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特開2024-121743Bルート活用広域デマンドコントロールならび低圧デマンドコントロールで発電所を台数制御する省エネシステム
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  • 特開-Bルート活用広域デマンドコントロールならび低圧デマンドコントロールで発電所を台数制御する省エネシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024121743
(43)【公開日】2024-09-06
(54)【発明の名称】Bルート活用広域デマンドコントロールならび低圧デマンドコントロールで発電所を台数制御する省エネシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240830BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023040122
(22)【出願日】2023-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】523091992
【氏名又は名称】フロンティアプランニング有限会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】西川 康彦
(72)【発明者】
【氏名】木暮 徹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】省エネにより電力消費を減らす方法をを提供する。
【解決手段】電力会社の管轄エリアをひとつとみなし全ての公共施設の契約電力を纏める。広域デマンドコントロールと低圧デマンドコントロールを新約款として認め自治体毎に『省エネナビゲ―ションセンター』を設立する。自治体に地域の電力会社やガス会社、電気保安協会等に出資させて省エネナビゲ―ションセンターを創設する。指定金融機関の支店をショールームとして公共施設のエスコ事業を実施する。削減した費用でネット上でエネルギー監視業務が出来るシステムを構築し、新たに100万人以上の障がい者雇用を生み、100万KW以上の省エネ効果を上げる。省エネと保安管理は要であり、従来は専門家でなければ不可能であったが、ネットを通じて障がい者の方たちのスマホ画面上に模擬信号機表示で省エネや保安管理を提供できるようにして障がい者も施設管理業務に参加できるシステムを構築する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
都道府県単位や自治体単位等で広域の電力デマンド制御や契約電力の管理を一括で行い、上下水処理場等において自家発電や水の制御技術を用いて所轄発電所の台数制御を行い、省エネとコスト削減を図る方法。
【請求項2】
当該地域に居住する住民や一般企業に付与するエコポイントの金額の大小を▲1▼当該地域に電力の供給を行う地域統括変電所の電力供給能力に歩調を合わせて、▲2▼浄水場やポンプ場等の公共施設又は▲3▼民間電力需要施設のデマンド(最大需要電力)に歩調を合わせて時間帯別に増減させて付与を行うことで、浄水場やポンプ場等の公共施設、民間施設のデマンド(最大需要電力)を削減し、地域全体の省エネを推進させ、地域統括変電所の電力供給能力の負荷軽減を促して行う所轄発電所の台数制御方法。
【請求項3】
最大需要電力を記録する時間帯に所有する電化製品のスイッチを切ってショッピングセンターや商店街に出掛ければ、キャッシュバックを与えるような動機付けを携帯による、時間帯別エコポイントにより行う事で地域のCO2デマンド(光熱水の合計によるCO2換算最大需要値)を削減する手法。
【請求項4】
携帯電話メールを用いて需要家に地域のCO2広域デマンド情報を一斉配信し、省エネ行動を促す際のインセンティブとしてエコポイントを付与する手法。
【請求項5】
同一自治体内における浄水場・ポンプ場・下水処理場・清掃工場等の公共施設で契約電力を電力会社と一括契約し、住民がケータイを用いた省エネ行動により負荷平準化して電気料金を削減する手法。また削減した金額を住民に還元するに当り、障がい者雇用で省エネ行動をポイント化するシステムを構築する手法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域が一丸となり消費者側の一般企業、一般家庭が行なう省エネ活動と供給側が行なう水道料金の遠隔検針や浄水場での省エネ活動を包括的に管理して発電所の発電量を減らす技術である。
【背景技術】
【0002】
