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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126344
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20240912BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240912BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240912BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240912BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21V23/00 170
F21S2/00 310
F21S2/00 312
F21S2/00 360
F21S2/00 390
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034657
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 康平
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】従来よりも意匠性が向上する照明器具を提供する。
【解決手段】本開示に係る照明器具は、内部に光源が配置される筒状の反射部材と、前記光源が取り付けられるソケットと、前記反射部材の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔が形成され、前記反射部材と前記ソケットとの間に設けられ、前記貫通孔に前記光源が挿入されるカバーと、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光源が配置される筒状の反射部材と、
前記光源が取り付けられるソケットと、
前記反射部材の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔が形成され、前記反射部材と前記ソケットとの間に設けられ、前記貫通孔に前記光源が挿入されるカバーと、
を備えている
照明器具。
【請求項2】
前記カバーは、前記貫通孔の縁部に向かうにしたがって前記ソケットに近づく傾斜部を備えている
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記カバーを基準として前記ソケット側となる位置に、前記ソケットと電線で接続された端子台を備えている
請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記反射部材及び前記ソケットが取り付けられた取付カバーを備え、
前記取付カバーは、前記反射部材を位置決めする位置決め部を備え、
前記反射部材と前記カバーとの並び方向に、前記カバー及び前記取付カバーを前記反射部材側から観察した際、前記位置決め部は前記カバーに覆われている
請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天井等の被取付部に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
天井等の被取付部に設置される照明器具として、次のような構成の照明器具が知られている。照明器具は、内部に光源が配置される筒状の反射部材と、光源が取り付けられるソケットとを備えている(特許文献1参照)。光源は、直管型及び電球型等の光源である。このように構成された照明器具は、反射部材のソケット側とは反対側の開口部から、光源が発した光を空間に放出することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-056379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように構成された従来の照明器具は、光源をソケットに取り付けても、室内側からソケットが見えやすかった。また、ソケットに電力を導く電線が該ソケットに接続されている場合、上述のように構成された従来の照明器具は、光源をソケットに取り付けても、室内側から該電線が見えやすかった。このように、上述のように構成された従来の照明器具は、意匠性が低下してしまうという課題があった。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、従来よりも意匠性が向上する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、内部に光源が配置される筒状の反射部材と、前記光源が取り付けられるソケットと、前記反射部材の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔が形成され、前記反射部材と前記ソケットとの間に設けられ、前記貫通孔に前記光源が挿入されるカバーと、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
