットワークの入力データはFEM解析を行う場合の入力データと同様なデータとなるが、ニューラルネットワークの出力データは、中央翼2の組立後における上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイルと、下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルとすることができる。
【0076】
ニューラルネットワークを用いる場合には、実際に中央翼2等の構造体1を多数製作したり、条件が異なる多数のFEM解析シミュレーションを行ったりすることによって、ニューラルネットワークの教師データを取得し、ニューラルネットワークの計算結果が十分な精度となるように教師データを用いてニューラルネットワークのパラメータを最適化することが必要となる。このため、ニューラルネットワークを用いて第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測する方法は、構造体1が量産される場合に有効である。また、ニューラルネットワークを用いて第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測すれば、FEM解析で第2の面のプロファイルを予測する場合と比較して、計算速度と計算精度の向上を図ることができる。
【0077】
第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが予測できると、予測した第2の面のプロファイルに基づいて第1のコンポーネントの第1の面への第2のコンポーネントの第3の面の適切な連結位置を決定することが可能となる。
【0078】
具体的には、ステップS5において、予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが、輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱しているか否かを判定することができる。そして、実際の第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが、輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱しないように、第1のコンポーネントの第1の面への第2のコンポーネントの第3の面の連結位置を決定することができる。
【0079】
輪郭度についてのキー特性の要求は、設計時における第2のコンポーネントの第2の面の理想的なプロファイルに対する公差、すなわち第2の面のプロファイルの三次元の点群データからなるノミナル値からの許容誤差として表すことができる。このため、予測した第2の面のプロファイルを表す三次元の点群データと、構造体1の設計情報から得られる三次元の点群データのノミナル値を比較し、許容誤差より大きい誤差が存在する場合には、予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが、輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱していると判定することができる。
【0080】
尚、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルの予測精度を考慮して、キー特性の要求として定められている第2の面の許容誤差よりも厳格な許容誤差をステップS5における判定用に別途設定しても良い。換言すれば、設計情報として定められた第2の面の輪郭度の許容誤差にマージンを設定してステップS5における判定を行うようにしても良い。これにより、第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を計画通りの連結位置で連結した場合に、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱する場合を確実に検知することができる。
【0081】
ステップS4において予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが所定の輪郭度を逸脱すると判定された場合には、ステップS6において、第1のコンポーネントの第1の面への第2のコンポーネントの第3の面の連結位置が補正される。具体的には、第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を実際に連結した場合において、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが所定の輪郭度を満足するように、第1のコンポーネントの第1の面への第2のコンポーネントの第3の面の連結位置の、初期の予定位置からの補正量が決定される。これにより、第2のコンポーネントの実際の連結位置が決定される。
【0082】
図3乃至
図5等に例示される中央翼2の場合であれば、予測した複数の上側翼胴結合金具7Uの上面12Uにおける各プロファイルの少なくとも1つがキー特性の要求を逸脱すると判定される場合には、該当する上側翼胴結合金具7Uの端面13Uを連結すべき中央翼本体6の接合面14U上の位置が補正される。同様に、予測した複数の下側翼胴結合金具7Lの下面12Lにおける各プロファイルの少なくとも1つがキー特性の要求を逸脱すると判定される場合には、該当する下側翼胴結合金具7Lの端面13Lを連結すべき中央翼本体6の接合面14L上の位置が補正される。
【0083】
図11は、
図3に示す上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの中央翼本体6への連結位置を平行移動させることによって連結位置を補正する場合の例を示す図である。
【0084】
図11に示すように上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの中央翼本体6への取付位置をそれぞれ平行移動させることによって、各取付位置を微調整することができる。上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの取付位置の調整方向は、
図11に示すように航空機3の上下方向に限らず前後方向としても良い。
【0085】
