(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126387
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ラベル作成装置、プリンタ、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 21/00 20060101AFI20240912BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20240912BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
B41J3/36 T
G06T11/60 100A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034737
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】石田 美菜子
【テーマコード(参考)】
2C055
2C187
5B050
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
2C187AC05
2C187AC08
2C187AD06
2C187AE01
2C187AG07
2C187BF42
2C187CD12
2C187CD18
2C187DB49
5B050BA06
5B050BA13
5B050BA16
5B050CA07
5B050EA07
5B050EA19
5B050FA02
5B050FA09
(57)【要約】
【課題】ラベル画像を編集する際のレイアウトの設定をユーザが自由に実行できるラベル作成装置、プリンタ、及びプログラムを提供する。
【解決手段】ラベル作成装置は、ラベルを作成するラベル作成装置であって、ラベルに印刷されるラベル画像を編集する編集画面を表示可能な表示部と、表示部を制御する制御部とを備え、制御部は、表示部に表示された編集画面に対して、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線を表示する表示処理と、表示部に表示された矩形線の1辺を示す第1線を、第1線に対向する他辺である第2線に向けて移動する移動操作を受け付けた場合、第1線と平行な分割線を、第1線と第2線との間に追加する第1追加処理と、分割線で第1分割領域と第2分割領域とに分割された矩形領域に対し、第1分割領域に第1オブジェクトを配置し第2分割領域に第2オブジェクトを配置する配置処理とを実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを作成するラベル作成装置であって、
前記ラベルに印刷されるラベル画像を編集する編集画面を表示可能な表示部と、
前記表示部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記表示部に表示された前記編集画面に対して、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線を表示する表示処理と、
前記表示部に表示された前記矩形線の1辺を示す第1線を、前記第1線に対向する他辺である第2線に向けて移動する移動操作を受け付けた場合、前記第1線と平行な分割線を、前記第1線と前記第2線との間に追加する第1追加処理と、
前記分割線で第1分割領域と第2分割領域とに分割された前記矩形領域に対し、前記第1分割領域に第1オブジェクトを配置し前記第2分割領域に第2オブジェクトを配置する配置処理と
を実行することを特徴とするラベル作成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記分割線と平行な前記矩形線上又は前記矩形線よりも外側に、前記分割線を移動する操作を受け付けた場合、移動する操作がされた前記分割線を削除する第1削除処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル作成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1分割領域を示す前記矩形線のうち前記分割線と交差する1辺である第3線を、前記第3線と対向する他辺である第4線に向けて移動する移動操作を受け付けた場合、前記分割領域を分割する分割線を追加する第2追加処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル作成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1追加処理により追加された前記分割線の位置を変更する位置変更処理を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル作成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記矩形線及び前記分割線により決定される分割領域の大きさに応じて、前記分割領域に配置された前記オブジェクトのサイズを変更するサイズ変更処理を実行する
