(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126298
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】災害危機管理システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20230101AFI20240912BHJP
G06Q 30/01 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q30/01
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034589
(22)【出願日】2023-03-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】522124910
【氏名又は名称】ユアサシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】生井 彰一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 英明
(72)【発明者】
【氏名】瓜生 欣成
(72)【発明者】
【氏名】田中 吉久
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA01
5L010AA20
5L030BB05
5L049AA01
5L049AA20
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】製品の納入元企業に対して、災害等のリスクが発生した際に、リスクの影響を受けている製品の納入先企業及び納入している製品情報を把握させる災害危機管理システムを提供する。
【解決手段】納入元企業のユーザ端末151と通信可能なサーバ1と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故等を含むリスク内容を示すリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部100とを備えた災害危機管理システムであって、サーバ1は、リスク情報抽出部100からリスク情報を取得し、得したリスク情報と、記憶している納入先製品情報データベース20を用いて、リスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業を特定し、リスク情報に含まれるリスク内容と、納入先企業の企業名と、特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、ユーザ端末151にアラート通知を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、
前記リスク情報には、前記リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、
前記サーバ装置は、
前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶している納入先製品情報データベースと、
前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、
前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業、及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、前記特定したユーザのユーザ端末に対して前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有していることを特徴とする災害危機管理システム。
【請求項2】
前記データリンク・通知部は、前記納入先製品情報データベースにアクセスし、該取得したリスク情報に含まれるエリア情報が含まれている納入先製品情報を抽出し、該抽出した納入先製品情報から前記アラート対象先の納入先企業及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定することを特徴とする請求項1に記載の災害危機管理システム。
【請求項3】
前記ユーザ識別情報毎に、対象リスクワードを対応付けて記憶している対象リスクマスタデータベースを備え、
前記データリンク・通知部は、
前記対象リスクマスタデータベースにアクセスし、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザの有無を判定し、該判定により該リスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合に前記アラート理由を生成するようになっており、
前記リスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合、前記納入先製品情報データベースにアクセスし、前記リスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザのユーザ識別情報と、前記取得したリスク情報に含まれるエリア情報の両者が含まれている納入先製品情報を抽出し、該抽出した納入先製品情報から前記アラート対象先の納入先企業及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項4】
前記製品には、工作機械、産業用ロボット、生産設備が含まれており、
前記製品情報には、機械タイプ、機種名、品番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデルが含まれていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の災害危機管理システム。
【請求項5】
前記納入先製品情報データベースの製品情報には、前記アラート通知で通知したい対応する製品固有の任意情報を含めることができるようになっており、
前記アラート通知の製品情報には、前記製品固有の任意情報が含まれていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の災害危機管理システム。
【請求項6】
前記リスク情報抽出部は、
前記リスクワードの入力を受け付け、受け付けたリスクワードを記憶しているリスクワードデータベースを有し、SNSを含む複数の情報ソースから大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から、記憶しているリスクワードをリスク内容にしているリスク情報を検知し抽出することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の災害危機管理システム。
【請求項7】
前記納入先企業の企業名及び拠点名に、該納入先企業のメールアドレスを対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、
前記データリンク通知部は、
前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信した後、前記企業情報データベースにアクセスし、該アラート通知のアラート対象先の納入先企業の前記メールアドレスを読み出し、その読み出した該メールアドレスに、被災状況を確認するためのアンケートを提供するWebページのURLが記載されたアンケートメールを送信し、該納入企業から該Webページ上で被災状況の回答を受け付けるとともに、
前記アラート通知を送った前記ユーザ端末に対して、前記アンケートの送信先及び該アンケートの回答状況を示す情報を提供するようになっていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の災害危機管理システム。
【請求項8】
前記ユーザ識別情報に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザである前記納入元企業の企業名及び拠点名と、該納入元企業及び拠点の代替拠点情報とを対応付けて記憶しているとともに、前記納入先企業の企業名を含む納入先企業情報に該納入先企業のメールアドレス対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、
前記代替拠点情報は、代替先拠点名、代替先拠点所在地、代替先拠点連絡先が含まれており、
前記データリンク・通知部は、
前記取得したリスク情報及び前記企業情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受ける前記納入元企業であるユーザを特定し、該企業情報データベースから前記特定したユーザの前記代替拠点情報を読み出し、発信元になる納入元企業名及び拠点と、災害により連絡が取れない可能性を示す説明文と、前記代替拠点情報とが提示されてる通知内容確認画面情報を生成し、該特定したユーザの前記ユーザ端末に前記通知内容確認画面情報を送信し、
前記ユーザ端末から前記代替拠点情報を案内するメール送信依頼を受け付けると、前記納入先製品情報データベースを参照して、前記ユーザの納入先企業を特定し、且つ、前記企業情報データベースから前記特定した納入先企業のメールアドレスを読み出し、読み出した該メールアドレスに、前記通知内容確認画面情報が含まれる内容が提示されたメールを送信するようになっていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の災害危機管理システム。
【請求項9】
製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているコンピュータに、該ユーザが製品を納入している納入先企業に関係するアラート通知を生成して前記ユーザ端末に該アラート通知を提供させる処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部と通信可能に構成されているとともに、納入先製品情報データベースを記憶しており、
前記リスク情報には、前記リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、
前記納入先製品情報データベースは、前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶しており、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、
前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得する処理と、
前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業、及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成する処理と、
前記特定したユーザの前記ユーザ端末に前記生成したアラート通知を送信する処理と、を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害危機管理システム及びコンピュータプログラムに関し、例えば、機械等の製品を納入している納入元企業に対して、災害、事故等のリスクが発生した際に、リスクの影響を受けている製品の納入先企業及び納入している製品情報を把握させる災害危機管理システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、常識を超える想定外の自然災害、火災や爆発などの事故が発生し、企業の事業継続に重大な影響を及ぼす事態が生じている。例えば、自動車や電機製品等の製品や部品を生産する企業は、非常に多くの機械を利用して部品や製品を生産している。このような企業は、実際に、想定外の災害やトラブルが発生すると、機械が故障して生産停止に追い込まれることが起きている。
【0003】
例えば、2016年4月に熊本県で発生した大規模の地震により、複数の半導体メーカの工場で操業が停止する事態が生じた。また、例えば、2018年8月の台風21号では関西圏を中心に幅広い企業の活動に影響を及ぼす事態が生じた。また、例えば、2019年10月の台風19号の大雨により千曲川が増水決壊して長野市の企業が被害を受けたことで、建機メータの部品調達に支障をきたす事態が生じた。また、例えば、工場等で発生する爆発等の事故により、生産設備が破損して工場の操業が停止することも起きている。
【0004】
また、上記のような災害が発生した際に製造メーカ等の企業が受けるリスクを考慮する技術として、例えば、特許文献1には、サプライチェーンにおける自然災害等の影響を変化項目に含めたシュミュレーションにより業務ロジックを算出する業務支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、機械(工作機械等の機械)等の製品を販売(納入)している納入元企業は、上記のような災害や事故等のリスクが発生した場合、早期に、リスクの内容と、リスクにより影響(被害)を受けている、製品の納入先企業の有無を把握できれば、リスクにより影響(被害)を受けている納入先企業に対して、どのように対応するべきかを迅速に判断することができる。また、リスクにより影響(被害)を受けている納入先企業に対して、どのように対応するべきかを迅速に判断することができれば、納入先企業のリスクに対する影響を軽減させることができる。例えば、災害により納入した機械が故障して工場の生産が停止したような場合に、早期に修理に必要な部品や人材(修理するエンジニア)を手配して、工場の生産再開の時期を早めることができる。また、上記企業は、製品の納入先企業からの緊急対応依頼に対して、迅速に対応することができれば、顧満足度が向上し、納入先企業から高い信頼が得られる。
【0007】
しかし、現状において、工作機械等の製品を販売(納入)している納入元企業は、一般的に、国内外の様々な地域の企業(納入先企業)に対して、複数種の機械を納入しているため、災害等のリスクが発生した場合に、発生したリスクによりどの納入先企業が影響を受け、影響を受けたそれぞれの納入先企業に納入された製品のタイプ、機種名、機番(品番)、仕様等を把握して、それぞれの企業(納入先企業)に対してどのように対応するべきかを迅速に判断することが困難であり、納入先企業のリスク軽減に十分に貢献できていない。
【0008】