光源をソケットに取り付けた状態の本開示に係る照明器具を室内側から見た際、光源の周囲は、カバーに隠れる。このため、光源をソケットに取り付けた状態の本開示に係る照明器具を室内側から見た際、ソケット及び該ソケットに接続された電線が見えにくくなる。したがって、本開示に係る照明器具は、従来よりも意匠性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る照明器具を下方から見た斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明器具を下方から見た分解斜視図である。
図3】実施の形態に係る照明器具を上方から見た分解斜視図である。
図4】実施の形態に係る照明器具の縦断面図である。
図5】実施の形態に係る取付カバーを上方から見た斜視図である。
図6】実施の形態に係る取付カバーを下方から見た斜視図である。
図7】実施の形態に係るソケットを上方から見た斜視図である。
図8】実施の形態に係るソケットを下方から見た斜視図である。
図9】実施の形態に係る反射部材を上方から見た斜視図である。
図10】実施の形態に係る反射部材を下方から見た斜視図である。
図11】実施の形態に係る光源を示す側面図である。
図12】実施の形態に係るカバーを示す斜視図である。
図13】従来の照明器具の配光角を説明するための図であり、比較例に係る照明器具の縦断面図である。
図14】従来の照明器具の配光角を説明するための図であり、比較例に係る照明器具の縦断面図である。
図15】実施の形態に係る照明器具の配光角を説明するための図であり、当該照明器具の縦断面図である。
図16】実施の形態に係る照明器具の配光角を説明するための図であり、当該照明器具の縦断面図である。
図17】実施の形態に係る照明器具の配光角を説明するための図であり、当該照明器具の縦断面図である。
図18】実施の形態に係るカバーの変形例を示す斜視図である。
図19】実施の形態に係る照明器具の変形例を示す縦断面図である。
図20】実施の形態に係る照明器具が備える光源の変形例の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施の形態において、本開示に係る照明器具の一例を説明する。なお、以下の実施の形態では、照明器具の構成を説明する際、上、下及び横等の用語を用いて方向を表す場合がある。この方向は、天井等の被取付部に設置された照明器具を観察した際の方向である。
【0010】
図1は、実施の形態に係る照明器具を下方から見た斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具を下方から見た分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明器具を上方から見た分解斜視図である。図4は、実施の形態に係る照明器具の縦断面図である。
照明器具1は、器具本体10を備えている。また、照明器具1は、光源20を備えている。なお、光源20は、照明器具1の構成となっていなくてもよい。すなわち、例えば、照明器具1は、光源20が取り付けられていない状態で販売等されていてもよい。本実施の形態において、照明器具1は、天井等の被取付部に設けられた取り付け穴に埋め込められて取り付けられるものである。なお、照明器具1は、天井等の被取付部に直付けされるものであってもよい。
【0011】
器具本体10は、被取付部に取り付けられ、光源20が取り付けられるものである。器具本体10は、取付カバー11、ソケット12、端子台13、反射部材14、取付ばね15、及びカバー16を備えている。
【0012】
図5は、実施の形態に係る取付カバーを上方から見た斜視図である。図6は、実施の形態に係る取付カバーを下方から見た斜視図である。
取付カバー11は、ソケット12及び反射部材14等が取り付けられ、反射部材14の上側を覆うように配置されるものである。取付カバー11は、カバー天板部111、第1カバー側部112、カバー取付部113、第2カバー側部114、及び位置決め部115を有する。取付カバー11は、第1カバー側部112、カバー取付部113、第2カバー側部114、及び位置決め部115により、下方向側に開口するカバー連通部116が形成されている。本実施の形態において、取付カバー11は、1枚の板金を折り曲げて形成したものであるが、これに限らない。取付カバー11は、押し出し成型によって形成されたものでもよく、複数の板金を溶接で溶着したものでもよい。また、取付カバー11は、樹脂等で形成されたものでもよい。
【0013】
カバー天板部111は、矩形の板状に形成されたものである。カバー天板部111には、ソケット位置決め孔1111、ソケット取付ねじ孔1112、端子台位置決め孔1113、及び端子台取付ねじ孔1114が形成されている。
【0014】
取付カバー11は、一対の第1カバー側部112を備えている。一対の第1カバー側部112は、カバー天板部111の対向する辺から下方へ突出している。一対の第1カバー側部112には、横方向の端部の一方の下部に、切り欠き1121が形成されている。具体的には、一対の第1カバー側部112の切り欠き1121が形成されている側の端部は、一対の第1カバー側部112の横方向の端部のうち、第2カバー側部114側の端部とは反対側の端部である。
