(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126774
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】経路生成装置、駐車支援システム及び経路生成方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20240912BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240912BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20240912BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/16 C
B60R99/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035398
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】四郎園 政隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】勝 健太
(72)【発明者】
【氏名】徳山 和宏
(72)【発明者】
【氏名】松村 千春
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA22
3D241BA42
3D241BB02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CD07
3D241CD08
3D241CD12
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA52Z
3D241DB02Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF10
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】駐車経路の生成における処理負荷の軽減が可能な経路生成装置を得る。
【解決手段】本開示の経路生成装置100は、自車両10の周辺環境を取得する周辺環境情報取得部101と、自車位置を推定する自車位置推定部102と、経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路ALを生成する幾何学的経路生成部103と、複数のノードとノード間を接続する複数のエッジを用いて経路を探索するグラフ探索アルゴリズムを用いてグラフ探索経路GLを生成するグラフ探索経路生成部104と、幾何学的経路AL及びグラフ探索経路GLを組み合わせることにより駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでの駐車経路を生成する経路組合せ部105と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺環境を取得する周辺環境情報取得部と、
自車位置を推定する自車位置推定部と、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路を生成する幾何学的経路生成部と、
複数のノードと前記ノード間を接続する複数のエッジを用いて経路を探索するグラフ探索アルゴリズムを用いて、グラフ探索経路を生成するグラフ探索経路生成部と、
前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車スペース内の駐車目標位置までの駐車経路を生成する経路組合せ部と、
を備える経路生成装置。
【請求項2】
前記駐車経路は、前記幾何学的経路生成部によって生成された前記駐車目標位置から接続点までの経路である前記幾何学的経路と、前記グラフ探索経路生成部によって生成された前記駐車開始位置から前記接続点までの経路である前記グラフ探索経路とを組み合わせた経路であることを特徴とする請求項1に記載の経路生成装置。
【請求項3】
前記幾何学的経路生成部は前記幾何学的経路の生成時に前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成し、前記接続点が複数ある場合は複数の前記接続点に関する経路の評価指標をそれぞれ算出し、前記グラフ探索経路生成部は複数の前記接続点の少なくとも1つ以上を用いて前記グラフ探索経路を生成し、前記経路組合せ部は前記駐車経路として複数の解がある場合は前記評価指標の合計が最も小さい駐車経路を選択することを特徴とする請求項2に記載の経路生成装置。
【請求項4】
前記幾何学的経路生成部が前記幾何学的経路を生成できない場合は、前記グラフ探索経路生成部は前記駐車開始位置から前記駐車目標位置までの前記駐車経路を前記グラフ探索経路として生成することを特徴とする請求項1に記載の経路生成装置。
【請求項5】
前記グラフ探索経路生成部は、前記駐車開始位置に対応する初期ノードから開始して、前記接続点に対応する目標ノードへ向かう前記複数のノード及び前記複数のエッジからなる初期ツリーと、前記目標ノードから開始して前記初期ノードへ向かう前記複数のノード及び前記複数のエッジからなる目標ツリーとを接続して、前記グラフ探索経路を生成するグラフ探索アルゴリズムを用いることを特徴とする請求項2または3に記載の経路生成装置。
【請求項6】
前記グラフ探索経路生成部は、前記グラフ探索経路を生成できない場合は、前記グラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更して、前記グラフ探索経路を再生成することを特徴とする請求項5に記載の経路生成装置。
【請求項7】
前記パラメータは、前記エッジの長さ、前記エッジの曲率、最大反復回数のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項6に記載の経路生成装置。
【請求項8】
前記グラフ探索経路の生成処理後に前記周辺環境が変化して、前記周辺環境情報取得部が前記グラフ探索経路上に位置する障害物に関する情報を取得し、かつ前記グラフ探索経路生成部が前記グラフ探索経路を生成できない場合は、前記幾何学的経路生成部は前記障害物を回避する幾何学的経路及び前記接続点を再生成することを特徴とする請求項2、3、6、7のいずれか1項に記載の経路生成装置。
【請求項9】
請求項1から4、6、7のいずれか1項に記載の経路生成装置と、
前記経路生成装置が生成した前記駐車経路に基づいて、前記自車両を駐車させる車両制御装置と、
を備える駐車支援システム。
【請求項10】
前記車両制御装置は、周辺環境が変化した際に、前記幾何学的経路生成部及び前記グラフ探索経路生成部の両方が経路の再生成を行っても前記駐車経路を生成できない場合は、前記自車両の車両制御を中断すると判断することを特徴とする請求項9に記載の駐車支援システム。
【請求項11】
前記車両制御装置は中断の判断に対応して、前記自車両を停車させ、駐車制御を中止することを特徴とする請求項10に記載の駐車支援システム。
【請求項12】
以下の各ステップを処理回路によって実行する車両制御方法であって、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路、及び前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成するステップと、
ノード及び前記ノードを接続するエッジを用いるグラフ探索アルゴリズムに基づきグラフ探索経路を生成するステップと、
前記接続点を介して前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車目標位置までの駐車経路を生成するステップと、
を備える経路生成方法。
【請求項13】
前記グラフ探索アルゴリズムは、前記駐車開始位置に対応する初期ノードから開始して、前記接続点に対応する目標ノードへ向かう複数の前記ノード及び複数の前記エッジからなる初期ツリーと、前記目標ノードから開始して前記初期ノードへ向かう複数の前記ノード及び複数の前記エッジからなる目標ツリーとを接続して、前記グラフ探索経路を生成することを特徴とする請求項12に記載の経路生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、経路生成装置、駐車支援システム及び経路生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の自動運転技術の発展にともない、車両の駐車を支援する駐車支援装置、駐車支援システムが種々提案あるいは実用化されている。例えば、特許文献1に記載の駐車支援システムでは、初期位置から目標位置までの目標経路においてグラフ理論を活用したグラフ探索アルゴリズムによって経路を生成し、車両を駐車させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の駐車支援システムでは、縦列駐車のように駐車スペース内において走行距離が短い切り返しを繰り返して駐車を行うような状況の場合は、冗長な計算が多くなるため、処理負荷が高くなってしまうという問題があった。
