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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126432
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240912BHJP
   H10B 80/00 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L25/08 E
H10B80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034805
(22)【出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100213654
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 晃樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 一磨
(57)【要約】
【課題】スペーサを用いることなく、半導体チップをより適切に配置することができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態による半導体装置は、基板と、第1半導体チップと、第2半導体チップと、を備える。基板は、第1面を有する。第1半導体チップは、基板に対向する第2面と、第2面とは反対側の第3面と、を有し、第1面に設けられる。第2半導体チップは、第1面に設けられる。第1面に略垂直な第1方向から見て、第2半導体チップ側における第2面の外縁は、第3面の外縁よりも内側にある。第1方向から見て、第1半導体チップ側における第2半導体チップの少なくとも一部は、第3面と重なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する基板と、
前記基板に対向する第2面と、前記第2面とは反対側の第3面と、を有し、前記第1面に設けられる第1半導体チップと、
前記第1面に設けられる第2半導体チップと、
を備え、
前記第1面に略垂直な第1方向から見て、前記第2半導体チップ側における前記第2面の外縁は、前記第3面の外縁よりも内側にあり、
前記第1方向から見て、前記第1半導体チップ側における前記第2半導体チップの少なくとも一部は、前記第3面と重なる、半導体装置。
【請求項2】
前期第1半導体チップは、前記第2面と前記第3面との間にある側面と、前記第2面と、が交差する角部に設けられる第1切り欠き部をさらに有し、
前記第1方向から見て、前記第1半導体チップ側における前記第2半導体チップの少なくとも一部は、前記第1切り欠き部の切り欠き面と重なる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1半導体チップを覆う樹脂層をさらに備え、
前記切り欠き面は、前記樹脂層と接する、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2半導体チップは、
前記基板に対向する第4面と、
前記第4面とは反対側の第5面と、
を有し、
前記第1方向から見て、前記第1半導体チップ側における前記第4面の少なくとも一部は、前記第3面と重なる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1方向から見て、前記第1半導体チップ側における前記第5面の外縁は、前記第4面の外縁よりも内側にある、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2半導体チップは、前記第4面と前記第5面との間にある側面と、前記第5面と、が交差する角部に設けられる第2切り欠き部をさらに有し、
前記第1方向から見て、前記第2切り欠き部の切り欠き面の少なくとも一部は、前記第1半導体チップと重なる、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記基板に対向する第6面と、前記第6面とは反対側の第7面と、を有し、前記第1面に設けられる第3半導体チップをさらに備え、
前記第1方向から見て、前記第2半導体チップ側における前記第6面の外縁は、前記第7面の外縁よりも内側にあり、
前記第1方向から見て、前記第3半導体チップ側における前記第2半導体チップの少なくとも一部は、前記第7面と重なる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1半導体チップ上に設けられる第4半導体チップをさらに備え、
前記第2半導体チップ側における前記第3面からの前記第1半導体チップの厚さは、所定厚さ以上である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1半導体チップ上に設けられる第4半導体チップをさらに備え、
前記第4半導体チップは、
前記第1半導体チップに対向する第8面と、
前記第8面とは反対側の第9面と、
を有し、
前記第1方向から見て、前記第8面の外縁は、前記第9面の外縁と略重なる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記基板と前記第1半導体チップとの間に設けられる接着層をさらに備え、
前記第2半導体チップの位置よりも上に位置する前記接着層は、前記第1方向から見て、前記第2半導体チップよりも外側にある、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記基板と、前記第1半導体チップと、の間にはスペーサが設けられない、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
半導体素子が形成されたウェハに凹部を形成するとともに、前記ウェハを個片化することにより、前記凹部に対応する第1切り欠き部を有する第1半導体チップを形成し、