【0015】
カバー取付部113は、第1カバー側部112のそれぞれの下側の端部から、カバー天板部111から離れる方向へ突出している。カバー取付部113には、カバー取付孔1132が形成されている。カバー取付孔1132には、取付カバー11に反射部材14を取り付けるためのカバー取付ねじ1131が挿入される。
【0016】
第2カバー側部114は、カバー天板部111の辺のうちの一対の第1カバー側部112が突出している辺同士の間の辺から、下方へ突出している。位置決め部115は、反射部材14を位置決めする部分である。位置決め部115は、第2カバー側部114の下側の端部から、カバー天板部111から離れる方向へ突出している。位置決め部115には、反射部材14の位置決めに用いられる位置決め溝1151が形成されている。
【0017】
図7は、実施の形態に係るソケットを上方から見た斜視図である。図8は、実施の形態に係るソケットを下方から見た斜視図である。
ソケット12は、光源20が取り付けられるものである。このソケット12は、カバー天板部111に取り付けられる。本実施の形態では、ソケット12は、円柱状に形成されている。ソケット12は、ソケット位置決め部121、ソケット取付部122、光源取付部123、及び電線連結部124を有する。
【0018】
ソケット位置決め部121は、ソケット12の上側の端部から上方へ突出している。本実施の形態では、ソケット位置決め部121は、円柱状に形成されている。これに限らず、ソケット位置決め部121は、多角柱状に形成されていてもよい。ソケット位置決め部121は、ソケット12がカバー天板部111に取り付けられる際、ソケット位置決め孔1111に挿入される。これにより、ソケット12がカバー天板部111に対して位置決めされる。
【0019】
ソケット取付部122は、ソケット12の上側の端部から横方向へ突出している。ソケット取付部122には、上下方向に貫通したソケット取付孔1221が形成されている。ソケット取付孔1221に挿入されたソケット取付ねじ1222がカバー天板部111のソケット取付ねじ孔1112にねじ込まれることにより、ソケット12はカバー天板部111の下面に固定される。すなわち、ソケット12は、取付カバー11のカバー連通部116に配置される。
【0020】
光源取付部123は、ソケット12の下側の端部に設けられた円筒部分である。該円筒部分の内周部には、雌ねじ部1231が形成されている。該雌ねじ部1231に光源20の後述する被取付部22がねじ込まれることにより、ソケット12に光源20が取り付けられる。
【0021】
電線連結部124は、ソケット12の側部に設けられている。電線連結部124は、端子台13から延びる電線1241が接続されるものである。
【0022】
端子台13は、カバー天板部111の下面に取り付けられている。端子台13は、図示しない外部電源から延びる電線と、ソケット12に延びる電線1241とを接続するものである。換言すると、外部電源から延びる電線及び電線1241は、外部電源から供給された電力をソケット12に導く電線である。端子台13は、一対の第1カバー側部112の間に配置されている。また、端子台13は、一対の第1カバー側部112の並び方向と垂直な方向に、ソケット12と並んで配置されている。また、端子台13は、側面視において、第1カバー側部112の切り欠き1121の上側に配置されている。端子台13は、端子台位置決め部131、外部電線用端子133、及び電線用端子134を有している。また、端子台13には、端子台取付孔132が形成されている。
【0023】
端子台位置決め部131は、端子台13の上側の端部から上方向側へ突出している。本実施の形態では、端子台位置決め部131は、円柱状に形成されている。これに限らず、端子台位置決め部131は、多角柱状に形成されていてもよい。端子台位置決め部131は、端子台13がカバー天板部111に取り付けられる際、端子台位置決め孔1113に挿入される。これにより、端子台13がカバー天板部111に対して位置決めされる。
【0024】
端子台取付孔132は、ソケット12の上下方向に貫通する孔である。端子台取付孔132には、端子台取付ねじ1321が挿入される。端子台取付孔132に挿入された端子台取付ねじ1321がカバー天板部111の端子台取付ねじ孔1114にねじ込まれることにより、端子台13はカバー天板部111の下面に固定される。すなわち、端子台13は、取付カバー11のカバー連通部116に配置される。
【0025】
外部電線用端子133は、図示しない外部電源から延びる図示しない外部電線が接続される端子である。
【0026】
電線用端子134は、ソケット12に延びる電線1241が接続される端子である。
【0027】
ここで、上述のように、端子台13は、側面視において、第1カバー側部112の切り欠き1121の上側に配置されている。このため、このように配置された端子台13は、第1カバー側部112の切り欠き1121から手を入れて配線作業できることから、配線作業がしやすい。
【0028】