【0005】
本開示は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、駐車経路の生成における処理負荷を軽減することが可能な経路生成装置、駐車支援システム及び経路生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る経路生成装置は、
自車両の周辺環境を取得する周辺環境情報取得部と、
自車位置を推定する自車位置推定部と、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路を生成する幾何学的経路生成部と、
複数のノードと前記ノード間を接続する複数のエッジを用いて経路を探索するグラフ探索アルゴリズムを用いて、グラフ探索経路を生成するグラフ探索経路生成部と、
前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車スペース内の駐車目標位置までの駐車経路を生成する経路組合せ部と、を備える。
【0007】
本開示に係る駐車支援システムは、
上述の経路生成装置と、
前記経路生成装置が生成した前記駐車経路に基づいて、前記自車両を駐車させる車両制御装置と、を備える。
【0008】
本開示に係る経路生成方法は、
以下の各ステップを処理回路によって実行する車両制御方法であって、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路、及び前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成するステップと、
ノード及び前記ノードを接続するエッジを用いるグラフ探索アルゴリズムに基づきグラフ探索経路を生成するステップと、
前記接続点を介して前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車目標位置までの駐車経路を生成するステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る経路生成装置、駐車支援システム及び経路生成方法によると、駐車開始位置から接続点までの経路をグラフ探索アルゴリズムによって生成し、接続点から駐車目標位置までの経路を幾何学的経路として生成することで、駐車経路の生成における処理負荷を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る経路生成装置のブロック図である。
【
図2】実施の形態1の実施例1における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図3】実施の形態1の実施例1における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図4】実施の形態1の実施例1における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図5】実施の形態1の実施例1における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図6】実施の形態1の実施例1における経路生成装置の処理フローを説明するフローチャート図である。
【
図7】実施の形態1の実施例1における経路生成装置のグラフ探索経路生成部の処理フローを説明するフローチャート図である。
【
図8】実施の形態1の実施例1における経路生成装置の経路組合せ部の処理フローを説明するフローチャート図である。
【
図9】実施の形態1の実施例2における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図10】実施の形態1の実施例2における経路生成装置におけるグラフ探索経路生成部の処理フローを説明するフローチャート図である。
【
図11】実施の形態1の実施例3における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図12】実施の形態1の実施例3における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図13】実施の形態1の実施例3における経路生成装置の動作を説明する模式図である。
【
図14】実施の形態2に係る経路生成システムのブロック図である。
【
図15】実施の形態2に係る経路生成システムを搭載した車両の模式図である。
【
図16】実施の形態1に係る経路生成装置及び実施の形態2に係る駐車支援システムを実現するハードウェア構成を示す図である。
【
図17】実施の形態1に係る経路生成装置及び実施の形態2に係る駐車支援システムを実現するハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
<実施の形態1に係る経路生成装置の構成>
図1は、実施の形態1に係る経路生成装置100のブロック図である。経路生成装置100は、例えば車両に搭載される。
【0012】
経路生成装置100は、周辺環境情報取得部101と、自車位置推定部102と、幾何学的経路生成部103と、グラフ探索経路生成部104と、経路組合せ部105と、を備える。経路生成装置100の各構成について、以下に説明する。
【0013】
<周辺環境情報取得部>
周辺環境情報取得部101は、自車両10に搭載された各種センサ、または交通管制センターなどの自車両10の外部から、自車両10の周辺環境情報を取得する。周辺環境情報取得部101は、取得した周辺環境情報を幾何学的経路生成部103及びグラフ探索経路生成部104にそれぞれ出力する。
【0014】
周辺環境情報とは、駐車スペース30、通路幅を含む自車両10の周辺の障害物40に関する障害物情報、駐車目標位置EPなど、経路生成に使用する一連の情報である。周辺環境情報を取得する方法として、例えば、ソナーセンサを用いて自車両10と障害物40との距離を測定することによって障害物40を検知する方法、レーダセンサの一種であるLiDAR(Light Detection and Ranging)などの高精度センサまたはカメラなどの画像センサによって自車両10の周辺の障害物40を検知する方法、交通管制センターなどの自車両10の外部との通信により取得する方法などが挙げられる。また、車車間通信装置、路車間通信装置のいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせから周辺環境情報を取得しても良い。
【0015】
<自車位置推定部>
自車位置推定部102は、現在の自車位置を推定する。自車位置推定部102は、推定した自車位置を幾何学的経路生成部103及びグラフ探索経路生成部104にそれぞれ出力する。自車位置推定部102による自車位置推定の手段としては、一例として、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(Global Navigation Satellite System)から発信される信号を受信して絶対的な位置(緯度、経度)の情報を取得するGNSS受信機が挙げられる。また、速度センサ、方位センサなどによって自車位置を検出しても良い。
【0016】
<幾何学的経路生成部>
幾何学的経路生成部103は、幾何学的な定式化、つまり曲線の組み合わせを用いて経路を生成する。曲線は、幾何学的な形状を表す式によって定式化される。幾何学的経路生成部103によって生成された経路を、以下の説明では幾何学的経路ALと呼ぶ。幾何学的経路生成部103は、自車両周辺の周辺環境情報及び駐車目標位置EPに基づいて、駐車目標位置EPから駐車スペース30内または駐車スペース30近傍までの経路、すなわち幾何学的経路ALを生成する。
【0017】
幾何学的経路生成部103は、経路の生成に当たって、駐車スペース30内または駐車スペース30近傍において出庫可能な位置に仮に終端目標点を設け、駐車目標位置EPから終端目標点までの幾何学的経路ALを、曲線を組み合わせることにより生成する。このように生成された幾何学的経路ALにおける駐車スペース30内または駐車スペース30近傍の終端部は、終端目標点とは厳密には一致しない。幾何学的経路ALの生成にともない、幾何学的経路ALの駐車スペース30内または駐車スペース30近傍の終端部である接続点CPが生成される。
【0018】