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のラベル作成装置。
【請求項6】
前記表示部は、タッチパネルである
ことを特徴とする請求項1に記載のラベル作成装置。
【請求項7】
請求項1に記載の前記ラベル作成装置と、
前記ラベル作成装置の前記配置処理により前記オブジェクトが配置されることにより作成された前記ラベル画像を印刷する印刷機構と
を備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
ラベルに印刷されるラベル画像を編集する編集画面を表示可能な表示部と、前記表示部を制御する制御部とを備えたラベル作成装置を制御する為のコンピュータに、
前記表示部に表示された前記編集画面に対して、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線を表示する表示処理と、
前記表示部に表示された前記矩形線の1辺を示す第1線を、前記第1線に対向する他辺である第2線に向けて移動する移動操作を受け付けた場合、前記第1線と平行な分割線を、前記第1線と前記第2線との間に追加する第1追加処理と、
前記分割線で第1分割領域と第2分割領域とに分割された前記矩形領域に対し、前記第1分割領域に第1オブジェクトを配置し前記第2分割領域に第2オブジェクトを配置する配置処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル作成装置、プリンタ、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の通信システムは、携帯電話、及びプリンタ等を備える。携帯電話は、予め用意されたレイアウトを複数表示する。画像編集装置の使用時、ユーザは、予め用意されたレイアウトの中から1つを選択して、ラベル画像を編集する。プリンタは、編集されたテキスト、及び画像等を印字したラベルを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記システムにおいて、ユーザは、予め用意されたレイアウト以外のレイアウトでラベル画像を作成したい場合、ユーザが作成したいレイアウトの設定を行うことは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、ラベル画像を編集する際のレイアウトの設定をユーザが自由に実行できるラベル作成装置、プリンタ、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、例えば、以下の態様を開示する。
【0007】
本発明の第1態様に係るラベル作成装置は、ラベルを作成するラベル作成装置であって、前記ラベルに印刷されるラベル画像を編集する編集画面を表示可能な表示部と、前記表示部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部に表示された前記編集画面に対して、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線を表示する表示処理と、前記表示部に表示された前記矩形線の1辺を示す第1線を、前記第1線に対向する他辺である第2線に向けて移動する移動操作を受け付けた場合、前記第1線と平行な分割線を、前記第1線と前記第2線との間に追加する第1追加処理と、前記分割線で第1分割領域と第2分割領域とに分割された前記矩形領域に対し、前記第1分割領域に第1オブジェクトを配置し前記第2分割領域に第2オブジェクトを配置する配置処理とを実行することを特徴とする。
【0008】
上記ラベル作成装置は、矩形線の1辺を移動操作するだけで簡単にレイアウトを編集できる。故に、ユーザは、ラベル画像を編集する際のレイアウト設定を自由に実行できる。
【0009】
本発明の第2態様に係るプリンタは、第1態様に記載の前記ラベル作成装置と、前記ラベル作成装置の前記配置処理により前記オブジェクトが配置されることにより作成された前記ラベル画像を印刷する印刷機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
