(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124627
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20240906BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240906BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20240906BHJP
H05K 1/14 20060101ALI20240906BHJP
H05K 3/36 20060101ALI20240906BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H05K9/00 C
H05K9/00 F
H05K7/20 B
H05K7/14 C
H05K1/14 F
H05K3/36 Z
H05K1/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032428
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和哉
(72)【発明者】
【氏名】川島 慎平
(72)【発明者】
【氏名】大野 貴大
(72)【発明者】
【氏名】磯部 慧
【テーマコード(参考)】
5E321
5E322
5E338
5E344
5E348
【Fターム(参考)】
5E321AA05
5E321AA11
5E321CC22
5E321GG01
5E321GG05
5E321GH03
5E322AA01
5E322AA02
5E322AA03
5E322FA04
5E338EE02
5E338EE22
5E338EE60
5E344AA01
5E344AA15
5E344BB02
5E344BB06
5E344CD18
5E344DD07
5E344EE02
5E344EE12
5E344EE30
5E348AA03
5E348AA05
5E348AA08
5E348AA16
5E348AA32
5E348AA40
(57)【要約】
【課題】複数の基板を個別のシールドボックスに収納する構成と比較して、一つのシールドボックスに収納することで装置のサイズが大きくなることを抑制すると共に、基板におけるレイアウトの制約を緩和する。
【解決手段】筐体210の内部に設置され、第2基板230と接続するための基板対基板コネクタ222を有する第1基板220と、筐体210の内部に設置され、基板対基板コネクタ222、233を介して第1基板220に接続される第2基板230と、第1基板220と第2基板230との間に設置されて、基板対基板コネクタ222、233による接続を除いて第1基板220と第2基板230とを隔てる仕切り板240と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のシールドボックスと、
前記シールドボックス内部に設置され、他の基板と接続するための基板対基板コネクタを有する第1基板と、
前記シールドボックス内部に設置され、前記基板対基板コネクタを介して前記第1基板に接続される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設置されて、前記基板対基板コネクタによる接続を除いて当該第1基板と当該第2基板とを隔てる仕切り板と、
を備えることを特徴とする、電子装置。
【請求項2】
前記第1基板は、少なくとも一部の発熱素子を、熱伝導部材を介して前記仕切り板に接触させるように設置されることを特徴とする、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記仕切り板の少なくとも一部が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第2基板は、前記仕切り板に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記仕切り板の辺縁部の少なくとも一部が、前記シールドボックスに固定されていることを特徴とする、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記仕切り板の辺縁部の全体が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1基板と前記第2基板とは、前記仕切り板を挟んで重ねた状態で配置されることを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の電子装置。
【請求項8】
一のシールドボックスと、
前記シールドボックス内部に設置され、他の基板と接続するための基板対基板コネクタを有する基板と、
前記シールドボックス内部に設置され、前記基板対基板コネクタを露出させて前記基板を覆う仕切り板と、
を備えることを特徴とする、電子装置。
【請求項9】