終端目標点は、例えば、駐車スペース30の通路側との境界から自車両10の車体幅あるいは車体長を基準として、出庫可能であると想定される地点に設ければ良い。例えば、縦列駐車の場合は、一例として、自車両10の車体幅をLWとし終端目標点を駐車スペース30と通路との境界線の中心から駐車スペース30の内側に車体幅LWを基準として0.2LWから0.5LWの範囲内に設ければ良い。また、並列駐車の場合は、一例として、自車両10の車体長をLLとし終端目標点を駐車スペース30と通路との境界線の中心から通路側に車体長LLを基準として0.5LLから1.5LLの範囲内に設ければ良い。さらに、駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまで仮の幾何学的経路ALを生成し、仮の幾何学的経路AL上で、駐車スペース30内または駐車スペース30近傍の地点を、終端目標点としても良い。
【0019】
幾何学的経路ALは、任意の曲線の組み合わせで構成される。ここで、曲線とは、例えば、直線、クロソイド曲線、円弧曲線及び多項式曲線などが挙げられる。例えば国際公開2020-217315号公報に開示されているような経路生成方法を用いて、移動距離S及び曲率ρからなる幾何学的経路ALを生成することが可能である。幾何学的経路ALの生成方法の他の例としては、公知のステートラティス法、ポテンシャル法、スプライン補間関数法などが挙げられる。
【0020】
幾何学的経路生成部103によって生成された経路に評価関数を適用し、評価関数Jを最小化する評価関数最小化経路を生成する。評価関数Jは重み係数ωを用いることにより、下記の式(1)のように表現することが可能である。
【0021】
【数1】
式(1)において、iは切り返しごとのインデックスを表し、kは正数、Mは幾何学的経路生成全体の切り返し回数を表す。つまり、式(1)の評価関数Jを最小にする際の移動距離Sの変数s及び曲率ρで表される経路が、評価関数最小化経路として出力される。この評価関数最小化経路が、幾何学的経路生成部103から出力される幾何学的経路ALとなる。
【0022】
式(1)において、重み係数ωρ,i(s)は、i回目の切り返しごとの重み係数ωを移動距離Sの変数sで表現した値である。また、重み係数ωρ,i(s)は、ωρ,1(s)、ωρ,2(s)、ωρ,3(s)のように、切り返しごとに移動距離Sの変数sに対する関数を設定することが可能である。
【0023】
評価関数Jを最小化する手段としては、逐次二次計画法あるいは内点法などが挙げられる。また、ACADO(Automatic Control And Dynamic Optimization)、C/GMRES(Continuation/Generalized Minimum Residual)法を用いても良い。すなわち、評価関数Jを最小化するに際しては、上述の方法を含む公知の方法を適用すれば良い。
【0024】
幾何学的経路生成部103は、評価関数最小化経路である幾何学的経路AL及び幾何学的経路ALの生成可否の情報を、経路組合せ部105に出力する。また、生成可否の情報及び評価関数最小化経路の最終位置を、グラフ探索経路生成部104に出力する。ここで、評価関数最小化経路の最終位置を、接続点CPと呼ぶ。また、幾何学的経路ALの生成可否の情報とは、幾何学的経路生成部103によって幾何学的経路ALが生成できるか否かについての情報を指す。自車両周辺の周辺環境情報及び駐車目標位置EPの内容によっては、幾何学的経路生成部103が幾何学的経路ALを生成できない場合もあるからである。
【0025】
<グラフ探索経路生成部>
グラフ探索経路生成部104は、グラフ探索アルゴリズムを用いて経路、すなわちグラフ探索経路GLを生成する。グラフ探索経路生成部104は、A*(A-star)探索アルゴリズムなどに代表されるグラフ理論を活用したグラフ探索アルゴリズムを用いて、グラフ探索経路GLを生成する。グラフ探索アルゴリズムとして、例えば特許文献1に記載されたグラフ探索アルゴリズムを適用しても良い。
【0026】
特許文献1に記載されたグラフ探索アルゴリズムとは、ノード(節点または頂点)とノード間を接続するエッジ(枝または辺)によって構成され、2つのノードがエッジで繋がれているノード間コスト(評価指標)、例えば移動距離で表される合計コストが最小となる最短経路を求めるという経路探索方法である。実施の形態1に係る経路生成装置及び経路生成方法に用いるグラフ探索アルゴリズムとして、特許文献1に記載されたグラフ探索アルゴリズムを適用した一例を挙げたが、他の公知のグラフ探索アルゴリズムを適用しても良い。
【0027】
<経路組合せ部>
経路組合せ部105は、幾何学的経路生成部103によって生成された幾何学的経路AL、及びグラフ探索経路生成部104によって生成されたグラフ探索経路GLを組み合せ、駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでの駐車経路を出力する。
以上が、実施の形態1に係る経路生成装置100の各構成の説明である。
【0028】
実施の形態1の実施例1.
<実施例1の経路生成装置>
以下に、実施例1の経路生成装置100について説明するが、経路生成装置100の適用例は、以下の実施例1から実施例3の適用例のみに限定されるものではない。
【0029】
図2、
図3、
図4及び
図5は、それぞれ実施例1の経路生成装置100の動作を説明する模式図である。実施例1の経路生成装置100の動作について、
図2、
図3、
図4及び
図5を用いて、以下に説明する。
【0030】
経路組合せ部105から出力される駐車経路は、
図2に示される、幾何学的経路生成部103によって生成された駐車目標位置EPから駐車スペース30内または駐車スペース30近傍の接続点CPまでの幾何学的経路ALと、
図3に示される、グラフ探索経路生成部104によって生成された駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLと、を組み合わせた経路である。なお、
図2において、駐車スペース30とは、2台の隣接車両20に挟まれた空間を指す。
【0031】
グラフ探索経路生成部104は、グラフ探索経路GLの生成に際して、
図4に示すように、自車両10の初期位置、つまり駐車目標位置EPに対応する初期ノードGNDから開始して、接続点CPまたは自車両10の駐車目標位置EPに対応する目標ノードへ向かう、複数のノード及び複数のエッジからなる初期ツリーSTと、目標ノードから開始して初期ノードへ向かう、複数のノード及び複数のエッジからなる目標ツリーETとを接続して、グラフ探索経路GLを生成するグラフ探索アルゴリズムを用いる。上述したように、かかるグラフ探索アルゴリズムは、例えば特許文献1に記載されているものを用いれば良い。
【0032】
図5に示すように、グラフ探索経路生成部104は、幾何学的経路生成部103が幾何学的経路ALを生成できなかった場合は、駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでの経路、すなわち駐車経路全体を生成しても良い。
【0033】
グラフ探索経路生成部104は、駐車開始位置SPから接続点CPまでの経路、つまりグラフ探索経路GLを探索できなかった場合に、上述の方法以外にも、例えばグラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更し、グラフ探索経路GLを再探索、つまり再生成しても良い。パラメータを変更する場合は、グラフ探索アルゴリズムに用いるパラメータとして、例えばノード間を接続するエッジの長さ、エッジの曲率、最大反復回数が挙げられる。複数のパラメータを使っても良い。なお、グラフ探索アルゴリズムに使用することが可能なパラメータであれば列挙したパラメータ以外でも良く、特に上述のパラメータのみに限定されるわけではない。
【0034】
以上が、実施例1の経路生成装置100の基本的な動作である。以下に、実施例1の経路生成装置100における動作をさらに詳細に説明する。
【0035】
<実施例1の経路生成装置を用いた経路生成方法>
以下に、実施例1の経路生成装置100による処理フロー、つまり経路生成方法を、
図6、
図7及び
図8の各フローチャートを用いて説明する。以下、ステップS101からステップS105までは
図6に示すフローチャート、ステップS111からステップS117までは
図7に示すフローチャート、ステップS131からステップS135までは
図8に示すフローチャートをそれぞれ用いて説明する。
【0036】
まず、ステップS101において、周辺環境情報取得部101は、自車両10に搭載した各種センサを用いて、自車両10の周辺環境情報を取得する。他の取得方法として、自車両10の外部の交通管制センターなどから自車両10の周辺環境情報を取得しても良い。周辺環境情報とは、駐車スペース30、通路幅を含む自車両10の周辺の障害物情報、駐車目標位置EPなど、経路の生成に使用する一連の情報である。
