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  • 特開-相図の作成方法及び融点の推定方法 図1
  • 特開-相図の作成方法及び融点の推定方法 図2
  • 特開-相図の作成方法及び融点の推定方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024124697
(43)【公開日】2024-09-13
(54)【発明の名称】相図の作成方法及び融点の推定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240906BHJP
   G01N 33/24 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
G06Q50/04
G01N33/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032563
(22)【出願日】2023-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】吉本 有輝
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】精度が高い相図を作成する相図の作成方法及び融点の推定方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る相図の作成方法は、2種類以上の物質を有する混合物の相転移温度を測定し、組成と相転移温度とに関する複数の第1データを取得する工程と、前記混合物の組成と相転移温度との関係を示す既知のデータを第2データとして取得する工程と、前記第1データ及び前記第2データの少なくとも一方の重み付けを行い、最適化する工程と、前記第1データ及び前記第2データを最適化した後のデータに基づいて、相図を作成する工程と、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類以上の物質を有する混合物の相転移温度を測定し、組成と相転移温度とに関する複数の第1データを取得する工程と、
前記混合物の組成と相転移温度との関係を示す既知のデータを第2データとして取得する工程と、
前記第1データ及び前記第2データの少なくとも一方の重み付けを行い、最適化する工程と、
前記第1データ及び前記第2データを最適化した後のデータに基づいて、相図を作成する工程と、
を含む相図の作成方法。
【請求項2】
前記重み付けは、非線形最小二乗法、ベイズ最適化、グリッドサーチ、ランダムサーチ、第一原理計算又は機械学習を用いて行う請求項1に記載の相図の作成方法。
【請求項3】
前記混合物が、スラグである請求項1に記載の相図の作成方法。
【請求項4】
請求項1に記載の相図の作成方法を用いて、前記混合物に含まれる2種類の物質の共晶点を求める融点の推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相図の作成方法及び融点の推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の金属、化合物等を含む混合物の組成等を把握することは、混合物から回収対象である金属等の目的物質を回収する上で重要である。例えば、非鉄金属製錬においては、一般に、付加価値が高い有価金属は熔融物等の原料にわずかに含まれるのみであり、原料に含まれる付加価値が低い金属等はスラグとして有価金属と分離されるため、スラグの物性等は有価金属の回収プロセスにおける回収率に影響する。そのため、有価金属を効率良く回収するためには、スラグの物性等を把握して、有価金属とスラグとの分離を適切に行う必要がある。
【0003】
スラグ等のように複数の化合物を含む物質から有価金属のような目的物質を回収する方法として、例えば、石炭燃料、バイオマス燃料等の複数種類の燃料を含む対象燃料の燃料により生じる灰の溶融温度を推定し、特定の灰成分を回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7001568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、混合物から目的物質とそれ以外の物質とを分離し、目的物質を回収する場合、目的物質以外の物質の物性等に関する正確な情報がないと、目的物質を適正に回収できない場合がある。
【0006】
例えば、原料から有価金属を回収する際、原料から分離されるスラグに含まれる化合物等の融点等の相転移温度の情報が必要になるが、こうした化合物等の相転移温度の情報がないか、あっても精度が必ずしも十分ではない、という問題があった。また、作業員が実際にスラグ中の多数の化合物の融点を測定してデータを準備し、精度が良い相図を作成することは困難であると共に、非常に時間を要することになり、現実的ではない、という問題があった。
【0007】
本発明の一態様は、精度が高い相図を簡易に作成できる相図の作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