前記基板は、少なくとも一部の発熱素子を、熱伝導部材を介して前記仕切り板に接触させるように設置されることを特徴とする、請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記仕切り板の少なくとも一部が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の制御装置等に用いられる電子回路は、EMC(Electromagnetic Compatibility)の観点から、一般に、シールドボックス(電波暗箱)に収納される。電子回路が複数の基板により構成される場合、基板間相互における電波ノイズや熱の影響を抑制するための工夫がなされる。
【0003】
特許文献1には、略長方形状に形成されて増設メモリ用コネクタや電波ノイズと熱の発生源となるCPUなどの電子部品を収容した第1の回路ブロックを覆う第1のボックスと、付加機能機器または基板を挿脱できるようにした第2の回路ブロックを覆う第2のボックスとからなり、少なくとも増設メモリなどを挿脱するための開口と冷却風通風孔、及び第1のボックスと第2のボックスとを隔てる隔壁と周囲を取り囲む側壁とを1枚板金で形成し、第1の回路ブロックにおける開口部をリッドで閉じて構成した電気的シールドと放熱を行うシールドボックスが開示されている。
【0004】
特許文献2には、ASICがプリント配線基板とシールド板金との間に挟まれ、シールド板金に板ばねの基端部が支持され、ASICと板ばねの遊端部との間に熱伝導部材が介在させると共に、シールド板金がメイン基板に取り付けられた状態では、板ばねの付勢力が熱伝導部材の第1面に入力され、熱伝導部材の第1面と反対側の第2面がASICに押しつけられ、また、熱伝導部材の第3面と対向する位置に第1放熱部材が配されており、熱伝導部材の弾性変形により熱伝導部材の第3面が第1放熱部材に接触するように構成された放熱装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-95967号公報
【特許文献2】特開2018-92987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各基板における電波ノイズや熱の影響を抑制するために基板ごとに個別のシールドボックスに収納すると、装置のサイズが大きくなってしまう。一方、複数の基板を一つのシールドボックスに収納する場合、各基板のレイアウトの制約が大きくなると共に、基板間の電波ノイズや熱の影響を抑制する必要が生じる。このことは、各基板が個別に設計される場合、装置全体の開発工数やコストの増大を招く。
【0007】
本発明は、複数の基板を個別のシールドボックスに収納する構成と比較して、一つのシールドボックスに収納することで装置のサイズが大きくなることを抑制すると共に、基板におけるレイアウトの制約を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明は、
一のシールドボックスと、
前記シールドボックス内部に設置され、他の基板と接続するための基板対基板コネクタを有する第1基板と、
前記シールドボックス内部に設置され、前記基板対基板コネクタを介して前記第1基板に接続される第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設置されて、前記基板対基板コネクタによる接続を除いて当該第1基板と当該第2基板とを隔てる仕切り板と、
を備えることを特徴とする、電子装置である。
請求項2に係る本発明は、
前記第1基板は、少なくとも一部の発熱素子を、熱伝導部材を介して前記仕切り板に接触させるように設置されることを特徴とする、請求項1に記載の電子装置である。
請求項3に係る本発明は、
前記仕切り板の少なくとも一部が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、請求項2に記載の電子装置である。
請求項4に係る本発明は、
前記第2基板は、前記仕切り板に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の電子装置である。
請求項5に係る本発明は、
前記仕切り板の辺縁部の少なくとも一部が、前記シールドボックスに固定されていることを特徴とする、請求項4に記載の電子装置である。
請求項6に係る本発明は、
前記仕切り板の辺縁部の全体が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、請求項4に記載の電子装置である。
請求項7に係る本発明は、
前記第1基板と前記第2基板とは、前記仕切り板を挟んで重ねた状態で配置されることを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の電子装置である。
請求項8に係る本発明は、
一のシールドボックスと、
前記シールドボックス内部に設置され、他の基板と接続するための基板対基板コネクタを有する基板と、
前記シールドボックス内部に設置され、前記基板対基板コネクタを露出させて前記基板を覆う仕切り板と、
を備えることを特徴とする、電子装置である。
請求項9に係る本発明は、
前記基板は、少なくとも一部の発熱素子を、熱伝導部材を介して前記仕切り板に接触させるように設置されることを特徴とする、請求項8に記載の電子装置である。
請求項10に係る本発明は、