図9は、実施の形態に係る反射部材を上方から見た斜視図である。図10は、実施の形態に係る反射部材を下方から見た斜視図である。
反射部材14は、筒状に形成されており、取付カバー11に取り付けられている。反射部材14は、内部に光源20が配置され、光源20から発せられた光を反射するものである。反射部材14は、例えば、プラスチック等の樹脂で形成されている。反射部材14は、反射部141、鍔部142、取付ばね取付部143、及びカバー位置決め部144を有している。また、反射部材14には、カバー取付ねじ孔145が形成されている。以下、反射部材14の上側の開口部を反射部材連通部146と称する。また、反射部材14の下側の開口部を照射開口147と称する。反射部材連通部146は、後述する第1反射部1411における後述の第2反射部1412とは反対側の開口部となる。照射開口147は、後述する第2反射部1412における後述の第1反射部1411とは反対側の開口部となる。光源20が発した光は、照射開口147から、照明器具1が設置された室の空間に放出される。
【0029】
反射部141は、筒状に形成されており、反射部材14のうちの、光源20から発せられた光を反射する箇所である。反射部141は、該反射部141の上側部分を構成する第1反射部1411と、該反射部141の下側部分を構成する第2反射部1412とを備えている。
【0030】
第1反射部1411は、反射面である内部形状が円筒状に形成されたものである。
【0031】
第2反射部1412は、第1反射部1411の下側に、第1反射部1411と連続して設けられている。第2反射部1412は、反射面である内部形状が下方へ向かうにつれて直径が大きくなる円錐台形状に形成されている。換言すると、第2反射部1412の反射面である内部形状は、第1反射部1411から離れるにつれて直径が大きくなる円錐台形状に形成されている。なお、図4からわかるように、反射部材14は、ソケット12の下方に設けられている。このため、第2反射部1412は、第1反射部1411を基準としてソケット12とは反対側に設けられているということもできる。
【0032】
鍔部142は、反射部141の下側の端部から横方向へ、反射部141の中心から離れる方向へ突出している。鍔部142は、照明器具1が天井等の被取付部の埋込穴に設置された場合に、被取付部の下面と対向するように配置されるものである。
【0033】
取付ばね取付部143は、反射部141の外周部に設けられ、取付ばね15が取り付けられるものである。本実施の形態において、取付ばね取付部143は、3か所に設けられている。これに限らず、取付ばね取付部143は、2か所であってもよいし、4か所以上であってもよい。
【0034】
カバー位置決め部144は、反射部141の上側の端部から、上方向側へ突出している。カバー位置決め部144は、反射部材14が取付カバー11に取り付けられる際、位置決め部115の位置決め溝1151に挿入される。これにより、反射部材14が取付カバー11に対して位置決めされる。
【0035】
カバー取付ねじ孔145は、反射部材14の上端部に形成され、雌ねじが形成された孔である。カバー取付部113のカバー取付孔1132に挿入されたカバー取付ねじ1131がカバー取付ねじ孔145にねじ込まれることにより、反射部材14は取付カバー11に固定される。この状態は、カバー連通部116が反射部材連通部146に連通する状態となる。
【0036】
取付ばね15は、弾性を有するばねである。取付ばね15は、上述のように、取付ばね取付部143に取り付けられる。取付ばね15は、照明器具1が天井等の被取付部の埋込穴に設置された場合に、被取付部の埋込穴の縁部に引っ掛かって照明器具1を被取付部に保持するものである。
【0037】
図11は、実施の形態に係る光源を示す側面図である。
光源20は、図示しない外部電源から電力が供給されて光を発するものである。光源20は、被取付部22、発光部23、及び透光カバー24を備えている。被取付部22は、ソケット12に取り付けられる箇所である。本実施の形態では、被取付部22の外周部に雄ネジが形成されている。そして、ソケット12の雌ねじ部1231に被取付部22をねじ込むことにより、光源20がソケット12に取り付けられる。発光部23は、発光するものである。本実施の形態では、発光部23はLEDとなっている。なお、発光部23は、発光すればよく、LED以外のものであってもよい。透光カバー24は、発光部23を覆い、発光部23から発せられた光が通り抜けるものである。なお、本実施の形態では、光源20は、電球型の光源となっている。これに限らず、光源20として、直管型の光源等、種々の光源を用いることができる。
【0038】
図12は、実施の形態に係るカバーを示す斜視図である。
カバー16は、例えば円盤状に形成されている。カバー16は、例えば、金属製の部品である。カバー16は、反射部材14とソケット12との間に設けられている。すなわち、カバー16を基準とした場合、ソケット12及び端子台13は、反射部材14とは反対側に位置している。換言すると、端子台13は、カバー16を基準として、ソケット12側となる位置に配置されている。
【0039】
