(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126630
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】端子台およびエレベータ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 9/28 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H01R9/28
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035153
(22)【出願日】2023-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】能勢 公貴
【テーマコード(参考)】
5E086
【Fターム(参考)】
5E086CC22
5E086DD05
5E086DD34
5E086DD43
5E086DD49
5E086HH04
5E086LL04
5E086LL07
5E086LL17
(57)【要約】
【課題】端子間の絶縁距離を確保しつつ小型化も可能な端子台を得る。
【解決手段】回転電機3側の面21aと、回転電機3側の面21aと対向する外部電源側の面22と、を有し、回転電機3側の面21aから外部電源側の面22まで貫通する端子用貫通孔5を有し、端子用貫通孔5の各々に端子6を挿入可能である第一の絶縁板4aを備え、端子用貫通孔5は、第一の貫通孔100と、第一の貫通孔100以外の端子用貫通孔5のうち第一の貫通孔100に最も近い第二の貫通孔101と、を含み、第一の絶縁板4aは、回転電機3側の面21aにおいて、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に凹部23を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有する
端子台。
【請求項2】
前記第一の面と接触する接触面と、前記接触面と対向する対向面と、を有し、前記接触面から前記対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、前記第二の複数の貫通孔の各々に前記端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、
前記第二の絶縁板は、前記接触面に、前記第一の絶縁板の前記第一の凹部と篏合する凸部を有する
請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記接触面に平行な断面における前記第二の複数の貫通孔の各々の形状は、
導電性材料で形成された固定部材によって前記端子と前記第一の絶縁板とが固定され、前記端子が前記第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、
前記固定部材と前記第二の複数の貫通孔の各々の側壁との間に空間を有するように形成されている
請求項2に記載の端子台。
【請求項4】
前記第一の絶縁板は、
前記第一の面に、前記第一の面を平面視で見たときに前記第一の貫通孔を内部に含む固定部材用凹部を有し、
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部に、前記第一の貫通孔の中心と前記第二の貫通孔の中心とを結ぶ直線と垂直な第一の直線部を有し、
導電性材料で形成され、前記第一の面と平行な断面における外形の一部に直線部を有し、前記第一の貫通孔に挿入された前記端子と前記第一の絶縁板とを固定する固定部材を、前記固定部材用凹部の第一の直線部と前記固定部材の直線部が接触するように前記固定部材用凹部内に配置可能である
請求項1から3のいずれか一項に記載の端子台。
【請求項5】
前記第一の絶縁板は、
前記第一の面に、前記第一の面を平面視で見たときに前記第一の貫通孔を内部に含む固定部材用凹部を有し、
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部に、前記第一の貫通孔の中心と前記第二の貫通孔の中心とを結ぶ直線とのなす角が60度より大きく90度以下である第一の直線部を有し、
導電性材料で形成され、前記第一の面と平行な断面における外形が正六角形であり、前記第一の貫通孔に挿入された前記端子と前記第一の絶縁板とを固定する固定部材を、前記固定部材用凹部の第一の直線部と前記外形の一辺である前記固定部材の直線部が接触するように前記固定部材用凹部内に配置可能である
請求項1から3のいずれか一項に記載の端子台。
【請求項6】
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部と対向する側壁部に、前記第一の直線部に平行な第二の直線部を有し、
前記固定部材は、前記端子を挿入可能な貫通孔を有し、
前記第一の直線部と前記第二の直線部との間の距離は、
前記第一の面と平行な断面において、前記固定部材の貫通孔の中心と前記固定部材の外周上の点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さの2倍よりも小さく、前記固定部材の直線部と垂直な直線が交わる前記固定部材の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さ以上である
請求項4に記載の端子台。
【請求項7】
前記第一の絶縁板は、
前記第二の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第二の凹部を有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子台。
【請求項8】
回転電機と、
前記回転電機と電気的に接続された端子台と、
を備え、
前記端子台は、
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有する
エレベータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の配線と複数の配線とを電気的に接続するために使用される端子台および端子台を備えたエレベータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の端子台は、複数のボルト挿入孔を有する平らな絶縁ボードを備えている。そして、絶縁ボードの各ボルト挿入孔には、端子であるボルトがそれぞれ挿入される。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来の端子台では、端子台を小型化するために端子間の距離を小さくすると、隣り合う端子間の絶縁距離が足りなくなって短絡してしまう恐れがあった。
【0005】
本開示は上記の課題を解決するためになされたものであり、端子間の絶縁距離を確保しつつ小型化も可能な端子台を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る端子台は、第一の面と、第一の面と対向する第二の面と、を有し、第一の面から第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、第一の貫通孔以外の第一の複数の貫通孔のうち第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、第一の絶縁板は、第一の面において、第一の貫通孔と第二の貫通孔との間に第一の凹部を有する。
【0007】
本開示に係るエレベータ装置は、回転電機と、回転電機と電気的に接続された端子台と、を備え、端子台は、第一の面と、第一の面と対向する第二の面と、を有し、第一の面から第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、第一の貫通孔以外の第一の複数の貫通孔のうち第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、第一の絶縁板は、第一の面において、第一の貫通孔と第二の貫通孔との間に第一の凹部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、端子間の絶縁距離を確保しつつ端子台を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1におけるエレベータの回転電機周辺の構成を示す図である。
【
図2】実施の形態1における端子台の側断面図である。
【
図3】実施の形態1における第一の絶縁板を示す図である。
【
図4】実施の形態1における端子台を端子箱から取り出した状態を示す図である。
【
図5】実施の形態1における導電部間の空間距離を説明する図である。
【
図6】実施の形態1における導電部間の沿面距離を説明する図である。