プリンタは、第1態様に係るラベル作成装置と同様の効果を得る。
【0011】
本発明の第3態様に係るプログラムは、ラベルに印刷されるラベル画像を編集する編集画面を表示可能な表示部と、前記表示部を制御する制御部とを備えたラベル作成装置を制御する為のコンピュータに、前記表示部に表示された前記編集画面に対して、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線を表示する表示処理と、前記表示部に表示された前記矩形線の1辺を示す第1線を、前記第1線に対向する他辺である第2線に向けて移動する移動操作を受け付けた場合、前記第1線と平行な分割線を、前記第1線と前記第2線との間に追加する第1追加処理と、前記分割線で第1分割領域と第2分割領域とに分割された前記矩形領域に対し、前記第1分割領域に第1オブジェクトを配置し、前記第2分割領域に第2オブジェクトを配置する配置処理とを実行させることを特徴とする。
【0012】
プログラムは、第1態様に係るラベル作成装置と同様の効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】オブジェクトが配置されていないラベル画像Imの編集態様を示す図である。
【
図4】オブジェクトが配置されたラベル画像Imの編集態様を示す図である。
【
図7】レイアウト処理のフローチャートであって、
図6の続きである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1を参照し、プリンタ1の概要について説明する。プリンタ1には、印刷媒体が収容されたカセット8が装着される。印刷媒体は、粘着剤によって感熱紙が剥離紙に貼付されたテープ状である。
【0015】
プリンタ1は、カセット8から印刷媒体を繰り出し、サーマルヘッド38により印刷を実行する。プリンタ1は、印刷された印刷媒体を切断部40によって切断する。これにより、プリンタ1は、文字列等が印刷されたラベルを作成できる。以下、ラベルに印刷する画像データを、「ラベル画像Im」ともいう。
【0016】
プリンタ1の電気的構成について説明する。プリンタ1は、CPU31、RAM32、フラッシュメモリ33、EEPROM34、入力部36、タッチパネル37、サーマルヘッド38、ローラ39、及び切断部40を備える。CPU31は、プリンタ1の制御を行う。CPU31は、RAM32、フラッシュメモリ33、EEPROM34、入力部36、タッチパネル37、サーマルヘッド38、ローラ39、及び切断部40と電気的に接続する。
【0017】
RAM32は、種々のデータを一時的に記憶する。フラッシュメモリ33には、CPU31がプリンタ1を制御する為に実行する各種プログラムが記憶される。EEPROM34には、印刷用ドットパターンデータが、書体やサイズ毎に分類されて記憶される。
【0018】
入力部36はキーボードである。タッチパネル37はLCD等のパネルである。タッチパネル37は、各種情報を表示し、且つタッチ操作可能である。タッチパネル37は、編集画面371(
図2参照)を表示可能である。編集画面371は、印刷媒体に印刷されるラベル画像Imを編集する為のものである。ユーザは、タッチパネル37及び入力部36を操作して、ラベル画像Imの編集を行う。
【0019】
サーマルヘッド38は、CPU31からの信号に応じて発熱し、印刷媒体に印刷を行う。ローラ39は、印刷媒体を送る送りローラである。切断部40は、サーマルヘッド38により印刷された印刷媒体を切断する。サーマルヘッド38、ローラ39、及び切断部40等を総称して「印刷機構」ともいう。
【0020】
図2を参照して、ラベル画像Imのレイアウト編集の一例について説明する。以下の説明では、
図2の紙面の左右方向を編集画面371の左右方向とし、
図2の紙面の上下方向を編集画面371の上下方向とする。ラベル画像Imを編集する場合、ユーザは、プリンタ1を編集モードに設定する。タッチパネル37には編集画面371が表示される。この場合、編集画面371には、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線7が表示される。矩形線7は、第1矩形線71A、第2矩形線71B、第3矩形線72A、及び第4矩形線72Bで構成される。第1矩形線71A、第2矩形線71Bは、上下に延びる破線であり、左右方向に対向する。第3矩形線72A、第4矩形線72Bは、左右に延びる実線であり、上下方向に対向する。レイアウト編集時、ユーザは、タッチ操作により、矩形線7及び矩形線7の内部の線分を選択して、所定の位置へ移動させる(以下、「移動操作」ともいう)。