前記仕切り板の少なくとも一部が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の電子装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、複数の基板を個別のシールドボックスに収納する構成と比較して、一つのシールドボックスに収納することで装置のサイズが大きくなることを抑制し、基板におけるレイアウトの制約を緩和することができる。
請求項2の発明によれば、放熱部材を別に設ける構成と比較して、装置を小型化することができる。
請求項3の発明によれば、仕切り板がシールドボックスに接触していない構成と比較して、放熱性能を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、第2基板の取り付け用ベース基板を別に設ける構成と比較して、装置を小型化できると共に、第2基板に応じた取り付け部位の開発工数およびコストの増大を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、仕切り板がシールドボックスに固定されていない構成と比較して、仕切り板および第2基板の設置状態を安定させることができる。
請求項6の発明によれば、仕切り板とシールドボックスとの間に隙間がある構成と比較して、基板間のノイズおよび熱の影響をより低減させることができる。
請求項7の発明によれば、第1基板と、第2基板とを並べて(またはずらして)配置した構成と比較して、装置の設置面積を縮小することができる。
請求項8の発明によれば、複数の基板を個別のシールドボックスに収納する構成と比較して、一つのシールドボックスに収納することで装置のサイズが大きくなることを抑制し、後から接続される他の基板におけるレイアウトの制約を緩和することができる。
請求項9の発明によれば、放熱部材を別に設ける構成と比較して、装置を小型化することができる。
請求項10の発明によれば、仕切り板がシールドボックスに接触していない構成と比較して、放熱性能を向上させると共に、基板間のノイズの影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態が適用される画像処理装置の外観を示す図である。
【
図2】
図1に示す画像処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】筐体に第1基板を装着する様子を示す図であり、
図5(A)は装着前の状態を示す図、
図5(B)は装着後の状態を示す図である。
【
図6】第1基板が装着された筐体に仕切り板を装着する様子を示す図であり、
図6(A)は装着前の状態を示す図、
図6(B)は装着後の状態を示す図である。
【
図7】第1基板および仕切り板が装着された筐体に第2基板を装着する様子を示す図であり、
図7(A)は装着前の状態を示す図、
図7(B)は装着後の状態を示す図である。
【
図8】第1基板、仕切り板および第2基板が装着された筐体に表板を装着する様子を示す図であり、
図8(A)は装着前の状態を示す図、
図8(B)は装着後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態は種々の電子装置として実現し得るが、以下では、画像処理装置の制御装置として本実施形態の電子装置を適用した構成を例として説明する。
【0012】
図1は、本実施形態が適用される画像処理装置の外観を示す図である。
図2は、
図1に示す画像処理装置の構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の電子装置は、画像処理装置100の制御装置200として、画像処理装置100に設けられている。
図2に示すように、画像処理装置100は、画像形成部110と、画像読み取り部120と、表示装置130と、操作デバイス140と、通信インターフェイス150と、記憶装置160と、制御装置200とを備える。
【0013】
画像形成部110は、記録材の一例である用紙に対して、画像形成材を用いて画像データに基づく画像を形成する。記録材に画像を形成する方式としては、例えば、感光体に付着させたトナーを記録材に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録材上に吐出して像を形成するインクジェット方式等が用いられる。
【0014】
画像読み取り部120は、いわゆるスキャナー装置により構成され、セットされた原稿上の画像を光学的に読み取り、読み取った画像のデータを生成する。画像の読み取り方式としては、例えば、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED(Light Emitting Diode)光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式が用いられる。
【0015】
表示装置130は、ユーザに各種の情報を提示する情報画像、読み取りや出力等の処理対象となる画像のプレビュー画像、ユーザが操作を行うための操作画像等を表示する。表示装置130は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。表示装置130と操作デバイス140とを組み合わせて、ユーザが画像処理装置100に対して情報の入出力を行うためのユーザインタフェース手段として用いても良い。
【0016】