このカバー16には、反射部材14の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔である光源用開口161が形成されている。より詳しくは、このカバー16には、反射部材14の第1反射部1411の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔である光源用開口161が形成されている。光源用開口161は、例えば、カバー16の中央部に形成されている。そして、光源用開口161に光源が挿入されている。
【0040】
ここで、筒状の反射部材を備えた従来の照明器具は、光源をソケットに取り付けても、室内側からソケットが見えやすかった。また、ソケットに電力を導く電線が該ソケットに接続されている場合、筒状の反射部材を備えた従来の照明器具は、光源をソケットに取り付けても、室内側から該電線が見えやすかった。このように、筒状の反射部材を備えた従来の照明器具は、意匠性が低下してしまうという課題があった。
【0041】
一方、本実施の形態に係る照明器具1においては、光源20をソケット12に取り付けた状態では、光源20の周囲は、カバー16に隠れる。このため、光源20をソケット12に取り付けた状態の照明器具1を室内側から見た際、ソケット12及び該ソケット12に接続された電線1241が見えにくくなる。したがって、本実施の形態に係る照明器具1は、従来よりも意匠性が向上する。
【0042】
また、カバー16は、次のような機能も有している。筒状の反射部材14の内部に光源20が配置される場合、光源20の直径が大きくなると、ソケット12に光源20をつまむことが難しくなる。しかしながら、照明器具1がカバー16を備えることにより、光源用開口161に光源20を挿入して、ソケット12に光源20を取り付ける構成となる。このため、照明器具1がカバー16を備えることにより、ソケット12に取り付けることができる光源20の直径を制限することができる。
【0043】
本実施の形態では、カバー16は、次のように固定されている。
カバー16は、取付カバー11と反射部材14との間に挟まれて配置されている。カバー16には、カバー取付ねじ用開口162及びカバー位置決め用開口163が形成されている。
【0044】
カバー取付ねじ用開口162は、上下に貫通する孔であり、反射部材14のカバー取付ねじ孔145と対向する位置に形成されている。カバー取付部113のカバー取付孔1132及びカバー16のカバー取付ねじ用開口162に挿入されたカバー取付ねじ1131がカバー取付ねじ孔145にねじ込まれることにより、カバー16は、取付カバー11と反射部材14とに挟まれて固定される。
【0045】
カバー位置決め用開口163は、上下に貫通する孔であり、反射部材14のカバー位置決め部144と対向する位置に形成されている。カバー位置決め部144がカバー位置決め用開口163に挿入されることにより、カバー16は、反射部材14に対して位置決めされる。また、カバー位置決め部144が位置決め部115の位置決め溝1151に挿入されることにより、カバー16は、取付カバー11に対して位置決めされる。
【0046】
なお、例えば、取付カバー11の位置決め部115の位置決め溝1151は、位置決め部115の外周部を反射部材14のカバー位置決め部144の外周部に合わせて形成した場合、外周側に面取りをする大きさを確保できずに、周縁部が鋭利な形状となってしまう場合がある。このため、本実施の形態では、反射部材14とカバー16との並び方向に、カバー16及び取付カバー11を反射部材14側から観察した際、取付カバー11の位置決め部115がカバー16に覆われている構成となっている。換言すると、照明器具1の下方からカバー16及び取付カバー11を観察した際、取付カバー11の位置決め部115がカバー16に覆われている構成となっている。具体的には、本実施の形態では、カバー16の外径を反射部材14の上側の端部の外径よりも大きくしている。例えば、カバー16の外径は、反射部材14の上側の端部の外径よりも5mm以上大きくなっている。これにより、カバー16は、位置決め溝1151に鋭利な形状となっている部分があっても、当該部分を保護ことができる。これにより、照明器具1の安全性が向上する。
【0047】
ここで、第1反射部及び第2反射部を有する反射部材を備えた従来の照明器具においては、光源のソケット側の端部とは反対側の端部は、第2反射部の内部に配置されていた。一方、図4に示すように、本実施の形態に係る照明器具1においては、光源20のソケット12側の端部とは反対側の端部25は、第1反射部1411の内部に配置されている。以下、本実施の形態に係る照明器具1においてこのような位置に光源20が配置されていることの理由について、説明していく。
【0048】
図13及び図14は、従来の照明器具の配光角を説明するための図であり、比較例に係る照明器具の縦断面図である。比較例に係る照明器具100は、本実施の形態に係る照明器具1に対して、光源20の配置位置のみを従来の照明器具の位置に変更したものである。図15から図17は、実施の形態に係る照明器具の配光角を説明するための図であり、当該照明器具の縦断面図である。なお、図15及び図16に示す本実施の形態に係る照明器具1の一例と、図17に示す本実施の形態に係る照明器具1の一例とでは、光源20の端部25の位置が異なっている。具体的には、図17に示す本実施の形態に係る照明器具1の一例は、図15及び図16に示す本実施の形態に係る照明器具1の一例と比べ、光源20の端部25が第1反射部1411の内部において下方に配置されている。