【0021】
図2(A)に示すように、ユーザは、第2矩形線71Bを移動操作して、第2矩形線71Bを、矩形線7の内側、即ち第1矩形線71Aへ向けて移動する(矢印A1参照)。ユーザは、所定の位置でタッチ操作を解除して、第2矩形線71Bの選択を解除する(以下「解除操作」ともいう)。この場合、矩形線7の内側、即ち第2矩形線71Bと第1矩形線71Aとの間に分割線71Cが追加される(
図2(B)参照)。分割線71Cは、上下方向に延びる破線である。つまり、分割線71Cは、第2矩形線71Bと平行に延びる。矩形線7は、分割線71Cにより、分割領域11と分割領域12とに左右に分割される。分割領域12は、分割領域11と同じ矩形状である。なお、ユーザは、第1矩形線71Aを第2矩形線71Bへ向けて移動操作及び解除操作することでも、
図2(B)の矩形線7示すレイアウトに編集可能である。
【0022】
図2(C)に示すように、ユーザは、例えば上記レイアウトの編集を行った後、タッチ操作により分割領域11、12を選択し、入力部36を操作してオブジェクトを入力可能である。ユーザは、分割領域11に対して、オブジェクト「ほうきの絵」を入力し、分割領域12に対して、オブジェクト「掃除道具入れ」を入力して配置する(
図2(A)参照)。
【0023】
ここで、各オブジェクトのオブジェクトサイズは、各分割領域11、12に配置可能な最大のフォントサイズに自動で調整される。最大のフォントサイズは、分割領域11、12の上下方向の長さに夫々対応する。なお、分割領域11、12の左右方向の長さは、夫々、配置されたオブジェクトの左右方向の長さに応じて伸縮する。つまり、分割領域12の左右方向の長さは、オブジェクト「掃除道具入れ」の長さと対応して延びる。
【0024】
図3、
図4を参照して、ラベル画像Imのレイアウト編集の一例について説明する。以下の説明では、
図2と同様の構成には同様の符号を付し詳細な説明を省略する。なお、
図3、
図4の紙面の左右方向を編集画面371の左右方向とし、
図3、
図4の紙面の上下方向を編集画面371の上下方向とする。
図3のレイアウト編集では、第3矩形線72A、第4矩形線72Bを使用した分割線72C、72Dの追加、及び分割線72C、72Dの移動及び削除を中心に説明する。以下の説明では、
図3(A)、
図3(B)の説明は、
図2(A)、
図2(B)と同様の点は省略する。
【0025】
図3(B)に示すように、ユーザは、分割領域12を構成する第3矩形線72Aを選択して下方に移動操作を行う(矢印A2参照)。ユーザは、分割領域12の上下方向における中央位置で解除操作を行う。この場合、分割領域12の内側、即ち分割領域12の上下方向における中央位置に、分割領域12を分割する分割線72Cが追加される(
図3(C)参照)。分割線72Cは、左右方向に平行に延びる実線である。分割線72Cの追加により、分割領域13が形成される。分割領域12は、上下の幅が約半分に縮小される。縮小後の分割領域12の上側に分割領域13が配置される。なお、分割領域12、13の左右方向の長さも約半分に縮小される。分割領域12、13の左右方向の長さは、各分割領域12、13に配置可能なオブジェクトの最大フォントサイズに基づき決定される。分割領域12、13のいずれかにオブジェクトが配置されている場合は、そのオブジェクトに応じて左右方向の長さが決定され、分割領域12、13の何れかにもまだオブジェクトが配置されていない場合は、分割領域12、13のうち大きいほうの分割領域に配置可能な最大サイズのオブジェクトの1文字分の長さを左右方向の長さとする。
【0026】
図3(C)に示すように、ユーザは、分割領域12を示す矩形線7のうち分割線71Cと交差する第4矩形線72Bを、分割領域12の内側、例えば上方に向けて移動操作を行う(矢印A3参照)。ユーザは、分割領域12の内側且つ上下方向の中央位置で、第4矩形線72Bの解除操作を行う。この場合、分割領域12の内側、即ち分割領域12の上下方向における中央位置に、分割領域12を分割する分割線72Dが追加される(
図3(D)参照)。分割線72Dは、左右方向に延びる実線である。分割線72Dの追加により、分割領域14が形成される。分割領域12は上下方向に約半分に縮小される。分割領域12、14は、略同じ矩形状となる。分割領域13、12、14はこの順で上方から下方に向けて並ぶ。なお、分割領域13、12、14の左右方向の長さは、変更ないものとする。
【0027】
図4を参照して、オブジェクトが入力された状態でのレイアウト編集について説明する。ユーザは、例えば上記レイアウトの編集後、タッチ操作により分割領域11~14を選択し、入力部36を操作してオブジェクトを入力する。以下の説明では、