前記第1半導体チップを、第2半導体チップが設けられた配線基板の第1面上に設ける、
ことを具備し、
前記第1面に略垂直な第1方向から見て、前記第1半導体チップ側における前記第2半導体チップの少なくとも一部は、前記第1切り欠き部の切り欠き面と重なる、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1半導体チップを形成することは、
前記ウェハをダイシングし、
ダイシングラインに沿った前記ウェハの一部に前記凹部を形成し、
前記ウェハに接着層を形成し、
前記接着層がちぎれるように前記第1半導体チップをピックアップする、
ことを具備する、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1半導体チップを形成することは、
前記ウェハをダイシングし、
前記ウェハに接着層を形成し、
前記接着層を切断するように、ダイシングラインに沿った前記ウェハの一部に前記凹部を形成し、
前記第1半導体チップをピックアップする、
ことを具備する、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置のパッケージ構造において、基板上にスペーサチップが設けられ、スペーサチップ上にメモリチップの積層体が設けられる場合がある。この場合、必要なパッケージサイズを小さくするように、基板上にコントローラチップが配置される。
【0003】
しかし、スペーサチップを用いるため組み立てコストが高くなり、また、工程数が増加してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-26843号公報
【特許文献2】特開2019-161007号公報
【特許文献3】特開2022-49485号公報
【特許文献4】特許第5184951号公報
【特許文献5】特開2020-21908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スペーサを用いることなく、半導体チップをより適切に配置することができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態による半導体装置は、基板と、第1半導体チップと、第2半導体チップと、を備える。基板は、第1面を有する。第1半導体チップは、基板に対向する第2面と、第2面とは反対側の第3面と、を有し、第1面に設けられる。第2半導体チップは、第1面に設けられる。第1面に略垂直な第1方向から見て、第2半導体チップ側における第2面の外縁は、第3面の外縁よりも内側にある。第1方向から見て、第1半導体チップ側における第2半導体チップの少なくとも一部は、第3面と重なる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図2】第1実施形態による半導体装置の構成の一例を示す平面図である。
図3】第1実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図4A】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図4B図4Aに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図4C図4Bに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図4D図4Cに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図4E図4Dに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図4F図4Eに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図4G図4Fに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図5】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図6】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図7】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図8】比較例による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図9】第2実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図10】第3実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図11A】第3実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図11B図11Aに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図11C図11Bに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図11D図11Cに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図11E図11Dに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図12A】第3実施形態の変形例による半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図12B図12Aに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図12C図12Bに続く、半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
