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特開2024-125960情報処理システム及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024125960
(43)【公開日】2024-09-19
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240911BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240911BHJP
【FI】
H04N1/00 C
G06F3/01 510
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034124
(22)【出願日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲史
【テーマコード(参考)】
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF15
5E555AA09
5E555BA27
5E555BB04
5E555BB27
5E555BC01
5E555BC09
5E555CA12
5E555CA17
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザによる操作情報のみを一連の手順として記録する場合と比して、被処理物の準備前に一連の手順が実行されることが抑制可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システム80は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、ユーザによる情報処理装置への入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、
ユーザによる情報処理装置への入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記一連の手順の実行指示を取得後、
前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に取得した前記センサの感知情報が、記録されている前記感知情報である場合に、次の手順を実行する、
請求項1の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に、前記被処理物の準備を促す報知情報を報知する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に、
取得した前記センサの感知情報が記録されている前記感知情報であることに加え、さらに前記一連の手順の継続指示を取得することに応じて次の操作を実行する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記一連の手順を記録する指示を取得後、前記入力操作情報の記録前に前記感知情報を取得し、取得した前記感知情報が予め定められた情報と異なる場合に、
取得した前記感知情報を前記一連の手順へ記録するか否かを選択させる確認情報を報知する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記一連の手順を記録する指示を取得後、前記入力操作情報の記録前に前記感知情報を記録した場合に、
記録した前記感知情報と一致する感知情報を取得したら次の手順を自動実行するか否かを選択させる確認情報を報知する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記情報処理装置の画面に、前記入力操作情報を入力可能な入力用情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記入力用情報を、ユーザが携帯可能な携帯端末の画面に出力し、
前記携帯端末の画面を介して入力された前記入力操作情報を、実行用の前記入力操作情報として受け付ける、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記情報処理装置の画面に入力用情報を文字情報として出力すると共に、
前記一連の手順の記録時に、前記入力操作情報を前記文字情報と共に記録し、
前記一連の手順の実行時に、記録された前記文字情報に類似した文字情報と紐づけられた操作を実行する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は画像形成装置であり、
被処理物の準備に関する情報は用紙台における用紙の状態に関する情報である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、
ユーザによる入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録させる処理を実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、試験対象の応用プログラムが搭載されたモバイル端末の試験用のスクリプトの生成方法において、ユーザによる入力操作が行われると、モバイル端末に搭載された作成プログラムが、ユーザによる操作情報に基づいてスクリプトを生成するスクリプト生成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-27660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザによる操作情報のみを一連の手順として記録する場合と比して、被処理物の準備前に一連の手順が実行されることが抑制可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様の情報処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、ユーザによる情報処理装置への入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録する。
【0006】
第2態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記一連の手順の実行指示を取得後、前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に取得した前記センサの感知情報が、記録されている前記感知情報である場合に、次の手順を実行する。
【0007】
第3態様の情報処理システムは、第2態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に、前記被処理物の準備を促す報知情報を報知する。
【0008】