2011年3月11日に発生した東日本大震災以後、原子力発電所の9割が停止している為電力はひっ迫し火力発電に頼らざるを得ないが、昨今の原油の値上がりで電力単価も上昇を続けている。また、原子力発電の代替として太陽光発電の高値買取も始めたものの、発電しない夜間はやはり火力発電に依存しているのが現状である。よって、今すべきことは省エネにより電力消費を減らすことである。
【0003】
東京都は、10年以上前から全国に先駆けて東京モデルとして独自の排出量取引をスタートさせたが、唯一の買取先であった東京電力が東日本大震災でCO2の買取りが出来なくなったため、計画は頓挫している。
【0004】
また排出量の総量規制がかかっている大手事業所も未達成の場合の環境税に備えて対策に必死だが、1970年代に2度のオイルショックを乗り越えてきただけに省エネ対策も限界である。更に、快適な生活環境を得た家庭におけるエネルギ-は増加を続けており、即効的な省エネ対策も見当たらない状況である。
【0005】
ところが浄水場や下水処理場といった自治体や関連団体が運営する公共施設では浄水の安定供給や安全性が優先されている為に、電力供給ピーク時の非常用発電機運転や太陽光発電等を活用したピ-クカットはほとんど実施されていない。施設全体の契約電力は30分毎の計量で年間の最大値がデマンド(最大需要電力)として決定されるが、数多いポンプのすべてが稼働する時は、年に数日しかないので、過大な契約となるケースが多い為に敷地が広大な事もあり、デマンドコントロールはできていないのが実情である。
【0006】
改正省エネ法ではこのような状況を打開するために企業経営者が責任の元に定期報告書や中長期計画を経済産業省に提出する事が義務化されている。したがって、自治体においても首長がエネルギ-管理士や指定管理者等では出来ない、時間帯別水道料金への約款変更やエネルギー見える化による障害者の雇用を提言すれば、公共施設の創エネ・省エネ・蓄エネが実現するばかりでなく、地産地消の再生可能エネルギ-を地域主体のスマートグリッドに取り込める国策モデルが推進出来る事になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
地域全体の省エネを住民、企業、電力会社、自治体が協力して行うことは金銭的な動機づけを元に情報技術を活用して行うことである。特に地域を統括する発電所の電力供給負荷の削減を地域一丸となって低コストで省エネが必要な時間帯にタイムリーに行うことである。又浄水場や下水処理場では水のデマンド(最大需要)を抑える事が契約電力削減に直結して来る為、給水ポンプと排水ポンプが同時に複数台の稼働をしないように工夫する事である。電力会社は一需要家当たり一契約として契約約款を創っているが、電力は既に自由化されている訳だから(同一自治体の公共施設は全て一需要家であり、一括契約が可能である)という解釈も電力会社側の一方的な値上げ対抗策として検討すべき課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
地域統括発電所単位での電力供給の負荷状況並びに地域の大口の電力消費者の電力消費の状況(以下「地域電力需給負荷」と記す。)を▲1▼時間帯別に地域の個々人や企業に対して、パソコン並びに携帯端末向けに一斉情報で随時配信すると同時に、▲2▼その時間帯別に省エネ行動をした電力消費者に付与するエコポイントの付与金額も同時に提示すると同時に、▲3▼そのエコポイントの付与金額を地域電力需給負荷に連動させて増減する情報システムを構築し、その運用とサービスの提供を行うことである。さらに当該地域の自治体では水道料金と下水料金の請求が一緒に行われている事実を考慮すれば、浄水場と下水処理場はデマンド(最大需要電力)の時間帯が異なるために、全てを一括契約にすれば大きく契約電力削減が可能になる。例えば1,000kWの契約電力の浄水場と下水処理場と自治体庁舎が同じ電力会社の管轄内にあれば、従来はそれぞれが別契約なので基本料金は
3,000kWの費用が掛かるのは当然である。しかし、電力会社が広域デマンド一括契約を認めれば、『それぞれのピーク電力時間帯が異なる為に、合計契約電力は2,000kW以下
で済む』という事になる訳である。
そして夏期や冬季の電力危機には、エネルギ-の需給予測(デマンド)を東京電力や東北電力が電気予報で全体発電量の配信をしているように、地域を統括している特高変電所のデマンドを住民に公開したら良いと考えている。また浄水場における最大需要電力(デマンドピ-ク)が発生する時間帯は夏季休日明けの晴天日と決まっているケースがほとんどの為、例えば午前8時半から10時半の間は水道料金を2倍にしてその他の時間を半額にするように約款変更すれば、皆がピーク時間の節水をする為に給水ポンプが止まり、即契約電力を50%程度確実に削減できる。現在東京電力や東北電力が各社の合計発電量を配信してデマンド時の節電要請をしているように、自治体が節水要請をして協力してくれた家庭やマンション、企業等に時間帯別エコポイントでインセンティブを与えれば地域の省エネや停滞している温暖化対策は一気に解決するものと推測される。ちなみに東京都の朝霞浄水場で上記対策をシミュレ-ションすれば年間1億円以上の基本料金が節約可能と判断されるので都が電力会社と一括契約して都民にエコポイントを付与すれば数十倍のCO2削減に繋がると判断している。