図13】第4実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図14】第5実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図15】第6実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図16】第7実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図17】第8実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図18】第9実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図19】第10実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図20】第11実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図21】第12実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図22】第13実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。図2は、第1実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す平面図である。図2のA-A線は、断面図である図1に対応する断面を示す。
【0010】
半導体装置1は、配線基板10と、積層体S1、S2と、半導体チップ40と、ボンディングワイヤ81、82と、封止樹脂91とを備えている。半導体装置1は、例えば、NAND型フラッシュメモリのパッケージである。
【0011】
尚、図1は、基板(配線基板10)の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板(配線基板10)の表面に垂直なZ方向とを示している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していても一致していなくてもよい。
【0012】
配線基板10は、配線層(図示せず)と絶縁層(図示せず)とを含むプリント基板やインタポーザでよい。配線層には、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)またはそれらの合金等の低抵抗金属が用いられる。絶縁層には、例えば、ガラスエポキシ樹脂等の絶縁性材料が用いられる。配線基板10は、複数の配線層および複数の絶縁層を積層して構成された多層配線構造を有していてもよい。配線基板10は、例えば、インタポーザのように、その表面と裏面とを貫通する貫通電極を有してもよい。
【0013】
配線基板10の表面(面F10a)には、配線層上に設けられたソルダレジスト層が設けられている。ソルダレジスト層は、配線層を保護し、ショート不良を抑制するための絶縁層にも使用される。配線基板10の表面には、パッド(図示せず)が設けられる。パッドは、ソルダレジスト層から露出する配線層である。パッドは、ボンディングワイヤ81、82および金属材料70等と接続される。パッドは、例えば、金(Au)めっき電極である。
【0014】
配線基板10の裏面(面F10b)には、配線層上に設けられたソルダレジスト層が設けられている。ソルダレジスト層から露出された配線層には、金属バンプ13が設けられている。金属バンプ13は、図示しない他の部品と配線基板10とを電気的に接続するために設けられている。
【0015】
積層体S1は、半導体チップ20と、接着層21と、を有する。接着層21は、例えば、DAF(Die Attachment Film)またはNCP(Non Conductive Paste)である。積層体S1は、複数の半導体チップ20が積層方向(Z方向)に垂直な方向(例えば、+X方向)へずれて積層された積層体である。また、積層体S1は面F10a上に設けられる。
【0016】
半導体チップ20は、例えば、NAND型フラッシュメモリを含むメモリチップである。半導体チップ20は、その表面(上面、面F20a)に半導体素子(図示せず)を有する。半導体素子は、例えば、メモリセルアレイおよびその周辺回路(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路)でよい。メモリセルアレイは、複数のメモリセルを三次元配置した立体型メモリセルアレイでもよい。図では、4つのメモリチップとしての半導体チップ20が積層されている。しかし、半導体チップの積層数は、3以下でも、5以上であってもよい。
【0017】
また、半導体チップ20は、面F20a、F20bを有する。面F20bは、配線基板10に対向する面である。面F20aは、面F20bとは反対側の面である。
【0018】
また、最下段の半導体チップ20は、2段目から4段目の半導体チップ20よりも厚い。尚、半導体チップ20の厚さは、Z方向の厚さである。尚、最下段の半導体チップ20の詳細については、後で説明する。
【0019】
積層体S2は、半導体チップ30と、接着層31と、を有する。接着層31は、例えば、DAF(Die Attachment Film)またはNCP(Non Conductive Paste)である。積層体S2は、複数の半導体チップ20が積層方向(Z方向)に垂直な方向(例えば、-X方向)へずれて積層された積層体である。また、積層体S2は、面F10a上の積層体S1の位置から面F10aに略平行なX方向の位置に設けられる。
【0020】
