(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024126793
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】希ガス回収方法、希ガス回収装置、および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 23/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
C01B23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035431
(22)【出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】水野 央之
(57)【要約】
【課題】希ガスを有効活用することが可能な希ガス回収方法を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る希ガス回収方法は、半導体製造装置から排出された希ガスに含まれる不純物の濃度を分析し、濃度の分析結果に応じて、希ガスを複数のタンクのうちのいずれかに貯蔵する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置から排出された希ガスに含まれる不純物の濃度を分析し、
前記濃度の分析結果に応じて、前記希ガスを複数のタンクのうちのいずれかに貯蔵する、
希ガス回収方法。
【請求項2】
前記希ガスの元素の濃度に応じて、前記希ガスを排気する、請求項1に記載の希ガス回収方法。
【請求項3】
前記不純物は、CxHyFz(0≦x,y,z)である、請求項1または2に記載の希ガス回収方法。
【請求項4】
複数の半導体製造装置ごとに前記不純物の濃度を測定し、
前記複数のタンクに貯蔵された貯蔵ガスを、前記複数の半導体製造装置ごとに設定された混合割合に基づいて混合する、
請求項1または2に記載の希ガス回収方法。
【請求項5】
半導体製造装置から排出された希ガスを貯蔵可能な複数のタンクと、
前記希ガスに含まれる不純物の濃度を分析し、前記濃度の分析結果に応じて、前記希ガスを複数のタンクのうちのいずれかに貯蔵する分析器と、
を備える、希ガス回収装置。
【請求項6】
不純物の濃度がそれぞれ異なる希ガスを複数のタンクに貯蔵し、
前記複数のタンクに貯蔵された前記希ガスを、半導体製造装置に対して設定された混合割合に基づいて混合し、
混合した希ガスを前記半導体製造装置に導入することによって、半導体装置を製造する、
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、希ガス回収方法、希ガス回収装置、および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置から排出された希ガスをリサイクルする技術が知られている。この技術では、半導体製造装置から排出された希ガスは、回収されて、再びその半導体製造装置に導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-97007号公報
【特許文献2】特開2005-336046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように希ガスをリサイクルする場合、最初に半導体製造装置に導入される希ガスは、例えば大気から生成される場合がある。この場合、大気から生成されて半導体製造装置に導入される希ガスに含まれる不純物濃度が、半導体製造装置から回収した希ガスに含まれる不純物濃度と異なる可能性がある。そのため、回収された希ガスに含まれる不純物濃度次第では、その半導体製造装置でリサイクルできなくなってしまう。
【0005】
本発明の実施形態は、希ガスを有効活用することが可能な希ガス回収方法、希ガス回収装置、および半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る希ガス回収方法は、半導体製造装置から排出された希ガスに含まれる不純物の濃度を分析し、濃度の分析結果に応じて、希ガスを複数のタンクのうちのいずれかに貯蔵する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る希ガス回収装置の概略的な構造を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る希ガス回収装置を用いて製造される半導体装置の概略的な平面図である。