2種類以上の物質を有する混合物の相転移温度を測定し、組成と相転移温度とに関する複数の第1データを取得する工程と、
前記混合物の組成と相転移温度との関係を示す既知のデータを第2データとして取得する工程と、
前記第1データ及び前記第2データの少なくとも一方の重み付けを行い、最適化する工程と、
前記第1データ及び前記第2データを最適化した後のデータに基づいて、相図を作成する工程と、
を含む相図の作成方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様は、精度が高い相図を簡易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】混合物の組成と融点との相図の一例を示す図である。
図2】第2データを追加した混合物の組成と融点との相図の一例を示す図である。
図3】NaCl及びSrClを含む混合物の組成と融点との関係を示す理想的な相転移線が形成された相図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0012】
本発明の実施形態に係る相図の作成方法について説明する。本実施形態に係る相図の作成方法は、2種類以上の物質を含む混合物の組成と相転移温度である融点(融解点)との関係を示す相図(相関図)を作成する方法である。本実施形態では、2種類の物質のみを含む混合物の組成と融点との関係を示す相図を作成する場合について説明する。
【0013】
なお、本実施形態において、混合物は、2種類以上の物質を含む混合物であればよく、3種類以上の物質を含む混合物であってもよい。
【0014】
本実施形態において、混合物に含まれる2種類以上の物質としては、2種以上の単体の金属、化合物等が挙げられる。化合物は、2種類以上の金属を含む、イオン化合物、酸化物、窒化物、炭化物、窒素炭化物等でよく、これらの何れかを複数含んでもよい。混合物として、例えば、スラグ等が挙げられる。2種類以上の物質として、例えば、スラグ等に含まれる物質等が挙げられる。
【0015】
本実施形態では、2種類の物質が、SrCl、NaClである場合について説明する。
【0016】
本実施形態では、相転移温度は、物質の状態が、固体、液体、気体の間で相互変化する温度であればよく、融点以外に、沸点、凝縮点、凝固点、昇華点等であってよい。
【0017】
本実施形態に係る相図の作成方法は、NaCl及びSrClを含む混合物の融点を測定し、混合物の組成と融点とに関する複数の第1データを取得する(第1データの取得工程)。
【0018】
図1に、混合物の組成と融点との相図の一例を示す。なお、図1では、混合物の組成を、混合物に含まれるSrClのモル分率(SrCl/(SrCl+NaCl))で示す。混合物の組成と融点とに関する複数の第1データを取得することで、図1に示すように、混合物に含まれるSrClのモル分率と融点との相図が得られる。
【0019】
第1データは、使用者等が実際に実験等を行って取得したデータ等を用いてよい。
【0020】
第1データは、混合物の組成の中でも注目組成領域の融点であることが好ましい。注目組成領域とは、混合物の組成が、相転移線である液相線と、その共晶点と、液相線及び共晶点の近傍との少なくとも一つを含む領域をいう。中でも、共晶点付近はバラツキが大きいことから、注目組成領域は、液相線の共晶点又はその付近を含む領域であることが好ましい。
【0021】
融点の測定方法は、特に限定されず、一般に用いられる融点の測定方法を用いてよい。
【0022】
次に、NaCl及びSrClを含む混合物の組成と相転移温度との関係を示す既知のデータを第2データとして取得する(第2データの取得工程)。
【0023】
図2に、複数の第2データを追加した混合物の組成と融点との相図の一例を示す。図2に示すように、複数の第2データを、NaCl、SrClとこれらの融点との相図に追加する。
【0024】
第2データは、実験等に寄らず、一般に文献等において開示されているデータ、既に実験等において取得済みのデータ等を用いてよい。
【0025】
第2データは、注目組成領域以外における、混合物の組成の領域(注目外組成領域)の融点であることが好ましい。
【0026】
第2データの数は、特に限定されないが、第2データは、既知のデータであるため、データ数は多く集め易い。また、データ数が多いほど、後述する最適化工程において得られる液相線の予測精度が高められる。そのため、第2データは、第1データよりも、データ数が多いことが好ましい。
【0027】
次に、第1データの取得工程で取得した第1データと第2データの取得工程で取得した第2データとの少なくとも一方の重み付けを行い、混合物の液相線を最適化する(最適化工程)。
【0028】
混合物の液相線は、固相と液相のギブスの自由エネルギーに基づき算出できる。混合物相のギブスの自由エネルギーは混合物内の原子配列及び化学結合等に依存して、いくつかの表式が存在する。代表的な表式には正則溶体モデル等がある。例えば、化合物Aと化合物Bで構成される2成分系の混合物のギブスの自由エネルギーGは、以下の式(1)に示す通り、表すことができる。