なお、上述した特許文献1に記載の業務支援システムは、サプライチェーンを構成する工場等の企業における自然災害等の影響を変化項目に含めたシュミュレーションにより業務ロジックを算出するものであるが、実際に、災害やトラブル等のリスクが発生した場合に、生産工場などの納入先企業に対して機械等の製品を販売(納入)している納入元企業に対して、発生したリスクがどの納入先企業に影響を与えて、影響を受けたそれぞれの納入先企業に納入されている製品の製品情報(タイプ、機種名、機番(品番)の情報)を把握させるものではない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、機械等の製品を納入している納入元企業に対して、災害、事故等のリスクが発生した際に、リスクの影響を受けている製品の納入先企業及び納入している製品情報を把握させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1態様は、製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、前記リスク情報には、前記リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、前記サーバ装置は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶している納入先製品情報データベースと、前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業、及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、前記特定したユーザのユーザ端末に対して前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有していることを特徴とする。
【0011】
このように、本発明の第1態様の構成によれば、例えば、工作機械等の製品を納入している納入元企業であるユーザのユーザ端末に対して、実際に、災害や事故等のリスクが発生した場合に、リスクにより影響を受ける製品の納入先企業の企業名と、当該影響を受ける企業に納入した製品の製品情報を早期に提供する災害危機管理システムを提供することができる。すなわち、本発明によれば、納入元企業の担当者は、実際に、災害や事故等のリスクが発生した際に、自社が製品を納入した納入先企業のなかの、どの納入先企業がリスクによる影響を受けていることと、その影響を受けている企業に納入した製品の製品情報を早期に把握することができる。
その結果、本発明によれば、製品を納入している納入元企業であるユーザは、リスクにより影響(被害)を受けている納入先企業に対して、どのように対応するべきかを迅速に判断させることができ、納入先企業のリスクに対する影響を軽減させることができる。例えば、納入元企業であるユーザは、納入先企業において、災害により納入した機械が故障して工場の生産が停止している場合に、早期に修理に必要な部品や人材(修理するエンジニア)を手配して、工場の生産再開の時期を早めることができる。
【0012】
また、前記データリンク・通知部は、前記納入先製品情報データベースにアクセスし、該取得したリスク情報に含まれるエリア情報が含まれている納入先製品情報を抽出し、該抽出した納入先製品情報から前記アラート対象先の納入先企業及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定することが望ましい。
【0013】
また、前記ユーザ識別情報毎に、対象リスクワードを対応付けて記憶している対象リスクマスタデータベースを備え、前記データリンク・通知部は、前記対象リスクマスタデータベースにアクセスし、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザの有無を判定し、該判定により該リスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合に前記アラート理由を生成するようになっており、前記リスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合、前記納入先製品情報データベースにアクセスし、前記リスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザのユーザ識別情報と、前記取得したリスク情報に含まれるエリア情報の両者が含まれている納入先製品情報を抽出し、該抽出した納入先製品情報から前記アラート対象先の納入先企業及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定するようになっていることが望ましい。
【0014】
この構成によれば、製品を納入しているユーザ(納入元企業)毎に、必要なリスクワードを設定することができる。そのため、ユーザ(納入元企業)は、例えば、自社の製品の納入先(納入先企業の拠点)に関係すると考えられるリスクワードを設定することで、納入先企業に必要なリスクを絞り込むことができる。
【0015】
また、前記製品には、工作機械、産業用ロボット、生産設備が含まれており、前記製品情報には、機械タイプ、機種名、品番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデルが含まれていることが望ましい。
また、前記納入先製品情報データベースの製品情報には、前記アラート通知で通知したい対応する製品固有の任意情報を含めることができるようになっており、前記アラート通知の製品情報には、前記製品固有の任意情報が含まれていることが望ましい。なお、上記の製品固有の任意情報は、例えば、製品のなかの入手困難な部品の部品名や部品番号等である。
【0016】
また、前記リスク情報抽出部は、前記リスクワードの入力を受け付け、受け付けたリスクワードを記憶しているリスクワードデータベースを有し、SNSを含む複数の情報ソースから大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から、記憶しているリスクワードをリスク内容にしているリスク情報を検知し抽出することが望ましい。
【0017】
また、前記納入先企業の企業名及び拠点名に、該納入先企業のメールアドレスを対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、前記データリンク通知部は、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信した後、前記企業情報データベースにアクセスし、該アラート通知のアラート対象先の納入先企業の前記メールアドレスを読み出し、その読み出した該メールアドレスに、被災状況を確認するためのアンケートを提供するWebページのURLが記載されたアンケートメールを送信し、該納入企業から該Webページ上で被災状況の回答を受け付けるとともに、前記アラート通知を送った前記ユーザ端末に対して、前記アンケートの送信先及び該アンケートの回答状況を示す情報を提供するようになっていることが望ましい。
【0018】
上記の構成によれば、製品の納入元企業である利用企業は、災害が発生した際に、自身の顧客である納入先企業が被災した可能性が有る場合に、その納入先企業の被害状況を具体的に確認することができ、より実効性のある顧客支援の内容を検討することができる。
【0019】
また、前記ユーザ識別情報に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザである前記納入元企業の企業名及び拠点名と、該納入元企業及び拠点の代替拠点情報とを対応付けて記憶しているとともに、前記納入先企業の企業名を含む納入先企業情報に該納入先企業のメールアドレス対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、前記代替拠点情報は、代替先拠点名、代替先拠点所在地、代替先拠点連絡先が含まれており、前記データリンク・通知部は、前記取得したリスク情報及び前記企業情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受ける前記納入元企業であるユーザを特定し、該企業情報データベースから前記特定したユーザの前記代替拠点情報を読み出し、発信元になる納入元企業名及び拠点と、災害により連絡が取れない可能性を示す説明文と、前記代替拠点情報とが提示されてる通知内容確認画面情報を生成し、該特定したユーザの前記ユーザ端末に前記通知内容確認画面情報を送信し、前記ユーザ端末から前記代替拠点情報を案内するメール送信依頼を受け付けると、前記納入先製品情報データベースを参照して、前記ユーザの納入先企業を特定し、且つ、前記企業情報データベースから前記特定した納入先企業のメールアドレスを読み出し、読み出した該メールアドレスに、前記通知内容確認画面情報が含まれる内容が提示されたメールを送信するようになっていることが望ましい。
【0020】
上記の構成によれば、本発明の災害危機管理システムを利用しているユーザ(納入元企業)が被災したケースにおいて、被災したユーザの担当者に負担をかけることなく、ユーザの顧客である納入先企業に対して、早期に代替拠点情報を提供することができる。
【0021】
また、本発明の第2態様は、製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているコンピュータに、該納入元企業が製品を納入している納入先企業に関係するアラート通知を生成して前記ユーザ端末に該アラート通知を提供させる処理を実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部と通信可能に構成されているとともに、納入先製品情報データベースを記憶しており、前記リスク情報には、前記リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、前記納入先製品情報データベースは、前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶しており、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得する処理と、前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業、及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成する処理と、前記特定したユーザの前記ユーザ端末に前記生成したアラート通知を送信する処理と、を実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明の第2態様のおいても、上述した第1態様と同様の作用効果が得られる。すなわち、本発明の第2態様によれば、製品を納入している納入元企業のユーザ端末に対して、実際に、災害や事故等のリスクが発生した場合に、リスクにより影響を受ける製品の納入先企業の企業名と、当該影響を受ける納入先企業に納入した製品の製品情報を早期に提供する処理をコンピュータに実効させるコンピュータプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、機械等の製品を納入している納入元企業に対して、災害、事故等のリスクが発生した際に、リスクの影響を受けている製品の納入先企業及び納入している製品情報を把握させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態の災害危機管理システムの構成を示した模式図である。
【
図2】本発明の実施形態の災害危機管理システムを構成するリスク情報抽出装置に設けられたリスクワードデータベースを示した模式図である。
【
図3】本発明の実施形態の災害危機管理システムが抽出するリスク情報を示した模式図である。
【
図4】本発明の実施形態の災害危機管理システムを構成する企業情報データベースを示した模式図である。
【
図5】本発明の実施形態の災害危機管理システムを構成する納入先製品情報データベースを示した模式図である。
【
図6】本発明の実施形態の災害危機管理システムを構成する対象リスクマスタデータベースを示した模式図である。
【
図7】本発明の実施形態の災害危機管理システムを構成するアラート通知情報データベースを示した模式図である。
【
図8】本発明の実施形態の災害危機管理システムのサーバのアラート通知を生成し、ユーザ端末にアラート通知を提供する処理の手順を示したフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態の災害危機管理システムが企業のオフィスに設置されているパソコン等の情報処理装置により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
【
図10】本発明の実施形態の災害危機管理システムが企業の担当者が保持するモバイル端末により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
【
図11】本発明の実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサーバの記憶部に記憶されている各データベースを示した模式図である。
【
図12】本発明の本実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサーバの記憶部に記憶されている企業情報データベースを示した模式図である。
【
図13】本発明の実施形態の変形例のメール送信・アンケート集計データベースを示した模式図である。
【
図14】本発明の実施形態の変形例の災害危機管理システムが、被災の可能性がある納入先企業の担当者の端末に送信する安否確認情報を説明するための模式図であり、(a)が納入先企業の担当者の端末に送信する安否確認のアンケート依頼メールの内容を示した模式図であり、(b)が納入先企業の担当者の端末に提供する被災状況アンケートを示すWebページを示した模式図である。
【
図15】本発明の実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入元企業のユーザ端末に提供する、納入先企業への安否確認のアンケートの配信先・回答状況情報を示した模式図である。
【
図16】本発明の実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入元企業のユーザ端末に提供する代替拠点の通知内容確認画面を示した模式図である。
【
図17】本発明の実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入元企業のユーザ端末に提供する消耗品ご購入案内メール通知画面を示した模式図である。
【
図18】本発明の本実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入先業の端末に提供する消耗品ご購入案内メールを示した模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の災害危機管理システムについて図面に基づいて説明する。
【0026】
先ず、本発明の実施形態の災害危機管理システムの構成について
図1~7を参照しながら説明する。
【0027】
ここで、
図1は、本実施形態の災害危機管理システムの構成を示した模式図である。