上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの取付位置の補正量は、中央翼2への要求に応じた所望の決定方法で決定することができる。典型的な具体例として、上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの取付位置の各補正量を、それぞれ予測した上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイル及び予測した下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルの、各ノミナル値からの誤差が最小となるように決定することができる。この場合には、予測した点群データからなる各プロファイルの、ノミナル値からの各誤差が最小となるように取付位置又は取付位置の補正量をパラメータとする最適化計算や最小二乗法等によって、上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの各取付位置及び各取付位置の補正量を決定することができる。
【0086】
別の具体例として、予測した上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイル及び予測した下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルの各誤差が、それぞれ許容範囲内となる最小の補正量に決定する方法が挙げられる。すなわち、上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの各取付位置のシフト量ができるだけ小さくなるように各取付位置の補正量を決定することもできる。
【0087】
この場合には、予測した上側翼胴結合金具7Uの上面12Uのプロファイル及び下側翼胴結合金具7Lの下面12Lのプロファイルが、実際に中央翼2を組立てた後のプロファイルと必ずしも一致しないことから、キー特性の要求として定められている誤差の許容範囲よりも狭い許容範囲を設定して上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの各取付位置の補正量を決定することが適切である。すなわち、キー特性の要求として定められている誤差の許容範囲に対して許容マージンを設定して上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lの各取付位置の補正量を決定することが適切である。
【0088】
図12は、
図3に示す上側翼胴結合金具7Uの中央翼本体6への取付角度の調整を伴って連結位置を補正する場合の例を示す図である。
【0089】
図12に例示されるように断面が概ね楔形となっている板状のシム40を挟んで上側翼胴結合金具7Uを中央翼本体6の接合面14Uに連結すれば、上側翼胴結合金具7Uの中央翼本体6への取付角度を微調整することができる。すなわち、中央翼本体6の接合面14Uに対して上側翼胴結合金具7Uの端面13Uを傾斜させて連結することができる。
【0090】
そこで、上側翼胴結合金具7Uの中央翼本体6への取付位置を
図11に示すように平行移動するのみでは上面12Uのプロファイルがキー特性の要求を満足できない場合や、予測した上面12Uのプロファイルをノミナル値に一層近づけることが好ましい場合等には、適切な形状を有するシム40を上側翼胴結合金具7Uと中央翼本体6の接合面14Uとの間に配置する補正を行っても良い。すなわち、上側翼胴結合金具7Uの中央翼本体6への取付角度を含めて連結位置の補正を行うようにしても良い。もちろん、下側翼胴結合金具7Lの取付位置の補正についても同様である。
【0091】
その場合には、ステップS6において第2のコンポーネントの連結位置の補正量を決定する際、予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルに基づいて、厚さが一方向に減少する楔形のシム40を挟んで第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を連結するべきか否かが判定される。すなわち、第2のコンポーネントの連結位置の補正量に、角度の補正量を含めるべきか否かが判定される。
【0092】
そして、楔形のシム40を挟んで第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を連結するべき、すなわち第2のコンポーネントの取付角度を補正するべきと判定した場合には、第2のコンポーネントの取付角度の補正量と、取付角度の補正量に対応するシム40の形状が決定される。これにより、第2のコンポーネントの取付角度を含めて調整することが可能となる。
【0093】
第2のコンポーネントの連結位置の補正量が決定されると、第2のコンポーネントの連結位置が確定する。一方、ステップS5の判定において、予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが、輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱していないと判定された場合には、第2のコンポーネントの連結位置を補正せずに確定させることができる。すなわち、第2のコンポーネントの当初の連結位置を実際の連結位置に決定することができる。
【0094】
尚、予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが、輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱していない場合であっても、第2のコンポーネントの連結位置を補正すればキー特性を有する第2の面の輪郭度が改善する場合がある。従って、
図1に示す例では、構造体1の製造コスト及び製造期間の増加を回避する観点から、予測した第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが、輪郭度についてのキー特性の要求を逸脱していると判定された場合に限り第2のコンポーネントの第1のコンポーネントへの連結位置を補正する流れとなっているが、品質改善を重視する場合には、別の判定基準を設定して第2のコンポーネントの第1のコンポーネントへの連結位置を補正する流れとしても良い。
【0095】
第2のコンポーネントの第1のコンポーネントへの連結位置が決定されると、ステップS7において、決定した連結位置で第2のコンポーネントの第3の面が第1のコンポーネントの第1の面に連結される。従って、ステップS6において、第2のコンポーネントの連結位置が補正されている場合には、設計時と異なる連結位置で第2のコンポーネントの第3の面が第1のコンポーネントの第1の面に連結される。
【0096】