【0029】
【数1】
【0030】
式(1)中、X、Xは、化合物A、Bのモル数であり、Tは温度であり、G 、G は、化合物A、Bの1元系でのギブスの自由エネルギーであり、Rは気体定数(8.31J/(K・mol))であり、αABは、混合に起因した過剰自由エネルギー項であり、以下の式(2)に示す通り、表すことができる。
【0031】
【数2】
【0032】
式(2)のQij ABは、温度を変数とした多項式であり、X は、Xのi乗であり、X は、Xのj乗である。即ち、混合物の液相線の最適化は、具体的には、過剰自由エネルギー項を左右するQij ABパラメータを、液相線の学習データ点にフィットするように最適化することを意味する。
【0033】
第1データに第2データを追加して液相線を求めると、第2データは注目外組成領域のデータであり、精度は十分でないため、第1データに第2データを含めて形成した相図は、第1データのみで形成した相図に比べて、得られる液相線の精度が低くなる。第1データ及び第2データを重み付けすることで、第2データを追加しても、理想的な液相線が得られるように調整できるため、液相線の共晶点の精度が高められる。
【0034】
重み付けは、混合物の組成と融点との関係を示す相図への寄与を調整して、複数の第1データ及び複数の第2データの誤差が小さくなるように最適化できる方法であれば特に限定されない。
【0035】
重み付けには、例えば、非線形最小二乗法、ベイズ最適化、グリッドサーチ、ランダムサーチ、第一原理計算又は機械学習等を用いることができる。
【0036】
非線形最小二乗法としては、ガウス-ニュートン(Gauss-Newton)法、レーベンバーグ-マルカート(Levenberg-Marquardt)法、共役勾配法等の勾配法、ネルダー-ミード(Nelder-Mead)シンプレックスサーチ等の直接探索法等を用いることができる。中でも、使用し易く、局所解が複数あるような場合でも最適解が求め易い点から、直接探索法を用いることが好ましい。
【0037】
第2データは、第1データよりも、精度が低くなり易く、液相線との誤差も大きくなり易いため、液相線を形成する場合、第2データの影響が大きく反映され易い。特に、追加する第2データが第1データよりも多くして、液相線を形成する場合、第2データの影響がより大きく反映され易い。そのため、第2データは第1データよりも融点の移動が大きくなるように重み付けすることが好ましい。
【0038】
第1データ及び第2データを最適化する際、第1データと第2データの予測精度(例えば、決定係数、二乗平均平方根誤差(RMSE)、平均絶対値誤差(MAE))等の群(パレート解)を探索してよい。第1データは、注目組成領域のデータであり、第2データは、注目外組成領域データであるため、注目組成領域と、注目組成以外の領域とのパレート解となる。第1データと第2データの予測精度等のパレート解を探索することで、混合物の組成と融点との相図の液相線の傾きを、混合物の組成毎に変更して調整し易い。
【0039】
ここで、パレート解とは、第1データと第2データの予測精度の最適化において、理想的な解にできるだけ近い、第1データと第2データとのバランスの異なる解である。
【0040】
パレート解は、例えば、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて探索できる。
【0041】
遺伝的アルゴリズムとしては、例えば、解集合を目的関数に沿って複数の領域に分割し、この分割した解集合毎に多目的GAを行うDRMOGA(Divided Range Multi-Objective GA)、NCGA(Neighborhood Cultivation GA)、DCMOGA(Distributed Cooperation model of MOGA and SOGA)、NSGA(Non-dominated Sorting GA)、NSGA2(Non-dominated Sorting GA-II)、SPEAII(Strength Pareto Evolutionary Algorithm-II)法等の一般的な方法を用いることができる。その際、解集合が解空間に幅広く分布し、精度の高いパレート解の集合を求めることが好ましい。このため、例えば、ベクトル評価遺伝的アルゴリズム(Vector Evaluated Generic Algorithms:VEGA)、パレートランキング法、またはトーナメント法を用いて選択してよい。遺伝的アルゴリズム(GA)以外に、例えば、焼きなまし法(SA)又は粒子群最適化(PSO)を用いてもよい。
【0042】
次に、第1データ及び第2データを最適化した後のデータである第1最適化データ及び第2最適化データに基づいて、相図を作成する(相図の作成工程)。
【0043】
これにより、図3に示すように、NaCl及びSrClを含む混合物の組成と融点との関係を示す理想的な相転移線である液相線が形成された相図が得られる。
【0044】
得られた相図、混合物の組成毎の融点等は、これらを表したデータベースとして表示等して出力してよい。
【0045】