【0037】
ステップS102において、自車位置推定部102は、例えば自車両10に搭載された各種センサなどを用いて、現在の自車位置を推定する。
【0038】
ステップS103において、幾何学的経路生成部103は、上述したように幾何学的な定式化を用いて幾何学的経路ALを生成する。なお、幾何学的経路生成部103は、幾何学的経路ALの終端部である接続点CPも生成する。
【0039】
ステップS104において、グラフ探索経路生成部104は、上述したようにグラフ探索アルゴリズムを用いて自車両10の周辺に関する周辺環境情報及び接続点CPに基づいて、駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLを生成する。また、幾何学的経路生成部103が幾何学的経路ALを生成できない場合は、グラフ探索経路生成部104は、駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでの駐車経路全体を、グラフ探索経路GLとして生成しても良いし、あるいは、グラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更し、グラフ探索経路GLを再生成しても良い。
【0040】
次に、
図7のフローチャートを用いて、グラフ探索経路生成の処理フローを詳細に説明する。
ステップS111において、幾何学的経路生成部103は、幾何学的経路ALの生成の可否を判定する。幾何学的経路ALの経路生成が可能と判定された場合は、ステップS112の処理に進む。一方、幾何学的経路ALの経路生成が可能ではないと判定された場合は、ステップS113の処理に進む。
【0041】
ステップS111で幾何学的経路ALの経路生成が可能と判定された場合は、ステップS112において、グラフ探索経路生成部104は、目標位置、つまり幾何学的経路ALの終端部を接続点CPとして設定する。
【0042】
ステップS111で幾何学的経路ALの経路生成が可能ではないと判定された場合は、ステップS113において、グラフ探索経路生成部104は、目標位置を駐車目標位置EPに設定して、ステップS114の処理に進む。
【0043】
ステップS114において、グラフ探索経路生成部104は、駐車開始位置SP及び目標位置に基づいて、グラフ探索アルゴリズムによる経路生成処理を実施する。経路生成処理によって、リファレンス経路、つまりグラフ探索経路GLを算出する。ここで、リファレンス経路とは、車両速度、操舵角及び車両状態(x,y,θ)で表される経時的なプロファイルである。
【0044】
ステップS115において、ステップS114で算出したリファレンス経路が実際に生成可能か否かを判定する。リファレンス経路の生成が可能であると判定された場合は、ステップS116の処理に進む。一方、リファレンス経路の生成が可能ではないと判定された場合は、ステップS117の処理に進む。
【0045】
ステップS114で算出した経路生成処理がステップS115で経路生成が可能と判定された場合は、ステップS116において、リファレンス経路、つまりグラフ探索経路GLを経路生成情報として経路組合せ部105に出力する。
【0046】
ステップS115でリファレンス経路の生成が可能ではないと判定された場合は、ステップS117において、経路生成処理を上限処理回数、つまり最大反復回数まで実施したか否かを判定する。上限処理回数を超過していないと判定された場合は、ステップS118の処理に進む。一方、上限処理回数を超過したと判定された場合は、処理は終了する。
【0047】
ステップS118において、経路生成処理に用いるパラメータを変更し、ステップS114の処理に進み、再度、経路生成処理、つまり経路の再生成を行う。経路生成処理に用いるパラメータは、例えばエッジの長さ、エッジの曲率、上限処理回数(最大反復回数)が挙げられるが、グラフ探索経路生成に使用するパラメータであれば列挙したパラメータ以外のパラメータでも良い。
【0048】
ここで、
図6に示すフローチャートに戻り、ステップS105において、経路組合せ部105は、幾何学的経路生成部103が生成した駐車目標位置EPから接続点CPまでの幾何学的経路ALと、グラフ探索経路生成部104が生成した駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLとを組み合わせた経路、つまり駐車経路を出力する。なお、ステップS111で幾何学的経路ALの経路生成が可能ではないと判定された場合は、グラフ探索経路生成部104が駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでの経路が生成可能であれば、駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでの駐車経路全体を、グラフ探索経路GLとして出力する。
【0049】
図8のフローチャートを用いて経路組合せの処理フローを、以下に詳細に説明する。
ステップS131において、幾何学的経路ALの経路生成の可否を判定する。幾何学的経路ALの経路生成が可能と判定された場合は、ステップS132の処理に進む。一方、経路生成が可能ではないと判定された場合は、ステップS133の処理に進む。
【0050】
ステップS132において、グラフ探索経路GLの経路生成の可否を判定する。グラフ探索経路GLの経路生成が可能であると判定された場合は、ステップS134の処理に進む。一方、経路生成が可能ではないと判定された場合は、処理は終了する。
【0051】
ステップS131で経路生成が可能ではないと判定された場合は、ステップS133において、グラフ探索経路GLの経路生成の可否を判定する。グラフ探索経路GLの経路生成が可能であると判定された場合は、ステップS135の処理に進む。一方、グラフ探索経路GLの経路生成が可能ではないと判定された場合は、処理は終了する。
【0052】
ステップS134において、経路組合せ部105は、幾何学的経路AL及びグラフ探索経路GLを組合せて、経路生成情報、つまり駐車経路として出力する。
【0053】
ステップS133でグラフ探索経路GLの経路生成が可能であると判定された場合は、ステップS135において、グラフ探索経路GLを経路生成情報、つまり駐車経路として出力する。
以上が、実施例1の経路生成装置の動作の処理フロー、つまり経路生成方法である。
【0054】
<実施例1の経路生成装置の特徴及び効果>
実施例1の経路生成装置100は、駐車経路を、幾何学的経路生成部103によって生成された駐車目標位置EPから接続点CPまでの幾何学的経路ALと、グラフ探索経路生成部104によって駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLとを組み合わせた経路とする点、幾何学的経路生成部103が駐車目標位置EPから接続点CPまでの幾何学的経路ALを生成できなかった場合はグラフ探索経路生成部104が駐車開始位置SPから駐車目標位置EPまでをグラフ探索して駐車経路全体を生成する点、グラフ探索経路生成部104が駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLを探索できなかった場合はグラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更してグラフ探索経路GLを再生成する点、以上の各点に特徴がある。
【0055】
実施の形態1の実施例1の経路生成装置及び経路生成方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)駐車スペース内または駐車スペース近傍に進入するまでの複雑な状況まではグラフ探索アルゴリズムを用いて経路を生成する一方、駐車スペース内または駐車スペース近傍から駐車目標位置までは幾何学的経路を生成することにより、処理負荷を軽減することができる。
(2)双方向探索によるグラフ探索アルゴリズムを適用することにより、従来の初期ノードから目標ノードの片方向にのみ探索するグラフ探索と比べて、解が得られる速度が速くなる。つまり、処理負荷を軽減することができる。
(3)通路が狭く複雑な状況または駐車目標位置から接続点までの接続ができないために幾何学的経路を生成できなかった場合であっても、グラフ探索アルゴリズムを適用することにより、駐車経路の経路生成が可能となる。
(4)グラフ探索経路生成部によって駐車開始位置から接続点までのグラフ探索経路が探索できなかった場合であっても、グラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更して経路を再生成することにより、経路生成できる機会を損失せずに済む。
【0056】
実施の形態1の実施例2.