図3(D)に示す分割領域11にオブジェクト「ほうきの絵」、分割領域12にオブジェクト「リビングサービス」、分割領域13にオブジェクト「掃除道具入れ」、分割領域14にオブジェクト「052-123-4567」が夫々配置された場合を想定する(
図4(A)参照)。なお、ユーザがオブジェクトを入力するタイミングは任意に行ってよい。例えば、
図3(C)に示す分割領域11~13に、任意のオブジェクトを夫々入力した後に、分割領域14を追加してもよい。
【0028】
図4(A)に示すように、ユーザは、分割線72Dを移動操作して、分割線72Dを下方に向けて移動する(矢印A4参照)。ユーザは、矩形線7の第4矩形線72B上又は矩形線7の外側で、解除操作を行う。この場合、分割線72Dは削除される。これに伴い、分割領域14は、オブジェクト「052-123-4567」と共に削除される(
図4(B)参照)。分割領域12は、削除された分割領域14の分だけ上下に拡大する。分割領域12のオブジェクト「リビングサービス」は、分割領域12の上下幅に応じたフォントサイズに変更される。
【0029】
図4(B)に示すように、ユーザは、分割線72Cを下方に向けて移動操作する(矢印A5参照)。ユーザは、例えば分割領域12の上下方向の中央位置で、分割線72Cの解除操作を行う。中央位置とは、分割線72Cの隣り合う平行線である第3矩形線72Aと第4矩形線72Bの内側にある位置である。この場合、分割線72Cは、分割領域12の上下方向の中央位置に移動する。分割領域12の上下幅が約半分に縮小される。オブジェクト「リビングサービス」は、分割領域12の上下幅に応じたフォントサイズで表示される。一方、分割領域13の上下幅は、分割領域12が縮小した分だけ拡大する。オブジェクト「掃除道具入れ」は、拡大した上下幅に応じたフォントサイズで表示される。これに伴い、分割領域13の左右方向の幅は、オブジェクトの左右方向の長さが長くなった分だけ長くなる。分割領域12の左右方向の幅は、分割領域13の長さに連動して、分割領域13の左右方向の幅と等しく調整される。これにより、分割領域12には余白が生じる。ユーザは、分割領域12の余白に対して、例えば
図4(D)に示すように、ユーザは、オブジェクト「052-123-4567」を、分割領域12に追加する。
【0030】
図4(D)に示すように、ユーザは、分割線71Cを移動操作して、左方向へ移動させる。例えば、ユーザは、第1矩形線71A上、又は、矩形線7の外側まで分割線71Cを移動して解除操作を行う。この場合、分割線71Cが削除される。これにより、分割領域11は、オブジェクト「ほうきの絵」と共に削除される(
図4(E)参照)。
【0031】
図5~
図7を参照し、メイン処理について説明する。以下の説明では、第1矩形線71A~第4矩形線72Bを「矩形線」、分割領域11~14を「分割領域」、分割線71C、72C、72Dを「分割線」という場合がある。
【0032】
プリンタ1に電源が投入されると、CPU31は、フラッシュメモリ33からプログラムを読み出して、メイン処理を実行する。メイン処理が開始されると、CPU31は、タッチパネル37に編集画面371を表示する(S1)。CPU31は、タッチパネル37に表示された編集画面371に対して、矩形線7を表示する(S3)。
【0033】
CPU31は、移動操作を受け付けたか否か判断する(S5)。移動操作を受け付けたと判断した場合(S5:YES)、CPU31は、
図6、
図7に示すレイアウト処理を実行する。レイアウト処理の実行後、S5の判断処理に戻る。
【0034】
レイアウト処理が実行されると、CPU31は、第1矩形線71A又は第2矩形線71Bが移動操作されたか否か判断する(S101)。例えばCPU31は、矩形線7の内側に第1矩形線71A又は第2矩形線71Bが移動した状態で解除操作された場合、第1矩形線71A又は第2矩形線71Bが操作されたと判断する。
【0035】
第1矩形線71A又は第2矩形線71Bが移動操作されたと判断した場合(S101:YES)、CPU31は、上下方向に平行な分割線を、矩形線7の内側に追加する(S103)。この場合、例えば
図3(B)に示す分割線71Cが追加される。上下方向に平行な分割線は、その間に左右方向に平行な分割線がすでに存在していても、第3矩形線72A、第4矩形線72Bにわたる分割線として追加される。CPU31は、分割された分割領域の上下幅に応じてオブジェクトのフォントサイズを設定する(S105)。また、分割前の矩形領域(または分割領域)にすでにオブジェクトが配置されている場合は、配置されているオブジェクトのフォントサイズを、分割された分割領域の上下幅に応じたフォントサイズに変更する。CPU31は、処理をメイン処理に戻す。