第4態様の情報処理システムは、第2態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に、取得した前記センサの感知情報が記録されている前記感知情報であることに加え、さらに前記一連の手順の継続指示を取得することに応じて次の操作を実行する。
【0009】
第5態様の情報処理システムは、第2態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記一連の手順を記録する指示を取得後、前記入力操作情報の記録前に前記感知情報を取得し、取得した前記感知情報が予め定められた情報と異なる場合に、取得した前記感知情報を前記一連の手順へ記録するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0010】
第6態様の情報処理システムは、第5態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記一連の手順を記録する指示を取得後、前記入力操作情報の記録前に前記感知情報を記録した場合に、記録した前記感知情報と一致する感知情報を取得したら次の手順を自動実行するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0011】
第7態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記情報処理装置の画面に、前記入力操作情報を入力可能な入力用情報を出力する。
【0012】
第8態様の情報処理システムは、第7態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記入力用情報を、ユーザが携帯可能な携帯端末の画面に出力し、前記携帯端末の画面を介して入力された前記入力操作情報を、実行用の前記入力操作情報として受け付ける。
【0013】
第9態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記情報処理装置の画面に入力用情報を文字情報として出力すると共に、前記一連の手順の記録時に、前記入力操作情報を前記文字情報と共に記録し、前記一連の手順の実行時に、記録された前記文字情報に類似した文字情報と紐づけられた操作を実行する。
【0014】
第10態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置は画像形成装置であり、被処理物の準備に関する情報は用紙台における用紙の状態に関する情報である。
【0015】
第11態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、ユーザによる入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録させる処理を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様の情報処理システム及び第11態様の情報処理プログラムによれば、ユーザによる入力操作情報のみを一連の手順として記録する場合と比して、被処理物の準備前に一連の手順が実行されることが抑制可能とされる。
【0017】
第2態様の情報処理システムによれば、ユーザによる操作情報のみを一連の手順として記録する場合と比して、被処理物の準備前に一連の手順が実行されることが抑制される。
【0018】
第3態様の情報処理システムによれば、センサによる感知情報の変化を待つだけの場合と比して、被処理物の準備動作が遅れることが抑制される。
【0019】
第4態様の情報処理システムによれば、センサによる感知情報だけで次の手順に進む場合と比して、被処理物の準備不良が抑制される。
【0020】
第5態様の情報処理システムによれば、確認情報を報知しない場合と比して、意図しない感知情報が記録されることを抑制できる。
【0021】
第6態様の情報処理システムによれば、一連の手順を常に自動実行する場合と比して、ユーザの選択可能なオプションが多くなる。
【0022】
第7態様の情報処理システムによれば、画面操作によって入力操作情報を入力できる。
【0023】
第8態様の情報処理システムによれば、ユーザが所有する携帯端末で一連の手順の記録及び実行を指示できる。
【0024】
第9態様の情報処理システムによれば、入力操作情報を入力する画面のインターフェースが変わっても一連の手順を実行できる。
【0025】
第10態様の情報処理システムによれば、ユーザによる操作情報のみを一連の手順として記録する場合と比して、用紙台における用紙の準備前に一連の手順が実行されることが抑制可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置の概要の構成の一例を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置の概要の構成の一例を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5A】実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示された報知情報の一例を示す図である。
図5B】実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示された報知情報の一例を示す図である。
図5C】実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示された報知情報の一例を示す図である。
図5D】実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示された報知情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るスクリプト記録処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係るスクリプト実行処理の一例を示すフローチャートである。
図8A】実施形態に係る入力操作対応データベースの一例を示す図である。
図8B】実施形態に係る類似度データベースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施形態に係る情報処理システム及び情報処理プログラムについて、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0028】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する、異なる構成と入れ替える、一実施形態及び各種の変形例を組み合わせて用いる等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0029】
<情報処理システム>