<実施例2の経路生成装置>
以下に、実施例2の経路生成装置100を説明する。実施例2では、幾何学的経路生成部103が生成した駐車目標位置EPから接続点CPまでの幾何学的経路ALと、グラフ探索経路生成部104が生成した駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLとを組み合わせた経路を、駐車経路とする。
【0057】
幾何学的経路生成部103は複数の接続点CP、つまり複数の幾何学的経路ALの終端部を算出し、各接続点CPにコスト(評価指標)を付加する。グラフ探索経路生成部104は、接続点CP及び駐車目標位置EPの少なくとも1つを用いてグラフ探索経路GLを生成する。経路組合せ部105は、駐車経路に複数の解がある場合は、コストが少ない方の駐車経路を選択する。
【0058】
さらに詳しく説明すると、幾何学的経路生成部103は駐車スペース30内または駐車スペース30近傍に接続点CPを生成し、接続点CPが複数ある場合は複数の接続点CPに関する経路のノード間コスト、つまり評価指標をそれぞれ算出し、グラフ探索経路生成部104は複数の接続点CPの少なくとも1つ以上を用いてグラフ探索経路GLを生成し、経路組合せ部105は駐車経路として複数の解がある場合は評価指標の合計が最も小さい駐車経路を選択する。
【0059】
以上が、実施例2における経路生成装置100の基本的な動作であるが、以下に、動作についてさらに詳細に説明する。
【0060】
実施例2の処理フロー、つまり経路生成方法は、
図6及び
図8のフローチャートで示される実施例1による処理フローとほぼ同一であるが、ステップS103、ステップS104及びステップS105の処理内容のそれぞれが一部異なる。したがって、以下では、ステップS103、ステップS104及びステップS105の各処理に限定して説明する。
【0061】
ステップS103において、
図9に示すように、幾何学的経路生成部103は複数の接続点CPを生成し、各接続点CPにコスト(評価指標)を付加する。なお、
図9の一例では、接続点CP1、接続点CP2、及び接続点CP3の3つの接続点が生成されている。さらに、幾何学的経路生成部103は、幾何学的経路ALの経路生成の可否を判定し、各々の接続点CP及び各接続点CPに対応するコスト(評価指標)を経路組合せ部105に出力する。幾何学的経路生成部103は、幾何学的経路ALの経路生成の可否及び生成した複数の接続点CPを、グラフ探索経路生成部104に出力する。
【0062】
複数の接続点CPとは、上述した複数の評価関数最小化経路のそれぞれの最終位置、つまり重み係数ωを任意に変更した場合の複数の評価関数最小化経路のそれぞれの最終位置である。コスト(評価指標)とは、例えば上述した式(1)から算出した値である。
【0063】
つまり、幾何学的経路生成部103は、複数の評価関数最小化経路、コスト及び幾何学的経路ALの経路生成の可否を経路組合せ部105に出力する一方、幾何学的経路ALの経路生成の可否及び複数の評価関数最小化経路のそれぞれの最終位置、つまり終端部を接続点CPとして、グラフ探索経路生成部104に出力する。
【0064】
ステップS104において、
図10に示す実施例2によるグラフ探索経路生成のフローチャートのように、実施例1によるグラフ探索経路生成のフローチャート(
図7)の処理の内容を一部変更している。以下、実施例1のグラフ探索経路生成のフローチャートとは異なる部分のみを説明する。
【0065】
図6のフローチャートのステップS104において、グラフ探索経路生成部104は、接続点CP及び駐車目標位置EPの少なくとも1つを用いてグラフ探索経路GLを生成する。
【0066】
図10のフローチャートのステップS142において、接続点CP及び駐車目標位置EPを目標位置(複数含む)として設定する。なお、接続点CPが複数ある場合は、目標位置を複数設定する。
【0067】
ステップS144において、駐車開始位置SP及び目標位置に基づいて、グラフ探索アルゴリズムによるグラフ探索経路GLの経路生成処理を実施する。複数の目標位置がある場合は、複数位置に対応した経路生成処理を実施する。以上の説明では、並列処理を一例として示しているが、複数位置での経路生成処理が可能な方法であれば他の方法でも適用可能である。
【0068】
ステップS144において、グラフ探索経路生成部104は駐車開始位置SPから目標位置までの経路を生成処理する際に、算出するノードごとに、コスト(ノードコスト)の総和を経路生成情報として、経路組合せ部105に出力する。ノードコストを算出する方法として、例えば特許文献1に開示されているノードコストの総和、つまり全体コストを算出する計算方法を適用しても良い。
【0069】
ステップS115において、ステップS144で算出した経路生成の可否を判定する。経路生成が可能と判定された場合は、ステップS116の処理に進む。一方、経路生成が可能ではないと判定された場合は、処理を終了する。
【0070】
図6のフローチャートのステップS105において、
図8の経路組合せのフローチャートで示されるステップS134の処理の内容が一部異なる。以下では、ステップS134の処理に限定して説明する。
【0071】
ステップS134において、幾何学的経路AL及びグラフ探索経路GLの解が複数ある場合は、経路組合せ部105は、コストが小さい方の経路を選択し、経路生成情報として出力する。
【0072】
経路生成の全体コストをL、幾何学的経路ALの生成コストをC1、グラフ探索経路GLの生成コストをC2、コスト割合を補正する経路生成補正係数をαとすると、全体コストLは、下記の式(2)のように表現することが可能である。
【0073】
【数2】
以上が、実施例2の経路生成装置100の動作の処理フロー、つまり経路生成方法である。
【0074】
<実施例2の経路生成装置及び経路生成方法の特徴及び効果>
実施例2の経路生成装置及び経路生成方法では、幾何学的経路生成部103は複数の接続点CPを算出して、各接続点CPにそれぞれコストを付加し、グラフ探索経路生成部104は接続点CP及び駐車目標位置EPの少なくとも1つを用いてグラフ探索経路GLを生成し、経路に複数の解がある場合はコストが少ない方の経路を選択する点に特徴がある。
【0075】
実施例2の経路生成装置及び経路生成方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)経路に複数の解がある場合は、コストが少ない方の経路を選択することにより、効率の良い駐車経路を生成することができる。
【0076】
実施の形態1の実施例3.