【
図4】
図3に示す切断線A-Aに沿った断面図である。
【
図6】メモリホールを形成する工程を示す断面図である。
【
図7】メモリ膜を形成する工程を示す断面図である。
【
図8】メモリホールを形成する工程を示す断面図である。
【
図10】電極層を形成する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0009】
図1は、一実施形態に係る希ガス回収装置の概略的な構造を示すブロック図である。本実施形態に係る希ガス回収装置1は、複数の半導体製造装置21、22、23から排出された希ガスを回収する装置である。
【0010】
本実施形態では、複数の半導体製造装置21、22、23は、RIE(Reactive Ion Etching)等のエッチング処理を行うエッチング装置である。半導体製造装置21、22、23には、CxHyFz(0≦x,y,z)で表される不純物を含んだ希ガスが導入される。希ガスは、例えばクリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等である。不純物には、例えば、一酸化炭素(CO)、水素(H2)、ヘリウム(He)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)などが含まれる。
【0011】
半導体製造装置21のエッチング処理が終了すると、半導体製造装置21内に残ったガスが、排出ポンプ31によって排出される。同様に、半導体製造装置22、23内に残ったガスは、排出ポンプ32、33によってそれぞれ排出される。
【0012】
排出ポンプ31によって排出されたガスは、希ガス分離器41に流入する。同様に、排出ポンプ32、33によって排出されたガスは、希ガス分離器42、43にそれぞれ流入する。希ガス分離器41、42、43は、流入したガスから希ガスを分離する。ただし、希ガスを完全に分離することは困難である。そのため、希ガス分離器41、42、43によって分離された希ガスには、不純物も含まれている。この不純物を含んだ希ガスが、希ガス回収装置1に回収される。
【0013】
希ガス回収装置1は、分析器10と、弁13と、タンク14a、14b、14cと、排気ダクト15と、ブレンダ16a、16b、16cと、を有する。希ガス回収装置1には、タンクおよびブレンダが3台ずつ設けられているが、これらの台数は2台以上であればよい。
【0014】
分析器10は、測定部11および制御部12を有する。測定部11は、各半導体製造装置から各希ガス分離器を経由して排出された希ガスの濃度およびその希ガスに含まれる不純物の濃度を測定する。この不純物の濃度は、例えば、FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)、RGA(Residual Gas Analyzer)、およびGCMS(Gas Chromatography Mass spectrometry)などで構成されている。
【0015】
FTIRは、試料ガスの赤外線吸収スペクトルを測定し、そのピーク位置や高さからガス成分や量を推定する方法である。FTIRによれば、短時間かつ広いレンジで不純物濃度を測定することが可能となる。FTIRが測定部11に設けられていると、測定部11は、各希ガス分離器から流出した希ガス中の不純物をリアルタイムで監視し、その濃度に基づいて、タンク14a、14b、14cの中から希ガスの貯蔵先を選択する。
【0016】
RGAは、試料ガス中の分子または原子をイオン化し、質量ごとにイオン電流を測定する方法である。RGAによれば、分子量ごとに分子数が測定されるため、ガス種や量を特定しやすくなる。RGAが測定部11に設けられていると、測定部11は、FTIRで同定できないガスの種類を同定することができる。この場合、測定部11では、タンク14a、14b、14cへの希ガスの貯蔵条件が更新され、FTIRにフィードバックされる。
【0017】
GCMSは、固定相の通過時間がガスによって異なる特性を利用して、固定相に試料ガスを通し、その通過時間に基づいて成分を同定する。GCMSが測定部11に設けられていると、測定部11は、タンク14a、14b、14cに貯蔵された希ガス(クリプトン)の不純物濃度をオンラインまたはオフラインで定期的にモニタリングする。
【0018】