図1図4に示す情報処理システム80は、画像形成装置20に構築されたシステムである。画像形成装置20は、本開示における情報処理装置の一例である。なお、本開示における「システム」とは、複数の装置によって構成されたもの、単一の装置によって構成されたもの、上位の装置やシステム内に構築されたもの何れをも含む。つまり、本開示の情報処理システムは、画像形成装置20以外の複数の装置に亘って構築してもよい。例えば、画像形成装置20及び画像形成装置20に外付けされた給紙装置等に構築してもよい。また、本開示の情報処理装置は、画像形成装置20以外の装置によって実現してもよい。
【0030】
<画像形成装置の概要>
本実施形態に係る画像形成装置20は、ユーザの入力操作によるジョブを受付け、指定されたジョブを実行する。画像形成装置20が実行するジョブの一例は、読み込んだ原稿等から生成される原稿画像を、用紙等の記録媒体に形成する印刷ジョブである。
【0031】
画像形成装置20は、本体部22、入力部24、用紙台26A、26B、26C及び26Dを備えて形成されている。また、画像形成装置20は、制御装置10(図3参照)を備えている。
【0032】
(本体部)
本体部22は、図3に示す画像形成部22A、カートリッジ22B等が格納された筐体である。また、本体部22には、制御装置10も格納されている。
【0033】
画像形成部22Aは、例えば電子写真方式、又はインクジェット記録方式等を用いて、後述する画像読取部32で生成された原稿画像を用紙等の記録媒体上に形成する。
【0034】
カートリッジ22Bは、画像形成部22Aとして電子写真方式を採用した場合は、色材の一例としてトナーを収容したトナーカートリッジである。また、カートリッジ22Bは、画像形成部22Aとしてインクジェット記録方式を採用した場合は、色材の一例としてインクを収容したインクカートリッジである。
【0035】
カートリッジ22Bは、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の色材のカートリッジを備える。ユーザは、図1に示す本体部22の前カバーCを開いて各カートリッジを交換することで、不足する色材を補充できる。
【0036】
(入力部)
入力部24は、ユーザが画像形成装置20に実行させるジョブをユーザが入力操作可能なインターフェースであり、表示部24A及び操作部24Bを備えている。
【0037】
表示部24Aは、例えばタッチパネルと、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等と、を組み合わせて構成される。表示部24Aには、ユーザのタッチ操作や画像形成装置20の処理等に応じて、画像等が表示される。操作部24Bは、画像形成装置10に備わる操作キー、操作ボタン、及び電源ボタン等である。
【0038】
ユーザは、表示部24Aに対するタッチ操作又は操作部24Bへの操作ボタンの押下等により、画像形成装置20に対してジョブを指定したり、ジョブの開始を指示したりすることができる。なお、以下の説明においては「表示部24Aを介したユーザの入力操作」について説明するが、ユーザの入力操作は操作部24Bを介して実施されてもよい。
【0039】
(用紙台)
図1及び図2に示すように、画像形成装置20は、用紙台26A、26B、26C及び26Dを含んで構成されている。本開示における「用紙」とは、用紙台26A、26B、26C及び26Dにセットされる原稿及び用紙を含む。
【0040】
図1に示す用紙台26Aは、本体部22の上端部に設置された自動両面原稿送り装置30(DADF:Duplexing Auto Document Feeder)に設けられた用紙トレイである。自動両面原稿送り装置30は、後述する画像読取部(プラテンガラス)32を被覆するとともに、開閉可能に配置されるプラテンカバーを兼ねる。
【0041】
また、用紙台26Aは、画像読取部32に読み取らせたい1枚または複数枚の原稿をセット可能なトレイである。
【0042】
用紙台26Bは、本体部22の側面に設けられた手差し用の用紙トレイであり、画像形成部22Aで原稿画像を形成するための用紙をセットできる。
【0043】
図2に示す用紙台26Cは、本体部22の上端面において画像読取部32が設けられたプラテンである。用紙台26Cには、画像読取部32に読み取らせたい原稿を1枚セットできる。用紙台26Dは、本体部22の下端部寄りに設けられた用紙トレイであり、画像形成部22Aで原稿画像を形成するための用紙をセットできる。
【0044】
画像読取部32は、例えば画像形成装置20の用紙台26Aまたは用紙台26Cにセットされた原稿を読み取って原稿画像を生成するCCD(Charge-Coupled Device;電荷結合素子)イメージセンサ等を備える。
【0045】
(センサ)
図3に示すように、用紙台26A、用紙センサ40Aを備えている。用紙センサ40Aは、用紙台26Aに原稿がセットされているか否か、及び、セットされた原稿の種類を特定可能なセンサである。用紙センサ40Aは、原稿の種類として、少なくとも原稿の大きさを検知する。また、用紙センサ40Aは、セットされた原稿の向きを特定可能に構成してもよい。用紙センサ40Aは、一種類のセンサに限定されず、複数のセンサを組み合わせて用いてもよい。
【0046】
同様に、用紙台26B、26C及び26Dにも、それぞれ用紙センサ40B、40C及び40Dが設けられている。用紙センサ40B、40C及び40Dは、用紙台26B、26C及び26Dに用紙または原稿がセットされているか否か、及び、セットされた用紙または原稿の種類を特定可能なセンサである。用紙センサ40B、40C及び40Dは、原稿の種類として、少なくとも原稿の大きさを検知する。また、用紙センサ40B、40C及び40Dは、セットされた原稿の向きを特定可能に構成してもよい。用紙センサ40B、40C及び40Dは、一種類のセンサに限定されず、複数のセンサを組み合わせて用いてもよい。
【0047】
なお、本明細書においては、これらの用紙センサ40A、40B、40C及び40Dを総称して用紙センサ40と称す場合がある。
【0048】
<制御装置>
制御装置10は、画像形成装置20に対するユーザの入力操作によるジョブを受付け、画像形成装置20に、指定されたジョブを実行させるための制御を実行する装置であり、RPA(Robotic Process Automation)機能を備えている。
【0049】
詳しくは後述するが、RPAでは、記録指示を取得して、ユーザによる一連の入力操作を記憶する。また、実行指示を取得して、記憶された一連の入力操作を自動で実行(自動処理)する。
【0050】
(制御装置の電気的な構成)