図2は、本実施形態の災害危機管理システムを構成するリスク情報抽出装置に設けられたリスクワードデータベースを示した模式図である。
図3は、本実施形態の災害危機管理システムが抽出するリスク情報を示した模式図である。
図4は、本実施形態の災害危機管理システムを構成する企業情報データベースを示した模式図である。
図5は、本実施形態の災害危機管理システムを構成する納入先製品情報データベースを示した模式図である。
図6は、本実施形態の災害危機管理システムを構成する対象リスクマスタデータベースを示した模式図である。
図7は、本実施形態の災害危機管理システムを構成するアラート通知情報データベースを示した模式図である。
【0028】
《災害危機管理システムの全体構成》
先ず、本実施形態の災害危機管理システムの全体構成について説明する。
本実施形態の災害危機管理システムは、機械等の製品を納入しているユーザ(納入元企業の事業所)に対して、災害、事故等のリスクが発生した際に、リスクの影響を受けている製品の納入先企業及び納入している製品情報を把握させ、その把握させた納入先企業に対する迅速で効果的な業務の提供を可能にするとともに、納入先企業のリスクに対する影響を軽減させるためのものである。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の災害危機管理システムは、製造メーカ等の企業(納入先企業)に、機械等の製品を納入(販売)している各納入元企業(本システムを利用する利用企業(ユーザ))のユーザ端末151、152と通信可能に構成されているサーバ装置(以下、「サーバ」)1と、SNSを中心にした複数の情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知して抽出し、そのリスク情報をサーバ1に提供するリスク情報抽出装置(リスク情報抽出部)100とを有している。
【0030】
なお、図示する例では、サーバ1が、ユーザ(納入元企業の事業所(或いは拠点))になっている複数社(A社、B社、・・・n社)のユーザ側システム(US1、US2、・・・USn)のそれぞれのユーザ端末150、151と通信可能に構成されており、それぞれのユーザ端末150、151との間でデータの授受を行うようになっている。
【0031】
また、サーバ1は、リスク情報抽出装置100からリスク情報を取得し、それぞれのユーザに対して、そのリスク情報により影響を受けるアラート対象先となる納入先企業を特定し、リスク情報の内容(アラート理由)と、特定した納入先企業の企業情報(企業名等の企業情報)と、納入先企業に納入した製品情報(例えば、機械タイプ、機種名、機番(品番)、製造年月日等の情報)とを含むアラート通知を生成し、対応するユーザ端末151、152にアラート通知を送信して提供するようになっている。
なお、図示する例では、サーバ1とリスク情報抽出装置100が、別々の装置で構成されているが特にこれに限定されるものではない。サーバ1に、リスク情報抽出装置100の機能が設けられていても良い。
【0032】
なお、本実施形態では、納入先企業に機械等の製品を納入しているユーザ(納入元企業の事業所)が、納入先企業に対して、生産現場で稼働させる工作機械(例えば、CNC旋盤)、産業用ロボット、生産設備等の機械を納入している企業(商社、機械の製造メーカ等の企業)である場合を例にしている。。
【0033】
《ユーザ側システム》
災害危機管理システムからアラート通知を受ける企業のユーザ側システム(ユーザ環境)US1は、基幹システムサーバ150と、企業のオフィスに設置されているパソコン(PC)で構成されているユーザ端末151と、企業の担当者が保持しているスマートフォン等のモバイル端末で構成されているユーザ端末152とを有している。
図示する例では、説明の便宜上、1台のパソコン(ユーザ端末151)と、1台のモバイル端末(ユーザ端末152)が示されているが、実際には、複数台のユーザ端末151、152にアラート通知が提供される。
また、図示するユーザ側システムUS2・・・USnについても、ユーザ側システムUS1と同様の構成になっている。
【0034】
基幹システムサーバ150は、ユーザ端末151とLAN等の企業内ネットワークで接続されている。また、基幹システムサーバ150及びユーザ端末151、152は、いずれも、インターネット等のネットワークNWを介して、サーバ1に通信可能(接続可能)に構成されており、サーバ1との間で各種情報の授受が行えるようになっている。
【0035】
また、基幹システムサーバ150は、自社が納入(販売)している製品の納入先企業情報(納入先企業名、納入先拠点名、納入先位置情報(住所、都道府県名(エリア情報)、市区町村名(エリア情報))毎に、納入している製品の製品情報(機械タイプ、機種、機番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデル等の製品情報)を対応付けた製品情報データベース(図示せず)を記憶している。
【0036】
また、ユーザ(納入元企業の事業所)の担当者は、ユーザ端末151を操作して、サーバ1にアクセスして、サーバ1に設けられているデータベースに各種情報を登録したり、登録されている情報を更新したりする。
例えば、ユーザ(納入元企業の事業所)の担当者は、ユーザ端末151を操作して、サーバ1にアクセスして、サーバ1に設けられている「企業情報データベース10」に、自社企業情報(納入元企業情報)及び納入先企業情報を登録したり、登録内容を更新したりする。また、例えば、ユーザ(納入元企業の事業所)の担当者は、ユーザ端末151を操作して、サーバ1にアクセスして、サーバ1に設けられている「納入先製品情報データベース20」に、納入先企業情報及び製品情報を登録したり、登録内容を更新したりする。また、例えば、ユーザの担当者は、ユーザ端末151を操作して、サーバ1にアクセスして、サーバ1に設けられている「対象リスクマスタデータベース30」に、所望のリスク情報を抽出するための「対象リスクワード」を登録したり、登録内容を更新したりする。
なお、「企業情報データベース」、「納入先製品情報データベース20」及び「対象リスクマスタデータベース30」のデータ構成については、後述する。
【0037】
《リスク情報抽出装置100》
リスク情報抽出装置100は、サーバ1に、図示しないネットワーク(インターネット等のネットワーク)を介して接続されており、サーバ1と通信可能に構成されている。
また、リスク情報抽出装置100は、インターネット上で公開されているSNSを中心にした複数の情報ソース(SNS等のWebサイト、各地に設置されたライブカメラ等の情報ソース)から大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から「自然災害、火災等の事故等」の災害やトラブルの発生を示すリスク情報(世界中のリスク情報)を検知して抽出し記憶する機能(リスク情報抽出機能)を有している。
【0038】
具体的には、リスク情報抽出装置100は、リスクワードが登録されたリスクワードデータベース110を記憶しており、SNS等の複数の情報ソースから大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から、記憶しているリスクワードをリスク内容(アラート内容)にしているリスク情報を検知し抽出して記憶するように構成されている。
【0039】
リスクワードデータベース110は、
図2に示すように、リスク分類毎に、対応する「リスクワード」を対応付けて記憶している。
【0040】
図示するリスクワードデータベース110では、「リスク分類」に、「自然災害」と、「事故」が登録されているが、これは一例である。
また、図示するリスクワードデータベース110では、「リスク分類」の「自然災害」に、「リスクワード」として「地震、台風、大雨、洪水、落雷、竜巻、山火事、火山噴火、大雪、崖崩れ、雪崩れ、浸水、決壊、熱波・・・」が対応付られている。
また、図示するリスクワードデータベース110では、「リスク分類」の「事故」に、「リスクワード」として「火災、爆発、水漏れ、道路分断、高速道路通行止め・・・」が対応付られている。
【0041】
なお、リスク情報抽出装置100は、事前処理として、サーバ1(或いはリスク情報抽出部100の管理者)から、リスクワードデータベース110に登録されるデータの入力を受け付け、リスクワードデータベース110に、その受け付けたリスクワードを記憶させている。
【0042】
上記の事前処理が終わると、リスク情報抽出部100は、SNS等の複数の情報ソースから大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から、記憶しているリスクワードを発災ワード(リスク内容を示すリスクワード)にしているリスク情報を検知し抽出して記憶する。
【0043】
また、上記のリスク情報は、
図3に示すように、「発災日時(年/月/日/時間)」と、リスク内容を示す「発災ワード(リスクワード)」と、「発災場所の都道府県(発災場所の地域を示すエリア情報)」と、「発災場所の市区町村(発災場所の地域を示すエリア情報)」と、「発災ニュースURL(リンク情報)」とが含まれている。
図示する例では、「発災日時」が「2022/8/31 13:15」、発災ワード(リスクワード)」が「洪水」、「発災場所の都道府県」が「岐阜県」、「発災場所の市区町村」が「大垣市」、「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」が「
https://app.fastalert.jp/6225758」となっている。
【0044】
なお、「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」は、リスク情報抽出装置100が抽出したリスク情報の情報源になったSNSサイトのURL(リンク情報)や、ライブカメラの映像提供するサイトのURL(リンク情報)や、ニュースサイトのURL(リンク情報)等の情報である。また、「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」には、発災場所の地域を示すエリア情報が提示された地図情報が付加されている。
【0045】
また、リスク情報抽出装置100は、リスク情報を検知し抽出した際に、サーバ1に対してリスク情報(
図3参照)を提供する機能(リスク情報提供機能)を有している。
具体的には、リスク情報抽出装置100は、リスク情報を検知して抽出すると、サーバ1に対して、抽出したリスク情報を送信するようになっている。また、サーバ1(後述するリスク情報取得部3)は、リスク情報抽出装置100の機能(リスク情報抽機能、リスク情報提供機能)と連携して、リスク情報抽出装置100から送信される「リスク情報」を取得するようになっている。この構成により、サーバ1は、リスク情報抽出装置100がリスクを検知した際に、速やかに、所望するリスク情報を取得することができる。
【0046】
なお、リスク情報抽出装置100のハードウェア構成については特に限定されるものではない。例えば、リスク情報抽出装置100は、CPUと、主記憶装置と、補助記憶装置と、IOインターフェースと、通信インターフェースとを備えたコンピュータ等の情報処理装置(1台或いは複数台の情報処理装置)により構成される。
【0047】
また、上記のリスク情報抽出機能は、例えば、情報処理装置に搭載されたAIエンジン(リスク情報抽出プログラム(コンピュータプログラム))により実現される。また、上記のリスク情報提供機能は、情報処理装置に搭載されたリスク情報提供プログラム(コンピュータプログラム)により実現される。
この場合、情報処理装置の補助記憶装置には、「AIエンジン及びリスク情報提供プログラム」が格納されている。そして、リスク情報抽出機能及びリスク情報提供機能は、情報処理装置のCPUが、補助記憶装置に格納されている「AIエンジン及びリスク情報提供プログラム」を主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
【0048】
また、上記のAIエンジンは、例えば、過去に「SNS等のWebサイト上で公開された画像やテキスト、過去にライブカメラが撮影した画像等の情報」と、当該情報に対応するリスク情報をラベリングした学習用データ」を機械学習させた学習済みモデル(リスク情報抽出ディープラーニングモデル)により構成されている。
なお、このリスク情報抽出機能は、公知技術により実現可能であるため詳細な説明を省略する。
【0049】
このように、リスク情報抽出装置100は、例えば、現場(災害、事故等の発生現場)にいる目撃者によるSNSへの投稿やライブカメラの映像等の情報を収集して、リスク情報を検知しているため、新聞社、放送局、出版社、通信社等のニュース報道よりも早いタイミングで、自然災害や事故発生等を示すリスク情報を抽出することができる。また、リスク情報抽出装置100は、リスク情報を検知して抽出した際に、サーバ1と連動して、サーバ1に対してリスク情報を提供するようになっている。したがって、リスク情報抽出装置100は、サーバ1に対して、新聞社、放送局、出版社、通信社等のニュース報道よりも早いタイミングで、リスク情報を提供することができる。
【0050】
《サーバ1》
サーバ1は、リスク情報抽出装置100から災害や事故等のトラブルの内容を示すリスク情報を取得するリスク情報取得部3と、ユーザ(納入元企業)のユーザ端末151から、ユーザが納入(販売)している機械(製品)の「納入先企業情報及び製品情報」等の情報を取得する納入先情報取得部4と、ユーザ毎に、取得したリスク情報により影響を受ける納入先企業を特定し、その特定した納入先企業の企業名及び納入された製品に関する製品情報が含まれているアラート通知を生成し、対応するユーザのユーザ端末151、152にアラート通知を送信するデータリンク・通知部5と、各種のデータベースを記憶している記憶部7とを有している。
また、記憶部7は、「企業情報データベース10、納入先製品情報データベース20、対象リスクマスタデータベース30、リスク情報データベース40、アラート通知情報データベース50、アラート通知先マスタデータベース60及びログインマスタデータベース70」を記憶している。
【0051】
また、サーバ1のハードウェア構成については特に限定されるものではない。例えば、サーバ1は、CPUと、主記憶装置と、補助記憶装置と、IOインターフェースと、通信インターフェースとを備えたコンピュータ等の情報処理装置(1台或いは複数台の情報処理装置)により構成される。
【0052】
また、上記の補助記憶装置には、「リスク情報取得部3、納入先情報取得部4及びデータリンク・通知部5」の機能を実現するためのプログラム(サーバ・コンピュータプログラム)が記憶されている。また、上記の補助記憶装置の所定領域には、記憶部7が形成されている。