制御部12は、測定部11の測定結果に基づいて、各希ガス分離器からの排出ガスの行先を、タンク14a、14b、14cのいずれかに貯蔵するかまたは排気ダクト15を介して排気することを選択する。続いて、制御部12は、上記排気ガスが、選択先に流れるように弁13の開閉を制御する。
【0019】
排出ガスの選択先がタンク14aである場合、制御部12は、タンク14aに連通する弁13を開き、残りの弁13を閉じる。排出ガスの選択先がタンク14bである場合、制御部12は、タンク14bに連通する弁13を開き、残りの弁13を閉じる。排出ガスの選択先がタンク14cである場合、制御部12は、タンク14cに連通する弁13を開き、残りの弁13を閉じる。排出ガスの選択先が排気ダクト15である場合、制御部12は、排気ダクト15に連通する弁13を開き、残りの弁13を閉じる。
【0020】
図2は、測定部11の測定結果の一例を示す図である。
図2には、測定部11によって測定されたKr濃度K、CF
4濃度C、およびN
2濃度Nの経時的な変化の一例が示されている。Kr濃度Kは、希ガス分離器41、42、43のいずれかの排出ガスに含まれるクリプトン濃度である。また、CF
4濃度とN
2濃度は、上記排出ガスに含まれる不四フッ化炭素濃度および窒素濃度である。クリプトンは希ガスの一例である。四フッ化炭素および窒素は不純物の一例である。
【0021】
本実施形態では、Kr濃度K、CF4濃度C、およびN2濃度Nのそれぞれに応じて、排出ガスの行先が設定されている。例えば、Kr濃度Kがしきい値Kth1よりも高い範囲では、排出ガスの行先は、タンク14aに設定される。Kr濃度Kが、しきい値Kth1以下でかつしきい値Kth2よりも高い範囲では、排出ガスの行先は、タンク14bに設定される。Kr濃度Kがしきい値Kth2以下の範囲では、排出ガスの行先は、排気ダクト15に設定される。
【0022】
また、CF4濃度Cがしきい値Cth1以下の範囲では、排出ガスの行先は、タンク14aに設定される。CF4濃度Cが、しきい値Cth1よりも高くてしきい値Cth2以下である範囲では、排出ガスの行先は、タンク14bに設定される。なお、本実施形態では、排出ガスのCF4濃度Cがしきい値Cth2に達すると、その排出ガスを排出した希ガス分離器のメンテナンスを行う。これにより、排出ガスのCF4濃度Cは、しきい値Cth1よりも低くなる。
【0023】
また、N2濃度Nがしきい値Nth1以下の範囲では、排出ガスの行先は、タンク14aに設定される。N2濃度Nが、しきい値Nth1よりも高くてしきい値Nth2以下である範囲では、排出ガスの行先は、タンク14bに設定される。N2濃度Nが、しきい値Nth2よりも高い範囲では、排出ガスの行先は、タンク14cに設定される。
【0024】
本実施形態では、
図2に示すように、時刻0~時刻t1、時刻t2~時刻t3、時刻t5~時刻t6、および時刻t7~時刻t8の期間では、Kr濃度K、CF
4濃度C、およびN
2濃度Nの全てがタンク14aの貯蔵条件を満たす。そのため、これらの期間では、排出ガスは、タンク14aに貯蔵される。
【0025】
また、時刻t1~時刻t2、時刻t3~時刻t4、時刻t6~時刻t7、および時刻t8~時刻t9の期間では、CF4濃度CとN2濃度Nの少なくとも1つが、タンク14bの貯蔵条件を満たす。そのため、これらの期間では、排出ガスは、タンク14bに貯蔵される。
【0026】
また、時刻t4~時刻t5では、N2濃度Nがタンク14cの貯蔵条件を満たす。そのため、これらの期間では、排出ガスは、タンク14cに貯蔵される。
【0027】
さらに、時刻t9~時刻t10では、Kr濃度Kが、排気条件を満たす。そのため、この期間では、排出ガスは、排気ダクト15を介して排気される。
【0028】
上記のように、本実施形態では、希ガス(クリプトン)の濃度よりも不純物濃度を優先して、排出ガスを貯蔵するタンクが選択される。また、不純物濃度よりも希ガス(クリプトン)の濃度を優先して、排出ガスを排気することが選択される。
【0029】
タンク14a~タンク14cの貯蔵ガスは、ブレンダ16a、16b、16cでそれぞれ混合される。本実施形態では、希ガス生成装置50で生成された希ガスも貯蔵ガスと共に混合される場合がある。希ガス生成装置50は、例えば大気からクリプトンを生成する。
【0030】
ブレンダ16aは、半導体製造装置21のエッチング条件に基づいて設定された混合割合でガスを混合する。この混合割合は、例えば、タンク14a:タンク14b:タンク14c:希ガス生成装置50=0:0:100:0に設定される。