<実施例3の経路生成装置及び経路生成方法>
以下に、実施例3の経路生成装置及び経路生成方法を説明する。実施例3では、経路生成前後に周辺環境が変化して経路上に障害物40が検知され、経路生成を再生成した際に、グラフ探索経路生成部104によって接続点CPまでのグラフ探索経路GLが見つからなくなった場合に、幾何学的経路生成部103は幾何学的経路ALにおいて障害物40に衝突しない接続点CP(単一または複数の接続点)を新たに設定して、経路を再生成する。
以上が、実施例3の経路生成装置100及び経路生成方法における基本的な動作である。実施例3の経路生成装置100の動作を、以下に、さらに詳細に説明する。
【0077】
<実施例3の経路生成装置を用いた経路生成方法>
実施例3の処理フロー、つまり経路生成方法は、
図6、
図8及び
図10のフローチャートで示される実施の形態1の実施例1及び実施例2による処理フローとほぼ同一であるが、ステップS103の処理の内容が一部異なる。以下では、ステップS103の処理に限定して説明する。
【0078】
図6のフローチャートのステップS103において、グラフ探索経路生成部104によって駐車開始位置SPから接続点CPまでのグラフ探索経路GLが一度は見つけたものの(
図11)、それ以降に障害物40によって周辺環境が変化したなどの状況により経路生成が不可となった場合に(
図12)、幾何学的経路生成部103は障害物40に接触しない、つまり障害物40を回避可能な新たな幾何学的経路AL及び接続点CPを再生成する(
図13)。なお、この接続点CPは単一または複数とする。
【0079】
実施例3の経路形成方法によれば、以下の効果を奏する。
(1)障害物によって周辺環境が変化したなどの状況により経路生成が不可となった場合であっても、幾何学的経路生成部は障害物に接触しない幾何学的経路及び接続点を再生成することにより、経路生成できる機会を増やせる。
【0080】
<実施の形態1の効果>
実施の形態1に係る経路生成装置及び経路生成方法が奏する効果を、以下に列挙する。
(1)駐車スペース内または駐車スペース近傍に進入するまでの複雑な状況まではグラフ探索アルゴリズムを用いて経路を生成する一方、駐車スペース内または駐車スペース近傍から駐車目標位置までは幾何学的経路を生成することにより、処理負荷を軽減することができる。
(2)双方向探索によるグラフ探索アルゴリズムを適用することにより、従来の初期ノードから目標ノードの片方向にのみ探索するグラフ探索と比べて、解が得られる速度が速くなる。つまり、処理負荷を軽減することができる。
(3)通路が狭く複雑な状況または駐車目標位置から接続点までの接続ができないために幾何学的経路を生成できなかった場合であっても、グラフ探索アルゴリズムを適用することにより、駐車経路の経路生成が可能となる。
(4)グラフ探索経路生成部によって駐車開始位置から接続点までのグラフ探索経路が探索できなかった場合であっても、グラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更して経路を再生成することにより、経路生成できる機会を損失せずに済む。
(5)経路に複数の解がある場合は、コストが少ない方の経路を選択することにより、効率の良い駐車経路を生成することができる。
(6)障害物によって周辺環境が変化したなどの状況により経路生成が不可となった場合であっても、幾何学的経路生成部は障害物に接触しない幾何学的経路及び接続点を再生成することで、経路生成できる機会を増やせる。
【0081】
実施の形態2.
<実施の形態2に係る駐車支援システムの構成>
図14は、実施の形態2に係る駐車支援システム500の構成を示すブロック図である。実施の形態2に係る駐車支援システム500は、実施の形態1に係る経路生成装置100及び車両制御装置200と、を備える。
【0082】
車両制御装置200は、経路生成装置100の経路組合せ部105から出力される経路生成情報に基づいて、車両10aを駐車目標位置EPに駐車させる車両制御を行う。車両制御装置200では、経路組合せ部105で生成した操舵角及び車両状態の経時的なプロファイルに従って、目標のハンドル操舵量を算出し、駐車目標位置EPへと車両10aを駐車させる。また、車両制御装置200では経路生成装置100の経路組合せ部105で生成した車両速度の経時的なプロファイルに従って、目標の車速を算出し、車両10aを駐車目標位置EPへと円滑に誘導する。
【0083】
車両制御装置200における目標ハンドル操舵量及び目標加減速度の演算は、フィードバック制御による演算方法、あるいは、MPC(Model Predictive Control)による演算方法など、公知の演算方法が適用可能である。
【0084】
車両制御装置200は、周辺環境が変化した際に、幾何学的経路生成部103及びグラフ探索経路生成部104が経路の再形成を実施し、経路生成できなかった場合は中断を判断する。
【0085】
車両制御装置200は、中断の判断に応じて車両10aを停車させ、例えば停車が一定時間継続される。さらに、車両制御装置200は、駐車目標位置EPまでの車両10aの駐車が周辺環境の変化などの影響により困難であると判断した場合は、駐車制御を中止する。
【0086】
図15は、実施の形態2に係る駐車支援システム500を搭載した車両10aの模式図である。車両10aに、駐車支援システム500及びアクチュエータ530が搭載される。
【0087】
アクチュエータ530は、電動パワーステアリング(Electronic Power Steering:EPS)ユニット535と、パワートレインユニット536と、ブレーキユニット537と、EPSコントローラ531と、パワートレインコントローラ532と、ブレーキコントローラ533と、を備える。アクチュエータ530は、目標ハンドル操舵量及び目標加減速度に車両10aを追従させるように、EPS、ブレーキ及びアクセルを制御する。
【0088】
そして、車両制御装置200は、接続されている各種センサ(図示せず)から入力された情報を、ROMに格納されたプログラムに従って処理し、EPSコントローラ531に目標制御量を送信し、パワートレインコントローラ532に目標駆動力を送信し、ブレーキコントローラ533に目標制動力を送信する。
【0089】
EPSコントローラ531は、車両制御装置200から送信された目標制御量に基づきEPSユニット535を制御する。EPSコントローラ531によって、例えば、車両10aが目標軌跡に沿って走行するための操舵角を制御することができる。
【0090】
パワートレインコントローラ532は、車両制御装置200から送信された目標駆動力を実現するようにパワートレインユニット536を制御する。
【0091】
なお、実施の形態2の説明では、エンジンのみを駆動力源とする車両を一例として挙げたが、電動モータのみを駆動力源とする車両、あるいは、エンジンと電動モータの両方を駆動力源とする車両などに適用してもよい。