図3に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、媒体読み書き装置(R/W)16、通信インターフェース(I/F)部18及び外部I/F部19を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、媒体読み書き装置16、通信I/F部18及び外部I/F部19はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。通信I/F部18は、例えば画像形成装置20の外部に備わるサーバやユーザが携帯する携帯端末50と画像形成装置10とを通信可能に接続するためのインターフェースである。通信I/F部18には、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LAN(Local Area Network)等の通信規格が用いられる。
【0051】
(記憶部)
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、情報処理プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの情報処理プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。この記憶部13には、後述するスクリプトデータベース13B、入力操作対応データベース13C及び類似度データベースが記憶される。
【0052】
(制御装置の機能的な構成)
次に、図4を参照して、本実施形態に係る制御装置10の機能的な構成について説明する。図4に示すように、制御装置10は、指示取得部11A、入力操作情報取得部11B、感知情報取得部11C、スクリプト生成部11D、スクリプト実行部11E、制御部11F、出力部11G及び報知部11Hを含む。制御装置10のCPU11は、情報処理プログラム13Aを実行することで、指示取得部11A、入力操作情報取得部11B、感知情報取得部11C、スクリプト生成部11D、スクリプト実行部11E、制御部11F、出力部11G及び報知部11Hとして機能する。
【0053】
(制御部)
制御部11Fは、画像形成装置20における画像形成部22A、表示部24A、自動両面原稿送り装置30、画像読取部32、用紙センサ40等の各種の機能を制御する。制御部11Fは、後述するスクリプト実行部11Eによって実行される以外の各種制御を実行することができる。
【0054】
(指示取得部)
指示取得部11Aは、表示部24Aを介したユーザの入力操作によるジョブを受付ける。例えば指示取得部11Aは、被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する「記録指示」を取得する。本明細書においては、この「一連の手順」を、「スクリプト」と称す。
【0055】
また、指示取得部11Aは、スクリプトの記録の「停止指示」を取得する。さらに、指示取得部11Aは、記録されたスクリプトの「実行指示」を取得する。なお、指示取得部11Aは、スクリプトデータベース13Bに記憶された複数のスクリプトのなかから、特定のスクリプトを実行する指示を取得する。実行するスクリプトは、表示部24Aを介したユーザの入力操作によって指定される。
【0056】
「被処理物」とは例えば用紙台26A、26Cにセットされる原稿や、用紙台26B、26Dにセットされる用紙である。そして、「被処理物の処理」とは、例えば用紙台26Aまたは26Cにセットされた原稿の画像を、画像形成部22Aよって、用紙台26Aまたは26Cにセットされた用紙上へ形成する処理(以下、「印刷」と称す)である。
【0057】
また、指示取得部11Aは、ユーザが表示部24Aを介して入力した「継続指示」及び「選択指示」も取得する。継続指示及び選択指示については後述する。
【0058】
(入力操作情報取得部)
入力操作情報取得部11Bは、表示部24Aを介したユーザの被処理物の処理に関する入力操作の情報(以下、「入力操作情報」と称す)を取得する。「被処理物の処理に関する入力操作」とは、例えば原稿の印刷開始を指示する入力操作や、印刷枚数、白黒印刷、フルカラー印刷、濃度、印刷倍率、両面印刷、反転印刷、EメールやFAX等を介した原稿の送付先などを指定する入力操作である。
【0059】
(感知情報取得部)
感知情報取得部11Cは、用紙センサ40による感知情報を取得する。「感知情報」とは、被処理物の準備に関する情報であり、具体的には、用紙台26A、26B、26C及び26Dのそれぞれに用紙または原稿がセットされているか否かを特定する情報である。また、感知情報取得部11Cは、「感知情報」として、用紙台26A、26B、26C及び26Dにセットされた用紙または原稿の種類や向きを取得することもできる。
【0060】
(スクリプト生成部)
スクリプト生成部11Dは、ユーザによる入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能にスクリプトへ記録する。つまり、スクリプト生成部11Dは、ユーザが表示部24Aを介して入力し、入力操作情報取得部11Bが取得した入力操作情報と感知情報取得部11Cが取得した感知情報とを、取得された順に、スクリプトへ記録する。
【0061】
また、スクリプト生成部11Dは、指示取得部11Aがスクリプトの記録指示を取得したことに応じて、スクリプトの記録を開始し、指示取得部11Aがスクリプト記録の停止指示を取得したことに応じて、スクリプトの記録を停止する。
【0062】
スクリプトの記録停止後、記録されたスクリプトは記憶部13のスクリプトデータベース13Bに記憶される。なお、スクリプトデータベース13Bには、複数のスクリプトを記憶することができる。ユーザは、表示部24Aを介して、それぞれのスクリプトに識別可能な名称を付与することができる。
【0063】
(スクリプト実行部)
スクリプト実行部11Eは、指示取得部11Aがスクリプトの実行指示を取得したことに応じて、スクリプトデータベース13Bに記憶されたスクリプトを読み出して、指定されたジョブを実行する。
【0064】
ここで、スクリプト実行部11Eは、時系列に沿ったスクリプトの実行中に、取得した用紙センサ40の感知情報が、記録されている感知情報である場合に、次の手順を実行する。
【0065】
例えば、実行指示されたスクリプトに、「入力操作情報」、「感知情報」、「入力操作情報」が時系列に沿って記録されている場合、スクリプト実行部11Eは、まず、最初の手順(すなわち入力操作)を実行する。
【0066】
そして、記録されている感知情報と一致する感知情報を感知情報取得部11Cが取得したら、スクリプト実行部11Eは次の手順(入力操作)を実行する。一方、記録されている感知情報と一致する感知情報を感知情報取得部11Cが取得するまで、スクリプト実行部11Eは、次の手順を実行しない。
【0067】
一例として、用紙台26Cに原稿がセットされた事が感知情報としてスクリプトに記録されている場合、スクリプト実行部11Eは、当該スクリプトの実行中に、用紙センサ40Cが用紙台26Cに原稿がセットされたことを感知するまで、次の手順を実行しない。
【0068】