【
図7】実施の形態2における第一の絶縁板を示す図である。
【
図8】実施の形態2における端子台を端子箱から取り出した状態を示す図である。
【
図9】実施の形態2における第一の絶縁板の切り欠きと端子固定用ナットの位置関係を示す図である。
【
図10】実施の形態3における端子台の側断面図である。
【
図11】実施の形態3における第二の絶縁板を示す図である。
【
図12】実施の形態3における端子固定用ナット間の空間距離を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1における端子台1aを含むエレベータの回転電機3周辺の構成を説明する。
図1は実施の形態1におけるエレベータの回転電機3周辺の構成を示す図である。
図1において、端子台1aは端子箱2の中に配置され、端子箱2は回転電機3の側面に設置される。端子台1aは、回転電機3に電力供給を行うために使用され、回転電機3の内部配線と外部電源とを電気的に接続する。なお、図示を省略しているが、外部電源は、
図1において端子箱2よりも紙面の手前側に設置されている。
【0011】
図2は、実施の形態1における端子台1aの側断面図である。
図2において、端子台1aは、第一の絶縁板4aと、第一の絶縁板4aに設けられた第一の複数の貫通孔である端子用貫通孔5に挿入された端子6と、端子6の外周を覆うカラー7と、端子6を第一の絶縁板4aに固定するための固定部材である端子固定用ナット8と、
図2における紙面垂直方向に並んだ2つの端子6間を電気的に接続するバスバー20と、第一の絶縁板4aに設けられたスタッドボルト用貫通孔9に挿入され、端子箱2に固定されたスタッドボルト10と、スタッドボルト10を第一の絶縁板4aに固定するためのスタッドボルト固定用ナット11と、から構成される。なお、図示を省略しているが、外部電源は、
図2において端子箱2よりも紙面の右側に設置されている。
【0012】
端子箱2は、その内部に端子台1aを収納するものであり、回転電機3に固定される。端子箱2は絶縁体で形成されても、導電性材料で形成されてもよい。
【0013】
図3は、実施の形態1における第一の絶縁板4aを示す図である。
図3(a)は回転電機3側から見た図であり、
図3(b)は外部電源側から見た図である。
図3において、第一の絶縁板4aは、第一の面である回転電機3側の面21aと、回転電機3側の面21aと対向する第二の面である外部電源側の面22と、を有し、回転電機3側の面21aから外部電源側の面22まで貫通する複数の端子用貫通孔5および複数のスタッドボルト用貫通孔9を有する。さらに、第一の絶縁板4aは、回転電機3側の面21aに第一の凹部である凹部23を、外部電源側の面22に第二の凹部である凹部24を有する。第一の絶縁板4aは絶縁体で形成される。
【0014】
各端子用貫通孔5には端子6を挿入可能であり、各スタッドボルト用貫通孔9にはスタッドボルト10を挿入可能である。また、複数の端子用貫通孔5は、第一の貫通孔100と、第二の貫通孔101と、を含む。ここで、第一の貫通孔100以外の端子用貫通孔5のうち第一の貫通孔100に最も近い端子用貫通孔5を第二の貫通孔101とする。
【0015】
凹部23は、回転電機3側の面21aにおいて、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に形成されている。凹部23は、例えば、
図3(a)に示すように、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に線状の溝を作るように形成される。また、凹部24は、外部電源側の面22において、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に形成されている。凹部24は、例えば、
図3(b)に示すように、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に線状の溝を作るように形成される。
【0016】
図4は、実施の形態1における端子台1aを端子箱2から取り出した状態を示す図である。
図4(a)は回転電機3側から見た図であり、
図4(b)は外部電源側から見た図である。以下、
図2および
図4を参照して各構成を説明する。
【0017】
端子6は導電性材料で形成される。例えば外周面に雄ネジが切られた棒状端子やボルトが端子6として使用される。端子台1aでは複数の端子6が用いられ、各端子6は第一の絶縁板4aに設けられた端子用貫通孔5に挿入される。
【0018】
カラー7は、円筒形状を有し、円筒形状の貫通孔部分に端子6が挿入される。カラー7は、第一の絶縁板4aの外部電源側の面22とバスバー20の間に配置される。カラー7は、絶縁体で形成されても、導電性材料で形成されてもよい。
【0019】
バスバー20は、導電性材料で形成された板状の部材であり、それぞれ端子6が挿入される2つの貫通孔を有する。バスバー20に設けられた2つの貫通孔にそれぞれ端子6が挿入されことで、当該貫通孔に挿入された2つの端子6間を電気的に接続することができる。バスバー20は、カラー7と端子固定用ナット8の間に配置される。バスバー20の両端部には、導電性材料で形成された圧着端子25がそれぞれ取り付けられている。これら2つの圧着端子25にそれぞれ回転電機3の内部配線の先端と外部電源の配線の先端を取り付けることで、回転電機3の内部配線と外部電源とを電気的に接続することができる。なお、カラー7とバスバー20の間またはバスバー20と端子固定用ナット8の間に圧着端子25を挟み込むことで、バスバー20の両端部にそれぞれ圧着端子25を固定するとともにバスバー20と圧着端子25を電気的に接続することができるが、他の方法によってバスバー20に圧着端子25を取り付けてもよい。
【0020】
端子固定用ナット8は、例えば六角ナットであり、内周面に雌ネジが切られた貫通孔を有する。端子固定用ナット8の貫通孔部分には端子6を挿入可能である。第一の絶縁板4aの端子用貫通孔5に端子6を挿入した状態で、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21a側と外部電源側の面22側からそれぞれ端子固定用ナット8を締めることで、第一の絶縁板4aと端子6を固定することができる。また、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aと端子固定用ナット8との間にはカラー7およびバスバー20が配置されるので、端子固定用ナット8を締めることでカラー7およびバスバー20を固定することもできる。端子固定用ナット8は、絶縁体で形成されても、導電性材料で形成されてもよい。
【0021】
スタッドボルト10は、両端部分の外周面に雄ネジが切られたボルトである。端子台1aでは複数のスタッドボルト10が用いられ、スタッドボルト10の一端は端子箱2内部の回転電機3側の壁に挿入して固定され、他端は第一の絶縁板4aに設けられたスタッドボルト用貫通孔9に挿入される。スタッドボルト10は、絶縁体で形成されても、導電性材料で形成されてもよい。
【0022】
スタッドボルト固定用ナット11は例えば六角ナットであり、内周面に雌ネジが切られた貫通孔を有する。スタッドボルト固定用ナット11の貫通孔部分にはスタッドボルト10を挿入可能である。第一の絶縁板4aのスタッドボルト用貫通孔9にスタッドボルト10を挿入した状態で、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21a側と外部電源側の面22側からそれぞれスタッドボルト固定用ナット11を締めることで、第一の絶縁板4aとスタッドボルト10を固定することができる。スタッドボルト固定用ナット11は、絶縁体で形成されても、導電性材料で形成されてもよい。
【0023】
次に、実施の形態1における回転電機3の内部配線と外部電源とを電気的に接続するための手順について説明する。最初に、第一の絶縁板4aの複数の端子用貫通孔5にそれぞれ挿入された各端子6に、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21a側から端子固定用ナット8をそれぞれ装着する。次に、各端子6に、第一の絶縁板4aの外部電源側の面22側からカラー7とバスバー20が順に通される。次に、各端子6に、第一の絶縁板4aの外部電源側の面22側から端子固定用ナット8をそれぞれ装着し、端子固定用ナット8をスパナ等の治具によって締めることで固定する。その後、バスバー20の両端部に取り付けられた各圧着端子25に、回転電機3に電力を供給する外部電源の配線の先端と回転電機3の内部配線の先端とをそれぞれ取り付ける。これにより、外部電源、圧着端子25、バスバー20、端子6および回転電機3が電気的に接続され、外部電源から回転電機3に電力が供給される。なお、カラー7とバスバー20の間に圧着端子25を挟み込む場合は、カラー7の次に圧着端子25を各端子6に通し、バスバー20と端子固定用ナット8の間に圧着端子25を挟み込む場合は、バスバー20の次に圧着端子25を各端子6に通せばよい。