【0092】
ブレーキコントローラ533は、車両制御装置200から送信された目標制動力を実現するように、ブレーキユニット537を制御する。
以上が、経路生成装置100及び車両制御装置200を含む駐車支援システム500の構成及び動作の概要である。
【0093】
<実施の形態2の効果>
以上、実施の形態2に係る駐車支援システムによると、実施の形態1に係る経路生成装置を用いて駐車経路の生成を行うので、周辺環境に適切に対応し、処理負荷を軽減されるため効率的な駐車制御を実現できるという効果を奏する。
【0094】
以上、実施の形態1に係る経路生成装置100及び実施の形態2に係る駐車支援システム500の各構成要素の機能が、ハードウェア及びソフトウェアなどのいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしながら、これに限られたものではなく、経路生成装置100及び駐車支援システム500の一部の構成要素を専用のハードウェアで実現し、別の一部の構成要素をソフトウェアなどで実現する構成であってもよい。
【0095】
例えば、
図16及び
図17に示すように、一部の構成要素については専用のハードウェアとしての処理回路800でその機能を実現し、他の一部の構成要素についてはプロセッサ801としての処理回路800が、記憶装置802に格納された実施の形態1に係る経路生成方法をコンピュータ等で実行させるためのプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0096】
さらに、
図17に示すように、経路生成装置100及び駐車支援システム500の各機能部等が用いる設定データは、ソフトウェアの一部、すなわち、実施の形態1に係る経路生成方法をコンピュータ等で実行させるためのプログラム804が記憶されている記録媒体803から記憶装置802にインストールされても良い。
【0097】
以上のように、実施の形態1に係る経路生成装置100及び実施の形態2に係る駐車支援システム500は、ハードウェア、ソフトウェアなど、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0098】
<本願の諸態様のまとめ>
以下、本願の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0099】
(付記1)
自車両の周辺環境を取得する周辺環境情報取得部と、
自車位置を推定する自車位置推定部と、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路を生成する幾何学的経路生成部と、
複数のノードと前記ノード間を接続する複数のエッジを用いて経路を探索するグラフ探索アルゴリズムを用いて、グラフ探索経路を生成するグラフ探索経路生成部と、
前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車スペース内の駐車目標位置までの駐車経路を生成する経路組合せ部と、
を備える経路生成装置。
【0100】
(付記2)
前記駐車経路は、前記幾何学的経路生成部によって生成された前記駐車目標位置から接続点までの経路である前記幾何学的経路と、前記グラフ探索経路生成部によって生成された前記駐車開始位置から前記接続点までの経路である前記グラフ探索経路とを組み合わせた経路であることを特徴とする付記1に記載の経路生成装置。
【0101】
(付記3)
前記幾何学的経路生成部は前記幾何学的経路の生成時に前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成し、前記接続点が複数ある場合は複数の前記接続点に関する経路の評価指標をそれぞれ算出し、前記グラフ探索経路生成部は複数の前記接続点の少なくとも1つ以上を用いて前記グラフ探索経路を生成し、前記経路組合せ部は前記駐車経路として複数の解がある場合は前記評価指標の合計が最も小さい駐車経路を選択することを特徴とする付記2に記載の経路生成装置。
【0102】
(付記4)
前記幾何学的経路生成部が前記幾何学的経路を生成できない場合は、前記グラフ探索経路生成部は前記駐車開始位置から前記駐車目標位置までの前記駐車経路を前記グラフ探索経路として生成することを特徴とする付記1に記載の経路生成装置。
【0103】
(付記5)
前記グラフ探索経路生成部は、前記駐車開始位置に対応する初期ノードから開始して、前記接続点に対応する目標ノードへ向かう前記複数のノード及び前記複数のエッジからなる初期ツリーと、前記目標ノードから開始して前記初期ノードへ向かう前記複数のノード及び前記複数のエッジからなる目標ツリーとを接続して、前記グラフ探索経路を生成するグラフ探索アルゴリズムを用いることを特徴とする付記2または3に記載の経路生成装置。
【0104】
(付記6)
前記グラフ探索経路生成部は、前記グラフ探索経路を生成できない場合は、前記グラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更して、前記グラフ探索経路を再生成することを特徴とする付記5に記載の経路生成装置。
【0105】
(付記7)
前記パラメータは、前記エッジの長さ、前記エッジの曲率、最大反復回数のいずれか1つ以上であることを特徴とする付記6に記載の経路生成装置。
【0106】
(付記8)
前記グラフ探索経路の生成処理後に前記周辺環境が変化して、前記周辺環境情報取得部が前記グラフ探索経路上に位置する障害物に関する情報を取得し、かつ前記グラフ探索経路生成部が前記グラフ探索経路を生成できない場合は、前記幾何学的経路生成部は前記障害物を回避する幾何学的経路及び前記接続点を再生成することを特徴とする付記2、3、5から7のいずれか1項に記載の経路生成装置。
【0107】
(付記9)
付記1から8のいずれか1項に記載の経路生成装置と、
前記経路生成装置が生成した前記駐車経路に基づいて、前記自車両を駐車させる車両制御装置と、
を備える駐車支援システム。
【0108】
(付記10)
前記車両制御装置は、周辺環境が変化した際に、前記幾何学的経路生成部及び前記グラフ探索経路生成部の両方が経路の再生成を行っても前記駐車経路を生成できない場合は、前記自車両の車両制御を中断すると判断することを特徴とする付記9に記載の駐車支援システム。
【0109】
(付記11)
前記車両制御装置は中断の判断に対応して、前記自車両を停車させ、駐車制御を中止することを特徴とする付記10に記載の駐車支援システム。
【0110】
(付記12)
以下の各ステップを処理回路によって実行する車両制御方法であって、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路、及び前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成するステップと、