操作デバイス140は、ユーザがコマンドやデータの入力等の操作するための装置である。操作デバイス140は、例えば、ハードウェアキーや、指等で押圧または触れた位置に応じた制御信号を出力するタッチセンサ等により構成される。タッチセンサと表示装置130を構成する液晶ディスプレイとを組み合わせたタッチパネルとして構成しても良い。
【0017】
通信インターフェイス150は、外部装置との間で命令やデータを送受信するためのインターフェイスである。通信インターフェイス150としては、外部装置との通信方式に応じたインターフェイスが用いられる。外部装置との接続は、ネットワークを介して行っても良いし、直接接続により行っても良い。通信回線は、有線回線であっても無線回線であっても良い。また、画像処理装置100がファクシミリ機能を有する場合、通信インターフェイス150は、電話回線用のインターフェイスを含む。
【0018】
記憶装置160は、制御装置200が実行するプログラムやデータ、画像読み取り部120により読み取った画像のデータ等、各種の動作により生成されたログデータ、その他の種々のデータを記憶する。記憶装置160は、例えば、磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により実現される。
【0019】
制御装置200は、演算手段であるプロセッサと記憶手段であるメモリとを備え、記憶装置160に格納されたプログラムをメモリに読み込んで実行することにより、画像処理装置100を制御する。プロセッサとしては、CPU(Central Processing Unit)の他、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられる。メモリとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等が用いられる。
【0020】
<制御装置200の構成>
図3および
図4は、制御装置200の構成を示す図である。
図3は制御装置200の内部を透視した斜視図であり、
図4は断面図である。制御装置200は、筐体210と、筐体210に収納された回路基板とを含んで構成されている。制御装置200の回路基板は、第1基板220と、第2基板230とに分けて構成されている。筐体210の内部において、第1基板220と第2基板230とは重ねて配置されており、第1基板220と第2基板230との間に仕切り板240が挟まれている。第1基板220と第2基板230とを重ねて配置することにより、これらの基板を並べて配置したり、1枚の基板で構成したりする場合と比較して、制御装置200のサイズを縮小し得る。
【0021】
筐体210は、いわゆるシールドボックスであり、
図3に示す例では直方体の箱として構成されている。筐体210は、電波の漏洩を抑制するために用いられる一般的な部材、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属で構成される。
図4に示すように、筐体210は、底板211と、底板211の辺縁から立ち上がる側板212と、底板211と対向する位置に取り付けられる表板213とを備える。
図4に示す例において、底板211は図の左側であり、表板213は図の右側である。
【0022】
底板211と表板213とは、ほぼ同形状であり、側板212は、底板211と表板213とに挟まれた空間の周囲を覆っている。表板213は着脱可能に設けられ、表板213を外した状態では、筐体210は、底板211と対向する側が大きく開口されている。表板213は、例えば、ビス止め等の手段により側板212における底板211と対向する側の辺に固定される。底板211の内側の面には、第1基板220を設置する脚部214が設けられている。また、側板212の内側の面の一部には、仕切り板240に接触させる接触片215が設けられている。
【0023】
第1基板220は、種々の電子部品および配線が設けられ、制御装置200の機能の一部を担う回路基板である。
図4に示す例では、第1基板220に設けられた部品として、素子221と、基板対基板コネクタ222と、画像処理装置100の内部の各種の機器(以下、「内部機器」と呼ぶ)と接続するための内部コネクタ223とが示されており、その他の電子部品については記載を省略している。第1基板220は、ビス止めや留め鉤(フック)等により、筐体210の底板211の脚部214に固定される。
【0024】
素子221は、発熱素子であり、放熱のためにヒートシンクやヒートスプレッダ等の熱伝導部品221aを介して仕切り板240に接触するように設けられる。基板対基板コネクタ222は、第2基板230と接続して信号を送受信するためのコネクタである。内部コネクタ223は、
図2を参照して説明した画像形成部110、画像読み取り部120、表示装置130、操作デバイス140、通信インターフェイス150、記憶装置160等の内部機器との間で信号を送受信するためのコネクタである。内部コネクタ223は、筐体210の側板212に設けられたコネクタ用の開口部に対応する位置に、この開口部から接続線の装着口を露出させるように設けられている。
図4に示す例では、内部機器と接続するための接続線224(ハーネス等)が内部コネクタ223に接続されている様子が示されている。
【0025】