【0024】
次に、絶縁距離について説明する。絶縁距離とは、短絡する可能性がある導電部から別の導電部までの最短距離のことである。絶縁距離には、空間距離と沿面距離の2種類の距離が存在する。空間距離は、2つの導電部間の空間的な最短距離であり、沿面距離は、2つの導電部間に設けられた絶縁体の外形に沿った最短距離である。
【0025】
図5は、導電部30間の空間距離を説明する図である。
図5(a)は平らな絶縁板31を用いる場合、
図5(b)は導電部30間に導電部30の高さよりも高い凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合、
図5(c)は導電部30間に凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合を示す。
図5(a)~(c)において、破線で示した部分の長さが導電部30間の空間距離を示している。
【0026】
図5(a)に示すように、平らな絶縁板31を用いる場合は、導電部30間の空間距離は絶縁板31の表面に沿った長さとなる。
図5(b)に示すように、凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合は、導電部30間の空間距離は、一方の導電部30の先端と絶縁板32の凸部の先端との最短距離、絶縁板32の凸部の上面の長さおよび絶縁板32の凸部の先端と他方の導電部30の先端との最短距離を加算した長さとなる。この場合、
図5(a)に示した平らな絶縁板31を用いる場合と比較して導電部30間の空間距離は長くなる。
図5(c)に示すように、凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合は、導電部30間の空間距離は、2つの導電部30間の最短距離となる。この場合、
図5(a)に示した平らな絶縁板31を用いる場合と導電部30間の空間距離は同じ長さとなる。したがって、
図5(b)に示すように導電部30間に導電部30の高さよりも高い凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合は、平らな絶縁板31を用いる場合と比較して、導電部30間の空間距離が長くなる。一方、
図5(c)に示すように導電部30間に凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合は、導電部30間の空間距離は、平らな絶縁板31を用いる場合と同じ長さになる。
【0027】
図6は、導電部30間の沿面距離を説明する図である。
図6(a)は平らな絶縁板31を用いる場合、
図6(b)は導電部30間に凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合、
図6(c)は導電部30間に凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合を示す。
図6(a)~(c)において、破線で示した部分の長さが導電部30間の沿面距離を示している。
【0028】
図6(a)に示すように、平らな絶縁板31を用いる場合は、導電部30間の沿面距離は絶縁板31の表面に沿った長さとなる。
図6(b)に示すように、凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合は、導電部30間の沿面距離は絶縁板32の凸部を含む表面の外形に沿った距離となる。この場合、
図6(a)に示した平らな絶縁板31を用いる場合と比較して導電部30間の沿面距離は長くなる。
図6(c)に示すように、凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合は、導電部30間の沿面距離は絶縁板33の凹部を含む表面の外形に沿った長さとなる。この場合、
図6(a)に示した平らな絶縁板31を用いる場合と比較して導電部30間の沿面距離は長くなる。したがって、
図6(b)および
図6(c)に示すように、導電部30間に凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合、および、導電部30間に凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合には、平らな絶縁板31を用いる場合と比較して、導電部30間の沿面距離が長くなる。
【0029】
以上のように、平らな絶縁板31を用いる場合と比較して、導電部30間に導電部30の高さよりも高い凸部が設けられた絶縁板32を用いる場合は、導電部30間の空間距離と沿面距離が共に長くなり、導電部30間に凹部が設けられた絶縁板33を用いる場合は、導電部30間の沿面距離が長くなるといえる。導電部30間に凸部または凹部を設けることによって導電部30間の絶縁距離、すなわち空間距離および/または沿面距離が長くなると、その分だけ導電部30間の最短距離を短くしても短絡を防ぐことができる。よって、導電部30間に凸部または凹部を設けることによって絶縁距離を確保しつつ小型化をすることができる。
【0030】
したがって、第一の絶縁板4aの端子用貫通孔5に端子6を挿入した端子台1aにおいて、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aにおいて第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に凹部23が、第一の絶縁板4aの外部電源側の面22において第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に凹部24が設けられることで、第一の貫通孔100に挿入された端子6と第二の貫通孔101に挿入された端子6との間の沿面距離を長くすることができる。
【0031】
また、カラー7が導電性材料で形成されている場合、同様に、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着されたカラー7と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着されたカラー7との間の沿面距離も長くすることができる。
【0032】
また、端子固定用ナット8が導電性材料で形成されている場合、同様に、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8との間の沿面距離も長くすることができる。
【0033】
凹部23および凹部24を設けたことによって端子6間、カラー7間および端子固定用ナット8間の沿面距離が長くなるので、端子6間、カラー7間および端子固定用ナット8間の最短距離を短くしても短絡を防ぐことができる。言い換えると、第一の絶縁板4aの第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間の距離を短くすることができ、端子台1aを小型化することができる。
【0034】
ここで、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aあるいは第一の絶縁板4aの外部電源側の面22において第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に凸部を設けると、第一の貫通孔100に挿入された端子6と第二の貫通孔101に挿入された端子6との間の沿面距離だけでなく空間距離も長くすることができる。しかし、上述のとおり、空間距離を長くするためには、凸部の高さを導電部すなわち端子6の高さよりも高く設計する必要があり、端子6の長手方向において端子台1aを小型化することが困難となる。一方、第一の絶縁板4aに凹部23および凹部24を設ける場合は、凹部23および凹部24を設けたことに起因して端子6の長手方向における端子台1aの小型化が妨げられるようなことはない。
【0035】
以上のように、実施の形態1における端子台1aは、第一の面である第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aと、回転電機3側の面21aと対向する第二の面である外部電源側の面22と、を有し、回転電機3側の面21aから外部電源側の面22まで貫通する第一の複数の貫通孔である端子用貫通孔5を有し、端子用貫通孔5の各々に端子6を挿入可能である第一の絶縁板4aを備え、端子用貫通孔5は、第一の貫通孔100と、第一の貫通孔100以外の端子用貫通孔5のうち第一の貫通孔100に最も近い第二の貫通孔101と、を含み、第一の絶縁板4aは、回転電機3側の面21aにおいて、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に第一の凹部である凹部23を有し、外部電源側の面22において、第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に第二の凹部である凹部24を有することで、端子6間の絶縁距離を確保しつつ端子台1aを小型化することができる。