【0036】
第1矩形線71A又は第2矩形線71Bが操作されていないと判断した場合(S101:NO)、CPU31は、第3矩形線72A又は第4矩形線72Bが操作されたか否か判断する(S107)。例えばCPU31は、第3矩形線72A又は第4矩形線72Bが矩形線7の内側へ移動した状態で解除操作された場合、第3矩形線72A又は第4矩形線72Bが操作されたと判断する。
【0037】
第3矩形線72A又は第4矩形線72Bが操作されたと判断した場合(S107:YES)、CPU31は、分割線を追加する(S109)。例えば、
図3(C)、
図3(D)に示す分割線72C、72Dが追加される。このとき追加される分割線は、
図3(A)のように分割線71Cが追加される前であれば、矩形線7を構成する第1矩形線71Aから第2矩形線71Bにわたる分割線として追加されるが、
図3(B)のように、上下方向にわたる分割線71Cが追加された後は、操作位置にある矩形線を含む分割領域に対して、分割線が追加される。すなわち、
図3(C)で追加される分割線72Cは、分割線71Cから第2矩形線71Bまでの長さを有する分割線である。
【0038】
CPU31は、分割領域の上下幅が変更されるので、分割線により上下に分割された分割領域の上下幅に応じたフォントサイズに変更する(S111)。オブジェクトが分割領域に配置されている場合、変更されたフォントサイズにオブジェクトの大きさが調整される。つまり、CPU31は、分割領域に配置されたオブジェクトのサイズを、分割領域の大きさに応じて変更する。CPU31は、処理をメイン処理に戻す。
【0039】
第3矩形線72A又は第4矩形線72Bが操作されていないと判断した場合(S107:NO)、CPU31は、分割線が操作されたとして、分割線の解除操作した位置が分割線と平行に隣り合う平行線(矩形線又は分割線)の内側であるか否か判断する(S113)。分割線の解除操作した位置が隣り合う平行線(矩形線又は分割線)の内側であると判断した場合(S113:YES)、CPU31は、分割線の解除操作をした位置に、分割線の位置を変更する(S115)。例えば、
図4(B)、
図4(C)に示すように分割線72Dが移動される。この場合、分割領域の上下幅は変更されるので、変更された分割領域の上下幅に応じたフォントサイズに変更する(S117)。オブジェクトが分割領域に配置されている場合、変更されたフォントサイズにオブジェクトの大きさは調整される(
図4(B)、
図4(C)参照)。CPU31は、処理をメイン処理に戻す。
【0040】
一方、分割線の解除操作した位置が隣り合う平行線(矩形線又は分割線)より手前ではないと判断した場合(S113:NO)、例えば隣り合う平行線が矩形線である場合、CPU31は、分割線と平行な矩形線7上又は矩形線7よりも外側に、分割線を移動する操作を受け付けたとして、移動操作がされた分割線を削除する(S119)。CPU31は、分割線と共に分割線の移動経路上にあった分割領域を削除する(S121)。オブジェクトが既に配置されている場合、例えば
図4(B)の分割線72Dの削除に伴い、分割領域14がオブジェクト「052-123-4567」と共に削除される。なお、例えば隣り合う平行線が分割線である場合、「分割線を他の分割線上又は他の分割線より外側に移動する移動操作」を行った場合にも分割線とその分割領域が削除される。
【0041】
CPU31は、分割領域の上下幅が変更されるので、変更後の分割領域の上下幅に応じてフォントサイズを変更する(S123)。オブジェクトが分割領域に配置されている場合には、変更されたフォントサイズにオブジェクトの大きさは調整される(
図4(A)、
図4(B)参照)。CPU31は、処理をメイン処理に戻す。
【0042】
移動操作を受け付けていないと判断した場合(S5:NO)、CPU31は、オブジェクトを受け付けたか否か判断する(S9)。オブジェクトを受け付けたと判断した場合(S9:YES)、例えば、CPU31は、各分割領域のサイズに応じたフォントサイズでオブジェクトを配置する配置処理を実行する(S11)。配置処理を実行した後、再びS5の判断処理に戻る。例えば、CPU31は、分割領域11~14に、オブジェクト「ほうきの絵」、「リビングサービス」、「清掃道具入れ」、「052-123-4567」を配置する場合、S5:NO、S9:YES、S11の処理を繰り返すことで、各分割領域11~14に各オブジェクトが配置される(
図4(A)参照)。
【0043】