なお、「取得した感知情報が、記録されている感知情報である」、「記録されている感知情報と一致する感知情報を取得」とは、取得した感知情報と記録されている感知情報とで、少なくとも用紙のサイズが一致していることを示す。
【0069】
(報知部-被処理物の準備を促す報知情報の報知)
報知部11Hは、スクリプト実行部11Eによる時系列に沿ったスクリプトの実行中に、被処理物の準備を促す報知情報を報知する。具体的には、報知部11Hは、スクリプトの実行中に、ユーザに対して原稿や用紙の準備を促すメッセージを、表示部24Aに表示させる。
【0070】
一例として、用紙台26Cに用紙がセットされたことが感知情報としてスクリプトに記録されている場合について説明する。
【0071】
この場合、報知部11Hは、当該スクリプトの実行中に、例えば図5Aに示すように、表示部24Aに「プラテンに原稿をセットしてください」、「プラテンにA4サイズの原稿をセットしてください」等のメッセージを、ポップアップ画像として表示させる。
【0072】
なお、報知部11Hによる報知情報の報知は、表示部24Aへの文字情報の表示に代えてまたは加えて、音声によって実行してもよい。
【0073】
(報知部-スクリプトの継続指示を促す報知情報の報知)
報知部11Hは、上述の「被処理物の準備を促す報知情報」と同時に、スクリプトの継続指示を促す報知情報を報知することもできる。具体的には、報知部11Hは、例えば図5Aに示すように、「OK」、「自動処理の継続」、「自動処理の再開」、「セット完了」などの「継続指示」に関する情報を、ポップアップ画像として表示部24Aのタッチパネル上に表示させる。
【0074】
ユーザが表示部24Aを介して入力した継続指示は、指示取得部11Aによって取得される。記録されている感知情報と一致する感知情報を感知情報取得部11Cが取得することに加え、指示取得部11Aが継続指示を取得することに応じて、スクリプト実行部11Eは、次の入力操作を実行する。
【0075】
なお、報知部11Hによる「被処理物の準備を促す報知情報」の報知後、スクリプト実行部11Eは、用紙センサ40Cが用紙台26Cに原稿がセットされたことを感知することに応じて、次の手順を実行させてもよい。
【0076】
つまり、報知部11Hは、必ずしも「スクリプトの継続指示の入力を促す報知情報」を報知しなくてもよい。この場合、指示取得部11Aが継続指示を取得しなくても、スクリプト実行部11Eは次の入力操作を実行する。
【0077】
(報知部-スクリプトの記録要否を選択させる確認情報の報知)
報知部11Hは、指示取得部11Aがスクリプトの記録指示を取得後、入力操作情報の記録前に感知情報を取得し、取得した感知情報が予め定められた情報と異なる場合に、取得した感知情報をスクリプトへ記録するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0078】
「予め定められた情報」は、記憶部13に記憶されている。例えば記憶部13には、用紙センサ40が、例えば用紙台26Aや用紙台26Cの原稿を感知しないことが、予め定められた情報として記憶されている。
【0079】
この場合、指示取得部11Aがスクリプトの記録指示を取得後、入力操作情報の記録前に、用紙センサ40Aが用紙台26Aの原稿を感知すると、報知部11Hは、用紙台26Aの原稿の感知情報をスクリプトへ記録するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0080】
一例として、ユーザが用紙台26Aに原稿を置き、その後、表示部24Aを介して、スクリプトの記録指示を入力する場合について説明する。
【0081】
このような場合、感知情報取得部11Cは、入力操作情報の記録前に、用紙台26Aにセットされた原稿の感知情報を取得する。このとき、報知部11Hは、例えば図5Bに示すように、表示部24Aに、「<DADFに原稿を設置>をスクリプトへ記録しますか」等のメッセージをポップアップ画像として表示させる。また、報知部11Hは、「はい」、「いいえ」、「記録する」、「記録しない」などの「選択指示」を、ポップアップ画像として表示部24Aのタッチパネル上に表示させる。
【0082】
ユーザが表示部24Aを介して入力した選択指示は、指示取得部11Aによって取得される。そして、感知情報を「記録する」旨の選択指示を指示取得部11Aが取得することに応じて、感知情報はスクリプト生成部11Dによって記録される。一方、感知情報を「記録しない」旨の選択指示を指示取得部11Aが取得した場合、感知情報は記録されない。
【0083】
(報知部-スクリプトの自動実行要否を選択させる確認情報の報知)
報知部11Hは、スクリプトの記録指示を取得後、入力操作情報の記録前に感知情報を記録した場合に、記録されている感知情報と一致する感知情報を取得したら次の手順を自動実行するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0084】
一例として、ユーザが表示部24Aを介してスクリプトの記録指示を入力し、その後、ユーザが入力操作情報を入力する前に用紙台26Aに原稿を置く場合について説明する。
【0085】
係る場合、スクリプト生成部11Dは、用紙台26Aの原稿の感知情報をスクリプトへ記録する。このとき、報知部11Hは、例えば図5Cに示すように、表示部24Aに、「原稿のセット後、以降の処理を自動実行しますか」等のメッセージをポップアップ画像として表示させる。
【0086】
また、報知部11Hは、「はい」、「いいえ」、「自動実行する」、「自動実行しない」などの「選択指示」をポップアップ画像として表示部24Aのタッチパネル上に表示させる。
【0087】
ユーザが表示部24Aを介して入力した選択指示は、指示取得部11Aによって取得される。「自動実行する」旨の選択指示を指示取得部11Aが取得した場合、スクリプトの実行時、以降の処理は自動実行される。
【0088】
一方、感知情報を「自動実行しない」旨の選択指示を指示取得部11Aが取得した場合、スクリプトの実行時、以降の処理は自動実行されない。この場合、報知部11Hは、例えば図5Dに示すように、当該スクリプトの実行中に、表示部24Aに「原稿指定の宛先(○○○)へ送信しますか」等のメッセージをポップアップ画像として表示させる。また、報知部11Hは、「はい」、「いいえ」などの「選択指示」をポップアップ画像として表示部24Aのタッチパネル上に表示させる。
【0089】
(その他の報知)
報知部11Hは、スクリプトの記録停止後、当該スクリプトをスクリプトデータベース13Bに記憶する前に、生成されたスクリプトを表示部24Aに表示させてもよい。この際、ユーザによるスクリプトの承認を促すメッセージをポップアップ画像として表示部24Aのタッチパネル上に表示させることができる。また、ユーザによるスクリプトの書き換えが可能となるように、キーボードをタッチパネル上に表示させることができる。
【0090】
(出力部-表示部への出力)