【0036】
また、回転電機3と、回転電機3と電気的に接続された端子台1aを備えることで、端子6間の絶縁距離を確保しつつ端子台1aを小型化したエレベータ装置を得ることができる。
【0037】
なお、実施の形態1では、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aに凹部23を設け、外部電源側の面22に凹部24を設けたが、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aだけに凹部23を設け、外部電源側の面22には凹部24を設けないようにしてもよいし、逆に、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aには凹部23を設けずに、外部電源側の面22だけに凹部24を設けてもよい。これらの場合においても、端子6間の絶縁距離を確保しつつ端子台1aを小型化することができる。
【0038】
なお、実施の形態1では、凹部23および凹部24は、第一の絶縁板4aの第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に線状の溝を作るように形成されているが、凹部23および凹部24の形状は線状の溝には限定されない。例えば、回転電機3側あるいは外部電源側から見た平面視において丸い形状や多角形の形状の凹部23および凹部24を形成してもよい。
【0039】
さらに、実施の形態1では、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aの第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に1つの凹部23を、外部電源側の面22の第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に1つの凹部24を設けたが、第一の絶縁板4aの回転電機3側の面21aの第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に2つ以上の凹部23を設けてもよいし、外部電源側の面22の第一の貫通孔100と第二の貫通孔101との間に2つ以上の凹部24を設けてもよい。
【0040】
なお、実施の形態1では、端子台1aがエレベータの回転電機3に電力供給を行うために使用される例について説明したが、エレベータの回転電機3に限らず、その他の電気機器に使用される回転電機に電力供給を行うために端子台1aを使用してもよい。また、端子台1aは、電力供給以外の目的で機器間を電気的に接続するためにも使用可能である。例えば、端子台1aは、電気機器の制御盤内部の電磁リレーやPLC、インバータ等を電気的に接続するための中継器として使用されてもよいし、電気機器の制御盤外部に設けられた中継箱内の中継器として使用されてもよい。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2における端子台1bの構成を説明する。
図7は実施の形態2における第一の絶縁板4bを示す図である。
図7(a)は回転電機3側から見た図であり、
図7(b)は外部電源側から見た図である。実施の形態2における第一の絶縁板4bは、第一の面である回転電機3側の面21bに固定部材用凹部である切り欠き40を有する点が実施の形態1の第一の絶縁板4aと相違する。なお、実施の形態1と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。なお、実施の形態2では端子固定用ナット8は導電性材料で形成されているものとする。
【0042】
図7(a)に示すように、切り欠き40は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bに、回転電機3側の面21bを平面視で見たときに端子用貫通孔5をそれぞれ含むように設けられている。以下では、複数の切り欠き40のうち、回転電機3側の面21bを平面視で見たときに第一の貫通孔100を内部に含む切り欠き40に注目して説明する。そのため、以下では、特段の説明無しに単に「切り欠き40」と記載すれば、回転電機3側の面21bを平面視で見たときに第一の貫通孔100を内部に含む切り欠き40を指すものとする。
【0043】
切り欠き40は、回転電機3側の面21bに平行な断面において、第二の貫通孔101に最も近い側壁部に、第一の貫通孔100の中心と第二の貫通孔101の中心とを結ぶ直線と垂直な第一の直線部41を有する。また、第二の貫通孔101に最も近い側壁部と対向する側壁部に、第一の直線部41に平行な第二の直線部42を有する。なお、
図7(a)では、第二の貫通孔101は2つ図示されているが、第一の貫通孔100と第一の貫通孔100の上側に位置する第二の貫通孔101との位置関係に注目して、第一の直線部41および第二の直線部42を図示している。第一の貫通孔100と第一の貫通孔100の下側に位置する第二の貫通孔101との間の位置関係に注目する場合は、切り欠き40の側壁部のうち
図7(a)における下側の側壁部に第一の直線部41が、
図7における上側の側壁部に第二の直線部42が設けられる。なお、ここで、「垂直」や「平行」とは、厳密な意味での垂直や平行だけでなく、多少のずれがあっても実質的に垂直や平行と言えるものも含むものとする。
【0044】
次に、実施の形態2における第一の絶縁板4bの切り欠き40と端子固定用ナット8の位置関係について詳細に説明する。
図8は実施の形態2における端子台1bを端子箱2から取り出した状態を示す図である。
図8(a)は回転電機3側から見た図であり、
図8(b)は外部電源側から見た図である。
図9は実施の形態2における第一の絶縁板4bの切り欠き40と端子固定用ナット8の位置関係を示す図である。
図9(a)は端子固定用ナット8の外形が正六角形である場合、
図9(b)は端子固定用ナット8の外形が六角形である場合、
図9(c)は端子固定用ナット8の外形が五角形である場合を示す図である。
【0045】
実施の形態2において用いられる端子固定用ナット8は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bと平行な断面における外形の一部に直線部43を有する。例えば、
図9(a)~(c)に示すように、端子固定用ナット8の外形が多角形である場合、この多角形の一辺が直線部43である。また、端子固定用ナット8は、貫通孔102を有し、この貫通孔102に端子6を挿入して端子固定用ナット8を締めることで端子6と第一の絶縁板4bとを固定することができる。なお、端子固定用ナット8としては、
図9(a)に示すような外形が正六角形である六角ナットを用いることがより好ましい。ここで、「多角形」や「正六角形」とは、厳密な意味での多角形や正六角形だけでなく、例えば頂点部分が面取り加工されていたり多少の歪みがあったりしても実質的に多角形や正六角形と言えるものも含むものとする。
【0046】
第一の貫通孔100に挿入された端子6と第一の絶縁板4bとを端子固定用ナット8によって固定するとき、端子固定用ナット8は、端子固定用ナット8の直線部43が切り欠き40の第一の直線部41と接触するように切り欠き40内に配置される。端子固定用ナット8の直線部43と切り欠き40の第一の直線部41とが互いに接触するように切り欠き40内に端子固定用ナット8を配置することによって、端子固定用ナット8が切り欠き40内で回転することを防ぐことができる。例えば、
図9(a)~(c)に示すように、端子固定用ナット8の外形が多角形である場合について説明すると、端子固定用ナット8が制限なく回転可能な場合、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8の外形の頂点部分が第二の貫通孔101に挿入された端子6側を向いてしまうことがある。そうすると、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8の直線部43が第二の貫通孔101に挿入された端子6側を向く場合と比較して、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6との最短距離、あるいは、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8との最短距離が短くなり、絶縁距離の確保が難しくなる。したがって、端子固定用ナット8の直線部43と切り欠き40の第一の直線部41とが互いに接触するように切り欠き40内に端子固定用ナット8を配置して端子固定用ナット8が切り欠き40内で回転することを防ぐことによって、絶縁距離を確保することができる。なお、必ずしも端子固定用ナット8の直線部43の全面が切り欠き40の第一の直線部41に接触している必要はなく、端子固定用ナット8の直線部43の少なくとも一部が切り欠き40の第一の直線部41に接触していればよい。