半導体チップ30は、例えば、NAND型フラッシュメモリを含むメモリチップである。半導体チップ30は、その表面(上面、面F30a)に半導体素子(図示せず)を有する。半導体素子は、例えば、メモリセルアレイおよびその周辺回路(CMOS回路)でよい。メモリセルアレイは、複数のメモリセルを三次元配置した立体型メモリセルアレイでもよい。図では、4つのメモリチップとしての半導体チップ30が積層されている。しかし、半導体チップの積層数は、3以下でも、5以上であってもよい。
【0021】
また、半導体チップ20は、面F20a、F20bを有する。面F20bは、配線基板10に対向する面である。面F20aは、面F20bとは反対側の面である。
【0022】
また、最下段の半導体チップ30は、2段目から4段目の半導体チップ30よりも厚い。尚、半導体チップ30の厚さは、Z方向の厚さである。尚、最下段の半導体チップ30の詳細については、後で説明する。
【0023】
半導体チップ40は、例えば、メモリチップを制御するコントローラチップである。半導体チップ40の配線基板10を向いた面F3には、図示しない半導体素子が設けられている。半導体素子は、例えば、コントローラを構成するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路でよい。半導体チップ40の裏面(下面)である面F40bには、半導体素子と電気的に接続される電極ピラー(図示せず)が設けられている。電極ピラーには、例えば、銅、ニッケルまたはそれらの合金等の低抵抗金属材料が用いられている。
【0024】
また、半導体チップ40は、面F10a上に設けられる。半導体チップ40は、例えば、積層体S1、S2の間に設けられる。
【0025】
また、半導体チップ40は、面F40a、F40bを有する。面F40bは、配線基板10に対向する面である。面F40aは、面F40bとは反対側の面である。
【0026】
接続バンプとしての電極ピラーの周囲には、金属材料70が設けられている。電極ピラーは、金属材料70を介して、ソルダレジスト層の開口部において露出された配線層と電気的に接続される。金属材料70には、例えば、はんだ、銀、銅等の低抵抗金属材料が用いられている。金属材料70は、半導体チップ40の電極ピラーと配線基板10の配線層とを電気的に接続する。
【0027】
金属材料70の周囲の領域、および、半導体チップ40と配線基板10との間の領域には、樹脂層80が設けられている。樹脂層80は、例えば、アンダーフィル樹脂を硬化させたものであり、半導体チップ20の周囲を被覆して保護する。
【0028】
ボンディングワイヤ81は、配線基板10および半導体チップ20の任意のパッドに接続されている。ボンディングワイヤ82は、配線基板10および半導体チップ30の任意のパッドに接続されている。ボンディングワイヤ81、82は、例えば、金(Au)ワイヤである。ボンディングワイヤ81、82で接続するために、半導体チップ20、30は、パッド(図示せず)の分だけずらされて積層されている。
【0029】
図1に示す例では、積層体S1のずれ方向(半導体チップ20のオフセット方向)は、+X方向である。積層体S2のずれ方向(半導体チップ30のオフセット方向)は、-X方向である。積層体S1の半導体チップ20と接続されるボンディングワイヤ81は、積層体S2とは反対側に設けられている。積層体S2の半導体チップ30と接続されるボンディングワイヤ82は、積層体S1とは反対側に設けられている。
【0030】
さらに、封止樹脂91が、積層体S1、S2、半導体チップ40、ボンディングワイヤ81、82等を封止している。これにより、半導体装置1は、積層体S1、S2および半導体チップ40を配線基板10上において1つの半導体パッケージとして構成されている。
【0031】
次に、最下段の半導体チップ20の詳細について説明する。
【0032】
面F20bの面積は、面F20aの面積よりも小さい。また、Z方向から見て、半導体チップ40側における面F20bの外縁は、面F20aの外縁よりも内側にある。
【0033】
また、Z方向から見て、半導体チップ20側における半導体チップ40(面F40b)の少なくとも一部は、面F20aと重なる。
【0034】
図1に示すように、最下段の半導体チップ20は、切り欠き部C1をさらに有する。切り欠き部C1は、面F20bと面F20aとの間にある側面と、面F20bと、が交差する角部に設けられる。切り欠き部C1は、半導体チップ40側に設けられる。
【0035】
Z方向から見て、半導体チップ20側における半導体チップ40(面F40b)の少なくとも一部は、切り欠き部C1の切り欠き面CF1と重なる。図1に示す例では、切り欠き部C1の切り欠き面CF1は、Z軸およびX軸に対して斜めに設けられる。すなわち、切り欠き面CF1は、傾斜面である。
【0036】
次に、最下段の半導体チップ30の詳細について説明する。
【0037】
面F30bの面積は、面F30aの面積よりも小さい。また、Z方向から見て、半導体チップ40側における面F30bの外縁は、面F30aの外縁よりも内側にある。
【0038】
また、Z方向から見て、半導体チップ30側における半導体チップ40(面F40b)の少なくとも一部は、面F30aと重なる。
【0039】
図1に示すように、最下段の半導体チップ30は、切り欠き部C2をさらに有する。切り欠き部C2は、面F30bと面F30aとの間にある側面と、面F30bと、が交差する角部に設けられる。切り欠き部C2は、半導体チップ40側に設けられる。
【0040】
Z方向から見て、半導体チップ30側における半導体チップ40(面F40b)の少なくとも一部は、切り欠き部C2の切り欠き面CF2と重なる。図1に示す例では、切り欠き部C2の切り欠き面CF2は、Z軸およびX軸に対して斜めに設けられる。すなわち、切り欠き面CF2は、傾斜面である。
【0041】
図1に示すように、最下段の半導体チップ20、30は、2段目から4段目の半導体チップ20、30よりも厚い。また、図1および図2に示すように、切り欠き部C1、C2が設けられ、最下段の半導体チップ20、30は、半導体チップ40に近づくように配置されている。これにより、半導体チップ40の上方に、半導体チップ20、30を設けることができる。この結果、パッケージの必要な面積をより小さくすることができる。