出力部11Gは、画像形成装置20の表示部24Aのタッチパネル上に、入力操作情報を入力可能な「入力用情報」を出力する。
【0091】
これらの入力用情報には、スクリプトの「記録開始」を指示する文字情報を備えたタッチ領域、原稿の「印刷開始」を指示する文字情報を備えたタッチ領域、印刷枚数や印刷倍率を指示するためのテンキーなどの数字情報を備えたタッチ領域、白黒印刷、フルカラー印刷、印刷濃度、両面印刷、反転印刷などを指示するアイコンなどの画像情報を備えたタッチ領域等が含まれる。
【0092】
(出力部-携帯端末への出力)
出力部11Gは、通信I/F部19を介して、入力用情報を、図4に示すユーザが携帯可能な携帯端末50の画面52に出力してもよい。ユーザが携帯端末50に所定のアプリケーションを事前にインストールしておくことで、出力部11Gは、表示部24Aに表示された表示内容と同一の表示内容を、携帯端末50の画面52に表示(所謂ミラーリング)させることができる。
【0093】
また、指示取得部11A及び入力操作情報取得部11Bは、携帯端末50の画面52を介して入力された入力操作情報を、実行用の入力操作情報として受け付けることができる。
【0094】
<制御処理>
(スクリプト記録処理)
図6を参照して、本実施形態におけるスクリプト記録処理の一例について説明する。なお、錯綜を避けるため、本例においては、報知部11Hによる各種の報知については説明を省略する。
【0095】
制御装置10のCPU11が、ユーザからの表示部24Aを介したスクリプト記録指示を取得すると、CPU11は、情報処理プログラム13Aを実行する。これにより、図6に示すスクリプト記録処理が実行される(ステップ102)。
【0096】
スクリプト記録処理が開始されると、ステップ104で、CPU11が入力操作情報を取得したか否かを判定する。ステップ104で肯定判定となった場合は、ステップ106へ移行する。
【0097】
ステップ106では、CPU11が、取得した入力操作情報をスクリプトへ記録する。ステップ106の次はステップ112へ移行する。
【0098】
一方、ステップ104で否定判定となった場合は、ステップ108へ移行する。ステップ108では、CPU11が感知情報を取得できたか否かを判定する。ステップ108で肯定判定となった場合は、ステップ110へ移行する。
【0099】
ステップ110では、CPU11が、取得した感知情報をスクリプトへ記録する。ステップ110の次はステップ112へ移行する。
【0100】
ステップ112では、CPU11が、スクリプト記録の停止指示を取得したか否かを判定する。ステップ112で肯定判定となった場合は、スクリプト記録処理を終了する。ステップ112で否定判定となった場合は、ステップ104へ戻って、スクリプト記録処理を継続する。
【0101】
(スクリプト実行処理)
図7を参照して、本実施形態におけるスクリプト実行処理の一例について説明する。なお、錯綜を避けるため、本例においても、報知部11Hによる各種の報知については説明を省略する。
【0102】
ユーザからの表示部24Aを介したスクリプト実行指示を制御装置10のCPU11が取得すると、これに応じてCPU11が情報処理プログラム13Aを実行する。これにより、図7に示すスクリプト記録処理が実行される(ステップ202)。
【0103】
スクリプト実行処理が開始されると、ステップ204で、CPU11が、実行指示されたスクリプトをスクリプトデータベース13Bから読み出して、当該スクリプトを1行読みだす。つまり、時系列に沿ったスクリプトからジョブを1つ読み出す。ステップ204の次は、ステップ206へ移行する。
【0104】
ステップ206では、CPU11が、読み出した行に記載された内容が入力操作情報に関するものであるか否かを判定する。ステップ206で肯定判定となった場合は、ステップ208へ移行する。
【0105】
ステップ208では、CPUが、読み出した入力操作を実行する。ステップ208の次はステップ204へ戻って、実行中のスクリプトの次の1行を読み出す。
【0106】
一方、ステップ206で否定判定となった場合は、ステップ210へ移行する。ステップ210では、読み出した行に記載された内容が感知情報に関するものであるか否かを判定する。ステップ210で肯定判定となった場合は、ステップ212へ移行する。
【0107】
ステップ212では、CPU11が、記録された感知情報と同一の感知情報の取得待ちを実行する。CPU11は、記録された感知情報と同一の感知情報を取得するまで、ステップ212を繰り返す。記録された感知情報と同一の感知情報を取得した場合は、ステップ204へ戻って、実行中のスクリプトの次の1行を読み出す。
【0108】
一方、ステップ210で否定判定となった場合は、スクリプトにおいて読み出した行に、入力操作情報に関するもの及び感知情報に関するものの何れも記載されていない、すなわちこれ以上読み出す行がないものとして、CPU11はスクリプト実行処理を終了する。
【0109】
<表示部の仕様変更に対する対応>
(入力操作対応データベース)
指示取得部11A及び入力操作情報取得部11Bは、表示部24Aを介したユーザの入力操作として、ユーザがタッチしたタッチパネル上の座標を取得する。
【0110】
図8Aに示すように、入力操作対応データベース13Cには、表示部24Aに表示された表示文字列に加えて、当該表示文字列の座標が記憶されている。この図に示された「大きさ」とは、タッチパネル上で文字列が表示された部分の範囲を示している。この範囲は、当該範囲の横幅及び縦幅をピクセル数で示した値である。また、「左上座標」とは、当該範囲の左上の角の座標を示している。
【0111】
例えばスクリプト記録時に、ユーザがタッチパネル上の座標(190.130)から右側へ66ピクセル、下側へ20ピクセルの範囲内の何れかの箇所をタッチする。
【0112】
この場合、スクリプト生成部11Dは、入力操作対応データベース13Cを読み出す。そして、スクリプト生成部11Dは、当該範囲に対応する入力操作情報を、「スタート」という文字情報と共に、スクリプトデータベース13Bへ記録する。
【0113】
そして、スクリプト実行時には、スクリプト実行部11Eは、スクリプトデータベース13Bを読み出して、表示部24Aにおいて「スタート」と記載された座標に紐づけられた処理を実行する。この処理は、一例として、印刷を開始する処理である。
【0114】
ここで、表示部24Aが仕様変更される場合がある。例えば仕様変更により「スタート」との表示文字列が「実行」に変更された場合を考える。
【0115】
係る場合、スクリプト実行時には、スクリプト実行部11Eは、スクリプトデータベース13Bを読み出して、表示部24Aにおいて「スタート」と記載された座標に紐づけられた処理を実行しようとする。しかし、仕様変更により、表示部24Aには当該文字列が存在しない。
【0116】
そこで、スクリプト実行部11Eは、記録された文字情報に類似した文字情報と紐づけられた操作を実行する。