【0047】
次に、切り欠き40の第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離について説明する。第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離は、第一の貫通孔100に端子6が挿入され、端子固定用ナット8が端子6に装着された状態において、端子固定用ナット8が切り欠き40内で回転することを防ぐように設計される。
【0048】
より具体的には、
図9(a)~(c)に示すように、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bに平行な断面において、端子固定用ナット8の貫通孔102の中心が第一の直線部41と第二の直線部42との間の中間に位置する場合を想定して説明する。
図9(a)~(c)において、端子固定用ナット8の貫通孔102の中心と端子固定用ナット8の外周上の点を結ぶ線分のうち最も長い線分の2倍の長さを持つ線分を線分A、端子固定用ナット8の直線部43と垂直な直線が交わる端子固定用ナット8の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分を線分Bとする。
【0049】
第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離が、線分Aの長さ以上である場合、端子固定用ナット8が第一の直線部41および第二の直線部42と接触しないので、端子固定用ナット8が制限なく回転してしまう可能性がある。一方で、第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離が、線分Bの長さより小さい場合、端子固定用ナット8の直線部43が切り欠き40の第一の直線部41に接触した状態で切り欠き40内に端子固定用ナット8を配置することができない。よって、第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離は、線分Aの長さよりも小さく、すなわち、端子固定用ナット8の貫通孔102の中心と端子固定用ナット8の外周上の点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さの2倍よりも小さくなるように設計される。これにより、端子固定用ナット8が切り欠き40内で第一の直線部41または第二の直線部42と干渉するので、切り欠き40内で端子固定用ナット8が回転することを防ぐことができる。さらに、第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離は、線分Bの長さ以上に、すなわち、端子固定用ナット8の直線部43と垂直な直線が交わる端子固定用ナット8の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さ以上になるように設計される。これにより、端子固定用ナット8の直線部43が切り欠き40の第一の直線部41に接触した状態で切り欠き40内に端子固定用ナット8を配置することができる。
【0050】
以上のように、第一の絶縁板4bは、第一の面である回転電機3側の面21bを平面視で見たときに第一の貫通孔100を内部に含む固定部材用凹部である切り欠き40を有し、切り欠き40は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bに平行な断面において、第二の貫通孔101に最も近い側壁部に、第一の貫通孔100の中心と第二の貫通孔101の中心とを結ぶ直線と垂直な第一の直線部41を有し、導電性材料で形成され、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bと平行な断面における外形の一部に直線部43を有し、第一の貫通孔100に挿入された端子6と第一の絶縁板4bとを固定する固定部材である端子固定用ナット8を、切り欠き40の第一の直線部41と端子固定用ナット8の直線部43が接触するように切り欠き40内に配置可能とすることで、端子固定用ナット8が切り欠き40内で回転することを防ぐことができる。これにより、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6との間の絶縁距離、あるいは、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8との間の絶縁距離を確保することができ、端子台1bを小型化することができる。
【0051】
また、切り欠き40は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bに平行な断面において、第二の貫通孔101に最も近い側壁部と対向する側壁部に、第一の直線部41に平行な第二の直線部42を有し、端子固定用ナット8は、端子6を挿入可能な貫通孔102を有し、第一の直線部41と第二の直線部42との間の距離は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bと平行な断面において、端子固定用ナット8の貫通孔102の中心と端子固定用ナット8の外周上の点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さの2倍よりも小さく、端子固定用ナット8の直線部43と垂直な直線が交わる端子固定用ナット8の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さ以上であることで、端子固定用ナット8が切り欠き40内で回転することを防ぐことができる。これにより、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6との間の絶縁距離、あるいは、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8との間の絶縁距離を確保することができ、端子台1bを小型化することができる。
【0052】
なお、実施の形態2では、切り欠き40の第一の直線部41が、回転電機3側の面21bに平行な断面において、第一の貫通孔100の中心と第二の貫通孔101の中心とを結ぶ直線と垂直になるように設けられているが、第一の直線部41は、第一の貫通孔100の中心と第二の貫通孔101の中心とを結ぶ直線と垂直でなくてもよい。例えば、端子固定用ナット8として外形が正六角形である六角ナットを用いる場合、切り欠き40の第一の直線部41を、第一の貫通孔100の中心と第二の貫通孔101の中心とを結ぶ直線とのなす角が60度より大きく90度以下になるように設けることができる。これにより、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8の外形の頂点部分が第二の貫通孔101に挿入された端子6側を向く場合と比較して、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6との間の絶縁距離、あるいは、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8との間の絶縁距離を確保することができ、端子台1bを小型化することができる。なお、ここで、「なす角」とは、2つの直線によって形成される角のうち角度が小さい方を指すものとする。
【0053】
なお、実施の形態2では、
図7(a)、
図8(a)および
図9に示すように、切り欠き40として、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bに平行な断面において、第一の直線部41、第二の直線部42および第一の直線部41と第二の直線部42とを接続する曲線部を有する形状の溝を設けたが、切り欠き40の形状はこれに限定されない。例えば、第一の直線部41と第二の直線部42とを接続する曲線部の代わりに直線部を設けてもよい。また、第二の直線部42の代わりに曲線部を設けてもよい。また、実施の形態2では、
図9における右側部分には側壁を有さない形状の切り欠き40を設けたが、
図9における右側部分にも側壁を有する形状の切り欠き40を設けてもよい。この場合の右側部分の側壁の形状は、直線状であっても、曲線状であってもよい。
【0054】
実施の形態3.