一方、オブジェクトを受け付けていないと判断した場合(S9:NO)、CPU31は、ラベル作成指示があったか否か判断する(S13)。ラベル作成指示がないと判断した場合(S13:NO)、CPU31は、処理をS5に戻す。ラベル作成指示があったと判断した場合(S13:YES)、CPU31は、印刷処理を実行する(S15)。この場合、プリンタ1の印刷機構は、S11での配置処理によりオブジェクトが配置されることにより作成されたラベル画像Imを印刷する。CPU31は、処理をS1に戻す。
【0044】
以上説明したように、[0]CPU31は、タッチパネル37に表示された編集画面371に対して、オブジェクトを配置可能な矩形状の矩形領域を示す矩形線7を表示する。CPU31は、タッチパネル37に表示された矩形線7の第2矩形線71Bを、第2矩形線71Bに対向する第1矩形線71Aに向けて移動する移動操作を受け付けた場合、第2矩形線71Bと平行な分割線71Cを、第2矩形線71Bと第1矩形線71Aとの間に追加する。CPU31は、追加された分割線71Cで矩形領域が分割領域11と分割領域12に分割され、分割領域11にオブジェクト「ほうきの絵」を配置し、分割領域12にオブジェクト「掃除道具入れ」を配置する配置処理を実行する。
【0045】
上記プリンタ1は、矩形線7の1辺を移動操作するだけで簡単にレイアウトを編集できる。故に、ユーザは、ラベル画像Imを編集する際のレイアウト設定を自由に実行できる。
【0046】
CPU31は、分割線と平行な矩形線7上又は矩形線7よりも外側に、分割線71C、72Dを移動する操作を受け付けた場合、移動する操作がされた分割線71C、72Dを削除する。プリンタ1は、追加した分割線71C、72Dを簡易な操作で削除できる。
【0047】
CPU31は、分割領域12を示す矩形線7のうち分割線71Cと交差する第4矩形線72Bを、分割領域12の内側、すなわち分割線72Cに向けて移動する移動操作を受け付けた場合、分割領域12を分割する分割線72Dを追加する。プリンタ1は、各分割領域のうち一の分割領域12をさらに分割できる。
【0048】
CPU31は、追加された分割線72Cの位置を変更する。プリンタ1は、分割線72Cの位置を変更できる。
【0049】
CPU31は、分割領域12、13に配置されたオブジェクトのサイズを、分割領域12、13の大きさに応じて変更する。プリンタ1は、分割線72Cで分割した分割領域12と分割領域13のサイズに応じて、オブジェクトのサイズを自動で変更できる。
【0050】
プリンタ1は、タッチパネル37を備える。プリンタ1では、ユーザのタッチパネル37へのタッチ操作によりレイアウトの編集を実行できる。故に、ユーザは直感的に作業できる。
【0051】
印刷機構は、プリンタ1の配置処理によりオブジェクトが配置されることにより作成されたラベル画像Imを印刷する。ユーザは、プリンタ1を操作してレイアウトの編集を実行できる。
【0052】
上記実施形態は、さらに、以下のように種々変更可能である。以下に説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り上記した形態と夫々組み合わせ可能である。上記実施形態のプリンタ1は、サーマルヘッド38により印刷行ったが、インクジェットヘッドによる印刷を行うものであってもよい。
【0053】
上記実施形態では、プリンタ1のタッチパネル37が使用されたがこれに限らない。例えば、プリンタ1の印刷を制御する為のスマートフォン、タブレット、PC等の印刷制御装置のタッチパネル37が使用されてもよい。
【0054】
上記実施形態のプリンタ1では、タッチパネル37はLCDであったがこれに限らない。例えば、有機EL等の他のディスプレイでもよい。
【0055】
上記実施形態では、
図2~
図4に示す例でラベル画像Imを編集したがこれに限らない。ユーザの要求に応じてレイアウト調整、及び任意のオブジェクトの入力が行われてよい。
【0056】
上記実施形態では、
図2、
図3に示す矩形線7が表示されたがこれに限らない。例えば矩形線7は、上下左右のうち上下に長い矩形状であってもよいし、左右に長い矩形状であってもよい。領域にオブジェクトが入力されていない場合の左右方向の長さは、ユーザが使用する言語の任意の文字1文字分の横幅であってもよい。1文字に限らず任意の文字数に対応した長さであってもよい。上下方向の長さに対して決まった比率の長さ(1倍、1.5倍など)であってもよい。
【0057】
上記実施形態では、分割領域11~14には、文字等のオブジェクト等は表示されていなかったがこれに限らない。例えば、分割領域11~14が作成された時に、デフォルトで「あ」、「A」などの文字が配置されていてもよい。この場合、「あ」、「A」は、分割領域に入力可能な最大のフォントサイズで表示されてもよい。ユーザは、この状態からオブジェクトの入力を行えばよい。