【0031】
また、ブレンダ16bは、半導体製造装置22のエッチング条件に基づいて設定された混合割合でガスを混合する。この混合割合は、例えば、タンク14a:タンク14b:タンク14c:希ガス生成装置50=0:60:40:0に設定される。
【0032】
さらに、ブレンダ16cは、半導体製造装置23のエッチング条件に基づいて設定された混合割合でガスを混合する。この混合割合は、例えば、タンク14a:タンク14b:タンク14c:希ガス生成装置50=50:0:0:50に設定される。
【0033】
以下、上述した希ガス回収装置1を用いて製造される半導体装置について説明する。ここでは、3次元構造のメモリセルアレイを有する半導体記憶装置を説明する。この半導体記憶装置は、データの消去および書き込みを電気的に自由に行うことができ、電源を切っても記憶内容を保持することができるNAND型不揮発性半導体記憶装置である。なお、以下の説明では、相互に直交する2つの平面方向をX方向およびY方向とする。また、X方向およびY方向に対して直交する鉛直方向をZ方向とする。
【0034】
図3は、本実施形態に係る希ガス回収装置1を用いて製造される半導体装置の概略的な平面図である。
図3に示す半導体装置101は、複数のセル領域111が設けられている。また、セル領域111の間は、スリット112によって分断されている。各セル領域111には、複数のメモリ膜113が形成されている。ここで、
図4を参照して、半導体装置101の断面構造を説明する。
【0035】
図4は、
図3に示す切断線A-Aに沿った断面図である。
図4に示すように、スリット112およびメモリ膜113は、積層体200をZ方向に貫通している。積層体200では、電極層201と絶縁層202とがZ方向に交互に積層されている。電極層201は、ワードラインとして機能し、例えばタングステン(W)等の金属層で構成される。一方、絶縁層202は、例えば酸化シリコン(SiO
2)層で構成される。
【0036】
また、メモリ膜113では、図示されていないが、酸化膜、ブロック絶縁膜、電荷蓄積膜、トンネル絶縁膜、チャネル膜、およびコア絶縁膜が積層されている。酸化膜は、メモリ膜113の最も外側に成膜され、電極層201および絶縁層202に接する。酸化膜は、例えばHigh-k材料(高誘電率絶縁材料)を用いて形成することができる。ブロック絶縁膜は、酸化膜の内側に成膜される。ブロック絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜である。電荷蓄積膜は、ブロック絶縁膜の内側に成膜される。電荷蓄積膜は、例えば窒化シリコン(SiN)膜である。トンネル絶縁膜は、電荷蓄積膜の内側に成膜される。トンネル絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜である。チャネル膜は、トンネル絶縁膜の内側に成膜される。チャネル膜は、例えばポリシリコン膜である。コア絶縁膜は、チャネル膜の内側に成膜される。コア絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜である。
【0037】
スリット112は、例えば酸化シリコン膜である。なお、スリット112内では、配線として用いられる金属層がZ方向に延びていてもよい。
【0038】
以下、
図5~
図10を参照して、上記のように構成された半導体装置101の製造方法について説明する。
【0039】
まず、
図5に示すように、積層体200aを形成する。積層体200aでは、平板状の複数の絶縁層201a(第1絶縁層)と複数の絶縁層202(第2絶縁層)とがZ方向に交互に積層されている。絶縁層201aは、例えば窒化シリコンを含む。積層体200aは、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)またはALD(Atomic Layer Deposition)によって形成することができる。
【0040】
次に、
図6に示すように、Z方向に積層体200aを貫通するメモリホール113aを形成する。メモリホール113aは、上述したメモリ膜113の配置場所に形成される。メモリホール113aは、半導体製造装置21、22、23のうちのいずれかで形成される。
【0041】