実施の形態3における端子台1cの構成を説明する。
図10は実施の形態3における端子台1cの側断面図である。
図11は、実施の形態3における第二の絶縁板50を示す図である。
図11(a)は回転電機3側から見た図であり、
図11(b)は外部電源側から見た図である。実施の形態3における端子台1cは、第一の絶縁板4bに加えて、第二の絶縁板50を有する点が実施の形態2の端子台1bと相違する。なお、実施の形態2と同一の構成には同一符号を付してその説明を省略する。なお、実施の形態3では端子固定用ナット8は導電性材料で形成されているものとする。
【0055】
図10において、第二の絶縁板50は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bと接触し、凸部53が第一の絶縁板4bの凹部23と嵌合するように配置される。また、各端子6は、第一の絶縁板4bの端子用貫通孔5および第二の絶縁板50の端子用貫通孔54に挿入されている。また、各スタッドボルト10は、第一の絶縁板4bのスタッドボルト用貫通孔9および第二の絶縁板50のスタッドボルト用貫通孔55に挿入されている。第一の絶縁板4bおよび第二の絶縁板50を挟んで各スタッドボルト10の回転電機3側と外部電源側にそれぞれスタッドボルト固定用ナット11を装着することで、スタッドボルト10、第一の絶縁板4bおよび第二の絶縁板50が固定されている。
【0056】
図11において、第二の絶縁板50は、第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bと接触する接触面である外部電源側の面51と、外部電源側の面51と対向する対向面である回転電機3側の面52と、を有し、外部電源側の面51から回転電機3側の面52まで貫通する第二の複数の貫通孔である複数の端子用貫通孔54および複数のスタッドボルト用貫通孔55を有する。さらに、第二の絶縁板50は、外部電源側の面51に凸部53を有する。第二の絶縁板50は絶縁体で形成される。
【0057】
各端子用貫通孔54には端子6をそれぞれ挿入可能であり、各スタッドボルト用貫通孔55にはスタッドボルト10をそれぞれ挿入可能である。また、複数の端子用貫通孔54は、第一の絶縁板4bの第一の貫通孔100に対応する位置に設けられた第三の貫通孔103と、第一の絶縁板4bの第二の貫通孔101に対応する位置に設けられた第四の貫通孔104と、を含む。言い換えると、第三の貫通孔103以外の端子用貫通孔54のうち第三の貫通孔103に最も近い端子用貫通孔54が第四の貫通孔104である。また、外部電源側の面51に平行な断面における端子用貫通孔54の各々の形状は、端子固定用ナット8によって端子6と第一の絶縁板4bが固定され、端子6が端子用貫通孔54に挿入された状態において、端子固定用ナット8と端子用貫通孔54の各々の側壁との間に空間を有するように形成されている。言い換えると、端子用貫通孔54は、端子固定用ナット8と端子用貫通孔54の側壁とが互いに接触しないような形状および大きさを有する。
【0058】
凸部53は、第二の絶縁板50の外部電源側の面51において、第三の貫通孔103と第四の貫通孔104との間に形成されている。凸部53は、例えば、
図11(b)に示すように、第三の貫通孔103と第四の貫通孔104との間に線状の突起を作るように形成されている。また、凸部53は第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bの凹部23と篏合できるように形成されている。
【0059】
次に、実施の形態3における端子固定用ナット8間の空間距離について説明する。
図12は、実施の形態3における端子固定用ナット8間の空間距離を説明する図である。
図12(a)は比較例として実施の形態2における端子固定用ナット8間の空間距離を示し、
図12(b)は実施の形態3における端子固定用ナット8間の空間距離を示す。なお、
図12において破線で示した部分の長さが端子固定用ナット8間の空間距離を示している。
【0060】
図12(a)に示すように、実施の形態2では、第二の絶縁板50を用いずに第一の絶縁板4bのみを用いており、端子固定用ナット8は、第一の絶縁板4bの切り欠き40から、回転電機3側に一部が露出している。よって、端子固定用ナット8間の空間距離は、一方の端子固定用ナット8と他方の端子固定用ナット8との最短距離となる。
【0061】
一方で、
図12(b)に示すように、実施の形態3では、第一の絶縁板4bおよび第二の絶縁板50を用いている。端子固定用ナット8は、第一の絶縁板4bの切り欠き40から、回転電機3側に一部が露出しているが、切り欠き40から露出している部分は第二の絶縁板50の端子用貫通孔54内に位置し、端子用貫通孔54の側壁によって周囲を囲われている。よって、端子固定用ナット8間の空間距離は、一方の端子固定用ナット8と第二の絶縁板50の端子用貫通孔54の側壁の回転電機3側の端部との最短距離、第二の絶縁板50の回転電機3側の面52の2つの端子用貫通孔54間の長さおよび第二の絶縁板50の端子用貫通孔54の側壁の回転電機3側の端部と他方の端子固定用ナット8との最短距離を加算した長さとなる。この場合、
図12(a)に示した場合と比較して端子固定用ナット8間の空間距離は長くなる。
【0062】
以上のように、実施の形態3における端子台1cは、第一の面である第一の絶縁板4bの回転電機3側の面21bと接触する接触面である外部電源側の面51と、外部電源側の面51と対向する対向面である回転電機3側の面52と、を有し、外部電源側の面51から回転電機3側の面52まで貫通する第二の複数の貫通孔である端子用貫通孔54を有し、端子用貫通孔54の各々に端子6を挿入可能である第二の絶縁板50を備える。また、第二の絶縁板50は、外部電源側の面51に、第一の絶縁板4bの凹部23と篏合する凸部53を有することによって、第一の絶縁板4bに対する第二の絶縁板50の位置決めが容易になる。さらに、第一の絶縁板4bに対する第二の絶縁板50の位置ずれも防止することができる。
【0063】
また、実施の形態3における端子台1cは、第二の絶縁板50の外部電源側の面51に平行な断面における端子用貫通孔54の各々の形状は、導電性材料で形成された固定部材である端子固定用ナット8によって端子6と第一の絶縁板4bとが固定され、端子6が端子用貫通孔54に挿入された状態において、端子固定用ナット8と端子用貫通孔54の各々の側壁との間に空間を有するように形成される。これにより、第一の貫通孔100に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8と第二の貫通孔101に挿入された端子6に装着された端子固定用ナット8との間の絶縁距離、特に空間距離を確保することができ、端子台1cを小型化することができる。
【0064】
なお、実施の形態3では、凸部53は第三の貫通孔103と第四の貫通孔104との間に線状の突起を作るように形成されているが、凸部53の形状は線状の突起には限定されない。例えば、外部電源側から見た平面視において丸い形状や多角形の形状の凸部53を形成してもよい。
【0065】
さらに、実施の形態3では、第二の絶縁板50の外部電源側の面51の第三の貫通孔103と第四の貫通孔104との間に1つの凸部53を設けたが、第二の絶縁板50の外部電源側の面51の第三の貫通孔103と第四の貫通孔104との間に2つ以上の凸部53を設けてもよい。
【0066】
なお、実施の形態3では、
図11に示すように、平面視において円形状を有する端子用貫通孔54を形成したが、端子用貫通孔54の形状は、端子固定用ナット8によって端子6と第一の絶縁板4bとが固定され、端子6が端子用貫通孔54に挿入された状態において、端子固定用ナット8と端子用貫通孔54の側壁との間に空間を有するような形状であれば何でもよく、例えば平面視において長方形状や楕円状であってもよい。