【0042】
尚、面F20a、F30aは、半導体素子が設けられる面である。半導体チップ40側における面F20a、F30aからの半導体チップ20、30の厚さは、所定厚さ以上であることが好ましい。所定厚さは、半導体素子の領域によって決まる。これにより、半導体素子の動作への影響を抑制することができる。所定厚さは、例えば、30μmである。
【0043】
次に、接着層21、31について説明する。
【0044】
図3は、第1実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。図3は、接着層21、31の詳細を説明する図である。
【0045】
接着層21は、接着層21a、21bを有する。
【0046】
接着層21aは、最下段の半導体チップ20の下に設けられる。接着層21aは、NCPである。
【0047】
NCPの粘性は、DAFの粘性よりも低い。接着層21aの粘性によって、最下段の半導体チップ20からはみ出す接着層21aの形状が決まる。半導体チップ40とは反対側における接着層21aの端面は、山状に、裾が広がった形状を有する。半導体チップ40側における接着層21aの端面は、樹脂層80の端面および半導体チップ40の側面に沿って、這い上がる形状を有する。
【0048】
接着層21bは、2段目から4段目の半導体チップ30の下に設けられる。接着層21bは、DAFである。
【0049】
接着層31は、接着層31a、31bを有する。
【0050】
接着層31aは、最下段の半導体チップ30の下に設けられる。接着層31aは、NCPである。
【0051】
接着層31aの形状は、接着層21aの形状と略同じである。
【0052】
接着層31bは、2段目から4段目の半導体チップ30の下に設けられる。接着層31bは、DAFである。
【0053】
尚、図3に示す例では、接着層21a、31aは、半導体チップ40の上方には設けられない。すなわち、半導体チップ40の位置よりも上に位置する接着層21a、31aは、Z方向から見て、半導体チップ40よりも外側にある。尚、接着層21a、31aが半導体チップ40の上方にあってもよい。
【0054】
また、接着層21a、31aは、切り欠き面CF1、CF2にはほとんど設けられていない。従って、切り欠き面CF1、CF2は、半導体チップ30、40を覆う封止樹脂(樹脂層)91と接する。
【0055】
次に、半導体装置1の製造方法について説明する。
【0056】
図4A図4Gは、第1実施形態による半導体装置1の製造方法の一例を示す図である。
【0057】
まず、図4Aに示すように、半導体チップ20、30の半導体素子が形成されたウェハWを準備する。
【0058】
次に、図4Bに示すように、ウェハWの裏面研削を行う。図4Bの左側は、斜視図を示す。図4Bの右側は、ウェハWの断面図を示す。図4Bに示す例では、ウェハWのうち半導体素子が形成された面は、下を向いている。
【0059】
次に、図4Cに示すように、ダイシングを行い、ウェハWを個片化する。図4Cに示す例では、ブレードダイシングが行われる。図4Bの左側は、斜視図を示す。図4Bの右側は、2段階のダイシングにおけるウェハWの断面図を示す。1段階目のダイシングでは、比較的太いブレードBによりダイシングが行われ、切り欠き部C1、C2(切り欠き面CF1、CF2)に対応する凹部Tが形成される。凹部Tは、ダイシングラインに沿ったウェハWの一部に形成される。2段階目のダイシングでは、比較的細いブレードBによりダイシングが行われ、ウェハWが切断される。
【0060】
図5は、第1実施形態による半導体装置1の製造方法の一例を示す図である。図5は、図4Cに示す工程に対応する変形例である。図5に示す例では、比較的太いブレードBが用いられない。
【0061】
1段階目のダイシングでは、ウェハWの面の法線方向に対して角度を有するように配置されたブレードBによる2回のダイシングが行われ、切り欠き部C1、C2(切り欠き面CF1、CF2)が形成される。2段階目のダイシングでは、図4Cに示す工程と同様に、ウェハWが切断される。
【0062】
次に、図4Dに示すように、半導体チップ40を配線基板10上に実装し、樹脂層80(例えば、NCP)の材料80aを配線基板10上に塗布する。塗布する材料80aの形状によって、硬化処理後の樹脂層80の形状が変化する。
【0063】
図6および図7のそれぞれは、第1実施形態による半導体装置1の製造方法の一例を示す図である。図6および図7は、塗布する材料80aの形状と、はみ出す樹脂層80の形状と、の関係を示す。
【0064】
図6に示す例では、材料80aは、丸状に塗布される。この場合、樹脂層80のはみ出しは、半導体チップ20、30の辺の部分において大きく、半導体チップ20、30の角部では小さくなる
【0065】
図7に示す例では、材料80aは、X字状に塗布される。この場合、樹脂層80のはみ出しは、半導体チップ20、30の外周形状に沿って、比較的均一である。
【0066】
次に、図4Eに示すように、半導体チップ20、30を配線基板10上にマウントする。これにより、積層体S1、S2が形成される。
【0067】
次に、図4Fに示すように、ワイヤボンディングによりボンディングワイヤ81、82を形成する。
【0068】
次に、図4Gに示すように、封止樹脂91を形成する。
【0069】
その後、金属バンプ13を形成することにより、図1および図2に示す半導体装置1が完成する。
【0070】
以上のように、第1実施形態によれば、Z方向から見て、半導体チップ40側における面F20b、F30bの外縁は、半導体チップ40側における面F20a、F30aの外縁よりも内側である。また、Z方向から見て、半導体チップ20、30側における半導体チップ40の少なくとも一部は、面F20a、F30aと重なる。これにより、半導体チップ20、30と、半導体チップ40と、を互いに近づけて配置することができる。この結果、パッケージの必要な面積をさらに小さくすることができる。