例えば、メモリホール113aが半導体製造装置21で形成される場合、ブレンダ16aは、メモリホール113aの形成に適した不純物濃度の混合割合でガスを混合する。この混合ガスがブレンダ16aから半導体製造装置21に導入されることによって、メモリホール113aが積層体200aに形成される。
【0042】
次に、
図7に示すように、メモリホール113a内にメモリ膜113を形成する。本実施形態では、メモリ膜113は、通常用いられる方法で成膜される。そのため、ここでは、メモリ膜113の成膜工程の説明は省略する。
【0043】
次に、
図8に示すように、積層体200aにスリットホール112aを形成する。スリットホール112aは、上述したスリット112の配置場所に形成される。スリットホール112aは、半導体製造装置21、22、23のうち、メモリホール113aを形成した装置とは別の装置で形成される。
【0044】
例えば、スリットホール112aが半導体製造装置22で形成される場合、ブレンダ16bは、スリットホール112aの形成に適した不純物濃度の混合割合でガスを混合する。この混合ガスがブレンダ16bから半導体製造装置22に導入されることによって、スリットホール112aが積層体200aに形成される。
【0045】
次に、
図9に示すように、絶縁層201aを除去する。絶縁層201aは、例えば、リン酸等の薬液を用いたウェットエッチングにより除去することができる。
【0046】
次に、
図10に示すように、絶縁層201aの除去箇所に電極層201を形成する。絶縁層201aが電極層201に置換される。
【0047】
最後に、
図4に戻って、スリットホール112a内にスリット112を形成する。これにより、半導体装置101が完成する。
【0048】
上述した本実施形態によれば、分析器10が各半導体製造装置から排出された希ガスに含まれる不純物濃度を分析する。また、希ガスは、不純物濃度の分析結果に応じて、それぞれ異なるタンクに貯蔵される。さらに、タンクの貯蔵ガスが、半導体製造装置のプロセス条件に基づいて適切に混合される。よって、希ガスを有効活用することができる。
【0049】
なお、本実施形態では、半導体製造装置21、22、23は、エッチング装置であるが、例えば、CVDまたはALD等の成膜処理を行う成膜装置であってもよい。この成膜装置は、例えば、希ガスをヘリウム(He)またはネオン(Ne)にすることによって、上述した積層体200aを形成する工程に用いることができる。
【0050】
さらに、半導体製造装置21、22、23は、2つの基板を貼り合わせる貼合装置であってもよい。この貼合装置は、例えば、上述したメモリ膜113が形成されたメモリ基板と、メモリ膜113の駆動回路が形成された回路基板とを、貼り合わせる貼合工程に用いることができる。
【0051】
なお、特許請求の範囲に記載された半導体装置およびその製造方法は、以下の付記に記載されている構成であってもよい。
【0052】
(付記1)
前記希ガスの元素が、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ヘリウム(He)、またはネオン(Ne)である、請求項1に記載の希ガス回収方法。
(付記2)
前記混合割合に、大気から生成された希ガスも含まれている、請求項4に記載の希ガス回収方法。
(付記3)
前記半導体製造装置が、エッチング装置である、請求項1に記載の希ガス回収方法。
(付記4)
前記半導体製造装置が、成膜装置である、請求項1に記載の希ガス回収方法。
(付記5)
前記半導体製造装置が、2枚の基板を貼り合わせる装置である、請求項1に記載の希ガス回収方法。
(付記6)
前記希ガスの元素の濃度に応じて、前記希ガスを排気する排気ダクトをさらに備える、請求項5に記載の希ガス回収装置。
(付記7)
前記分析器は、複数の半導体製造装置ごとに前記不純物の濃度を測定し、
前記複数のタンクに貯蔵された貯蔵ガスを、前記複数の半導体製造装置ごとに設定された混合割合に基づいて混合するブレンダをさらに備える、請求項5に記載の希ガス回収装置。
(付記8)
前記希ガスを前記半導体製造装置に導入することによって、第1絶縁層と第2絶縁層とが交互に積層された積層体を貫通するホールを形成する、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1:希ガス回収装置
10:分析器10
11:測定部
12:制御部
13:弁
14a、14b、14c:タンク
15:排気ダクト
16a、16b、16c:ブレンダ
21、22、23:半導体製造装置
50:希ガス生成装置
101:半導体装置