【0067】
なお、実施の形態3では、端子台1cに第一の絶縁板4bを用いたが、実施の形態1で示した第一の絶縁板4aを用いてもよい。
【0068】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有する
端子台。
(付記2)
前記第一の面と接触する接触面と、前記接触面と対向する対向面と、を有し、前記接触面から前記対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、前記第二の複数の貫通孔の各々に前記端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、
前記第二の絶縁板は、前記接触面に、前記第一の絶縁板の前記第一の凹部と篏合する凸部を有する
付記1に記載の端子台。
(付記3)
前記接触面に平行な断面における前記第二の複数の貫通孔の各々の形状は、
導電性材料で形成された固定部材によって前記端子と前記第一の絶縁板とが固定され、前記端子が前記第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、
前記固定部材と前記第二の複数の貫通孔の各々の側壁との間に空間を有するように形成されている
付記2に記載の端子台。
(付記4)
前記第一の絶縁板は、
前記第一の面に、前記第一の面を平面視で見たときに前記第一の貫通孔を内部に含む固定部材用凹部を有し、
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部に、前記第一の貫通孔の中心と前記第二の貫通孔の中心とを結ぶ直線と垂直な第一の直線部を有し、
導電性材料で形成され、前記第一の面と平行な断面における外形の一部に直線部を有し、前記第一の貫通孔に挿入された前記端子と前記第一の絶縁板とを固定する固定部材を、前記固定部材用凹部の第一の直線部と前記固定部材の直線部が接触するように前記固定部材用凹部内に配置可能である
付記1から3のいずれか一項に記載の端子台。
(付記5)
前記第一の絶縁板は、
前記第一の面に、前記第一の面を平面視で見たときに前記第一の貫通孔を内部に含む固定部材用凹部を有し、
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部に、前記第一の貫通孔の中心と前記第二の貫通孔の中心とを結ぶ直線とのなす角が60度より大きく90度以下である第一の直線部を有し、
導電性材料で形成され、前記第一の面と平行な断面における外形が正六角形であり、前記第一の貫通孔に挿入された前記端子と前記第一の絶縁板とを固定する固定部材を、前記固定部材用凹部の第一の直線部と前記外形の一辺である前記固定部材の直線部が接触するように前記固定部材用凹部内に配置可能である
付記1から3のいずれか一項に記載の端子台。
(付記6)
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部と対向する側壁部に、前記第一の直線部に平行な第二の直線部を有し、
前記固定部材は、前記端子を挿入可能な貫通孔を有し、
前記第一の直線部と前記第二の直線部との間の距離は、
前記第一の面と平行な断面において、前記固定部材の貫通孔の中心と前記固定部材の外周上の点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さの2倍よりも小さく、前記固定部材の直線部と垂直な直線が交わる前記固定部材の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さ以上である
付記4または付記5に記載の端子台。
(付記7)
前記第一の絶縁板は、
前記第二の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第二の凹部を有する
付記1から6のいずれか1項に記載の端子台。
(付記8)
回転電機と、
前記回転電機と電気的に接続された端子台と、
を備え、
前記端子台は、
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有する
エレベータ装置。
【符号の説明】
【0069】
1a、1b、1c 端子台
2 端子箱
3 回転電機
4a、4b 第一の絶縁板
5 端子用貫通孔
6 端子
7 カラー
8 端子固定用ナット
10 スタッドボルト
9 スタッドボルト用貫通孔
11 スタッドボルト固定用ナット
20 バスバー
21a、21b 第一の絶縁板の回転電機側の面
22 第一の絶縁板の外部電源側の面
23 凹部
24 凹部
25 圧着端子
30 導電部
31、32、33 絶縁板
40 切り欠き
41 切り欠きの第一の直線部
42 切り欠きの第二の直線部
43 端子固定用ナットの直線部
50 第二の絶縁板
51 第二の絶縁板の外部電源側の面
52 第二の絶縁板の回転電機側の面
53 凸部
54 端子用貫通孔
55 スタッドボルト用貫通孔
100 第一の貫通孔
101 第二の貫通孔
102 端子固定用ナットの貫通孔
103 第三の貫通孔
104 第四の貫通孔
【手続補正書】
【提出日】2023-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有し、
前記第一の面と接触する接触面と、前記接触面と対向する対向面と、を有し、前記接触面から前記対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、前記第二の複数の貫通孔の各々に前記端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、
導電性材料で形成された固定部材によって前記端子と前記第一の絶縁板とが固定され、前記端子が前記第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、前記固定部材における前記第一の面と接触する面と対向する面よりも、前記第二の絶縁板における前記対向面が、前記対向面と垂直な方向から見たとき、前記第二の絶縁板における前記接触面を基準として第二の絶縁板側に配置される
端子台。
【請求項2】
前記第一の面と接触する接触面と、前記接触面と対向する対向面と、を有し、前記接触面から前記対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、前記第二の複数の貫通孔の各々に前記端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、
前記第二の絶縁板は、前記接触面に、前記第一の絶縁板の前記第一の凹部と篏合する凸部を有する
請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記接触面に平行な断面における前記第二の複数の貫通孔の各々の形状は、
導電性材料で形成された固定部材によって前記端子と前記第一の絶縁板とが固定され、前記端子が前記第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、
前記固定部材と前記第二の複数の貫通孔の各々の側壁との間に空間を有するように形成されている
請求項2に記載の端子台。
【請求項4】
前記第一の絶縁板は、
前記第一の面に、前記第一の面を平面視で見たときに前記第一の貫通孔を内部に含む固定部材用凹部を有し、
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部に、前記第一の貫通孔の中心と前記第二の貫通孔の中心とを結ぶ直線と垂直な第一の直線部を有し、