第2基板230は、種々の電子部品および配線が設けられ、第1基板220と共に制御装置200の機能を担う回路基板である。
図4に示す例では、第2基板230に設けられた部品として、CPU231と、基板対基板コネクタ233と、外部の各種の電子機器(以下、「外部機器」と呼ぶ)と接続するための外部コネクタ234とが示されており、その他の電子部品については記載を省略している。
【0026】
CPU231は、画像処理装置100における主な制御およびデータ処理を行うプロセッサである。
図4に示す例において、CPU231には、放熱のためにヒートシンク232が取り付けられている。基板対基板コネクタ233は、第1基板220と接続して信号を送受信するためのコネクタである。基板対基板コネクタ233は、第2基板230が筐体210の内部に装着された状態で、第1基板220の基板対基板コネクタ222と対応する位置に設けられている。第2基板230は、基板対基板コネクタ233を第1基板220の基板対基板コネクタ222に接続することにより、第1基板220に対して固定される。
【0027】
外部コネクタ234は、ネットワークやUSB(Universal Serial Bus)等の接続手段を介して外部機器と接続するためのコネクタである。
図4には1つの外部コネクタ234が図示されているが、外部コネクタ234としては、想定されている接続手段に応じた各種のコネクタが設けられる。外部コネクタ234は、
図2を参照して説明した通信インターフェイス150に含まれる。外部コネクタ234は、筐体210の側板212に設けられたコネクタ用の開口部に対応する位置に、この開口部から挿入口を露出させるように設けられている。
【0028】
仕切り板240は、いわゆるシールド板金であり、第1基板220と第2基板230との間に介在し、これらの基板間の電波ノイズを抑制するための金属板である。仕切り板240は、電波の漏洩を抑制するために用いられる一般的な部材、例えば、アルミニウムやステンレス等の金属で構成される。仕切り板240は、筐体210と同じ部材を用いて構成しても良い。仕切り板240は、第1基板220の素子221に対し、熱伝導部品221aを介して接触しており、素子221の放熱板としても機能する。
【0029】
図4に示す例では、仕切り板240の一部の辺が筐体210に接触している。より具体的には、
図4に示す例では、図の上側の辺が右側(表板213側)へ折り曲げられ、筐体210の側板212に設けられた接触片215に接触している。また、図の下側の辺が左側(底板211側)へ折り曲げられ、底板211に接触している。なお、一部の辺を折り曲げた
図4の仕切り板240の形状は一例に過ぎず、筐体210、第1基板220および第2基板230のサイズや形状等に応じて様々に成形して良い。仕切り板240が筐体210に接触することにより、第1基板220の素子221から受容した熱を筐体210へ伝え、放熱効果を高め得る。仕切り板240は、全周にわたって筐体210に接触しても良いし、一部の辺のみが筐体210に接触しても良い。なお、筐体210の内部において素子221を冷却するのに十分な放熱がなされる環境であれば、仕切り板240は、筐体210に接触していなくても良い。
【0030】
仕切り板240の第2基板230側の面には、第2基板230を設置する脚部241が設けられている。第2基板230は、ビス止めや留め鉤等により、仕切り板240の脚部241に固定される。仕切り板240は、ビス止めや留め鉤等により、筐体210または第1基板220に固定しても良い。また、後述するように、仕切り板240に固定された第2基板230を第1基板220に接続することにより、仕切り板240を第1基板220に固定しても良い。
【0031】
仕切り板240には、筐体210の内部に装着された状態で、第1基板220の基板対基板コネクタ222に対応する位置に、基板対基板コネクタ222の形状に対応させた孔が開けられている。これにより、仕切り板240が筐体210の内部に装着されると、仕切り板240の孔から基板対基板コネクタ222が第2基板230側へ露出する。第2基板230の基板対基板コネクタ233は、この仕切り板240の孔から露出した基板対基板コネクタ222に接続される。
【0032】
<制御装置200の組み立て手順>
次に、
図5乃至
図8を参照して、制御装置200の組み立て手順を説明する。
図5は、筐体210に第1基板220を装着する様子を示す図であり、
図5(A)は装着前の状態を示す図、
図5(B)は装着後の状態を示す図である。制御装置200を組み立てる場合、
図5(A)に示すように、表板213が取り外された筐体210の開口部216から第1基板220が挿入される(矢印参照)。そして、
図5(B)に示すように、第1基板220は、筐体210の底板211の脚部214に設置されて固定される。内部コネクタ223は、側板212の孔に対向し、この孔から接続線224が引き出される。
【0033】
図6は、第1基板220が装着された筐体210に仕切り板240を装着する様子を示す図であり、
図6(A)は装着前の状態を示す図、
図6(B)は装着後の状態を示す図である。
図6(A)に示すように、仕切り板240は、筐体210の開口部216から内部へ挿入される(矢印参照)。そして、