本実施形態に係る相図の作成方法は、第1データの取得工程、第2データの取得工程及び最適化工程を含む。第1データの取得工程で取得される第1データの組成における融点を相図で表しても、第1データの数は、少なく、得られる液相線の精度は低い。本実施形態に係る相図の作成方法は、第1データの取得工程で取得される第1データの他に、第2データの取得工程で取得された第2データを相図の作成用のデータとして追加して、相図の作成に用いられるデータ数を多くし、第1データ及び第2データを最適化した状態で液相線を形成する。これにより、本実施形態に係る相図の作成方法は、共晶点の精度を高め、融点の予測精度を高めることができる。本実施形態に係る相図の作成方法は、精度が良い液相線を作成できるので、精度が高い相図を作成できる。
【0046】
よって、本実施形態に係る相図の作成方法を用いれば、混合物の融点を、より迅速かつ簡便に高い精度で推定できる。
【0047】
一般に、第1データのように、混合物の注目組成領域の測定データの数は十分に得られ難く、注目組成領域以外で得られるデータの精度は低く、データの信頼性が低くなっている場合がある。そこで、本実施形態に係る相図の作成方法では、第2データのように、精度を高めたい注目組成領域以外の領域(注目外組成領域)は、既存データ等、一般に入手し易いデータを用いて相図の作成に用いるデータ数を増やす。これにより、注目外組成領域のように、改善したい組成領域以外の領域での混合物の組成における融点の計算精度が高められる。しかし、第1データと第2データを、混合物の組成における融点の予測にそのまま用いても、注目組成領域及び注目外組成領域での混合物の融点の予測精度は、低い。そこで、本実施形態に係る相図の作成方法では、第1データと第2データを重み付けして最適化することで、注目外組成領域及び注目外組成領域での融点の予測精度を向上させることで、注目外組成領域及び注目外組成領域での混合物の組成と融点との相関が高い液相線が得られ、精度が良い共晶点が得られる。
【0048】
本実施形態に係る相図の作成方法は、上記のように、精度が高い相図を作成できることから、乾式製錬工程で原料を還元する際、原料を溶融し、有価金属を分離した後に残るスラグの分析に好適に用いれる。スラグは、鉱石成分等を多く含んでおり、スラグの物性、特にスラグの流動性は、乾式製錬工程においてスラグの処理時間や製錬炉の損耗等に影響することが多いため、スラグの流動性を把握することは重要である。スラグの流動性はスラグの液相の粘度と融点に大きく関係しており、これらは主にスラグの組成によって決定される。スラグの液相の粘度は、一般に、塩基度で大まかに整理できるが、融点は組成と還元度の双方が影響し、系統的な整理は困難である。また、原料が製錬される際には、例えば、1000℃超の高温環境下にあるため、スラグの融点はその場では測定できず、還元処理時のスラグの融点の分析は困難である。そのため、例えば、熱力学計算により、スラグの融点を推定する方法を用いる場合、文献データを元に、スラグの組成と融点との関係を表すデータベースを作成できるが、スラグの未知の組成等に最適化されているとは限らず、信頼性に乏しい。そこで、スラグの未知の組成等に対しては、実際に実験等を行って、データを蓄積する方法がある。しかし、その場で測定する手法を用いるため、全て測定すると、コストが高くなり、現実的な時間と費用でデータベースを作成することは困難である。本実施形態に係る相図の作成方法を用いれば、原料の融点を、より迅速かつ簡便に高い精度で推定できるため、スラグの未知の組成等、未知の組成を有する原料に対しても高い精度で融点を推定できる。
【0049】
(融点の推定方法)
本実施形態に係る融点の推定方法は、相図作成工程を含み、相図作成工程に、上述の本実施形態に係る相図の作成方法を用いる。本実施形態に係る融点の推定方法は、相図作成工程において、本実施形態に係る相図の作成方法を用いることで、精度の良い相図を作成できるため、2種類以上の物質を含む混合物の融点を精度良く簡易に推定できる。
【0050】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0051】
なお、本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 2種類以上の物質を有する混合物の相転移温度を測定し、組成と相転移温度とに関する複数の第1データを取得する工程と、
前記混合物の組成と相転移温度との関係を示す既知のデータを第2データとして取得する工程と、
前記第1データ及び前記第2データの少なくとも一方の重み付けを行い、最適化する工程と、
前記第1データ及び前記第2データを最適化した後のデータに基づいて、相図を作成する工程と、
を含む相図の作成方法。
<2> 前記重み付けは、非線形最小二乗法、ベイズ最適化、グリッドサーチ、ランダムサーチ、第一原理計算又は機械学習を用いて行う<1>に記載の相図の作成方法。
<3> 前記混合物が、スラグである<1>又は<2>に記載の相図の作成方法。
<4> <1>~<3>の何れか一つに記載の相図の作成方法を用いて、前記混合物に含まれる2種類の物質の共晶点を求める融点の推定方法。
図1
図2
図3