そして、「リスク情報取得部3、納入先状情報取得部4及びデータリンク・通知部5」の機能は、情報処理装置のCPUが、補助記憶装置に格納されている「サーバ・コンピュータプログラム」を主記憶装置にロードして実行することにより実現される。
【0053】
以下、サーバ1の各構成について順番に説明する。
先ず、記憶部7が記憶しているデータベースのデータ構成について説明する。
【0054】
《企業情報データベース10》
企業情報データベース10は、
図4に示すように、納入元企業情報(ユーザ識別情報、企業名、拠点名、住所、位置情報(緯度、経度))と、納入先企業情報(企業名、拠点名、住所、位置情報(緯度、経度))とが登録されるデータベースである。
【0055】
具体的には、
図4に示すように、企業情報データベース10は、「データ分類」を登録するためのフィールド10aと、「利用企業コード」を登録するためのフィールド10bと、「利用企業事業所コード」を登録するためのフィールド10cと、「企業名」を登録するためのフィールド10dと、「拠点名」を登録するためのフィールド10eと、「所在地(住所)」を登録するためのフィールド10fと、「緯度」を登録するためのフィールド10gと、「経度」を登録するためのフィールド10hとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
なお、「利用企業コード」及び「利用企業事業所コード」により、本システムのユーザ(納入元企業の事業所(例えば、YSОL鉄工 箱崎工場))が特定されるため、「利用企業コード」及び「利用企業事業所コード」を組み合わせたコートが、ユーザを特定するユーザ識別情報になる。
【0056】
フィールド10aに登録される「データ分類」は、納入元企業(利用企業)及び納入先企業のいずれかを示す情報であり、本実施形態では「1」が「納入元企業(利用企業)」で、「2」が「納入先企業」になっている。
フィールド10bに登録される「利用企業コード」は、納入元企業を識別するための情報であり、一意に割り当てられた英数字等の情報が用いられる(図示する例では数字)。
フィールド10cに登録される「利用企業事業所コード」は、納入元企業の事業所を識別するための情報であり、英数字等の情報が用いられる(図示する例では数字)。
なお、フィールド10b、10cは、対応するフィールド10aに「1(利用企業)」が登録されている場合にのみ、各コード(利用企業コード、利用企業事業所コード)が登録されるようになっており、対応するフィールド10aに「2(納入先企業)」が登録されている場合には「空白」になっている(
図4の向かって右図参照)。
【0057】
また、フィールド10aに「1(利用企業)」が登録されているレコードのフィールド10d、10e、10f、10g、10hには、ユーザ(納入元企業の事業所)の情報(企業名、拠点名、所在地(住所)、緯度、経度)が登録される。また、、フィールド10aに「2(納入先企業)」が登録されているレコードのフィールド10d、10e、10f、10g、10hには、納入先企業の情報(企業名、拠点名、所在地(住所)、緯度、経度)が登録される。
【0058】
この企業情報データベース10は、リスクにより影響を受ける納入先企業(アラート対象先になる納入先企業)の拠点の所在地と、対応する納入元企業の事業所(ユーザ)の所在地とを地図上に提示するために用いられるものである。例えば、サーバ1は、企業情報データベース10に登録されている「納入元企業の拠点の緯度、経度、対応する納入先企業の事業所の緯度、経度」を用いて、リスク情報抽出装置100から取得したリスク情報に含まれる「発災ニュースURL(発災ニュースリンク情報)」のマップ上に、リスクにより影響を受ける納入先企業の拠点と、納入元企業の事業所それぞれの所在地が提示された地図情報(それぞれの所在地の位置にマークが提示された地図情報)を表示させるようにする。
【0059】
《納入先製品情報データベース20》
納入先製品情報データベース20は、アラート通知の送信先となるユーザ(納入元企業の事業所)を識別するユーザ識別情報(利用企業コード及利用企業事業所コード)毎に、納入先企業情報(納入先企業名、納入先拠点名)と、納入先企業の所在地情報(住所)と、納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報(都道府県名、市区町村名)と、納入先の連絡先(電話番号等の連絡先)と、納入している製品の製品情報(機械タイプ、機種、機番(品番)、製造年月日等を含む製品情報)とを対応付けて記憶しているデータベースである。
【0060】
具体的には、納入先製品情報データベース20は、
図5に示すように、「利用企業コード」を登録するためのフィールド20aと、「利用企業事業所コード」を登録するためのフィールド20bと、「納入先企業名」を登録するためのフィールド20cと、「納入先拠点名」を登録するためのフィールド20dと、「納入先所在地(住所)」を登録するためのフィールド20eと、「納入先都道府県名(エリア情報)」を登録するためのフィールド20fと、「納入先市区町村名(エリア情報)」を登録するためのフィールド20gと、「納入先電話番号」を登録するためのフィールド20hと、「機械タイプ」を登録するためのフィールド20iと、「機種名」を登録するためのフィールド20jと、「機番(品番)」を登録するためのフィールド20kと、「製造年月日」を登録するためのフィールド20lと、「制御装置メーカ」を登録するためのフィールド20mと、「制御装置モデル」を登録するためのフィールド20nと、任意情報である「汎用項目」を登録するためのフィールド20о、20p、20q、20r、20s、20tとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0061】
フィールド20aに登録される「利用企業コード」は、企業情報データベース10に登録される「利用企業コード」と同じであり、フィールド20bに登録される「利用企業事業所コード」は、企業情報データベース10に登録される「利用企業事業所コード」と同じである。
フィールド20cに登録される「納入先企業名」は、納入先企業の企業名であり、フィールド20dに登録される「納入先拠点名」は、対応する納入先企業の拠点名(例えば、大垣工場、箱崎工場等))である。
【0062】
フィールド20eに登録される「納入先所在地」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点(製品が納入され設置されている拠点)の住所である。
フィールド20fに登録される「納入先都道府県名(エリア情報)」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点がある「都道府県名」である。
フィールド20gに登録される「納入先市区町村名(エリア情報)」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点がある「市区町村名」である。
フィールド20hに登録される「納入先電話番号」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点の「電話番号」である。
【0063】
フィールド20iに登録される「機械タイプ」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点に納品された製品の種類を示すものであり、例えば、CNC旋盤等の工作機械の種類等が該当する。
フィールド20jに登録される「機種」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点に納品された製品の機種名である。
フィールド20kに登録される「機番」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点に納品された製品の機番(品番)である。
フィールド20lに登録される「製造年月日」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点に納品された製品の「製造年月日」である。
【0064】
フィールド20mに登録される「制御装置メーカ」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点に納品された製品を制御する装置のメーカ(製造企業)名である。
フィールド20nに登録される「制御装置モデル」は、フィールド20c、20dの「納入先企業名、納入先拠点」で特定される納入先企業の拠点に納品された製品を制御する装置のモデル名である。
【0065】
また、フィールド20о、20p、20q、20r、20s、20tに登録される「汎用項目」は、対応する製品固有の任意情報である。製品固有の任意情報とは、例えば、納入先企業の拠点に納品された製品の構成部品のなかの調達困難部品の部品名や部品番号や、製品の構成部品のなかの重要部品の部品名や部品番号や、製品固有の特殊仕様の情報等である。
なお、図示する例では、「汎用項目」を登録するために、6個のフィールドを設けているが、フィールドの数は適宜設計されるものである。
【0066】
《対象リスクマスタデータベース30》
対象リスクマスタデータベース30は、製品を納入するユーザ(納入元企業の事業所)毎に、対象となるリスクワードを登録するデータベースである。
【0067】
具体的には、対象リスクマスタデータベース30は、
図6に示すように、「利用企業コード(ユーザ識別情報)」を登録するためのフィールド30aと、「利用企業事業所コード」を登録するためのフィールド30bと、「利用企業コード」及び「利用企業事業所コード」により特定される「納入元企業の事業所」毎に設定する「対象リスクワード」を登録するためのフィールド30cとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0068】
フィールド30aに登録される「利用企業コード」は、上述した納入先製品情報データベース20のフィールド20aに登録されるものと同じであり、フィールド30bに登録される「利用企業事業所コード」は、上述した納入先製品情報データベース20のフィールド20bに登録されるものと同じである。
また、フィールド30cに登録される「対象リスクワード」は、フィールド30a、30bに登録されたユーザ識別情報(利用企業コード及び、利用企業事業所コード)により特定される納入元企業の事業所(拠点)毎に設定したリスクワードである。この「対象リスクワード」は、リスク情報抽出装置100のリスクワードデータベース110に登録されているリスクワードのなかから、アラート通知を受けるユーザ(納入元企業の事業所)毎に選択され登録されている。
【0069】
《リスク情報データベース40》
リスク情報データベース40は、リスク情報取得部3がリスク情報抽出装置100から取得したリスク情報(
図3参照)を登録するデータベースである。
リスク情報データベース40は、
図3に示すリスク情報(発災日時、発災ワード(リスクワード)、発災場所の地域の都道府県(エリア情報)、発災場所の地域の市区村(エリア情報)、発災ニュースURL)に、リスク情報に対するアラート通知処理が完了しているか否かを示す情報を対応付けて記憶しているデータベースである。
なお、アラート通知処理が完了しているか否かを示す情報としては、例えば、アラート通知処理が未処理の場合に「0」が登録され、アラート通知処理がなされて完了している場合に「1」が登録される。
【0070】
《アラート通知情報データベース50》
アラート通知情報データベース50は、データリンク・通知部5が生成したアラート通知情報を登録するためのデータベースである。また、アラート通知情報データベース50は、アラート通知の対象先となるユーザ(納入元企業の事業所を識別するユーザ識別情報(利用企業コード及び利用企業事業所コード))毎に、例えば、テーブル形式のデータベースが設けられている。
このアラート通知情報データベース50は、リスク内容を示すアラート理由と、アラート対象先(アラート対象の納入先企業名)と、アラート対象先に納入された機械(製品)の機械タイプ(製品種類)と、アラート対象先に納入された機械(製品)の機種名と、アラート対象先に納入された機械(製品)の機番(品番)と、アラート対象先に納入された機械(製品)の製造年月日と、アラート対象先に納入された機械(製品)の制御装置メーカと、アラート対象先に納入された機械(製品)の制御装置モデルとを対応付けて記憶している。
【0071】
具体的には、
図7に示すように、アラート通知情報データベース50は、アラート理由を登録するためのフィールド50aと、アラート対象先となる納入先企業名を登録するためのフィールド50bと、アラート対象先に納入された機械(製品)の機械タイプ(製品種類)を登録するためのフィールド50cと、当該機械(製品)の機種名を登録するためのフィールド50dと、当該機械(製品)の機番(品番)を登録するためのフィールド50eと、当該機械(製品)の製造年月日を登録するためのフィールド50fと、当該機械(製品)の制御装置メーカを登録するためのフィールド50gと、当該機械(製品)の制御装置モデルを登録するためのフィールド50hとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0072】
なお、本実施形態では、納入される機械(製品)が工場等の生産現場で稼働させる工作機械(例えば、CNC旋盤)、産業用ロボット、生産設備等の機械である場合の例であるため、機械(製品)を制御するための制御装置メーカと、機械(製品)を制御するための制御装置モデルも重要な情報になる。そのため、アラート通知に、制御装置メーカ及び制御装置モデルが含まれている。
【0073】
《アラート通知先マスタデータベース60》
アラート通知先マスタデータベース60は、アラート通知が送信されるユーザ(納入元企業の事業所)毎に、アラート通知の通知先(アラート通知の送信先情報)を対応付けて記憶しているデータベースである。
具体的には、アラート通知先マスタデータベース60は、アラート通知を受ける納入元企業の「利用企業コード」と、「利用企業事業所コード」と、「利用企業コード及び利用企業事業所コード」により特定されるユーザ(納入元企業の事業所)に対するアラート通知の「通知先(アラート通知の送信先情報(例えば、SLACK等の通知先ID))」とを対応付けて記憶している。
【0074】
《ログインマスタデータベース70》
ログインマスタデータベース70は、アラート通知が送信されるユーザ(納入元企業の事業所)が、サーバ1にアクセスして、サーバ1が提供するWebサイトにログインするための情報が登録さているデータベースである。
具体的には、ログインマスタデータベース70は、ユーザ毎に、「利用企業コード」と、当該利用企業コードにより特定される「納入元企業(利用企業)名」と、「利用企業事業所コード」と、当該利用企業事業所コードにより特定される「事象所名」と、「ログインID」と、「ログインパスワード」と、「アラート通知の送信先情報(LACK等の通知先ID)」とを対応付けて記憶しているデータベースである。