ノード及び前記ノードを接続するエッジを用いるグラフ探索アルゴリズムに基づきグラフ探索経路を生成するステップと、
前記接続点を介して前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車目標位置までの駐車経路を生成するステップと、
を備える経路生成方法。
【0111】
(付記13)
前記グラフ探索アルゴリズムは、前記駐車開始位置に対応する初期ノードから開始して、前記接続点に対応する目標ノードへ向かう複数の前記ノード及び複数の前記エッジからなる初期ツリーと、前記目標ノードから開始して前記初期ノードへ向かう複数の前記ノード及び複数の前記エッジからなる目標ツリーとを接続して、前記グラフ探索経路を生成することを特徴とする付記12に記載の経路生成方法。
【0112】
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
【0113】
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0114】
10 自車両、10a 車両、20 隣接車両、30 駐車スペース、40 障害物、100 経路生成装置、101 周辺環境情報取得部、102 自車位置推定部、103 幾何学的経路生成部、104 グラフ探索経路生成部、105 経路組合せ部、200 車両制御装置、500 駐車支援システム、530 アクチュエータ、531 EPSコントローラ、532 パワートレインコントローラ、533 ブレーキコントローラ、535 EPSユニット、536 パワートレインユニット、537 ブレーキユニット、800 処理回路、801 プロセッサ、802 記憶装置、803 記録媒体、804 プログラム、AL 幾何学的経路、CP、CP1、CP2、CP3 接続点、EP 駐車目標位置、ET 目標ツリー、GL グラフ探索経路、SP 駐車開始位置、ST 初期ツリー
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺環境を取得する周辺環境情報取得部と、
自車位置を推定する自車位置推定部と、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路を生成する幾何学的経路生成部と、
複数のノードと前記ノード間を接続する複数のエッジを用いて経路を探索するグラフ探索アルゴリズムを用いて、グラフ探索経路を生成するグラフ探索経路生成部と、
前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車スペース内の駐車目標位置までの駐車経路を生成する経路組合せ部と、
を備える経路生成装置。
【請求項2】
前記駐車経路は、前記幾何学的経路生成部によって生成された前記駐車目標位置から接続点までの経路である前記幾何学的経路と、前記グラフ探索経路生成部によって生成された前記駐車開始位置から前記接続点までの経路である前記グラフ探索経路とを組み合わせた経路であることを特徴とする請求項1に記載の経路生成装置。
【請求項3】
前記幾何学的経路生成部は前記幾何学的経路の生成時に前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成し、前記接続点が複数ある場合は複数の前記接続点に関する経路の評価指標をそれぞれ算出し、前記グラフ探索経路生成部は複数の前記接続点の少なくとも1つ以上を用いて前記グラフ探索経路を生成し、前記経路組合せ部は前記駐車経路として複数の解がある場合は前記評価指標の合計が最も小さい駐車経路を選択することを特徴とする請求項2に記載の経路生成装置。
【請求項4】
前記幾何学的経路生成部が前記幾何学的経路を生成できない場合は、前記グラフ探索経路生成部は前記駐車開始位置から前記駐車目標位置までの前記駐車経路を前記グラフ探索経路として生成することを特徴とする請求項1に記載の経路生成装置。
【請求項5】
前記グラフ探索経路生成部は、前記駐車開始位置に対応する初期ノードから開始して、前記接続点に対応する目標ノードへ向かう前記複数のノード及び前記複数のエッジからなる初期ツリーと、前記目標ノードから開始して前記初期ノードへ向かう前記複数のノード及び前記複数のエッジからなる目標ツリーとを接続して、前記グラフ探索経路を生成するグラフ探索アルゴリズムを用いることを特徴とする請求項2に記載の経路生成装置。
【請求項6】
前記グラフ探索経路生成部は、前記グラフ探索経路を生成できない場合は、前記グラフ探索アルゴリズムに使用するパラメータを変更して、前記グラフ探索経路を再生成することを特徴とする請求項5に記載の経路生成装置。
【請求項7】
前記パラメータは、前記エッジの長さ、前記エッジの曲率、最大反復回数のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項6に記載の経路生成装置。
【請求項8】
前記グラフ探索経路の生成処理後に前記周辺環境が変化して、前記周辺環境情報取得部が前記グラフ探索経路上に位置する障害物に関する情報を取得し、かつ前記グラフ探索経路生成部が前記グラフ探索経路を生成できない場合は、前記幾何学的経路生成部は前記障害物を回避する幾何学的経路及び前記接続点を再生成することを特徴とする請求項2、3、6、7のいずれか1項に記載の経路生成装置。
【請求項9】
請求項1から4、6、7のいずれか1項に記載の経路生成装置と、
前記経路生成装置が生成した前記駐車経路に基づいて、前記自車両を駐車させる車両制御装置と、
を備える駐車支援システム。
【請求項10】
前記車両制御装置は、周辺環境が変化した際に、前記幾何学的経路生成部及び前記グラフ探索経路生成部の両方が経路の再生成を行っても前記駐車経路を生成できない場合は、前記自車両の車両制御を中断すると判断することを特徴とする請求項9に記載の駐車支援システム。
【請求項11】
前記車両制御装置は中断の判断に対応して、前記自車両を停車させ、駐車制御を中止することを特徴とする請求項10に記載の駐車支援システム。
【請求項12】
以下の各ステップを処理回路によって実行する車両制御方法であって、
経路の幾何学的な形状を表す式を用いて幾何学的経路、及び前記幾何学的経路の終端部を接続点として生成するステップと、
ノード及び前記ノードを接続するエッジを用いるグラフ探索アルゴリズムに基づきグラフ探索経路を生成するステップと、
前記接続点を介して前記幾何学的経路及び前記グラフ探索経路を組み合わせることにより、駐車開始位置から駐車目標位置までの駐車経路を生成するステップと、
を備える経路生成方法。
【請求項13】
前記グラフ探索アルゴリズムは、前記駐車開始位置に対応する初期ノードから開始して、前記接続点に対応する目標ノードへ向かう複数の前記ノード及び複数の前記エッジからなる初期ツリーと、前記目標ノードから開始して前記初期ノードへ向かう複数の前記ノード及び複数の前記エッジからなる目標ツリーとを接続して、前記グラフ探索経路を生成することを特徴とする請求項12に記載の経路生成方法。