図6(B)に示すように、仕切り板240は、筐体210の側板212の接触片215および底板211に接触し、基板対基板コネクタ222を孔に合わせて位置決めされ、固定される。
【0034】
図7は、第1基板220および仕切り板240が装着された筐体210に第2基板230を装着する様子を示す図であり、
図7(A)は装着前の状態を示す図、
図7(B)は装着後の状態を示す図である。
図7(A)に示すように、第2基板230は、筐体210の開口部216から内部へ挿入される(矢印参照)。そして、
図7(B)に示すように、第2基板230は、基板対基板コネクタ233を第1基板220の基板対基板コネクタ222に接続し、仕切り板240の脚部241に設置されて固定される。外部コネクタ234は、側板212の孔に対向し、接続線の装着口を露出させる。
【0035】
図8は、第1基板220、仕切り板240および第2基板230が装着された筐体210に表板213を装着する様子を示す図であり、
図8(A)は装着前の状態を示す図、
図8(B)は装着後の状態を示す図である。
図8(A)、(B)に示すように、表板213は、筐体210の側板212の開口部216側に取り付けられ、開口部216を塞ぐ。
【0036】
制御装置200は、上記の手順により組み立てられ、画像処理装置100に装着される。なお、制御装置200は、
図8(B)の状態に組み立てられた後に画像処理装置100に装着しても良いし、画像処理装置100に装着された筐体210に対して上記の手順で第1基板220、仕切り板240、第2基板230、表板213を装着しても良い。また、第1基板220や仕切り板240等を装着して途中まで組み立てた状態で画像処理装置100に装着し、残りの部品を装着して組み立てても良い。
【0037】
<変形例>
上記のように構成された制御装置200において、第2基板230は、第1基板220の基板対基板コネクタ222の位置に対応させて基板対基板コネクタ233が配置され、筐体210のコネクタ用の開口部の位置に対応させて外部コネクタ234が配置される。一方、第2基板230におけるその他の電子部品の配置や配線等のレイアウトに関しては制限がなく、自由度が高い。
【0038】
また、上記の制御装置200において、第1基板220、第2基板230および仕切り板240の形状や、第1基板220および第2基板230に設けられた電子部品は、図示の構成には限定されない。
図4に示した例では、第1基板220に設けた素子221を発熱素子とし、熱伝導部品221aを介して仕切り板240に接触させたが、第1基板220には、仕切り板240に接触させない素子を含め、種々の素子を搭載し得る。また、
図4に示した例では、第2基板230にCPU231を搭載する構成としたが、CPUを第1基板220に搭載しても良い。
【0039】
さらに、
図4に示した例では、第2基板230が外部コネクタ234を有する構成としたが、外部コネクタを第1基板220に設けても良い。この場合、第2基板230は、基板対基板コネクタ222、233のみを介して外部機器等とのデータ交換を行うこととしても良い。このような構成とすれば、第2基板230は、基板対基板コネクタ233を備えると共に筐体210に収納されるものであれば良く、基板の形状、電子部品の配置、配線などのレイアウトに関してさらに自由度の高いものとなる。
【0040】
制御装置200の機能は、第1基板220と第2基板230とに分けて実現される。したがって、第1基板220および第2基板230は、基板対基板コネクタ222、233により接続させることを条件として、個別に設計し、製造しても良い。この場合、第1基板220と第2基板230とを、異なる設計者が設計し、異なる製造者が製造しても良い。
【0041】
一例として、制御装置200が搭載される画像処理装置100が、いわゆるOEM(Original Equipment Manufacturer)製品として提供される場合を考える。そして、例えば、
図2に示した画像形成部110や画像読み取り部120のエンジン等の基本動作の制御を第1基板220の電子装置が行い、動作モードの設定や表示装置130に表示されるユーザインターフェイス(UI)画面の表示制御等の制御を第1基板220の電子装置が行うこととする。
【0042】
この場合、例えば、画像処理装置100の製造者は、筐体210に第1基板220および仕切り板240を装着した状態(
図6(B)参照)でOEM先へ提供する。言い換えれば、この時点において、制御装置200となる電子装置は、筐体210と、筐体210の内部に設置され、他の基板(第2基板230)と接続するための基板対基板コネクタ222を有する第1基板220と、基板対基板コネクタ222を露出させて第1基板220を覆う仕切り板240とを備える構成となっている。
【0043】
そして、OEM先において設計、製造された第2基板230が制御装置200に装着される。具体的な装着手順としては、画像処理装置100の製造者から提供される際に、制御装置200に表板213が取り付けられており、OEM先において、表板213を外し、第2基板230を装着した後(