【0049】
以下、これらの図を用いて、光源20の配置位置によって配光角が変化することを説明する。この説明にあたって、第1反射部開口端部1411a、第2反射部開口端部1412a、及び仮想線30を次のように定義する。第1反射部開口端部1411aは、第1反射部1411の内周部の上端である。すなわち、第1反射部開口端部1411aは、反射部材連通部146の縁部である。第2反射部開口端部1412aは、第2反射部1412の内周部の下端である。すなわち、第2反射部開口端部1412aは、照射開口147の縁部である。仮想線30は、照明器具1及び照明器具100の縦断面において、第1反射部開口端部1411aを一方側の端部とする光源20の表面の接線である。換言すると、仮想線30は、第1反射部1411及び第2反射部1412の並び方向に沿って切断した照明器具1及び照明器具100の断面において、第1反射部開口端部1411aを一方側の端部とする光源20の表面の接線である。
【0050】
上述のように、比較例に係る照明器具100は、従来の照明器具の位置に光源20が配置されている。すなわち、比較例に係る照明器具100においては、光源20のソケット12側の端部とは反対側の端部25は、第2反射部1412の内部に配置されている。このような場合、図13に示すように、第1反射部開口端部1411aから延びる仮想線30は、第2反射部開口端部1412aの内側を通過する。すなわち、第1反射部開口端部1411aから延びる仮想線30は、照射開口147を通過する。また、比較例に係る照明器具100においては、光源20から発せられた光が第2反射部1412で反射した場合の入射角である入射角α1は、図14に示すようになる。
【0051】
一方、上述のように、本実施の形態に係る照明器具1においては、光源20のソケット12側の端部とは反対側の端部25は、第1反射部1411の内部に配置されている。このような場合、図15に示すように、第1反射部開口端部1411aから延びる仮想線30は、第2反射部開口端部1412aの外側を通過する。すなわち、第1反射部開口端部1411aから延びる仮想線30は、第1反射部1411又は第2反射部1412に当たる。また、本実施の形態に係る照明器具1においては、光源20から発せられた光が第2反射部1412で反射した場合の入射角である入射角α2は、図16に示すようになる。なお、図17に示す本実施の形態に係る照明器具1は、第1反射部開口端部1411aから延びる仮想線30が第2反射部開口端部1412aを通過する例を示している。
【0052】
図14で示した比較例に係る照明器具100の入射角α1と、図16で示した本実施の形態に係る照明器具1の入射角α2とを比較する。比較例に係る照明器具100は、本実施の形態に係る照明器具1と比べ、光源20が下方に配置される。このため、比較例に係る照明器具100の入射角α1は、本実施の形態に係る照明器具1の入射角α2と比べ、小さくなる。また、光源20から出射されて第2反射部1412に反射された光は、再び第2反射部1412に向かう割合と比べて、照射開口147に向かう割合が大きくなる。このとき、入射角α1は入射角α2よりも小さいので、比較例に係る照明器具100は、本実施の形態に係る照明器具1と比べ、照射開口147から空間に放出される光と光源20の光軸26との角度が大きくなる。この結果、比較例に係る照明器具100は、本実施の形態に係る照明器具1と比べ、配光角が大きくなる。換言すると、従来の照明器具は、本実施の形態に係る照明器具1と比べ、配光角が大きくなる。すなわち、本実施の形態1に係る照明器具1は、従来の照明器具と比べ、配光角が大きくなることを抑制できる。
【0053】
また、図15及び図16で示した本実施の形態に係る照明器具1と、図17で示した本実施の形態に係る照明器具1とを比較する。図17で示した照明器具1は、上述のように、図16で示した照明器具1と比べ、光源20の端部25が第1反射部1411の内部において下方に配置されている。このため、図17で示した照明器具1は、図16で示した照明器具1と比べ、光源20から発せられた光が第2反射部1412に反射せずに直接照射開口147を通過する量が多くなる。したがって、図17で示した照明器具1は、図16で示した照明器具1と比べ、光の利用効率が良くなる。このため、本実施の形態に係る照明器具1は、仮想線30が第2反射部開口端部1412aに接する位置に光源20を配置することが好ましい。換言すると、本実施の形態に係る照明器具1は、第1反射部1411の内部においてなるべく下方に光源20が配置されていることが好ましい。
【0054】
最後に、本実施の形態に係る照明器具の変形例について、幾つか紹介する。
【0055】
図18は、実施の形態に係るカバーの変形例を示す斜視図である。図19は、実施の形態に係る照明器具の変形例を示す縦断面図である。なお、図19に示す照明器具1は、図18に示すカバー16を備えたものである。
【0056】