【0075】
《リスク情報取得部3》
次に、サーバ1のリスク情報取得部3の機能を説明する。
なお、リスク情報抽出装置100のリスクワードデータベース110には、リスクワードが登録されているものとする。
【0076】
サーバ1のリスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100からリスク情報を取得する処理を行う。
リスク情報を取得する処理では、リスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100の「リスク情報を抽出するAIエンジン」及び「リスク情報を提供するリスク情報提供プログラム」と連携して、リスク情報抽出装置100が、リスクワードデータベース110に登録されているリスクワードに関連するリスク情報(
図3参照)を抽出した際に、リスク情報抽出装置100から抽出したリスク情報を取得する。
具体的には、リスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100と連携して、リスク情報抽出装置100がリスク情報(リスクワードに関連するリスク情報)を抽出したタイミングで、リスク情報抽出装置100から送信されたリスク情報を受信する。
【0077】
サーバ1のリスク情報取得部3は、リスク情報抽出装置100から送信されたリスク情報を受信すると、リスク情報データベース40に、その受信したリスク情報を記憶させる。なお、リスク情報取得部3は、受信したリスク情報に対して、アラート通知処理が未処理であることを示す情報(例えば、数字の「0」)を対応付けて、リスク情報データベース40に記憶させる。
【0078】
《納入先情報取得部4》
納入先情報取得部4は、ユーザ端末151、152からアクセス要求を受け付けると、ユーザ端末151、152にWebサイトのログインページ(Webページ)を提供する。納入先情報取得部4は、ログインページ上で、ユーザ端末151、152から「ログインID及びログインパスワード」の入力を受け付けると、その受けた「ログインID及びログインパスワード」と、ログインマスタデータベース70に登録された「ログインID及びログインパスワード」とを照合して、ユーザ端末151、152のユーザ認証を行う。
なお、納入先情報取得部4は、受けた「ログインID及びログインパスワード」が、ログインマスタデータベース70に登録されていれば、そのユーザを認証して、認証したユーザ用の専用Webページを提供する。
【0079】
納入先情報取得部4は、ユーザ用の専用Webページ上で、ユーザ端末151、152から納入元企業情報(企業名、拠点名、住所、緯度、経度)や、納入先企業情報(企業名、拠点名、住所、緯度、経度)の入力を受け付け、企業情報データベース10に、受け付けた各情報を登録したり、更新したりする。
また、納入先情報取得部4は、ユーザ用の専用Webページ上で、ユーザ端末151、152から「納入先企業情報及び製品情報」の入力を受け付け、納入先製品情報データベース20に、受け付けた「納入先企業情報及び製品情報」を登録したり、更新したりする。
また、納入先情報取得部4は、ユーザ用の専用Webページ上で、ユーザ端末151、152から「対象リスクワード」の入力を受け付け、対象リスクマスタデータベース30」に、受け付けた「対象リスクワード」を登録したり、登録内容を更新したりする。
【0080】
《データリンク・通知部5》
また、データリンク・通知部5は、アラート通知を生成し、ユーザ端末151、152に生成したアラート通知を送信する処理(アラート通知を提供する処理)を行う。
以下、データリンク・通知部5が行う「アラート通知を提供する処理」について、上述した
図1~7と、
図8~10を参照しながら説明する。
【0081】
ここで、
図8は、本実施形態の災害危機管理システムのサーバのアラート通知を生成し、ユーザ端末にアラート通知を提供する処理の手順を示したフローチャートである。
図9は、本実施形態の災害危機管理システムが企業のオフィスに設置されているパソコン等の情報処理装置により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
図10は、本実施形態の災害危機管理システムが企業の担当者が保持するモバイル端末により構成されたユーザ端末に提供するアラート通知の表示画面例を示した模式図である。
【0082】
先ず、データリンク・通知部5は、リスク情報データベース40にアクセスして、リスク情報データベース40に登録されているリスク情報のなかの未処理のリスク情報を読み出し(S1)、取得する。具体的には、データリンク・通知部5は、リスク情報データベース40に登録されたリスク情報のうち、アラート通知処理が完了していないリスク情報を読み出す(アラート通知処理が完了したことを示す情報が登録されていないリスク情報を読み出す)。ここでは、
図3に示す内容のリスク情報が読み出されたものとする。
【0083】
次に、データリンク・通知部5は、対象リスクマスタデータベース30(
図6参照)にアクセスし、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる「発災ワード(リスクワード)」を対象リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)の有無を判定する。判定の結果、リスク情報に含まれる「発災ワード」を対応リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)が有る場合にS3の処理に進み、リスク情報に含まれる「発災ワード」を対象リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)が無ければ処理を終了する。
【0084】
具体的には、データリンク・通知部5は、対象リスクマスタデータベース30に登録されているレコードのなかに、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる「発災ワード(リスクワード)」を登録しているレコードがあれば、S1で読み出したリスク情報に含まれる「発災ワード」を対応リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)が有ると判定し、S3の処理に進む。
一方、データリンク・通知部5は、対象リスクマスタデータベース30に登録されているレコードのなかに、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる「発災ワード(リスクワード)」を登録しているレコードが無ければ、リスク情報に含まれる「発災ワード」を対応リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)が無いと判定し、処理を終了する。
【0085】
S3では、データリンク・通知部5は、対象リスクマスタデータベース30に登録されているレコードから、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる「発災ワード(リスクワード)」を対象リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)のユーザ識別情報(利用企業コード及び利用企業事業所コード)を読み出し、S4~S7の処理に進む。
【0086】
S4~S7の処理は、S3で読み出したユーザ識別情報(利用企業コード及び利用企業事業所コード)が複数ある場合(通常は、複数あると想定される)には、ユーザ識別情報毎に行われる。
ここでは、説明を簡略化するために、S3において、1つのユーザ(納入元企業の事業所)のユーザ識別情報(利用企業コード及び利用企業事業所コード)だけが読み出されたものとする。
【0087】
具体的には、S1で読み出したリスク情報が
図3に示す内容のものであり、「発災ワード(アラート理由)」が「洪水」になっている。
そして、
図6の対象リスクマスタデータベース30のレコードのうち、「洪水」が登録されているのが、一番上のレコードだけである場合、ユーザ識別情報として、「利用者企業コード:221001」及び「利用者企業事業所コード:3002」が読み出される。
なお、「利用者企業コード:221001」及び「利用者企業事業所コード:3002」により特定されるユーザ(納入元企業の事業所)は、「YSОL鉄工の箱崎工場になる(
図4参照)。
【0088】
S4では、データリンク・通知部5は、納入先製品情報データベース20(
図5)にアクセスして、S3で読み出したユーザ識別情報(利用者企業コード及び利用者企業事業所コード)と、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる発災場所の「エリア情報(岐阜県、大垣市)」の両者が含まれる納入先企業製品情報を読み出す。
また、データリンク・通知部5は、読み出した納入先企業製品情報からアラート対象先の納入先企業及び当該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザ(納入元企業の事業所)を特定し、S5の処理に進む。
【0089】
具体的には、S4では、データリンク・通知部5は、納入先製品情報データベース20にアクセスして、納入先製品情報データベース20に登録されているレコードのなかから、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる発災場所の「エリア情報(岐阜県、大垣市)」と、S3で読み出したユーザ識別情報(「利用者企業コード:221001」及び「利用者企業事業所コード:3002」)とが登録されているレコードを読み出す。
また、データリンク・通知部5は、読み出したレコードに登録されている納入先製品情報から、リスク情報のリスクにより影響を受ける納入先企業を特定するとともに、該読み出したレコードから当該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザ(ユーザ識別情報(利用企業コード、利用企業事業所コード))を特定する。
なお、図示していないが、S4において、納入先製品情報データベース20に、S3で読み出したユーザ識別情報及び読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる発災場所の「エリア情報」の両者が含まれる納入先企業製品情報が登録されていなければ、処理を終了する。
【0090】
図5に示す納入先製品情報データベース20の例では、エリア情報の「岐阜県、大垣市」と、ユーザ識別情報(「利用者企業コード:221001」及び「利用者企業事業所コード:3002」)が登録されているレコード(一番上に登録されているレコード)が読み出される。また、読み出されたレコードのフィールド20cに登録されている「ウルトラ重工業」が、リスク情報のリスクにより影響を受ける納入先企業として特定される。また、読み出されたレコードのフィールド20a、20bに登録されている「利用者企業コード、利用者企業事業所コード」により、リスク情報のリスクにより影響を受ける「ウルトラ重工業」に製品を納入しているユーザ(納入元企業の事業所)が特定される。
【0091】
S5では、データリンク・通知部5は、S1で読み出したリスク情報と、S4で読み出した納入先製品情報を用いて、アラート通知情報を生成し、S6の処理に進む。
具体的には、データリンク・通知部5は、S1で読み出したリスク情報の「発災ワード(リスクワード)」を「アラート理由」にし、この「アラート理由」と、S4で特定した「アラート対象先」と、S4で読み出した納入先製品情報から選定した「機械タイプ、機種、機番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデル」とが含まれているアラート通知情報を生成する。
【0092】
ここでは、S1で読み出したリスク情報の「発災ワード」である「洪水」が「アラート理由」になり、S4で特定した「アラート対象先」が「ウルトラ重工業」になり、「機械タイプ」が「CNC旋盤」になり、「機種」が「V27E」になり、「機番」が「YS1222」になり、「製造年月日」が「2016.11.26」になり、「制御装置メーカ」が「ABC」になり、「制御装置モデル」が「FF150」になっているアラート通知情報が生成される。
なお、データリンク・通知部5は、ユーザ識別情報(利用企業コード、利用企業事業所コード)に生成したアラート通知情報を対応付けて、アラート通知情報データベース50に記憶させる。
【0093】
S6では、データリンク・通知部5は、納入先企業情報データベース10にアクセスし、S4で抽出した納入先製品情報に含まれている「納入先企業名の納入先拠点」の「緯度、経度」と、S4で抽出した納入先製品情報に含まれているユーザ識別情報(利用者企業コード及び利用者企業事業所コード)により特定される「納入元企業の事業所」の「緯度、経度」を読み出す。
また、データリンク・通知部5は、読み出した「納入先企業名の納入先拠点」の「緯度、経度」と、読み出した「納入元企業の事業所」の「緯度、経度」とを用いて、納入先企業の拠点と、納入元企業の事業所が表示された地図情報を生成するとともに、その地図情報にアクセスさせるためのリンク情報を生成し、S6の処理に進む。
【0094】
なお、S6において、納入先企業(納入先企業の拠点)の所在地と、ユーザ(納入元企業の事業所)の所在地とが表示された地図情報を生成する方法については、特に限定されるものではない。
例えば、データリンク・通知部5は、読み出した「納入先企業名の納入先拠点」の「緯度、経度」と、読み出した「納入元企業の事業所」の「緯度、経度」とを用いて、S1で読み出したリスク情報に含まれる「発災ニュースURL」に含まれている発災対象地域を示すマップ上に、納入先企業(納入先企業の拠点)の所在地と、ユーザ(納入元企業の事業所)の所在地とが表示され地図情報を生成するとともに、生成した納入先提示・地図情報にアクセスさせるためのリンク情報を生成する。
【0095】
S7では、データリンク・通知部5は、S5で生成したアラート通知情報、及びS6で生成したリンク情報が含まれるアラート通知を生成する。また、データリンク・通知部5は、アラート通知先マスタデータベース60にアクセスし、S4で特定した「アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザ(納入元企業の事業所)」の「通知先(アラート通知の送信先情報)」を読み出し、読み出した「通知先」を用いて、S4で特定したユーザのユーザ端末151、152に生成したアラート通知を提供して、処理を終了する。
【0096】
また、データリンク・通知部5は、処理を終了する前に、リスク情報データベース40にアクセスして、S1で読み出したリスク情報について、アラート通知処理が完了したことを示す情報に更新しておく。