【0009】
すなわち、本発明の要旨とするところは、自治体が電力会社の言いなりではなく、自ら水道料金の供給約款を住民側が節水したら得する仕組みに(時間帯別水道料金)変更し、かつ電力会社との契約についても一括契約を要求する事の2点である。時間帯別の水道使用量管理が適正に行われたか否かを確認するには専用メ-タを設置するまでに時間がかかると思われるので、需要家(参加者)がメ-タ検針の際、カメラ(写メ-ル)機能をもつ携帯電話でメ-タ数字を撮り、自治体に送る事で証明が可能になる。
写メ-ルにはメ-タ値撮影の年月日、時間まで写真に記録されるために従来の目視による検針よりも正確である。最初の転送から一ヵ月後に再度メ-タ値を写メ-ルで撮影、転送してもらう。最新メ-タ値から一ヶ月前の値を差し引けば一ヶ月間の使用量が解るという仕組みである。年間を通じて光熱水量のデ-タを重ねれば総使用量にCO2換算することで排出量が解るために、審査員や検証人も特に必要としない電子認証が可能となる。
この写メール検針システムを自治体が採用できれば、障がい者でも訓練する事で新たな雇用が可能になり、地域の活性化に繋がるビジネスモデルとなって全国に広がるものと確信している。
【発明の効果】
【0010】
本発明はまず自治体の浄水場・下水処理場に適用する事で数十億単位の基本料金が削減できるので、それを原資に庁舎や図書館・文化会館・学校等にエスコ事業(エネルギ-サ-ビスカンパニ-)の導入をしていけば、施設改修と自然エネルギ-の相乗効果により、公共施設では従来の50%以下のエネルギ-使用量やCO2排出量で施設運営する事が可能になる。
また家庭やマンションにおいても、あらかじめ提出してもらった過去の水光熱デ-タや環境家計簿との比較をすることにより、CO2排出量の予測や電力・ガス・水の省エネが可能になる。更に携帯メ-ル配信で省エネ行動をアドバイスし、削減分をポイント化できれば地域通貨による商店街の活性化にも繋がり、街ごと省エネが実現すると判断される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下は本発明の実施例である。従来の既存BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)は機器のコントロールや発停をする為のものであり、新たな省エネ手法や緊急時の行動を指示する装置ではない。本発明は浄水場等の電力ピ-ク時に送水ポンプが一斉に稼働しないように、あらかじめ携帯登録した需要家(特に水道使用量の多い処)に電力会社の電気予報に連動して、高い料金時間のお知らせメールと省エネ対策を配信する。それを受けた需要家はどのような節水行動と節電行動をしたかをメールで返し、センター側でCO2監視と共にポイント化する技術である。
従来のエネルギ-供給会社が行う検針と異なり、需要家が自ら検針することで時間帯別の水道使用量が把握できる。また自治体側で写メール検針を受けた障がい者が時間帯別水道使用量を証明し、料金請求する事で確実に光熱水を削減する事が可能になる。
【0012】
自治体における本発明の実施例を図1に示す。浄水場や住民側から送られた写メール検針等の光熱水量データを処理して、省エネアドバイスを送ったり、排出量を計算するのが障害者の仕事である。図2のように各戸の検針は受益者である住人が行い、浄水場では管理者がガスや水道も建物まるごと省エネナビ(簡易BEMS)に点検時のデ-タを手動入力する。変電所管理だけでは電力だけのCO2排出量しか計量できないが、ガスの検針と水道検針も併せて行う事で施設全体のCO2排出量がリアルタイムで見える化できる温暖化防止システムの仕組みである。
【0013】
上記の取り組みは自治体の公共施設ばかりでなく、ショッピングセンターや商店街にも送電する電力会社の特高変電所からのデマンド情報をリアルタイムで配信する事でまさに住民側がピーク時に使用電力を制御し、電力の安定供給を図るスマートグリッドが実現するのである。携帯キャリアと自治体、電力会社、商業施設等が見える化を通じて障がい者のネットワークに繋がれば、これこそが街ごと省エネ・創エネ・蓄エネの標準モデルとなる。
【図面の簡単な説明】
図1】は本発明の概要システム図である。障がい者が運営する省エネナビゲ―ションセンターでは浄水場、下水処理場や住民家庭から送られた水光熱使用量を元に登録者に対し、CO2排出量や省エネアドバイスを送る。
図2】は浄水場の概要システム図である。負荷設備の60から70%が送水ポンプなので、ピークの時間帯に送水ポンプを止める仕組みである。
図1
図2