また、
図12に例示されるように厚さが一方向に減少するシム40を挟んで第2のコンポーネントの第3の面を第1のコンポーネントの第1の面に連結することが決定されている場合には、厚さが一方向に減少するシム40を挟んで第2のコンポーネントの第3の面が第1のコンポーネントの第1の面に連結される。
【0097】
構造体1が中央翼2であれば、
図5(B)に示すように上側翼胴結合金具7Uと下側翼胴結合金具7Lを中央翼本体6に連結することによって、
図5(C)に示すような中央翼2が組立てられる。但し、
図11及び
図12に例示されるように、上側翼胴結合金具7U及び下側翼胴結合金具7Lは、必要に応じて補正された連結位置で中央翼本体6に連結される。
【0098】
次に、ステップS8において、第2のコンポーネントの第3の面を第1のコンポーネントの第1の面に連結した後、すなわち構造体1の組立が完了した後の、キー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルが三次元測定機で測定される。これは、輪郭度についてのキー特性を有する面は、通常、組立後に三次元測定機で測定して実際のプロファイルを確認することが作業手順として定められているためである。
【0099】
キー特性を有する第2のコンポーネントの第2の面の実際のプロファイルは、次の構造体1の組立用の参照データとして活用することができる。具体的には、ステップS4において予測した構造体1の組立前における第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルと、ステップS8において測定した構造体1の組立後における第2のコンポーネントの第2の面の実際のプロファイルとを、ステップS9において比較することができる。そうすると、ステップS4における第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルの予測精度を評価することが可能となる。
【0100】
そして、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルの予測精度を向上させることが望ましい場合には、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルの予測値と、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルの測定値との間における相違を表す平均二乗誤差(MSE:Mean Squared Error)等の指標値が減少するように、ステップS4において第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測するために用いた条件を変更することができる。
【0101】
第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測するための条件の変更は、プロファイルを予測するために用いたアルゴリズムのパラメータの値を変更することによって行うことができる。具体的には、FEM解析で第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測する場合であれば、FEM解析の任意のパラメータに重みを付与するための重み係数を導入し、プロファイルの予測値と測定値との間における乖離量を表す指標値が減少するように、重み係数を最適化することができる。一方、ニューラルネットワークで第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを予測する場合においても、予測精度が向上するようにニューラルネットワークのパラメータ値を最適化することができる。
【0102】
これにより、
図1に示す流れで別の構造体1を組立てる場合には、第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを変更後の条件で予測することが可能となる。すなわち、第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を連結する前において、第1のコンポーネントの第1の面に第2のコンポーネントの第3の面を連結した場合における第2のコンポーネントの第2の面のプロファイルを、より高精度に予測することが可能となる。
【0103】
以上の構造体1の製造方法は、コンポーネントの組立後に発生する可能性がある輪郭度についてのキー特性の要求からの逸脱を当該コンポーネントの組立前に検出し、キー特性の要求を満足するようにコンポーネントの取付位置を補正しながらコンポーネントを組立てるようにしたものである。
【0104】
(効果)
このため、構造体1の製造方法によれば、コンポーネントの組立完了後において、キー特性を有するコンポーネントの部分が輪郭度についての要求を逸脱する不具合を未然に防ぐことができる。すなわち、コンポーネントの組立完了後において、輪郭度についての要求を確実に満足させることができる。その結果、輪郭度についてのキー特性に関する要求を満たさないことに起因する構造体1の大規模な改修を回避することができる。
【0105】
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
【符号の説明】
【0106】
1 構造体
2 中央翼
3 航空機
4 胴体
5 主翼
5U 上面パネル
5L 下面パネル
6 中央翼本体(第1のコンポーネント)
7 翼胴結合金具(第2のコンポーネント)
7U 上側翼胴結合金具(第2のコンポーネント)
7L 下側翼胴結合金具(第2のコンポーネント)
8U 上面パネル
8L 下面パネル
9F フロントスパー
9R リアスパー
10 リブ
11 補強部材
12U 上側翼胴結合金具の上面(第2の面)
12L 下側翼胴結合金具の下面(第2の面)
13U 上側翼胴結合金具の端面(第3の面)
13L 下側翼胴結合金具の端面(第3の面)
14U、14L 中央翼本体の接合面(第1の面)
15U 上面パネルの端面(第4の面)
15L 下面パネルの端面(第4の面)
16U リブの表面の上部におけるエリア(第4の面)
16L リブの表面の下部におけるエリア(第4の面)
16M リブの表面のエリア(第5の面)
17U 上面パネルの下面(第5の面)
17L 下面パネルの上面(第5の面)
18U、18L リブの端面(第5の面)
19 金具
20 組立治具
21 位置決めピン
22 長孔
23 位置決め用の貫通孔
30 位置決め用の貫通孔
31 位置決め用の孔
32 位置決めピン
40 シム