なお、データリンク・通知部5は、S2においてリスク情報に含まれる「発災ワード」を対象リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)が無かった場合についても、処理を終了する前に、S1で読み出したリスク情報について、アラート通知処理が完了したことを示す情報に更新しておく。
また、データリンク・通知部5は、S4において、納入先製品情報データベース20に、S3で読み出した「ユーザ識別情報」及びS1で読み出したリスク情報に含まれる発災場所の「エリア情報」の両者が含まれる納入先企業製品情報が登録されていなかった場合についても、リスク情報データベース40にアクセスして、S1で読み出したリスク情報について、アラート通知処理が完了したことを示す情報に更新しておく。
【0097】
また、提供するアラート通知については、特に限定されるものではないが、例えば、データリンク・通知部5は、
図9に示すアラート通知を生成し、パソコン等で構成されるユーザ端末151に送信し、ユーザ端末151のディスプレイ(表示部)にアラート通知300を表示させる。
図示するアラート通知300は、アラート通知情報が表示されている領域300aと、地図情報が含まれている発災ニュースURL(納入先企業及び納入元企業が提示された地図情報が含まれている発災ニュースURLにアクセスさせるためのリンク情報)が表示されている領域300bとを有している。
【0098】
また、例えば、データリンク・通知部300は、
図10に示すアラート通知を生成し、スマートフォン等のモバイル端末のディスプレイ(表示部)400に表示するアラート通知401を表示させる。
アラート通知401は、
図9のアラート通知の詳細情報300と同様、アラート通知情報が表示される領域401aと、地図情報が含まれている発災ニュースURL(納入先企業及び納入元企業が提示された地図情報が含まれている発災ニュースURLにアクセスさせるためのリンク情報)が表示されている領域401bとを有している。
【0099】
なお、上述した説明では、データリンク・通知部5が、ユーザ端末151、151に対して、アラート通知を送信しているが、アラート通知とともに、アラート通知よりも詳細な情報を送信するようにしても良い。
この場合、例えば、S5において、データリンク・通知部5は、アラート通知情報の生成する処理に加えて、さらに、S1で読み出したリスク情報の「発災ワード(アラート理由)」に、S4で読み出したレコードに登録された納入先製品情報の全情報を対応付けたアラート通知詳細情報を生成し、その生成したアラート通知詳細情報をCSV形式のデータに変換したCSVファイルを生成する。
そして、S7において、データリンク・通知部5が、ユーザ端末151、151に対して、アラート通知とともに、CSVファイルのアラート通知詳細情報を送信する。
【0100】
このように、本実施形態によれば、、災害、事故等のリスクが発生した際に、
図9、
図10に示すように、機械等の製品を納入(販売)している納入元企業の担当者のユーザ端末151、152に対して、リスク内容を示すアラート理由と、リスクにより影響を受ける製品を納入している納入先企業名と、納入している製品の製品情報(機械タイプ、機種、機番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデル等の製品情報)とが含まれるアラート通知を提供している。
【0101】
そのため、本実施形態によれば、災害、事故、事件等のリスクが発生した際に、機械等の製品を納入している納入元企業の担当者に対して、発生したリスクによりどの納入先企業が影響を受けたと推測され、リスクの影響を受けたと推測される納入先企業に納入された製品の製品情報(機械タイプ、機種名、機番(品番)、仕様等)を把握させることができる。
その結果、本実施形態によれば、発生したリスクにより影響を受けたと推測される納入先企業に対してどのように対応するべきかを迅速に判断させることができる。例えば、機械等の製品を納入している企業の担当者は、リスクの影響を受けたと推測される納入先企業に対して早期に連絡を取り、納入した機械が故障したような場合に、早期に修理に必要な部品や人材(修理するエンジニア)を手配して、機械の稼働開示の時期を早めることができる。
【0102】
また、本実施形態では、読み出したリスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)の有無を判定し、判定によりリスクワードを対象リスクワードにしている納入元企業が有る場合に、該当する納入企業に対してアラート通知を生成する処理をしている。
この構成によれば、製品を納入しているユーザ(納入元企業の事業所)毎に、必要なリスクワードを設定することができる。そのため、本システムのユーザ(納入元企業の事業所)は、例えば、自社の製品の納入先(納入先企業の拠点)に関係すると考えられるリスクワードを設定することで、納入先企業に必要なリスクを絞り込むことができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、アラート通知を受けた納入元企業の担当者は、地図情報にアクセスさせるためのリンク情報をクリックすることで、アラート対象先の仕入先企業の拠点と、自社の事業所の拠点とが表示された地図情報を参照することができ、アラート対象先と、自社との位置関係を把握することができる。
【0104】
以上、説明したように、本実施形態によれば、機械等の製品を納入している納入元企業に対して、災害、事故、事件等のリスクが発生した際に、リスクの影響を受けている製品の納入先企業及び納入している製品情報を把握させるための災害危機管理システム及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【0105】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
【0106】
上述した実施形態では、ユーザ(納入元企業)が、工場等で用いられる工作機械(例えば、CNC旋盤)、産業用ロボット、生産設備等の機械を納入する場合を示しているが、あくまでもこれは一例である。工場等で生産に用いられる機械以外の製品であっても本発明を適用することができる。
【0107】
また、例えば、上述して実施形態では、サーバ1に対象リスクマスタデータベース30が設けられ、サーバ1が、対象リスクマスタデータベース30を用いて、読み出したリスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザ(納入元企業の事業所)の有無を判定し、判定によりリスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合に、該当するユーザに対するアラート通知を生成して送信するようにしているが、特にこれに限定されるものではない。
例えば、
図8のフローチャートにおいて、S2、3の処理を行わず、且つS4において、サーバ1のデータリンク・通知部5は、納入先製品情報データベース20にアクセスして、納入先製品情報データベース20に登録されているレコードのなかから、S1で読み出したリスク情報(
図3参照)に含まれる発災場所の「エリア情報(岐阜県、大垣市)」が登録されているレコードを読み出すようにする。この場合、対象リスクマスタデータベース30を設ける必要がなくなる。
【0108】
また、上述した実施形態では、アラート通知に含まれている納入した機械の製品情報
は、「機械タイプ、機種、機番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデル」であったが、あくまでもこれは一例である。
例えば、アラート通知の製品情報に、「機械タイプ、機種、機番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデル」に加えて、納入先製品情報データベース20のフィールド20vの製品固有の任意情報を付加するようにしても良い。
【0109】
また、上述した実施形態では、リスク情報抽出装置(リスク情報抽出部)100が抽出するリスク情報のリスク内容が、災害、事故等のリスクである場合について述べたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、リスク内容として、戦争(ミサイル攻撃による破壊等)、テロによる爆発、事件(サイバー攻撃等の事件)等のリスクを含めるようにしても良い。この場合、リスクワードデータベース110に、戦争、テロ、事件に関するリスクワードを登録しておく。また、対象リスクワードデータベース30の対象リスクワードに、、戦争、テロ、事件に関するリスクワードを登録しておく。
【0110】
また、上述した実施形態では、製品を納入するユーザ(納入元企業の事業所)毎に、対象となるリスクワードを登録する対象リスクマスタデータベース30を設けていたが、対象リスクマスタデータベース30に替えて、「納入先企業の拠点」毎に、対象となるリスクワードを登録するデータベースを設けるようにしても良い。
【0111】
《本実施形態の変形例》
次に、上述した実施形態の変形例の災害危機管理システムについて説明する。
なお、本変形例では、上述した実施形態と同じ構成(及び相当する構成)については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0112】
本変形例の災害危機管理システムは、上述した実施形態のものと同様、ユーザ端末151、152と通信可能に構成されているサーバ1と、SNSを中心にした複数の情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知して抽出し、そのリスク情報をサーバ1に提供するリスク情報抽出装置(リスク情報抽出部)100とを有している。
また、サーバ1は、ネットワークNWを介して、納入先企業の端末(図示せず)に通信可能の構成されている。
【0113】
そして、本変形例では、上述した実施形態のサーバ1のデータ・リンク通知部5に、さらに、「被災の可能性がある納入先企業に安否確認を行う機能」と、「ユーザ(納入元企業)が被災した場合に、納入先企業の端末に納入元企業の代替拠点情報を提供する機能」と、「納期遅延の消耗品情報を提供する機能」とを付加している。
また、上記の3つの機能を実現するために、サーバ1の記憶部7に記憶させているデータベースの種類を増やしている。
先ず、本変形例のサーバ1のデータ構成について、
図11~13を参照しながら説明する。
【0114】
ここで、
図11は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサーバの記憶部に記憶されている各データベースを示した模式図である。
図12は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムを構成するサーバの記憶部に記憶されている企業情報データベースを示した模式図である。
図13は、本実施形態の変形例のメール送信・アンケート集計データベースを示した模式図である。
【0115】
図11に示すように、本変形例では、サーバ1の記憶部7に、「企業情報データベース510、納入先製品情報データベース20、対象リスクマスタデータベース30、リスク情報データベース40、アラート通知情報データベース50、アラート通知先マスタデータベース60、ログインマスタデータベース70、メール内容マスタデータベース520、アンケートマスタデータベース530、及びメール送信・アンケート集計データベース540」が記憶されている。
なお、「対象リスクマスタデータベース30、リスク情報データベース40、アラート通知情報データベース50、アラート通知先マスタデータベース60、ログインマスタデータベース70」は、上述した第1実施形態のものと同じである。
また、納入先製品情報データベース20は、上述した第1実施形態のものに対して、汎用項目を登録できるフィールドを増加させたものである。
【0116】
また、企業情報データベース510は、第1実施形態の企業情報データベース10に、さらに、「納入先企業の安否確認メール情報(安否確認メール送信先、安否確認メールアドレス)」と、「ユーザ(納入元企業)の代替拠点情報(代替拠点名、代替拠点所在地、代替拠点電話番号、代替拠点FAX番号、代替拠点メールアドレス)」とが追加されている。
【0117】
具体的には、
図12に示すように、企業情報データベース510は、「データ分類」を登録するためのフィールド510aと、「利用企業コード」を登録するためのフィールド510bと、「利用企業事業所コード」を登録するためのフィールド510cと、「企業名」を登録するためのフィールド510dと、「拠点名」を登録するためのフィールド510eと、「所在地(住所)」を登録するためのフィールド510fと、「緯度」を登録するためのフィールド510gと、「経度」を登録するためのフィールド510hと、安否確認メール送信先(納入先企業の事業所名や部署名)を登録するためのフィールド510iと、安否確認メールアドレスを登録するためのフィールド510jと、ユーザ(納入元企業)の代替拠点名を登録するためのフィールド510kと、代替拠点所在地(住所)を登録するためのフィールド510lと、代替拠点電話番号を登録するためのフィールド510mと、代替拠点FAX番号を登録するためのフィールド510nと、代替拠点メールアドレスを登録するためのフィールド510оとを有するレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0118】
なお、フィールド510a、510b、510c、510d、510e、510f、510g、510hに登録される各情報は、上述した
図4の企業情報データベース10のフィールド10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10hに登録されるものと同じである。
【0119】
また、フィールド510iに登録される「安否確認メール送信先」は、納入先企業の事業所名や部署名であり、例えば、「大垣工場〇〇担当グループ」等の情報である。
また、フィールド510jに登録される「安否確認メールアドレス」は、納入先企業の事業所名や部署名の電子メールのメールアドレスである。
なお、フィールド510i及びフィールド510jは、対応するフィールド10aに「2(納入先企業)」が登録されている場合にのみ、「安海確認メール送信先」及び「安否確認メールアドレス」が登録されるようになっており、対応するフィールド10aに「1(利用企業)」が登録されている場合には「空白」になっている(
図11の向かって左図参照)。
【0120】
フィールド510k、510l、510m、510n、510оは、対応するフィールド10aに「1(利用企業)」が登録されている場合にのみ、それぞれ、各情報が登録されるようになっており、対応するフィールド510aに「2(納入先企業)」が登録されている場合には「空白」になっている(
図11の向かって右図参照)