【0117】
具体的には、スクリプト実行部11Eは、類似度データベース13Dを参照し、スクリプトデータベースに記憶された表示文字列「スタート」との類似度を比較した比較文字列を参照する。そして、スクリプト実行部11Eは、類似度が高い文字列から順に、仕様変更された表示部24Aにおける当該文字列の有無を判定する。
【0118】
例えば「スタート」に最も類似している「開始」という文字列が表示部24Aに表示されているか否かを判定する。この文字列が表示部24Aに表示されていない場合、次に類似している「実行」という文字列が表示部24Aに表示されているか否かを判定する。
【0119】
本例では、仕様変更により、表示部24Aには「実行」という文字列が表示されている。そこでスクリプト実行部11Eは、表示部24Aにおいて「実行」と記載された座標に紐づけられた処理を実行する。
【0120】
スクリプト実行部11Eが係る類似度データベース13Dを利用することで、入力操作情報を入力する表示部24Aのインターフェースが変わってもスクリプトを実行できる。
【0121】
<作用及び効果>
本実施形態の情報処理システム80によると、スクリプト実行部11Eは、時系列に沿ったスクリプトの実行中に、用紙センサ40の感知情報が、スクリプトに記録されている感知情報と一致する場合に、次の手順を実行する。すなわち、用紙センサ40の感知情報が、スクリプトに記録されている感知情報と一致しない場合は、次の手順を実行しない。
【0122】
このため、ユーザによる入力操作情報のみをスクリプトとして記録し感知情報をスクリプトへ記録しない場合と比して、被処理物としての用紙や原稿の準備前にスクリプトが実行されることが抑制される。
【0123】
また、本実施形態の情報処理システム80によると、図5Aに示すように、時系列に沿ったスクリプトの実行中に、被処理物としての原稿や用紙の準備を促す報知情報を報知する。すなわち、用紙センサ40が、スクリプトに記憶されている感知情報を感知しない場合、ユーザにその旨を通知できる。
【0124】
これにより、用紙センサ40による感知情報の変化を待つだけの場合と比して、原稿や用紙の準備動作が遅れることが抑制される。
【0125】
また、本実施形態の情報処理システム80によると、時系列に沿ったスクリプトの実行中に、用紙センサ40の感知情報がスクリプトに記録されている感知情報と一致することに加え、スクリプトの継続指示を取得することに応じて次の操作を実行する。スクリプトの継続指示の一例としては、図5Aに示した文字列「OK」が挙げられる。
【0126】
これにより、用紙センサ40による感知情報だけで次の手順に進む場合と比して、ユーザの入力操作が必要であるため、被処理物としての用紙や原稿の準備不良が抑制される。
【0127】
また、本実施形態の情報処理システム80によると、スクリプトの記録指示を取得後、入力操作情報の記録前に感知情報を取得し、取得した前記感知情報が予め定められた情報と異なる場合に、図5Bに示したように、取得した感知情報をスクリプトへ記録するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0128】
ここで、例えば一人のユーザが用紙台26Aや用紙台26Cに原稿を置いたまま画像形成装置20から離れ、別のユーザが、当該原稿を残したまま、表示部24Aを介してスクリプトの記録指示を入力する場合がある。係る場合、確認情報が報知されないと、意図しない感知情報が記録される可能性がある。
【0129】
本実施形態では、係る確認情報が報知されることにより、確認情報を報知しない場合と比して、意図しない感知情報が記録されることを抑制できる。
【0130】
また、本実施形態の情報処理システム80によると、スクリプトの記録指示を取得後、入力操作情報の記録前に感知情報を記録した場合に、図5Cに示すように、記録した感知情報と一致する感知情報を取得したら次の手順を自動実行するか否かを選択させる確認情報を報知する。
【0131】
次の手順を自動実行させる場合は、例えばユーザが用紙台26Aに原稿をセットしたことに応じて、自動的に印刷が実行される(次の手順が印刷の場合)。これにより、ユーザによる確認作業が不要であるため、自動実行しない場合と比較して、処理速度を向上できる。
【0132】
一方、次の手順を自動実行させない場合は、例えばユーザが用紙台26Aに原稿をセットした後、スクリプト実行時に、図5Dに示すように、以降の処理を実行するか否かのメッセージを表示できる。これにより、自動実行する場合と比較して、誤った処理が実行されることを抑制できる。
【0133】
このように、本実施形態では、スクリプトを常に自動実行する場合と比して、ユーザの選択可能なオプションが多くなる。
【0134】
また、本実施形態の情報処理システム80によると、出力部11Gが表示部24Aへの入力用情報を、ユーザが携帯可能な携帯端末50の画面52に出力する。また、指示取得部11A及び入力操作情報取得部11Bは、携帯端末50の画面52を介して入力された入力操作情報を、実行用の前記入力操作情報として受け付ける。
【0135】
これにより、ユーザが所有する携帯端末50で一連の手順の記録及び実行を指示できる。
【0136】
<その他の実施形態>
上記実施形態においては、報知部11Hが、図5Aに示すように、「スクリプトの継続指示を促す報知情報」の報知を実行するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば報知部11Hは、スクリプトの継続指示を促す報知情報を報知しなくてもよい。
【0137】
また、上記実施形態においては、報知部11Hが、図5Bに示すように、「スクリプトの記録要否を選択させる確認情報」の報知を実行するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば報知部11Hは、記録要否を選択させる確認情報を報知しなくてもよい。
【0138】
また、上記実施形態においては、報知部11Hが、図5Cに示すように、「スクリプトの自動実行要否を選択させる確認情報」の報知を実行するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば報知部11Hは、スクリプトの自動実行要否を選択させる確認情報を報知しなくてもよい。
【0139】
例えば図5Bに示す「スクリプトの記録要否を選択させる確認情報」の報知に応じてユーザが感知情報を記録する選択を実行した場合においては、図5Cに示す「スクリプトの自動実行要否を選択させる確認情報」の報知は必ずしも必要ない。また、図5Bに示す「スクリプトの記録要否を選択させる確認情報」の報知を実行しない場合でも、図5Cに示す「スクリプトの自動実行要否を選択させる確認情報」の報知を実行してもよい。
【0140】
このように、報知部11Hよる各種の報知は、他の報知と無関係に実施できる。また、報知部11Hが各種の報知情報及び確認情報を報知しなくても、被処理物の準備前にスクリプトが実行されることを抑制できる。