図19に示す照明器具1は、貫通孔である光源用開口161の縁部に向かうにしたがってソケット12に近づく傾斜部164を備えている。傾斜部164が設けられていることによって、光源20をソケット12に取り付ける際に、ユーザーが光源20を持つことができる面積が増える。このため、傾斜部164が設けられていることによって、光源20の脱着作業を容易にすることができる。また、傾斜部164が光源20のガイドになって、光源20をソケット12に容易に取り付けることができる。
【0057】
図20は、実施の形態に係る照明器具が備える光源の変形例の一部を示す図である。
光源20の変形例の透光カバー24は、凸部21及び凹部のうちの少なくとも一方を備えている。図20は、透光カバー24が複数の凸部21を備えた例を示している。凸部21は、例えば、光源20をソケット12に取り付ける際に該光源20を回す方向に対して、公差した方向に延びている。なお、透光カバー24に凸部21を設ける場合、凸部21は、1つであってもよいし、複数であってもよい。また、透光カバー24に、少なくとも1つの凹部を設けてもよい。また、透光カバー24に少なくとも1つの凸部21と少なくとも1つの凹部の双方を設けてもよい。透光カバー24が凸部21及び凹部のうちの少なくとも一方を備えることにより、ユーザーが光源20の脱着作業を行う際、滑りにくくなる。このため、透光カバー24が凸部21及び凹部のうちの少なくとも一方を備えることにより、光源20の脱着作業を容易にすることができる。
【0058】
以上、本実施の形態に係る照明器具1は、内部に光源20が配置される筒状の反射部材14と、光源20が取り付けられるソケット12と、反射部材14の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔である光源用開口161が形成され、反射部材14とソケット12との間に設けられ、光源用開口161に光源20が挿入されるカバー16と、を備えている。
【0059】
このように構成された照明器具1は、ソケット12及び該ソケット12に接続された電線1241が見えにくくなる。したがって、このように構成された照明器具1は、従来よりも意匠性が向上する。
【0060】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変更及び置換を加えることができる。
【0061】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
内部に光源が配置される筒状の反射部材と、
前記光源が取り付けられるソケットと、
前記反射部材の内周部の直径よりも小さな直径の貫通孔が形成され、前記反射部材と前記ソケットとの間に設けられ、前記貫通孔に前記光源が挿入されるカバーと、
を備えている
照明器具。
(付記2)
前記カバーは、前記貫通孔の縁部に向かうにしたがって前記ソケットに近づく傾斜部を備えている
付記1に記載の照明器具。
(付記3)
前記カバーを基準として前記ソケット側となる位置に、前記ソケットと電線で接続された端子台を備えている
付記1又は付記2に記載の照明器具。
(付記4)
前記反射部材及び前記ソケットが取り付けられた取付カバーを備え、
前記取付カバーは、前記反射部材を位置決めする位置決め部を備え、
前記反射部材と前記カバーとの並び方向に、前記カバー及び前記取付カバーを前記反射部材側から観察した際、前記位置決め部は前記カバーに覆われている
付記1~付記3のいずれか1つに記載の照明器具。
【符号の説明】
【0062】
1 照明器具、10 器具本体、11 取付カバー、111 カバー天板部、1111 ソケット位置決め孔、1112 ソケット取付ねじ孔、1113 端子台位置決め孔、1114 端子台取付ねじ孔、112 第1カバー側部、1121 切り欠き、113 カバー取付部、1131 カバー取付ねじ、1132 カバー取付孔、114 第2カバー側部、115 位置決め部、1151 位置決め溝、116 カバー連通部、12 ソケット、121 ソケット位置決め部、122 ソケット取付部、1221 ソケット取付孔、1222 ソケット取付ねじ、123 光源取付部、1231 雌ねじ部、124 電源連結部、1241 電線、13 端子台、131 端子台位置決め部、132 端子台取付孔、1321 端子台取付ねじ、133 外部配線用端子、134 電線用端子、14 反射部材、141 反射部、1411 第1反射部、1411a 第1反射部開口端部、1412 第2反射部、1412a 第2反射部開口端部、142 鍔部、143 取付ばね取付部、144 カバー位置決め部、145 カバー取付ねじ孔、146 反射部材連通部、147 照射開口、15 取付ばね、16 カバー、161 光源用開口、162 カバー取付ねじ用開口、163 カバー位置決め用開口、164 傾斜部、20 光源、21 凸部、22 被取付部、23 発光部、24 透光カバー、25 端部、26 光軸、30 仮想線、100 照明器具(比較例)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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