【0121】
メール内容マスタデータベース520は、納入元企業である利用企業(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に設定された内容のメールの送信フォームが登録されたデータベースである。
具体的には、メール内容マスタデータベース520は、利用企業を識別するユーザ識別情報(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に、「被災の可能性がある納入先企業に送るためのアンケート回答依頼メールの送信フォーム」と、「ユーザ(納入元企業)が被災した場合に、納入先企業の端末に送る代替拠点案内メールの送信フォーム」と、「納入先企業の端末に送る消耗品ご購入案内メールの送信フォーム」とを対応付けて記憶しているデータベースである。
【0122】
アンケートマスタデータベース530は、利用企業(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に設定された内容の被災状況アンケートが登録されたデータベースである。
具体的には、アンケートマスタデータベース530は、利用企業(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に、被災の可能性がある納入先企業に提供する被災状況アンケートの内容と、当該アンケートを提供するためのWebページのURLとを対応付けて記憶しているデータベースである。
【0123】
メール送信・アンケート集計データベース540は、納入元企業である利用企業(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に、リスク内容(発生日時、発生事象、発生日時)と、送信した被災状況アンケートの内容を登録するためのデータベースである。
【0124】
具体的には、
図13に示すように、メール送信・アンケート集計データベース540は、納入元企業である利用企業(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に、例えば、テーブル形式に設けられたデータベースであり、発災日時を登録するためのフィールド540aと、発生事象(アラート理由)を登録するためのフィールド540bと、発生地域を登録するためのフィールド540cと、配信先企業(納入先企業)を登録するためのフィールド540dと、アンケートの送信先(事象所、メールアドレス)を登録するためのフィールド540eと、アンケート内容を登録するためのフィールド540f、540g、540hとを備えたレコード(複数のレコード)により構成されている。
【0125】
なお、図示する例では、フィールド540fに「被災者行方不明者」、フィールド540gに「機械・建物・設備の被害」、フィールド540hに「被害状況」が登録されるようになっているが、この内容は、利用企業(利用企業コード、利用企業事業者コード)毎に設定されている。
また、後述するがデータリンク・通知部5は、メール送信・アンケート集計データベース540にレコードを登録した際には、フィールド540f、540gに未回答を登録する。また、データリンク・通知部5は、アンケートの回答を受けた場合に、フィールド540f、540gに回答内容である「「あり」、「なし」及び「確認中」」のいずれかを登録する。また、データリンク・通知部5は、アンケート回答において、被害状況を示すテキストデータを受け付けた場合、フィールド540hに受け付けたテキストデータを登録し、被害状況を示すテキストデータを受け付けなかった場合には、フィールド540hは空白(NULL)のままにしておく。
【0126】
《納入先企業に安否確認を行う機能》
次に、サーバ1のデータ・リンク通知部5が「被災の可能性がある納入先企業に安否確認を行う機能」について、
図14、
図15を参照しながら説明する。
ここで、
図14は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムが、被災の可能性がある納入先企業の担当者の端末に送信する安否確認情報を説明するための模式図であり、(a)が納入先企業の担当者の端末に送信する安否確認のアンケート依頼メールの内容を示した模式図であり、(b)が納入先企業の担当者の端末に提供する被災状況アンケートを示すWebページを示した模式図である。
また、
図15は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入元企業のユーザ端末に提供する、納入先企業への安否確認のアンケートの配信先・回答状況情報を示した模式図である。
【0127】
本変形例では、サーバ1のデータリンク・通知部5は、上述した
図8に示す各処理ステップを実行して、ユーザ端末151、152にアラート通知を送信した後、さらに、アラート通知のアラート対象先になっている納入先企業に対して、安否確認のアンケート依頼メールを送信する。
【0128】
具体的には、サーバ1のデータリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152にアラート通知を送信した後、企業情報データベース510にアクセスして、アラート通知のアラート対象先の企業名と、対象となっているリスク情報に含まれるエリア情報が登録されているレコードを読み出す。例えば、
図11の例では、向かって右側に記載されている「ウルトラ重工業、大垣工場」が登録されているレコードを読み出し、当該レコードに登録されている「安否確認メール送信先、安否確認メールアドレス」を抽出する。
【0129】
また、データリンク・通知部5は、メール内容マスタデータベース520にアクセスして、アラート通知を送信したユーザ(納入元企業)に対応付けられたアンケート回答依頼メールの送信フォームを読み出す。また、データリンク・通知部5は、アンケートマスタデータベース530にアクセスして、アラート通知を送信したユーザ(納入元企業)に対応付けられた被災状況アンケートの内容と、当該アンケートを提供するためのWebページのURLとを読み出す。
【0130】
そして、データリンク・通知部5は、対象となっているリスク情報に含まれる「発災ワード、発災日時」と、上記の抽出した「安否確認メール送信先」と、上記の読み出した「アンケート回答依頼メールの送信フォーム及びアンケートを提供するためのWebページのURL」を用いて、
図14(a)に示すアンケート回答依頼メール600を生成する。
また、データリンク・通知部5は、上記の抽出した「安否確認メールアドレス」に、アンケート回答依頼メール600を送信する。これにより、被災の可能性がある納入先企業の端末に対して、アンケート回答依頼メール600が送られる。
【0131】
図14(a)に示すように、アンケート回答依頼メール600には、安否確認メールの送信先(ウルトラ重工業、大垣工場)と、リスク内容(発災日時、発災内容)と、アンケート回答依頼文と、アンケートを提供するためのWebページのURLとが記載されている。
このメール600を受信した納入先企業の担当者が、WebページのURLをクリックすると、納入先企業の担当者の端末に、
図14(b)に示す被災アンケート画面603(Webページ)が提供される。
すなわち、サーバ1のデータリンク・通知部5は、納入先企業の担当者の端末に、
図14(b)に示す被災状況アンケート画面603を提供して、当該端末から被災状況のアンケート情報を受け取る。
【0132】
また、データリンク・通知部5は、被災の可能性がある納入先企業の端末に対して、アンケート回答依頼メール600が送信すると、メール送信・アンケート集計データベース540にアクセスし、フィールド540aに対応する「発災日時」が登録され、フィールド540bに対応する「発災事象(アラート理由)」が登録され、フィールド540cに対応する「発災地域」が登録され、フィールド540eに対応する「配信先企業」が登録され、フィールド540eに対応する「配信先」が登録され、フィールド540f、540gに「未回答」が登録され、フィールドに「空白」が登録されたレコードを生成し、メール送信・アンケート集計データベース540に記憶させる。
【0133】
また、データリンク・通知部5は、納入先企業の担当者の端末からアンケートの回答を受け取ると、メール送信・アンケート集計データベース540にアクセスし、対応するレコードの情報を更新する。
例えば、データリンク・通知部5は、納入先企業の担当者の端末から、「負傷者・行方不明者に関する回答」、「建物・機械・設備の被害に関する回答」、及び「被害状況のテキストデータ」を受け付けたとする。この場合、データリンク・通知部5は、メール送信・アンケート集計データベース540にアクセスし、対応するレコードのフィールド540f、540gにそれぞれ受け付けた情報(「あり」「なし」及び「確認中」のいずれか)を登録し、フィールド540hに受け付けたテキストデータを登録する。
また、例えば、データリンク・通知部5は、納入先企業の担当者の端末から、「負傷者・行方不明者に関する回答」、「建物・機械・設備の被害に関する回答」だけを受け付けたとする。この場合、データリンク・通知部5は、メール送信・アンケート集計データベース540にアクセスし、対応するレコードのフィールド540f、540gにそれぞれ受け付けた情報(「あり」「なし」及び「確認中」のいずれか)を登録し、フィールド540hは空白のままにしておく。
【0134】
また、データリンク・通知部5は、納入元企業である利用企業のユーザ端末151、152からの要求に応じて、ユーザ端末151、152に対して、当該利用企業の納入先企業に対する安否確認メールの配信先・回答状況を示す情報を提供する。
具体的には、データリンク・通知部5は、納入元企業である利用企業のユーザ端末151、152からの要求を受けると、メール送信・アンケート集計データベース540にアクセスして、その利用企業に対応するレコードを読み出し、読み出したレコードを用いて、
図15に示す配信先・回答状況情報605を生成し、ユーザ端末151、151に対して、配信先・回答状況情報605を提供する。
【0135】
この構成によれば、製品の納入元企業である利用企業は、災害が発生した際に、自身の顧客である納入先企業が被災した可能性が有る場合に、その納入先企業の被害状況を具体的に確認することができ、より実効性のある顧客支援の内容を検討することができる。
【0136】
《代替拠点情報を提供する機能》
次に、サーバ1のデータリンク・通知部5が行う「ユーザ(納入元企業)が被災した場合に、納入先企業の端末に納入元企業の代替拠点情報を提供する機能」について、
図16を用いて説明する。
ここで、
図16は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入元企業のユーザ端末に提供する代替拠点の通知内容確認画面を示した模式図である。
【0137】
サーバ1のデータリンク・通知部5は、
図8のS1で取得した未処理のリスク情報を取得すると、
図8のS2~S7の処理とは別に、ユーザ(納入元企業)が被災しているか否かを判定する。
そして、ユーザが被災しているときには、データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152に対して、納入先企業に代替拠点情報を提供するための「代替拠点の通知内容確認画面(Webページ)」を提供する。データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152のユーザ(担当者)が「通知内容確認画面」上で内容を確認したり一部修正すると、それを受け付け、納入先企業の端末に、代替拠点情報を提供するようになっている。
【0138】
具体的には、データリング・通知部5は、
図8のS1で取得した未処理のリスク情報を取得すると、企業情報データベース510にアクセスし、取得したリスク情報に含まれる場所のエリア情報(都道府県、市区町村)を所在地にしている、利用企業(納入元企業)が登録されたレコードを読み出す。
また、データリング・通知部5は、読み出した利用企業(納入元企業)が登録されたレコードから、フィールド510d、510dの「利用企業名及び拠点」と、フィールド510k~510оの「代替先拠点情報」とを抽出する。
【0139】
また、データリンク・通知部5は、メール内容マスタデータベース520にアクセスして、対応する代替拠点案内メールの送信フォームを読み出し、その送信フォームと、取得したリクス情報と、企業情報データベース510から読み出して抽出した「利用企業名及び拠点」及び「代替先拠点情報」とを用いて、
図16に示す通知内容確認画面610を生成する。
この通知内容確認画面610は、日時情報(〇〇年〇月〇日〇時〇分)と、発信元(納入元企業名、拠点)と、災害により連絡が取れない可能性を示す説明文と、代替拠点情報とが提示されている。
そして、データリンク・通知5は、対応するユーザ(被災した疑いがあるユーザ)のユーザ端末151、152に通知内容確認画面510が提示されたWebページを提供する。
【0140】
ユーザ端末151、152の担当者(ユーザ)は、実際に被災しており、顧客である納入先企業に代替拠点情報を案内する必要があると判断したときには、通知内容確認画面510が提示されたWebページ上で内容を確認して必要な情報を付加したり、不要な情報を削除した上で、データリンク・通知部5に、代替拠点情報を案内するメール送信依頼を行う。
データリンク・通知部5は、ユーザからメール送信依頼を受けると、納入先製品情報データベース20を参照して、当該ユーザの納入先企業を特定し、且つ、企業情報データベース510から特定した納入先企業のメールアドレス(安否確認メールアドレスを用いる)を読み出し、読み出したメールアドレスに、通知内容確認画面510の情報が提示されたメールを送信する。
【0141】
この構成によれば、本変形例のシステムを利用しているユーザ(納入元企業)が被災したケースにおいて、被災したユーザの担当者に負担をかけることなく、ユーザの顧客である納入先企業に対して、早期に代替拠点情報を提供することができる。
【0142】
《納期遅延の消耗品情報を提供する機能》
次に、サーバ1のデータリンク・通知部5が行う「納入先企業の端末に納入元企業の納期遅延の消耗品情報を提供する機能」について、
図17、18を用いて説明する。
ここで、
図17は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入元企業のユーザ端末に提供する消耗品ご購入案内メール通知画面を示した模式図である。
また、
図18は、本実施形態の変形例の災害危機管理システムが納入先業の端末に提供する消耗品ご購入案内メールを示した模式図である。
【0143】
本変形例では、上述した実施形態の納入先製品情報データベース20(
図5参照)に、消耗品情報(消耗品の品番等)を登録できる、複数のフィールドが追加されている。
そして、サーバ1のデータリンク・通知部5は、上述したアラート通知を提供する処理(