導電性材料で形成され、前記第一の面と平行な断面における外形の一部に直線部を有し、前記第一の貫通孔に挿入された前記端子と前記第一の絶縁板とを固定する固定部材を、前記固定部材用凹部の第一の直線部と前記固定部材の直線部が接触するように前記固定部材用凹部内に配置可能である
請求項1から3のいずれか一項に記載の端子台。
【請求項5】
前記第一の絶縁板は、
前記第一の面に、前記第一の面を平面視で見たときに前記第一の貫通孔を内部に含む固定部材用凹部を有し、
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部に、前記第一の貫通孔の中心と前記第二の貫通孔の中心とを結ぶ直線とのなす角が60度より大きく90度以下である第一の直線部を有し、
導電性材料で形成され、前記第一の面と平行な断面における外形が正六角形であり、前記第一の貫通孔に挿入された前記端子と前記第一の絶縁板とを固定する固定部材を、前記固定部材用凹部の第一の直線部と前記外形の一辺である前記固定部材の直線部が接触するように前記固定部材用凹部内に配置可能である
請求項1から3のいずれか一項に記載の端子台。
【請求項6】
前記固定部材用凹部は、前記第一の面に平行な断面において、前記第二の貫通孔に最も近い側壁部と対向する側壁部に、前記第一の直線部に平行な第二の直線部を有し、
前記固定部材は、前記端子を挿入可能な貫通孔を有し、
前記第一の直線部と前記第二の直線部との間の距離は、
前記第一の面と平行な断面において、前記固定部材の貫通孔の中心と前記固定部材の外周上の点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さの2倍よりも小さく、前記固定部材の直線部と垂直な直線が交わる前記固定部材の外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分の長さ以上である
請求項4に記載の端子台。
【請求項7】
前記第一の絶縁板は、
前記第二の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第二の凹部を有する
請求項1から3のいずれか1項に記載の端子台。
【請求項8】
回転電機と、
前記回転電機と電気的に接続された端子台と、
を備え、
前記端子台は、
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有し、
前記第一の面と接触する接触面と、前記接触面と対向する対向面と、を有し、前記接触面から前記対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、前記第二の複数の貫通孔の各々に前記端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、
導電性材料で形成された固定部材によって前記端子と前記第一の絶縁板とが固定され、前記端子が前記第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、前記固定部材における前記第一の面と接触する面と対向する面よりも、前記第二の絶縁板における前記対向面が、前記対向面と垂直な方向から見たとき、前記第二の絶縁板における前記接触面を基準として第二の絶縁板側に配置される
エレベータ装置。
【請求項9】
第一の面と、前記第一の面と対向する第二の面と、を有し、前記第一の面から前記第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、前記第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、
前記第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、前記第一の貫通孔以外の前記第一の複数の貫通孔のうち前記第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、
前記第一の絶縁板は、前記第一の面において、前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔との間に第一の凹部を有し、
前記第一の面と接触する接触面と、前記接触面と対向する対向面と、を有し、前記接触面から前記対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、前記第二の複数の貫通孔の各々に前記端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、
前記第二の絶縁板は、前記接触面に、前記第一の絶縁板の前記第一の凹部と篏合する凸部を有する
端子台。
【請求項10】
前記接触面に平行な断面における前記第二の複数の貫通孔の各々の形状は、
導電性材料で形成された固定部材によって前記端子と前記第一の絶縁板とが固定され、前記端子が前記第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、
前記固定部材と前記第二の複数の貫通孔の各々の側壁との間に空間を有するように形成されている
請求項9に記載の端子台。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示に係る端子台は、第一の面と、第一の面と対向する第二の面と、を有し、第一の面から第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、第一の貫通孔以外の第一の複数の貫通孔のうち第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、第一の絶縁板は、第一の面において、第一の貫通孔と第二の貫通孔との間に第一の凹部を有し、第一の面と接触する接触面と、接触面と対向する対向面と、を有し、接触面から対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、第二の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、導電性材料で形成された固定部材によって端子と第一の絶縁板とが固定され、端子が第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、固定部材における第一の面と接触する面と対向する面よりも、第二の絶縁板における対向面が、対向面と垂直な方向から見たとき、第二の絶縁板における接触面を基準として第二の絶縁板側に配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示に係るエレベータ装置は、回転電機と、回転電機と電気的に接続された端子台と、を備え、端子台は、第一の面と、第一の面と対向する第二の面と、を有し、第一の面から第二の面まで貫通する第一の複数の貫通孔を有し、第一の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第一の絶縁板を備え、第一の複数の貫通孔は、第一の貫通孔と、第一の貫通孔以外の第一の複数の貫通孔のうち第一の貫通孔に最も近い第二の貫通孔と、を含み、第一の絶縁板は、第一の面において、第一の貫通孔と第二の貫通孔との間に第一の凹部を有し、第一の面と接触する接触面と、接触面と対向する対向面と、を有し、接触面から対向面まで貫通する第二の複数の貫通孔を有し、第二の複数の貫通孔の各々に端子を挿入可能である第二の絶縁板を備え、導電性材料で形成された固定部材によって端子と第一の絶縁板とが固定され、端子が第二の複数の貫通孔に挿入された状態において、固定部材における第一の面と接触する面と対向する面よりも、第二の絶縁板における対向面が、対向面と垂直な方向から見たとき、第二の絶縁板における接触面を基準として第二の絶縁板側に配置される。