【0058】
上記実施形態では、フォントサイズは、自動で調整されたがこれに限らない。例えば、フォントサイズは、ユーザにより適宜設定可能であってもよい。
【0059】
上記実施形態では、ラベル画像Imの左右方向の長さが、オブジェクトの長さに応じて長くなったがこれに限らない。例えば、ラベル画像Im全体の左右方向の長さが予め定められていてもよい。この場合、ラベル画像Imの左右方向の長さに入るようにオブジェクトのフォントサイズが調整され、フォントサイズを最小サイズに調整してもオブジェクトが分割領域に収まらない場合には、プリンタ1は、その旨ユーザに報知してもよい。ユーザは、予め定められた長さの範囲でラベル画像Imの編集を行えばよい。
【0060】
上記実施形態では、ラベル画像Imの上下方向の長さは一定であったがこれに限らない。例えば、ユーザの人差し指と親指の同時操作により、矩形線7の上下幅が変更されてもよい。同様に、ラベル画像Imの左右方向の幅についてもユーザが変更可能であってもよい。
【0061】
上記実施形態では、第1矩形線71A又は第2矩形線71Bが矩形線7の内側に移動された場合、矩形線7の左側又は右側に分割領域12が追加されたがこれに限らない。例えば、第1矩形線71A、第2矩形線71Bが矩形線7の外側に移動された場合に、矩形線7の右側又は左側に分割領域が追加されてもよい。第1矩形線71A、第2矩形線71Bが矩形線7の内側に移動された場合に分割領域を追加、外側に移動された場合ラベル画像Im全体の左右方向の長さや分割領域の左右方向の長さを調整できるようにしてもよい。
【0062】
上記実施形態では、分割線を矩形線上又は矩形線より外側に移動する移動操作が行われた場合に、分割線、分割領域、オブジェクトが削除されたがこれに限らない。例えば、移動操作する矩形線と平行な分割線が存在する状態で、矩形線をその分割線上又は分割線より外側に移動する移動操作が行われた場合に、分割線、分割領域、オブジェクトが削除されてもよい。また、矩形線を対向する他の矩形線上又は他の矩形線より外側に移動する移動操作が行われた場合に、矩形線と他の矩形線の間に存在する平行な分割線、分割領域、オブジェクトのすべてが削除されてもよい。
【0063】
上記実施形態では、上下方向に延びる分割線71Cの位置は変更できなかったがこれに限らない。例えば、ユーザは、分割線71Cを各分割領域の範囲内へ移動操作することで、分割線71Cの位置を変更して、分割領域11、12の左右方向の長さを調整できてもよい。
【0064】
上記実施形態は、CPU31の代わりに、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが、プロセッサとして用いられてもよい。メイン処理は、複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。プログラムは、例えば、図示外のインターネットに接続されたサーバからダウンロードされて(即ち、伝送信号として送信され)、不揮発性メモリに記憶されてもよい。この場合、プログラムは、サーバに設けられたHDD等の非一時的な記憶媒体に保存されていればよい。
【0065】
上記実施形態において、プリンタ1が本発明の「ラベル作成装置」の一例である。CPU31が本発明の「制御部」に相当する。第2矩形線71Bが本発明の「第1線」の一例である。第1矩形線71Aが本発明の「第2線」に相当する。分割領域11が本発明の「第1分割領域」に相当する。分割領域12が本発明の「第2分割領域」に相当する。オブジェクト「ほうきの絵」が本発明の「第1オブジェクト」に相当する。オブジェクト「リビングサービス」が本発明の「第2オブジェクト」に相当する。第4矩形線72Bが本発明の「第3線」に相当する。分割線72Cが本発明の「第4線」に相当する。S3の処理を実行するCPU31が本発明の「表示処理」に相当する。S103の処理を実行するCPU31が本発明の「第1追加処理」に相当する。S11の処理を実行するCPU31が本発明の「配置処理」に相当する。S119の処理を実行するCPU31が本発明の「第1削除処理」に相当する。S109の処理を実行するCPU31が本発明の「第2追加処理」に相当する。S115の処理を実行するCPU31が本発明の「位置変更処理」に相当する。S105、S111、S117、S123の処理を実行するCPU31が本発明の「サイズ変更処理」に相当する。
【符号の説明】
【0066】
1 プリンタ
7、71A、71B、72A、72B 矩形線
11~14 分割領域
37 タッチパネル
71C、72C、72D 分割線
371 編集画面
Im ラベル画像