図8参照)を行った後、アラート通知を送ったユーザ端末151、152に対して、「消耗品ご購入案内メール通知画面(
図17参照)」を提供する。
データリンク・通知部5は、ユーザ端末151、152のユーザ(担当者)が、「消耗品ご購入案内メール通知画面」上で対象商品となる商品(消耗品)を入力すると、それを受け付けて、対応する納入先企業の端末に、消耗品ご購入案内メール(
図18参照)を送信する。
【0144】
具体的には、データリング・通知部5は、上述したアラート通知を提供する処理(
図8参照)を行った後、納入先製品情報データベース20にアクセスし、アラート対象先となった納入先企業に納品している製品の消耗品情報を抽出する。
【0145】
また、データリンク・通知部5は、メール内容マスタデータベース520にアクセスして、消耗品ご購入案内メールの送信フォームを読み出し、その送信フォームと、取得した消耗品情報とを用いて、
図17に示す「消耗品ご購入案内メール通知画面620を含むWebページを生成し、ユーザ端末151、152にWebページを提示する。このWebページには、上記の抽出した消耗品情報も提示されている。
【0146】
ユーザ端末151、152の担当者(ユーザ)は、ユーザ端末151、152を操作して、Webページ上で、提示された消耗品情報を確認して、納期遅延の消耗品があれば、それを消耗品ご購入案内メール通知画面620に入力するとともに、所望の文章(テキストデータ)があれば、消耗品ご購入案内メール通知画面620に所望の文章を追加入力した上で、データリンク・通知部5にメール送信依頼を行う。
データリンク・通知部5は、ユーザからメール送信依頼を受けると、企業情報データベース510から、アラート対象先となった納入先企業のメールアドレス(安否確認メールアドレスを用いる)を読み出し、読み出したメールアドレスに、例えば、
図18に示す消耗品ご購入案内メールを送信する。
【0147】
この構成によれば、被災した納入先企業に対して、納品されている機械の「納期遅延の消耗品情報」を提供することができる。
【符号の説明】
【0148】
1…サーバ装置
3…リスク情報取得部
4…納入先情報取得部
5…データリンク・通知部
7…記憶部
10、510…企業情報データベース
20…納入先製品情報データベース
30…対象リスクマスタデータベース
40…リスク情報データベース
50…アラート通知情報データベース
60…アラート通知先マスタデータベース
70…ログインマスタデータベース
100…リスク情報抽出装置
110…リスクワードデータベース
US1、US2、USn…ユーザ側システム
150…基幹システムサーバ
151、152…ユーザ端末
520…メール内容マスタデータベース
530…アンケートマスタデータベース
540…メール送信・アンケート集計データベース
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、
前記リスク情報には、リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、
前記サーバ装置は、
前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶している納入先製品情報データベースと、
前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、
前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業を特定するとともに該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、前記特定したユーザのユーザ端末に対して前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有していることを特徴とする災害危機管理システム。
【請求項2】
前記データリンク・通知部は、前記納入先製品情報データベースにアクセスし、該取得したリスク情報に含まれるエリア情報が含まれている納入先製品情報を抽出し、該抽出した納入先製品情報から前記アラート対象先の納入先企業及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定することを特徴とする請求項1に記載の災害危機管理システム。
【請求項3】
前記ユーザ識別情報毎に、対象リスクワードを対応付けて記憶している対象リスクマスタデータベースを備え、
前記データリンク・通知部は、
前記対象リスクマスタデータベースにアクセスし、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザの有無を判定し、該判定により該リスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合に前記アラート理由を生成するようになっており、
前記リスクワードを対象リスクワードにしているユーザが有る場合、前記納入先製品情報データベースにアクセスし、前記リスク情報に含まれるリスクワードを対象リスクワードにしているユーザのユーザ識別情報と、前記取得したリスク情報に含まれるエリア情報の両者が含まれている納入先製品情報を抽出し、該抽出した納入先製品情報から前記アラート対象先の納入先企業及び該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項4】
前記製品には、工作機械、産業用ロボット、生産設備が含まれており、
前記製品情報には、機械タイプ、機種名、品番、製造年月日、制御装置メーカ、制御装置モデルが含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項5】
前記納入先製品情報データベースの製品情報には、前記アラート通知で通知したい対応する製品固有の任意情報を含めることができるようになっており、
前記アラート通知の製品情報には、前記製品固有の任意情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項6】
前記リスク情報抽出部は、
前記リスクワードの入力を受け付け、受け付けたリスクワードを記憶しているリスクワードデータベースを有し、SNSを含む複数の情報ソースから大量の情報を収集し、その収集した大量の情報から、記憶しているリスクワードをリスク内容にしているリスク情報を検知し抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項7】
前記納入先企業の企業名及び拠点名に、該納入先企業のメールアドレスを対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、
前記データリンク・通知部は、
前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信した後、前記企業情報データベースにアクセスし、該アラート通知のアラート対象先の納入先企業の前記メールアドレスを読み出し、その読み出した該メールアドレスに、被災状況を確認するためのアンケートを提供するWebページのURLが記載されたアンケートメールを送信し、該納入先企業から該Webページ上で被災状況の回答を受け付けるとともに、
前記アラート通知を送った前記ユーザ端末に対して、前記アンケートの送信先及び該アンケートの回答状況を示す情報を提供するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項8】
前記ユーザ識別情報に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザである前記納入元企業の企業名及び拠点名と、該納入元企業及び拠点の代替拠点情報とを対応付けて記憶しているとともに、前記納入先企業の企業名を含む納入先企業情報に該納入先企業のメールアドレス対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、
前記代替拠点情報は、代替先拠点名、代替先拠点所在地、代替先拠点連絡先が含まれており、
前記データリンク・通知部は、
前記取得したリスク情報及び前記企業情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受ける前記納入元企業であるユーザを特定し、該企業情報データベースから前記特定したユーザの前記代替拠点情報を読み出し、発信元になる納入元企業名及び拠点と、災害により連絡が取れない可能性を示す説明文と、前記代替拠点情報とが提示されてる通知内容確認画面情報を生成し、該特定したユーザの前記ユーザ端末に前記通知内容確認画面情報を送信し、
前記ユーザ端末から前記代替拠点情報を案内するメール送信依頼を受け付けると、前記納入先製品情報データベースを参照して、前記ユーザの納入先企業を特定し、且つ、前記企業情報データベースから前記特定した納入先企業のメールアドレスを読み出し、読み出した該メールアドレスに、前記通知内容確認画面情報が含まれる内容が提示されたメールを送信するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害危機管理システム。
【請求項9】
製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているコンピュータに、該ユーザが製品を納入している納入先企業に関係するアラート通知を生成して前記ユーザ端末に該アラート通知を提供させる処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータは、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部と通信可能に構成されているとともに、納入先製品情報データベースを記憶しており、
前記リスク情報には、リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、
前記納入先製品情報データベースは、前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶しており、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、
前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得する処理と、
前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業を特定するとともに該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成する処理と、
前記特定したユーザの前記ユーザ端末に前記生成したアラート通知を送信する処理と、を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1態様は、製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているサーバ装置と、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部とを備えた災害危機管理システムであって、前記リスク情報には、リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、前記サーバ装置は、前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶している納入先製品情報データベースと、前記リスク情報抽出部と通信可能に構成され且つ前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得するリスク情報取得部と、前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業を特定するとともに該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成し、前記特定したユーザのユーザ端末に対して前記アラート通知を送信するデータリンク・通知部とを有していることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、前記納入先企業の企業名及び拠点名に、該納入先企業のメールアドレスを対応付けて記憶している企業情報データベースを有し、前記データリンク・通知部は、前記ユーザ端末に前記アラート通知を送信した後、前記企業情報データベースにアクセスし、該アラート通知のアラート対象先の納入先企業の前記メールアドレスを読み出し、その読み出した該メールアドレスに、被災状況を確認するためのアンケートを提供するWebページのURLが記載されたアンケートメールを送信し、該納入先企業から該Webページ上で被災状況の回答を受け付けるとともに、前記アラート通知を送った前記ユーザ端末に対して、前記アンケートの送信先及び該アンケートの回答状況を示す情報を提供するようになっていることが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
また、本発明の第2態様は、製品の納入元企業であるユーザのユーザ端末と通信可能に構成されているコンピュータに、該ユーザが製品を納入している納入先企業に関係するアラート通知を生成して前記ユーザ端末に該アラート通知を提供させる処理を実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは、SNSを含む情報ソースから収集した情報から災害、事故を含むリスク内容を示すリスクワードを含むリスク情報を検知し抽出するリスク情報抽出部と通信可能に構成されているとともに、納入先製品情報データベースを記憶しており、前記リスク情報には、リスクの発生場所の地域を示すエリア情報が含まれており、前記納入先製品情報データベースは、前記ユーザを識別するユーザ識別情報毎に、該ユーザ識別情報により特定されるユーザから製品を納入した納入先企業の企業名と、該納入先企業の所在地の地域を示すエリア情報と、該納入先企業に納入された製品の製品情報とを対応付けた納入先製品情報を記憶しており、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、前記リスク情報抽出部から前記リスク情報を取得する処理と、前記取得したリスク情報及び前記納入先製品情報データベースを用いて、前記取得したリスク情報により影響を受けるアラート対象先の納入先企業を特定するとともに該アラート対象先の納入先企業に製品を納入しているユーザを特定し、前記取得したリスク情報に含まれるリスクワードをアラート理由とし、該アラート理由と、該特定した納入先企業の企業名と、該特定した納入先企業に納入した製品の製品情報を含むアラート通知を生成する処理と、前記特定したユーザの前記ユーザ端末に前記生成したアラート通知を送信する処理と、を実行させることを特徴とする。