【0141】
また、上記実施形態においては、出力部11Gが、入力用情報を、ユーザが携帯可能な携帯端末50の画面52に出力するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば出力部11Gは、入力用情報を、ユーザが携帯可能な携帯端末50の画面52に出力しなくてもよい。
【0142】
出力部11Gが入力用情報を携帯端末50へ出力しなくても、被処理物の準備前にスクリプトが実行されることを抑制できる。
【0143】
また、上記実施形態においては、スクリプト生成部11Dが、スクリプトの記録時に、入力操作情報を文字情報と共に記録し、スクリプト実行部11Eが、スクリプトの実行時に、記録された文字情報に類似した文字情報と紐づけられた操作を実行するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。
【0144】
例えばスクリプト生成部11Dは、スクリプトの記録時に、入力操作情報を文字情報と共に記録しなくてもよい。この場合、スクリプト実行部11Eは、スクリプトの実行時に、例えば記録された座標情報と紐づけられた操作を実行すればよい。
【0145】
また、上記実施形態において、例えば、指示取得部11A、入力操作情報取得部11B、感知情報取得部11C、スクリプト生成部11D、スクリプト実行部11E、制御部11F、出力部11G及び報知部11Hの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0146】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0147】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0148】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。このように、本発明は様々な態様で実施することができる。
【0149】
<付記>
(((1)))
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、
ユーザによる情報処理装置への入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録する、
情報処理システム。
【0150】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記一連の手順の実行指示を取得後、
前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に取得した前記センサの感知情報が、記録されている前記感知情報である場合に、次の手順を実行する、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0151】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に、前記被処理物の準備を促す報知情報を報知する、
(((1)))または(((2)))に記載の情報処理システム。
【0152】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記時系列に沿った前記一連の手順の実行中に、
取得した前記センサの感知情報が記録されている前記感知情報であることに加え、さらに前記一連の手順の継続指示を取得することに応じて次の操作を実行する、
(((1)))~(((3)))の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0153】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記一連の手順を記録する指示を取得後、前記入力操作情報の記録前に前記感知情報を取得し、取得した前記感知情報が予め定められた情報と異なる場合に、
取得した前記感知情報を前記一連の手順へ記録するか否かを選択させる確認情報を報知する、
(((1)))~(((4)))の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0154】
(((6)))
前記プロセッサは、
前記一連の手順を記録する指示を取得後、前記入力操作情報の記録前に前記感知情報を記録した場合に、
記録した前記感知情報と一致する感知情報を取得したら次の手順を自動実行するか否かを選択させる確認情報を報知する、
(((5)))に記載の情報処理システム。
【0155】
(((7)))
前記プロセッサは、
前記情報処理装置の画面に、前記入力操作情報を入力可能な入力用情報を出力する、
(((1)))~(((6)))の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0156】
(((8)))
前記プロセッサは、
前記入力用情報を、ユーザが携帯可能な携帯端末の画面に出力し、
前記携帯端末の画面を介して入力された前記入力操作情報を、実行用の前記入力操作情報として受け付ける、
(((7)))に記載の情報処理システム。
【0157】
(((9)))
前記プロセッサは、
前記情報処理装置の画面に入力用情報を文字情報として出力すると共に、
前記一連の手順の記録時に、前記入力操作情報を前記文字情報と共に記録し、
前記一連の手順の実行時に、記録された前記文字情報に類似した文字情報と紐づけられた操作を実行する、
(((1)))~(((8)))の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0158】
(((10)))
前記情報処理装置は画像形成装置であり、
被処理物の準備に関する情報は用紙台における用紙の状態に関する情報である、
(((1)))~(((9)))の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0159】
(((11)))
コンピュータに、
被処理物の処理に関するユーザによる複数の入力操作を自動で実行する一連の手順を記録する記録指示を取得後、
ユーザによる入力操作情報と、被処理物の準備に関する情報を感知するセンサによる感知情報とを、時系列に実行可能に前記一連の手順へ記録させる処理を実行させる、
情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0160】
11 CPU(プロセッサ)
20 画像形成装置(情報処理装置)
24B 表示部(画面)
40 用紙センサ(センサ)
40A 用紙センサ(センサ)
40B 用紙センサ(センサ)
40C 用紙センサ(センサ)
40D 用紙センサ(センサ)
80 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B