【0071】
尚、2段目から4段目までの半導体チップ20について、面F20bの面積は、面F20aの面積と同じである。2段目から4段目までの半導体チップ20について、Z方向から見て、面F20bの外縁は、面F20aの外縁と略重なる。
【0072】
また、2段目から4段目までの半導体チップ30について、面F30bの面積は、面F30aの面積と同じである。2段目から4段目までの半導体チップ30について、Z方向から見て、面F30bの外縁は、面F30aの外縁と略重なる。
【0073】
(比較例)
図8は、比較例による半導体装置1aの構成の一例を示す断面図である。
【0074】
比較例では、スペーサ50を用いて積層体S1、S2の位置を高くすることにより、半導体チップ40の上方に半導体チップ20、30が設けられる。スペーサ50は、接着層51により配線基板10と接着される。しかし、この場合、スペーサ50によるコストおよびプロセス数が増大してしまう。また、最下段の半導体チップ20、30のオーバーハング部Oに応力が集中してしまう。オーバーハング部Oは、スペーサ50の端部と接する、最下段の半導体チップ20、30の面F20b、30bの部分である。
【0075】
これに対して、第1実施形態では、最下段の半導体チップ20、30が比較的厚い。これにより、スペーサを設ける必要がない。この結果、コストを抑制し、プロセス数を削減することができる。また、第1実施形態では、切り欠き部C1、C2が設けられる。切り欠き面CF1、CF2が傾斜面であるため、応力を分散することができる。この結果、信頼性を向上させることができる。
【0076】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第2実施形態は、樹脂層80が設けられない点で、第1実施形態とは異なっている。尚、図9は、積層体S1の周囲の構成を示している。
【0077】
図9に示す例では、半導体チップ40の配線基板10への実装時(図4D)に、樹脂層80が設けられない。この場合、封止樹脂91の形成時(図4G)に、封止樹脂91が半導体チップ40と配線基板10との間の領域に進入する。
【0078】
半導体チップ40とは反対側における樹脂層80の端面は、例えば、半導体チップ40および金属材料70の側面に沿った形状を有する。
【0079】
尚、図9に示す例では、接着層21aは、半導体チップ40の下に進入している。一方、接着層21aは、半導体チップ40の上方には設けられない。尚、接着層21aが半導体チップ40の上方にあってもよい。
【0080】
第2実施形態のように、樹脂層80が設けられなくてもよい。第2実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第3実施形態では、接着層21a、31aの構成が異なっている。
【0082】
接着層21aは、DAFである。
【0083】
DAFの粘性は、NCPの粘性よりも高い。接着層21aの粘性によって、最下段の半導体チップ20からはみ出す接着層21aの形状が決まる。半導体チップ40とは反対側における接着層21aの端面は、丸みを帯びて突出する形状を有する。半導体チップ40側における接着層21aの端面は、樹脂層80の端面および半導体チップ40の側面に沿った形状を有する。
【0084】
尚、図10に示す例では、接着層21a、31aは、半導体チップ40の上方には設けられない。
【0085】
接着層31aは、DAFである。
【0086】
接着層31aの形状は、接着層21aの形状と略同じである。
【0087】
第3実施形態のように、接着層21a、31aの構成が変更されてもよい。第2実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
次に、第3実施形態における半導体装置1の製造方法について説明する。
【0089】
図11A図11Eは、第3実施形態による半導体装置1の製造方法の一例を示す断面図である。図11A図11Eは、半導体チップ20、30の半導体素子が形成されたウェハWに、接着層21a、31aを形成して、個片化する工程を示す。図11A図11Eは、半導体チップ20、30のピックアップのタイミングで接着層21a,31aをちぎる工程を示す。
【0090】
まず、図11A図11Eについて説明する。
【0091】
まず、図11Aに示すように、比較的細いブレードBによりダイシングを行う。
【0092】
次に、図11Bに示すように、面F20a、F30aに保護テープTP1を貼り付け、面F20b、F30bの研削を行う。
【0093】
次に、図11Cに示すように、比較的太いブレードBによりダイシングを行う。これにより、凹部Tが形成される。尚、比較的細いブレードBにより、ダイシング位置を図11Cの横方向にずらしてダイシングを行ってもよい。
【0094】
次に、図11Dに示すように、接着層21a、31aがついたダイシングテープTP2を面F20b、F30bに貼り付ける。
【0095】
次に、図11Eに示すように、個片化された半導体チップ20、30のピックアップを行う。このピックアップにおいて、接着層21a、31aがちぎられる。図11Eに示すように、ちぎれた接着層21a、31aの端部は、面F20b、F30bの端部よりも伸びていてもよい。
【0096】
第3実施形態のように、接着層21a、31aの構成が変更されてもよい。第3実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0097】
(第3実施形態の変形例)
図12A図12Cは、第3実施形態の変形例による半導体装置1の製造方法の一例を示す断面図である。第3実施形態の変形例は、第3実施形態と比較して、接着層21a、31aを切断する方法が異なっている。
【0098】