図7(A)、(B)参照)、表板213を再度取り付けるといった手順としても良い。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。例えば、上記の実施形態では、画像処理装置100の制御装置200として構成した例を示したが、本実施形態は、少なくとも第1基板220および第2基板230を重ねて筐体210に収納して構成される種々の電子装置に対して適用し得る。また、上記の実施形態では、電子装置を2枚の基板で構成し、シールド板金としての仕切り板240を挟んで重ねることとしたが、電子装置を3枚以上の基板に分けて構成し、各々の基板の間に仕切り板を挟んで重ねる構成としても良い。その他、本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【0045】
<付記>
(((1)))
一のシールドボックスと、前記シールドボックス内部に設置され、他の基板と接続するための基板対基板コネクタを有する第1基板と、前記シールドボックス内部に設置され、前記基板対基板コネクタを介して前記第1基板に接続される第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設置されて、前記基板対基板コネクタによる接続を除いて当該第1基板と当該第2基板とを隔てる仕切り板と、を備えることを特徴とする、電子装置。
(((2)))
前記第1基板は、少なくとも一部の発熱素子を、熱伝導部材を介して前記仕切り板に接触させるように設置されることを特徴とする、(((1)))に記載の電子装置。
(((3)))
前記仕切り板の少なくとも一部が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、(((2)))に記載の電子装置。
(((4)))
前記第2基板は、前記仕切り板に設置されることを特徴とする、(((1)))に記載の電子装置。
(((5)))
前記仕切り板の辺縁部の少なくとも一部が、前記シールドボックスに固定されていることを特徴とする、(((4)))に記載の電子装置。
(((6)))
前記仕切り板の辺縁部の全体が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、(((4)))に記載の電子装置。
(((7)))
前記第1基板と前記第2基板とは、前記仕切り板を挟んで重ねた状態で配置されることを特徴とする、(((1)))~(((6)))の何れかに記載の電子装置。
(((8)))
一のシールドボックスと、前記シールドボックス内部に設置され、他の基板と接続するための基板対基板コネクタを有する基板と、前記シールドボックス内部に設置され、前記基板対基板コネクタを露出させて前記基板を覆う仕切り板と、を備えることを特徴とする、電子装置。
(((9)))
前記基板は、少なくとも一部の発熱素子を、熱伝導部材を介して前記仕切り板に接触させるように設置されることを特徴とする、(((8)))に記載の電子装置。
(((10)))
前記仕切り板の少なくとも一部が、前記シールドボックスに接触していることを特徴とする、(((8)))または(((9)))に記載の電子装置。
【0046】
(((1)))に係る電子装置によれば、複数の基板を個別のシールドボックスに収納する構成と比較して、一つのシールドボックスに収納することで装置のサイズが大きくなることを抑制し、基板におけるレイアウトの制約を緩和することができる。
(((2)))に係る電子装置によれば、放熱部材を別に設ける構成と比較して、装置を小型化することができる。
(((3)))に係る電子装置によれば、仕切り板がシールドボックスに接触していない構成と比較して、放熱性能を向上させることができる。
(((4)))に係る電子装置によれば、第2基板の取り付け用ベース基板を別に設ける構成と比較して、装置を小型化できると共に、第2基板に応じた取り付け部位の開発工数およびコストの増大を抑制することができる。
(((5)))に係る電子装置によれば、仕切り板がシールドボックスに固定されていない構成と比較して、仕切り板および第2基板の設置状態を安定させることができる。
(((6)))に係る電子装置によれば、仕切り板とシールドボックスとの間に隙間がある構成と比較して、基板間のノイズおよび熱の影響をより低減させることができる。
(((7)))に係る電子装置によれば、第1基板と、第2基板とを並べて(またはずらして)配置した構成と比較して、装置の設置面積を縮小することができる。
(((8)))に係る電子装置によれば、複数の基板を個別のシールドボックスに収納する構成と比較して、一つのシールドボックスに収納することで装置のサイズが大きくなることを抑制し、後から接続される他の基板におけるレイアウトの制約を緩和することができる。
(((9)))に係る電子装置によれば、放熱部材を別に設ける構成と比較して、装置を小型化することができる。
(((10)))に係る電子装置によれば、仕切り板がシールドボックスに接触していない構成と比較して、放熱性能を向上させると共に、基板間のノイズの影響を低減させることができる。
【符号の説明】
【0047】
100…画像処理装置、200…制御装置、210…筐体、211…底板、212…側板、213…表板、214…脚部、215…接触片、216…開口部、220…第1基板、221…素子、221a…熱伝導部品、222…基板対基板コネクタ、223…内部コネクタ、230…第2基板、231…CPU、232…ヒートシンク、233…基板対基板コネクタ、234…外部コネクタ、240…仕切り板、241…脚部