図12Aに示す工程は、図11Aおよび図11Bと同様の工程の後に行われる。
【0099】
保護テープTP1の貼り付け、および、研削の後(図11Bを参照)、図12Aに示すように、面F20b、F30bに接着層21a、31aを貼り付ける。
【0100】
次に、図12Bに示すように、比較的太いブレードBによりダイシングを行う。これにより、接着層21a、31aが切断されるとともに凹部Tが形成される。尚、比較的細いブレードBにより、ダイシング位置を図11Cの横方向にずらしてダイシングを行ってもよい。
【0101】
次に、図12Cに示すように、接着層21a、31aにダイシングテープTP2を貼り付け、個片化された半導体チップ20、30のピックアップを行う。図12Cに示すように、ブレードBにより切断された接着層21a、31aの端部の位置は、面F20b、F30bの端部の位置と略同じである。
【0102】
第3実施形態の変形例のように、接着層21a、31aを切断する方法が変更されてもよい。第3実施形態の変形例による半導体装置1は、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0103】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第4実施形態では、樹脂層80が設けられない点で、第3実施形態とは異なっている。従って、第4実施形態は、第2実施形態と第3実施形態との組み合わせである。尚、図13は、積層体S1の周囲の構成を示している。
【0104】
第4実施形態のように、樹脂層80が設けられなくてもよい。第4実施形態による半導体装置1は、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0105】
(第5実施形態)
図14は、第5実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第5実施形態では、第1実施形態と比較し、切り欠き面CF1、CF2の形状が異なっている。
【0106】
切り欠き面CF1、CF2は、L字状の形状を有する。また、切り欠き面CF1、CF2は、L字の角部に丸みRを有する。これにより、応力集中を抑制することができる。丸みRの曲率半径は、例えば、図4Cに示す比較的太いブレードBに応じて決まる。丸みRの曲率半径は、ブレードBの幅の半分のサイズで算出される場合がある。例えば、ブレードBの幅が12.5±2.5μm~105±5μmである場合、丸みRの曲率半径は、5μm~55μmである。
【0107】
第5実施形態のように、切り欠き面CF1、CF2の形状が変更されてもよい。第5実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
(第6実施形態)
図15は、第6実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第6実施形態では、第1実施形態と比較し、切り欠き面CF1、CF2の形状が異なっている。
【0109】
切り欠き面CF1、CF2は、階段状の形状を有する。切り欠き面CF1、CF2の階段は、応力集中しやすい角ができづらいように、複数のステップ面を有する。従って、切り欠き面CF1、CF2は、傾斜を有する。これにより、応力集中を抑制することができる。
【0110】
第6実施形態のように、切り欠き面CF1、CF2の形状が変更されてもよい。第6実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0111】
(第7実施形態)
図16は、第7実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第7実施形態では、第1実施形態と比較し、面F20b、F30bの形状が異なっている。
【0112】
Z方向から見て、半導体チップ40とは反対側における面F20bの外縁は、面F20aの外縁よりも内側にある。
【0113】
最下段の半導体チップ20は、切り欠き部C3をさらに有する。切り欠き部C3は、面F20bと面F20aとの間にある側面と、面F20bと、が交差する角部に設けられる。切り欠き部C3は、半導体チップ40とは反対側に設けられる。
【0114】
Z方向から見て、半導体チップ40とは反対側における面F30bの外縁は、面F30aの外縁よりも内側にある。
【0115】
最下段の半導体チップ30は、切り欠き部C4をさらに有する。切り欠き部C4は、面F30bと面F30aとの間にある側面と、面F30bと、が交差する角部に設けられる。切り欠き部C4は、半導体チップ40とは反対側に設けられる。
【0116】
切り欠き部C3、C4を設けることにより、最下段の半導体チップ20、30からはみ出した接着層21a、31aが切り欠き部C3、C4にたまる。これにより、接着層21a、31aの這い上がりを抑制することができる。
【0117】
尚、切り欠き部C3、C4は、半導体チップ40の反対側に限られず、任意の辺に設けられてもよい。
【0118】
第7実施形態のように、面F20b、F30bの形状が変更されてもよい。第7実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0119】
(第8実施形態)
図17は、第8実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第8実施形態では、最下段の半導体チップ20、30のいずれか一方が切り欠き部C1、C2を有する点で、第1実施形態とは異なっている。
【0120】
図17に示す例では、最下段の半導体チップ20の厚さは、2段目から4段目までの半導体チップ20の厚さと略同じである。また最下段の半導体チップ20が2段目から4段目までの半導体チップ20の厚みよりも厚くてもよい。半導体チップ20、半導体チップ30ともに厚みはさまざまに変更しうる。
【0121】
第8実施形態のように、最下段の半導体チップ20、30のいずれか一方が切り欠き部C1、C2を有してもよい。第8実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
(第9実施形態)
図18は、第9実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第9実施形態は、積層体S1が設けられない点で、第1実施形態とは異なっている。
【0123】
第9実施形態のように、積層体S1が設けられなくてもよい。第8実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
(第10実施形態)
図19は、第10実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第10実施形態は、半導体チップ40がボンディングワイヤ83により接続されている点で、第1実施形態とは異なっている。
【0125】
半導体装置1は、接着層60と、ボンディングワイヤ83と、をさらに備える。
【0126】
接着層60は、半導体チップ40を配線基板10に接着させる。接着層60は、例えば、DAFである。
【0127】
ボンディングワイヤ83は、配線基板10および半導体チップ40の任意のパッドに接続されている。ボンディングワイヤ83は、例えば、金(Au)ワイヤである。
【0128】
第10実施形態のように、半導体チップ40がボンディングワイヤ83により接続されてもよい。第10実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0129】
(第11実施形態)
図20は、第11実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第11実施形態は、半導体チップ40が切り欠き部C5、C6を有する点で、第1実施形態とは異なっている。
【0130】
面F40aの面積は、面F40bの面積よりも大きい。また、Z方向から見て、半導体チップ20側における面F40aの外縁は、面F40bの外縁の内側にある。Z方向から見て、半導体チップ30側における面F40aの外縁は、面F40bの外縁の内側にある。
【0131】
図20に示すように、半導体チップ40は、切り欠き部C5、C6を有する。切り欠き部C5、C6は、面F40bと面F40aとの間の側面と、面F40aと、が交差する角部に設けられる。切り欠き部C5は、半導体チップ20側に設けられる。切り欠き部C6は、半導体チップ30側に設けられる。
【0132】
Z方向から見て、切り欠き部C5の切り欠き面CF5の少なくとも一部は、最下段の半導体チップ20(面F20a)と重なる。図19に示す例では、切り欠き部C5の切り欠き面CF5は、Z軸およびX軸に対して斜めに設けられる。すなわち、切り欠き面CF5は、傾斜面である。
【0133】
Z方向から見て、切り欠き部C6の切り欠き面CF6の少なくとも一部は、最下段の半導体チップ30(面F30a)と重なる。図19に示す例では、切り欠き部C6の切り欠き面CF6は、Z軸およびX軸に対して斜めに設けられる。すなわち、切り欠き面CF5は、傾斜面である。
【0134】
また、切り欠き面CF5は、切り欠き面CF1と略平行であることが好ましい。これにより、最下段の半導体チップ20と半導体チップ40とをさらに近づけることができる。
【0135】
また、切り欠き面CF6は、切り欠き面CF2と略平行であることが好ましい。これにより、最下段の半導体チップ30と半導体チップ40とをさらに近づけることができる。
【0136】
第11実施形態のように、半導体チップ40が切り欠き部C5、C6を有してもよい。第11実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0137】
(第12実施形態)
図21は、第12実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第12実施形態は、最下段の半導体チップ20と、最下段の半導体チップ30と、の間で厚さが異なっている点で、第1実施形態とは異なっている。
【0138】
図21に示す例では、半導体チップ30は、半導体チップ20よりも厚い。これにより、積層体S2を積層体S1にさらに近づけることができる。この結果、パッケージの必要な面積をさらに小さくすることができる。
【0139】
第12実施形態のように、最下段の半導体チップ20と、最下段の半導体チップ30と、の間で厚さが異なっていてもよい。第12実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0140】
(第13実施形態)
図22は、第13実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。第13実施形態は、半導体チップ30の側面が突出した形状を有する点で、第1実施形態とは異なっている。尚、図22は、積層体S2の周囲の構成を示している。
【0141】
面F30aと面F30bとの間の側面は、半導体チップ40側に向かって突出している。Z方向から見て、半導体チップ40の側面の少なくとも一部は、面F30aよりも外側にある。
【0142】
第13実施形態のように、半導体チップ30の側面が突出した形状を有していてもよい。第13実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0144】
1 半導体装置、10 配線基板、20 半導体チップ、21 接着層、30 半導体チップ、31 接着層、40 半導体チップ、91 封止樹脂、C1~C6 切り欠き部、CF1 切り欠き面、CF2 切り欠き面、F10a 面、F20a 面、F20b 面、F30a 面、F30b 面、F40a 面、F40b 面、T 凹部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22